JP2636837B2 - Ｃｕ溶浸２層バルブシートの製造方法 - Google Patents
Ｃｕ溶浸２層バルブシートの製造方法Info
- Publication number
- JP2636837B2 JP2636837B2 JP61004804A JP480486A JP2636837B2 JP 2636837 B2 JP2636837 B2 JP 2636837B2 JP 61004804 A JP61004804 A JP 61004804A JP 480486 A JP480486 A JP 480486A JP 2636837 B2 JP2636837 B2 JP 2636837B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- valve seat
- powder
- alloy
- infiltration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Lift Valve (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車エンジン等の内燃機関に用いるCu
溶浸２層バルブシートの製造方法に関するものである。
溶浸２層バルブシートの製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕 従来使用されているCu溶浸バルブシートは、バルブ当
接層形成用Fe系材料圧粉体層およびバルブシート本体形
成用Fe系材料圧粉体層の２層からなる圧粉体を成形し、
この２層圧粉体を通常の焼結法により層状焼結体に焼結
し、さらに上記層状焼結体に別工程にて通常の条件、す
なわちバルブ当接層を上にして、これにCuまたはCu合金
の溶浸材を載置し、この状態で例えばメタン変成ガス雰
囲気中、温度:1100℃に20分間保持の条件でCu溶浸処理
を施して製造されるものである。
接層形成用Fe系材料圧粉体層およびバルブシート本体形
成用Fe系材料圧粉体層の２層からなる圧粉体を成形し、
この２層圧粉体を通常の焼結法により層状焼結体に焼結
し、さらに上記層状焼結体に別工程にて通常の条件、す
なわちバルブ当接層を上にして、これにCuまたはCu合金
の溶浸材を載置し、この状態で例えばメタン変成ガス雰
囲気中、温度:1100℃に20分間保持の条件でCu溶浸処理
を施して製造されるものである。
しかし、このような従来の製造工程では、焼結工程と
溶浸工程の２工程からなるため、コスト高となることは
避けることができないものであった。
溶浸工程の２工程からなるため、コスト高となることは
避けることができないものであった。
そこで、本発明者等は、上述の観点から、Cu溶浸バル
ブシートの製造工程を短縮し、製造コストの低減をはか
りながら、材料強度、切削性等の問題を解決すべく研究
を行なった結果、溶浸用CuまたはCu合金圧粉体層、バル
ブ当接層形成用Fe系材料圧粉体層、およびバルブシート
本体形成用Fe系材料圧粉体層の配置で３層に形成された
層状圧粉体を成形し、この層状圧粉体を前記溶浸用Cuま
たはCu合金圧粉体層を下部配置とした状態で一体に焼結
すると、焼結時、CuまたはCu合金は、上記バルブ当接層
形成用Fe系材料圧粉体層およびバルブシート本体形成用
Fe系材料圧粉体層の空孔に移動し、焼結と同時に全ての
部分にCuまたはCu合金が溶浸し、Cu溶浸２層バルブシー
トの製造が可能であるとの知見を得たものである。
ブシートの製造工程を短縮し、製造コストの低減をはか
りながら、材料強度、切削性等の問題を解決すべく研究
を行なった結果、溶浸用CuまたはCu合金圧粉体層、バル
ブ当接層形成用Fe系材料圧粉体層、およびバルブシート
本体形成用Fe系材料圧粉体層の配置で３層に形成された
層状圧粉体を成形し、この層状圧粉体を前記溶浸用Cuま
たはCu合金圧粉体層を下部配置とした状態で一体に焼結
すると、焼結時、CuまたはCu合金は、上記バルブ当接層
形成用Fe系材料圧粉体層およびバルブシート本体形成用
Fe系材料圧粉体層の空孔に移動し、焼結と同時に全ての
部分にCuまたはCu合金が溶浸し、Cu溶浸２層バルブシー
トの製造が可能であるとの知見を得たものである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
り、上記のように３層圧粉体を成形し、溶浸用Cuまたは
Cu合金圧粉体層を下部配置とした状態で焼結することに
よりCu溶浸２層バルブシートが低コストで製造できるも
のである。
り、上記のように３層圧粉体を成形し、溶浸用Cuまたは
Cu合金圧粉体層を下部配置とした状態で焼結することに
よりCu溶浸２層バルブシートが低コストで製造できるも
のである。
上記３層圧粉体は、バルブシート本体形成用Fe系材料
粉末、バルブ当接層形成用Fe系材料粉末、および溶浸用
CuまたはCu合金粉末を押型内に３層に充填し、押圧する
ことにより成形されるものである。
粉末、バルブ当接層形成用Fe系材料粉末、および溶浸用
CuまたはCu合金粉末を押型内に３層に充填し、押圧する
ことにより成形されるものである。
つぎに、この発明のCu溶浸２層バルブシートの製造方
法を実施例により具体的に説明する。
法を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、粒度−100メッシュの還元Fe粉末、
粒度−350メッシュのカーボニルNi粉末、平均粒径10μ
ｍの黒鉛粉末、粒度−350メッシュのMo粉末、さらにい
ずれも粒度−150メッシュのCo粉末、純銅粉末、Fe−Cr
合金（Cr:60％含有）粉末、Fe−Mo合金（Mo:60％含有）
粉末、Cu−Co合金（Co:3.0％含有）粉末、Cu−Ｐ合金
（P:10％含有）粉末、Sn粉末およびCu−Sn合金（Sn:10
％含有）粉末、粒度−250メッシュのCu−Pb合金（Pb:30
％含有）粉末を用意し、これらの原料粉末を用いて第１
表に示される配合組成のバルブ当接層形成用Fe系材料粉
末およびバルブシート本体形成用Fe系材料粉末をそれぞ
れ調製し、ボールミルで72時間乾式混合した後、上記の
純銅またはCu合金粉末も溶浸用として合せて用い、押型
内に充填し、6ton/cm2の圧力で押圧して、同じく第１表
に示される層構成の層状圧粉体を成形し、ついで、この
層状圧粉体を、溶浸用CuまたはCu合金圧粉体層を下部配
置とした状態でアンモニア分解ガス雰囲気中で1130℃〜
1170℃の範囲内の所定の温度に約30分間保持という条件
で一体焼結することにより本発明法１〜５を実施した。
粒度−350メッシュのカーボニルNi粉末、平均粒径10μ
ｍの黒鉛粉末、粒度−350メッシュのMo粉末、さらにい
ずれも粒度−150メッシュのCo粉末、純銅粉末、Fe−Cr
合金（Cr:60％含有）粉末、Fe−Mo合金（Mo:60％含有）
粉末、Cu−Co合金（Co:3.0％含有）粉末、Cu−Ｐ合金
（P:10％含有）粉末、Sn粉末およびCu−Sn合金（Sn:10
％含有）粉末、粒度−250メッシュのCu−Pb合金（Pb:30
％含有）粉末を用意し、これらの原料粉末を用いて第１
表に示される配合組成のバルブ当接層形成用Fe系材料粉
末およびバルブシート本体形成用Fe系材料粉末をそれぞ
れ調製し、ボールミルで72時間乾式混合した後、上記の
純銅またはCu合金粉末も溶浸用として合せて用い、押型
内に充填し、6ton/cm2の圧力で押圧して、同じく第１表
に示される層構成の層状圧粉体を成形し、ついで、この
層状圧粉体を、溶浸用CuまたはCu合金圧粉体層を下部配
置とした状態でアンモニア分解ガス雰囲気中で1130℃〜
1170℃の範囲内の所定の温度に約30分間保持という条件
で一体焼結することにより本発明法１〜５を実施した。
この結果上記溶浸用CuまたはCu合金圧粉体層のCuまた
はCu合金が、焼結時に、バルブ当接層形成用Fe系材料圧
粉体層およびバルブシート本体形成用Fe系材料圧粉体層
の各層に溶浸し、CuまたはCu合金が溶浸した２層バルブ
シートが製造されたが、さらに、これに600℃〜650℃の
範囲内の所定温度で約60分間保持という条件で焼戻しを
施し、引続いて、サイジングおよび仕上げ加工を施し
て、外径34.45mmφ×内径27mmφ、高さ7.5mmの寸法とし
た。
はCu合金が、焼結時に、バルブ当接層形成用Fe系材料圧
粉体層およびバルブシート本体形成用Fe系材料圧粉体層
の各層に溶浸し、CuまたはCu合金が溶浸した２層バルブ
シートが製造されたが、さらに、これに600℃〜650℃の
範囲内の所定温度で約60分間保持という条件で焼戻しを
施し、引続いて、サイジングおよび仕上げ加工を施し
て、外径34.45mmφ×内径27mmφ、高さ7.5mmの寸法とし
た。
また、比較の目的で、第１表に示される通り、上記層
状圧粉体の層構成を２層とし、前記層状圧粉体の焼結後
に同じく第１表に示される組成を有するCuまたはCu合金
の溶浸材を上記の通常の条件にて厚さ全体に亘って溶浸
する以外は、同一の条件にて従来法１〜５を行ない、Cu
溶浸２層バルブシートを製造した。
状圧粉体の層構成を２層とし、前記層状圧粉体の焼結後
に同じく第１表に示される組成を有するCuまたはCu合金
の溶浸材を上記の通常の条件にて厚さ全体に亘って溶浸
する以外は、同一の条件にて従来法１〜５を行ない、Cu
溶浸２層バルブシートを製造した。
つぎに、この結果得られた各種の２層バルブシートを
それぞれ、排気量:1600ccのガソリンエンジンに組込
み、有鉛ガソリンを用い、相手材たるバルブの材質:JIS
・SUH−３（ステライト盛金弁）、エンジン回転数:5500
r.p.m.、運転時間:50時間の条件でエンジンテストを行
い、試験後におけるバルブシートのバルブ当接面の最大
磨耗深さと相手材（バルブ）の最大磨耗深さを測定し
た。
それぞれ、排気量:1600ccのガソリンエンジンに組込
み、有鉛ガソリンを用い、相手材たるバルブの材質:JIS
・SUH−３（ステライト盛金弁）、エンジン回転数:5500
r.p.m.、運転時間:50時間の条件でエンジンテストを行
い、試験後におけるバルブシートのバルブ当接面の最大
磨耗深さと相手材（バルブ）の最大磨耗深さを測定し
た。
この測定結果を第２表に示した。さらに、第２表に
は、Cu溶浸２層バルブシートのCu溶浸含有量も示した。
は、Cu溶浸２層バルブシートのCu溶浸含有量も示した。
第1,2表に示される結果から、本発明法１〜５で製造
されたCu溶浸２層バルブシートにおいては、いずれもバ
ルブ当接層が溶浸したCuまたはCu合金によって空孔が減
少して気密化し、また、バルブシートの最大磨耗深さお
よびバルブの最大磨耗深さのデータからみて、耐磨耗性
においても従来法１〜５によって製造されたCu溶浸２層
バルブシートと同等の特性を示すことが明らかである。
されたCu溶浸２層バルブシートにおいては、いずれもバ
ルブ当接層が溶浸したCuまたはCu合金によって空孔が減
少して気密化し、また、バルブシートの最大磨耗深さお
よびバルブの最大磨耗深さのデータからみて、耐磨耗性
においても従来法１〜５によって製造されたCu溶浸２層
バルブシートと同等の特性を示すことが明らかである。
上述のように、この発明の方法によれば、別工程とし
てのCu溶浸処理を施すことなく焼結と同時にバルブシー
ト全体にCu溶浸がなされるので、上記焼結後のCu溶浸処
理工程を省略できるにもかかわらず、従来のCu溶浸２層
バルブシートと同等の特性をもったCu溶浸２層バルブシ
ートが製造でき、このように上記別工程としてのCu溶浸
処理工程を省略できたことは、Cu溶浸のためのエネルギ
ーの節約および製造時間の短縮が達成され、その結果、
コストの低減をはかることができるなど工業上有用な効
果がもたらされるのである。
てのCu溶浸処理を施すことなく焼結と同時にバルブシー
ト全体にCu溶浸がなされるので、上記焼結後のCu溶浸処
理工程を省略できるにもかかわらず、従来のCu溶浸２層
バルブシートと同等の特性をもったCu溶浸２層バルブシ
ートが製造でき、このように上記別工程としてのCu溶浸
処理工程を省略できたことは、Cu溶浸のためのエネルギ
ーの節約および製造時間の短縮が達成され、その結果、
コストの低減をはかることができるなど工業上有用な効
果がもたらされるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−114589（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−158351（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−120446（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−203813（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- 【請求項１】バルブシート本体形成用Fe系材料粉末、バ
ルブ当接層形成用Fe系材料粉末、および溶浸用Cuまたは
Cu合金粉末を押型内にに３層状に充填し、押圧して溶浸
用CuまたはCu合金圧粉体層−バルブ当接層形成用Fe系材
料圧粉体層−バルブシート本体形成用Fe系材料圧粉体層
の配置で３層に形成された層状圧粉体を成形し、前記層
状圧粉体を前記溶浸用CuまたはCu合金圧粉体層を下部配
置とした状態で一体焼結することを特徴とするCu溶浸２
層バルブシートの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61004804A JP2636837B2 (ja) | 1986-01-13 | 1986-01-13 | Ｃｕ溶浸２層バルブシートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61004804A JP2636837B2 (ja) | 1986-01-13 | 1986-01-13 | Ｃｕ溶浸２層バルブシートの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62164803A JPS62164803A (ja) | 1987-07-21 |
| JP2636837B2 true JP2636837B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=11593947
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61004804A Expired - Lifetime JP2636837B2 (ja) | 1986-01-13 | 1986-01-13 | Ｃｕ溶浸２層バルブシートの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2636837B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102018219686A1 (de) * | 2018-11-16 | 2020-05-20 | Mahle International Gmbh | Verfahren zum Herstellen eines mit Kupfer infiltrierten Ventilsitzrings |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56114589A (en) * | 1980-02-14 | 1981-09-09 | Agency Of Ind Science & Technol | Manufacture of metallic product with hole |
| JPS6045265B2 (ja) * | 1981-03-26 | 1985-10-08 | マツダ株式会社 | アルミニウム複合焼結材およびその製造方法 |
| JPS59120446A (ja) * | 1982-12-27 | 1984-07-12 | 三菱マテリアル株式会社 | Ｆｅ系焼結材料製２層バルブシート |
| JPH0235125B2 (ja) * | 1983-05-02 | 1990-08-08 | Mitsubishi Metal Corp | Fekeishoketsuzairyosei2sobarubushiitonoseizoho |
-
1986
- 1986-01-13 JP JP61004804A patent/JP2636837B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62164803A (ja) | 1987-07-21 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP3651420B2 (ja) | 粉末冶金用合金鋼粉 | |
| JP3859344B2 (ja) | 摺動材料，摺動部材およびその摺動部材の製造方法 | |
| US4485147A (en) | Process for producing a sintered product of copper-infiltrated iron-base alloy and a two-layer valve seat produced by this process | |
| JP2001081501A (ja) | 粉末冶金用混合粉末ならびに鉄系焼結体およびその製造方法 | |
| KR20030071540A (ko) | 고밀도 철기 단조 부품 생산 방법 | |
| KR100319428B1 (ko) | 밸브시트인서어트 | |
| JP3784926B2 (ja) | バルブシート用鉄系焼結合金 | |
| JP3389590B2 (ja) | コンロッドの製造方法 | |
| JP2636837B2 (ja) | Ｃｕ溶浸２層バルブシートの製造方法 | |
| JP3704100B2 (ja) | 高耐摩耗高強度焼結部品およびその製造方法 | |
| JP3579561B2 (ja) | 鉄系焼結合金製バルブシート | |
| JP4060092B2 (ja) | 粉末冶金用合金鋼粉およびその焼結体 | |
| WO2000027571A1 (en) | Sintering of metal powder mixture | |
| JPS6337161B2 (ja) | ||
| JPS597324B2 (ja) | 銅系、鉄系複合層焼結含油軸受の製造法 | |
| JPS59155660A (ja) | 中空カムシヤフトおよびその製造方法 | |
| JPH09235646A (ja) | 焼結摺動部材及びその製造方法 | |
| JPH0235125B2 (ja) | Fekeishoketsuzairyosei2sobarubushiitonoseizoho | |
| JPS6125538B2 (ja) | ||
| KR19980028998A (ko) | 내연기관용 밸브리프터 및 그 제조방법 | |
| JP2002115513A (ja) | 鉄基燒結合金製２層バルブシートおよびその製造方法 | |
| JP2000002344A (ja) | 焼結バルブシート部材及びその製造方法 | |
| JPH0310001B2 (ja) | ||
| JPH01279701A (ja) | 鍛造部材の製造方法 | |
| JPH0210203B2 (ja) |