JP2000002344A - 焼結バルブシート部材及びその製造方法 - Google Patents

焼結バルブシート部材及びその製造方法

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JP2000002344A JP16893198A JP16893198A JP2000002344A JP 2000002344 A JP2000002344 A JP 2000002344A JP 16893198 A JP16893198 A JP 16893198A JP 16893198 A JP16893198 A JP 16893198A JP 2000002344 A JP2000002344 A JP 2000002344A
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Koji Kobayashi
孝司 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度、耐摩耗性及び熱伝導性を向上さ
せた焼結バルブシート部材及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 導電性を有する型25内に、本体層用合
金粉12aとシート面層の母材となる金属粉13aとを
積層状態に加圧成形してなるバルブシート用成形体15
を装填するとともに、該成形体15の上面に、銅材15
を積層し、これら成形体15及び銅材16を加圧しつつ
これらに通電することにより、各層を加熱するとともに
これら層中に放電を発生させ、母材中に銅を溶浸させた
焼結バルブシート部材を得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、内燃機関用
のバルブシート部材として好適に用いられ、機械的強
度、耐摩耗性及び熱伝導性に優れた高密度の焼結バルブ
シート部材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、ガソリンエンジンのバルブシー
ト部材付近の断面を示しており、バルブシート部材1
は、シリンダヘッド2の吸気通路3と排気通路4とのそ
れぞれの開口部に設けられ、往復運動するバルブ5と当
接し、バルブ5がバルブシート部材1と接触している時
に混合気が爆発して高圧になる燃焼室6の気密を保持す
る役割を有する。また同時に、加熱されるバルブ5の熱
を逃がし、当該バルブ5の過熱を防止する役割も求めら
れる。図中符号7はシリンダ8内を往復移動させられる
ピストンを示し、符号9は点火プラグを示す。
【0003】このバルブシート部材1の材料としては、
本体層とバルブが当接するシート面層との二層構造とさ
れ、本体層としては、例えば、JIS規格表示でSUH
−4等の耐熱鋼、もしくは、Fe−2wt%Cr−0.7
wt%C等の鉄系焼結合金が適用され、シート面層として
は、耐摩耗性等に優れた、例えばFe−3wt%Mo−
2wt%Co−1.5wt%Cr−1.0wt%C−
0.5wt%Ni等の鉄系焼結合金中に、10wt%程度
のFe−60wt%Mo等の硬質粒子を分散させた焼結合
金が用いられている。この種の焼結合金は鋼等の溶製材
と比較して異種粉末を混合することができる等、合金設
計の自由度が大きいという優れた特徴を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におけ
るエンジンの高出力化、高回転化、高効率化等に伴い、
燃焼室の温度が上昇する傾向にあり、バルブシート部材
に対しても機械的強度の向上のみならず、より一層の耐
摩耗性、耐熱性、高熱伝導性等が求められてきている
が、従来の前記材料からなるバルブシート部材では、そ
の特性向上に限界があった。この場合、より耐摩耗性等
の性能に優れる合金を適用することが考えられるが、コ
スト増加を余儀なくされる。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、機械的強度、耐摩耗性及び熱伝導性等を向上さ
せた焼結バルブシート部材及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のような焼結バルブシート部材の製造方
法を採用した。すなわち、本発明の焼結バルブシート部
材の製造方法は、導電性を有する型内に、母材となる金
属粉を充填するとともに、該金属粉の層の上面に、銅材
を積層し、これら金属粉及び銅材を加圧しつつこれらに
通電することにより、両層を加熱するとともにこれら層
中に放電を発生させ、銅を溶浸させた焼結バルブシート
部材を得ることを特徴とする。この場合、銅材は、溶製
材であってもよいし、焼結体であってもよい。また、母
材と同様に粉末であってもよい。
【0007】この製造方法では、放電によって金属粉の
表面に存在する金属酸化膜が破壊され、当該表面が活性
化されるので、比較的低温での緻密な焼結が可能にな
る。また、加圧しつつ放電を生じさせていることによ
り、焼結の進行にしたがって金属粉は変形圧縮しかつ高
密度となり、寸法精度及び密度比の高い焼結合金が得ら
れる。通常の焼結方法では、焼結体中に気孔が5〜20
%程度存在しているために、その密度は理論密度である
真密度よりかなり小さく、その比は0.80〜0.95
程度であるところ、本発明の製造方法によれば、焼結密
度の真密度に対する比を0.95〜1.00とし、その
機械的強度、耐摩耗性、耐熱性を向上させることができ
る。また、放電焼結時に、銅が溶融して母材中の主とし
て粉末粒界部分に侵入するため、得られたバルブシート
部材は極めて緻密かつ熱伝導性に優れたものとなり、耐
熱性が向上する。
【0008】また、母材となる金属粉の充填から成形、
加圧下での放電による焼結までを単一の型内で行うので
はなく、予め、母材となる金属粉を加圧成形してバルブ
シート用成形体を形成しておき、該成形体を導電性を有
する型内に装填して、その上面に銅材を積層し、これら
成形体及び銅材を加圧しつつ放電を生じさせて焼結する
ようにしてもよい。この場合、母材の成形体は、成型時
の圧力を小さくするなどにより、気孔の含有率を大きく
しておくと、その後の銅の溶浸を効果的に行わせること
ができる。
【0009】また、予め母材となる金属粉の上に銅粉を
層状に積層して加圧成形しておき、その積層成形体を放
電焼結させるようにしてもよい。この場合、積層成形体
を仮焼成しておき、その仮焼成体を放電焼結することも
可能である。さらに、母材となる金属粉に銅粉を分散さ
せて加圧成形しておき、その成形体を放電焼結させるよ
うにしてもよい。なお、放電焼結は、大気、吸熱性変成
雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気または真空のいず
れかの雰囲気中で行われる。
【0010】焼結バルブシート部材としては、本体層と
バルブが当接するシート面層との拡散接合による積層構
造とし、その少なくともシート面層を銅を溶浸させた密
度比0.95〜1.00の焼結合金から構成することに
より、シート面層を耐摩耗性等の性能に優れる合金と
し、本体層には安価な合金を使用することができる。こ
の場合、本体層は、焼結材によって構成してもよいし、
溶製材によって構成してもよい。特に強度や剛性等に優
れた鋼とすることにより、バルブシートとしての機械的
強度がさらに高められる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態の焼結
バルブシート部材を示す断面図である。この焼結バルブ
シート部材11は、鉄系の焼結合金からなる本体層12
とシート面層13とが、厚み方向に積層されて互いに拡
散接合され、シート面層13の内周部にはバルブに当接
する当たり面14が適切な幅で形成されている。そし
て、本体層12及びシート面層13のそれぞれの密度比
は0.95〜1.00の範囲とされている。
【0012】前記本体層12の材料としては、例えば、
Crを2〜3wt%、Cを0.5〜1.0wt%含有
し、残部がFe及び不可避不純物からなる鉄系焼結合金
が好適である。もちろん、従来と同様、SUH−4等の
耐熱鋼の溶製材を適用することも可能である。
【0013】一方、前記シート面層13の材料として
は、母材となる鉄系焼結合金に銅を溶浸させたものが適
用される。母材としての鉄系焼結合金は、エンジンの吸
気側に使用されるバルブシート部材の材料としては、例
えば、Moを0.5〜2wt%、Crを0.3〜1wt
%、Cを0.7〜1.2wt%含有し、残部がFe及び
不可避不純物からなる鉄系合金に、その基材となる金属
粒子よりも硬度の大きいFe−60wt%Moからなる硬
質粒子を2〜10wt%加えて分散させた鉄系焼結合金、
あるいは、Coを0.5〜3wt%、Cを0.5〜1.
5wt%、Niを0.5〜3wt%含有し、残部がFe
及び不可避不純物からなる鉄系合金に、Fe−60wt%
Moからなる硬質粒子を2〜10wt%加えて分散させた
鉄系焼結合金が好適である。
【0014】また、排気側に使用されるバルブシート部
材の材料としては、例えば、Moを2〜5wt%、Co
を1〜15wt%、Cを0.5〜1.5wt%、Niを
0.5〜1wt%、Wを1〜3wt%、Nbを0.3〜
1wt%含有し、残部がFe及び不可避不純物からなる
鉄系合金に、その基材となる金属粒子よりも硬さの大き
いCr基硬質粒子を3〜10wt%、同じくCo基硬質
粒子を3〜15wt%それぞれ加えて分散させた鉄系焼
結合金が好適である。
【0015】このように吸気側と排気側とで材料を異な
らせるのは、ガソリンエンジンでは、吸気側のバルブシ
ート部材の温度が例えば200℃程度であるのに対し
て、排気側は400〜500℃程度にもなり、排気側の
方が吸気側よりも熱の影響が大きいので、排気側に、硬
さ等の物理的特性や機械的強度、耐摩耗性、耐熱性、熱
伝導性等の性能により優れるものを使用するためであ
る。また、排気側に用いられるバルブシート部材は、当
たり面14の幅を吸気側のバルブシート部材よりも若干
広くして熱伝導をよくするとよい。
【0016】そして、これら母材となる鉄系焼結合金に
銅が溶浸されて前記シート面層13が構成されているも
のである。溶浸させる銅の量は、5〜20wt%程度が
好ましい。
【0017】次に、上記バルブシート部材11の製造方
法について説明する。まず、成型用金型(図示略)内に
本体層用合金粉12aとシート面層用合金の母材となる
鉄系合金粉13aとを層状に充填し、これらを加圧成形
してバルブシート用成形体15を形成する。この場合、
加圧力を、通常の加圧成形の場合は5〜7ton/cm
2 であるのに対して、例えば3〜5ton/cm2 程度
に小さくしておく。この時点で得られる成形体は、真密
度に対する密度比が例えば、70〜85%程度となる。
【0018】次いで、図2に示すように、導電性を有す
る金属、カーボン等からなる上パンチ21及び下パンチ
22、ダイ23、コアロッド24等を備える型25の内
面に窒化硼素(BN)等の潤滑剤を塗布した後、型内に
前記バルブシート用成形体15を装填し、その上面に銅
材16を積層状態に充填する。この型25は、上パンチ
21と下パンチ22とが電源26に接続されている。銅
材16は粉状のもの、板状のもの、いずれも適用可能で
ある。
【0019】そして、型25内を大気中にそのまま、あ
るいは吸熱性変成雰囲気、還元性雰囲気、不活性雰囲気
または真空のいずれかの雰囲気とした後に、上パンチ2
1と下パンチ22との間で成形体15及び銅材16を加
圧しつつこれら両パンチ21、22間に例えば10ボル
ト程度の電圧をかけ数百アンペア以上のパルス電流を流
すことにより、型を発熱させて成形体等を加熱するとと
もに型及び金属粉末粒子間に放電を発生させ、上記成形
体15及び銅材16を焼成する。このときの熱により、
銅材16は溶融して、成形体15中に溶浸していくこと
になる。
【0020】以上の方法により、必要に応じて矯正加工
及び仕上げ研削等の機械加工を行って、図1に示すよう
なバルブシート部材11を得ることができる。なお、型
25内を大気以外の吸熱性変成雰囲気、還元性雰囲気、
不活性雰囲気または真空のいずれかの雰囲気にする場合
は、型25全体をチャンバ(図示略)に収納しておくこ
とが行われる。
【0021】上記の製造方法によって、各種合金粉を用
い、焼成の温度、時間、雰囲気、及び型による加圧力を
種々変化させてバルブシート部材を製作し、その性能評
価を行った。結果を表1に示す。表中、本体層として使
用した材料のうち、はFe−2wt%Cr−0.7wt%
Cからなる焼結合金、は溶製材としてSUH−4の耐
熱鋼を使用した。また、シート面層に使用した母材とな
る合金粉A〜Eは、次の材料とした。この場合、Eは、
従来方法では焼結し難かったCo系合金であり、本実施
形態の方法による焼結を試みた。
【0022】A:Fe−1wt%Mo−0.6wt%Cr
−1wt%Cからなる鉄系合金に、Fe−60wt%Mo
からなる硬質粒子を10wt%加えて分散させたもの B:Fe−1.5wt%Co−1.1wt%C−2wt
%Niからなる鉄系合金に、Fe−60wt%Moからな
る硬質粒子を8wt%加えて分散させたもの C:Fe−3wt%Mo−8wt%Co−1wt%C−
0.7wt%Ni−2wt%W−0.5wt%Nbから
なる鉄系合金に、Cr系硬質粒子を5wt%、Co系硬質
粒子を10wt%加えて分散させたもの D:Fe−3.8wt%Mo−10wt%Co−1.2
wt%C−0.8wt%Ni−1.5wt%W−0.8wt
%Nbからなる鉄系合金に、Cr系硬質粒子を10wt
%、Co系硬質粒子を12wt%加えて分散させたもの E:Co−1wt%Ni−32wt%Cr−17wt%
W−1wt%Fe−2.5wt%CからなるCo系合金 なお、シート面側に溶浸させたCu量はそれぞれ表に記
載の通りである。
【0023】No.1〜9までが、本実施形態の方法に
より製作したものであり、No.10は、従来例とし
て、シート面層に、Fe−3wt%Mo−2wt%Co−
1.5wt%Cr−1wt%C−0.5wtNiからなる
鉄系合金に、Fe−60wt%Moからなる硬質粒子を1
0wt%加えて分散させたものを使用し、真空中1150
℃の温度で、60分焼成して製作した。また、用途の欄
の「IN」は吸気側、「EX」は排出側に使用したこと
を示す。
【0024】
【表1】
【0025】特性評価の欄の圧環荷重とは、外径35m
m、内径27mm、厚さ8mmの試験片を用いて、JI
S Z 2507に準じて圧環強さを求めたものであ
る。摩耗量とは、試験片を2000ccガソリンエンジ
ンの吸気側あるいは排気側バルブシートの形状とし、シ
リンダヘッドに圧入して、負荷をかけながらいわゆる台
上耐久試験を実施し、その摩耗量を測定したものであ
り、エンジンの回転数6500rpm、試験時間は50
0時間とした。密度比は、アルキメデス法により焼結後
の密度を測定し、その真密度(理論密度)との比を求め
た。この場合、本体層として溶製材を使用したNo.
2、4、7、9についての密度比は、本体層を除去して
測定した。
【0026】表1から明かなように、本実施例のバルブ
シート部材(No.1〜9)では、密度比が0.97以
上あり、圧環荷重が150kgf/mm2 以上、摩耗量
も吸気側で3μm以下、排気側で8μm以下と、従来例
のもの(No.10)よりも機械的強度、耐摩耗性が向
上していることがわかる。また、摩耗量測定のために行
った台上耐久試験の排気側においては、バルブ温度が約
750℃、バルブシート部材の温度が約400℃に昇温
していたが、本実施例のバルブシート部材は特に異常は
認められず、耐熱性にも優れていることが立証された。
特に、シート面層には銅が溶浸していることにより、バ
ルブから伝わる熱をバルブシート部材内に速やかに伝導
させてシリンダヘッドに逃がすことができ、その結果、
熱的特性が向上するものと認められる。なお、密度比に
関しては、実用上、0.95以上あれば、一般的な焼結
部材と比較して十分に機械的強度、耐摩耗性等を向上さ
せることができる。
【0027】また、本実施例のバルブシート部材の断面
を金属顕微鏡で観察したところ、本体層、シート面層は
相互に拡散接合され、かつ、特にシート面層は銅が溶浸
して気孔等がほとんど無く、極めて緻密な構造であっ
た。したがって、本実施形態のバルブシート部材によれ
ば、機械的強度、耐摩耗性及び耐熱性、及びこれらの接
合部分の接合強度を向上させることができ、部材を長寿
命化して、その信頼性を向上させることができる。
【0028】一方、その製造方法によれば、予め金型で
加圧成形した成形体を焼成するので、放電焼結時の加圧
の影響が少なくなり、得られる焼結体の収縮率を小さく
して、部材の寸法設計を容易にし、寸法精度を向上させ
ることができる。
【0029】なお、上記実施形態のバルブシート部材の
構造及び製造条件は、一例を挙げたものにすぎず、要求
されるバルブシート部材の形状に合わせて適宜変更可能
である。例えば、成形体を一旦仮焼成して仮焼体とし、
該仮焼体を導電性を有する型に装填して、前記実施形態
の場合と同様の雰囲気、加圧下で、仮焼体を加熱しつつ
仮焼体中に放電を生じさせることにより、これを焼成す
ることも可能である。また、予め成形体や仮焼体を形成
するのではなく、導電性を有する型内に本体層用合金粉
とシート面層の母材となる合金粉とを層状に充填し、そ
の上に銅材として銅粉を積層して、これら金属粉を一体
に加圧下で放電焼結することとしてもよく、本体層とシ
ート面層との接合及び銅の溶浸を一つの工程で製造する
ことができる。
【0030】さらに、図3に示す焼結バルブシート部材
31のように、本体層32を鋼等の溶製材により、内周
の一端部に段部33を有するリング状に形成しておき、
その段部33に、加圧下での放電焼結により、銅を溶浸
させたシート面層34を形成した構成としてもよい。こ
の場合も、加圧下の放電により、溶製材と合金粉とが拡
散接合して、強固な接合強度を得ることができるととも
に、高密度比のシート面層34の形成が可能となり、そ
の機械的強度や耐摩耗性等を向上させることができる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の焼結バル
ブシート部材の製造方法によれば、加圧下での放電焼結
により粉末の表面が活性化して、比較的低温において緻
密な焼結を行うことが可能であるとともに、その焼結時
に銅材が溶解して母材中に溶浸するので、気孔等のほと
んどない、例えば密度比が0.95〜1.00の極めて
高密度の部材を製造し得て、寸法精度が高く、機械的強
度、耐摩耗性、耐熱性等に優れた部材とすることができ
る。特に、母材中に銅が溶浸していることにより、熱伝
導性に優れたものとなり、高温雰囲気下での耐久性を向
上させることができる。
【0032】また、予め母材となる金属粉を加圧成形し
て、その成形体を放電焼結することとすれば、焼結体の
収縮率を小さくして、部材の寸法精度をより向上させる
ことができる。バルブシート部材を本体層とシート面層
との積層構造とすれば、シート面層に耐摩耗性等に優れ
る高価な材料を使用したとしても、その粉末使用量が少
なくなり、バルブに直接接触しない本体層には比較的安
価な金属を適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の焼結バルブシート部材の一実施形態
を示す断面図である。
【図2】 本発明のバルブシート部材の製造方法の一実
施形態において、型内で放電焼結している状態を示す断
面図である。
【図3】 本発明の焼結バルブシート部材の他の実施形
態を示す断面図である。
【図4】 ガソリンエンジンのバルブシート部材付近を
示す断面図である。
【符号の説明】
11 バルブシート部材 12 本体層 12a 本体層用合金粉 13 シート面層 13a シート面層用合金粉 14 当たり面 15 バルブシート用成形体 16 銅材 21 上パンチ 22 下パンチ 23 ダイ 24 コアロッド 25 型 26 電源 32 本体層 33 段部 34 シート面層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有する型内に、母材となる金属
    粉を充填するとともに、該金属粉の層の上面に、銅材を
    積層し、これら金属粉及び銅材を加圧しつつこれらに通
    電することにより、両層を加熱するとともにこれら層中
    に放電を発生させ、母材中に銅を溶浸させた焼結バルブ
    シート部材を得ることを特徴とする焼結バルブシート部
    材の製造方法。
  2. 【請求項2】 導電性を有する型内に、母材となる金属
    粉を加圧成形してなるバルブシート用成形体を装填する
    とともに、該成形体の上面に、銅材を積層し、これら成
    形体及び銅材を加圧しつつこれらに通電することによ
    り、両層を加熱するとともにこれら層中に放電を発生さ
    せ、母材中に銅を溶浸させた焼結バルブシート部材を得
    ることを特徴とする焼結バルブシート部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 母材となる金属粉の上に銅粉を層状に積
    層して加圧成形してなるバルブシート用積層成形体を形
    成しておき、導電性を有する型内で該積層成形体を加圧
    しつつこれらに通電することにより、両層を加熱すると
    ともにこれら層中に放電を発生させ、母材中に銅を溶浸
    させた焼結バルブシート部材を得ることを特徴とする焼
    結バルブシート部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 母材となる金属粉に銅粉を分散させて加
    圧成形してなるバルブシート用成形体を形成しておき、
    導電性を有する型内で該成形体を加圧しつつこれらに通
    電することにより、両層を加熱するとともにこれら層中
    に放電を発生させ、母材中に銅を溶浸させた焼結バルブ
    シート部材を得ることを特徴とする焼結バルブシート部
    材の製造方法。
  5. 【請求項5】 本体層とバルブが当接するシート面層と
    が拡散接合により積層されているとともに、少なくとも
    シート面層が、銅を溶浸させた密度比0.95〜1.0
    0の焼結合金からなることを特徴とする焼結バルブシー
    ト部材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6599353B2 (en) 2000-04-20 2003-07-29 Berol Corporation Shear-thinning writing compositions, writing instruments, and methods
US6663704B2 (en) 2000-07-03 2003-12-16 Berol Corporation Pearlescent inks, writing instruments, and methods
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