JP2636621B2 - 接木苗製造装置における苗接着機構 - Google Patents

接木苗製造装置における苗接着機構

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JP2636621B2
JP2636621B2 JP4040339A JP4033992A JP2636621B2 JP 2636621 B2 JP2636621 B2 JP 2636621B2 JP 4040339 A JP4040339 A JP 4040339A JP 4033992 A JP4033992 A JP 4033992A JP 2636621 B2 JP2636621 B2 JP 2636621B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、台木苗と穂木苗を自動
的に供給・接着して接木苗を製造する接木苗製造装置に
おける苗接着機構の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の接木苗製造装置は、例えば特開平
2−107125号公報に示すように、台木苗および穂
木苗をそれぞれのせる苗載せ台と、その苗載せ台に載せ
られた各苗を把持してそれぞれ別に搬送する搬送機構
と、各搬送機構の搬送経路中に介在し、搬送される台木
苗の子葉の片葉部分および穂木苗の胚軸部をそれぞれ切
断する切断機構と、両搬送機構により把持された台木お
よび穂木の両切断面を所定位置で対向させ、クリップで
接着し固定する苗接着機構とを備えたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この従来の接木苗製造
装置における苗接着機構に構成については、クリップの
供給の安定化などの点でさらに改良の余地が残されてい
た。そこで本発明の発明者は、図10に示すような苗接
着機構を試作した。この苗接着機構は、クリップ62を
誘導すべき誘導レール55の先端に狭窄部55a,55
aを設け、誘導レール55内のクリップ62をエアシリ
ンダ(図示省略)で押し出しつつ、狭窄部55a,55
a間で開口させ、その後ハンドル部62bが狭窄部55
a,55a間を脱すると共にクリップ62が閉じて、台
木苗3および穂木苗4を接着するものである。
【0004】しかし、この試作装置においては、ハンド
ル部62bが誘導レール55の狭窄部55aを前方に脱
すると、狭窄部55aから急激に解放されたクリップ6
2が狭窄部55aから勢いよく飛び出して、苗を損傷す
る恐れがあった。また、飛び出したクリップ62が両苗
3,4から逸れることがあり、クリップ62の挟持部6
2dの挟持位置が一定せず、接着精度が低いという問題
点もあった。さらに、クリップ62が一杯に開いた状態
から勢い良く閉動するので、苗3,4を損傷しやすいと
いう問題点もあった。
【0005】また、接着工程に当たって、台木苗搬送機
構及び穂木苗搬送機構によって個別に接木位置Aに配置
された台木苗3及び穂木苗4は、両切断面間に一定の間
隔があるため、これをクリップ62で接着した場合に両
切断面のずれや接着ミスを生ずるおそれがあった。
【0006】本発明は、これら上記の問題点に鑑みこれ
を解決すべく成されたものであり、接木苗製造工程を適
格に行いうる苗接着機構を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は以下のように構成した。
【0008】第1発明は、台木苗および穂木苗をそれぞ
れ切断し、これら切断した台木苗および穂木苗の両切断
面をクリップで接着して接木苗を製造する接木苗製造装
置において、前記クリップを接木位置に向けて誘導する
誘導路と、前記誘導路内のクリップを前記台木苗および
穂木苗に向け押出すべき押出手段と、前記誘導路の終端
部に設けた狭窄部とを備える共に、当該狭窄部の終端
に、前記クリップの閉動速度を低下させる閉動減勢手段
を設けてなり、該閉動減勢手段は、前記狭窄部の終端に
互いに対向して配置した一対の開閉部材からなり、当該
開閉部材の内側面には、クリップのバネ部を逃がすため
の溝を設けてなる接木苗製造装置における苗接着機構で
ある。
【0009】第2発明は、前記閉動減勢手段は、前記狭
窄部の終端に互いに対向して配置した一対の開閉部材か
らなり、当該各開閉部材には、前記台木苗および前記穂
木苗の両切断面を仮止めすべき挟持体をそれぞれ一体的
に設けたことを特徴とする請求項1記載の接木苗製造装
置における苗接着機構である。
【0010】第3発明は、前記閉動減勢手段は、前記狭
窄部の終端に互いに対向して配置した一対の開閉部材か
らなり、当該開閉部材の内側面には、クリップのハンド
ル部が係合すべき切欠を設けてなる請求項1または2に
記載の接木苗製造装置における苗接着機構である。
【0011】第4発明は、前記閉動減勢手段は、前記狭
窄部の終端に互いに対向して配置した一対の開閉部材か
らなり、当該一対の開閉部材の閉動時の間隔を、前記狭
窄部のなす間隔に対して狭く形成したことを特徴とする
請求項1ないし3のいずれかに記載の接木苗製造装置に
おける苗接着機構である。
【0012】
【作用】第1発明では、押出手段がクリップを誘導路に
沿って押出すると、クリップのハンドル部が誘導路終端
部の狭窄部で狭められ、クリップの挟着部が開口する。
そして狭窄部の終端では、閉動減勢手段がクリップのハ
ンドル部の閉動速度を低下させる。従って、クリップは
本来の閉動速度に比してゆっくり閉じるので、狭窄部の
終端からクリップが飛び出すことはなく、クリップの飛
び出しに起因する苗の損傷、およびクリップの接木位置
からの逸れに起因する接着制度の低下のおそれを解消で
きる。また、狭窄部を脱したクリップが勢い良く閉じて
苗を損傷する危険も解消できる。さらに、クリップのバ
ネ部は、開閉部材の内側面に設けた溝中を位置を規制さ
れながら通過するので、クリップは一定姿勢に保持され
円滑に移動する。
【0013】第2発明では、閉動減勢手段として狭窄部
の終端に互いに対向して配置した一対の開閉部材を採用
すると共に、さらに各開閉部材には、台木苗および穂木
苗の両切断面を仮止めすべき挟持体をそれぞれ一体的に
設けた。従って、挟持体の仮止めにより両苗の接着が確
実化するのみならず、開閉部材の開閉と挟持体の開閉と
が一体的に行われるので、開閉部材の閉動にともない両
挟持体が閉動して台木苗および穂木苗を仮止めし、開閉
部材の開動に伴ってクリップが閉動して台木苗および穂
木苗を接着するという一連の動作を連続的に行うことが
可能となる。
【0014】第3発明では、開閉部材の内側面に、クリ
ップのハンドル部が係合すべき切欠を設けたので、接着
時のクリップを常に一定姿勢に保持でき、もって接着の
確実化を図ることができる。
【0015】第4発明では、開閉部材の閉動時の間隔
を、狭窄部がなす間隔に対して狭くしたので、誘導路中
のクリップを押出部材で押し出す場合に、開閉部材がク
リップをより大きく開かせることができ、苗の接着をさ
らに確実化できる。
【0016】
【実施例】本発明実施例につき以下に図面に従って説明
する。本発明を実施する接木苗製造装置1は、図4に示
すように、台木となる苗が一本ずつ台木苗保持具21に
供給されると、台木搬送機構31はその苗を把持して接
木位置Aまで搬送し、一方、穂木となる苗が一本ずつ穂
木苗保持具22に供給されると、穂木搬送機構32はそ
の苗を把持して接木位置Aまで搬送する。そして、両搬
送機構31,32で搬送中の各苗は、切断位置B1,B
2において、対応する切断機構41,42の切断刃4
6,46の開動により所定部がそれぞれ切断され、台木
および穂木が接木位置Aまでくると、その両切断面を苗
接着機構51でクリップを供給して接着し、接着済みの
接木苗は落下して回収するように構成したものである。
【0017】図2において、機枠を構成する中部支柱2
の前面に取付板4を固着し、取付板4の前面には、台木
側の各部材すなわち台木苗保持具21、台木搬送機構3
1および台木切断機構41を一体的に装着すべき台木側
支持体5を取付ける。この台木側支持体5は、水平部5
aと、その水平部5aの後端から屈曲状に垂下した垂直
部5bとからなり、水平部5aには台木切断機構41を
懸吊するための支持杆6,6を前方に突出してなる。支
持杆6,6の後端は水平部5aの後端よりも後方に突出
させ、取付板4の上部の通孔4a,4aを通じて後方に
突出させる。
【0018】この台木側支持体5の垂直部5bには台木
苗保持具21を装着し、また水平部5aの下面には台木
搬送機構31の基部31aを懸吊状に固着し、また支持
杆6,6の前方には台木切断機構41を装着する。
【0019】そして、台木側支持体5の垂直部5bを取
付板4にボルト留めする。C1は、取付板4に対する台
木側支持体5の位置決めをするための調整機構であり、
取付板4の裏面側の上端にコ字状の枠板8を取付け、そ
の枠板8の左右からは調整ネジ9,9を螺入し、通孔4
a,4aに挿入された台木側支持体5と一体の支持杆
6,6の後端に側方から当接させてなる。従って調整ネ
ジ9,9の回転により、台木側支持体5の左右位置が位
置決めできる。
【0020】一方、この台木側支持体5に対して左右対
称に、穂木側支持体15を構成し、機枠2に組み付け
る。すなわち図2に示すように、穂木側支持体15に穂
木苗保持具22、穂木搬送機構32、穂木切断機構42
を、台木側支持体5を取付板4に対して固定する際と同
様の調整機構C2を介して取付け、この穂木側支持体1
5を取付板4にボルト留めする。
【0021】台木苗保持具21は、台木苗3の子葉展開
基部を懸架して保持すべきスリット23aを有する上部
保持板23と、台木苗3の胚軸部を挿入すべきスリット
24aを有する下部保持板24、ならびにこれら上部保
持板23と下部保持板24とを結合する垂直の取付部2
5とからなる。
【0022】台木搬送機構31は、図2に示すとおり、
回転用シリンダ31aの支軸33aの先端に取付枠33
cを介して往復動シリンダ36aを取付け、その支軸3
3aを中心に往復動シリンダ36aを180度開動可能
に構成する。そして、その往復動シリンダ36aの突出
後退可能な台木搬送アーム34aの先端に、L字形の止
板11を介して、台木をつかむための開閉自在の左右一
対のフィンガー35aを装着する。このように構成する
台木搬送機構31は、支持体5の水平部5aの下面に、
回転用シリンダ31aを固定することによって懸吊状に
取付ける。取付枠33cには、台木苗3の切断時に切断
を補助する等の機能を有する切断ガイド37aを取付け
る。
【0023】この台木搬送機構31と左右略対称に、穂
木搬送機構32を構成する。すなわち、回転用シリンダ
31bの支軸33bの先端に取付枠33dを介してシリ
ンダ36bを取付け、その支軸31bを中心にシリンダ
36bを180度回動可能に構成する。そしてシリンダ
36bの穂木搬送アーム34bの先端に、L字形の止板
12を介して、穂木をつかむための左右一対のフィンガ
ー35bを装着する。このように構成する穂木搬送機構
32はは、穂木側支持体15の水平部15aの下面に、
回転用シリンダ31bを固定することによって懸吊状に
取り付ける。取付枠33dには、穂木苗4の切断時に切
断を補助する等の機能を有する切断ガイド37bを一体
に形成する。
【0024】台木搬送機構41は、台木搬送機構31の
搬送アーム34aの回動経路の途中に設ける。すなわ
ち、図2に示すように、台木側支持体5の支持杆6の前
方位置に垂下した前後摺動自在の取付板43に、ステッ
ピングモータなどのモータ44を固着すると共に、該モ
ータ44の回転軸には切断アーム45を軸装し、切断ア
ーム45の先端には切断刃46および子葉拘束用のロー
ラ47を取付けたものである。取付板43にはコマ48
を固着すると共に、コマ48には調整ボルト49を螺入
し、握り49aの回転により位置調整自在とする。
【0025】穂木切断機構42は、台木切断機構41と
左右対称に構成し、穂木側支持体15の支持杆16,1
6の前方位置に取付けるものであり、その構成は台木切
断機構41とほぼ同様である。
【0026】回転用シリンダ31bの支軸33aは、図
1に示すように台木側支持体5の水平部5aより上面に
突出すると共に、この支軸33aには、台木搬送アーム
34aを台木苗保持具21、台木切断機構41および接
木位置Aの各回転位置において所定のタイミングで停止
すべき旋回停止機構20を設ける。
【0027】本装置による接木苗の接着に用いるクリッ
プ62は、手作業による接木苗製造工程に一般に用いら
れているものであり、その前端は挟持部62d、後端は
ハンドル部62bである。挟持部62dの上下には、図
(a)に示すように、上下に張り出した肩部62a,
62aを有する。62cはバネ部である。
【0028】このクリップ62により両苗3,4を接着
する第1実施例の苗接着機構51について、以下に説明
する。図4において、椀体52の内面に沿って螺旋状の
上昇路53を設けてなる振動方のパーツフィーダ54の
取出し部に、四角筒体の上側面中央部を長さ方向に切欠
してなる誘導レール55を接続する。この誘導レール5
5の底面には、図1(a)に示すように、クリップ62
の肩部62aを誘導する溝状の誘導路55dを形成す
る。また、誘導レール55の先端付近には、左右側面の
なす間隔を狭めた狭窄部55a,55aを形成する。こ
の狭窄部55a,55aの相対する内側面には、クリッ
プ62のバネ部62cを逃がすための溝55c,55c
を設ける。
【0029】誘導路55dの前端付近には、誘導レール
55の基部側(図1(a)中左側)を高位置とし前端側
を低位置とする係合段部55e(図5(a)参照)を形
成する。また図1(b)に示すように、誘導レール55
の前端の上部には、上面視コ字形の取付体56bを設
け、この取付体56bの背面には、クリップ62を一個
ずつ接木位置Aに供給するための押出シリンダ56を、
前方に向け取り付ける。
【0030】押出シリンダ56の突出後退可能なアーム
68の先端部には、クリップ62を誘導路55dに沿っ
て押出すための押出片57を取付ける。この押出片57
は、可撓性ある板体を屈曲して構成し、図7に示すよう
に、クリップ62の先端肩部62aを下向きに常時付勢
する抑圧面57b、クリップ62を押出す押出面57
c、およびシリンダ56の後退時に次順位のクリップ6
2の先端肩部62aを避けるための誘導斜面57dを有
する。
【0031】さらに、図1(b)に示すように、押出片
57の中部には、左右に張り出した翼片67を設ける。
一方、取付体56bの内面には、翼片67の一端に上方
から当接すべきリミットスイッチ66を設置し、その作
動片66a(図5(a)参照)を翼片67の一端に常時
当接させる。取付体56bのリミットスイッチ66に相
対する内面には、押出シリンダ56が後退する際に翼片
67の片側の浮上を抑えるローラ72を設置する。
【0032】また、図5(a)に示すように、押出片5
7の基部の立上り部分には、後述する開閉板70,70
の後端部に当接すべき係止部57eを設ける。
【0033】誘導レール55の狭窄部55aの前端の下
部には、開閉シリンダ65を上向きに取付け、この開閉
シリンダ65の左右一対の作動片65a,65aには、
スペーサ69,69を介して左右の開閉板70,70を
取付け、この開閉板70,70の内側面に、左右一対の
開閉部材64,64をそれぞれ設ける。この開閉部材6
4,64は、誘導レール55の狭窄部55a,55a間
に配置されたクリップ62のハンドル部62bを操作す
るものであり、開閉シリンダ65の作動により後述する
タイミングで開閉する。またこれら開閉部材64,64
の内側面には、狭窄部55aの内側面と同様に、クリッ
プ62のバネ部62cを逃がすための溝64cを設け
る。
【0034】さらに、開閉板70,70の上部は機体内
方側に屈曲すると共に、その相対する内端部には、図1
(b)のように挟持体71,71を前方に向け突設す
る。これら挟持体71,71の相対する部分には、台木
苗3および穂木苗4の胚軸部が嵌合すべき凹部71a,
71bをそれぞれ設ける。
【0035】また、誘導路55の開口部付近には、後述
のタイミングで空気を噴出する吹出し口73を配置す
る。
【0036】本装置における各エアシリンダ及び各フィ
ンガーには、図示しないエアコンプレッサから圧縮空気
を供給して作動する。また、これら各エアシリンダおよ
び各フィンガーなどは、図示しないプログラマブルコン
トローラに接続し、その制御により後述のように所定の
順序により作動する。
【0037】しかして、本発明の接木苗製造装置1を作
動して、台木苗3及び穂木苗4を接着して接木苗10を
製造する工程を説明する。
【0038】まず作業者は、手作業により台木苗3及び
穂木苗4を各苗保持具21,22の各スリット23a,
24aに挟持させる。
【0039】次に、台木苗3に向け台木搬送機構31の
シリンダ36aを突出駆動し、フィンガー35aを閉じ
て台木苗3を挟持し、アーム34aを旋回して台木苗3
を台木苗保持具21より取出す。
【0040】こうして台木苗3を取出した搬送アーム3
4aは、回転用シリンダ31aの駆動で旋回したのち、
切断位置B1で一時停止させる。この回動の間に、シリ
ンダ36aが後退駆動し、後退した台木苗3の子葉の裏
面には切断ガイド37aが当接される。
【0041】そして、台木切断機構41のモータ44を
作動して切断アーム43を一回転し、台木苗3の子葉展
開基部3aの片葉部分をローラ47で持ち上げ、切断刃
46で切断する。こうして切断した台木苗3葉、アーム
34aを開動しつつシリンダ36aで突出させ、苗接着
機構51の先端である接木位置A(図4参照)に配置す
る。
【0042】一方、穂木苗4に関しても台木苗3と同様
の工程により、手作業により穂木苗保持具22に供給
し、穂木搬送機構32のフィンガー35bで挟持して搬
送アーム34bで旋回し、切断位置B2で一時停止して
穂木搬送機構42により穂木苗4の胚軸部4bを切断
し、苗接着機構51の先端である接木位置Aまで搬送す
る。
【0043】そして苗接着機構51が作動してクリップ
62を前方に向け供給し、台木苗3と穂木苗4の両切断
面をクリップ62で接着する。以下に、この接着工程に
ついて説明する。
【0044】まず、接着工程に先立って、あらかじめパ
ーツフィーダ54(図4参照)を振動してクリップ62
を誘導レール55中の狭窄部55aの手前側に待機させ
る。また開閉シリンダ65により、挟持体71,71
(図1(b)参照)を開状態にする。
【0045】いま、台木苗3及び穂木苗4が接木位置A
に配置されると、挟持体71,71が、開閉シリンダ6
5の作動により閉じる。これにより、台木苗3と穂木苗
4の両切断面が左右側方から押えられ、仮止めされる。
【0046】次に、誘導レール55内で待機するクリッ
プ62を、押出シリンダ56のアームで接木位置Aに向
け前進させる。
【0047】このとき、クリップ62は、狭窄部55a
に入ると共にハンドル部62bが狭窄部55aに沿って
挟圧されて開状態となる。その後、ハンドル部62bは
狭窄部55aを脱し、図6(a)に示すように狭窄部5
5aと同一平面をなす開状態の開閉部材64,64の内
側面間に到達する。このとき、押出片57の係止部57
eが開閉板70,70の後端部に当接することにより位
置決めされ(図1(a)参照)、クリップ62は両苗
3,4に臨んだ状態で停止する。
【0048】次に、開閉シリンダ65が開動し、開閉板
70,70および開閉部材64,64が開く。これに伴
って、図6(b)に示すように、クリップ62のハンド
ル部62bが徐々に開き、クリップ62が閉じ、これに
より台木苗3と穂木苗4とが接着されて接木苗10とな
る。
【0049】このように、バネ部62cによるクリップ
62の閉動を開閉部材64,64が減勢するので、クリ
ップ62は本来の閉動速度に比しゆっくり閉じ、前方に
飛び出すことはない。従って、クリップ62の飛び出し
による苗の損傷、およびクリップ62の接木位置Aから
の逸れに起因する接着精度の低下のおそれが解消でき
る。また、クリップ62が勢い良く閉じることによる苗
の損傷の危険をも解消できる。
【0050】次に、吹出し口73から空気を噴出して、
接木苗10に向けて吹き付け、台木搬送アーム34aか
ら接木苗10を分離する。従って接木苗10の排除が確
実であり、以降の工程に支障を及ぼすおそれはない。ま
た、台木苗3及ぶ穂木苗4の接着が不完全な場合には、
この吹き付けによって穂木苗4が台木苗3から分離して
吹き飛ばされるので、接着不完全の接木苗10を接着直
後に確認できる。
【0051】さらに、開閉シリンダ65が一杯に開き、
これに続いてアーム68が再び突出し、接着後のクリッ
プ62および接木苗10を接木位置Aから突き落とす。
従って、接木苗10の排除がさらに確実になる。
【0052】その後、押出シリンダ56は後退するが、
その後退作動の際に押出片57は、次順位のクリップ6
2の上面に沿って浮上すると共に、次順位のクリップ6
2の肩部62aを前方に逃がす。このとき、次順位のク
リップ62の下側の肩部62aが係合段部55eに係合
し、その後退を阻止されて、次回の接木工程のための待
機状態となる。また、この押出シリンダ56の後退作動
の際に、押出片57の浮上に伴い、翼片67を介してリ
ミットスイッチ66の作動片66aがオンされるので、
次順位のクリップ62が待機状態にあるか否かが確認で
き、もってクリップ62の供給欠落に起因する接木ミス
を未然に防止できる。また上述のように、取付体56b
のリミットスイッチ66に対面する内面には、ローラ7
2を設けたので、翼片67の片側の浮上を抑止してリミ
ットスイッチ66を確実にオンさせることができる。
【0053】その後、穂木搬送機構32のフィンガー3
5bを開くと共に、シリンダ36bの作動で後退して穂
木苗4を手放し、アーム34bを回動して初期状態に復
帰する。一方、台木搬送機構31は、フィンガー35a
を開いて回動し、初期状態に復帰する。
【0054】以上の操作を繰り返すことにより、接木苗
製造工程が連続的かつ省力的に行われる。
【0055】以上のように、第1実施例の接木苗製造装
置1においては、狭窄部55aの開口部で、開閉部材6
4,64がクリップ62のハンドル部62bの閉動速度
を低下させる構成とした。このため、クリップ62が本
来の閉動速度に比しゆっくり閉じ、クリップ62の飛び
出しが防止できる。従って、クリップ62の飛び出しに
起因する苗の損傷および接着精度の低下のおそれを解消
でき、またクリップ62が勢い良く閉じることによる苗
の損傷の危険も解消できる。
【0056】さらに、開閉部材64,64には、台木苗
3および穂木苗4の両切断面を仮止めすべき挟持体7
1,71をそれぞれ延設する構成とした。従って、挟持
体71の仮止めにより両苗3,4の接着が確実化できる
のみならず、開閉部材64,64の開閉と挟持体71,
71の開閉とが一体的に行われるので、まず開閉部材6
4,64の閉動に伴い両挟持体71,71が閉動して両
苗3,4の両切断面を仮止めし、次に開閉部材64の開
動に伴ってクリップ62が閉動して両苗3,4を接着す
るという一連の動作を連続的に行うことが可能となる。
【0057】また、押出シリンダ56のアーム68は、
まずクリップ62を接木位置Aに向けて押し出し、接着
後に再度突出して接木苗10を排除するという2つの工
程を行う。このように複数の工程を1つの部材で行うの
で、機械的構成が簡易であると共に、占有するスペース
を節約できるので、多数の部材が狭所に集中する接着機
構付近にあっては、設計上有利であるといえる。
【0058】なお、第1実施例においては、狭窄部55
cと開閉部材64とを別体に構成したが、これに代え
て、狭窄部全体が開閉動する構成としてもよく、このよ
うな構成もまた第1発明の範囲に包含されるものであ
る。
【0059】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。上記第1実施例では、上述したようにクリップ62
の飛び出しを防止して接着精度を向上できるという利点
があるが、その一方、クリップ62のハンドル部62b
が、開閉部材64,64の内側面を滑ることにより、ク
リップ62の供給姿勢および接着状態がなお安定しない
ことがあった。第2実施例は、この問題点を解決するた
めの構成である。
【0060】すなわち、図8のように、開閉部材16
4,164の相対する内側面に、クリップ62のハンド
ル部62bが係合すべき切欠164a,164aを設け
たものである。
【0061】このように構成した場合、クリップ62を
押出したときに、ハンドル部62bが切欠164b,1
64bに係合するので、クリップ62の保持および姿勢
維持が確実となり、接着状態に関する精度をさらに向上
することができる。
【0062】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。苗接着機構において接着の確実化を図るには、接着
時にクリップ62を充分に開かせることが有効である。
このため、一般の人手による接木作業に用いられている
接木用のクリップ62は、挟持部62dの開口角度がハ
ンドル部62b,62b間の角度に比して大きくなるよ
うに設計されており、できるだけ大きな開口角度を確保
している。
【0063】しかし、クリップ62はハンドル部62b
を閉じると挟持部62dが開くものであるため、本発明
者の上記試作装置(図10参照)において、ハンドル部
を閉じるべき狭窄部55a,55aのなす間隔を狭くし
ようとすると、挟持部62dが開きすぎて狭窄部55
a,55aの間を通過できなくなる。従って狭窄部55
a,55aのなす間隔を狭めるには一定の限界があり、
クリップ62を十分に開かせることができないという問
題点があった。本実施例はこの問題点を解消し、接着時
にクリップ62の挟持部62dをより大きく開かせ、も
って接着の確実化を図ることを目的とするものである。
【0064】すなわち、本実施例では、第1実施例にお
ける開閉部材64,64に代えて、図9(a)および
(b)に示すように、全長の比較的長い開閉部材26
4,264を設け、これら開閉部材264,264の閉
動時の間隔を、誘導レール55の狭窄部55a,55a
のなす間隔に比して狭くなるように構成する。
【0065】このように構成した場合には、誘導レール
55中のクリップ62を押出部材57で前方に押し出す
と、まず図9(a)のように、クリップ62の先端の挟
持部62dがやや開いた状態で、開閉部材264,26
4が開動し、これによりクリップ62が閉じて両苗3,
4を接着する。
【0066】このように第3実施例によれば、開閉部材
264,264が接着時のクリップ62の挟持部62d
をより大きく開かせることができるので、苗3,4の接
着をさらに確実化できる。
【0067】なお、上述した第1実施例においては、第
1発明および第2発明に相当する構成を組み合わせて説
明したが、上述の第1ないし第3実施例は例示にすぎ
ず、本発明にあっては他にも、例えば第3発明に相当す
る切欠を第4発明に相当する開閉部材に設ける等、任意
の組み合わせを選択することも可能である。
【0068】
【発明の効果】本発明は、以上のとおり構成したので、
以下のような効果を奏する。
【0069】第1発明では、押出手段がクリップを誘導
路に沿って押出すると、クリップのハンドル部が誘導路
終端部の狭窄部で狭められ、クリップの挟着部が開口す
る。そして狭窄部の終端では、閉動減勢手段がクリップ
のハンドル部の閉動速度を低下させる。従って、クリッ
プは本来の閉動速度に比してゆっくり閉じるので、狭窄
部の終端からクリップが飛び出すことはなく、クリップ
の飛び出しに起因する苗の損傷、およびクリップの接木
位置からの逸れに起因する接着制度の低下のおそれを解
消できる。また、狭窄部を脱したクリップが勢い良く閉
じて苗を損傷する危険も解消できる。さらに、クリップ
のバネ部が、開閉部材の内側面に設けた溝中を位置を規
制されながら通過するので、クリップは一定姿勢に保持
され円滑に移動できる。
【0070】第2発明では、閉動減勢手段として狭窄部
の終端に互いに対向して配置した一対の開閉部材を採用
すると共に、さらに各開閉部材には、台木苗および穂木
苗の両切断面を仮止めすべき挟持体をそれぞれ一体的に
設けた。従って、挟持体の仮止めにより両苗の接着が確
実化するのみならず、開閉部材の開閉と挟持体の開閉と
が一体的に行われるので、開閉部材の閉動にともない両
挟持体が閉動して台木苗および穂木苗を仮止めし、開閉
部材の開動に伴ってクリップが閉動して台木苗および穂
木苗を接着するという一連の動作を連続的に行うことが
可能となる。
【0071】第3発明では、開閉部材の内側面に、クリ
ップのハンドル部が係合すべき切欠を設けたので、接着
時のクリップを常に一定姿勢に保持でき、もって接着の
確実化を図ることができる。
【0072】第4発明では、開閉部材の閉動時の間隔
を、狭窄部がなす間隔に対して狭くしたので、誘導路中
のクリップを押出部材で押し出す場合に、開閉部材がク
リップをより大きく開かせることができ、苗の接着をさ
らに確実化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の苗接着機構の要部であり、(a)
はその一部切欠平面図、(b)はその平面図である。
【図2】本発明を実施する接木苗製造装置の要部を示す
斜視図である。
【図3】接木苗製造装置の要部を示す正面図である。
【図4】接木苗製造装置の概略を示す平面図である。
【図5】第2実施例の苗接着機構であり、(a)はその
一部切欠側面図、(b)はその正面図である。
【図6】(a)および(b)は第1実施例の苗接着機構
の作動を示す一部切欠平面図である。
【図7】苗接着機構の押出片およびその作用を示す側面
図である。
【図8】第2実施例の苗接着機構を示す切欠平面図であ
る。
【図9】(a)および(b)は第3実施例の苗接着機構
およびその作動を示す一部切欠平面図である。
【図10】本発明による改良前の苗接着機構を示す一部
切欠平面図である。
【符号の説明】
3 台木苗 4 穂木苗 10 接木苗 51 苗接着機構 55 誘導レール 55a 狭窄部 56 押出シリンダ 62 クリップ 62b ハンドル部 65 開閉シリンダ 64,164,264 開閉部材 164a 切欠 A 接木位置

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】台木苗および穂木苗をそれぞれ切断し、こ
    れら切断した台木苗および穂木苗の両切断面をクリップ
    で接着して接木苗を製造する接木苗製造装置において、 前記クリップを接木位置に向けて誘導する誘導路と、 前記誘導路内のクリップを前記台木苗および穂木苗に向
    け押出すべき押出手段と、 前記誘導路の終端部に設けた狭窄部とを備える共に、 当該狭窄部の終端に、前記クリップの閉動速度を低下さ
    せる閉動減勢手段を設けてなり、 該閉動減勢手段は、前記狭窄部の終端に互いに対向して
    配置した一対の開閉部材からなり、当該開閉部材の内側
    面には、クリップのバネ部を逃がすための溝を設けてな
    る接木苗製造装置における苗接着機構。
  2. 【請求項2】前記閉動減勢手段は、前記狭窄部の終端に
    互いに対向して配置した一対の開閉部材からなり、当該
    各開閉部材には、前記台木苗および前記穂木苗の両切断
    面を仮止めすべき挟持体をそれぞれ一体的に設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の接木苗製造装置における苗
    接着機構。
  3. 【請求項3】前記閉動減勢手段は、前記狭窄部の終端に
    互いに対向して配置した一対の開閉部材からなり、当該
    開閉部材の内側面には、クリップのハンドル部が係合す
    べき切欠を設けてなる請求項1または2に記載の接木苗
    製造装置における苗接着機構。
  4. 【請求項4】前記閉動減勢手段は、前記狭窄部の終端に
    互いに対向して配置した一対の開閉部材からなり、当該
    一対の開閉部材の閉動時の間隔を、前記狭窄部のなす間
    隔に対して狭く形成したことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の接木苗製造装置における苗接着
    機構。
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