JP2636106B2 - ビグアニド誘導体の製造方法 - Google Patents
ビグアニド誘導体の製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C277/00—Preparation of guanidine or its derivatives, i.e. compounds containing the group, the singly-bound nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
中間体として有用なビグアニド誘導体の製造方法に関す
る。
−264465号公報には、例えば式
アジン環に置換されたトリアジン系除草剤が開示されて
おり、同公報によれば、このトリアジン系除草剤は、除
草効果に優れているとともに水稲に対して薬害がないと
いう顕著な利点を有することが記載されている。
トリアジン系除草剤は、例えば、式
ることにより得られている。
置換トリアジン系除草剤を得るために使用される上記ビ
グアニド誘導体は、フェノキシアルキルアミンにハロゲ
ン化水素を反応させてフェノキシアルキルアミン塩を得
た後、得られたフェノキシアルキルアミン塩を単離後ジ
シアンジアミドと反応させることにより従来製造されて
いる。そして特開昭63−264465号公報には、フ
ェノキシアルキルアミン塩とジシアンジアミドとの反応
において、n−ヘキサン、n−ヘプタンのような炭素数
7以下の脂肪族炭化水素を溶媒として用いることが示唆
されている。
64465号公報に示唆された方法では、後述する比較
例より明らかなように、収率が不十分であり、特に常圧
下では目的物のビグアニド誘導体が得られないという欠
点があった。また上述のように従来のビグアニド誘導体
の製造方法は、遊離のフェノキシアルキルアミンをハロ
ゲン化水素と反応させて得られたフェノキシアルキルア
ミン塩の単離工程を含むため、プロセスが複雑化し、ま
たプロセスの複雑化に伴ない目的物のビグアニド誘導体
の収率の低下は避けられなかった。
アルキルアミン塩から高純度のビグアニド誘導体を高収
率で製造することができる方法を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、遊離のフェノキシアルキル
アミンからフェノキシアルキルアミン塩を得、得られた
フェノキシアルキルアミン塩を単一操作(ワンバッチ)
で高純度のビグアニド誘導体を高収率で製造することが
できる方法を提供することにある。
の目的を達成するために検討を加えた結果、フェノキシ
アルキルアミン塩とジシアンジアミドとを、炭素数8〜
15のパラフィン系炭化水素を含む溶媒中で反応させる
ことにより、高純度のビグアニド誘導体を高収率で得る
ことができることを見い出した。
ロゲン化水素とを、炭素数8〜15のパラフィン系炭化
水素を含む溶媒中で反応させてフェノキシアルキルアミ
ン塩を得、得られたフェノキシアルキルアミン塩を単離
することなくジシアンジアミドと同一溶媒中で反応させ
ることにより、高純度のビグアニド誘導体を高収率で得
ることができることを見い出した。
あり、同一または異なっていても良く、nは、0〜5の
整数であり、Xは、ハロゲン原子である)で示されるフ
ェノキシアルキルアミン塩と、式〔II〕
ラフィン系炭化水素を含む溶媒中で反応させることを特
徴とする、一般式〔III 〕
で示されるビグアニド誘導体の製造方法(以下、本発明
方法1という)を要旨とするものである。
あり、同一または異なっていても良く、nは、0〜5の
整数である)で示されるフェノキシアルキルアミンと、
ハロゲン化水素とを、炭素数8〜15のパラフィン系炭
化水素を含む溶媒中で反応させて、一般式〔I〕
ハロゲン原子である)で示されるフェノキシアルキルア
ミン塩を得、これを単離することなく式〔II〕
ることを特徴とする一般式〔III 〕
で示されるビグアニド誘導体の製造方法(以下本発明方
法2という)を要旨とするものでもある。
説明する。
て、一般式〔I〕のフェノキシアルキルアミン塩と式
〔II〕のジシアンジアミドとが使用される。一方の出発
物質を示す一般式〔I〕において、R1 およびR2は、
C1 〜C4 のアルキル基、すなわちメチル基、エチル
基、直鎖または分枝プロピル基または直鎖または分枝ブ
チル基である。R1 およびR2 は分子中において同一で
あっても異なっていても良い。
ある。ここにnが0とは、フェニル環にR1 が置換され
ていないことを意味する。nが1〜5の場合、フェニル
環にR1 がそれぞれ1〜5個置換されていることを意味
する。nが2〜5(R1 が2〜5個)の場合、R1は互
いに同一であっても異なっていても良い。一般式〔I〕
において、Xはハロゲン原子、すなわち、塩素、臭素、
弗素、沃素である。一般式〔I〕のフェノキシアルキル
アミン塩は、後に述べる一般式〔Ia〕で表わされるフェ
ノキシアルキルアミンとハロゲン化水素とを反応させて
得ることができる。このフェノキシアルキルアミン塩
は、溶媒中で得られた場合には、単離することなくその
まま用いることもできるし、単離して用いることもでき
る。
塩/式〔II〕のジシアンジアミドのモル比は、0.5/
1〜1.5/1の範囲とするのが好ましい。特に一般式
〔I〕のフェノキシアルキルアミン塩よりも式〔II〕の
ジシアンジアミドを当量以上とし、上記モル比を0.8
5/1〜1/1とすることにより一般式〔III 〕のビグ
アニド誘導体の収率が著しく向上する。
ノキシアルキルアミン塩と式〔II〕のジシアンジアミド
との反応を炭素数8〜15のパラフィン系炭化水素を含
む溶媒中で行なうものであり、このような溶媒を使用す
ることにより、目的物質であるビグアニド誘導体を高純
度かつ高収率で得ることが可能となった。
素数を8〜15に限定した理由は、炭素数が7以下で
は、収率が不十分であり、特に常圧下では目的物が得ら
れないからであり、一方炭素数が16以上では、常温で
は固体となり、取り扱い上の問題を生じるからである。
しては、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−
ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テト
ラデカン、n−ペンタデカンのような直鎖状のパラフィ
ン類、2,2−ジメチルヘキサン、2,2,4−トリメ
チルヘキサン、5−メチルノナン、3−メチルウンデカ
ン等の分岐状のパラフィン類、シクロオクタン、n−ヘ
キシルシクロヘキサン等の環状のパラフィン類が挙げら
れる。すなわち、本発明においてパラフィン系炭化水素
は、直鎖状の炭化水素以外に分岐状の炭化水素および環
状の炭化水素を含む広義の概念として使用されている。
パラフィン系炭化水素としては、特に炭素数10以上の
ものが好ましい。
ィン系炭化水素の1種または2種以上によって構成して
も良く、またブテン重合油、パラフィン系灯油等のパラ
フィン系炭化水素混合物を用いても良い。なお、ブテン
重合油、パラフィン系灯油等のパラフィン系炭化水素混
合物を用いる場合、その平均炭素数が8〜15の範囲内
にあれば良く、部分的に炭素数が8未満または15を超
える炭化水素が含まれていても良い。
機溶媒との混合物を用いても良い。パラフィン系炭化水
素とともに用いられる有機溶媒としては、o−ジクロロ
ベンゼン、o−キシレン、ニトロベンゼンなどの芳香族
炭化水素;n−オクタノール、シクロヘキサノール、ベ
ンジルアルコールなどのアルコール類;エチレングリコ
ールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテル等のエーテル類などが挙げられる。パラフィ
ン系炭化水素と他の有機溶媒との混合物の場合、パラフ
ィン系炭化水素を30体積%以上、特に50体積%以上
とするのが好ましい。
00℃、特に130〜150℃とするのが好ましい。ま
た反応時間も臨界的ではないが、0.5〜8時間、特に
3〜5時間とするのが好ましい。反応は常圧下で行なっ
ても良く、また加圧下で行なっても良い。上述の本発明
方法1によれば、後述の実施例により明らかなようにフ
ェノキシアルキルアミン塩から高純度のビグアニド誘導
体を高収率で得ることが可能となる。
の本発明方法1においては、一般式〔I〕のフェノキシ
アルキルアミン塩に、式〔II〕のジシアンジアミドを反
応させて一般式〔III 〕のビグアニド誘導体を得たが、
本発明方法2においては、前記一般式〔I〕のフェノキ
シアルキルアミン塩の前駆体である一般式〔Ia〕
あり、同一または異なっていても良く、nは、0〜5の
整数である)で示されるフェノキシアルキルアミンと、
ハロゲン化水素とを、炭素数8〜15のパラフィン系炭
化水素を含む溶媒中で反応させて、一般式〔I〕のフェ
ノキシアルキルアミン塩を得、これを単離することなく
式〔II〕のジシアンジアミドと、同一溶媒中で反応させ
ることにより一般式〔III 〕のビグアニド誘導体を得る
ものである。
一般式〔Ia〕のフェノキシアルキルアミンとハロゲン化
水素が用いられる。
〔Ia〕において、R1 、R2 およびnは、前記フェノキ
シアルキルアミン塩を示す一般式〔I〕におけるR1 、
R2 およびnとそれぞれ同一である。
供せられるハロゲン化水素としては、塩化水素、臭化水
素、弗化水素、沃化水素が挙げられる。
ンのモル比は1〜3が好ましい。その理由はモル比が1
未満では塩生成が不十分となり、一方3を超えると塩生
成は十分となるが、未反応ハロゲン化水素が無駄となる
からである。特に好ましいモル比は1〜1.5である。
素との反応に用いられる、炭素数8〜15のパラフィン
系炭化水素溶媒としては、前記の本発明方法1でフェノ
キシアルキルアミン塩とジシアンジアミドとの反応に用
いたものと同一のものが挙げられる。
素との反応は、10〜50℃で0.5〜3時間行なうの
が好ましい。この反応は常圧下で行なっても良く、加圧
下で行なっても良い。
ェノキシアルキルアミンは、以下の方法により合成する
ことができる。 (イ)フェノール誘導体とアルキレンイミンの反応 (ロ)フェノキシアルキルスルホン酸エステルのアンモ
ニアによるアミノ化 (ハ)フェノキシアルキルアルコールのアンモニアによ
るアミノ化 (ニ)フェノキシアルキルケトンのアンモニアによるア
ミノ化 (ホ)フェノキシアルキルハロゲン化物のアンモニアに
よるアミノ化 (へ)フェノキシアルキルケトンオキシムの還元 本発明方法2においては、上述のようにして得られたフ
ェノキシアルキルアミン塩を、単離することなくフェノ
キシアルキルアミン塩生成反応で用いた溶媒と同一溶媒
中でジシアンジアミドと反応させることにより目的物の
ビグアニド誘導体を得る。フェノキシアルキルアミン塩
とジシアンジアミドの反応条件は上述の本発明方法1に
おけると同一である。
ルキルアミン塩の単離工程が不要であるのでプロセスを
簡略化できる。またフェノキシアルキルアミン塩生成工
程とビグアニド誘導体生成工程を同一溶媒中で行なうこ
とができるので、溶媒消費量を低減できる。さらに後述
の実施例より明らかなように高純度のビグアニド誘導体
を高収率で得ることが可能となる。
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
ン塩酸塩5.0g(23.2mmol) 及びジシアンジアミ
ド1.95g(23.2mmol)をn−デカン50mlと共
に加え130℃にて4.5時間加熱攪拌を行なった。反
応終了後、冷却して析出した沈澱を濾取し、10mlのn
−ヘキサンで3回洗浄した。減圧下で溶媒を除去するこ
とにより、目的物質である2−(3,5−ジメチルフェ
ノキシ)イソプロピルビグアニド塩酸塩6.7gを得
た。これをHPLC(カラム:Shodex DE-613,展開溶
媒:1%リン酸とメタノールとが体積比で5:5の混合
溶媒)にて定量した。目的物質の純度は90%、収率は
86%であった。更に水6.7mlで再結晶を行ない白色
の結晶5.5gを得た。このものの融点は、185.9
〜187.3℃、IRの特性吸収は1550,160
0,1630,3200,3300,3400,350
0cm-1であった。
ない、表−1に示すように良好な結果を得た。
0mlを用いた以外は実施例1と同一条件で実験を行なっ
た。その結果、目的物質の純度は55.7%と低純度で
あり、収率も50.1%と低収率であった。
2.5時間にしたこと以外は実施例1と同一条件で実験
を行なったが、目的物は得られなかった。
いたことおよび温度、時間を100℃、7時間にしたこ
と以外は実施例1と同一条件で実験を行なったが、目的
物は得られなかった。
ルベンゼン(50ml/50ml)を用いたことおよび温
度、時間を110℃、7時間にしたこと以外は実施例1
と同一条件で実験を行なったが、目的物は得られなかっ
た。
ン4.16g(23.2mmol)をブテン重合油(IP−
1620:出光石油化学(株)製 b.p.165〜1
96℃、平均炭素数10)21mlに溶解し、これに塩酸
ガスを吹き込み2−(3,5−ジメチルフェノキシ)イ
ソプロピルアミン塩酸塩を得た。この塩酸塩を単離する
ことなく、更にジシアンジアミド2.14g(25.5
mmol)を加え130℃にて3.0時間加熱撹拌を行なっ
た。反応終了後、冷却して析出した沈殿を濾取し、10
mlのn−ヘキサンで3回洗浄した。減圧下で溶媒を除去
することにより、目的物質である2−(3,5−ジメチ
ルフェノキシ)イソプロピルビグアニド塩酸塩6.87
gを得た。これをHPLC(カラム:Shodex DE-613,展
開溶媒:1%リン酸とメタノールとが体積比で5:5の
混合溶媒)にて定量した。目的物質の純度は85%、収
率は84%であった。
晶5.5gを得た。このものの融点は185.9〜18
7.3℃、IRの特性吸収は1550、1600、16
30、3200、3300、3400、3500cm-1で
あった。
ない表2に示すように良好な結果を得た。
本発明によれば、フェノキシアルキルアミン塩とジシア
ンジアミドとの反応を、炭素数8〜15のパラフィン系
炭化水素を含む溶媒中で行なうことにより、高純度のビ
グアニド誘導体を高収率で得ることが可能となった。ま
た炭素数8〜15のパラフィン系炭化水素を含む溶媒中
でフェノキシアルキルアミンをハロゲン化水素と反応さ
せてフェノキシアルキルアミン塩を得、これを単離する
ことなく、同一溶媒中でジシアンジアミドと反応させる
ことにより高純度のビグアニド誘導体を高収率で得るこ
とが可能となった。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式〔I〕 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、C1 〜C4 のアルキル基で
あり、同一または異なっていても良く、nは、0〜5の
整数であり、Xは、ハロゲン原子である)で示されるフ
ェノキシアルキルアミン塩と、式〔II〕 【化2】 で示されるジシアンジアミドとを、炭素数8〜15のパ
ラフィン系炭化水素を含む溶媒中で反応させることを特
徴とする、一般式〔III 〕 【化3】 (式中、R1 ,R2 ,nおよびXは上記と同一である)
で示されるビグアニド誘導体の製造方法。 - 【請求項2】一般式〔Ia〕 【化4】 (式中、R1 およびR2 は、C1 〜C4 のアルキル基で
あり、同一または異なっていても良く、nは、0〜5の
整数である)で示されるフェノキシアルキルアミンと、
ハロゲン化水素とを、炭素数8〜15のパラフィン系炭
化水素を含む溶媒中で反応させて、一般式〔I〕 【化5】 (式中、R1 、R2 およびnは上記と同一であり、Xは
ハロゲン原子である)で示されるフェノキシアルキルア
ミン塩を得、これを単離することなく式〔II〕 【化6】 で示されるジシアンジアミドと、同一溶媒中で反応させ
ることを特徴とする一般式〔III 〕 【化7】 (式中、R1 、R2 、nおよびXは上記と同一である)
で示されるビグアニド誘導体の製造方法。 - 【請求項3】 炭素数8〜15のパラフィン系炭化水素
を含む溶媒が、炭素数8〜15のパラフィン系炭化水素
のみによってまたは炭素数8〜15のパラフィン系炭化
水素と他の有機溶媒との混合物によって構成される、請
求項1または2に記載の方法。
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