JP2635390B2 - 擬似餌およびその製造方法 - Google Patents

擬似餌およびその製造方法

Info

Publication number
JP2635390B2
JP2635390B2 JP63269259A JP26925988A JP2635390B2 JP 2635390 B2 JP2635390 B2 JP 2635390B2 JP 63269259 A JP63269259 A JP 63269259A JP 26925988 A JP26925988 A JP 26925988A JP 2635390 B2 JP2635390 B2 JP 2635390B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soluble polymer
water
bait
synthetic product
melt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63269259A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0235032A (ja
Inventor
貴志 梶山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichimo Co Ltd
Original Assignee
Nichimo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichimo Co Ltd filed Critical Nichimo Co Ltd
Priority to JP63269259A priority Critical patent/JP2635390B2/ja
Publication of JPH0235032A publication Critical patent/JPH0235032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2635390B2 publication Critical patent/JP2635390B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は擬似餌およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
魚や他の水性動物を漁獲する場合には、一般に天然餌
を用いるが、近年では天然餌の供給量不足を補なった
り、一定品質の餌を得るために擬似餌を用いることが盛
んに行なわれている。
このような魚用の擬似餌は、例えば特公昭51−28553
号公報、特開昭58−501493号公報、特開昭60−94047号
公報等において提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記各公報等によって提案されている
従来の擬似餌は、魚等を誘引する誘引物質を含んでいる
が、例えば天然餌の一種である砂蚕、磯蚯蚓、蚯蚓等の
環形動物と比べると、擬似餌全体が不溶性であったり、
肉質が硬すぎたりして、その感触が大きく相違し、ま
た、その肉質の相違によって前記誘引物質による誘引作
用も天然餌に劣るものであった。また、天然餌は砂蚕等
のように肉質は柔かいが、これに似せるようにして肉質
を変えて擬似餌を製することは全く行なわれていなかっ
た。
また、擬似餌を製する場合にはその性質を色々と工夫
するという試みも全く為されていなかった。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、感
触が天然餌に似ており、誘引作用も優れていてあらゆる
種類の魚等を誘引することができ、しかも天然餌の性質
に応じて性質が変化させられ、さらに天然餌が有する性
質をより一層引立てながら擬似餌特有の誘引作用を発揮
することのできる擬似餌およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の擬似餌は、請求項第1項によれば、合成品、
半合成品および動物性の水溶性高分子物質の少なくとも
1種類からなる水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可
塑剤およびゲル化促進剤を含んでいることを特徴とす
る。
また、請求項第2項によれば、本発明の擬似餌は、合
成品、半合成品および動物性の水溶性高分子物質の少な
くとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶媒、誘引物
質、可塑剤およびゲル化促進剤を含んでいるとともに、
表面および内部の少なくとも一方に、蛍光物質および温
度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を有す
ることを特徴とする。
また、請求項第3項によれば、第1項または第2項に
記載の合成品の水溶性高分子物質はポリビニールアルコ
ールからなり、動物性の水溶性高分子物質はゼラチンか
らなることを特徴とする。
本発明の擬似餌の製造方法は、請求項第4項によれ
ば、合成品、半合成品および動物性の水溶性高分子物質
の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶媒、
誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体とする素材
を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その後所
定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この溶融
物を所定形状に成型し、冷却することによりゲル化させ
て擬似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第5項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、合成品、半合成品および動物性の水溶性高分子
物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤ならびに蛍光
物質および温度変化により色が変化する液晶の少なくと
も一方を主体とする素材を混合し、その混合中または混
合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記素材の
溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、冷却す
ることによりゲル化させて擬似餌を製することを特徴と
する。
また、請求項第6項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、合成品、半合成品および動物性の水溶性高分子
物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体とする
素材を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その
後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この
溶融物を所定形状に成型し、冷却することによりゲル化
させ、このゲル化物の外面に蛍光物質および温度変化に
より色が変化する液晶の少なくとも一方を被着させて擬
似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第7項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、合成品、半合成品および動物性の水溶性高分子
物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体とする
素材を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その
後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この
溶融物を所定形状に成型し、その後冷凍して擬似餌を製
することを特徴とする。
また、請求項第8項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、合成品、半合成品および動物性の水溶性高分子
物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤ならびに蛍光
物質および温度変化により色が変化する液晶の少なくと
も一方を主体とする素材を混合し、その混合中または混
合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記素材の
溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、その後
冷凍して擬似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第9項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、合成品、半合成品および動物性の水溶性高分子
物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体とする
素材を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その
後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この
溶融物を所定形状に成型し、その後冷凍し、この冷凍物
の外面に蛍光物質および温度変化により色が変化する液
晶の少なくとも一方を被着させて擬似餌を製することを
特徴とする。
また、請求項第10項によれば、第4項から第9項のい
ずれか1項に記載の合成品の水溶性高分子物質はポリビ
ニールアルコールからなり、動物性の水溶性高分子物質
はゼラチンからなることを特徴とする。
〔作 用〕 本発明の擬似餌は、請求項第1項ならびに第2項によ
れば、合成品、半合成品および動物性の水溶性高分子物
質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を含んでいる
ため、柔らかさや弾力性などの感触が砂蚕等の環形動物
と酷似しており、全体形状が海水中等において前記環形
動物と似た形状のままで比較的長時間維持され、ゲル状
の肉部に含有されている誘引物質が滲出し魚等が強力に
誘引され、更に魚等が擬似餌の一部を食い千切った時に
誘引物質が多量に溶け出し誘引作用が一層強くなり、あ
たかも天然餌のように魚等に感じさせることができる。
また、水溶性高分子物質に対する溶媒の量を多くするこ
とにより肉部を柔らかくしたり、少なくすることにより
肉部を硬めにすることができ、天然餌の性質および形状
の変化に応じて擬似餌の性質および形状も変化させられ
る。また、蛍光物質および温度変化により色が変化する
液晶の少なくとも一方を擬似餌の体内および体外の少な
くとも一方に配することにより、魚等を視覚的に誘引す
ることができ、更に一層の誘引作用を発揮させることが
できる。
一方、請求項第4項から第6項による本発明の擬似餌
の製造方法によれば、合成品、半合成品および動物性の
水溶性高分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高
分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤
を混合し、加熱することにより均一混合物を得、その均
一混合物を冷却することにより成形可能な所定温度の溶
融物を製し、この溶融物を成形型内のキャビティ内に充
填して天然餌に似た形状に成型し、更に冷却することに
より溶融物をゲル化させ、前記した優れた特徴を有する
擬似餌を製することができる。また、蛍光物質および温
度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を、前
記溶融物を製造する際に一緒に混合させれば、擬似餌内
に配することができ、ゲル化物の外面にコーテング等に
より被着させれば、擬似餌の外部に配することができ
る。
また、請求項第7項から第9項による本発明の擬似餌
の製造方法によれば、合成品、半合成品および動物性の
水溶性高分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高
分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤
を混合し、加熱することにより均一混合物を得、その均
一混合物を冷却することにより成形可能な所定温度の溶
融物を製し、この溶融物を成形型内のキャビティ内に充
填して天然餌に似た形状に成型し、更に冷凍することに
より溶融物を冷凍させ、前記した優れた特徴を有する擬
似餌を製することができる。また、蛍光物質および温度
変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を、前記
溶融物を製造する際に一緒に混合させれば、擬似餌内に
配することができ、冷凍物の外面にコーティング等によ
り被着させれば、擬似餌の外部に配することができる。
〔実施例〕 以下、本発明の実施例を第1図から第3図を参照して
説明する。
第1図は本発明の擬似餌の一実施例を示す。
本実施例は擬似餌1は砂蚕に似せて製せられている。
この擬似餌1の肉部2は水溶性高分子物質、溶媒、誘引
物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体とする素材の混
合物によって形成されている。
素材中の水溶性高分子物質は擬似餌の基体となる素材
であり、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキシ
ド、ポリアクリル酸ソーダ等の合成品や、カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース等の半合成品や、ゼ
ラチン等の動物性の水溶性高分子物質等のあらゆるもの
を用いることができ、これらの中から1種もしくは複数
種選出して用いるとよい。
また、溶媒は水溶性高分子物質を溶融し、他の素材と
の混合を促進し、前記水溶性高分子物質に対する量を調
整することにより擬似餌の内部の柔らかさ等を適宜に調
整するものである。
また、誘引物質は魚等を臭いによって擬似餌の方へ誘
引するものであり、誘引成分を有するものであればよ
く、例えばKXと称するオキアミエキスあるいは天然物か
ら抽出されるエキス類およびまたは化学合成による誘引
物質等が挙げられ、これらから必要に応じて1種または
複数種選択して用いるとよい。
また、可塑剤は、水溶性高分子物質と混合された時に
擬似餌全体の肉質の柔らかさを保持するためのものであ
り、素材中の溶媒を内部に保持するため溶媒に不溶で揮
発し難い性質を有する溶剤等を用いるとよい。このよう
な性質を有する可塑剤であればどれでも用いることがで
きるが、例えば魚油等が挙げられる。
また、ゲル化促進剤は、擬似餌の製造過程で溶融状態
にある素材の混合物にスキン層を形成し、かつ、定形性
を付与して所定形状の擬似餌を形成させるものであり、
そのような作用を有するものであればいずれでも用いる
ことができる。例えば、NaCl、KCl、Ca塩等の1価もし
くは多価の金属塩や、エタノール、酢酸、アセトン等の
ゲル化作用を有する溶剤等から1種もしくは複数種を用
いるとよい。
また、前記各素材は複数の素材の性質を兼ね備えるも
のを用いてもよい。例えば、溶媒は可塑剤の役目も果す
ものであり、誘引物質の一種であるKXにはNaCl等の金属
塩を含むものもある。
次に、前記擬似餌1の製造方法を、請求項第3項に従
って説明する。
先ず、擬似餌1の素材である水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤をそれぞれ製
造すべき擬似餌の感触等の性質に応じた分量として混合
し、混合しながら加熱したり、混合後に加熱して、水飴
状の溶融物を製する。その後、この高温な溶融物を冷却
して、成型に適した温度の溶融物を製する。
これまでの工程において、擬似餌の構成各素材が均一
に混合され、可塑剤が混合物から溶媒の放散を抑えるよ
うにして、擬似餌の基体の柔らかさを保有させ得るよう
にする。
その後、この溶融物を射出成形機や押出し機等の適宜
の手段を用いて、雌型内の例えば天然餌の形状に似せた
キャビティ内に充填して成型し、その後型内に残留させ
たまま冷却することによりゲル化させてゲル化物すなわ
ち擬似餌1を製する。
このゲル化はゲル化促進剤の作用により短時間に行な
われる。特に、ゲル化促進剤にエタノール、酢酸、アセ
トン等の溶剤を用いると、早期にゲル化されるので、成
型容易である。
その後、ゲル化物すなわち擬似餌1を型から脱型す
る。これにより擬似餌1はキャビティの形状すなわち例
えば天然餌の形状に成型される。
本発明の擬似餌1は、水溶性高分子物質、溶媒、誘引
物質、可塑剤およびゲル化促進剤を含んでいるため、柔
らかさや弾力性などの感触が天然餌例えば砂蚕等の環形
動物と酷似しており、全体形状が海水中等において前記
環形動物と似た形状のままで比較的長時間維持され、ゲ
ル状の肉部2に含有されている誘引物質が海水中等へ溶
け出し魚等が強力に誘引され、更に魚等が擬似餌の一部
を食い千切った時に誘引物質が多量に溶け出し誘引作用
が一層強くなり、あたかも天然餌のように魚等に感じさ
せることができる。
また、水溶性高分子物質に対する溶媒の量およびまた
は可塑剤の量、更に金属塩、溶剤を、それぞれの量をコ
ントロールすることにより、肉部2を自在に柔らかくし
たり硬くすることもでき、天然餌の性質および形状の変
化に応じて擬似餌1の性質および形状も変化させられ
る。
また、前記擬似餌1の製造方法を、請求項第6項に従
って説明する。
本実施例においても、擬似餌1の素材の溶融物を成型
するまでは前記実施例と同様にして行なわれる。
本実施例においては、この成型された溶融物を、冷凍
することにより一挙に冷凍させて擬似餌1を製する。
本実施例のようにすることにより、擬似餌1の肉部2
を非常に柔かいものとすることでき、魚等に食い千切ら
れた場合に肉部2が一挙に水中に流出し、大きな誘引効
果を発揮する。
更に、前記肉部2の素材である誘引物質による誘引作
用の他に、視覚的な誘引作用を備えた擬似餌1も製する
ことができる。
すなわち、請求項第2項のように、蛍光物質および温
度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を、擬
似餌1の肉部2の外側に配したり、内側に配することに
より、魚等を視覚的にも吸引することができる。この蛍
光物質は水中におい蛍光を発することにより、趨光性を
有する魚等を擬似餌1まで誘引する。また、液晶は擬似
餌1が水柱へ沈降して行く際に、水温が変化することに
より色が変化するので、魚等を趨光性だけでなく生餌と
錯角させることにより誘引する。また、蛍光物質と液晶
とを一緒に用いればそれぞれの誘引物質が相剰的に作用
し、更に前記誘引物質による誘引効果とも相剰的に作用
し、天然餌が備えていないような擬似餌1の独特な誘引
作用を発揮することができる。
このような蛍光物質や液晶等を擬似餌1に配するに
は、これらの微小物体を、請求項第4項または第7項に
示すように、肉部2の素材と一緒に混合させることによ
り肉部2の内側に設け、請求項第5項または第8項に示
すように、擬似餌1の外面に直接コーティングしたり透
明な接着媒体を用いてコーティングすることにより、擬
似餌1の外側に配設することができる。
次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
実施例1 本実施例は比較的硬い肉質を有する例えば砂蚕に似せ
た擬似餌1を製するものであり、その内容成分および分
量は次の通りである。
1) 水溶性高分子物質としてポリビニールアルコール
を約100g 2) 溶媒として沸騰水を約350g 3) 誘引物質としてオキアミエキスを約300〜350g、
その他の誘引物質約9〜10.5g 4) 可塑剤として魚油を約60〜105g 5) ゲル化促進剤としてハイネトレス(食添用75%エ
タノール液)を約30〜35g 6) その他海藻エキスを約15〜17.5g を用いた。
この中でオキアミエキスとしては、水が75重量%、ア
ミノ酸が10重量%、NaClが15重量%のものを用いた。
そして、これらの素材を用いて次のような工程に従っ
て擬似餌1を製した。
先ず、ポリビニールアルコールと沸騰水とを攪拌混合
して水飴状液を製すると同時に、別個に他の素材の混合
液を製する。
次に、前記水飴状液および混合液を攪拌混合させて全
体を均一に混合する。
次に、この混合物を加熱しながら攪拌混合して前記各
素材を一層均一に混合させて溶融物を製する。この場合
の加熱度合は、各素材が均一に混合されるようにするも
のであり、混合具合を調べながら適当な温度まで上昇さ
せればよく必要な場合には溶融物を沸騰させるとよい。
本実施例では溶融物を沸騰させたが、乳化剤を用いた場
合、混合を良くすることができるので、必ずしも沸騰さ
せなくてもよい。
次に、加熱を停止し、溶融物を成型に適当な約40℃ま
で冷却させ、その温度を維持させる。
次に、この所定温度の溶融物を天然餌例えば砂蚕に似
せて型どりした雌型のキャビティ内に充填して成型す
る。
次に、この型を約−30℃の雰囲気内に約1時間以上入
れて溶融物をゲル化させる。
次に、このゲル化物を脱型させて擬似餌1を製する。
このようにして製せられた本実施例の擬似餌1は、前
記した各素材を含んでいるため、柔らかさや弾力性など
の感触および形状が天然餌である砂蚕と酷似しており、
全体形状が海水中等において砂蚕と似た形状のままで比
較的長時間維持され、ゲル状の肉部2に含有されている
誘引物質が海水中等へ溶け出し魚等が強力に誘引され、
更に魚等が擬似餌1の一部を食い千切った時に誘引物質
が多量に溶け出し誘引作用が一層強くなり、あたかも天
然餌の砂蚕のように魚等に感じさせることができる。
なお、前記実施例においては、ポリビニールアルコー
ルおよび溶媒と他の素材とをそれぞれ別個に混合した後
に全体を混合するようにしたが、全素材を初めから一緒
に混合するようにしても前記実施例と同様な優れた擬似
餌1を製することができた。
実施例2 また、比較的柔かい肉質を有する例えば砂蚕に似せた
擬似餌1を製する場合には、次のように溶媒の分量を多
くするとよい。
すなわち、例えば、 1) 水溶性高分子物質としてポリビニールアルコール
を約100g 2) 溶媒として沸騰水を約400〜450g 3) 誘引物質としてオキアミエキスを約300〜350g、
その他の誘引物質約9〜10.5g 4) 可塑剤として魚油を約60〜105g 5) ゲル化促進剤としてハイネトレス(食添用75%エ
タノール液)を約30〜35g 6) その他海藻エキスを約15〜17.5g とする。
実施例3 本実施例における内容成分および分量は前記実施例1
と同様である。
本実施例においては、溶融物を雌型のキャビティ内に
充填して成型するまでの工程は、前記実施例1と同様に
して行なわれる。
その後、この型を急冷させて、溶融物を冷凍させて擬
似餌1を製する。
このようにして製せられた本実施例の擬似餌1も、前
記実施例の場合と同様に優れた誘引性を発揮するもので
あった。特に、肉部2が非常に柔かものとなり、魚等に
食い千切られた場合に、柔かい肉部が一挙に大量に水中
に溶出し、大きな誘引作用を発揮するものである。
また、前記各実施例1,2,3において、肉部2の素材を
混合する時に蛍光物質およびまたは液晶の微小物体を一
緒に混合し、以後は同様の工程をもって擬似餌1を製す
ると、肉部2の内側に蛍光物質およびまたは液晶を内蔵
するようにして配設することができた。
また、前記各実施例1,2,3により製した擬似餌1の外
側に、蛍光物質およびまたは液晶の微小物体を直接また
は透明な接着剤を用いてコーティングすることにより、
擬似餌1の表面より外側に蛍光物質およびまたは液晶を
配設することができた。
このようにして肉部2の表面より外側およびまたは内
側に蛍光物質およびまたは液晶を配することができ、得
られた擬似餌1は前記したように天然餌に近い特性と、
魚等を趨光性を利用したり、色変化をもって生餌と錯覚
させる等して視覚的に誘引する独特の特性を有したもの
となる。
なお、前記各実施例の擬似餌1は前記の各素材の混合
物の単一物で形成されているが、例えば第2図に示すよ
うに、内部に形状維持用の芯材3を入れ、第3図に示す
ように、他の誘引物質4等を内部に注入してもよい。な
お、芯材3の誘引物質を含浸させたり、天然餌をそのま
ま芯材として用いてもよい。第2図の芯材3は、成型時
に同時に封入するようにしたり、第1図の単一物中に挿
入するようにしてもよい。
また、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
く、必要に応じて変更することができる。
〔発明の効果〕
このように本発明の擬似餌およびその製造方法は構成
され作用するものであるから、感触および形状が天然餌
に似ており、誘引作用も優れていてあらゆる種類の魚等
を誘引することができる擬似餌を得ることができ、ま
た、天然餌の性質および形状に応じて性質および形状を
変化させることもでき、さらに天然餌が有する性質をよ
り一層引立てながら擬似餌特有の誘引作用を発揮するこ
とができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図はそれぞれ本発明の擬似餌の実施例を
示す一部切断斜視図である。 1……擬似餌、2……肉部、3……芯材、4……誘引物
質。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、前記水溶性高分子物質の溶媒(以下、溶媒とい
    う)、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を含んでい
    る擬似餌。
  2. 【請求項2】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を含ん
    でいるとともに、表面および内部の少なくとも一方に、
    蛍光物質および温度変化により色が変化する液晶の少な
    くとも一方を有する擬似餌。
  3. 【請求項3】合成品の水溶性高分子物質はポリビニール
    アルコールからなり、動物性の水溶性高分子物質はゼラ
    チンからなることを特徴とする第1項または第2項に記
    載の擬似餌。
  4. 【請求項4】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体
    とする素材を混合し、その混合中または混合後に加熱
    し、その後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製
    し、この溶融物を所定形状に成型し、冷却することによ
    りゲル化させて擬似餌を製することを特徴とする擬似餌
    の製造方法。
  5. 【請求項5】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤ならび
    に蛍光物質および温度変化により色が変化する液晶の少
    なくとも一方を主体とする素材を混合し、その混合中ま
    たは混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記
    素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、
    冷却することによりゲル化させて擬似餌を製することを
    特徴とする擬似餌の製造方法。
  6. 【請求項6】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体
    とする素材を混合し、その混合中または混合後に加熱
    し、その後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製
    し、この溶融物を所定形状に成型し、冷却することによ
    りゲル化させ、このゲル化物の外面に蛍光物質および温
    度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を被着
    させて擬似餌を製することを特徴とする擬似餌の製造方
    法。
  7. 【請求項7】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体
    とする素材を混合し、その混合中または混合後に加熱
    し、その後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製
    し、この溶融物を所定形状に成型し、その後冷凍して擬
    似餌を製することを特徴とする擬似餌の製造方法。
  8. 【請求項8】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤ならび
    に蛍光物質および温度変化により色が変化する液晶の少
    なくとも一方を主体とする素材を混合し、その混合中ま
    たは混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記
    素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、
    その後冷凍して擬似餌を製することを特徴とする擬似餌
    の製造方法。
  9. 【請求項9】合成品、半合成品および動物性の水溶性高
    分子物質の少なくとも1種類からなる水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体
    とする素材を混合し、その混合中または混合後に加熱
    し、その後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製
    し、この溶融物を所定形状に成型し、その後冷凍し、こ
    の冷凍物の外面に蛍光物質および温度変化により色が変
    化する液晶の少なくとも一方を被着させて擬似餌を製す
    ることを特徴とする擬似餌の製造方法。
  10. 【請求項10】合成品の水溶性高分子物質はポリビニー
    ルアルコールからなり、動物性の水溶性高分子物質はゼ
    ラチンからなることを特徴とする第4項から第9項のい
    ずれか1項に記載の擬似餌の製造方法。
JP63269259A 1988-04-15 1988-10-25 擬似餌およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2635390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63269259A JP2635390B2 (ja) 1988-04-15 1988-10-25 擬似餌およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-92895 1988-04-15
JP9289588 1988-04-15
JP63269259A JP2635390B2 (ja) 1988-04-15 1988-10-25 擬似餌およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0235032A JPH0235032A (ja) 1990-02-05
JP2635390B2 true JP2635390B2 (ja) 1997-07-30

Family

ID=14067196

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63269259A Expired - Lifetime JP2635390B2 (ja) 1988-04-15 1988-10-25 擬似餌およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2635390B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04287633A (ja) * 1991-03-13 1992-10-13 Fumatsugen Honpo:Kk 疑似餌用誘魚剤
RU2477419C1 (ru) * 2011-10-26 2013-03-10 МИНИСТЕРСТВО ОБРАЗОВАНИЯ И НАУКИ РОССИЙСКОЙ ФЕДЕРАЦИИ Государственное образовательное учреждение высшего профессионального образования Московский автомобильно-дорожный государственный технический университет (МАДИ) Устройство управления транспортированием нефтегазоводяной смеси в продуктопроводе
WO2023190245A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 大日精化工業株式会社 生分解性人工餌用組成物、及び生分解性人工餌

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62190037A (ja) * 1986-02-17 1987-08-20 ダイソー株式会社 擬似餌用水性ゲル組成物

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62190037A (ja) * 1986-02-17 1987-08-20 ダイソー株式会社 擬似餌用水性ゲル組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0235032A (ja) 1990-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4731247A (en) Artificial fish baits with sustained release properties
US5333405A (en) Soft plastic fishing lures containing microencapsulated liquid fish attractant
EP0137748B1 (en) Artificial fish baits with sustained release properties
US3421899A (en) Fish bait and method of making the same
US5063703A (en) Artificial fish bait
US20070144054A1 (en) Plastic fishing lure having porous particles
CN114340388B (zh) 利用谷物和海洋生物的贴合式鱼饵制造方法
US4764383A (en) Soft homogenous fish bait
JP2023098972A (ja) 釣り餌、釣り餌を製造するための成形可能な組成物、釣り餌を製造するための方法、及び成形可能な組成物の使用
JP2635390B2 (ja) 擬似餌およびその製造方法
JP2635389B2 (ja) 擬似餌およびその製造方法
JP2828667B2 (ja) 擬似餌およびその製造方法
JP2000060363A (ja) 釣り用疑似餌とその製造方法
JP3381730B2 (ja) 擬似餌およびその製造方法
JP2003210075A (ja) 釣用疑似餌、その製造方法及び釣用疑似餌の製造用キット
JPH055456B2 (ja)
JPH0956314A (ja) 釣り餌
RU2785712C1 (ru) Рыболовная приманка и способ её изготовления
JP4435937B2 (ja) 釣用疑似餌の製造方法
KR102370855B1 (ko) 집어용 미끼의 제조방법 및 그에 의하여 제조된 집어용 미끼
JP2002223670A (ja) 生分解性人工餌組成物
JP2005130757A (ja) 釣り餌の製造方法
KR20090060465A (ko) 구더기 인조미끼의 제조방법
LU87750A1 (de) Futtermittel und koeder fuer fische und andere tierarten
JPH08173057A (ja) 釣り餌及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425

Year of fee payment: 12