JP2828667B2 - 擬似餌およびその製造方法 - Google Patents

擬似餌およびその製造方法

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JP2828667B2 JP1164518A JP16451889A JP2828667B2 JP 2828667 B2 JP2828667 B2 JP 2828667B2 JP 1164518 A JP1164518 A JP 1164518A JP 16451889 A JP16451889 A JP 16451889A JP 2828667 B2 JP2828667 B2 JP 2828667B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は擬似餌およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
魚や他の水性動物を漁獲する場合には、一般に天然餌
を用いるが、近年では天然餌の供給量不足を補なった
り、一定品質の餌を得るために擬似餌を用いることが盛
んに行なわれている。
このような魚用の擬似餌は、例えば特公昭51−28553
号公報、特開昭58−501493号公報、特開昭60−94047号
公報等において提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記各公報等によって提案されている
従来の擬似餌は、魚等を誘引する誘引物質を含んでいる
が、天然餌による釣果よりも劣るものであった。例えば
天然餌の一種である砂蚕、磯蚯蚓、蚯蚓等の環形動物と
比べると、擬似餌全体が不溶性であったり、肉質が硬す
ぎたり、天然餌に似た柔らかさとみずみずしさとが無か
ったり、ちぎれ易く、投釣りに不向きである等、その感
触が大きく相違し、また、その肉質の相違によって前記
誘引物質による誘引作用も天然餌に劣るものであった。
また、天然餌は砂蚕等のように肉質が柔らかい上に、投
釣りの遠投にも耐えるが、これに似せるようにして肉質
を変えて擬似餌を製することは全く行なわれていなかっ
た。
また、擬似餌を製する場合にその性質を色々と工夫す
るという試みも全く為されていなかった。
更に、擬似餌の持運びや取扱いの容易性を図ったり、
量産性を図ることも行なわれていなかった。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、感
触が天然餌に似ており、特に柔らかさとみずみずしさを
有しており、誘引作用も優れていてあらゆる種類の魚等
を誘引することができ、しかも天然餌の性質に応じて性
質が変化させられ、さらに天然餌が有する性質より一層
引立てながら擬似餌特有の誘引作用を発揮することがで
き、持運びにも便利であり、使用時や保管時等の取扱い
も容易であり、量産にも適している擬似餌およびその製
造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の擬似餌は、請求項第1項によれば、保水性が
良いものを含む水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質を含
んでおり、保水性が良くかつ水溶性を備えていることを
特徴とする。
また、請求項第5項によれば、本発明の擬似餌は、保
水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶媒、誘引物
質を含んでおり、保水性が良くかつ水溶性を備えている
とともに、表面および内部の少なくとも一方に、蛍光物
質および温度変化により色が変化する液晶の少なくとも
一方を有することを特徴とする。
更に、請求項第1項および第5項に係る擬似餌は、そ
れぞれ請求項第2項から第4項および第6項から第8項
によれば、擬似餌を所定形状に保持する収納ケースであ
って管状に形成され、かつ、両端部を閉塞するようにし
て内蔵されている。
本発明の擬似餌の製造方法は、請求項第9項によれ
ば、保水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶媒、
誘引物質を主体とする素材を混合し、その混合中または
混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記素材
の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、冷却
することによりゲル化させて擬似餌を製することを特徴
とする。
また、請求項第10項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、保水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質ならびに蛍光物質および温度変化により色
が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする素材を混
合し、その混合中または混合後に加熱し、その後所定温
度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、その溶融物を
所定形状に成型し、冷却することによりゲル化させて擬
似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第11項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、保水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質を主体とする素材を混合し、その混合中ま
たは混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記
素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、
冷却することによりゲル化させ、このゲル化物の外面に
蛍光物質および温度変化により色が変化する液晶の少な
くとも一方を被着させて擬似餌を製することを特徴とす
る。
また、請求項第12項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、保水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質を主体とする素材を混合し、その混合中ま
たは混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記
素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、
その後冷凍して擬似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第13項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、保水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質ならびに蛍光物質および温度変化により色
が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする素材を混
合し、その混合中または混合後に加熱し、その後所定温
度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この溶融物を
所定形状に成型し、その後冷凍して擬似餌を製すること
を特徴とする。
また、請求項第14項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、保水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質を主体とする素材を混合し、その混合中ま
たは混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記
素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、
その後冷凍し、この冷凍物の外面に蛍光物質および温度
変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を被着さ
せて擬似餌を製することを特徴とする。
〔作 用〕
本発明の擬似餌は、請求項第1項ならびに第5項によ
れば、保水性が良いものを含む水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質を含み、保水性が良くかつ水溶性を備えて
おり、更に強度、浮力が調整されているため、柔らかさ
や弾力性やしなやかさやみずみずしさなどの感触が砂蚕
等の環形動物と酷似しており、しかもこれらの感触およ
び全体形状が海水中等において前記環形動物と似た感触
および形状のままで長時間維持され、調整された浮力に
より、水中を漂う様な効果があり、更に、魚に容易に食
いちぎられる物性を持つと同時に、投釣りにも使用でき
る。従って、海水中等にゲル状の肉部に含有されている
誘引物質が滲出し魚等が強力に誘引され、更に魚等が擬
似餌の一部を食い千切った時に実感される天然餌と同様
の感触と、誘引物質が多層に溶け出すことにより誘引作
用が一層強くなり、あたかも天然餌のように魚等に感じ
させることができる。また、蛍光物質および温度変化に
より色が変化する液晶の少なくとも一方を擬似餌の体内
および体外の少なくとも一方に配することにより、魚等
を視覚的に誘引することができ、更に一層の誘引作用を
発揮させることができる。
また、本発明の擬似餌は、請求項第2項から第4項お
よび請求項第6項および第8項によれば、擬似餌を所定
形状に保持する収納ケース、特に管状のケースにその両
端部を閉塞した状態で内蔵されるため、持運びや保管に
便利であり、使用時には一端部を切除して押出したり、
両端部を切除して一方の端部から他端部に向けて吹いて
押出したりできるので、手や指等を汚すことなく使用す
ることができ、しかも必要量だけ押出して使用すること
により擬似餌の無駄を無くすることができる。
一方、請求項第9項から第11項による本発明の擬似餌
の製造方法によれば、保水性が良いものを含む水溶性高
分子物質、溶媒、誘引物質を混合し、加熱することによ
り均一混合物を得、その均一混合物を冷却することによ
り成形可能な所定温度の溶融物を製し、この溶融物を成
形型内のキャビティ内に充填して天然餌に似た形状に成
型し、更に適正時間冷却することにより溶融物をゲル化
させ、前記した優れた特徴を有する擬似餌を製すること
ができる。また、蛍光物質および温度変化により色が変
化する液晶の少なくとも一方を、前記溶融物を製造する
際に一緒に混合させれば、擬似餌内に配することがで
き、ゲル化物の外面にコーティング等により被着させれ
ば、擬似餌の外部に配することができる。
また、請求項第12項から第14項による本発明の擬似餌
の製造方法によれば、保水性が良いものを含む水溶性高
分子物質、溶媒、誘引物質を混合し、加熱することによ
り均一混合物を得、その均一混合物を冷却することによ
り成形可能な所定温度の溶融物を製し、この溶融物を成
形型内のキャビティ内に充填して天然餌に似た形状に成
型し、更に適正時間冷凍を行なうことにより溶融物をゲ
ル化させ、前記した優れた特徴を有する擬似餌を製する
ことができる。また、蛍光物質および温度変化により色
が変化する液晶の少なくとも一方を、前記溶融物を製造
する際に一緒に混合すれば、擬似餌内に配することがで
き。また、冷凍物の外面にコーティング等により被着さ
せれば、擬似餌の外部に配することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図から第7図を参照にし
て説明する。
第1図は本発明の擬似餌の一実施例を示す。
本実施例の擬似餌1は砂蚕に似せて製せられている。
この擬似餌1の肉部2は保水性が良いものを含む水溶性
高分子物質、溶媒、誘引物質を主体とする素材の混合物
によって形成されており、保水性が良くかつ水溶性を備
えている。
素材中の保水性が良い水溶性高分子物質は擬似餌1の
基体となる素材であり、ビニルアルコールとアクリル酸
塩の共重合体、多糖類、酢酸ビニル特殊コモノマー共重
合体、ポリエチレングリコール、ポリ酢酸ビニルの部分
ケン化物でポリビニルアルコールでないもの、スターチ
ポリアクリレート(α−でんぷんとポリアクリル酸とに
より構成されている)等を用いることができ、これらの
中から1種もしくは複数種選出して用いるとよい。これ
らの保水性が良い水溶性高分子物質は、擬似餌1の基体
に天然餌と同様の柔らかさとみずみずしさを付与すると
ともに、その柔らかさやみずみずしさを長時間保持させ
るものであり、更に、擬似餌1を製造する場合に特別に
ゲル化促進剤や可塑剤を添加しなくても基体をゲル化さ
せることができるものである。勿論必要に応じてゲル化
促進剤や可塑剤を添加してもよい。
前記したビニルアルコールとアクリル酸塩との共重合
体は、擬似餌1の基体を長期間に亘って柔らかく保持
し、ゲル化促進剤や可塑剤を用いることなく基体をゲル
化させる点において優れている。前記多糖類は特に擬似
餌1の基体のゲル化促進性に優れている。
前記した酢酸ビニル特殊コモノマー共重合体やポリエ
チレングリコールは、それ自身は保水性が良いものであ
るが、保水性および流動性がそれ程良くない一般の水溶
性高分子物質と一緒に擬似餌1の基体の成分を構成する
ことにより、一層良好な性質を有する擬似餌1を得るこ
とができる。このような一般的な水溶性高分子物質とし
ては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、
ポリアクリル酸ソーダ等の合成品や、カルボキシメチル
セルロース、メチルセルロース等の半合成品や、グアガ
ム、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン等の天然品
等のあらゆるものを用いることができ、これらの中から
1種もしくは複数種選出して用いるとよい。
また、溶媒は擬似餌1の基体の構成に使用される水溶
性高分子物質を溶融し、他の素材との混合を促進し、前
記水溶性高分子物質に対する量を調整することにより擬
似餌1の内部の柔らかさ等を適宜に調整するものであ
る。
また、誘引物質は魚等を臭いによって擬似餌1の方へ
誘引するものであり、誘引成分を有するものであればよ
く、例えばKXと称するオキアミエキスあるいは天然物か
ら抽出されるエキス類や油およびまたは化学合成による
誘引物質等が挙げられ、これらから必要に応じて1種ま
たは複数種選出して用いるとよい。
次に、前記擬似餌1の製造方法を、請求項第9項に従
って説明する。
先ず、擬似餌1の素材である保水性が良いものを含む
水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質をそれぞれ製造すべ
き擬似餌1の感触等の性質に応じた分量として混合し、
混合しながら加熱したり、混合後に加熱して、水飴状の
溶融物を製する。その後、この高温な溶融物を冷却し
て、成型に適した温度の溶融物を製する。
これまでの工程において、擬似餌1の構成各素材が均
一に混合され、擬似餌1の基体の柔らかさやみずみずし
さを保有させ得るようにする。
その後、この溶融物を射出成形機や押出し機等の適宜
の手段を用いて、雌型内の例えば天然餌の形状に似せた
キャビティ内に充填して成型し、その後型内に残留させ
たまま冷却することによりゲル化させてゲル化物すなわ
ち擬似餌1を製する。
このゲル化は保水性の良い水溶性高分子物質が保有す
るゲル化促進性の作用により短時間に行なわれる。
その後、ゲル化物すなわち擬似餌1を型から脱型す
る。これにより擬似餌1はキャビティの形状すなわち例
えば天然餌の形状に成型される。
本発明の擬似餌1は、保水性が良いものを含む水溶性
高分子物質、溶媒、誘引物質を含んでいるため、柔らか
さや弾力性やみずみずしさなどの感触が天然餌例えば砂
蚕等の環形動物と酷似しており、しかもこれらの感触お
よび全体形状が海水中等において前記環形動物と似た感
触および形状のままで長時間維持される。従って、その
天然餌とかわらぬ感触により魚等を吸引するとともに、
ゲル状の肉部2に含有されている誘引物質が海水中等へ
溶け出し魚等が強力に誘引され、更に魚等が擬似餌の一
部を食い千切った時に実感される天然餌と同様の感触
と、誘引物質が多量に溶け出すことにより誘引作用が一
層強くなり、あたかも天然餌のように魚等に感じさせる
ことができる。
また、前記擬似餌1の製造方法を、請求項第12項に従
って説明する。
本実施例においても、擬似餌1の素材の溶融物を成型
するまでは前記実施例と同様にして行なわれる。
本実施例においては、この成型された溶融物を、適正
時間冷凍することにより一挙にゲル化させて擬似餌1を
製する。
本実施例のようにすることにより、擬似餌1の肉部2
を非常に柔らかいものとすることができ、魚等に食い千
切られた場合に肉部2が一挙に水中に流出し、大きな誘
引効果を発揮する。
更に、前記肉部2の素材である誘引物質による誘引作
用の他に、視覚的な誘引作用を備えた擬似餌1も製する
ことができる。
すなわち、請求項第5項のように、蛍光物質および温
度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を、擬
似餌1の肉部2の外側に配したり、内側に配することに
より、魚等を視覚的にも吸引することができる。この蛍
光物質は水中において蛍光を発することにより、趨光性
を有する魚等を擬似餌1まで誘引する。また、液晶は擬
似餌1が水中へ沈降して行く際に、水温が変化すること
により色が変化するので、魚等を趨光性だけでなく生餌
と錯覚させることにより誘引する。また、蛍光物質と液
晶とを一緒に用いればそれぞれの誘引効果が相剰的に使
用し、更に前記誘引物質による誘引効果とも相剰的に作
用し、天然餌が備えていないような擬似餌1の独特な誘
引作用を発揮することができる。
このような蛍光物質や液晶等を擬似餌1に配するに
は、これらの微小物体を、請求項第10項または第13項に
示すように、肉部2の素材と一緒に混合させることによ
り肉部2の内側(一部が表面に露出している場合を含
む)に設け、請求項第11項または第14項に示すように、
擬似餌1の外面に直接コーティングしたり透明な接着媒
体を用いてコーティングすることにより、擬似餌1の外
側に配設することができる。
次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
実施例1 本実施例は軟い肉質を有する例えば砂蚕に似せた擬似
餌1を製するものであり、その内容成分および分量は次
の通りである。
1) 保水性の良い水溶性高分子物質としてビニルアル
コールとアクリル酸塩との共重合体を約70g、酢酸ビニ
ル変性コポリマー共重合体を約30g 2) 溶媒として沸騰水を約400〜600g 3) 誘引物質としてオキアミエキスを約300〜400g、
その他の誘引物質約9〜50g程度 4) その他海藻エキスを約15〜17.5g、魚油を150g を用いた。
この中でオキアミエキスとしては、水が75重量%、ア
ミノ酸が10重量%、NaClが15重量%のものを用いた。
そして、これらの素材を用いて次のような工程に従っ
て擬似餌1を製した。
先ず、ビニルアルコールおよびアクリル酸塩との共重
合体と沸騰水とを撹拌混合して水飴状液を製すると同時
に、別個に他の素材の混合液を製する。
次に、前記水飴状液および混合液を撹拌混合させて全
体を均一に混合する。
次に、この混合物を加熱しながら撹拌混合して前記各
素材を一層均一に混合させて溶融物を製する。この場合
の加熱度合は、各素材が均一に混合されるようにするも
のであり、混合具合を調べながら適当な温度まで上昇さ
せればよく必要な場合には溶融物を沸騰させるとよい。
本実施例では溶融物を沸騰させたが、乳化剤を用いた場
合、混合を良くすることができるので、必ずしも沸騰さ
せなくてもよい。
次に、加熱を停止し、溶融物を成型に適当な約40℃前
後まで冷却させ、その温度を維持させる。
次に、この所定温度の溶融物を天然餌例えば砂蚕に似
せて型どりした雌型のキャビティ内に充填して成型す
る。
次に、この型を約−30℃の雰囲気内に約1時間程度入
れて溶融物をゲル化させる。また、使用条件により任意
のゲル強度を求めるために、冷凍の温度と時間は変えて
もよい。
次に、このゲル化物を脱型させて擬似餌1を製する。
このようにして製せられた本実施例の擬似餌1は、前
記した各素材を含んでいるため、柔らかさや弾力性やみ
ずみずしさなどの感触が天然餌例えば砂蚕等の環形動物
と酷似しており、更に伸縮性に富み、容易に魚に食いち
ぎられるとともに、投釣りに耐える強度を持つ。しかも
これらの感触および全体形状が海水中等において前記環
形動物と似た感触および形状のままで長時間維持され
る。本実施例においては、空中に放置した場合に少なく
とも10日間は柔らかさ等がそのまま維持されており、密
閉容器内では少なくとも1年以上は柔らかさ等がそのま
ま維持される。従って、その天然餌とかわらぬ感触によ
り魚等を吸引するとともに、ゲル状の肉部2に含有され
ている誘引物質が海水中等へ溶け出し魚等が強力に誘引
され、更に魚等が擬似餌の一部を食い千切った時に実感
される天然餌と同様の感触と、誘引物質が多量に溶け出
すことにより誘引作用が一層強くなり、あたかも天然餌
のように魚等に感じさせることができる。
なお、前記実施例においては、保水性の良い水溶性高
分子物質であるビニルアルコールおよびアクリル酸塩の
共重合体と酢酸ビニル変性コポリマー共重合体および溶
媒の組と他の素材とを、それぞれ別個に混合した後に全
体を混合するようにしたが、全素材を初めから一緒に混
合するようにしても前記実施例と同様な優れた擬似餌1
を製することができた。
実施例2 本実施例は、保水性が良い水溶性高分子物質に一般の
水溶性高分子物質を混合させて擬似餌1を製するもので
あり、その内容成分および分量は次の通りである。
1) 保水性が良い水溶性高分子物質として、酢酸ビニ
ル変性コポリマー共重合体を約30g 2) 一般の水溶性高分子物質としてポリビニルアルコ
ールを約70g、ゼラチンを約30g 3) 溶媒として沸騰水を約800〜1500g 4) 誘引物質としてオキアミエキスを約200〜300g、
魚介類抽出油を0〜200g、その他の誘引物質を約0〜10
0g 5) その他海藻エキスまたは粉末を約10〜30g このような内容成分を用いて前記実施例1と同様にし
て製造することにより、前記実施例と同様の極めて良質
な擬似餌1が得られた。
実施例3 本実施例における内容成分および分量は前記実施例1
と同様である。
本実施例においては、溶融物を雌型のキャビティ内に
充填して成型するまでの工程は、前記実施例1と同様に
して行なわれる。
その後、この型を急冷させて、溶融物を冷凍させて擬
似餌1を製する。
このようにして製せられた本実施例の擬似餌1も、前
記実施例の場合と同様に優れあ誘引性を発揮するもので
あった。特に、肉部2が非常に柔らかいものとなり、魚
等に食い千切られた場合に、柔らかい肉部が一挙に大量
に水中に溶出し、大きな誘引作用を発揮するものであ
る。
また、前記各実施例1,2,3において、肉部2の素材を
混合する時に蛍光物質およびまたは液晶の微小物体を一
緒に混合し、以後は同様の工程をもって擬似餌1を製す
ると、肉部2の内側に蛍光物質およびまたは液晶を内蔵
るようにして配設することができた。
また、前記各実施例1,2,3により製した擬似餌1の外
側に、蛍光物質およびまたは液晶の微小物体を直接また
は透明な接着剤を用いてコーティングすることにより、
擬似餌1の表面より外側に蛍光物質およびまたは液晶を
配設することができた。
このようにして肉部2の表面より外側およびまたは内
側に蛍光物質およびまたは液晶を配することができ、得
られた擬似餌1は前記したように天然餌に近い特性と、
魚等を趨光性を利用したり、色変化をもって生餌と錯覚
させる等して視覚的に誘引する独特の特性を有したもの
となる。
なお、前記各実施例の擬似餌1は前記の各素材の混合
物の単一物で形成されているが、例えば第2図に示すよ
うに、内部に形状維持用の芯材3を入れ、第3図に示す
ように、他の誘引物質4等を内部に注入してもよい。な
お、芯材3に誘引物質を含浸させたり、天然餌をそのま
ま芯材として用いてもよい。第2図の芯材3は、成型時
に同時に封入するようにしたり、第1図の単一物中に挿
入するようにしてもよい。
第4図および第5図はそれぞれ本発明の他の実施例を
示している。第4図は収納ケースの1種である平滑なス
トロー5内に擬似餌1を収納させたものであり、第5図
は蛇腹ストロー6内に擬似餌1を収納させたものであ
る。このように各ストロー5,6内に擬似餌1を収納させ
ているため、擬似餌1を直接持たずに各ストロー5,6を
持って取扱うことができるので、流通過程や保存の際の
取扱い性に優れたものとなる。また、使用時にはストロ
ー5,6の一端から他端に向て吹いて、擬似餌1を押出す
ことにより、極めて簡単に使用することができる。ま
た、第5図の場合には、押出された擬似餌1の外形は蛇
腹状となり、砂蚕等の環形動物と酷似したものとなり、
魚等の誘引効果が一層大きいものとなる。
また、第4図および第5図に示すストローク5,6にお
いては、両端に適宜な栓(図示せず)を詰めて閉塞した
り、第6図に示すように樹脂材製のストロー5の両端部
を熱溶着させてシール部7を形成して閉塞するようにす
るとよい。両端を閉塞したストロー5,6から擬似餌1を
取出すには、ストロー5,6の一端を切除して指で押出す
ようにしたり、両端を切除して前記のように吹いて押出
すようにするとよい。この場合、手で擬似餌1を直に触
わらずに擬似餌1を用いることができ、餌等に触ること
が不得手な者にとっても取扱いが可能となる。また、必
要量だけ押出して使用することができるので、擬似餌1
の無駄がなくなる。
また、ストロー5,6内への擬似餌の収納は、押出し機
よりゲル状またはゲルとゾルの中間状若しくはゾル状の
擬似餌を押込むことにより行なうことができ、擬似餌の
量産が可能となる。
更に、収納ケースによる擬似餌の形状保持機能を利用
して、種々の断面形状を有する擬似餌を成形するとよ
い。例えば、第7図に示すように、中空星形のストロー
8により断面が星型の擬似餌1を製したり、多角形断
面、中空断面等の種々の擬似餌を製しておき、魚の種類
に応じて使い分けるようにしてもよい。
なお、前記実施例においては、収納ケースとして管状
のストロー5,6,8を用いたが、他の形状を有する収納ケ
ースを用いてもよい。
また、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
く、必要に応じて変更することができる。
〔発明の効果〕
このように本発明の擬似餌およびその製造方法は構成
され作用するものであるから、柔らかさや弾力性やみず
みずしさなどの感触が天然餌例えば砂蚕等の環形動物と
酷似しており、しかもこれらの感触および全体形状が海
水中等において前記環形動物と似た感触および形状のま
まで長時間維持される。更に、ゲル強度を調整すること
で、柔軟なまま投釣りのショックに耐える擬似餌を得る
ことができる。従って、魚等を誘引するとともに、ゲル
状の肉部に含有されている誘引物質が海水中等へ溶け出
し魚等が強力に誘引され、更に魚等が擬似餌の一部を食
い千切った時に実感される天然餌と同様の感触と、誘引
物質が多量に溶け出すことにより誘引作用が一層強くな
り、あたかも天然餌のように魚等に感じさせることがで
きる。また、擬似餌を収納ケース内に内蔵させることに
より、持運びが便利となり、使用時や保管的の取扱いも
容易となり、量産も可能となり、使用時の無駄も省くこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図はそれぞれ本発明の擬似餌の実施例を
示す一部切断斜視図、第4図および第5図はそれぞれス
トロー内に擬似餌を収納した状態の実施例を示す一部切
断斜視図、第6図は両端部をシールしたストロー内に擬
似餌を収納した状態を示す一部切断斜視図、第7図は他
の実施例の要部を示す斜視図である。 1……擬似餌、2……肉部、3……芯材、4……誘引物
質、5,8……ストロー、6……蛇腹ストロー、7……シ
ール部。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、前記水溶性高分子物質の溶媒(以下、溶媒とい
    う)、誘引物質を含んでおり、保水性が良くかつ水溶性
    を備えていることを特徴とする擬似餌。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の擬似餌は、その擬似餌
    を所定形状に保持する収納ケース内に内蔵されているこ
    とを特徴とする擬似餌。
  3. 【請求項3】内部に擬似餌が内蔵されている収納ケース
    は、その両端部がそれぞれ閉塞されていることを特徴と
    する請求項第2項記載の擬似餌。
  4. 【請求項4】収納ケースは管状に形成されていることを
    特徴とする請求項第2項または第3項に記載の擬似餌。
  5. 【請求項5】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質を含んでおり、保水性が良くかつ水
    溶性を備えているとともに、表面および内部の少なくと
    も一方に、蛍光物質および温度変化により色が変化する
    液晶の少なくとも一方を有する擬似餌。
  6. 【請求項6】請求項第5項記載の擬似餌は、その擬似餌
    を所定形状に保持する収納ケース内に内蔵されているこ
    とを特徴とする擬似餌。
  7. 【請求項7】内部に擬似餌が内蔵されている収納ケース
    は、その両端部がそれぞれ閉塞されていることを特徴と
    する請求項第6項記載の擬似餌。
  8. 【請求項8】収納ケースは管状に形成されていることを
    特徴とする請求項第6項または第7項記載の擬似餌。
  9. 【請求項9】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質を主体とする素材を混合し、その混
    合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却し
    て前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成
    型し、冷却することによりゲル化させて擬似餌を製する
    ことを特徴とする擬似餌の製造方法。
  10. 【請求項10】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質ならびに蛍光物質および温度変化に
    より色が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする素
    材を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その後
    所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この溶
    融物を所定形状に成型し、冷却することによりゲル化さ
    せて擬似餌を製することを特徴とする擬似餌の製造方
    法。
  11. 【請求項11】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質を主体とする素材を混合し、その混
    合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却し
    て前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成
    型し、冷却することによりゲル化させ、このゲル化物の
    外面に蛍光物質および温度変化により色が変化する液晶
    の少なくとも一方を被着させて擬似餌を製することを特
    徴とする擬似餌の製造方法。
  12. 【請求項12】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質を主体とする素材を混合し、その混
    合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却し
    て前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成
    型し、その後冷凍して擬似餌を製することを特徴とする
    擬似餌の製造方法。
  13. 【請求項13】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質ならびに蛍光物質および温度変化に
    より色が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする素
    材を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その後
    所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この溶
    融物を所定形状に成型し、その後冷凍して擬似餌を製す
    ることを特徴とする擬似餌の製造方法。
  14. 【請求項14】保水性が良いものを含む水溶性高分子物
    質、溶媒、誘引物質を主体とする素材を混合し、その混
    合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却し
    て前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成
    型し、その後冷凍し、この冷凍物の外面に蛍光物質およ
    び温度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を
    被着させて擬似餌を製することを特徴とする擬似餌の製
    造方法。
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JPS4942479A (ja) * 1972-06-01 1974-04-22
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