JP2635389B2 - 擬似餌およびその製造方法 - Google Patents

擬似餌およびその製造方法

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JP2635389B2 JP63269258A JP26925888A JP2635389B2 JP 2635389 B2 JP2635389 B2 JP 2635389B2 JP 63269258 A JP63269258 A JP 63269258A JP 26925888 A JP26925888 A JP 26925888A JP 2635389 B2 JP2635389 B2 JP 2635389B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は擬似餌およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
魚や他の水性動物を漁獲する場合には、一般に天然餌
を用いるが、近年では天然餌の供給量不足を補なった
り、一定品質の餌を得るために擬似餌を用いることが盛
んに行なわれている。
このような魚用の擬似餌は、例えば特公昭51−28553
号公報、特開昭58−501493号公報、特開昭60−94047号
公報等において提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、前記各公報等によって提案されている
従来の擬似餌は、魚等を誘引する誘引物質を含んでいる
が、例えば天然餌の一種である砂蚕、磯蚯蚓、蚯蚓等の
環形動物と比べると、擬似餌全体が不溶性であったり、
肉質が硬すぎたりして、その感触が大きく相違し、ま
た、その肉質の相違によって前記誘引物質による誘引作
用も天然餌に劣るものであった。また、天然餌は砂蚕等
のように肉質は柔かいが、これに似せるようにして肉質
を変えて擬似餌を製することは全く行なわれていなかっ
た。
また、擬似餌を製する場合にその性質を色々と工夫す
るという試みも全く為されていなかった。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、感
触が天然餌に似ており、誘引作用も優れていてあらゆる
種類の魚等を誘引することができ、しかも天然餌の性質
に応じて性質が変化させられ、さらに天然餌が有する性
質をより一層引立てながら擬似餌特有の誘引作用を発揮
することのできる擬似餌およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の擬似餌は、請求項第1項によれば、水溶性高
分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤
を含んでいるとともに、表面が難溶性の薄皮膜で形成さ
れていることを特徴とする。
また、請求項第2項によれば、本発明の擬似餌は、水
溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤およびゲル変
促進剤を含んでいるとともに、表面が難溶性の薄皮膜で
形成されており、その薄皮膜より外側および薄皮膜の内
側の少なくとも一方に、蛍光物質および温度変化により
色が変化する液晶の少なくとも一方を有することを特徴
とする。
本発明の擬似餌の製造方法は、請求項第3項によれ
ば、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤および
ゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その混合中ま
たは混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して前記
素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型し、
冷却することによりゲル化させ、このゲル化物を脱型し
た後に溶剤中に所定時間浸漬させて表面を難溶性の薄皮
膜で形成して擬似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第4項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤お
よびゲル化促進剤ならびに蛍光物質および温度変化によ
り色が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする素材
を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その後所
定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この溶融
物を所定形状に成型し、冷却することによりゲル化さ
せ、このゲル化物を脱型した後に溶剤中に所定時間浸漬
させて表面を難溶性の薄皮膜で形成して擬似餌を製する
ことを特徴とする。
また、請求項第5項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤お
よびゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その混合
中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して
前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型
し、冷却することによりゲル化させ、このゲル化物を脱
型した後に溶剤中に所定時間浸漬させて表面を難溶性の
薄皮膜で形成し、その薄皮膜の外面に蛍光物質および温
度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を被着
させて擬似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第6項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤お
よびゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その混合
中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して
前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型
し、その後冷凍し、この冷凍物を脱型した後に脱水性の
有機溶媒中に所定時間浸漬させて表面を難溶性の薄皮膜
で形成して擬似餌を製することを特徴とする。
また、請求項第7項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤お
よびゲル化促進剤ならびに蛍光物質および温度変化によ
り色が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする素材
を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その後所
定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この溶融
物を所定形状に成型し、その後冷凍し、この冷凍物を脱
型した後に脱水性の有機溶媒中に所定時間浸漬させて表
面を難溶性の薄皮膜で形成して擬似餌を製することを特
徴とする。
また、請求項第8項によれば、本発明の擬似餌の製造
方法は、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤お
よびゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その混合
中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却して
前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に成型
し、その後冷凍し、この冷凍物を脱型した後に脱水性の
有機溶媒中に所定時間浸漬させて表面を難溶性の薄皮膜
で形成し、その薄皮膜の外面に蛍光物質および温度変化
により色が変化する液晶の少なくとも一方を被着させて
擬似餌を製することを特徴とする。
〔作 用〕
本発明の擬似餌は、請求項第1項ならびに第2項によ
れば、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑剤およ
びゲル化促進剤を含んでいるため、柔らかさや弾力性な
どの感触が砂蚕等の環形動物と酷似しており、また外表
面には難溶性の薄皮膜が形成されているために、全体形
状が海水中等において前記環形動物と似た形状のままで
比較的長時間維持され、また前記薄皮膜を通して内部に
含有されている誘引物質が滲出し魚等が強力に誘引さ
れ、更に魚等が擬似餌の一部を食い千切った時に薄皮膜
内のゲル状の肉部が海水中等へ溶け出したり、誘引作用
が一層強くなりあたかも天然餌のように魚等に感じさせ
ることができる。また、水溶性高分子物質に対す溶媒の
量を多くすることにより肉部を柔らかくしたり、少なく
することにより肉部を硬めにすることができ、天然餌の
性質および形状の変化に応じて擬似餌の性質および形状
も変化させられる。また、薄皮膜を形成する場合の浸漬
時間を調整することにより、薄皮膜の厚さを自由に調節
することができるので、例えば、所定の水中深度になる
とその薄皮膜が水圧により自動的に破壊するような膜強
度の厚さにしておけば、魚等が食い千切らなくとも擬似
餌の誘引作用を所定の棚において発揮させることもでき
る。また、蛍光物質および温度変化により色が変化する
液晶の少なくとも一方を擬似餌の体内および体外の少な
くとも一方に配することにより、魚等を視覚的に誘引す
ることができ、更に一層の誘引作用を発揮させることが
できる。
一方、請求項第3項から第5項による本発明の擬似餌
の製造方法によれば、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物
質、可塑剤およびゲル化促進剤を混合し、加熱すること
により均一混合物を得、その均一混合物を冷却すること
により成形可能な所定温度の溶融物を製し、この溶融物
を成形型内のキャビティ内に充填して天然餌に似た形状
に成型し、更に冷却することにより溶融物をゲル化させ
る。その後ゲル化物を脱型し、溶剤内に所定時間浸漬さ
せることにより、外表面に薄皮膜を形成して、前記した
優れた特徴を有する擬似餌を製することができる。ま
た、蛍光物質および温度変化により色が変化する液晶の
少なくとも一方を、前記溶融物を製造する際に一緒に混
合させれば、前記薄皮膜内に配することができ、その薄
皮膜形成後に外面にコーティング等により被着させれ
ば、外部に配することができる。
また、請求項第6項から第8項による本発明の擬似餌
の製造方法によれば、水溶性高分子物質、溶媒、誘引物
質、可塑剤およびゲル化促進剤を混合し、加熱すること
により均一混合物を得、その均一混合物を冷却すること
により成形可能な所定温度の溶融物を製し、この溶融物
を成形型内のキャビティ内に充填して天然餌に似た形状
に成型し、更に冷凍することにより溶融物を冷凍させ
る。その後冷凍物を脱型し、脱水性の有機溶媒内に所定
時間浸漬させることにより、外表面に薄皮膜を形成し
て、前記した優れた特徴を有する擬似餌を製することが
できる。また、蛍光物質および温度変化により色が変化
する液晶の少なくとも一方を、前記溶融物を製造する際
に一緒に混合させれば、前記薄皮膜内に配することがで
き、その薄皮膜形成後に外面にコーティング等により被
着させれば、外部に配することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例1を第1図から第3図を参照し
て説明する。
第1図は本発明の擬似餌の一実施例を示す。
本実施例の擬似餌1は砂蚕に似せて製せられており、
内部の肉部2の外表面に薄皮膜3を形成して形状を維持
するようにされている。
この肉部2および薄皮膜3は水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤を主体とする
素材の混合物によって形成されている。
素材中の水溶性高分子物質は擬似餌の基体となる素材
であり、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキシ
ド、ポリアクリル酸ソーダ等の合成品や、カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース等の半合成品や、グ
アガム、アルギン酸ナトリウム、寒天、ゼラチン等の天
然品等のあらゆるものを用いることができ、これらの中
から1種もしくは複数種選出して用いるとよい。
また、溶媒は水溶性高分子物質を溶融し、他の素材と
の混合を促進し、前記水溶性高分子物質に対する量を調
整することにより擬似餌の内部の柔らかさ等を適宜に調
整するものである。
また、誘引物質は魚等を臭いによって擬似餌の方へ誘
引するものであり、誘引成分を有するものであればよ
く、例えばKXと称するオキアミエキスあるいは天然物か
ら抽出されたエキス類およびまたは化学合成による誘引
物質等が挙げられ、これらから必要に応じて1種または
複数種選択して用いるとよい。
また、可塑剤は、水溶性高分子物質と混合された時に
擬似餌全体の肉質を柔らかさを保持するためのものであ
り、素材中の溶媒を内部に保持するため溶媒に不溶で揮
発し難い性質を有する溶剤等を用いるとよい。このよう
な性質を有する可塑剤であればどれでも用いることがで
きるが、例えば魚油等が挙げられる。
また、ゲル化促進剤は、擬似餌の製造過程で溶融状態
にある素材の混合物に定形性を付与して所定形状の擬似
餌を形成させるものであり、そのような作用を有するも
のであればいずれでも用いることができる。例えば、Na
Cl、KCl、Ca塩等の1価もしくは多価の金属塩や、エタ
ノール、酢酸、アセトン等のゲル化作用を有する溶剤等
から1種もしくは複数種を用いるとよい。
また、前記各素材は複数の素材の性質を兼ね備えるも
のを用いてもよい。例えば、溶媒は可塑剤の役目も果す
ものであり、誘引物質の一種であるKXにはNaCl等の金属
塩を含むものもある。
次に、前記擬似餌1の製造方法を、請求項第3項に従
って説明する。
先ず、擬似餌1の素材である水溶性高分子物質、溶
媒、誘引物質、可塑剤およびゲル化促進剤をそれぞれ製
造すべき擬似餌の感触等の性質に応じた分量として混合
し、混合しながら加熱したり、混合後に加熱して、水飴
状の溶融物を製する。その後、この高温な溶融物を冷却
して、成型に適した温度の溶融物を製する。
これまでの工程において、擬似餌の構成各素材が均一
に混合され、可塑剤が混合物から溶媒の放散を抑えるよ
うにして、擬似餌の基体の柔らかさを保有させ得るよう
にする。
その後、この溶融物を射出成形機や押出し機等の適宜
の手段を用いて、雌型内の例えば天然餌の形状に似せた
キャビティ内に充填して成型し、その後型内に残留させ
たまま冷却することによりゲル化させてゲル化物を製す
る。
このゲル化はゲル化促進剤の作用により短時間に行な
われる。特に、ゲル化促進剤にエタノール、酢酸、アセ
トン等の溶剤を用いると、早期にゲル化されるので、成
型容易である。
その後、ゲル化物を型から脱型する。このゲル化物は
キャビティの形状すなわち天然餌の形状に自己保持され
る。
その後、ゲル化物を溶剤中に所定時間浸漬させて、溶
剤の有する水溶性高分子物質よりも強い親和力を作用さ
せ、表面に難溶性の薄皮膜3を形成させ、第1図に示す
ような擬似餌1を製する。
本発明の擬似餌1は、水溶性高分子物質、溶媒、誘引
物質、可塑剤およびゲル化促進剤を含んでいるため、柔
らかさや弾力性などの感触が例えば砂蚕等の環形動物と
酷似しており、また外表面には難溶性の薄皮膜3が形成
されているために、全体形状が海水中等において前記環
形動物と似た形状のままで比較的長時間維持され、また
前記薄皮膜3を通して内部に含有されている誘引物質が
滲出し魚等が強力に誘引され、更に魚等が擬似餌1の一
部を食い千切った時に薄皮膜3内のゲル状の肉部2が海
水中等へ溶け出したり、誘引作用が一層強くなりあたか
も天然餌のように魚等に感じさせることができる。
また、水溶性高分子物質に対する溶媒の量およびまた
は可塑剤の量、更に金属塩、溶剤を、それぞれの量をコ
ントロールすることにより、肉部を自在に柔かくした
り、硬くすることもでき、天然餌の性質および形状の変
化に応じて擬似餌1の性質および形状も変化させられ
る。
また、脱型後のゲル化物の溶剤中への浸漬時間を変え
て、擬似餌1の薄皮膜3の厚さを調節するようにすると
よい。この場合、浸漬時間が短かいほど薄皮膜3の厚さ
が薄くなる。そして、例えば、所定の水中深度になると
その薄皮膜が水圧により自動的に破壊するような膜強度
の厚さにしておけば、魚等が食い千切らなくとも擬似餌
の誘引作用を所定の棚において発揮させることもでき
る。また、肉部2が一挙に外部に流出して、大きな誘引
作用を発揮することができるようになる。
また、前記擬似餌1の製造方法を、請求項第6項に従
って説明する。
本実施例においても、擬似餌1の素材の溶融物を成型
するまでは前記実施例と同様にして行なわれる。
本実施例においては、この成型された溶融物を、冷凍
することにより一挙に冷凍させ、その後脱型して、冷凍
物を脱水性の有機溶媒中に所定時間浸漬させて、表面に
難溶性の薄皮膜3を形成するものである。脱水性の有機
溶媒としては、エチルアルコールやアセトン等が利用で
きる。
本実施例のようにすることにより、擬似餌1の肉部2
を非常に柔かいものとすることができ、薄皮膜3を魚等
に食い千切られた場合に肉部2が一挙に大量に流出し、
大きな誘引効果を発揮する。また、冷凍物の有機溶媒中
への浸漬時間を調整することにより、前記実施例と同様
に薄皮膜3を所望の厚さに形成することができる。
更に、前記肉部2の素材である誘引物質による誘引作
用の他に、視覚的な誘引作用を備えた擬似餌1も製する
ことができる。
すなわち、請求項第2項のように、蛍光物質および温
度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を、擬
似餌1の薄皮膜3より外側に配したり、内側に配するこ
とにより、魚等を視覚的にも吸引することができる。こ
の蛍光物質は水中におい蛍光を発することにより、趨光
性を有する魚等を擬似餌1まで誘引する。また、液晶は
擬似餌1が水中へ沈降して行く際に、水温が変化するこ
とにより色が変化するので、魚等を趨光性だけでなく生
餌と錯角させることにより誘引する。また、蛍光物質と
液晶とを一緒に用いればそれぞれの誘引効果が相剰的に
作用し、更に前記誘引物質による誘引効果とも相剰的に
作用し、天然餌が備えていないような擬似餌1の独特な
誘引作用を発揮することができる。
このような蛍光物質や液晶等を擬似餌1に配するに
は、これらの微小物体を、請求項第4項または第7項に
示すように、肉部2の素材と一緒に混合させることによ
り薄皮膜3の内側に設け、請求項第5項または第8項に
示すように、薄皮膜3に直接コーティングしたり透明な
接着媒体を用いてコーティングすることにより薄皮膜3
より外側に配設することができる。
次に、本発明の具体的な実施例を説明する。
実施例1 本実施例における内容成分および分量は次の通りであ
る。
1) 水溶性高分子物質としてポリビニールアルコール
を約100g 2) 溶媒として沸騰水を約500g 3) 誘引物質としてオキアミエキスを約300〜350g、
その他の誘引物質約9〜10.5g 4) 可塑剤として魚油を約60〜105g 5) ゲル化促進剤としてハイネトレス(食添用75%エ
タノール液)を約30〜35g 6) その他海藻エキスを約15〜17.5gを 用いた。
この中でオキアミエキスとしては、水が75重量%、ア
ミノ酸が10重量%、NaClが15重量%のものを用いた。
そして、これらの素材を用いて次のような工程に従っ
て擬似餌1を製した。
先ず、ポリビニールアルコールと沸騰水とを攪拌混合
して水飴状態を製すると同時に、別個に他の素材の混合
液を製する。
次に、前記水飴状液および混合液を攪拌混合させて全
体を均一に混合する。
次に、この混合物を加熱しながら攪拌混合して前記各
素材を一層均一に混合させて溶融物を製する。この場合
の加熱度合は、各素材が均一に混合されるようにするも
のであり、混合具合を調べながら適当な温度まで上昇さ
せればよく必要な場合には溶融物を沸騰させるとよい。
本実施例では溶融物を沸騰させたが、乳化剤を用いた場
合、混合を良くすることができるので、必ずしも沸騰さ
せなくてもよい。
次に、加熱を停止し、溶融物を成型に適当な約40℃ま
で冷却させ、その温度を維持させる。
次に、この所定温度の溶融物を天然餌例えば砂蚕に似
せて型どりした雌型のキャビティ内に充填して成型す
る。
次に、この型を約−30℃の雰囲気内に約1時間以上入
れて溶融物をゲル化させる。
次に、このゲル化物を脱型した後に溶剤中に所定時間
浸漬させて表面に薄皮膜3を形成させて擬似餌1を製
し、その後擬似餌1を溶剤中から取り出す。
このようにして製せられた本実施例の擬似餌1は、前
記した各素材を含んでいるため、柔らかさや弾力性など
の感触および形状が砂蚕と酷似しており、また外表面に
は難溶性の薄皮膜3が形成されているために、全体形状
が海水中等において砂蚕と似た形状のままで比較的長時
間維持され、また前記薄皮膜3を通して内部に含有され
ている誘引物質が滲出し魚等が強力に誘引され、更に魚
等が擬似餌1の一部を食い千切った時に薄皮膜3内のゲ
ル状の肉部2が海水中等へ溶け出したり、誘引作用が一
層強くなりあたかも天然餌の砂蚕のように魚等に感じさ
せることができる。
更に、ポリビニールアルコールに対する溶媒の量を多
くすることにより肉部2を柔らくしたり、少なくするこ
とにより肉部2を硬めにすることができ、砂蚕の性質の
変化に応じて擬似餌1の性質も変化させることができ
る。
なお、前記実施例においては、ポリビニールアルコー
ルおよび溶媒と他の素材とをそれぞれ別個に混合した後
に全体を混合するようにしたが、全素材を初めから一緒
に混合するようにしても前記実施例と同様な優れた擬似
餌1を製することができた。
実施例2 本実施例における内容成分および分量は前記実施例1
と同様である。
本実施例においては、溶融物を雌型のキャビティ内に
充填して成型するまでの工程は、前記実施例1と同様に
して行なわれる。
その後、この型を急冷させて、溶融物を冷凍させる。
次に、この冷凍物を脱型した後に、常温雰囲気中で脱
水性の有機溶媒中に所定時間浸透漬させて、表面に所定
厚の薄皮膜3を形成させて擬似餌1を製し、その後擬似
餌1を有機溶媒中から取り出す。
このようにして製せられた本実施例の擬似餌1も、前
記実施例の場合と同様に優れた誘引性を発揮するもので
あった。特に、肉部2が非常に柔かいものとなり、薄皮
膜3が破られた場合に、柔かい肉部が一挙に大量に水中
に溶出し、大きな誘引作用を発揮するものである。
また、前記各実施例1,2において、薄皮膜3を形成す
るための溶剤または有機溶媒中への浸漬時間を調整する
ことにより、前記したような所望な厚さの薄皮膜3を形
成することができる。
また、前記各実施例1,2において、肉部2の素材を混
合する時に蛍光物質およびまたは液晶の微小物体を一緒
に混合し、以後は同様の工程をもって擬似餌1を製する
と、薄皮膜3の内側に蛍光物質およびまたは液晶を内蔵
するようにして配設することができた。
また、前記各実施例1,2により製した擬似餌1の薄皮
膜3の外側に、蛍光物質およびまたは液晶の微小物体を
直接または透明な接着剤を用いてコーティングすること
により、薄皮膜3より外側に蛍光物質およびまたは液晶
を配設することができた。
このようにして薄皮膜3より外側およびまたは内側に
蛍光物質およびまたは液晶を配することができ、得られ
た擬似餌1は前記したように天然餌に近い特性と、魚等
を趨光性を利用したり、色変化をもって生餌と錯覚させ
る等して視覚的に誘引する独特の特性を有したものとな
る。
なお、前記各実施例の擬似餌1は前記の各素材の混合
物の単一物で形成されているが、例えば第2図に示すよ
うに、内部に形状維持用の芯材4を入れ、第3図に示す
ように、他の誘引物質5等を内部に注入してもよい。な
お、芯材4に誘引物質を含浸させたり、天然餌をそのま
ま芯材として用いてもよい。第2図の芯材4は、成型時
に同時に封入するようにしたり、第1図の単一物中に挿
入するようにしてもよい。
また、本発明は前記各実施例に限定されるものではな
く、必要に応じて変更することができる。
〔発明の効果〕
このように本発明の擬似餌およびその製造方法は構成
され作用するものであるから、感触および形状が天然餌
に似ており、誘引作用も優れていてあらゆる種類の魚等
を誘引することができる擬似餌を得ることができ、ま
た、天然餌の性質および形状に応じて性質および形状を
変化させることもでき、さらに天然餌が有する性質をよ
り一層引立てながら擬似餌特有の誘引作用を発揮するこ
とができる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図から第3図はそれぞれ本発明の擬似餌の実施例を
示す一部切断斜視図である。 1……擬似餌、2……肉部、3……薄皮膜、4……芯
材、5……誘引物質。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性高分子物質、前記水溶性高分子物質
    の溶媒(以下、溶媒という)、誘引物質、可塑剤および
    ゲル化促進剤を含んでいるとともに、表面が難溶性の薄
    皮膜で形成されている擬似餌。
  2. 【請求項2】水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑
    剤およびゲル化促進剤を含んでいるとともに、表面が難
    溶性の薄皮膜で形成されており、その薄皮膜より外側お
    よび薄皮膜の内側の少なくとも一方に、蛍光物質および
    温度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を有
    する擬似餌。
  3. 【請求項3】水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑
    剤およびゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その
    混合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却
    して前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に
    成型し、冷却することによりゲル化させ、このゲル化物
    を脱型した後に水溶性高分子物質の溶媒に対し水溶性高
    分子物質よりも親和力の強い溶剤(以下、溶剤という)
    中に所定時間浸漬させて表面を難溶性の薄皮膜で形成し
    て擬似餌を製することを特徴とする擬似餌の製造方法。
  4. 【請求項4】水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑
    剤およびゲル化促進剤ならびに蛍光物質および温度変化
    により色が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする
    素材を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その
    後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この
    溶融物を所定形状に成型し、冷却することによりゲル化
    させ、このゲル化物を脱型した後に溶剤中に所定時間浸
    漬させて表面を難溶性の薄皮膜で形成して擬似餌を製す
    ることを特徴とする擬似餌の製造方法。
  5. 【請求項5】水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑
    剤およびゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その
    混合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却
    して前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に
    成型し、冷却することによりゲル化させ、このゲル化物
    を脱型した後に溶剤中に所定時間浸漬させて表面を難溶
    性の薄皮膜で形成し、その薄皮膜の外面に蛍光物質およ
    び温度変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を
    被着させて擬似餌を製することを特徴とする擬似餌の製
    造方法。
  6. 【請求項6】水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑
    剤およびゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その
    混合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却
    して前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に
    成型し、その後冷凍し、この冷凍物を脱型した後に脱水
    性の有機溶媒中に所定時間浸漬させて表面を難溶性の薄
    皮膜で形成して擬似餌を製することを特徴とする擬似餌
    の製造方法。
  7. 【請求項7】水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑
    剤およびゲル化促進剤ならびに蛍光物質および温度変化
    により色が変化する液晶の少なくとも一方を主体とする
    素材を混合し、その混合中または混合後に加熱し、その
    後所定温度まで冷却して前記素材の溶融物を製し、この
    溶融物を所定形状に成型し、その後冷凍し、この冷凍物
    を脱型した後に脱水性の有機溶媒中に所定時間浸漬させ
    て表面を難溶性の薄皮膜で形成して擬似餌を製すること
    を特徴とする擬似餌の製造方法。
  8. 【請求項8】水溶性高分子物質、溶媒、誘引物質、可塑
    剤およびゲル化促進剤を主体とする素材を混合し、その
    混合中または混合後に加熱し、その後所定温度まで冷却
    して前記素材の溶融物を製し、この溶融物を所定形状に
    成型し、その後冷凍し、この冷凍物を脱型した後に脱水
    性の有機溶媒中に所定時間浸漬させて表面を難溶性の薄
    皮膜で形成し、その薄皮膜の外面に蛍光物質および温度
    変化により色が変化する液晶の少なくとも一方を被着さ
    せて擬似餌を製することを特徴とする擬似餌の製造方
    法。
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