JP2634845B2 - 印刷機のアイドルロール位置調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この発明は印刷機のアイドルロール位置調整装置の改
良に関する。

【従来の技術】

従来の印刷機、例えばウエブグラビア輪転機におい
て、印刷シリンダと圧胴との間から出たウエブは、印刷
出口側部に配置されたアイドルロールに巻き掛けられ
て、該アイドルロールによつて案内されるものである。 ここで、前記アイドルロールは、前記圧胴との位置関
係が固定であり、調整不能であつた。

【発明が解決しようとする課題】

上記のような従来のウエブグラビア輪転機は、通常の
印刷をする場合は何等問題がないが、例えばポリエステ
ルフイルム全体にコーテイングをするような場合、印刷
シリンダとしては直径の小さなものが使用され、このた
め、前記印刷出口側のアイドルロールと、印刷シリンダ
及び圧胴との関係即ちアイドルロールへのウエブ巻き付
け角度が大きく変化してしまい、これに対して上記従来
のアイドルロールでは、最適な巻き付け角度を得るよう
に調整することは不可能であつた。

【発明の目的】

この発明は上記課題を解決すべくなされたものであつ
て、印刷シリンダの直径が大きく変わつたような場合で
も、印刷出口部側のアイドルロールへのウエブ巻き付け
角度を最適に調整することができるようにした印刷機の
アイドルロール位置調整装置を提供することを目的とす
る。

【課題を解決するための手段】

この発明は、圧胴の軸方向両側位置で、印刷機のフレ
ームに、移動装置により印刷シリンダに向つて進退自在
に支持され、且つ、前記圧胴の軸方向両端を回動自在に
支持する一対の圧胴ブロツクと、各々の圧胴ブロツク
に、該圧胴ブロツクの進退方向に進退自在に取付けられ
ると共に、前記圧胴の印刷出口部側に隣接した位置でア
イドルロールの端部を回動自在に支持するロール位置調
整装置と、これらのロール位置調整装置を同期させるた
め、両者間に配置された連動機構と、により印刷機のア
イドル位置調整装置を構成して上記目的を達成するもの
である。

【作用】

この発明において、印刷出口側部のアイドルロール
は、圧胴を支持する圧胴ブロツクに支持されているの
で、印刷シリンダの直径及びこれに転接する圧胴の位置
が大きく変更された場合でも容易に追随できる。又、ア
イドルロールはロール位置調整装置を介して前記圧胴ブ
ロツクに支持されているので、該アイドルロールの位置
を、圧胴に対して微調整することができる。このためア
イドルロールへのウエブ巻き付け角度を最適にすること
ができる。

【実施例】

以下本発明の実施例を図面を参照して説明する。この
実施例は第１図及び第２図に示されるように、圧胴10の
軸方向両側位置で、ウエブグラビア輪転機（全体図示省
略）のフレーム12に、移動装置14により印刷シリンダ16
の回転中心軸に向つて進退自在に支持され、且つ、前記
圧胴10の軸方向両端を回動自在に支持する一対の圧胴ブ
ロツク18と、各々の圧胴ブロツク18に、該圧胴ブロツク
18の進退方向に進退自在に取付けられると共に、前記圧
胴10の印刷出口部側に隣接した位置でアイドルロール20
の端部を回動自在に支持するロール位置調整装置22と、
これらのロール位置調整装置22を同期させるため、両者
間に配置された連動機構24と、からアイドルロール位置
調整装置を構成したものである。 前記各々の圧胴ブロツク18は、該圧胴ブロツク18の進
退方向に伸縮自在に取付けられたエアシリンダ装置21
と、このエアシリンダ装置21に取付けられ、前記圧胴10
の軸方向両端を回動自在に支持する軸受部23と、前記エ
アシリンダ装置21の基端と前記圧胴ブロツク18との間の
位置に配置されたロードセル25と、を有している。この
圧胴ブロツク18外には前記ロードセル25の出力信号によ
り前記圧胴10による印刷圧を検知する検知装置26と、前
記エアシリンダ装置21の圧力を調整する制御装置28と、
とが設けられている。 前記移動装置14は、前記フレーム12に取付けられたモ
ータ30と、このモータ30から変速機32、クラツチ34を経
て回動される水平方向の出力軸36と、この出力軸36によ
り回動される鉛直方向の回転スリーブ38と、回転スリー
ブ38と螺合し、該回転スリーブ38が回転することによつ
て上下動されるスクリユー40と、から構成されている。 スクリユー40の下端は前記圧胴ブロツク18に相対回転
可能に連結され、圧胴ブロツク18はこのスクリユー40に
より支持されている。 図の符号42は前記フレーム12と圧胴ブロツク18との間
に配置され、該圧胴ブロツク18に接触してその回転止め
及びガイドを構成する案内板を示す。 前記エアシリンダ装置21は、枠部材44内に取付けら
れ、そのピストン21Aは、該枠部材44の下端から下方に
突出されている。 枠部材44の上端は、前記ロードセル25が貼付されてい
るブロツク46の下端に取付けられている。このブロツク
46の上端は水平方向のピン48を介して前記圧胴ブロツク
18の上端部近傍に、揺動自在に枢支されている。 前記ピストン21Aの先端は、前記軸受部23の上端に、
ピン50を介して揺動自在に枢支されている。又軸受部23
は、ピン52を介して前記圧胴ブロツク18の下端に揺動自
在に枢支されている。 前記ロードセル25は信号取出線54を介して前記制御装
置28に検出信号を出力するようにされている。 前記エアシリンダ装置21は、圧力レギユレータ56を介
してアキユムレータ58に連結され、該アキユムレータ58
からの圧縮空気が導入されるようになつている。図の符
号60はアキユムレータ58に圧縮空気を供給するポンプを
示す。 又、前記制御装置28は、前記移動装置14におけるモー
タ30の回転数及び回転方向を制御して、圧胴ブロツク18
の上下方向の位置を制御できるようにされている。 図の符号62は制御装置28に、印刷圧及び印刷シリンダ
16の直径を入力するための設定器、66はフレーム12に取
付けられ、圧胴ブロツク18の側面に形成されたラツク18
Aと噛合い、その回転数によつて、圧胴ブロツク18の移
動量及び高さ方向位置を検出するロータリーエンコーダ
をそれぞれ示す。 ロータリーエンコーダ66の出力信号は、前記制御装置
28に入力されるようになつている。前記検知装置26に
は、ロータリーエンコーダ66の信号に基づいて、圧胴ブ
ロツク18の上下方向位置も表示されるようになつてい
る。 前記ロール位置調整装置22は、前記圧胴ブロツク18の
側面に、上下方向に取付配置されたガイド部22Aと、こ
のガイド部22Aの上下方向のガイド溝22B内に上下方向摺
動自在に配置された移動シユー22Cと、ガイド部22Aの上
面に、軸受22Dにより鉛直軸回りに回動自在に支持され
ると共に、前記移動シユー22Cのめねじ部22Eに螺合する
スクリユー22Fと、から構成されている。 図の符号22Gは、スクリユー22Fの下端に取付けられ、
該スクリユー22Fを手動によつて回動させるためのノブ
を示す。 前記移動シユー22Cの下端には、前記アイドルロール2
0の両端軸部が回動自在に支持されている。 従つて、スクリユー22Fを、その下端に取付けられた
回転ノブ22Gにより手動にて回動することにより、移動
シユー22Cがガイド溝22Bに沿つて上下方向に駆動され、
この移動シユー22Cと共に、アイドルロール20が上下動
されることによつて、その位置調整がなされるものであ
る。 ここで、前記左右一対のスクリユー22Fは、相互にね
じの方向が逆向きとされている。 前記連動機構24は、前記ロール位置調整装置22におけ
るスクリユー22Fの上端に取付けられたベベルギヤ24A
と、左右のスクリユー22Fの中心軸線に対して、その上
方で直交するように、且つ、前記アイドルロール20と平
行に配置された連動シヤフト24Bと、この連動シヤフト2
4Bの両端部に取付けられ、且つ前記スクリユー22Fの上
端に固定されたベベルギヤ24Aと噛合うベベルギヤ24C
と、から構成されている。第３図の符号24Dは連動シヤ
フト24Bを支持する軸受けを示す。 ここで、前記アイドルロール20は、印刷直後の、未乾
燥状態のウエブ68がすれることを防止するため、溝目な
しの平滑な状態にその表面が形成されている。 第２図の符号86は圧胴10の印刷入口側におけるアイド
ルロールを示す。 前記制御装置28は、予め、印刷シリンダ16の直径に対
応する圧胴ブロツク18の位置が設定されていて、設定器
62に印刷シリンダ16の種類又は直径を入力すると、これ
に対応して、前記移動装置14を制御し、圧胴ブロツク18
を所定位置まで上下動させるようになつている。 次に上記実施例の作用を説明する。 まず印刷シリンダ16の種類又は直径を設定器62から制
御装置28に入力する。 制御装置28は予め、印刷シリンダ16の直径に対応し
て、圧胴ブロツク18の上下方向位置が設定されているの
で、その設定位置に圧胴ブロツク18が移動すべくモータ
30に信号を出力し、該圧胴ブロツク18を所定位置にまで
移動させる。 このとき、圧胴ブロツク18のラツク18Aと噛合うロー
タリエンコーダ66の出力信号によつて、圧胴ブロツク18
の正確な位置をフイードバツク制御することができる。 もちろん、検知装置26に表示される圧胴ブロツク18の
上下方向位置を見ながら、制御装置28を介して、圧胴ブ
ロツク18を上下動させてもよい。 次に、所定の印刷圧を設定器62から制御装置28に入力
する。制御装置28は圧力レギユレータ56を介して、エア
シリンダ装置21に供給する圧縮空気圧を調整する。 このとき、正確な印刷圧は、ブロツク46に取付けられ
たロードセル25によつて検出され、制御装置28を介して
検知装置26に表示される。 従つて操作者は、該検知装置26に表示された数値に基
づき、制御装置28を介して、エアシリンダ装置21の空気
圧を調整し、圧胴10によつて発生される印刷圧を正確に
調整することができる。 なお、ロードセル25の出力信号に基づいて制御装置28
により、圧胴10の印刷圧をフイードバツク制御すること
も当然可能である。 ウエブ68の、圧胴10からの出口部の角度は、印刷シリ
ンダ16の周長によつて変更しなければならない。 まずノブ22Gを手動により回動して、スクリユー22Fに
よつて移動シユー22Cをガイド部22Aに沿つて上下動させ
る。このとき、スクリユー22Fの回転はその上端のベベ
ルギヤ24A、これと噛合うベベルギヤ24C、連動シヤフト
24B及び反対側のベベルギヤ24Cから更には反対側のスク
リユー22Fに伝達され、左右のロール位置調整装置22に
おけるスクリユー22Fは同期して反対方向に回動される
ことになる。 これらスクリユー22Fは左右で逆向きとなつているの
で、これらと螺合する左右の移動シユー22Cは同期して
ガイド部22Aに沿つて上下動される。 該移動シユー22Cには前記アイドルロール20が回動自
在に支持されているので、アイドルロール20は、圧胴10
及び印刷シリンダ16に対して最適な巻き付け角度を得ら
れる位置に調整されることになる。 なお上記実施例において、アイドルロール20のための
ロール位置調整装置22は、ガイド部22A〜スクリユー22F
により構成され、又連動機構24は、ベベルギヤ24A、24C
及び連動シヤフト24Bにより構成されたものであるが、
本発明はこれにに限定されるものでなく、ロール位置調
整装置は、アイドルロール20を圧胴ブロツク18に対して
位置調整できるものであればよく、更に連動機構も左右
のロール位置調整装置を連動させるものであればよい。 又、前記圧胴ブロツク18の移動装置14を、回転スリー
ブ38、スクリユー40を含んで構成したものであるが、こ
れは圧胴ブロツク18を支持し、且つ上下動させることが
できるものであればよい。 又、一対のスクリユー22F、22Fは相互に逆方向のねじ
とされているが、左右のベベルギヤ24Aに対する一方の
ベベルギヤ24Cの噛み合い位置を変えることにより、ね
じを同方向にすることができる。

【発明の効果】

本発明に上記のように構成したので、印刷出口側部に
隣接するアイドルロールの位置を調整して、ウエブの最
適な巻き付け角度を得ることができるという優れた効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る印刷機のアイドルロール位置調整
装置の実施例を示す一部ブロツク図を含む一部断面とし
た正面図、第２図は第１図のII−II線相当部分の断面
図、第３図は同実施例の要部を拡大して示す背面図であ
る。 10……圧胴、 12……フレーム、 14……移動装置、 16……印刷シリンダ、 18……圧胴ブロツク、 20……アイドルロール、 22……ロール位置調整装置、 24……連動機構。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧胴の軸方向両側位置で、印刷機のフレー
   ムに、移動装置により印刷シリンダに向つて進退自在に
   支持され、且つ、前記圧胴の軸方向両端を回動自在に支
   持する一対の圧胴ブロツクと、各々の圧胴ブロツクに、
   該圧胴ブロツクの進退方向に進退自在に取付けられると
   共に、前記圧胴の印刷出口部側に隣接した位置でアイド
   ルロールの端部を回動自在に支持するロール位置調整装
   置と、これらのロール位置調整装置を同期させるため、
   両者間に配置された連動機構と、を有してなる印刷機の
   アイドルロール位置調整装置。