JP2634490B2 - 流体カップリングシステム - Google Patents

流体カップリングシステム

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JP2634490B2 JP462391A JP462391A JP2634490B2 JP 2634490 B2 JP2634490 B2 JP 2634490B2 JP 462391 A JP462391 A JP 462391A JP 462391 A JP462391 A JP 462391A JP 2634490 B2 JP2634490 B2 JP 2634490B2
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Quick-Acting Or Multi-Walled Pipe Joints (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カップリングの技術に
関し、特に迅速着脱カップリングに関する。
【0002】
【従来の技術】迅速に着脱可能な種々の流体カップリン
グが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ある状況では、多くの
異なった流体ラインを接続するようになった、協働する
迅速連結カップリングの複数のセットを提供することが
望ましい。また、ある状況では、危険あるいは事故が起
こるかもしれなので、ラインを誤って連結することは許
されない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、本体組
立体とステム組立体の複数の対が、異なるキーをもつ本
体組立体とステム組立体とが間違って互いに結合されな
いように構成されている。これは、操作スリーブの内径
と、ステム部材の外径と、本体弁の外径と、ステム部材
開口端の内径とを変えることにより達成される。異なる
直径関係を有する組立体は、ステム部材と操作スリーブ
との間の干渉、又は、本体弁とステム部材の開口端との
間の干渉の何れかのため嵌まらない。本発明の利点は、
本体組立体とステム組立体との嵌まる対のみを、確実
に、協働的に結合することができる構成を提供すること
にある。本発明の他の利点は、以下の詳細な説明を読み
且つ理解することにより当業者にとって明らかとなるで
あろう。
【0005】
【実施例】添付図面について説明する。図示されている
ものは、本発明の好ましい実施態様を例示する目的で示
したものであり、それを制限するためのものではない。
図1は、本体カップリング部材すなわち組立体Aとステ
ムカップリング部材すなわち組立体Bとの嵌まる対を、
互いに向かって軸線方向に動かすことによりまさに結合
されようとしている位置で示している。本体組立体A
は、その上で軸線方向に滑動しうるスライド部分Dを有
する本体部分すなわち本体部材Cを備えている。スライ
ド部分Dは、通常、コイルばね12によって本体弁Eと
係合状態へ図1の右へ偏倚されている。本体弁Eは、細
長い部材又はボルトFに取付けられ、支持フインGによ
り本体部分C内の中心に保持されている。
【0006】ステム組立体Bは、ポペット(poppet)Iを
備えたステム部分又はステム部材Hを有する。ポペット
Iは、通常、コイルばね14によってステムの開放端に
隣接する座と係合状態へ図1で左へ付勢されている。コ
イルばね14は、案内部材Kの中の開口を通して延びる
軸すなわち案内ボルトJを取囲み、コイルばね14が案
内部材Kに対しても作用している。本体組立体Aとステ
ム組立体Bとの係合された対を結合しようとするとき、
両組立体A、Bは、図1に示すように位置決めされる。
ステム部材Hの外端部がスライド部分Dの外端部と係合
し、本体組立体およびステム組立体A、Bを互にむかっ
て動かすと、スライド部分Dは図1で左へ引込み、本体
弁Eとの係合から外れる。同時に、本体弁Eは、ステム
部材Hの開放端の中へ入り、ポペットIと係合して該ポ
ペットIをその座から離す方向即ち図1で右へ動かす。
組立体A、Bが一旦結合されたならば、部品が図2に示
すように配列され、結合された組立体を通って流体が流
れることができる。
【0007】本体部分Cは、他の流体導管に結合するた
めに、16で示すように内側にねじが切ってある。然
し、他の連結装置を採用してもよい。本体部分Cの外周
溝18は、複数の掛金(ラッチ)部材Lの内側へ延びる
第1端部20をゆるく受入れている。これらの掛金部材
は、好ましくは、金属製の打抜加工品からなり、端面図
でみて弧状の形状を有する。掛金部材Lの両端部は、内
側へ延びる掛金フック22と、外側へ延びる掛金突起2
4とを有する。当接スリーブMが、本体部分Cの上に配
設され、内側へ湾曲した外端部28を有する。外端部2
8は、掛金部材Lの第1端部20の軸線方向に延びる部
分を外周溝18の中にゆるく保持するために、この部分
の上に横たわる軸線方向に延び部分を有し、掛金部材の
両端がカップリングの縦軸線30の方へ及び縦軸線30
から離れる方へ揺動することを可能としている。本体部
分Cの適当な外周溝の中に受入れられたスナップリング
32が、当接スリーブMを適所に保持している。当接ス
リーブMは、変形しないように補強するための外側へ延
びる円周ビード34を有し、また末端36を有する。
【0008】操作スリーブNの形態の操作手段が、掛金
部材Lを包囲し、内側へ湾曲した外端部40を有する。
外方へ延びる円周ビード42は、掛金突起24と協働す
るためのカム表面を形成するゆるかやな傾斜を有する内
側円周凹所44を与える。図1に示すような、掛金部材
Lが外側へ開放された状態では、掛金突起24は、内側
の円周方向の凹所44の中に受入れられている。この関
係は、操作スリーブNが本体組立体Aから右へ完全に変
位しないように操作スリーブNを保持するように作用す
る。操作スリーブNを、常時、当接スリーブMから離れ
る方向へ付勢するため、当接スリーブMの湾曲した外端
部28と操作スリーブNの内側末端との間にコイルばね
46が位置決めされている。操作スリーブN内の長方形
の開口48は、下方に延びる脚50を有するストップボ
タンOの形態のストップ手段を受入れ、脚50は、長方
形の開口48から僅かに離間したスロット52の中に自
由に受入れられている。板ばねPは、ストップボタンO
の凹んだ下側に受入れられる上方平坦突起54を有し、通
常、図1で上方へ停止ボタンOを付勢させている。スト
ップボタンOは、末端36と係合する内端56を有し、
ストップボタンOを押し下げてボタンOの内端56が内
端36の下に入り込むまで、操作スリーブNが当接スリ
ーブM内を図1の左へ更に移動するのを防止する。操作
スリーブNの内端部分が、当接スリーブM内に緊密に受
入れられて案内される。
【0009】ステム組立体Bは、掛金フック22を受入
れるための円周溝60の形のステム部材Hの協働するカ
ップリング装置を有する。構成要素を図1に示すように
な状態にして、本体部分Cとステム部材Hとを互の方向
に動かすと、スライド部分Dが左へ引込む。それと同時
に、掛金フック22は、スライド部分Dの外表面とステ
ム部材Hの外表面部分62に沿って乗り、遂には掛金フ
ック22が溝60に達する。この時点で、掛金部材Lが
内側へ揺動して円周溝60の中に掛金フック22が受入
れられる。当接スリーブMと操作スリーブNとの間に配
設されたコイルばね46は、操作スリーブNを図1で右
へ付勢する。これにより、内側の円周方向の凹所44の
カム表面部分が掛金突起24と協働し、掛金フック22
を溝60の中へ付勢する。このことは、また、操作スリ
ーブNを解放して、図1の掛金解放位置から図2の掛金
保持位置へ右へ動かす。掛金保持位置において、掛金突
起24の外端は、凹所44から、外端部40とは反対側
へ離れた場所で操作スリーブNの内側円筒形表面と係合
する。また、外端部40の外端は、ステム部材Hの当接
部64と係合し、操作スリーブNが図2おいて右へ更に
移動しないようにこれを保持する。掛金フック22が、
円周方向溝60の中に掛金をかけた(ラッチされた)状
態で受入れられたとき、掛金部材Lは、溝60の周回り
で実質的に360度にわたって位置決めされる。この関
係は、本体組立体Aとステム組立体Bとの間の結合関係
を強める。
【0010】構成要素が図2に示すように結合された状
態で、このような連結は、掛金突起24が内側円周方向
凹所44とほぼ整列するまで操作スリーブNを左方に動
かす必要がある。しかしながら、ストップボタンOの内
端56が、当接スリーブMにより形成された当接手段の
末端36と係合するので、図2で左への操作スリーブN
の軸線方向の移動が妨げられる。操作スリーブNの解放
位置への移動を自由にするためには、ストップボタンO
を押下げて、それを押下げたまま保持し、その間操作ス
リーブNを左へ軸線方向に押し進めることにより、内端
56を図1に示すように末端36の下に滑り込ませるこ
とが必要である。従って、掛金手段は、それを解放位置
へ動かすために、2つの異なる方向に独立に動くことが
必要である。ストップボタンOの移動は、ほぼカップリ
ングの長手方向軸線30の方へ及び長手方向軸線30か
ら離れる方へ動き、この運きは、スロット52の中でボ
タンの下方に垂下する脚50を中心にした回動を伴う。
一旦、内側円周方向凹所44が、掛金突起24とほぼ整
列したならば、スライド部分Dを右へ付勢するコイルば
ね12の付勢作用がステム部材Hをも右へ付勢する。掛
金フック22と溝60との間の協働するカム表面が、掛
金部材Lの端部を半径方向外方へカム係合させ、掛金突
起24を凹所44内に受入れる。
【0011】ストップボタンOが、円周ビード34、4
2の間に配置されているのが判る。ボタンは、両方のビ
ード34と42の外表面に接する平面より上へ突出しな
いのが好ましい。従って、ストップボタンOは、操作ス
リーブNのその掛金解放位置への移動を妨げる通常の阻
止位置から阻止位置へ偶然に移動しないようにビードに
より保護されている。操作スリーブN上の円周ビード4
2は、操作スリーブNを左へコイルばね46の付勢力に
抗して動かすために人間の親指と他の指を働かせる当接
部を提供する機能も達成する。図5は、操作スリーブN
内のスロット52と長方形開口48とをより詳細に示
す。図6と図7は、ストップボタンOにより構成された
ストップ手段を示す。ストップボタンOは、操作スリー
ブNの全体的な曲率に対し横方向に湾曲しているのがわ
かる。ストップボタンOの下側は凹んでいる。フランジ
70は、ボタンの下側から、内端56に沿って且つその
両側に沿って下方垂下する脚50の方へ外側へ延びてい
る。ボタンOの側面に沿うフランジは、下方に垂下する
脚50をもつ端部の十分手前で終っているので、ボタン
を操作スリーブNの中と外に位置決めすることができ
る。操作スリーブNが当接スリーブMの中へ移動するの
を阻止するため、図2に示すような上反りしない阻止位
置にあるとき、フランジ70は、長方形開口部48の一
部の周りで操作スリーブNの内側輪郭に当接してほぼこ
の輪郭に一致し、他方、下方に垂下する脚50はスロッ
ト52を通して下方へ延びている。ボタンの内端56が
当接スリーブMの中へ部分的に入りうるように、図1に
示すような上反り位置へ動かすため、ボタンを、長方形
開口48とスロット52との間の操作スリーブNの部位
で回動させる。ボタンの内端56は、軸線30に対し垂
直な平面内にあるか、又は当接スリーブMの末端36か
ら半径方向内側と軸線方向外側との両方向にストップボ
タンOの外周から傾斜する平面内にある。これは、操作
スリーブNが当接スリーブMの中へ動かされるとき、ボ
タンを押し下げて上反りさせるように作用するカム作用
力を防ぐためである。
【0012】図8〜図10に示すように、ボタンの板ば
ねPは、ほぼ平坦な板ばねからなり、ばねの収縮と拡張
を可能とするための自由に重なる末端部分 72、74
を有する。重なる端部72、74と対向するばねの頂部
は、ほぼ長方形の切欠き76と上方が平らな突起54と
を有する。上方が平らな突起54の外側角部は、下方に
垂下する脚50に隣接するボタンOの湾曲した角部とほ
ぼ対応するように、80で指示されているように角取り
されている。上が平らな突起54は、ストップボタンO
のぼぼ横断輪郭に湾曲され、ボタンの凹んだ下側に受入
れられるように寸法決めされている。従って、板ばねP
は、通常、長方形の開口部48を通して上方に突出する
位置にストップボタンOを保持し、フランジ70が操作
スリーブNの内側表面と係合する。ストップボタンOを
押下げると、板ばねPの末端部分72、74の重なり移
動とばねの突起54の変形とにより、板ばねPが収縮す
ることができる。
【0013】内側の本体部分Cと外側のスライド部分D
とは、密接に対面し協働する外側と内側の円筒表面81
と82を夫々有する(図2)。本体部分Cは、その外側
円筒表面81から半径方向内側へ離間した内側末端84
を有する。テーパ表面が、内側末端84から外側円筒表
面81へ延びている。図11に最もよく示されているよ
うに、このテーパ表面は、カップリングの長手方向軸線
に対し小さい角度で傾斜したゆるいテーパ表面86を有
し、このテーパ表面86は、外側円筒表面81との交差
部に隣接する急なテーパ表面88に合流している。一般
に、傾斜角度の小さい即ちゆるいテーパ表面86は、カ
ップリングの長手方向軸線30に対し垂直よりも平行に
近く、他方、傾斜角度の大きい急なテーパ表面88は、
カップリングの長手方向軸線30に対し平行よりも垂直
に近い。このテーパ表面は、スライド部分Dの内側表面
82の一部と協働してパッキン受入れ空間を形成し、急
なテーパ表面88は、この空間の頂点に隣接して配置さ
れている。
【0014】バックアップリング90とパッキンリング
92とが、パッキン受入れ空間内に位置決めされ、バッ
クアップリング90が、急なテーパ表面88に隣接して
配置される。図13は、スライド部Dの内側円筒形表面
82にほぼ対応する外側円筒形表面94と、傾斜角度の
小さい即ちゆるいテーパ表面86と実質的に同じテーパ
で傾斜した内側表面96とを有するバックアップリング
90を示している。バックアップリング90は、外側円
筒表面94に対し垂直に延びる対向する平行な端面9
8、100を有し、外側円筒表面94は、滑らかに湾曲
した凸面の角部で平行端98、100に合流している。
いま説明している好ましい実施態様において用いるシー
ルとパッキンはすべて、純粋のポリテトラフルオロエチ
レン(TFE)から構成されるのが好ましい。バックア
ップリング90を、TFE又は他のかなり堅くしかも曲
げ易い材料を充填したポリフェニレンサルファイド(P
PS)から構成し、バックアップリングをパッキンリン
グ90に比較して膨張し易く然も比較的に変形しにくい
ものとするのが好ましい。TFEとPPSの両者は、極
めて広範囲の化学薬品とのすぐれた相容性を与える。こ
れらの材料のシールとバックアップリングは、従来のゴ
ム又はその他のエラストマ製のシールより永持ちし且つ
耐破損抵抗が大きいことが判明した。しかしながら、種
々の環境又はカップリングの用途に順応する、他の材料
を使用することもできる。
【0015】図12に示すように、パッキンリング92
は、外側円筒表面104と内側円筒表面106とを有す
る。パッキングリングの端部108、110が、外側円
筒表面104と内側円筒表面106に対し垂直に延びて
いる。内側表面106の軸線方向の長さの約2分の1
が、傾斜角度の小さい即ちゆるいテーパ表面86と協働
するためのテーパ表面112を有している。この傾斜角
度の小さい即ちゆるいテーパ表面は、パッキンリング9
2が変形して種々の構成要素の凹凸に順応することを可
能とするという機械的な利点を与える。この機械的な利
点とその結果生ずる変形とにより、比較的硬いシール材
料であるTFEが、比較的に低いパッキン荷重を受けて
いる間気密シールを与えることが可能となる。パッキン
リング92の厚さと軸線幅とは、パッキンリングの端1
10が内側末端84を超えて外側へ実質的な距離だけ軸
線方向に離隔されるような寸法である。
【0016】図3を参照して説明する。円筒形パッキン
押えRが、中空の本体部分C内に密接に滑動可能に受入
れられている。円筒形パッキン押えRは、本体部分Cの
内側で軸線方向内方に延びる反対側に湾曲したフランジ
116と、パッキンリング92のパッキングリング端1
10(図12)と係合するように本体部分Cの内側末端
84から軸線方向外側に配置された半径方向外側へ延び
るフランジ118とを有する。スライド部分Dは、内方
に延びる部分120を有し、この部分120に対向して
ばねの目穴122が位置決めされる。コイルばね12に
より形成された付勢手段は、目穴の上に受入れられる一
端と、反対側に湾曲したフランジ116を押しつける反
対側の端とを有する。コイルばね12の下の反対に湾曲
したフランジ116は、ばねの目穴122の整列機能と
一緒になって、移動する流体の及ぼす力によりコイルば
ね12がその座を外されないようにコイルばね12を保
持する。コイルばね12は、スライド部分Dを本体部分
Cから離れる方向に付勢させるためのスライド部分付勢
手段を構成し、また、パッキン92とバックアップリン
グ90を図1と図2で左へパッキン受入れ空間の中へ緊
密に押し込むためのパッキン付勢手段をも形成する。
【0017】カップリングの内部に圧力が加えられる
と、圧力がパッキンリング92に作用して、このパッキ
ンリング92とバックアップリング90を更にパッキン
受入れ空間の中へ押しやる。傾斜角度の小さいテーパ表
面86は、パッキンリングを半径方向外側に動かし、こ
のパッキンリングをスライド部分の内面へしっかり押し
付ける。傾斜角度の小さいテーパ表面86は、パッキン
リングがスライド部分又は本体部分と接触する点で、パ
ッキンの凹凸と高い点での圧縮応力を増幅するという機
械的利点を与える。バックアップリング90は、本体の
外側円筒表面81とスライド部分の内側円筒表面との間
の境界部分の中へパッキンリングが押し出されるのを防
止する。パッキンリングの軸線方向への移動は、パッキ
ンリングをバックアップリングと接触させ、バックアッ
プリングを強制して軸線方向に動かす。傾斜角度の小さ
い即ちゆるいテーパ表面86は、軸線方向に動くバック
アップリングを半径方向に外側へ動かしてスライド部分
の内側表面としっかり係合させ、パッキンがバックアッ
プリングを過ぎて押出されるのを防止する。急なテーパ
表面88は、バックアップリングの軸線方向に移動しよ
うとする傾向を減少させる。これが、バックアップリン
グの変形しにくい即ちより硬い材料の組成と結びつい
て、バックアップリング90が本体部分Cとスライド部
分Dとの間から押出される傾向を最少にする。
【0018】図14に示すように、スライド部分Dの外
端部は、本体部分Cの外側円筒表面81に対し外方へ離
間した対向する関係にある傾斜壁126を備えた内周凹
所を有する。傾斜壁126は、傾斜角度の小さいテーパ
で図14で右から左に向けて、カップリングの長手方向
軸線30から外側へ離れる方へ傾斜する。これは、本体
カップリング組立体Aとステムカップリング組立体Bと
の両者が結合されるときにスライドDが動く方向でもあ
る。TFE製支持リング127は、スライド部分の内部
凹所の中に受入れられる軸線方向脚部128と、スライ
ドの末端130に沿って外側へ延びる半径方向脚部12
9とを備えたほぼL字形の断面形状を有する。軸線方向
脚部128は、本体部分Cの外側円筒表面81の外径よ
り僅かに小さい直径をもつほぼ円筒形の内側表面を有す
る。軸線方向脚部128は、傾斜面126の傾斜角にほ
ぼ一致する、傾斜角の小さいテーパ状の外側表面を有す
る。カム表面131は、半径方向脚部129の外側表面
を軸線方向脚部128の内側表面と結合し、カップリン
グ組立体の結合の間、最初の組立てとワイピング作用を
助ける。スライド部分Dは、その末端130から軸線方
向に短かい距離だけ離隔した外側円周溝132を有し、
この円周溝132は、ほぼ長方形の断面形状を有する。
スライド部分Dに関して支持リングの限られた軸線方向
移動を可能としながら、支持リング127が凹所から完
全に変位するのを防ぐための保持手段は、支持リングの
脚部129の上に在る内側へ延びるフランジ133を有
する金属製保持リングからなる。
【0019】スライド部分の末端130と内方に延びる
フランジ133との間の軸線方向の間隔は、半径方向脚
部129の軸線方向厚さより相当に大きい。支持リング
の円筒形部分134は、末端130と溝132との間に
延びるスライド部分Dの一部分に密接して受入れられ、
このスライド部分Dのこの部分は、支持リングの円筒形
部分134の半径方向厚さの約2倍だけスライド部分D
の残余部分より小さい外径を有する。円周方向に間隔を
おいた内側へ延びる複数のかえり即ち移動止め135
が、支持リングの円筒形部分134から打抜加工されて
曲げられ、図14で右から左へ、ゆるいテーパで軸線3
0の方へ内側へ傾斜している。円周形部分134の末端
と移動止め135の末端との間の軸線方向の距離は、外
周溝132の軸線方向の長さより実質的に小さい。換言
すれば、支持リング127が前後に軸線方向に動きうる
ような遊嵌である。支持リング127を組立てるとき、
移動止め135は外側へ曲がり、遂には、外周溝132
の中へぱちんと戻ることになる。支持リングの円筒部分
134の末端外周と溝132の一方側との間の係合、及
び、移動止め135の末端と外周溝132の反対側との
間の係合が、支持リングの軸線方向移動の範囲を規定す
る。カップリングを結合するためにスライド部分Dを図
14で右から左へ移動させる間、スライド部分の凹所の
傾斜壁と軸線方向脚部128のテーパ表面との協働作用
で、脚部128がほぼ半径方向に縮まり、本体部分Cの
外側表面81としっかり係合する。このように、結合移
動の間、スライド部分Dは、他の金属表面ではなく、摩
擦係数の非常に小さいTFE支持リング127上にの
る。このことは、カップリングの主要構成要素のほぼ全
てがステンレス鋼製であるのが好ましいこと、及び、か
じり(焼付き)がこの材料に関連する特有の問題である
ことの点において有意義である。本体部分Cの外側表面
81と軸線方向脚部128とのしっかりした係合によ
り、完全なワイピング作用が達成される。その後、スラ
イド部分Dが反対方向に、即ち図14で右へ即ち離脱方
向に動かされるとき、TFE支持リング127は、自由
に、左へ限られた移動でき、それ故、支持リング127
は、大きい力で本体部分Cと圧縮係合せず、横の力が最
少であるとき部品の自由な分離を可能とする。
【0020】スライド部分Dの内側へ延びる部分120
の末端は、TFEシールリング140を受入れる外側円
周溝138(図3)を有する軸線方向に延びる突出部1
36に終っている。スライド部分Dは本体組立体Aの一
部であり、本体部分Cと考えてよい。外周溝138を有
するスライド部分Dの末端部分は、末端41を有する本
体Cの末端部分と考えてよい。外周溝138は、溝底部
と軸線方向に離間した溝側壁とを有し、この溝側壁は、
末端141に最も近い一方の溝側壁と、それから離れた
反対側の溝側壁とからなる。溝底部は、一方の溝側壁か
ら反対側の溝側壁の方向に小さい角度で軸線30から離
れて外側へ傾斜している。図15に最もよく示されてい
るように、TFEシール40が、カップリングの長手方
向軸線30から浅い角度で傾斜する内側表面と、外側円
筒表面144とを有する。平行な両端面146、148
が、外側円筒表面144に対し垂直に延びている。端面
148に隣接するシール140の幅の約2分の1は、軸
線30から浅い角度で内側表面142の方へ下方に傾斜
する外側傾斜表面150を有する。外周溝138の底部
は、内側表面142とほぼ一致するように形作られ、他
方、ステム部材Hの内側表面部分152は、ステム部材
の円筒形表面153と傾斜表面155(図4)を有する
ことによりシール140の外側円筒表面144および外
側傾斜表面150とほぼ一致するように形作られてい
る。スライド部分Dの内側円筒表面82の直径は、TF
Eシールリング140の最大外径より実質的に大きい。
その結果として、カップリングを与圧してスライド部分
Dを図2で右へ付勢させ、スライド部分Dとステム部材
Hとの間のTFEシールリング140を一層強く係合さ
せて圧縮するとき、圧力差が存在する。ステムシールの
バックアップリング156が、TFEシールリング14
0の左端と外周溝138の左端との間に位置決めされ、
さらに、TFEシールリング140の押出しを防止す
る。このバックアップリング156は、バックアップリ
ング90と同一又は類似の性質と材料組成を有する。
【0021】本体弁Eは、シール160を密接して受入
れる外側凹所を有し、凹所の表面は、シールの内側表面
と形状及び寸法が一致する。シール160は、スライド
部分Dから離れる方向に進むほど軸線30から外側へ離
れる方向に傾斜する外側表面と内側表面とを有する。こ
れがシール作用を強め、シールが凹凸と順応できるよう
にする。シール160の外側傾斜表面162は、開口端
に隣接するスライド部分Dの内側の弁座164と一致す
る。本体弁Eは、また、シール160から軸線方向と半
径方向に離間した傾斜した停止面166を有し、この傾
斜した停止面166は、スライド部分Dの開口端に隣接
する対応する傾斜した停止面168と協働する。傾斜し
た停止面166と168との間のこの協働により、高圧
下でのシール160の損傷又は押出しが防止される。シ
ール160の一端と外周部分は、高圧流体条件下でシー
ル160の破裂を防ぐため金属製保持リング170によ
り包囲されている。金属製保持リング170は、本体弁
Eの適当な円周溝内に位置決めされた適当なスナップリ
ング172により適所に保持されている。傾斜する停止
面166は、金属製保持リング170からシール160
の反対側に配置され、金属製保持リング170よりスラ
イド部分Dから更に軸線方向に離れて配置されている。
【0022】ポペット(poppet) Iは、ポペットシール
180を緊密に受入れるように形作られた外側凹所を有
し、ポペットシール180は、ステム部材Hの開口端か
ら離れる方向に軸線30から外側へテーパを付けられて
いる。これらの内側テーパ表面と外側テーパ表面とは、
シールが係合する表面上の凹凸と順応することを可能な
らしめる。ポペットシール180は、また、ステム部材
Hの開口内側端部に隣接する弁座184と協働するため
の外側傾斜表面182を有する。金属製保持リング18
7のテーパ付停止表面189は、ステム部材Hの開口内
側端部に隣接する対応するテーパ付停止表面188と協
働する。通常の状況の下では、テーパ付停止表面188
と189は互に係合しないが、極めて高い圧力下では係
合してポペットシール180の極端な変形や押出しを防
止する。金属製保持リング187は、シール180の破
裂を防ぐためポペットシール180の一端と外周部分を
包囲し、ポペットIの適当な溝に受入れられたスナップ
リング190により適所に保持されている。テーパ付き
停止表面189と金属製保持リング187とは、ポペッ
トシール180の同じ端に配置され、金属製保持リング
187は、金属製保持リング187からポペットシール
180の反対側のポペットIの部分よりも、ステム部材
Hの開口内側端部へ軸線方向により近く配置されてい
る。
【0023】ボルトFが、公知の方法で本体弁Eに固定
され、軸線方向に離間した一対の突出部202、204
を有し、突出部202と204の間に円周溝206が形
成されている。支持フインGは、図16〜図18に詳細
に示してある一対のフイン部材からなる。各フイン部材
は、端面図でほぼM字形であり、中央湾曲部210を有
するほぼU字形の部分により結合された2本の主脚部2
08を有し、中央湾曲部210は、末端から離間され且
つ末端から外側へ湾曲している。図17と図18に最も
よく示されているように、中央湾曲部210は、主脚部
208から軸線方向にオフセットしている。主脚部20
8の末端を図16に示すように互に係合させ一対のフイ
ン部材を逆に位置決めするとき、中央湾曲部210の内
側に面する表面は、ボルトの溝206の底の直径とほぼ
同じ直径を有する共通円の周囲の上に在る。更に、中央
湾曲部210の軸線方向両端の間の距離は、軸線方向に
離間した突出部202、204の内側に面する表面の間
の距離とほぼ同じである。
【0024】一対のフイン部材を、図3に示すように、
ボルトFの周りに協働関係に逆に位置決めするとき、主
脚部208の一端が、本体部分Cの孔の中の円周肩部2
12と係合する。適当な円周溝の中に受入れられたスナ
ップリング214が、支持フインGを所望の位置に保持
する。図3に示すように、中央湾曲部210は、本体弁
Eから離れる方向に主脚部208から軸線方向にオフセ
ットされている。フイン部材のこの形状と位置は、本体
部分Cの孔を通る最大の流れを可能とし、他方、本体弁
Eを適所に保持し且つ剪断力と圧縮力とに抵抗するため
の最大強度を与える。図19と図20に示すように、ポ
ペット案内部材Kは、中心領域222から出て半径方向
に延びる円周方向に離間した複数のスポーク220を有
する。中心開口部224は、中心領域を通って延び、隆
起した円形ボス226により包囲されている。スポーク
220の外側末端228は、共通円の円周上に在るよう
に湾曲させてあり、スポーク220は、互に等しい距離
に離されている。図20に示すように、スポーク220
は、平坦な平面から半径方向の円形ボス226の突出方
向と反対方向に傾斜させてある。
【0025】図4に示すように、案内ボルトJは、コイ
ルばね14により包囲され、ポペトI内の孔の円錐形底
面に当接するほぼ円錐台形の対応する末端部を有する。
ステムアダプタ232の肩部230は、ポペット案内部
材Kのスポーク220の外端部と係合する。案内ボルト
Jの小さい直径の部分234は、中心開口224をの中
に密接して受入れられ、滑動可能に案内される。案内ボ
ルトの拡大部分は、半径方向の円形ボス226の端と係
合するための当接部を与える。コイルばね14の一端
は、半径方向の円形ボス226に密接して受入れられ、
その他端は、ポペットIの孔の中の案内ボルトJの末端
部の拡大頭部の背面と係合し、通常は、ポペットIをそ
の閉鎖位置へ付勢している。ステム部材Hの内側外端部
分には、ステムアダプタ232の雄ねじと協働するため
の雌ねじを切ってあり、ステムアダプタ232の内側に
は、導管上の他の接手と結合するためのねじ240を切
ってある。この場合にも、ねじ240以外の形式の相互
連結手段を有利に採用してよい。
【0026】図21と図22を参照して説明する。操作
スリーブN内に受入れられたステム部材Hの外径部分
は、そこへ種々の厚さの円筒形シム246を加えること
により変えられる。従って、ステム部材の外径Sは、選
択的に変えることができる。操作スリーブNの外端部4
0の内径は、その部分を可変の内径Tに機械加工するこ
とにより変えられる。本体弁Eの最大外径部分は、それ
を可変の直径Vに機械加工することにより変えられる。
ステム部材Hの開口内端部の最小内径部分250の直径
は、同様に、それを可変の直径Uに機械加工することに
より変えられる。嵌まり合う本体組立体とステム組立体
との複数の対は、1つのキーの本体組立体が同じキーを
有するステム組立体とのみ嵌まり合うように構成され、
且つ、寸法決めされる。キーが漸進的に大きくなるほ
ど、ステム部材の外径S、操作スリーブの可変内径T、
本体弁Eの可変外径Vおよびステム開口部の内径Uが大
きくなる。このようにして、キー付けされた嵌まり合う
複数の本体組立体Aおよびステム組立体Bを含むカップ
リングのコード化されたシステムが提供される。各本体
組立体は、内側本体弁Eと、操作スリーブNにより形成
された外側カップリングスリーブとを有する。各ステム
組立体は、外径Sと開口したステム端とをもつステム部
材Hを有し、開口したステム端を通して本体弁Eが受入
れられる。係合する本体組立体とステム組立体とは、ス
リーブN内にステム部材Hを緊密に(ぴったりと)受入
れるように且つ内径部分250内に本体弁Eを緊密に
(ぴったりと)受入れるように寸法決めされる。この構
成によって、異なるキーを有する本体組立体とステム組
立体は、嵌まり合わない即ち結合しない。何故ならば、
ステム部材Hと操作スリーブNとの間、又は、本体弁E
と内径部分250との間で干渉が起こるためである。
【0027】複数の異なるキーに対する種々の直径の例
を図22に示してある。本体弁Eと内径部250の間の
干渉のため、ステム組立体は、より高いキーの本体と結
合しない。より高いキーを有する本体組立体は、常に、
より小さいキーを有するステム組立体の対応する内径部
分250よりも、本体弁Eの外径が大きい。ステム部材
Hの外径と操作スリーブNの内径との間の干渉のため、
本体組立体は、より高いキーのステム組立体と嵌まり合
わない即ち結合しない。より高いキーのステム組立体
は、常に、より小さいキーを有する本体組立体のスリー
ブの対応する内径よりも、大きなステム部材外径を有す
る。本発明を、その好ましい実施態様を参照して説明し
た。他人が本明細書を読み且つ理解すれば、修正と変更
を思い付くのは明らかである。このような修正と変更は
すべて、請求の範囲又はその均等物の範囲に入る限り、
これらをすべて含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】まさに結合されようとする又は離脱させた直後
の本発明のカップリングを示す側面断面立面図である。
【図2】結合された配置のカップリングを示す図1に類
似の図である。
【図3】図1と図2の本体組立体のみの断面側面立面図
である。
【図4】図1と図2のステム組立体のみの断面側面立面
図である。
【図5】掛金機構内で用いられる操作スリーブの上面平
面図である。
【図6】停止ボタンの上面平面図である。
【図7】図6の7−7線に沿って矢印の方向に見た断面
図である。
【図8】図6と図7の停止ボタンと関連して用いられる
ばねの端面図である。
【図9】図8の9−9線に沿って矢印の方向に見た断面
図である。
【図10】図8の10−10線上で矢印の方向に見た上
面平面図である。
【図11】パッキン受入れ空間を断面で示す部分拡大側
面図である。
【図12】パッキンリングの軸線方向断面形状を示す。
【図13】バックアップリングの軸線方向断面形状を示
す。
【図14】弁本体部分とスライドとの間のスライド支持
体を示す部分拡大断面図である。
【図15】本体とステムとの間で用いられるシールリン
グの軸線方向断面形状を示す。
【図16】本体弁ボルトを支持するために用いられるフ
イン部材を示す端面図である。
【図17】図16の17−17線に沿って矢印の方向に
見た上面平面図である。
【図18】図17の18−18線に沿って矢印の方向に
見た断面図である。
【図19】ポペットのための案内部材を示す端面図であ
る。
【図20】図19の20−20線に沿って矢印の方向に
見た断面図である。
【図21】図1に類似の部分断面図で、本体組立体とス
テム組立体とのキー付きの係合する対を与えるように修
正された種々の構成要素の直径を示す。
【図22】本体組立体とステム組立体とのキー付きの係
合する対を与える、図21の種々の直径の例を示す表で
ある。
【符号の説明】
A 本体組立体 B ステム組立体 C 本体部分 D スライド部分 E 本体弁 H ステム部材 I ポペット N 操作スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウエバー リチャード シー ジュニア アメリカ合衆国 オハイオ州 44236 ハドソン ホーリオーク ドライブ 7615 (72)発明者 ブランド エドワード エム アメリカ合衆国 オハイオ州 44221 カイホガ フォールズ ベイレッグ ロ ード 2977

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵌まり合う複数対の本体組立体とステム
    組立体とを有し、 各本体組立体が、内側の本体弁と、通常、付勢されて前
    記本体弁と係合しているスライド部分とを備え、各本体
    組立体が、ステムカップリング手段と協働して、嵌まり
    合う一対の本体組立体およびステム組立体を開放可能に
    連結するようにステムカップリング手段と協働する本体
    カップリング手段を有し、前記本体カップリング手段
    が、外側カップリングスリーブを有し、 各ステム組立体が、通常、外方に向けてステム端に隣接
    する閉位置に付勢されている内側ステム弁を有し、 本体組立体とステム組立体との嵌まり合う一つの対は、
    本体スライドと係合し且つこれを本体弁から離れる方向
    に動かすことができるように、本体カップリングスリー
    ブ内にぴったりと受け入れられる外径を有するステム部
    材を有し、一方、本体弁の外径およびステム端の内径と
    が、弁本体がステム端の中にぴったりと受入れられてス
    テム弁に係合してこれを開けることができるように寸法
    決めされており、 本体組立体とステム組立体との嵌まり合う複数の対は、
    大きくなるにつれて、そのスリーブ内径とステム部材外
    径と本体弁外径とステム端内径とがより大きくなる本体
    組立体とステム組立体とを備えており、 それによって、本体組立体とステム組立体の嵌まり合わ
    ない対は、前記ステム部材及びスリーブ間の干渉、又
    は、前記本体弁及び前記ステム端間の干渉の何れかのた
    め一緒に嵌合しないこと、 を特徴とする流体カップリングシステム。
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