JP2633688B2 - 舞台機構制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は吊り機構および床機構などの舞台機構設備を
制御する学習機能を備えた舞台機構制御装置に関するも
のである。

（従来の技術） 舞台機構設備には、吊り機構および床機構と、吊り機
構および床機構の移動速度、移動位置などを設定するた
めの操作用品が設置され、操作員が演出家の望む動作を
手動操作によって操作しており、またこれらの演出は事
前にリハーサルされ演出家の望む動作を操作員に熟知さ
せている。

（発明が解決しようとする課題） このように従来は、舞台機構設備における吊り機構お
よび床機構による演出作業は操作員の判断に委ねられて
いるので、操作員の熟練度の違いによって演出の効果が
安定せず、安定した演出の確保が出来ないという問題が
あった。

従って、本発明は、上記問題点を鑑み、操作員の熟練
度に影響を受けず、常時安定した演出効果が得られる舞
台制御装置を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段と作用） 上記目的を達成するために、本発明の舞台制御装置
は、吊り機構及び床機構を備えた舞台機構を制御する舞
台機構制御装置において、速度指令値を出力する速度設
定手段と、前記舞台機構の移動速度を検出する速度検出
手段と、前記舞台機構のリハーサル時には、その時点に
おける前記速度設定手段からの速度指定値と前記速度検
出手段からの移動速度とに基づき前記舞台機構を制御す
る第１の制御手段と、前記移動速度を積分し距離データ
に変換し、変換した距離データが予め設定された値だけ
変化する毎に、そのときの距離データとその距離データ
に相当する速度指令値とを演算記憶する演算記憶手段
と、前記舞台機構の再現動作時には、初期動作位置をリ
ハーサル時の起動位置に合わせ、その起動位置に相当す
る記憶された動作状態を前記演算記憶手段から呼び出
し、リハーサル時の動作状態を再現するよう前記舞台機
構を制御する第２の制御手段とを有する主制御手段と、
リハーサル時か再現動作時かに応じて、前記第１の制御
手段と第２の制御手段とを選択する選択手段とを設けて
いる。

このように構成された本発明の舞台制御装置は、リハ
ーサル時には速度設定手段からの速度指定値と速度検出
手段からの移動速度に基づき舞台機構を制御すると共
に、上記速度指定値と移動速度とを入力し、移動速度を
積分して距離データに変換し、距離データが予め設定し
た値だけ変化する毎に距離データとその距離データに相
当する速度指令値とを逐次演算記憶させる。また、再現
動作時には、記憶した距離データから現在位置を認識
し、そのときの動作状態を第２の制御手段に与え、リハ
ーサル時の動作と同様な動作が得られるようにしてい
る。

以上のような手段を用いることにより、例えば、リハ
ーサル時に吊り機構をある速度パターンで上昇させると
きの起動時点から停止時点までの各位置に対応した速度
指令値を演算記憶手段に逐次演算記憶させ、再現動作時
に吊り機構の初期動作位置をリハーサル時の起動位置に
合わせ、そのときの速度指令値を演算記憶手段より呼び
出し、第２の制御手段に与える。これによって、リハー
サル時に動作させた速度パターンと同様な速度パターン
が得られる。

（実施例） 本発明の一実施例を第１図に示す。

第１図において、学習回路５は吊り機構または床機構
のリハーサル時の動作状態を位置を基準にそのときの速
度を記憶する学習機能と学習結果を再現動作する再現機
能を有し、リハーサル時は舞台機構制御装置（第１の制
御手段及び第２の制御手段を備えた主制御手段）２内の
速度設定器（速度設定手段）１で設定した速度指令値s1
とパルスジェネレータ４からの速度帰還信号（速度検出
手段）s5を入力すると共に、速度帰還信号s5を積分して
距離データに変換する。

変換された距離データが予め設定された値だけ変化す
るごとに上記距離データと速度指令値s1を学習回路５内
のファンクションジェネレータ（演算記憶手段）に逐次
記憶する。

第２図はファンクションジェネレータに記憶した速度
パターンの一例を示したもので、起動位置Ａから停止点
Ｂに移動するときの速度パターンとして起動位置Ａから
停止点Ｂの間の複数点の位置における速度指令値s1が記
憶されており、記憶されている位置の中間の速度指令値
は直線補間される。

再現動作時には初期動作位置をリハーサル時の起動位
置Ａに合わせ、そのときの速度指令値s6を学習回路６内
のファンクションジェネレータから取出して舞台機構制
御装置２に与え、舞台機構制御装置２は速度指令値s6に
応じて電動機３に動力s3を供給し、電動機３をその速度
に制御する。

これによって舞台機構が移動し、速度帰還信号s5が学
習回路５に入力されると共に位置データに変換され、新
たな速度指令値s6とし舞台機構制御装置２に供給され
る。

停止点Ｂに到達すると速度指令値s6はゼロとなって電
動機３は停止する。

切替器（選択手段）６はリハーサル時には速度指定値
s1と舞台機構制御装置２の入力s2の間を閉路し、再現動
作時には学習回路５の出力する速度指令信号s6と舞台機
構制御装置２の入力s2の間を閉路する。

以上の構成を用いることによってリハーサル時に動作
させた速度パターンと同様の結果が得られ、演出の安定
化が向上される。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によれば、リハーサル時に
舞台機構の起動時点から停止時点までの各位置に対応し
た速度指令値を演算記憶手段に逐次演算記憶させ、再現
動作時に舞台機構の初期動作位置をリハーサル時の起動
位置に合わせ、そのときの速度指令値を演算記憶手段よ
り呼び出し、第２の制御手段に与えるように構成されて
いるので、操作員の熟練度に影響を受けず、再現動作
時、すなわち実際の舞台演出時には、リハーサル時と同
様な舞台演出が実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すブロック図、第２図は
本発明においてファンクションジェネレータに記憶され
る速度パターンの一例を示す図である。 １……速度設定器、２……舞台機構制御装置、 ３……電動機、４……パルスジェネレータ、 ５……学習回路、６……切替器

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吊り機構及び床機構を備えた舞台機構を制
   御する舞台機構制御装置において、速度指令値を出力す
   る速度設定手段と、前記舞台機構の移動速度を検出する
   速度検出手段と、前記舞台機構のリハーサル時には、そ
   の時点における前記速度設定手段からの速度指定値と前
   記速度検出手段からの移動速度とに基づき前記舞台機構
   を制御する第１の制御手段と、前記移動速度を積分し距
   離データに変換し、変換した距離データが予め設定され
   た値だけ変化する毎に、そのときの距離データとその距
   離データに相当する速度指令値とを演算記憶する演算記
   憶手段と、前記舞台機構の再現動作時には、初期動作位
   置をリハーサル時の起動位置に合わせ、その起動位置に
   相当する記憶された動作状態を前記演算記憶手段から呼
   び出し、リハーサル時の動作状態を再現するよう前記舞
   台機構を制御する第２の制御手段とを有する主制御手段
   と、リハーサル時か再現動作時かに応じて、前記第１の
   制御手段と第２の制御手段とを選択する選択手段とを具
   備することを特徴とする舞台制御装置。