JP2633171B2 - 車両の保安警報装置 - Google Patents

車両の保安警報装置

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JP2633171B2 JP10430393A JP10430393A JP2633171B2 JP 2633171 B2 JP2633171 B2 JP 2633171B2 JP 10430393 A JP10430393 A JP 10430393A JP 10430393 A JP10430393 A JP 10430393A JP 2633171 B2 JP2633171 B2 JP 2633171B2
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修 石川
和広 崎山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のセキュリティー装
置に関し、特に本発明では車両に搭載されている騒音制
御装置を介し警報音又はメッセージを発生し車両盗難等
の危険を外部に知らせる保安警報装置の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来このような分野の技術として専用の
電子ブザーが使用されていた。この電子ブザーは、車両
警報装置の専用として設けられるために、これに付帯す
るアンプ等の回路が必要である。さらにこの電子ブザー
の多くは単一のビープ音を発生するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の交通
情報が大量になるにしたがって車両警報装置の警報の内
容も高度化、複雑化するようになってきた。電子ブザー
の単一ビープ音だけでは警報の内容を正確に伝達できな
いので、ビープ音を多種にすることが考えられるが、多
種のビープ音をユーザ等が識別するのは困難であり、さ
らに電子ブザーに付帯するアンプ等の回路も増加し、十
分な効果が得られないわりにはコスト高騰を招く。一
方、近年の音声合成技術の発達によりこれを利用すれ
ば、多種の警報をユーザ等に正確に伝達でき、特に車外
の人にも大音量で警報を伝達することが可能である。し
かし、これを専用に設けること、大音量のスピーカを設
けることは前述と同様にコスト高騰を招くことになる。
他方、近年車両の中にはエンジンからの騒音をキャンセ
ルするための騒音制御装置が設けられるものがある。こ
れは排気音低減のために大音量を発生することができ、
同時に大音量を発生するためにスピーカが使用され、音
声等のメッセージ等も発生することが可能である。これ
を利用できれば、コスト高騰を招かずに多種の警報を発
生することが期待される。
【0004】したがって本発明は上記課題に鑑み警報音
を騒音制御装置を利用して大音量のメッセージを発生で
きる車両の保安警報装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記問題点を解
決するために、車両のエンジンからマフラを経由する排
気音を、これと逆位相及び等音圧の大音量のキャンセル
音でキャンセルして、テールパイプから排出する騒音制
御装置に、車外の大音量用スピーカ、複数の情報検出
器、判断部及び警報音音声メッセージ合成部を備える車
両の保安警報装置を形成する。
【0006】車外の大音量用スピーカは前記車両の外側
の前記マフラの付近に設置され且つ大音量の前記キャン
セル音を出力する。 複数の情報検出器は車両に発生する
複数の情報を検出する。 判断部は前記複数の情報検出器
からの情報がそれぞれ有意であるかを判断する。 警報音
音声メッセージ合成部は前記判断部の判断が有意なら
ば、複数の情報検出器の情報に対応した警報音を音声メ
ッセージとして合成し、この警報音を前記騒音制御装置
のキャンセル音に合成して前記スピーカから前記テール
パイプを経由して出力させるためのものである。
【0007】前記複数の情報検出器(21、31、4
1)は車両の走行時には少なくとも、自分の車両と他の
車両との間隔情報、車両の回転方向、後退有無の情報、
車両の駐車時には少なくとも車両の盗難、破壊情報を検
出するようにしてもよい。
【0008】
【作用】本発明の車両の保安警報装置によれば、車両に
発生する複数の情報が検出され、これらの情報がそれぞ
れ有意であるかが判断されそれらの判断が有意ならば、
有意な情報に対応した警報音が音声メッセージとして合
成され、この警報音が前記騒音制御装置のキャンセル音
に合成して前記スピーカから出力させることにより、簡
単に低コストで多種の情報に対応して音声合成により大
音量の警報音声を得ることができる。具体的には自分の
車両と他の車両との間隔情報を提供して後続車に注意を
与え、車両の回転方向、後退有無の情報により周囲にい
る人に注意を与え、車両の盗難、破壊情報によりユーザ
に直接注意を与えることができる。
【0009】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1は本発明の実施例に係る保安警報装置で
あって騒音制御装置に使用されるものの全体構成を示す
図である。先ず、本図を用い車両騒音の発生を簡単に説
明する。車両のエンジン1には排気管2が設けられ、該
排気管2には排気音の低減のためのマフラ3が設けら
れ、該マフラ3には大気に排気ガスを排出するテールパ
イプ4が設けられている。エンジン1からの排気ガスに
は排気音が伴いマフラ3で低減されるが完全には消去さ
れずに相当部分の排気音が大気に放出される。このよう
に大気の放出される排気音をさらに低減しようとするの
が騒音制御装置100であり、以下にこれについて説明
する。
【0010】騒音制御装置100はマフラ3の側に又は
その中に設けられてエンジン1からの排気音と逆位相で
等音圧のキャンセル音を発生するスピーカ5と、テール
パイプ4の付近に設けられエンジン1からの排気音をス
ピーカ5によりキャンセルされた残留音を捕捉しこれを
誤差信号として電気信号に変換するマイクロフォン6
と、該マイクロフォン6に接続され前記誤差信号を増幅
する増幅器7と、該増幅器7のアナログ信号をディジタ
ル信号に変換するA/D変換器8(Analog to Digital
Converter)と、A/D変換器8に接続されて前記誤差信
号と図示しない参照信号を入力し前記誤差信号のレベル
が最小になるように、すなわち結果としてスピーカ3で
騒音と逆位相で等音圧のキャンセル音を形成できるよう
にキャンセル信号を形成する騒音制御部9と、該騒音制
御部9に接続されディジタル信号をアナログ信号に変換
するD/A変換器10(Digital to Analog Converter)
と、該D/A変換器10に接続されスピーカ5を駆動す
るための電力増幅器11とからなる。前記スピーカ5は
大音量の排気音をキャンセルするために高出力でさらに
高耐久性を有している。次に本発明の特徴である保安警
報装置200を説明する。先ず、騒音制御装置100の
D/A変換器10と電力増幅器11の間に複数の信号を
加算できるミキサ12を設ける。このミキサ12は騒音
制御装置100のD/A変換器10からのキャンセル信
号と後述する保安警報装置200からの複数の警報信号
とを加算する。
【0011】前記保安警報装置200であって図1に示
すものは、一例であり説明のために簡単化したものであ
るが、車両に発生する現象を複数の情報として検出する
複数の情報検出器を具備し、この複数の情報検出器に
は、例えば自分の車両と他の車両との間隔を検出する各
種レーダからなる車間距離検出器21、自分の車両の方
向を指示する方向指示器及びギアチェンジのバックギア
位置を検出するバックギア検出器22、車両の各部(錠
穴、フロントガラス等)に設置されて盗難、破壊等を検
出する盗難、破壊等検出器23等からなるものがある。
なお、これらの各情報検出器自体は周知のものである。
これらの車間距離検出器21、方向指示器及びバックギ
ア検出器22、盗難、破壊等検出器23にそれぞれ接続
される増幅器22、32、42では、これらの検出器か
らの信号振幅を増幅している。増幅器22、32、42
にそれぞれ接続される判断部23、33、43はそれら
の入力信号を一定基準値とそれぞれ比較し一定基準値よ
りも大きければ有意な情報が入力していると判断する。
前記判断部23、33、43にそれぞれ接続される警報
音音声メッセージ合成部24、34、44は、それぞれ
の判断部から情報の入力がありとの判断により情報内容
に応じた警報音声メッセージデータを形成する。例え
ば、車間距離検出器21が有意な情報を検出すると、警
報音音声メッセージ合成部24では「追突に御注意下さ
い。車間距離をとって下さい。」との警報メッセージを
形成する。方向指示器及びバックギア検出器22が有意
な情報を検出すると、警報音音声メッセージ合成部34
では「右に曲がります。バックします。御注意下さ
い。」との警報メッセージを形成する。盗難、破壊等検
出器23が有意な情報を検出すると、警報音音声メッセ
ージ合成部44では「盗難発生、窓ガラス破損発生等の
異常発生が発生しています。至急点検して下さい。」と
の警報音声メッセージを形成する。警報音音声メッセー
ジ合成部24、34、44に接続されるD/A変換器2
5、35、45は、前記合成部での警報音声メッセージ
のディジタル信号をアナログ信号に変換する。このよう
にして変換された警報音声メッセージ信号はミキサ1
2、電力増幅器11を経由してスピーカ5で音声に変換
されスピーカ5から出力された音声はテールパイプ4を
経由して大気に放出される。なお、盗難、破壊等検出器
23は主として車両の停止中に動作するために騒音制御
装置100、保安警報装置200は車両のバッテリに直
接接続し電源を確保するようにしてある。このようにし
て、車間距離検出器21からの情報により、走行中の後
続車両に十分な音量で警報音声メッセージが伝達でき
る。方向指示器及びバックギア検出器22の情報によ
り、車両の交差点等での曲がり動作、後退時に周囲にい
る人に警報音声メッセージを伝達できる。盗難、破壊等
検出器23からの情報により、駐車中の車両に異常が発
生したことを所有者等に伝達することができる。以上に
より、多種な情報に対応して騒音制御装置100を介し
て簡単な構成である保安警報装置200を追加すること
により車両の保安警報装置を実現できる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、車
両に発生する複数の情報を検出し、これらの情報がそれ
ぞれ有意であるかを判断しそれらの判断が有意ならば、
有意な情報に対応した警報音を音声メッセージとして合
成し、この警報音を騒音制御装置のキャンセル音に合成
してスピーカから出力させるので、簡単に低コストで多
種の情報に対して音声合成により大音量の警報音声を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る車両の保安警報装置であ
って騒音制御装置に使用されるものの全体構成を示す図
である。
【符号の説明】
1…エンジン 2…排気管 3…マフラ 4…テールパイプ 5…スピーカ 6…マイクロフォン 7…増幅器 8…A/D変換器 9…騒音制御部 10、25、35、45…D/A変換器 11…電力増幅器 12…ミキサ 21、31、41…複数の情報検出器 22、32、42…増幅器 24、34、44…警報音音声メッセージ合成部 100…騒音制御装置 200…保安警報装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐古 和也 兵庫県神戸市兵庫区御所通1丁目2番28 号 富士通テン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−54338(JP,A) 特開 昭61−234216(JP,A) 特開 昭62−48911(JP,A) 特開 昭59−128029(JP,A) 特開 昭56−128242(JP,A) 特開 昭62−277586(JP,A) 実開 昭57−142647(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のエンジン(1)からマフラ(3)
    を経由する排気音を、これと逆位相及び等音圧の大音量
    のキャンセル音でキャンセルして、テールパイプ(4)
    から排出する騒音制御装置(100)において、 前記車両の外側の前記マフラ(3)の付近に設置され且
    つ大音量の前記キャンセル音を出力する車外の大音量用
    スピーカ(5)と、 車両に発生する複数の情報を検出する複数の情報検出器
    (21、31、41)と、 前記複数の情報検出器(21、31、41)からの情報
    がそれぞれ有意であるかを判断する判断部(23、3
    3、43)と、 前記判断部(23、33、43)の判断が有意ならば、
    複数の情報検出器(21、31、41)の情報に対応し
    た警報音を音声メッセージとして合成し、この警報音を
    前記騒音制御装置(100)のキャンセル音に合成して
    前記スピーカ(5)から前記テールパイプ(4)を経由
    して出力させるための警報音音声メッセージ合成部(2
    4、34、44)とを備えることを特徴とする騒音制御
    装置を保安警報のために使用する 車両の保安警報装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の情報検出器(21、31、4
    1)は車両の走行時には少なくとも、自分の車両と他の
    車両との間隔情報、車両の回転方向、後退有無の情報、
    車両の駐車時には少なくとも車両の盗難、破壊情報を検
    出することを特徴とする、請求項1記載の車両の保安警
    報装置。
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