JP2632389B2 - 熱可塑性樹脂予備発泡粒子及び同粒子を用いる発泡成形体の製造法 - Google Patents

熱可塑性樹脂予備発泡粒子及び同粒子を用いる発泡成形体の製造法

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JP2632389B2 JP25933088A JP25933088A JP2632389B2 JP 2632389 B2 JP2632389 B2 JP 2632389B2 JP 25933088 A JP25933088 A JP 25933088A JP 25933088 A JP25933088 A JP 25933088A JP 2632389 B2 JP2632389 B2 JP 2632389B2
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【発明の詳細な説明】 (a) 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は粒子外皮の膜厚が5〜100μと比較的に厚い
熱可塑性樹脂予備発泡粒子、及び同予備発泡粒子を用い
る型内発泡成形体の製造法に関する。
本発明の予備発泡粒子は、粒子の外皮膜厚が比較的に
厚くて強度が大で、粒子自体で緩衝材、埋立材、断熱材
等として有利に使用できるばかりでなく、これを用いて
型内発泡成形して得られる成形体は包装材、バンパー芯
材、緩衝材、断熱材、玩具内装材等として有利に使用で
きる。
(従来の技術) 従来、包装緩衝材、断熱材等として、予備発泡させた
ポリスチレン粒子を型内でスチーム加熱等により発泡さ
せて粒子どうしを融着させて得られた密度18〜60g/の
型内発泡成形体が知られていた。
かかる型内発泡成形体の製造に用いられる粒径が0.2
〜20mmのポリスチレン予備発泡粒子は、気泡(セル)の
数が60〜300個/mm2のような多数の気泡を有する多泡構
造のものであり、気泡の粒径も、発泡倍率によって20〜
1000μ(好ましくは50〜300μ)であり、かつ粒子の外
皮を形成する気泡膜厚が平均値で0.5〜3μ程度の比較
的に薄い外皮を有するものであった。また、かかる予備
発泡粒子を用いて型内ビーズ発泡成形して得られる型内
ビーズ発泡成形体は、気泡の粒径が20〜1000μ、気泡数
が60〜300個/mm2程度であり、小さい気泡を多数に有す
る構造のものであった。
また、熱可塑性樹脂の発泡体粒子しては、ポリプロピ
レン系のもの(たとえば特公昭59−43491号公報)、ポ
リエチレン系のもの(たとえば特公昭51−22951号、特
公昭60−10047号各公報)、ポリメチルメタクリレート
共重合体系のもの(たとえば特開昭57−182333号公報)
も知られていたが、これらの発泡体粒子又は予備発泡粒
子の気泡構造、及びそれらの粒子を用いた型内発泡成形
体の気泡構造も、上記のポリスチレン系のものの場合と
ほぼ同様であった。
そして従来、この種の熱可塑性樹脂発泡体粒子(予備
発泡粒子を含む)において気泡数が少ないと発泡粒子が
収縮したり、発泡粒子の強度が弱いとされていた。ま
た、その気泡数が少ないと、型内ビーズ発泡成形して得
られる成形体も収縮を起し、実用性がないとされてい
た。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、比較的に厚い外皮膜を有し、粒子のままで
緩衝材、埋立材、断熱材、充填材等として優れているば
かりでなく、型内発泡成形用の粒子として用いても優れ
た型内発泡成形体を与えることができる熱可塑性樹脂予
備発泡粒子を提供し、さらにその予備発泡粒子を用いて
型内発泡成形体を製造する方法を提供しようとするもの
である。
(b) 発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明の熱可塑性樹脂予備発泡粒子は、粒子中に直径
100μ以上の大気泡を2〜35個有し(ただし粒子の全容
積の50%を超える容積を占める巨大気泡を有しない)、
粒径が0.5〜20mmであり、かつ粒子外皮の平均膜厚が5
〜100μであることを特徴とする粒子である。
また、本発明の熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製造法
は、二次発泡能力を有する前記の熱可塑性樹脂予備発泡
粒子を型内に充填し、加熱膨脹させて粒子どうしを融着
させることを特徴とする方法である。
本発明の熱可塑性樹脂予備発泡粒子の外皮膜の平均膜
厚が5〜100μ、好ましくは10〜100μである。本発明に
おけるこの外皮の平均膜厚(t)とは、予備発泡粒子の
最も外側の外皮の平均膜厚をさすが、第1−a図及び2
−a図に示されるようにその外皮が押しつぶされた小気
泡2″が重なり合って形成された積層構造のものであっ
たり、或いは巨大気泡の内側に前記の外皮に密着して小
気泡2″が形成された構造のものである場合には、それ
らの小気泡2″をも含めた膜厚(t)の平均値をさすも
のである。その外皮膜厚が薄すぎると粒子自体及びそれ
より得られる型内発泡成形体の圧縮強さ等の強度や圧縮
回復率が低下してくる。
本発明の予備発泡粒子は、種(シード)として重合体
粒子を存在させた水性媒体中で2種又はそれ以上の不飽
和単量体を重合させるいわゆる懸濁シード重合におい
て、その重合途中又は重合後の重合体粒子に発泡剤を吸
収せしめて熱可塑性樹脂の発泡性粒子を製造し、さらに
その発泡性粒子を加熱して発泡させる方法において、そ
の重合条件を種々に調整することにより製造することが
できる。
すなわち、粒径が0.1〜2mmの熱可塑性重合体粒子を水
中に種として懸濁せしめた水性懸濁系に、その重合体粒
子を構成する不飽和単量体と、同単量体とは異なる他の
不飽和単量体との2種以上の単量体混合物を滴下しなが
ら懸濁重合を実施し、その重合体粒子及び生成しつつあ
る重合体粒子に前記の単量体混合物を吸収させながら重
合を行なわせ、その懸濁重合の途中又は重合後に、生成
熱可塑性重合体粒子を膨潤も溶解もせしめないか又は僅
かに膨潤せしめるにすぎない発泡剤を添加して、生成熱
可塑性重合体粒子に同発泡剤を吸収させて発泡性樹脂粒
子を製造し、得られた発泡性樹脂粒子を分離してから同
粒子を加熱して見掛密度が10〜200g/程度になるよう
に発泡させて熱可塑性樹脂予備発泡粒子を製造する方法
において、その重合条件、特に滴下する単量体混合物の
組合わせや単量体混合比率等を適宜に調整することによ
り、本発明の熱可塑性樹脂予備発泡粒子を製造すること
ができる。
その懸濁シード重合において種(シード)として用い
られる熱可塑性重合体粒子としては、たとえばポリスチ
レン、ポリメチルメタクリレート、ABS、SAN、スチレン
・α−メチルスチレン・アクリロニトリル共重合体、ス
チレン・メタクリル酸メチル共重合体、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の重合体粒子があげられる。かかる種
としての熱可塑性重合体粒子は、発泡剤を含有いない非
発泡性重合体粒子であってもよいし、発泡剤を含有する
発泡性の重合体粒子であってもよい。非発泡性重合体粒
子を種として用いた場合には、得られる発泡体粒子及び
それより得られる型内発泡成形体が光沢がよく半透明状
のものとなる。また、発泡性重合体粒子を種として用い
た場合には、得られる発泡体粒子及びそれより得られる
型内発泡成形体が不透明度の高いものとなる。
その懸濁シード重合における不飽和単量体としては、
たとえばスチレン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸アルキルエステル(アルキル基の
炭素数が1〜8のもの)、アクリロニトリル、アクリル
アミド、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ア
クリル酸、イタコン酸、マレイン酸、N−フェニルマレ
イミド等があげられる。そして、これらの不飽和単量体
は、前述のように、種としての重合体粒子を構成する不
飽和単量体と、同単量体とは水に対する溶解指数の異な
る他の不飽和単量体とを組合わせて使用される。
そのシード重合における重合開始剤としては、10時間
半減期を得る分解温度が60〜120℃、好ましくは70〜110
℃である有機過酸化物が適する。好ましい重合開始剤の
具体例(具体例に付記したカッコ内の温度は10時間半減
期を得る分解温度である。)としては、t−ブチルパー
オキシ2−エチルヘキサノエート〔72℃〕、ベンゾイル
パーオキサイド〔74℃〕、1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン〔90
℃〕、t−ブチルパーオキシラウレート〔96℃〕、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサ
ン〔100℃〕、t−ブチルパーオキシベンゾエート〔104
℃〕、メチルエチルケトンパーオキサイド〔109℃〕、
ジクミルパーオキサイド〔117℃〕等があげられる。重
合開始剤は、単量体混合物に対して0.05〜2重量%の割
合で用いられる。
そのシード重合の途中又は重合後に添加する発泡剤と
しては、常温常圧下に液体又は気体の有機化合物が使用
されるが、特にその沸点が発泡剤を含浸せしめるべき重
合体粒子の軟化温度より低いものが好ましい。その具体
例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、
石油エーテル等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の
環状炭化水素、塩化メチレン、塩化ビニル、トリクロロ
トリフルオロエタン、ジクロロジフルオロエタン等のハ
ロゲン化炭化水素があげられる。
かかる懸濁シード重合においてその重合条件を調整し
ながら重合させて得られ、かつ発泡剤を含浸せしめた重
合体粒子を過、洗浄、乾燥して、重合体粒子中に発泡
剤が2〜10重量%、好ましくは3〜8重量%含有された
熱可塑性樹脂の発泡性粒子とし、この発泡性粒子を90〜
110℃の熱水又はスチーム等で加熱して見掛密度が10〜2
00g/になるようにスチーム、熱風、高周波磁場加熱等
で加熱発泡させると、本発明の熱可塑性樹脂予備発泡粒
子が得られる。
かかる方法で得られる予備発泡粒子は、発泡直後に一
旦収縮することもあるが、空気中に2〜24時間位放置
(熟成)するとその気泡内の気圧が大気圧と同じとなっ
て元の体積に戻る。そして、かかる本発明の予備発泡粒
子は、通常、二次発泡能力を有していて、その二次発泡
能力は粒子を空気中に50日以上放置しても失なわれない
ことが確認された。
本発明の熱可塑性樹脂予備発泡粒子は、前述の懸濁シ
ード重合における重合条件、特に使用する不飽和単量体
(種類)の組合わせ及びその単量体混合比率等を調整す
ることにより得られるが、それらの好ましい条件は、種
としての重合体粒子の種類、単量体の種類や組合わせな
どに応じて変化し、一定しない。
一例として、後述の実施例1におけると同一の種重合
体及び単量体を用い、かつその他の重合条件も同一の条
件を用い、ただし滴下する単量体混合物の混合比率だけ
を表1の実験番号1〜5に示すように種々に変化させた
り、或は他の重合条件を各例に記載したように種々に変
化させて重合を行なわせた。次いで、得られた各熱可塑
性樹脂発泡性粒子を、実施例1におけるのと同一の発泡
条件を用いて加熱発泡させて予備発泡粒子を製造した。
得られた各発泡体粒子の樹脂を構成する単量体含有比、
気泡構造、粒径及び粒子外皮の平均膜厚は、表1にそれ
ぞれ示すとおりであった。
実験No.1(後述の比較例1)で得られた予備発泡粒子
は、第3−a図に示したような多泡構造の粒子であり、
これは従来公知の予備発泡粒子(後述の比較例4)と同
程度の気泡数200〜300個/mm2程度のもの、すなわち、粒
子1に多数の小気泡を含有する多泡構造のものであり、
粒子外皮の膜厚が約0.7μ程度と薄く、圧縮強度の低い
ものであった。
そして、実験No.の数が2から5へと大きくなるにつ
れて(換言すれば、滴下単量体混合物中のメタクリル酸
メチルの割合が高くなるにつれて)、mm2当りの気泡数
が少なくなり、したがって気泡の大きさが次第に大きく
なり、粒子外皮の膜厚が5〜100μと厚い粒子が得られ
た。
詳述すれば、実験No.2(実施例1)で得られた予備発
泡粒子は、第1−a図に示されるように、一つの予備発
泡粒子1中に、直径100〜200μと比較的に大きな気泡
2′と、直径1〜15μと比較的に小さい気泡2″(この
気泡は、前述のように粒子の外皮の膜厚に算入する)と
が混在している。そして、その大きな気泡2′の気泡数
が10〜30個/mm2程度であり、粒子の外皮膜厚は20μ程度
とやや厚いものであった。
また、実験No.3(実施例2)で得られた予備発泡粒子
は、第2−a図に示されるように、直径100〜200μの大
きな気泡2′を9個と、外皮膜に密着した直径2〜3.8
の小さな気泡2″(この気泡は、前述のように粒子の外
皮膜厚に算入する)とを有する粒子であり、その粒子外
皮の平均膜厚が30μ程度と比較的に厚いものであった。
また、実験No.4(後述の比較例2)、及び実験No.5
(後述の比較例3)で得られた予備発泡粒子は、第4−
a図に示されるように、粒子全体の容積の大部分を占め
る巨大気泡を実質上1個のみ有する中空状粒子であり、
その外皮には押しつぶされた直径1〜数μの小気泡が含
有された構造のものであり、その粒子外皮の小気泡を含
めた平均膜厚は約50μ程度と厚いものであった。
さらに、実験No.6〜9(実施例3〜6)で得られた予
備発泡粒子も、表1に示したように、直径500〜1000μ
の大気泡を約10個程度有し、粒子外皮の平均膜厚が30〜
90μ程度のものであった。
本発明の予備発泡粒子は、このように気泡直径が100
μ以上の大きな気泡を2〜35個有する粒子であり、粒径
が0.5〜20mm、粒子外皮の平均膜厚が5μ以上、好まし
くは10〜100μであるから、従来公知の多泡構造のラン
ダム共重合体の予備発泡粒子と較べて外皮膜厚が厚いの
で、気泡が大きく、かつ気泡数が少ないにかかわらず、
粒子自体として、従来公知の予備発泡粒子と比較して圧
縮強さが優れている。たとえば圧縮時にエネルギー吸収
効率が70%以上と著しく高いので、緩衝材、埋立材、断
熱材、充填材等として有利に使用できる。
また、本発明の予備発泡粒子は、型内ビーズ発泡成形
用の予備発泡粒子としても有利に使用できる。すなわ
ち、本発明の予備発泡粒子を、常法にしたがって型内に
充填し、所定の温度(たとえば110〜130℃)のスチー
ム、熱湯、その他適宜の熱源を用いて5〜120秒程度加
熱すると、容易に発泡して相互に融着し型内発泡成形体
が得られる。そして、その型内発泡成形体は、従来公知
の予備発泡粒子(たとえば比較例4の予備発泡粒子)を
型内発泡成形して得られる成形体と較べて、粒子の外皮
膜厚が厚いので、圧縮強度及び圧縮回復率がともに高
く、エネルギー吸収効率も高いので、その成形体は包装
材、バンパー芯材、緩衝材などとして有利に使用でき
る。
第5図は、実施例2で得られた成形体と比較例4で得
られた成形体(すなわち従来公知の成形体)との応力・
歪曲線図を示したものである。
(実施例等) 以下に、実施例及び比較例をあげてさらに詳述する。
実施例1 容量3の撹拌装置付き重合容器に純水1000g、第三
リン酸カルシウム10g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソ
ーダの1%水溶液3.0g、発泡剤としてブタンを6.1%含
む粒径0.5〜0.4mmに篩別された発泡性スチレン重合体粒
子212.2g(純スチレン重合体として200g)、及びベンゾ
イルパーオキサイド2.4gを加え、450rpmで撹拌して均一
な懸濁分散液とした。
この懸濁分散液を撹拌下に80℃まで昇温する途中の40
℃の温度に達した時点において、重合容器の空間部に、
同空間部の容積に対して10g/の割合に相当する量であ
る18gのブタンを気化して供給した。次いで、重合系の
温度が80℃に到達したのち、同温度で8時間保ち、この
間に80℃に到達した時点から6時間かけて、ターシャリ
ーブチルパーベンゾエート1.2gを360gのスチレンと240g
のメタクリル酸メチルとの混合単量体に溶解した溶液
を、連続的に1時間当り100gの割合で添加した。
単量体溶液の添加終了後、原料の発泡性スチレン重合
体粒子と、スチレン及びメタクリル酸メチル単量体との
合計量に対して8%に相当する量である64gのペンタン
を液状で添加してから、80℃より110℃まで1.5時間かけ
て昇温させ、110℃で4時間保持して重合を行なわせ、
熱可塑性樹脂発泡性粒子を生成させた。
重合完了後の水性分散液を冷却、過、水洗、乾燥し
て得られた熱可塑性樹脂発泡性粒子を98℃、1.0kg/cm2
の水蒸気で加熱して予備発泡させ、見掛密度が30g/の
予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子を30℃で6時間
空気中に放置して乾燥(熟成)させ、収縮のない粒子を
得た。この粒子は第1−a図に示すような構造を有する
ものであり、その粒子は直径が100〜200μの大な気泡
2′を10〜30個/mm2の割合で有し、粒径が2〜3mm、皮
膜の外皮の平均膜厚が約20μであり、かつ二次発泡能力
を有する粒子であった。
次いで、この粒子を24時間空気中で放置後、100mm×1
00mm×200mmの金型のキャビティ内に充填し0.7kg/cm2
水蒸気で20秒間加熱して発泡成形して得られた成形体は
第1−b図に示すような構造を有するものであり、その
融着された個々の発泡体粒子は実質的に予備発泡粒子と
同様な大きさの気泡を同程度数有していた。また、この
成形体は、JIS A−9511による20%歪時の圧縮強さが2.5
kg/cm2であり、50%歪時の圧縮強さが3.3kg/cm2であ
り、50%圧縮後の圧縮回復率が97%であり、エネルギー
吸収効率は72%であった。
比較例1 滴下する単量体としてスチレン402gとメタクリル酸メ
チル198gとの単量体混合物を用い、そのほかは実施例1
におけると同じ方法を用いて重合させ、得られた発泡性
粒子を実施例1におけると同じ方法で予備発泡させた。
得られた発泡性粒子1は、第3−a図に示すように気泡
径が20〜50μの多数の小気泡を有する多泡構造のもので
あり、その気泡数が200〜300個/mm2、粒径が2〜3mm、
粒子外皮の膜厚が約0.7μであった。これは従来公知の
予備発泡粒子(比較例4)と類似するものである。
また、この予備発泡粒子を用いて実施例1におけると
同一の方法で型内発泡成形して得られた成形体は、JIS
A−9511による20%歪時の圧縮強さが2.2kg/cm2、50%圧
縮後の圧縮回復率が86%であった。
比較例2 実施例1において用いた単量体混合物の代りに、スチ
レン200gとメタクリル酸メチル400gとの単量体混合物を
用い、そのほかは実施例1と同様にして重合させ発泡性
粒子を得た。さらに、この発泡性粒子を実施例1におけ
ると同様にして予備発泡させたところ、第4−a図に示
すような構造の二次発泡能力を有する中空球状の予備発
泡粒子が得られた。
この粒子は、粒径が2〜3mm、外皮の平均膜厚が50μ
であり、実質上巨大な気泡1個のみを有するものであっ
た。
また、この予備発泡粒子を用いて実施例1におけると
同様の方法で型内発泡成形した。得られた成形体は第4
−b図に示すとおりであった。
実施例2 比較例3 実施例1の重合において用いた単量体混合物の比を表
1に示すように変更し、そのほかは実施例1と同様にし
て重合させ、得られた発泡体粒子を実施例1におけると
同様にして予備発泡させ、二次発泡能力を有する予備発
泡粒子を得た。その各予備発泡粒子の物性は表1に示す
とおりであった。また、実施例2で得られた予備発泡粒
子の構造は第2−a図に示すとおりであった。
また、実施例2、及び比較例3で得られた予備発泡粒
子を用い、そのほかは実施例1と同様にして型内発泡成
形した。その成形体の物性は表1にそれぞれ示すとおり
であった。
実施例3〜4 実施例2における発泡性ポリスチレン粒子に対する滴
下単量体混合物の比3/1を、4/1又は5/1に変更し、その
ほかは実施例2と同様にして予備発泡粒子を製造し、そ
の各予備発泡粒子を実施例1と同様にして成形した。
得られた予備発泡粒子及び成形体の物性は表1に示す
とおりであった。
実施例5〜6 実施例1におけるペンタンの使用量64gを、80g(実施
例5)、又は56g(実施例6)にそれぞれ変更し、その
ほかは実施例1と同様にして予備発泡粒子を製造し、さ
らにそれらの予備発泡粒子を同様にして成形した。
得られた各予備発泡粒子及び成形体の物性は表1に示
すとおりであった。
比較例4 この例は従来法の例である。
すなわち、容量3の撹拌装置付きの重合容器に、純
水1000g、ピロリン酸ソーダ0.42g、酢酸ソーダ0.63g、
亜硝酸ソーダ0.10gを加え、350rpmで撹拌して均一な分
散液とした。次いで、撹拌下にこれに、ベンゾイルパー
オキサイド7.0g、ターシャリーブチルパーベンゾエート
2.1gをスチレン350及びメタクリル酸メチル350gの単量
体混合物に溶解した溶液を投入して、均一な懸濁分散液
とした。
この懸濁分散液を撹拌しながら80℃まで昇温させ、さ
らに80℃から115℃まで6時間かけて昇温させた。この
間に、80℃に達してから1時間後の時点にポリビニルピ
ロリドンの10%水溶液50gを添加し、同じく4時間後の
時点にスチレンとメタクリル酸メチルとの単量体混合物
に対して8重量%に相当する量である56gのペンタンを
液状で添加した。115℃に到達後、同温度で5時間保持
して重合を完了させた。
得られた重合生成物を冷却し、過し、乾燥して得ら
れた粒子を0.7〜1.0mmにカットしたものを、98℃、1.0k
g/cm2の水蒸気で加熱発泡させ、見掛密度が30g/の予
備発泡粒子を得た。
この予備発泡粒子の断面構造は従来公知のような多泡
構造のものであり、粒径が2〜3mm、粒子外皮の平均膜
厚が約0.7μ、気泡数が約200〜300個/mm2の二次発泡能
力を有する粒子であった。
また、この予備発泡粒子を用いて、実施例1における
と同様の型内発泡成形をして得られた成形体の物性は表
1に示すとおりであった。
(c) 発明の効果 本発明の熱可塑性樹脂予備発泡粒子は、粒子外皮膜が
厚くて粒子自体の強度が大である。また、この予備発泡
粒子を用いて得られる型内発泡成形体は、従来の型内発
泡成形体と較べて圧縮強さ、圧縮回復率及び圧縮時のエ
ネルギー吸収効率が高い。
【図面の簡単な説明】
第1−a図及び第2−a図は、実施例1及び実施例2で
得られた各予備発泡粒子の拡大断面図(30倍)であり、
第1−b図及び第2−b図は実施例1及び実施例2で得
られた成形体の拡大断面図(20倍)である。また、第3
−a図及び第4−a図は比較例1及び比較例2で得られ
た各予備発泡粒子の拡大断面図(30倍)であり、第3−
b図及び第4−b図は、比較例1及び比較例2で得られ
た成形体の拡大断面図(20倍)である。各図中における
符号1は発泡粒子、2はその巨大気泡、2′は大気泡、
2″は小気泡をそれぞれ示す。 また、第5図は実施例2及び比較例4で得られた各型内
発泡成形体の応力・歪曲線である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子中に直径100μ以上の大気泡を2〜35
    個有し(ただし粒子の全容積の50%を超える容積を占め
    る巨大気泡を有しない)、粒径が0.5〜20mmであり、か
    つ粒子外皮の平均膜厚が5〜100μであることを特徴と
    する熱可塑性樹脂予備発泡粒子。
  2. 【請求項2】第1請求項記載の熱可塑性樹脂予備発泡粒
    子を型内に充填し、加熱膨脹させて粒子どうしを融着さ
    せることを特徴とする熱可塑性樹脂型内発泡成形体の製
    造法。
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