JP2632241B2 - 平版印刷用原版 - Google Patents

平版印刷用原版

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JP2632241B2 JP33076990A JP33076990A JP2632241B2 JP 2632241 B2 JP2632241 B2 JP 2632241B2 JP 33076990 A JP33076990 A JP 33076990A JP 33076990 A JP33076990 A JP 33076990A JP 2632241 B2 JP2632241 B2 JP 2632241B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真方式で製版される電子写真式平版
印刷用原版に関するものであり、特に、光導電層上に特
定の性質を有する表面層を設ける様にした平版印刷用原
版に関する。
(従来技術) 現在ダイレクト製版用のオフセット原版には多種のも
のが提案され且つ実用化されているが、中でも、導電性
支持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子及び結着樹脂
を主成分とした光導電層を設けた感光体を通常の電子写
真工程を経て、感光体表面に親油性の高いトナー画像を
形成させ、続いて該表面をエッチ液と言われる不感脂化
液で処理し非画像部分を選択的に親水化することによっ
てオフセット原版を得る技術が広く用いられている。
良好な印刷物を得るには、先ずオフセット原版に、原
画が忠実に複写されると共に、感光体表面が不感脂化処
理液となじみ易く、非画像部が充分に親水化されると同
時に耐水性を有し、更に印刷においては、画像を有する
光導電層が離脱しないこと、及び湿し水とのなじみがよ
く、印刷枚数が多くなっても汚れが発生しない様に充分
に非画像部の親水性が保持されること、等の性能を有す
る必要がある。
特に、オフセット原版としては、不感脂化性不充分に
よる地汚れ発生が大きな問題であり、これを改良するた
めに、不感脂化性を向上させる酸化亜鉛結着用樹脂の開
発が種々検討されており、例えば、特公昭50-31011号、
特開昭53-54027号、特開昭54-20735号、特開昭57-20254
4号、特開昭58-68046号明細書等に開示されている。し
かしながらこれらの不感脂化性向上に効果があるとされ
る樹脂であっても現実に評価してみると、地汚れ、耐刷
力において未だ満足できるものではない。
一方、光導電性粒子として有機光導電性化合物を用
い、結着樹脂とともに光導電層を砂目立てしたアルミニ
ウム基板上に設けた電子写真体を用いることもできる。
この種の原版を製版するには、上記と同様に、通常の
電子写真方法により、感光層上にトナー画像を形成した
後、処理液で非画像部を溶解除去する。これにより、非
画像部分はアルミニウム基板となり、親水性となるもの
である。例えば、特公昭37-17162号、特公昭46-39405
号、特開昭52-2437号、特開昭56-107246号等に示され
る、オキサジアゾール化合物あるいはオキサゾール化合
物をスチレン−無水マレイン酸共重合体などのアルカリ
可溶性樹脂で結着した感光層を用いる場合、あるいは、
特開昭55-105254号、特開昭55-16125号、特開昭58-1509
53号、特開昭58-162961号明細書等に示される、フタロ
シアニン系顔料あるいはアゾ顔料とアルカリ可溶性のフ
ェノール樹脂とから成る感光層を用いる場合等が知られ
ている。
しかし、この製版工程では非画像部の感光層を溶解除
去しなければならないために大がかりな装置が必要とな
り、時間がかかるため製版速度も遅くなる。更には、処
理液(有機溶剤)としてエチレングリコール、グリセリ
ン、メタノール、エタノールなどが用いられているた
め、この製版法によったのではコスト、安全性、公害、
労働衛生などに問題が残されている。
更に、通常の電子写真感光体上に特定の樹脂層を設け
ることにより製版が容易な非画像部表面親水処理型の印
刷版を作成する方法が特公昭45-5606号に示されてい
る。すなわち、電子写真感光層上にビニルエーテル−無
水マレイン酸共重合体およびこれと相溶性の疎水性樹脂
とからなる表面層を設けた印刷版が開示されている。こ
の層はトナー像形成後、非画像部をアルカリで処理する
ことにより酸無水環部分を加水開環することにより親水
化できる層(親水化可能層)である。
そこで用いられているビニルエーテル−無水マレイン
酸共重合体は、開環して親水化された状態では水溶性と
なってしまうため、たとえその他の疎水性の樹脂と相溶
した状態で層が形成されていたとしても、その耐水性は
はなはだしく劣り、耐刷性はせいぜい500〜600枚が限度
であった。
更に、特開昭60-90343号、特開昭60-159756号、特開
昭61-217292号明細書等では、シリル化されたポリビニ
ルアルコールを主成分とし、且つ架橋剤を併用した表面
層(親水化可能層)を設ける方法が示されている。即
ち、この層は、トナー像形成後非画像部において、シリ
ル化されたポリビニルアルコールを加水分解処理して親
水化するものである。又親水化後の膜強度を保持するた
め、ポリビニルアルコールのシリル化度を調整し、残存
水酸基を架橋剤を用いて架橋している。
これらにより印刷物の地汚れ性が改良され耐刷枚数が
向上すると記載されている。しかしながら、現実に評価
してみると、特に地汚れにおいて未だ満足できるもので
はない。また、シリル化ポリビニルアルコールはポリビ
ニルアルコールをシリル化剤で所望の割合にシリル化す
ることで製造しているが、高分子反応であることから、
安定して製造する事が難しい。更に親水化ポリマーの化
学構造が限定されているため、電子写真感光体としての
機能を阻害しないように、1)帯電性、2)複写画像の
品質(画像部の網点再現性・解像力・非画像部の地カブ
リ等)、3)露光感度、等に対して該表面層が影響しな
い様にする事が難しい等の問題があった。
更に、表面層樹脂として、分解により親水性基を生成
する官能基を含有する樹脂を用いるものが検討されてお
り、例えば分解によりヒドロキシル基を生成する官能基
を含有するもの(特開昭63-27255号、特開平1-272489
号)や分解によりカルボキシル基を生成する官能基を含
有するもの(特開平1-070769号、特開昭63-197964号)
等が開示されている。
これらの樹脂は不感脂化液又は印刷時に用いる湿し水
により加水分解又は加水素分解されて親水性基を生成す
る樹脂であり、これらを平版印刷用原版の表面層樹脂と
して用いると、分解により生成される上記親水性基によ
って非画像部の親水性が向上し、画像部の親油性と非画
像部の親水性が明確となり、印刷時に非画像部に印刷イ
ンキが付着するのを防止し、その結果として地汚れのな
い鮮明な画質の印刷物を多数枚印刷することが可能とな
ると記載されている。
しかしながら、これらの樹脂を用いても地汚れ、耐刷
力において未だ満足できるものではなく、上記の如き親
水性基生成官能基を含有する樹脂を用いた場合でも、非
画像部における親水性を更に向上させるべく、その含有
量を増大させた場合には、分解により生成した親水性基
により親水性が増大するとともに表面層樹脂が水溶性と
なってしまうため、特にその持続性において問題のある
ことが判った。
また、更に上記問題点を解決するため、表面層樹脂と
して分解によりヒドロキシル基を生成する官能基を含有
するもの、また、分解によりカルボキシル基を生成する
官能基を含有するものに、それぞれ更に、熱/光硬化性
官能基を含有し予め架橋されている(特開平1-254970
号、同1-283572号)、熱/光硬化性樹脂を併用(特開平
1-262556号、同1-284860号)、また架橋剤を併用させた
もの(特開平1-263659号、同1-284861号)等の機能を組
み合わせたものが開示されている。
これらの樹脂において熱/光硬化性官能基、架橋剤等
を組み合わせたことで親水性基含有樹脂の溶出防止があ
る程度可能となり親水性の持続が改良されたが、まだ満
足のいくものではなかった。
従って、非画像部の親水性による効果がより向上し、
更に持続性が向上する技術の出現が望まれる。
更に、従来の技術では電子写真特性、皮膜性等の総合
的バランスをとる際の素材組成の許容範囲が狭い等の問
題があった。
本発明は、以上の様な平版印刷用原版の有する問題点
を改良するものである。
本発明の目的は、原画に対して忠実な複写画像を再現
し、且つオフセット原版として全面一様な地汚れはもち
ろん、点状の地汚れをも発生させない、不感脂化性の優
れた平版印刷用原版を提供することである。
本発明の他の目的は、印刷において印刷枚数が増加し
ても非画像部の親水性が充分保たれ、地汚れが発生しな
い、高耐刷力を有する平版印刷用原版を提供するもので
ある。
本発明の他の目的は、電子写真特性、皮膜性等の総合
的バランスをとる際の素材組成の許容範囲の広い平版印
刷用原版を提供することである。
(課題を解決するための手段) 上記諸目的は、導電性支持体上に少なくとも1層の光
導電層を設け、更にその最上層に表面層を設けて成る電
子写真感光体を利用した平版印刷用原版において、該表
面層の結着樹脂が、フッ素原子及びケイ素原子のうちの
少なくともいずれか一方を含有する、分解によりスルホ
基、ホスホノ基、カルボキシル基及びヒドロキシル基の
うちの少なくとも1つを生成する官能基を含有する一官
能性単量体(A)に相当する重合体成分を含有するAブ
ロックと、下記一般式(I)で示される重合体成分を少
なくとも含有するBブロックとから構成されるA-Bブロ
ック共重合体を少なくとも1種含有することを特徴とす
る平版印刷用原版により解決されることが見出された。
一般式(I) 式(I)中、X1は−COO−、−OCO−、CH2nOCO
−、CH2mCOO−、−O−、−SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−、又は を表わす。(d1は、水素原子又は炭化水素基を表わす。
n,mは各々1〜4の整数を表わす)。
R1は炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳香
族基を表わす。
a1,a2は互いに同じでも異なってもよく、水素原子、
シアノ基、炭化水素基、−COO−Z1又は炭化水素を介し
た−COO−Z1(Z1は水素原子又は置換されてもよい炭化
水素基を示す)を表わす。
本発明は、平版印刷用原版の表面層に用いられる結着
樹脂の少なくとも1種として、フッ素原子及び/又はケ
イ素原子を少なくとも含有する、分解により少なくとも
1つの親水性基(スルホ基、ホスホノ基、カルボキシル
基、及び/又はヒドロキシル基)を生成する官能基を少
なくとも1つ含有する一官能性単量体に相当する重合体
成分を含有するAブロックと一般式(I)で示される特
定の重合体成分を含有するBブロックとから成るA-Bブ
ロック共重合体を含有する事を特徴としている。
これにより本発明による平版印刷用原版は、原画に対
して忠実な複写画像を再現し、非画像部の親水性が良好
であるため地汚れも発生せず、更に非画像部親水性の持
続力向上により耐刷力が優れているという利点を有す
る。
更に、本発明の平版印刷用原版は製版処理時の環境に
左右されず、また処理前の保存性に優れているという特
徴を有する。
平版印刷用原版としては、非画像部の表面部分が充分
に親水化されている事が重要であるのに対して、前記の
分解反応により親水性基を生成する型の公知の樹脂は、
表面層の全体に均一に分散されたものである。従って、
該公知の樹脂において表面を充分に親水化するためには
表面層全体に且つ多くの存在割合で親水性基生成官能基
が存在して初めて印刷可能な親水化状態になる。他方こ
の様な状態にすると、表面層が親水化されることで吸水
されるがこれによる膜の異常な膨潤あるいは膜の損傷を
受け易くなってしまう。この結果、印刷用原版としての
性能の低下(非画像部の地汚れ、画像部の欠落等の欠陥
が印刷物に発生してしまう)をまねいた。
これに対して、本発明に係る結着樹脂は、フッ素原子
及び/又はケイ素原子を含有する保護基で親水性基を保
護し且つ分解して親水基を生成する官能基を含む重合体
成分:Aブロックと、一般式(I)で示される繰り返し単
位を含む重合体成分:Bブロックとから成るA-Bブロック
共重合体であることを特徴とする。
該本発明の樹脂は従来公知のランダム共重合体と異な
り、光導電層中で特異的な挙動を有する。即ち、Aブロ
ックとBブロックとの相溶性の違いによりミクロ相分離
構造を形成していると推定され、更に、表面層部分に後
に親水性基を生成するAブロックが多く存在する傾向が
あることから、非画像部の親水性の向上効果がより高め
られ、印刷時の地汚れの防止の効果となって現われるも
のと考えられる。
更には、不感脂化処理により親水性基を生成した本発
明の樹脂は、親水性であるセグメントA部が表面側に向
き、他方親油性であるセグメントB部が表面の反射側に
向き、他の樹脂と相互作用してアンカー効果を発揮する
ことで、該樹脂のエッチング液及び/又は印刷時の湿し
水の中への溶出を抑制することから、非画像部の良好な
親水性の維持が可能となり多数枚の良好な画質の印刷物
を得ることが可能となった。
以下に、本発明において用いられる分解して少なくと
も1個の該親水性基を生成するフッ素原子及び/又はケ
イ素原子含有の官能基(以下、単に親水性基生成官能基
と称することもある)について詳しく説明する。
本発明の親水性基生成官能基は、分解によって親水性
基を生成するが、1つの官能基から生成する親水性基は
1個でも2個以上でもよい。
本発明の1つの好ましい態様によれば、親水性基生成
官能基含有のA-Bブロック共重合体は、一般式(II)で
示される官能基を少なくとも1種含有する重合体成分を
Aブロックとして含有する樹脂である。
本発明の親水性基生成官能基の好ましい態様の1つと
して−COOH基、−SO3H基又は−PO3H2基を生成する官能
基について説明する。
一般式(II) −V−O−L1 Vは、 を表わす。
L1は、−CF3 又はCH22SO2P8を表わす。
L1の場合において、P1は、水素原子、−CN基、−CF3基、
−COR11基又は−COOR11基を表わす。但しR11は炭素数1
〜6のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、炭素数
7〜12の置換されてもよいアラルキル基(具体的にはベ
ンジル基、フェネチル基、クロロベンジル基、メトキシ
ベンジル基、クロロフェネチル基、メチルフェネチル基
等)、芳香族基(例えば置換基を含有してもよいフェニ
ル基又はナフチル基:具体的には、フェニル基、クロロ
フェニル基、ジクロロフェニル基、メチルフェニル基、
メトキシフェニル基、アセチルフェニル基、アセトアミ
ドフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ナフチ
ル基等)、CH2n1CF2m1CF2H(ここでn1は1又は
2の整数及びm1は1〜8の整数を表わす)、CH2n2C
m2H2m2+1(ここでn2は0又は2の整数及びm2は1〜8の
整数を表わす)又は 〔n3は1〜6の整数及びm3は1〜4の整数を表わし、Z
は単結合又は−O−を表わす。
R12及びR13は同じでも異なってもよく、各々水素原子
又は炭素数1〜4のアルキル基(具体的にはメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基等)を表わす。
R14、R15及びR16は各々同じでも異なってもよく、炭
素数1〜12の置換されてもよい炭化水素基又は、−OR17
基(R17は炭化水素基を示す)を表わす。ここで炭化水
素基及びR17の炭化水素基の具体的内容は、前記したR11
の炭化水素基とそれぞれ同一の内容を表わす〕を表わ
す。
P2は−CF3基、−COR11基又は−COOR11基を表わす(但
し、R11は上記と同一の記号を表わす)。
更に、P1及びP2において少なくともいずれか一方にフ
ッ素原子又はケイ素原子含有の置換基が選ばれる必要が
ある。
L1を表わす場合、P3、P4及びP5は前記R14、R15及びR16
同一の内容を表わす。
L1の場合、P6及びP7は同じでも異なってもよく、各々R11
と同一の内容を表わす。但し、R6とR7のいずれか一方に
は、少なくともフッ素原子又はケイ素原子含有の置換基
が選ばれる。
L1が−(CH22SO2P8の場合、P8はCH2n1CF2m
1CF2H基、CH2n2Cm2H2m2+1基又は 基を表わし、その内容は前記したR11におけるそれぞれ
相応する内容と同様の内容を表わす。
L1の場合、V1は、フッ素原子及びケイ素原子を含む置換基
を含有する、環状イミド基を形成する有機残基を表わ
す。具体的には、形成される環状イミド環残基として、
マレイン酸イミド基、グルタコン酸イミド基、コハク酸
イミド基、フタル酸イミド基等が挙げられる。又、フッ
素原子及び/又はケイ素原子を含む置換基としては、上
記P8で示される炭化水素基、及び−S−P9基(P9はP8
同一の内容を表わす)等が挙げられる。
本発明の好ましい態様の1つとして、ヒドロキシル基
生成官能基が挙げられ具体的には下記一般式(III)〜
(IV)が挙げられる。
一般式(III) −O−L2 式(III)中、L2を表わす。P3、P4、P5は、前記の記号と同一のものを表
わす。
一般式(IV) 式(IV)中、R3、R4は、互に同一でも異なってもよ
く、水素原子又はR11と同一の内容の基を表わす。但
し、R3とR4の少なくともいずれか一方は、フッ素原子及
び/又はケイ素原子含有の置換基から選ばれる。
V2はヘテロ原子を介してもよい炭素−炭素結合を表わ
す(但し、酸素原子間の原子数は5個以内である)。
一般式(V) 式(V)中、V2、R3、R4は上記定義通りである。
本発明の一般式(II)〜(V)で表わされる官能基に
ついて具体的例を以下に述べる。但し本発明の範囲は、
これらに限定されるものではない。
(14)−SO2−O−CF3 (15)−SO2−OCH22SO2CF3 (16)−SO2OCH22SO2CH2CF3 (17)−SO2−OCH22SO2(CH22C3F7 (24)−O−Si(C2H5 前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法
において用いられる一般式(II)〜(V)の官能基を含
有する共重合体成分について更に具体的に述べると、例
えば下記一般的(VI)の如き成分が挙げられる。但しこ
れらの共重合体成分に限定されるものではない。
一般式(VI) 式(VI)中、X′は、−O−,−CO−、−COO−、−OCO
−、 −SO2−、 −CH2COO−、−CH2OCO−、 芳香族基、又はヘテロ環基を示す〔但し、e1、e2、e3
e4は、各々水素原子、炭化水素基、又は式(VI)中の
Y′−W〕を表わし、f1、f2は同じでも異なっていても
よく、水素原子、炭化水素基又は式(VI)中の−〔Y′
−W〕を表わし、lは0〜18の整数を示す。〕。
Y′は、結合基X′と結合基〔W〕を連結する、ヘテ
ロ原子を介していてもよい炭素−炭素結合を表わし(ヘ
テロ原子としては、酸素原子、イオウ原子、窒素原子を
示す)、 例えば CH=CH、−O−、−S−、 −COO−、−CONH−、−SO2−、−SO2NH−、−NHCOO−、
−NHCONH−等の結合単位の単独又は組合せの構成より成
るものである(但しf3、f4、f5は、各々前記f1、f2と同
義である。) Wは式(II)〜(V)で表わされる官能基を表わす。
c1、c2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子等)、シアノ
基、炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカル
ボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニ
ル基、ヘキシルオキシカルボニル基、メトキシカルボニ
ルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカ
ルボニルメチル基、等の置換されてもよい炭素数1〜12
のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキ
ル、フェニル基、トリル基、シリル基、クロロフェニル
基等のアリール基等)、又は式(VI)中の−W基を含む
置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜18のアルキ
ル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基、芳香族
基を示す)を表わす。
又、式(VI)中の〔−X′−Y′−〕結合残基は 部と−Wを直接連結させてもよい。
Wは、一般式(II)〜(V)で表わされる記号内容を
表わす。
上記の如き親水性基生成官能基を含有する重合成分は
Aブロック中に2種以上含有されていてもよく、その場
合における該2種以上の親水性基生成官能基含有成分は
Aブロック中においてランダム共重合又はブロック共重
合のいずれの態様で含有されていてもよい。
また、親水性基生成官能基を含有しない成分がAブロッ
ク中に含まれていてもよく、該成分の例としては一般式
(I)で示される成分等があげられる。かかる親水性基
生成官能基非含有成分の含有量はAブロック中好ましく
は0〜50重量%、より好ましくは0〜20重量%であり、
最も好ましくは、かかる非含有成分はAブロック中に含
まれない。
また、Aブロック中に含まれる他の成分は多くても30
重量%以下が好ましい。
次に、本発明のA-Bブロック共重合体のBブロックを
構成する部分について説明する。
Bブロックは、少なくとも一般式(I)で表わされる
繰り返し単位を含有する。
一般式(I) 一般式(I)において、X1は−COO−、−OCO−、CH
2nOCO−、CH2mCOO−、−O−、SO2−、 を表わす。
但し、n,mは各々1〜4の整数を表わす。
d1は水素原子のほか、好ましい炭化水素基としては、
炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基(例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、
ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエチル
基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メ
トキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3
−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の置換されても
よいアルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニ
ル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル
−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニ
ル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル
基、等)炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基
(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプ
ロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、
クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル
基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチル
ベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8
の置換されてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル
基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチル
エチル基、等)、又は、炭素数6〜12の置換されてもよ
い芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル
基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル
基、オクチルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキ
シフェニル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル
基、デシルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジク
ロロフェニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル
基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル
基、エトキシカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニ
ルフェニル基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミ
ドフェニル基、ドデシロイルアミドフェニル基等)があ
げられる。
X1を表わす場合、ベンゼン環は、置換基を有していてもよ
い。置換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、
臭素原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシ
メチル基、等)アルコキシ基(例えばメトキシ基、エト
キシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられ
る。
a1及びa2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭
素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)、−COO−Z1又は炭化水素を介したCOOZ1(Z1は、水
素原子又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、脂環式基又はアリール基を表わし、これ
らは置換されていてもよく、具体的には、上記d1につい
て説明したものと同様の内容を表わす)を表わす。
上記炭化水素を介した−COO−Z1基における炭化水素
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が
挙げられる。
更に好ましくは、一般式(I)において、X1は−COO
−、−OCO−、CH2OCO−、−CH2COO−、−O−、CONH
−、−SO2NH−又は を表わす。a1,a2は互いに同じでも異なってもよく、水
素原子、メチル基、−COOZ1又は−CH2COOZ1(Z1は、水
素原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等)
を表わす)を表わす。更により好ましくはa1,a2におい
ていずれか一方が必ず水素原子を表わす。
R1は、炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳
香族基を表わす。
具体的には、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘプチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、
ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデ
シル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2
−ヒドロキシルエチル基、2−メトキシエチル基、2−
エトキシエチル基、2−シアノエチル基、3−クロロプ
ロピル基、2−(トリメトキシシリル)エチル基、2−
テトラヒドロフリル基、2−チエニルエチル基、2−N,
N−ジメチルアミノエチル基、2−N,N−ジエチルアミノ
エチル基等)、炭素数5〜8のシクロアルキル基(例え
ばシルロヘプチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチ
ル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル
基(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプ
ロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、
クロロベンジル基、ブロモベンジル基、ジクロロベンジ
ル基、メチルベンジル基、クロロ−メチル−ベンジル
基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、メト
キシベンジル基等)等の脂肪族基が挙げられる。
更に炭素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例
えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニ
ル基、ブロモフェニル基、ジクロロフェニル基、クロロ
−メチル−フェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ
カルボニルフェニル基、ナフチル基、クロロナフチル基
等)等の芳香族基が挙げられる。
式(I)においてR1が脂肪族基の場合、炭素数6〜12
の脂肪族基は、Bブロックの全重合体成分中の20重量%
を越えない範囲で用いることが好ましい。
更には、一般式(I)におけるX1が−COO−である場
合には、Bブロックの全重合体成分中、式(I)で示さ
れる重合体成分が少なくとも30重量%以上含有されるこ
とが好ましい。
Bブロックにおいて、前記一般式(I)で示される重
合体成分は2種以上含有されていてもよく、更にこれら
以外の他の重合体成分を含有していてもよい。Bブロッ
クにおいて2種以上の重合成分が含有される場合には、
該共重合成分はBブロック中においてランダム共重合又
はブロック共重合のいずれの態様で含有されていてもよ
いが、ランダムに含有されることが好ましい。
前記した式(I)で示される繰り返し単位から選ばれ
た重合成分とともにBブロック中に含有され得る他の重
合成分は、これらと共重合する成分であればいずれでも
よい。
他の共重合しうる単量体として例えば、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリ
ルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、イ
タコン酸半エステル類、クロトン酸等の不飽和カルボン
酸類、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物等の環状酸
無水物基含有の単量体類、スチレン及びその誘導体(例
えばビニルトルエン、クロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、ブロモスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カル
ボキシスチレン、スルホスチレン、N,N−ジメチルアミ
ノメチルスチレン等)、複素環ビニル類(例えばビニル
ピリジン、ビニルイミダゾール、ビニルピロリドン、ビ
ニルチオフェン、ビニルピラゾール、ビニルジオキサ
ン、ビニルオキサジン等)等が挙げられる。
これら他の単量体はBブロックの全重合体成分100重
量部中20重量部を越えない範囲で用いられる。
更に、Bブロックでは、上記一般式(I)で示される
共重合成分に加えて、更に、熱及び/又は光硬化性官能
基を含有する共重合成分を1〜20重量%含有すること
が、より大きな機械的強度を得る上で好ましい。
「熱及び/又は光硬化性官能基」とは、熱及び光のう
ちの少なくともいずれかにより樹脂の硬化反応を行なう
官能基をいう。
光硬化性官能基として具体的には、乾英夫、永松元太
郎、「感光性高分子」(講談社、1977年刊)、角田隆
弘、「新感光性樹脂」(印刷学会出版部、1981年刊)、
G.E.Green and B.P.Strak,J.Macro.Sci.Reas.Macro Che
m.,C21(2),187〜273(1981〜82)、C.G.Rattey,「Ph
otopolymiriza-tion of Surface Cootings」(A.Wiley
InterScience Pub.1982年刊)、等の総説に引例された
光硬化性樹脂として従来公知の感光性樹脂等に用いられ
る官能基が用いられる。
また本発明における「熱硬化性官能基」は、前記の酸
性基以外の官能基であって、例えば、遠藤剛、「熱硬化
性高分子の精密化」(C.M.C(株)、1986年刊)、原崎
勇次「最新バインダー技術便覧」第II-I章(総合技術セ
ンター、1985年刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成・
設計と新用途開発」(中部経営開発センター出版部、19
85年刊)大森英三「機能性アクリル系樹脂」(テクノシ
ステム、1985年刊)等の総説に引例の官能基を用いるこ
とができる。
例えば−OH基、−SH基、−NH2基、−NHR3基〔R3は炭
化水素基を表わし、例えば炭素数1〜10の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、2
−クロロエチル基、2−メトキシエチル基、2−シアノ
エチル基等)、炭素数4〜8の置換されてもよいシクロ
アルキル基(例えばシクロヘプチル基、シクロヘキシル
基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基
(例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロ
ピル基、クロロベンジル基、メチルベンジル基、メトキ
シベンジル基等)、置換されてもよいアリール基(例え
ばフェニル基、トリル基、キシリル基、クロロフェニル
基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル
基等)が挙げられる〕、 −CONHCH2ORb〔Rbは素原子又は炭素数1〜8のアルキル
基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基等)を表わす〕、−N=C
=O基及び {d9、d10は、各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩
素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜4のアルキル基
(例えばメチル基、エチル基等)を表わす}等を挙げる
ことができる。又該重合性二重結合基として、具体的に
はCH2=CH−、CH2=CH−CH2−、 CH2=CH−CONH−、 CH2=CH−NHCO−、CH2=CH−CH2−、NHCO−、CH2=CH−
SO2−、CH2=CH−CO−、CH2=CH−O、CH2=CH−S−等
を挙げることができる。
本発明において、Bブロックに該硬化性官能基の群か
ら選択される官能基を少なくとも1種含有させる方法と
して、重合体に高分子反応で導入する方法、又は該官能
基を1種又はそれ以上含有する1種又はそれ以上の単量
体と前記した一般式(I)の繰り返し単位に相当する単
量体と共重合反応する方法等により得られる。
高分子反応は、従来公知の低分子合成反応の方法をそ
のまま用いることができ、例えば、日本化学会編、「新
実験化学講座14巻、有機化合物の合成と反応〔I〕〜
〔V〕」、(丸善株式会社刊)、岩倉義男、栗田恵輔著
「反応性高分子」等の総説引例の公知文献等に詳細に記
載されている。
本発明のA-Bブロック共重合体は、従来公知の合成方
法によって製造することができる。例えば有機金属化合
物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイソプロピ
ルアミド、アルキルマグネシウムハライド類等)あるい
はヨウ化水素/ヨウ素系等によるイオン重合反応、ポル
フィリン金属錯体を触媒とする光重合反応、あるいはグ
ループ移動重合反応等の公知の重合反応で合成できる。
例えば、P.Lutz,P.Masson et al,“Polym.Bull."12,7
9(1984)、B.C.Anderson,G.D.Andrewset al.“Macromo
lecules"14,1601(1981)、K.Hatada,K.Ute et al,“Po
lym.J."17,977(1985)、同18,1037(1986)、右手浩
一、畑田耕一「高分子加工」36,366(1987)、東村敏
延、沢本光男「高分子論文集」46,189(1989)、M.Kuro
ki,T.Aida,“J.Am.Chem.Soc."109,4737(1987)、相田
卓三、井上祥平「有機合成化学」43,300(1985)、D.Y.
Sogah,W.R.Hertler et al,“Macromolecules"20,1473
(1987)等に記載の合成方法に従って容易に合成するこ
とができる。
他のA-B型ブロック共重合体の合成法としては、ジチ
オカーバメント化合物等を開始剤とした光イニファータ
ー重合法によって合成することもできる。例えば、大津
隆行「高分子」37,248(1988)、桧森俊一、大津隆一
“Polym.Rep.Jap."37,3508(1988)、特開昭64-111号、
同64-26619号等に記載の合成方法に従って合成される。
本発明のA-Bブロック共重合体の重量平均分子量は好
ましくは1×103〜1×106、より好ましくは5×103
1×105である。
又、本発明のA-Bブロック共重合における親水性基生
成官能基含有の単量体(A)に相当する重合体成分は、
全重合体中の10〜95重量%、特に30〜90重量%であるこ
とが好ましい。又全重合体中における一般式(I)に相
当する重合体成分は5〜90重量%、特に10〜70重量%で
あることが好ましい。更に、全重合体中における上記以
外の他の重合体成分は、多くても30重量%を越えない事
が好ましい。
単量体(A)が10重量%以下あるいは一般式(I)の
重合体成分が90重量%以上となると、オフセット印刷用
原版として不感脂化処理し印刷した際の保水性向上効果
が薄れてしまう。
他方単量体(A)が95重量%以上あるいは一般式
(I)の重合体成分が5重量%以下となると、印刷にお
ける印刷枚数が多くなった時に保水性向上の効果が維持
されなくなってしまう。
本発明の平版印刷用原版における結着樹脂は、本発明
のグラフト型共重合体単独でもよいし他の従来公知の樹
脂と併用してもよい。
併用する樹脂としては、例えば前記で引例した如きア
ルキッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ス
チレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂等があげられ、
具体的には、栗田隆治・石渡次郎、高分子、第17巻、第
278頁(1968年)、宮本晴視、武井秀彦、イメージン
グ、1973(No.8)第9頁等の総説引例の公知材料等が挙
げられる。
好ましくは、無機光導電体として光導電性酸化亜鉛を
用いる電子写真感光体の結着樹脂として知られるメタク
リレートを重合体成分として含有するランダム共重合体
群がその1つとして挙げられる。例えば特公昭50-2242
号、特公昭50-31011号、特開昭50-98324号、特開昭50-9
8325号、特公昭54-13977号、特公昭59-35013号、特開昭
54-20735号、特開昭57-202544号等に記載の樹脂が挙げ
られる。
更に重量平均分子量が2万以下でメタクリレートと酸
性分含有モノマーとのランダム共重合体と重量平均分子
量3万以上の他の樹脂又は、熱及び/又は光で硬化する
化合物との組み合せで構成される結着樹脂(例えば特開
昭63-220148号、特開昭63-220149号、特開平2-34860
号、特開平2-40660号、特開平2-53064号、特開平1-1025
73号等)を併用してもよく、あるいは重量平均分子量が
2万以下でメタクリレート成分含有の重合体であり且つ
その重合体主鎖の片末端に酸性基を含有して成る重合体
と、重量平均分子量3万以上の他の樹脂又は熱及び/又
は光で硬化する化合物との組み合せで構成される結着樹
脂(例えば特開平1-169455号、同1-280761号、同1-2148
65号、同2-874号、特願昭63-221485号、特願昭63-22044
2号、特願昭63-220441号等)を併用してもよい。
本発明のグラフト型共重合体と前記した他の結着樹脂
とを併用する場合その使用割合は任意の割合で用いるこ
とができるが、好ましくは全結着樹脂100重量部中、本
グラフト樹脂の含有割合は0.5重量%〜20重量%、特に
1〜10重量%である。
特に、本発明の樹脂を他の結着樹脂(特に半導体レー
ザー光対応の電子写真特性を満足するもの)と併用した
場合には、本発明の樹脂が光導電層の表面部分に濃縮さ
れてくることが確認され、従って極く少量の使用量で足
りることが判った。
この事により、優れた電子写真特性を維持したまま、
不感脂化処理により親水性基を発現した本発明の樹脂が
表面層の表面部分に効率よく存在し、樹脂の親水化が有
効に達成され、印刷物の画質・地汚れが著しく改善され
ることが可能になった。
即ち、本発明のA-Bブロック共重合体は、フッ素原子
及び/又はケイ素原子を含有する重合体成分(:Aブロッ
ク)と一般式(I)で示される重合体成分(:Bブロッ
ク)とから構成されるが、表面層を形成した際に、Aブ
ロックが著しい親油性をもつことから表面層の表面部分
に移行現象が起り、上記の様な少量の使用割合にも拘わ
らず表面層の表面部分に本発明のA-Bブロック共重合体
が濃縮して存在できる様になると推定される。更に、本
発明の親水性基生成官能基を含むAブロックを含む共重
合体は不感脂化液あるいは印刷時用いる湿し水により加
水分解あるいは加水素分解、光分解されて親水性基を生
成する。
従って、前述の如く該共重合体を平版印刷用原版の樹
脂として用いると、不感脂化液により親水化される非画
像部の親水性が、樹脂中に生成される上記親水性基を含
有するAブロックが表面層の表面部分に濃縮して存在す
ることにより一層高められるため、画像部の親油性と非
画像部の親水性が明確となり、印刷時に非画像部に印刷
インキが付着するのを防止する。
一方、前記の如く、エッチング処理及び印刷機上での
印刷中の湿し水により分解して生成した親水性基含有の
本発明の樹脂はA-Bブロック共重合体であることから、
一般式(I)で示されるBブロックは、親油性であり、
表面層中の他の樹脂との相互作用が著しく強くなること
から、このBブロックがアンカーとして作用し、溶解し
て溶出することを防止する効果を有する。従って、多数
枚の印刷を行なっても、非画像部の親水性が維持され、
高耐刷が可能となる。
より好ましい態様で言うならば、環境条件の変動によ
っても良好な電子写真特性を示すあるいは半導体レーザ
光を光源とするスキャニング露光方式のシステムでも良
好な電子写真特性を示す結着樹脂を用いて優れた電子写
真特性を示し且つ、複写画像の原画再現性が良好な光導
電層に、これらの性能を全く損なうことのない使用量で
本発明のA-Bブロック共重合体を表面層として光導電層
の最上層に用いることで親水性向上の効果が変らず維持
できること、あるいは印刷機の大型化あるいは印圧の変
動等印刷条件が厳しくなった場合でも地汚れのない鮮明
な画質の印刷物を多数枚印刷することが可能となる。
親水化可能な表面層自体の強度、電子写真感光層との
接着性あるいは電子写真特性等の改善のために、前記し
た本発明の樹脂以外の樹脂を添加したり、架橋剤あるい
は可塑剤等を添加してもよい。
架橋剤としては、通常用いられる有機過酸化物、金属
セッケン、有機シラン、ポリウレタンの如き架橋剤、エ
ポキシ樹脂の如き硬化剤等を用いることができる。具体
的には、山下普三・金子東助編「架橋剤ハンドブック」
大成社刊(1981年)等に記載されている。
更に、親水化可能な表面層は、トナー現像時の現像特
性、トナー像の接着性あるいは親水化処理後の保水性な
どを向上させる目的で、その表面が機械的にマット化さ
れていたり、層にマット剤が含有されていてもよい。マ
ット剤としては、二酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化ジルコニウム、ガラス粒子、アルミナ、クレーなど
の充填剤や、ポリメチルメタアクリレート、ポリスチレ
ン、フェノール樹脂などの重合体粒子などが例示でき
る。
該表面層を構成する場合に重要な事は、前記の如く、
不感脂化処理後非画像部が充分に親水性に変化すること
である。
即ち、この親水性は、例えば、水に対する接触角を測
定することによって確認することができる。不感脂化処
理を行なう以前の表面層(親水化可能層)の表面の水に
対する接触角は約60°〜120°であるが、不感脂化処理
後はそれは約5°〜20°にまで低下し、水に非常によく
濡れるようになる。このため、印刷版は親油性トナーか
らなる画像部と高度に親水性の非画像部とをその表面に
形成していることになる。従って、不感脂化処理後の表
面層が水との接触角で20度以下になる様にすればよい。
本発明においては、従来のものに比べその親水性が更
に良好である点で特に優れている。
本発明に用いられる電子写真感光層(光導電層)に
は、無機の光導電性化合物、有機の光導電性化合物を問
わず、あらゆる光導電性物質が使用できる。
無機光導電性物質としては、例えば、酸化亜鉛、酸化
チタン、硫化亜鉛、セレン、セレン合金、硫化カドミウ
ム、セレン化カドミウム、シリコンなどがあげられ、こ
れらは結着性樹脂とともに光導電層を形成してもよい
し、また、蒸着あるいはスパッタリング等により単独で
光導電層を形成してもよい。有機の光導電性物質として
は、例えば高分子のものでは、以下の(1)〜(5)の
ものを挙げることができる。
(1)特公昭34-10966号公報記載のポリビニルカルバゾ
ールおよびその誘導体、 (2)特公昭43-18674号公報、特公昭43-19192号公報記
載のポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ
−2−ビニル−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)
−5−フェニル−オキサゾール、ポリ−3−ビニル−N
−エチルカルバゾールなどのビニル重合体、 (3)特公昭43-19193号公報記載のポリアセナフチレ
ン、ポリインデン、アセナフチレンとスチレンの共重合
体などのような重合体、 (4)特公昭56-13940号公報などに記載のピレン−ホル
ムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド樹
脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂などの
縮合樹脂、 (5)特開昭56-90833号、同56-161550号公報に記載さ
れた各種のトリフェニルメタンポリマー。また低分子の
ものでは例えば以下の(6)〜(18)のものを挙げるこ
とができる。
(6)米国特許第3112197号明細書などに記載されてい
るトリアゾール誘導体、 (7)米国特許第3189447号明細書などに記載されてい
るオキサジアゾール誘導体、 (8)特公昭37-16096号公報などに記載されているイミ
ダゾール誘導体、 (9)米国特許第3615402号、同第3820989号、同354254
4号、特公昭45-555号、特公昭51-10983号、特開昭51-93
224号、特開昭55-17105号、特開昭56-4148号、特開昭55
-108667号、特開昭55-156953号、特開昭56-36656号明細
書、公報などに記載のポリアリールアルカン誘導体、 (10)米国特許第3180729号、同第4278746号、特開昭55
-88064号、特開昭55-88065号、特開昭49-105537号、特
開昭55-51086号、特開昭56-80051号、特開昭56-88141
号、特開昭57-45545号、特開昭54-112637号、特開昭55-
74546号明細書、公報などに記載されているピラゾリン
誘導体およびピラゾロン誘導体、 (11)米国特許第3615404号明細書、特公昭51-10105
号、特開昭54-83435号、特開昭54-110836号、特開昭54-
119925号、特公昭46-3712号、特公昭47-28336号明細
書、公報などに記載されているフェニレンジアミン誘導
体、 (12)米国特許第3567450号、特公昭49-35702号、西独
国特許(DAS)1110518号、米国特許第3180703号、米国
特許第3240597号、米国特許第3658520号、米国特許第42
32103号、米国特許第4175961号、米国特許第4012376
号、特開昭55-144250号、特開昭56-119132号、特公昭39
-27577号、特開昭56-22437号明細書、公報などに記載さ
れているアリールアミン誘導体、 (13)米国特許第3526501号明細書記載のアミノ置換カ
ルコン誘導体、 (14)米国特許第3542546号明細書などに記載のN,N−ビ
カルバジル誘導体、 (15)米国特許第3257203号明細書などに記載のオキサ
ゾール誘導体、 (16)特開昭56-46234号公報などに記載のスチリルアン
トラセン誘導体、 (17)特開昭54-110837号公報などに記載されているフ
ルオレノン誘導体、 (18)米国特許第3717462号、特開昭54-59143号、特開
昭55-52063号、特開昭55-52064号、特開昭55-46760号、
特開昭55-85495号、特開昭57-11350号、特開昭57-14874
9号各明細書、公報などに開示されているヒドラゾン誘
導体。
これらの光導電性物質は、場合により2種類以上併用
することもできる。
これらの光導電性物質の中では、ポリ−N−ビニルカ
ルバゾール;トリ−p−トリルアミンおよびトリフェニ
ルアミンなどの如きトリアリールアミン;4,4′−ビス
(ジエチルアミン)−2,2′−ジメチルトリフェニルメ
タンなどの如きポリアリールメタン;および3−(4−
ジメチルアミノフェニル)−1,5−ジフェニル−2−ピ
ラゾリンなどの如きピラゾリン誘導体で代表される不飽
和の複素環含有化合物等が好ましく用いられる。
組合せ得る結合剤としては、従来知られている全ての
ものが利用できる。代表的なものは塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合物、スチレン−ブタジエン共重合物、スチレ
ン−ブチルメタクリレート共重合物、ポリメタクリレー
ト、ポリアクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブ
チラール、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ
樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリエステル樹脂等であ
る。また、水性のアクリルエマルジョン、アクリルエス
テルエマルジョンと組合わせることも可能である。
結合剤として有用な特定の重合体物質の例について
は、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclos
ure)、109巻、61-67頁の「電子写真要素、材料および
方法」という題名の下に記載されている。
一般に、本発明に用いられる光導電性組成物に存在さ
せる結合剤の量は変更可能である。代表的には結合剤の
有用な量は、光導電性材料と結合剤の混合物の全量に対
して、約10ないし約90重量%の範囲内である。
更に、分光増感剤として従来公知の化合物を添加する
ことができる。例えば、キサンテン系色素、トリフェニ
ルメタン系色素、アジン系色素、フタロシアニン系色素
(含金属)、ポリメチン系色素等が挙げられ、具体的に
は、宮本晴視、武井秀彦編、「イメージング」1973(N
o.8),2;C.J.Young,R.C.A Review 15,469(1954);清
田航平等、電気通信学会論文誌J63-C(No.2)、97(198
0);原崎勇次等、工業化学雑誌、66、78及び188(196
3);谷忠昭、日本写真学会誌、35、208(1972);Resea
rch Disclosure,1982年216,117〜118;総合技術資料集
「最近の光導電材料と感光体の開発・実用化」日本科学
情報(株)出版部刊(1986年)等の総説引例の公知材料
等があげられる。
光導電層は、一層から形成されていてもよいが、二層
以上の多層から形成されていてもよい。
多層である場合には、例えば、前記の無機光導電体ま
たはフタロシアニン顔料、アゾ顔料などの有機顔料及び
必要により加えられる結着性樹脂からなる電荷発生層
と、前記した高分子化合物や低分子化合物及び結着性樹
脂からなる電荷搬送層とを積層した、いわゆる機能分離
型の光導電性層の形態のものが考えられる。
本発明に用いられる光導電層は、通常用いられる公知
の支持体上に設けることができる。一般に言って電子写
真感光層の支持体は、導電性であることが好ましく、導
電性支持体としては従来と全く同様、例えば、金属、
紙、プラスチックシート等の基体に低抵抗性物質を含浸
させるなどして導電処理したもの、基体の裏面(感光層
を設ける面と反対面)に導電性を付与し、更にはカール
防止を図る等の目的で少なくとも1層以上をコートした
もの、前記支持体の表面に耐水性接着層を設けたもの、
前記支持体の表面層に必要に応じて少なくとも1層以上
のプレコート層が設けられたもの、Al等を蒸着した基体
化プラスチックを紙にラミネートしたもの等が使用でき
る。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、「電子写真」14,(No.1),第2〜11頁
(1975);森賀弘之「入門特殊紙の化学」高分子刊行会
(1975);M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.,A-4
(6)、第1327〜1417頁(1970)等に記載されているも
の等を用いることができる。
適当な支持体上の光導電性組成物の塗布厚は、広く変
えることができる。普通は、約10ミクロンから約300ミ
クロン(但し、乾燥前)の範囲内で塗布することができ
る。乾燥前の塗布厚の好ましい範囲は、約50ミクロンな
いし約150ミクロンの範囲内であることがわかった。し
かし、この範囲をはずれても有益な結果を得ることがで
きる。この塗布物を乾燥させた場合の厚さは、約1ミク
ロンから約50ミクロンの範囲内であればよい。
本発明の親水化可能な表面層の厚さは10μm以下であ
り、特にカールソンプロセス用としては0.1〜5μmで
あることが好ましい。
5μmより厚いと、平版印刷用原版の電子写真用感光
体としての感度の低下や残留電位が高くなるといった不
都合が生じ得る。
実際に本発明の平版印刷用原版を作るには、一般的
に、まず常法に従って導電性支持体上に電子写真感光層
(光導電層)を形成する。次いで、この層の上に、本発
明の樹脂、更には必要により前記した添加剤等を沸点が
200℃以下の揮発性炭化水素溶剤に溶解又は分散し、こ
れを塗布・乾燥することによって製造することができ
る。用いる有機溶剤としては、具体的にはとくにジクロ
ロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、テト
ラクロロエタン、ジクロロプロパンまたはトリクロロエ
タンなどの如き、炭素数1〜3のハロゲン化炭化水素が
好ましい。その他クロロベンゼン、トルエン、キシレン
またはベンゼンなどの如き芳香族炭化水素、アセトンま
たは2−ブタノン等の如きケトン類、テトラヒドロフラ
ンなどの如きエーテルおよびメチレンクロリドなど、塗
布用組成物に用いられる各種の溶剤および上記溶剤の混
合物も使用可能である。
以上の如くして得られた原版を、通常の電子写真法に
従って該原版上にトナー像を形成する。これを不感脂化
処理液(例えば、酸性又はアルカリ性の水溶液あるいは
還元剤を溶解した水溶液など)で処理して非画像部を親
水性に変えることにより印刷版を得ることができる。
このように、本発明における親水化可能層を用いれ
ば、従来公知のあらゆる電子写真感光体が、高品質の平
版印刷用原版として使用が可能となる。親水化可能層
は、親水処理後、高い親水性と耐水性が両立する皮膜で
あり、また、トナー画像との接着性も極めて良好で、し
たがって得られた平版印刷用原版は地汚れの発生が非常
に抑制されるとともに、高い耐刷性を有する。
さらに、本発明の印刷版は電子写真感光層本来の感度
をほとんどそのまま維持することができるので、従来の
電子写真製版用の印刷原版に比べ飛躍的に高感度な印刷
原版が得られる。また、従来はひとつの層で光導電性と
親水化が可能であるという性質を持たねばならないた
め、酸化亜鉛など限られた材料しか使用できなかった
が、本発明の印刷原版では光導電層と親水化可能層に機
能が分離しているので、光導電層の選択の範囲が広が
り、したがって、たとえば長波長光領域に高感度な材料
を選択すれば、従来不可能であったHe-Neレーザーや半
導体レーザーにより書き込みが可能となる。
また、本発明の印刷原版では、非画像部の親水化が、
親水化処理液に数秒間浸漬するだけでできるので、小
型、簡易な装置で製版が可能となる。
本発明の平版印刷用原版を用いた印刷版の作製は、上
記した構成から成る電子写真用原版に常法により複写画
像を形成後、非画像部を不感脂化処理する事で作製され
る。本発明の分解により親水性基を生成する官能基含有
の本発明の樹脂を不感脂化する(即ち親水性の発現)方
法としては、処理液を通すことで加水分解する方法ある
いは光照射処理して分解する方法が挙げられる。
該処理液は所定のpHに調節するpH調整剤を含有する水
溶液であり、設定するpHは、本発明の親水性基生成官能
基の種類によって異なり、pH1〜13まで適宜用いること
ができる。
更に、他の化合物を含有してもよく、例えば水に可溶
性の有機溶媒を水100重量部中に1〜50重量部含有して
もよい。このような水に可溶性の有機溶媒としては、例
えばアルコール類(メタノール、エタノール、プロパノ
ール、プロパギルアルコール、ベンジルアルコール、フ
ェネチルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチル
エチルケトン、アセトフェノン等)、エーテル類(ジオ
キサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、テトラヒドロピラン等)、アミド類(ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)エステル
類(酢酸メチル、酢酸エチル、ギ酸エチル等)等が挙げ
られ、これらは単独又は2種以上を混合して用いてもよ
い。
また、界面活性剤を水100重量部中に0.1〜20重量部含
有してもよい。界面活性剤としては、従来公知のアニオ
ン性、カチオン性あるいはノニオン性の各界面活性剤が
挙げられる。例えば、堀口博「新界面活性剤」三共出版
(株)、(1975年刊)、小田良平、寺村一広、「界面活
性剤の合成とその応用」槙書店(1980年刊)等に記載さ
れる化合物を用いることができる。
本発明の範囲は、上記した具体的化合物例に限定され
るものではない。
処理の条件は、温度15〜60℃で浸漬時間は10秒〜5分
間が好ましい。
本発明の樹脂中の特定の官能基を光照射で分解する方
法としては、製版におけるトナー画像を得た後のいずれ
かの間で「化学的活性光線」で光照射する行程を入れる
様にすればよい。即ち、電子写真現像後、トナー画像の
定着時に定着を兼ねて光照射を行ってもよいし、或いは
従来公知の他の定着法、例えば加熱定着、圧力定着、溶
剤定着などにより定着した後、光照射を行うものであ
る。
本発明に用いられる「化学的活性光線」としては、可
視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、γ線、α線
などいずれでもよいが、好ましくは紫外線が挙げられ
る。より好ましくは波長310nmから波長500nmの範囲での
光線を発しうるものが好ましく、一般には高圧あるいは
超高圧の水銀ランプ等が用いられる。光照射の処理は通
常5cm〜50cmの距離から10秒〜10分間の照射で充分に行
うことができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。
本発明の樹脂:GP-1の合成 エチルメタクリレート100g、及びベンジル−N,N−ジ
エチルジチオカルバミン酸エステル5.0gの混合溶液を窒
素気流下に温度50℃に加温した。これに、400W高圧水銀
灯を10cmの距離から、6時間光照射し、重合させた。こ
の反応物をテトラヒドロフラン500mlに溶解した後メタ
ノール2l中に再沈し、沈降物を補集し、乾燥した。
次に、上記の重合体30g、トリ(i−プロピル)シリ
ルメタクリレート20g及びテトラヒドロフラン33.3gの混
合溶液を窒素気流下に温度50℃に加温した。この溶液
に、上記と同じ光照射条件で16時間光照射し重合させ
た。この反応物にテトラヒドロフラン80gを加え、溶解
させた後、メタノール1.0l中に再沈し再沈降物を補集
し、乾燥した。得られた共重合体の重量平均分子量は、
4.5×104であった。
樹脂GP-1: w 4.5×104(重量比) (bはブロック結合を表示する) 実施例1 有機光導電性物質として、4,4′−ビス(ジエチルア
ミノ)−2,2′−ジメチルトリフェニルメタン5g、ビス
フェノールAのポリカーボネート(GE社製、商品名 レ
キサン121)5g、下記構造式の分光増感色素(A)40m
g、化学増感剤として、下記構造式のアニリド化合物
(B)0.2gとをメチレンクロライド30mlとエチレンクロ
ライド30mlとの混合物に溶解し、感光液とした。
この感光液を、ワイヤーラウンドロッドを用いて導電
性透明支持体(100μmのポリエチレンテレフタレート
支持体上に、酸化インジウムの蒸着膜を有する。表面抵
抗103Ω)上に塗布して約4μmの感光層を有する有機
薄膜を得た。
先に得た電子写真感光体の表面に、下記構造の結着樹
脂GP-1とポリ(メチルメタクリレート)の(1/9)重量
比の樹脂の5重量%トルエン溶液をドクターブレードで
塗布して約2μmの表面層を形成した。
w 4.5×104(重量比) (bはブロック結合を表示する) この感光材料を、0.5モル/l濃度のホウ酸水溶液を不感
脂化処理液として用い、5分間この溶液中に浸漬して、
不感脂化処理した。
これに蒸留水2μlの水滴を乗せ、形成された水との
接触角をゴニオメーターで測定した所10°以下であっ
た。尚、不感脂化処理前の接触角は、85°であり、明ら
かに、本感光材料の表面層が非常に良好に親水化された
ことを示す。
この様にして得た原版を、負荷電性の液体現像剤を用
いて全自動製版機ELP404V(富士写真フィルム(株)
製)で製版して、トナー画像を形成し、上記と同条件で
不感脂化処理しこれをオフセットマスターとして、オフ
セット印刷機(桜井製作所(株)製、オリバー52型)に
かけ上質紙上に印刷した。
印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問題を
生じないで印刷できる枚数は、5000枚であった。
実施例2 下記構造式のビスアゾ顔料5g、テトラヒドロフラン95
g及びポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業社製:
デンカブチラール#4000-1)の5重量%テトラヒドロフ
ラン溶液30gの混合物をボールミルで充分に粉砕した、
次いで、この混合物を取り出し、撹拌下、テトラヒドロ
フラン520gを加えた。この分散物をワイヤーラウンドロ
ッドを用いて実施例1で用いた導電性透明支持体上に塗
布して約0.7μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記構造式のヒドラゾン化合物20g、ポリカー
ボネート樹脂(GE社製、商品名レキサン121)20g及びテ
トラヒドロフラン160gの混合溶液をワイヤーラウンドロ
ッドを用いて上記電荷発生層の上に塗布して約18μmの
電荷輸送層を形成し、2層から成る感光層を有する電子
写真感光体を得た。
下記構造の結着樹脂GP-2、〔メチルメタクリレート/メ
チルアクリレート(7/3)重量比〕共重合体、シリカゲ
ルを〔5/90/5〕重量比とした5重量%トルエン混合物
を、超音波で5分間分散した分散液を上記感光層上にド
クターブレードで塗布して約2μmの表面層を形成し
た。
この様にして作製した感光材料をペーパーアナライザ
ー(川口電機製、SP-428)で‐6kVに帯電し、初期電位
(V0)、暗電荷保持率(D.R.R.)及び光減衰露光量(E1
10)を測定した所、各々V0=−500V、D.R.R.=83%及
びE1 10=15.0[1ux・sec]であった。
更に、これを実施例1と同様に、全自動製版機ELP404
VでELP-Tトナーを用いて製版した所、得られたオフセッ
ト印刷用マスタープレートの濃度は1.0以上で画質は鮮
明であった。更に、エッチング処理をして、印刷機で印
刷した所、5000枚印刷後の印刷物は、非画像部のカブリ
がなく、画像も鮮明であった。
実施例3 結着樹脂GP-3、〔メチルメタクリレート/グリシジル
メタクリレート/アクリル酸(89/10/1)重量比〕共重
合体シリカゲル及び無水フタル酸を〔5/90/5/0.01〕重
量比とした5重量%トルエン混合物を超音波で10分間分
散した分散液を、実施例1で得た電子写真感光体の表面
にドクターブレードで塗布し、温度80℃で30分間、更に
100℃で1時間乾燥し、膜厚約2μmの表面層を形成し
た。
この様にして作製した平版印刷用原版を実施例1と同
一の条件で操作し、印刷した。印刷物の非画像部の地汚
れ及び画像部の画質に問題を生じないで印刷できる枚数
は6000枚以上であった。
実施例4 〔メチルメタクリレート/エチルメタクリレート/ア
クリル酸(39/60/1重量比)〕共重合体(重量平均分子
量42000)45g、酸化亜鉛200g、ローズベンガル0.03g、
テトラブロムフェノールブルー0.02g、無水フタル酸0.1
5g及びトルエン300gの混合物を、ボールミル中で2時間
分散して感光層形成物を調整し、これを導電処理した紙
に乾燥付着量が25g/m2となるようにワイヤーバーで塗布
し、100℃で1分間乾燥した。
実施例3で用いた、表面層用分散物を、上記の感光体
の上層にドクターブレードで塗布し、温度100℃で30秒
間乾燥し、続いて110℃で2時間加熱し、膜厚約2.1μm
の表面層を形成した。
ついで暗所で、20℃、65%RHの条件下で24時間放置す
ることにより電子写真感光材料を作製した。
この感光材料をペーパーアナライザーで−6kVに帯電
し、初期電位(V0)−520V、暗電荷保持率(D.R.R.)85
%、及び光減衰露光量(E1 10)13.0[1ux.sec]の値
を各々得た。
更に、これを実施例2と同様にして製版し、得られた
オフセット印刷用マスタープレートの濃度は1.0以上で
画質は鮮明であった。
更に、エッチング処理して、印刷機で印刷した所、50
00枚印刷後の印刷物は、非画像部のカブリがなく、画像
は鮮明であった。
実施例5〜14 実施例4において、表面層に用いる本発明の樹脂GP-3
の代わりに表−1に記した各樹脂を用いた他は、実施例
4と同様にして感光材料を作製した。
これを実施例1と同様の装置で製版した所、得られた
オフセット印刷用マスタープレートの濃度は1.0以上で
画質は鮮明であった。更にエッチング処理して印刷機で
印刷した所、5000枚印刷後の印刷物は、カブリのない鮮
明な画質であった。
更に、この感光材料を45℃、75%RHの条件下に放置し
た後、上記と全く同様の処理を行なったが、経時前と全
く変わらなかった。
(発明の効果) 以上のことから、本発明の樹脂を含有する親水化可能
層を表面層に有する平版印刷用原版は、親水化処理後、
高い親水性と耐水性とが両立する皮膜であり、しかもト
ナー画像との接着性も極めて良好であるため、得られる
平版印刷用原版は、地汚れ及び耐刷性の両面において優
れた品質を有する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に少なくとも1層の光導電
    層を設け、更にその最上層に表面層を設けてなる電子写
    真感光体を利用した平版印刷用原版において、該表面層
    の結着樹脂が、フッ素原子及びケイ素原子のうちの少な
    くともいずれか一方を含有する、分解によりスルホ基、
    ホスホノ基、カルボキシル基及びヒドロキシル基のうち
    の少なくとも1つの基を生成する官能基を含有する一官
    能性単量体(A)に相当する重合体成分を含有するAブ
    ロックと、下記一般式(I)で示される重合体成分を少
    なくとも含有するBブロックとから構成されるA-Bブロ
    ック共重合体を少なくとも1種含有することを特徴とす
    る平版印刷用原版。 一般式(I) 式(I)中、X1は−COO−、−OCO−、CH2nOCO−、
    CH2mCOO−、−O−、SO2−、−CO−、 −CONHCOO−、−CONHCONH−、又は を表わす。(d1は、水素原子又は炭化水素基を表わす。
    n,mは各々1〜4の整数を表わす)。 R1は炭素数1〜18の脂肪族基又は炭素数6〜12の芳香族
    基を表わす。 a1,a2は互いに同じでも異なってもよく、水素原子、シ
    アノ基、炭化水素基、−COO−Z1又は炭化水素を介した
    −COO−Z1(Z1は水素原子又は置換されてもよい炭化水
    素基を示す)を表わす。
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