JP2631910B2 - ポリマー二次電池用ポリピロール成形体およびその製造方法 - Google Patents

ポリマー二次電池用ポリピロール成形体およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、改良されたポリマー二次電池用電極に適し
たポリピロール成形体およびその製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一般に導電性重合体は、高い導電度を示すことに加え
て、電気化学的に酸化・還元される性質を有することが
知られている。そして、導電性重合体の酸化・還元反応
に伴って、それに含まれる対イオンの出入りが起こるこ
とが知られている。この機能を用いることにより電極と
して利用され、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリア
ニリンなどを用いた電極が提案されている。
しかしながら、従来提案されている導電性重合体をこ
れらの電極として用いる場合、高い電流密度での充放電
ができなかったり、高い充放電容量が得られなかったり
する問題点を有している。これらの問題点を解決する目
的で特開昭63−48749号公報に全波整流電圧の印加によ
り重合して得た電極が開示され、特開昭63−48750号公
報に非対称電圧の印加により重合して得た電極が開示さ
れている。これらの提案においては、従来の定電流、定
電位重合では生成した導電性重合体の各部に於ける性状
が均一性を欠き、これを電池の電極に用いた場合、電池
反応が電極の一部に集中して生じることから、充電電圧
が早期に上昇しやすく、電池の充放電容量の低下を招く
のに対して、これらの方法を用いて重合した導電性重合
体ではこのような欠点が除かれるとしている。
しかしながら、この方法でも薄膜の場合には有効であ
るが、厚膜では効果が充分ではない。すなわち、充放電
は対イオンの出入りを伴うため、膜表面近傍の充放電は
円滑に進行するが、膜内部では対イオンの拡散が円滑に
進行しないため充放電が表面近傍に集中する欠点は充分
には改善されているとはいい難い。一般に二次電池では
小さい面積で高い充放電容量を得たいために、厚いフィ
ルムとして100μm以上、場合によっては1mmの膜厚のフ
ィルムを用いている。従って、このような膜厚を用いる
二次電池では、たとえ上記のような改良された電極を用
いても充分な充放電容量を得ることは難しい。特に、高
い電流密度で放電する場合は、このような傾向が著し
い。
一般、特開昭62−2468号公報に、あらかじめイオン半
径の大きいイオンを有する導電性ポリマー膜を作成し、
電池に組み込むにあたりイオン半径の小さいイオンを電
解質として用いる提案がなされている。この方法は、対
イオンのサイズを小さくすることによりイオンの出入り
を円滑にし、その結果充放電を円滑にする目的で提案さ
れたものである。
しかしながら、この場合でも本明細書に開示されてい
るポリアセチレンのようにフィブリル状で空隙率の高い
粗なフィルムの場合は電解質が内部まで容易に拡散・浸
透するためある程度は有効であるが、ポリピロールの様
に密なフィルムでは充分な効果が得られない。本明細書
実施例に開示されている様にピロール環あたり10モル%
の低いドーピングレベルでは、クーロン効率100%が得
られても、ポリピロールの理論ドーピングレベルにあた
るピロール環あたり30モル%程度の高いドーピングレベ
ルの充放電は困難である。すなわち、膜表面では30モル
%ドーピング量に対応する充放電が起こったとしても、
内部は殆ど充放電が起こらず平均すると約10モル%のド
ピングレベルに対応する充放電が起こるに過ぎない。こ
の傾向は、厚膜になればなるほど顕著になる。言い換え
れば厚膜になればなる程、ポリマーフィルム単位重量あ
たりの充放電容量は低下する。これをさらに改良したも
のとして、特開平2−119051号公報記載の発明がある。
この公報においてはピロールの重合時に前述の特開昭62
−2468号公報で使われているサイズよりさらに大きいイ
オンを用いて合成したポリピロールの放電容量の向上に
ついて提案している。しかしこれでも未だ厚膜での高放
電電流密度時の放電容量は、ドープされたポリマーの理
論値から計算される値よりもかなり低いものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、二次電池のかかる欠点に鑑み、高い電流密
度での充放電を可能にし、かつ高い充放電容量を得るこ
とのできるポリピロール成形体の提供を目的とする。
ポリピロールのような密な膜を用いた厚膜の電極でも
円滑に充放電が進行する方法について鋭意検討した結
果、充放電に伴う対イオンの出入り、すなわち陰イオン
の拡散を円滑に進行させるためには、単にポリピロール
を用いて対イオンの移動が均一にできるというだけでは
不充分であり、また、単に大きい対イオンを小さい対イ
オンと交換するだけでは不充分であることがわかった。
そして、あらかじめ大きい対イオンを含むポリピロール
を電解重合を繰り返しながら、言い換えれば対イオンを
出し入れしながら合成を行い、しかるのち電気化学的あ
るいは化学的方法によって小さいイオンに置き換えてや
るとこれらの問題が解決できることを見出し本発明を完
成するに至ったものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、厚さ100μm以上のポリピロール成形体で
あり、当該ポリピロール成形体を正電極とし、白金を負
電極とし、かつリチウム金属を参照電極とし、LiClO4
電解質として三電極電池を構成し、電流密度10mA/cm2
の放電、および3.6Vで定電位充電を行ったときに、放電
完了時には塩素が実質的に存在せず、充電完了時には厚
さ方向の塩素分布がほぼ平坦(均一)(以下「平坦」と
もいう)であって塩素濃度が1.7×10-3モル/g樹脂以上
であるポリピロール成形体である。
本発明は、厚さ100μm以上のポリピロール成形体で
ある。厚さが100μm未満では小さい面積で高い充放電
容量が得られない。ポリピロール成形体の好ましい厚さ
は100〜2000μmである。
本発明の成形体としては、電池様電極、表示素子用電
極、センサー用電極などが挙げられる。
三電極電池とは、正電極と負電極および参照電極の三
つの電極から構成される電池である。放電時には酸化状
態にあるポリピロール成形体が還元されることにより、
正電極から負電極に電流が流れる。逆に充電時には還元
状態にあるポリピロール成形体に電流が流れ込むことに
より、ポリピロール成形体は酸化される。充電の際、参
照電極を置くことにより、正電極電位をポリピロール成
形体の酸化に必要な固有の電位(酸化電位)に、一定に
保つことが可能であり、不必要に高い電位(過電圧)に
なることを防ぐことが可能である。
この三電極電池において、正電極に用いられた本発明
のポリピロール成形体には電流密度10mA/cm2で放電した
とき塩素が実質的に存在しない。またその分布は平坦で
ある。すなわち、放電時には、ポリピロール成形体は還
元されるために、陽イオン型から中性型に変化する。そ
れに伴って、陽イオンを相殺していた陰イオン(対イオ
ン)のClO4 -はポリピロール成形体中から電解液に放出
される。また3.6Vで定電位充電を行ったとき、厚さ方向
の塩素分布がほぼ平坦であって塩素濃度が1.7×10-3
ル/g樹脂以上である。すなわち、充電時には、ポリピロ
ール成形体は酸化するために、中性型から陽イオン型に
変化する。それに伴って、電解液中に存在するClO4 -
成形体中に拡散する。従って、充電が円滑に進行するた
めには、ClO4 -が成形体内部まで円滑に拡散する必要が
ある。れその結果、成形体中の塩素濃度分布は平坦とな
る。拡散が円滑に進行しない場合は成形体表面のみ充電
され、その結果、表面近傍の塩素濃度のみ高くなりその
分布は平坦にならない。一般に電解重合で得られるポリ
ピロール成形体では、ピロール一個あたり約0.3個の割
合で陰イオンが含まれている。ClO4 -の場合には塩素濃
度3.4×10-3モル/g樹脂に相当する。
本発明のポリピロール成形体は三電極電池を構成し前
記定電位充電を行ったとき、厚さ方向の塩素分布がほぼ
平坦である。そして、ポリピロールの塩素濃度が1.7×1
0-3〜3.4×10-3モル/g樹脂である。
塩素濃度が1.7×10-3モル/g樹脂未満では、実用に耐
えるに充分な充放電特性が得られない。言いかえれば、
充分に大きな電気量を取り出すことができないし、ま
た、放電容量に見合った電気量を充電することができな
い。
充放電時の塩素濃度の測定は、元素分析法により行う
ことが可能であり、その分布はX線マイクロアナライザ
ーにより行うことが可能である。
本発明のポリピロール生成体を得るには、まず陰イオ
ンの分子量が150以上でイオンサイズの大きな陰イオン
と陽イオンを含む支持塩とピロールとが均一に溶解した
溶液中に電極基板を浸漬し、定められた少割合の電解重
合を行い、ポリマー二次電池の電極に供するには非常に
薄い膜を形成し、しかるのち還元電位以下でアンドーピ
ング処理を行い、この少割合の電解重合およびアンドー
ピング処理を繰り返して行う。これにより前記支持塩の
イオンがポリピロールから抜け易い陰イオンと、抜けに
くい陰イオンとの不均一ドーピング状態でドープしたポ
リマー二次電池の電極に供するに適した厚さの重合体成
形体が形成される。しかるのち、前記支持塩の陰イオン
よりイオンサイズの充分小さい陰イオン(対イオン)を
前記成形体内に導入・交換させることによって最終的に
本発明のポリピロール成形体が得られる。
本発明のポリピロール成形体を構成するポリピロール
は複素五員環の無置換あるいは置換ピロールからなる共
役系導電性高分子である。置換基を有するものとして、
3位および/または4位がアルキル基、アルコキシ基、
カルボキシ基、カルボキシメチル基などで置換されてい
るものが挙げられる。
ポリピロールは、陰イオンの分子量が150以上でイオ
ンサイズの大きな陰イオンと陽イオンを含む支持塩とピ
ロールとを均一に溶解させた溶液中で重合用電極基板を
浸漬し、電解重合させて得られる。イオンサイズの大き
な陰イオンはポリピロール成形体の製造の際にイオンと
して成形体中に取り込まれるが、アンドーピング処理に
より除去されるものである。
電解重合に用いられる支持塩の陰イオンのイオンサイ
ズは、8Å以上が好ましい。ここで陰イオンのイオンサ
イズは、イオン化原子を含んで、その分子の長軸方向の
長さである。
また支持塩の陰イオンの分子量は150以上であること
が必要である。陰イオンの分子量が150未満ではイオン
サイズが充分大きくなく、ポリピロール成形体中の陰イ
オンの拡散速度が充分に大きくならない。
これらのイオンサイズの大きな支持塩の陰イオンとし
ては、CnF2n+1SO3 -(n=4〜12)で示されるパーフル
オロアルカンスルホン酸イオン、一般式CnH2n+1SO
3 -(n=4〜12)で示されるアルカンスルホン酸イオ
ン、一般式CnF2n+1OSO3 -(n=4〜12)で示されるパー
フルオロアルキル硫酸エステルイオン、一般式CnH2n+1O
SO3 -(n=4〜12)で示されるアルキル硫酸エステルイ
オン、無置換および置換ベンゼンスルホン酸、ナフタレ
ンスルホン酸などのスルホン酸類の各イオンなどが挙げ
られる。また、カルボン酸としては、無置換および置換
安息香酸が挙げられる。これらのうち、より好ましく
は、イオンサイズおよび形状から、ベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、p−tert−ブチルベンゼンス
ルホン酸、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホン
酸、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンス
ルホン酸などのアルキルベンゼンスルホン酸、メトキシ
ベンゼンスルホン酸、5−スルホイソフタル酸、5−ス
ルホイソフタル酸ジメチルエステル、5−スルホイソフ
タル酸ジヒドロキシエチルエステル、ナフタレンスルホ
ン酸などが挙げられる。
これらを構成成分とする支持塩としては、これらの陰
イオンの対カチオンであるテトラメチルアンモニウムイ
オン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピ
ルアンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオ
ンなどのテトラアルキルアンモニウムイオンとの塩、L
i、Na、Kなどのアルカリ金属イオンの塩などが挙げら
れる。
本発明のポリピロール成形体の製造は、まず定められ
た少割合の電解重合を行い、ポリマー二次電池の電極に
供するには非常に薄い膜を形成し、しかるのちアンドー
ピング処理を行う。
当初から100μm以上の厚膜を形成した場合、膜表面
近傍の充放電は円滑に進行するが膜内部では対イオンの
拡散が円滑に進行しないため、電池の電極に供するには
非常に薄い膜を合成しアンドーピング処理を行い、これ
を繰り返しながら電極に供しうる厚さの膜を合成するも
のである。
本発明の電解重合は溶媒中で行われ、溶媒としては、
一般に電気化学反応に用いられる溶媒、例えばアセトニ
トリル、ベンゾニトリル、水、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ニトロベンゼン、テトラヒ
ドロフラン、ニトロメタン、スルホラン、ジメトキシエ
タンなどおよびそのらの混合溶媒が用いられる。
また、電解重合に用いられる電極も特に限定はない
が、電気化学反応に用いられる白金、パラジウム、金、
銅、ニッケル、ステンレス鋼などの金属、またはこれら
に類した導電性材料や炭素材料の電極などが用いられ
る。
本発明において電解重合は、例えば「導電性高分子材
料」(雀部博之監修、シーエムシー、昭和58年発行)、
「新・導電性高分子材料」(雀部博之監修、シーエムシ
ー、1987年発行)、「Handbook of Conducting Polymer
s」(T.A.Skotheim(ed.)、Marcel Dekker、New Yor
k、1986)に開示されている方法によることができる。
本発明における電解重合は、両極間の電位差、すなわ
ち電圧値が時間とともに正と負との間を交互に反復して
変化しかつ正電圧値である期間が大なる対称電圧を印加
した電解重合法による。非対称電圧の印加によってもよ
い。この場合、電解時の電流は零→正→零→負→零とい
うサイクルを繰り返し、零→正→零の期間で電解重合が
おこる。この期間では、電解重合が進行するとともにそ
の前の期間でアンドーピングされたポリピロール重合体
のドーピングが進行する。従って、正電圧期間を大とす
ると、この間に重合、ドーピングの両反応が充分進行す
ることができる。零→負→零の期間では上記の重合は起
こらず、アンドーピングが起きる。上記の操作により、
以上の支持塩の陰イオンがアンドーピングとドーピング
を繰り返し、ポリピロール成形体中にイオンの拡散通路
が形成される。
電解重合時に加える電位は、単量体の酸化還元電位以
上を上限として、また重合体の還元電位以下を下限とし
てその間で行う。印加電位の上限は、好ましくは単量
体、溶媒、支持塩などの副反応が併発しない範囲の、重
合酸化電位以上の電位が用いられる。また、印加電位の
下限は、好ましくは、重合体の還元電位以下の電位が用
いられる。電解時に印加される上限電位は、0.7〜1.5V
(対Ag/AgCl)、好ましくは0.8〜1.2Vが用いられ、下限
電位は−1.5〜−0.3V、好ましくは−1.0〜−0.4Vが用い
られる。陽極に印加する電位を、重合体の酸化電位より
も高い電位と還元電位よりも低い電位の間で昇降させれ
ばイオンの出入りがおこり、単量体の酸化電位の下限以
上になれば重合が起こる。従って、重合体生成とイオン
の出入りのバランスを考えて電位とその保持時間を設定
すればよい。以下このように陽極に印加する電位を時間
とともに上限電位と下限電位との間で変えさせる操作
を、電位を昇降するとよぶ。
陽極に印加する電位の波形には特に制限はないが、一
般には矩形波、三角波、正弦波あるいはそれらを重畳し
た波形が用いられる。
次に重合温度は、−50〜+50℃、好ましくは−40〜+
30℃の範囲が用いられる。その未満の温度では系の粘性
が上がるため極間電圧が上がりすぎて副反応が起こりや
すくなるため好ましくなく、それを超える温度では副反
応が起こるため好ましくない。
少割合の電解重合は、ポリマー二次電池の電極に供す
るには非常に薄い膜、すなわち好ましくは1〜50μm、
より好ましくは5〜30μm、特に好ましくは3〜15μm
の膜が得られる程度の電解重合である。
このような電解重合とアンドーピング処理を繰り返し
て行うことにより、前記支持塩の陰イオンがポリピロー
ルに不均一にドープしているポリマー二次電池の電極に
供するに適した厚さの重合体成形体を形成することがで
きる。
電解重合とアンドーピングを繰り返すことにより二次
電池の膜内部まで対イオンの拡散が容易なポリピロール
成形体を得ることができる。
電解重合とアンドーピング処理の繰り返し周期は10〜
10000秒/サイクルである。電解重合とアンドーピング
処理の繰り返し周期が10秒/サイクル未満では陰イオン
の交換反応が追いつかず、充分な対イオンの出入りが起
こらない。一方この周期が10000秒/サイクルを超える
場合、1サイクル当たりの酸化電位に保持される時間が
長くなるために、1サイクル当たりの重合膜厚が厚くな
り重合体中の陰イオンの出入りが困難となる。
支持塩の陰イオンはアンドーピング処理によってポリ
ピロール成形体中から放出される。その放出のされ易さ
は、成形体中におけるポリピロールの微細構造に依存
し、必ずしも全分子が同じではない。抜け易い陰イオン
が放出される。
ここで得られる重合体成形体は、二次電池の電極に供
するに適した厚さ、すなわち100μm以上、好ましくは1
00〜2,000μmである。
次に得れた重合体成形体を前記支持塩の陰イオンより
イオンサイズの小さい陰イオン(対イオン)を前記成形
体内に導入・交換させて本発明のポリピロール成形体を
得る。
支持塩の陰イオンとそれよりイオンサイズの小さい対
イオンは、そのサイズの差が大きいほど好ましい。
支持塩の陰イオンよりイオンの小さい陰イオンとして
は、NO3 -、HSO4 -、BF4 -、PF6 -、CF3SO3 -、ClO4 -、AsF6 -
を挙げることができる。特に二次電池に用いられる電解
質を考慮した場合、、BF4 -、PF6 -およびClO4 -が特に好
適である。
支持塩の陰イオンをそれよりイオンサイズの小さい陰
イオン(対イオン)でイオン交換する方法としては、交
換用陰イオンを含む電解液中でポリピロール成形体に印
加する電位を昇降させる方法と単に浸漬する方法との2
つの方法が挙げられる。
電位を昇降させる方法は前記重合時の方法と同様の条
件で行えばよい。
浸漬処理方法については、重合体成形体を交換用イオ
ンを含む電解液中に単に浸漬することによって行われ
る。浸漬液中の電解質量は、浸漬した重合体中に含まれ
る陰イオン以上の量が少なくとも必要であるが、好まし
くは5倍以上、さらに好ましくは10倍以上の範囲であ
る。浸漬溶液の攪拌は振とう器、超音波発振器などで行
ってもよいし、無攪拌でもよい。浸漬温度は、イオンの
交換を促進するため高い法が好ましい。しかし温度が高
すぎると副反応などの好ましくない反応が起きるので10
0℃以下、さらに好ましくは50℃以下がよい。重合体中
のイオンがすべて交換するための浸漬時間は、上記浸漬
条件により決まってくる。一般的には1時間〜100時間
好ましくは2時間〜50時間が用いられる。
このようにしてポリピロール中の陰イオンがそれより
イオンサイズの小さい対イオンによってイオン交換され
る。これは重合時の電位の昇降で重合膜中での陰イオン
の拡散が強制的に何回も繰り返し行われるために、陰イ
オンの大きさに対応するイオンの移動通路が膜の厚さ全
体にわたって形成されるかと考えられる。従って、この
形成された通路により、よりイオンサイズの小さい対イ
オンによるイオン交換は起きやすくなるので、本発明の
ポリピロール成形体は前記電気化学的あるいは化学的処
理により少なくとも50%以上置き換えられるものであ
る。この交換容量は、重合電位の印加条件に依存し、還
元電位を低くしたり、1サイクル当たりの重合膜厚を薄
くすれば大きくすることが可能である。
以上のようにして得られた、重合時にポリピロールに
取り込まれた支持塩の陰イオンをそれよりイオンサイズ
の小さな対イオンでイオン交換したポリピロールの電池
特性の評価は次の様に行った。すなわち、得られたポリ
ピロールを正極とし、白金を負極とし、リチウム金属を
参照極(補助参照極としてAg/AgCl極)として、三電極
電池を構成し、1MのLiClO4をプロピレンカーボネートに
溶かした液を電解液として、各電流密度での放電、およ
び3.6V(対Li/Li+、0.6V対Ag/AgCl)での定電位充電を
行った。なお、リチウム金属の参照極は一般に空気や水
に対して不安定なのでAg/AgCl参照極を併用し、実施例
ではAg/AgCl参照極の電位で示した。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 0.1Mのピロール単量体を0.1Mのp−トリエンスルホン
酸テトラエチルアンモニウム塩を1%の水を含むプロピ
レンカーボネートに溶かして電解液を調製した。この電
解液に、陽極として白金板、対極として白金ホイルをそ
れぞれ用いて重合セルとした。
次に第1図に示した波形で、1サイクルあたり上限電
位1.0V(対Ag/AgCl)で300秒保持して重合を行い、電位
昇降速度を5mV/秒で電位を掃引し、下限電位を−1.0V
(対Ag/AgCl)、保持時間0秒とし、電位上昇速度を5mV
/秒で再び上限電位まで電位を掃引して、陽極電位を昇
降しながら白金板上にポリピロールを膜厚100μm(昇
降回数10サイクル)となるまで電解酸化重合した。
ついで重合に使用した電解液を0.1Mの過塩素酸テトラ
エチルアンモニウム塩を含むプロピレンカーボネートに
より置き換え、重合と同じ条件で3回電位の昇降を繰り
返した。次いで、得られたポリピロールフィルムを白金
板とともに正極とし、白金ホイルを負極、リチウム金属
を参照電極(補助参照電極としてAg/AgCl極)とし、1M
のLiClO4をプロピレンカーボネートに溶かした液を電解
液とした三電極電池を作成し、電流密度10mA/cm2での放
電、および3.6V(対LI/Li+、0.6V対Ag/AgCl)で定電位
充電を行った。
得られたフィルムの対イオンの厚さ方向をX線マイク
ロアナライザーにより分析した結果、放電完了時には塩
素は認められず、充電完了時の厚さ方向の塩素分布は第
2図に示すとおり膜中に均一に存在するという平坦な分
布が認められ、塩素濃度は3.1×10-3モル/g樹脂であっ
た。重合時に取り込まれた陰イオンであるp−トルエン
スルホン酸イオンは約85%ClO4 -に置換されていること
がわかった。
また、この三電極電池の電池特性を調べた。ポリピロ
ールの電池特性の測定は、正極電位0.6V(対Ag/AgCl)
の定電位で1時間充電し、続いて1〜10mA/cm2の定電流
で放電して正極電位が−1.0V(対Ag/AgCl)となるまで
放電して、放電容量の変化を調べた。結果を第3表に示
す。第3図から明らかなように、放電電流密度1mA/cm2
における単位重量当たりの放電容量(放電容量密度)
は、91Ah/kgであり極めて高い値を示した。また、10mA/
cm2の高い放電電流密度でも放電容量密度82Ah/kgを維持
した。
実施例2 ピロールの重合時の下限電位を−0.6V(対Ag/AgCl)
とした以外は実施例1と同様に実施して重合時にポリピ
ロールに導入されたp−トルエンスルホン酸イオンをCl
O4 -で交換したフィルムを得た。
この得られたポリピロールフィルムを実施例1と同様
に三電極電池を作成して、電流密度10mA/cm2での放電、
および0.6V(対Ag/AgCl)で定電位充電を行った。
得られたフィルムの対イオンの厚さ方向の分布をX線
マイクロアナライザーにより分析した結果、放電完了時
には塩素は認められず、充電完了時の厚さ方向の塩素分
布は第4図に示すとおり膜中にほぼ均一に存在すること
が認められ、塩素濃度は2.6×10-3モル/g樹脂であっ
た。
また、この三電極電池の電池特性を調べた。ポリピロ
ールの電池特性の測定は、正極電位0.6V(対Ag/AgCl)
の定電位で1時間充電し、続いて1〜10mA/cm2の定電流
で放電して正極電位が−1.0V(対Ag/AgCl)となるまで
放電して、放電容量の変化を調べた。結果を第5図に示
す。第5図から明らかなように、放電電流密度1mA/cm2
における単位重量当たりの放電容量(放電容量密度)
は、90Ah/kgと高い値を示した。
また、10mA/cm2の高い放電電流密度でも放電容量密度
64Ah/kgを維持した。また、上記条件で100回の繰り返し
充放電を行っても、充電容量密度に対する放電容量密度
の比すなわちクーロン効率は約95%を保ち、充放電特性
の顕著な低下は認められなかった。
比較例1 実施例1に示した重合系を用いて、1.0V(対Ag/AgC
l)の陽極電位をかけて膜厚100μmになるまで定電位重
合を行い、その他は実施例1と同じ条件でポリピロール
の対イオン交換を行った。
このフィルムのX線マイクロアナライザー分析の結
果、重合時に導入されたp−トルエンスルホン酸イオン
に由来するイオウ原子は大量に確認されたが、交換した
はずのClO4 -に由来する塩素原子はフィルム表面および
その近傍に多く存在し、p−トルエンスルホン酸イオン
の一部分しか交換されていないことが示された。
また、このフィルムについて実施例1と同様にして三
電極電池を作成し実施例1と同じ充放電時の塩素分布お
よび塩素濃度を調べたところ、塩素分布は放電完了時に
は認められなかったが、充電完了時には、表面近傍が高
く、30μm以上の深さでは殆ど認められなかった。塩素
濃度は、放電完了時が0モル/g樹脂、充電完了時が1.1
×10-3モル/g樹脂であった。
また、放電電流密度1mA/cm2における放電容量密度は2
8Ah/kgと低く、10mA/cm2の大電流放電ではさらに21Ah/k
gまで容量低下した。これらの結果は印加電位を昇降さ
せずに、通常行われている定電位法で重合した場合は、
対イオンは僅少量しか交換しておらず、対イオンの出入
りに伴う充放電も効果的に起こっていないことを示して
いる。但し単位重量あたりの放電容量は小さかったが、
その範囲での充電容量に対する放電容量の比、すなわち
クーロン効率はほぼ100%を保った。すなわち出入りが
可能な対イオンの割合は少ないが、その範囲での充放電
は100%起こっていることを示している。
比較例2 実施例1における重合に用いた系を用いて、対称電圧
を印加する代わりに5mA/cm2の電流密度による定電流重
合を行い膜厚100μmのp−トルエンスルホン酸イオン
を対イオンとして含むポリピロールフィルムを得た。引
き続き、実施例1の方法のよりClO4 -との対イオン交換
処理を行った。しかしながら、X線マイクロアナライザ
ー分析によるとイオン交換反応は表面近傍のみにとどま
り内部はp−トルエンスルホン酸イオンのままであっ
た。また、実施例1と同じ方法で3電極電流を作成し実
施例1と同じ条件で充放電時の塩素分布および塩素濃度
を調べた。塩素分布は放電完了時は0モル/g樹脂、充電
完了時は1.0×10-3モル/g樹脂であり、充電完了時にお
いても塩素分布は表面近傍に集中していた。充電完了時
の塩素分布を第6図に示す。
またこの電池をもちいてその電池特性を調べたが1mA/
cm2での放電容量密度は26Ah/kgにとどまり、10mA/cm2
の放電容量密度は23Ah/kgに留まった。
比較例3 実施例1における重合法で得たp−トルエンスルホン
酸イオンを対イオンとして含むポリピロールフィルム
を、その対イオンを交換することなく、白金板とともに
正極とし、白金ホイルを負極、Ag/AgClをを参照電極と
し、1Mのp−トルエンスルホン酸テトラエチルアンモニ
ウムをプロピレンカーボネートに溶かした液を電解液と
した3電極電池でポリピロールの電池特性を測定した。
ポリピロールの電池特性の測定は、正極電位0.6V(対Ag
/AgCl)の定電位で1時間充電し、続いて1〜10mA/cm2
の定電流で放電して正極電位が−1.0Vとなるまで放電し
て、放電容量の変化を調べた。その結果、放電電流1mA/
cm2での放電容量密度は21Ah/kg、10mA/cm2では16Ah/kg
であり低い放電容量密度のものしか得られなかった。
比較例4 実施例1における重合に用いたp−トルエンスルホン
酸テトラエチルアンモニウム塩の代わりに過塩素酸テト
ラエチルアンモニウム塩を用いて、実施例1と同様の条
件でポリピロールを膜厚100μmになるまで電解酸化重
合した。次に前記と同様にして3電極電池を構成し、こ
の3電極電池の実施例1と同じ条件下における塩素分布
および塩素濃度を調べた。塩素は分布は放電完了時がフ
ィルム表面のみ低下していて、充電完了時には膜厚全体
にわたってほぼ均一に分布していた。塩素濃度は1mA/cm
2の放電完了時には2.2×10-3モル/g樹脂で、充電完了時
は3.4×10-3モル/g樹脂であった。この場合は、実施例
1および比較例1および2の場合とは異なり、陰イオン
としてClO4 -を用いているために、充電時ではピロール
一個あたり0.3個の割合のClO4 -に対応する塩素濃度が含
まれていたことを意味している。逆に、放電時には、こ
の陰イオンの濃度は充電時に比べ低下してはいたが、そ
の低下の程度は少なく、充分に陰イオンが抜けていない
ことを意味している。
またこの電池の放電電流密度1mA/cm2および10mA/kgお
よび13Ah/kgであり、高い放電容量密度は得られなかっ
た。この結果は、電位の昇降をおこなっても、本発明の
ように、大きい対イオンから小さい対イオンにイオン交
換をしないかぎり高い放電容量が得られないことを示し
ている。
実施例3 実施例1と同様の方法で膜厚800μmのp−トルエン
スルホン酸イオンを対イオンとして含むポリピロールフ
ィルムを作成し、引き続きClO4 -と対イオン交換をし
た。
このフィルムを用いて実施例1と同様にして3電極電
池を作成して塩素分布、塩素濃度および電池特性を調べ
た。塩素濃度は放電完了時は0モル/g樹脂、充電完了時
が2.9×10-3モル/g樹脂であり、充電完了時の分布は膜
厚方向に対してほぼ平坦であった。
また、放電電流密度に対する放電容量密度の関係を第
7図に示す。図から明らかなように、1.0mA/cm2では放
電容量密度88Ah/kgと高い容量密度をを示し、10mA/cm2
および20mA/cm2でもそれぞれ77Ah/kgおよび67Ah/kgの高
い水準を維持した。
比較例5 0.1Mのピロール単量体および0.1Mの過塩素酸テトラエ
チルアンモニウム塩を1%の水を含むプロピレンカーボ
ネートに溶かして電解液を調製した。この電解液に、陽
極として白金板、対極として白金ホイルをそれぞれ浸漬
して重合セルとした。そして、5mA/cm2の電流密度によ
る定電流重合を行い膜厚10μmおよび800μmのClO4 -
含む、ポリピロールフィルムを作成した。このフィルム
を用いて実施例1と同様の3電極電池を作成して電池特
性を調べた。その結果、1mA/cm2での放電容量密度はそ
れぞれ92Ah/kgおよび25Ah/kgであり、10mA/cm2での放電
容量密度はそれぞれ75Ah/kgおよび16Ah/kgであった。こ
の結果は、これまでに用いられている定電流法で得たフ
ィルムでは、10μm程度の薄膜では高い放電容量密度が
得られるが、800μm程度の厚膜では極めて低い容量密
度しか得られないことを示している。
実施例4〜6 実施例1に示したp−トルエンスルホン酸テトラエチ
ルアンモニウムの代わりに、β−ナフタレンスルホン酸
テトラエチルアンモニウム(実施例4)、p−ターシャ
リブチルベンゼンスルホン酸テトラエチルアンモニウム
(実施例5)および5−スルホジメチルイソフタル酸エ
ステルのトリエチルアンモニウム塩(実施例6)を用い
て実施例1と同様の方法により対応する陰イオンを含む
膜厚100μmのポリピロールフィルムを作成した。引き
続きClO4 -に対イオンを交換した。
このフィルムを用いて3電極電池を作成して実施例1
と同様にして塩素分布、塩素濃度および電池特性を調べ
た。
いずれの場合も放電完了時は塩素はほとんど認められ
ず、充電完了時の塩素分布は第8〜10図(第8図:実施
例4、第9図:実施例5、第10図:実施例6)に示した
ように、いずれも厚さ方向の分布はほぼ平坦で、塩素濃
度はいずれも2.8×10-3モル/g樹脂以上であった。
さらにそれぞれのフィルムの電池特性を測定した結果
を第1表に示す。
これらの結果はいずれも本発明の実施例1〜3に示し
たp−トルエンスルホン酸イオンの場合と同様に高い電
池特性を示した。
実施例7〜9 実施例1に示した方法により、p−トルエンスルホン
酸イオンを対イオンとして含むポリピロールフィルムを
作成した。引き続き実施例1と同様に、過塩素酸テトラ
アンモニウムを用いて重合時にポリピロールに導入され
た支持塩の陰イオンを交換した。得られた充電完了時の
フィルムの塩素濃度は2.5×10-3モル/g樹脂、そのフィ
ルムの厚さ歩行の分布はほとんど均一平坦だった。続い
てこのイオン交換したポリピロールフィルムの電池特性
を、実施例1と同様に電解質として1MのLiClO4を用いて
3電極電池で評価した。その結果は放電電流濃度10mA/c
m2で放電容量密度61Ah/kgを示した。これらの結果、ポ
リピロール中の塩素濃度、分布および電池特性はいずれ
も本発明を満足するものだった。
次に、重合したままの本発明のポリピロールフィルム
を実施例1に示した過塩素酸テトラエチルアンモニウム
に代えてテトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホス
フェート(実施例7)、テトラエチルアンモニウムテト
ラフルオロボレート(実施例8)およびトリフルオロメ
タンスルホン酸テトラエチルアンモニアム(実施例9)
を用いて対応する対イオン交換を行った。そしてそれぞ
れのテトラアルキルアンモニウム塩を含む3電極電池を
作成し、電池特性を調べた。結果を第2表に示す。表か
ら明らかな様にいずれも高い放電容量を示し、かつ高い
放電電流密度でもその放電容量密度の低下は小さかっ
た。
〔発明の効果〕 本発明は、高い電流密度での充放電が可能であり、か
つ高い充放電容量を有するポリピロール成形体を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例1においてポリピロール膜を電
解酸化重合する際に陽極に印加する電位波形図、第2図
は実施例1におけるポリピロール膜のX線マイクロアナ
ライザー分析による厚さ方向の塩素の元素分布を示す
図、第3図は本発明によるポリマー電極を用いた二次電
池の実施例1における放電電流と容量の関係を示すグラ
フ、第4図は実施例2における第2図と同様な塩素の元
素分布を示す図、第5図は実施例2における放電電流と
容量の関係を示すグラフ、第6図は比較例2における第
2図と同様の塩素の元素分布を示す図、第7図は本発明
によるポリマー電極を用いた二次電池の実施例3の放電
電流と容量の関係を示すグラフ、第8〜10図はそれぞれ
実施例4〜6における第2図と同様の塩素の元素分布を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−48750(JP,A) 特開 平2−119051(JP,A) 特開 昭64−21873(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ100μm以上のポリピロール成形体で
    あり、当該ポリピロール成形体を正電極とし、白金を負
    電極とし、かつリチウム金属を参照電極とし、LiClO4
    電解質として三電極電池を構成し、電流密度10mA/cm2
    の放電、および3.6Vで定電位充電を行ったときに、放電
    完了時には塩素が実質的に存在せず、充電完了時には厚
    さ方向の塩素分布がほぼ均一であって塩素濃度が1.7×1
    0-3モル/g樹脂以上であるポリマー二次電池用ポリピロ
    ール成形体。
  2. 【請求項2】ピロールと、陰イオンの分子量が150以上
    でイオンサイズの大きな陰イオンと陽イオンとからなる
    支持塩とが均一に溶解した溶液中に電極基板を浸漬し、
    定められた少割合の電解重合を電圧値が時間とともに正
    と負との間を交互に反復して変化する対称電圧を印加す
    ることによって行い、ポリマー二次電池の電極に供する
    には非常に薄い膜を形成し、しかるのち還元電位以下で
    アンドーピング処理を行い、この少割合の電解重合およ
    びアンドーピング処理を繰り返し周期が10〜10,000秒/
    サイクルで行うことにより、厚さ100μm以上の重合体
    成形体を形成し、しかるのち、前記支持塩の陰イオンよ
    りイオンサイズの充分小さい陰イオンを前記成形体内に
    導入・交換させることを特徴とする請求項1記載のポリ
    マー二次電池用ポリピロール成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】電圧値が時間とともに正と負との間を交互
    に反復して変化し、かつ正電圧値である期間が大なる対
    称電圧を印加した電解重合を行う請求項2記載のポリマ
    ー二次電池用ポリピロール成形体の製造方法。
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