JP2631182B2 - 熱板加熱式ガスバーナを用いたガス燃焼装置 - Google Patents

熱板加熱式ガスバーナを用いたガス燃焼装置

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JP2631182B2 JP1763593A JP1763593A JP2631182B2 JP 2631182 B2 JP2631182 B2 JP 2631182B2 JP 1763593 A JP1763593 A JP 1763593A JP 1763593 A JP1763593 A JP 1763593A JP 2631182 B2 JP2631182 B2 JP 2631182B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚や肉類等の被焼成物
を焼く焼物器に使用されるガスバーナ、特に、強制燃焼
方式のガスバーナによって熱板を赤熱状態に加熱し、こ
の熱板からの輻射熱と、燃焼排気による加熱とによって
前記被焼成物を焼き上げる形式の所謂熱板加熱式のガス
バーナを用いたガス燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来技術及び課題】焼き網に載置した魚や肉等の被焼
成物を焼き上げる焼き物器として既に特願平4−202
635号の発明を提案した。図1に示すようにこの種焼
き物器では上方開放状態となったケーシング(1) 内には
複数のバーナ(2) (2) が横方向に並設されており、各バ
ーナ(2) (2) は、バーナパイプ(21)とその上方に所定間
隔を置いて対向する熱板(22)から構成されている。
【0003】図11に示すように、上記バーナパイプ(2
1)の上流端にはこれにガス供給するノズル(24)が挿入状
態になっている。又、強制送風用のファン(30)の吐出口
(300) は送風路(301) を介して給気箱(302) に連通して
おり、該給気箱(302) 内の空気はバーナパイプ(21)の上
流端近傍に穿設された一次空気孔(29)からバーナパイプ
(21)内に流入するようになっている。
【0004】他方、バーナ(2) の下流端部には、バーナ
パイプ(21)とその上方の熱板(22)の間隙内に炎検知セン
サ(S) が挿入されている。このものでは、点火操作をす
るとファン(30)が作動してこれからの給気が送風路(30
1) から給気箱(302) に供給され、更に、該給気箱(302)
内の空気がバーナパイプ(21)の上流端近傍に穿設され
た一次空気孔(29)から該バーナパイプ(21)内に流入し、
これにより、該流入空気と上記したノズル(24)からのガ
スがバーナパイプ(21)内で混合されてこれが炎孔(25)(2
5)から噴出する。
【0005】一方、上記点火操作によって図示しない点
火装置が作動し、該点火装置により上記炎孔(25)(25)か
ら噴出する空気−ガス混合気への点火動作が実行され
る。この点火動作は炎検知センサ(S) の出力を監視しな
がら実行され、点火操作後の設定時間内に炎検知センサ
(S) が炎検知信号を出さない場合は、バーナパイプ(21)
へのガス供給を遮断する等して器具を強制停止状態に維
持する。
【0006】しかしながら、上記従来のものでは熱板(2
2)を効率良く加熱するため、熱板(22)下面に薄形状の燃
焼炎を形成させる方式とすると、炎検知センサ(S) の出
力にバラ付きが生じて不安定となり、正確な着火検知及
び失火検知が行えないという問題があった。上記問題点
について更に詳述する。
【0007】バーナパイプ(21)の炎孔(25)(25)から噴出
した空気−ガス混合気は熱板(22)に衝突拡散し、これに
より、バーナパイプ(21)から離れた熱板(22)の下面には
上記衝突拡散した空気−ガス混合気が燃焼する高温度の
薄形状の燃焼炎が形成される。炎検知センサ(S) はバー
ナパイプ(21)と熱板(22)の間隙内の端部に挿入されてい
るから、炎検知センサ部分に対応する炎孔(25)は一列の
炎孔群のうち最端部であるため、形成される炎は他の炎
孔に囲まれておらず、外気に冷やされて不安定となり易
い。従って、炎検知センサ(S) の出力が不安定になるの
である。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもの
で、『側壁に複数の炎孔(25)(25)が穿設されたバーナパ
イプ(21)と、該バーナパイプ(21)に於ける前記炎孔(25)
(25)の対向部に所定の間隙を置いて配設された熱板(22)
と、該熱板(22)と上記バーナパイプ(21)の間隙内の端部
に挿入された炎検知センサを具備するもの』に於いて、
炎検知センサから安定した出力が確保できるようにする
ことをその課題とする。
【0009】
【技術的手段】上記課題を解決するための本発明の技術
的手段は、『複数の補助炎孔を炎検知センサ部分に対応
させて形成すると共に、これら補助炎孔をバーナパイプ
(21)の側壁に於いて略円周方向にずらせた態様で接近配
設し、これら補助炎孔とこれらに最も近い炎孔(25)が二
次元的な広がりを有する態様で接近して位置するように
した』ことである。
【0010】
【作用】上記技術的手段は次のように作用する。複数の
補助炎孔とこれらに最も近い特定の炎孔(25)が二次元的
な広がりを有する態様で接近しているから、バーナパイ
プ(21)の表面に於いてこれら補助炎孔と特定の炎孔(25)
を繋ぐ線は閉曲線になる。即ち、該閉曲線上に補助炎孔
や炎孔(25)が配列された状態になるのである。従って、
直線的に配列された最端部の炎孔のように隣接する炎孔
が単一となる炎孔がなくなり、上記補助炎孔と該補助炎
孔に隣接する特定の炎孔(25)の部分に於ける燃焼炎が安
定化する。即ち、炎検知センサに対応する部分の燃焼炎
が安定化するのである。
【0011】
【効果】本発明は次の特有の効果を有する。炎検知セン
サに対応する部分の燃焼炎が安定化するから、該部分に
配設された炎検知センサから安定した信号が得られる。
【0012】
【実施例】次に、上記した本発明の実施例を図面に従っ
て詳述する。この実施例は、上記構成のガスバーナを矩
形の火床に並設し、その上方域で被焼成物を焼き上げる
形式の焼物器に実施したものであり、以下、この焼物器
の詳細について説明する。
【0013】この焼物器は、図1及び図2に示すよう
に、ケーシング(1) には上面に開放する矩形の火床(10)
が形成されており、この火床(10)内の前後の側壁間には
バーナパイプ(21)と熱板(22)とからなる複数のガスバー
ナ(2)(2)が並設され、前記ケーシング(1) の前面壁上部
には、操作部を具備させた前箱(3) が配備され、この前
箱(3) 内にはファン(30)を具備し且前記各ガスバーナ
(2) に燃焼用一次空気を供給する給気装置が収容される
と共に、点火装置が装備されている。一方、火床(10)の
後面壁には炎検知装置が配設されている。
【0014】以下、これら各部について説明する。 [ガスバーナ(2) について]ガスバーナ(2) は、図2〜
図5に示すように、バーナパイプ(21)と熱板(22)とから
なる。このバーナパイプ(21)は、前方が開放し、後方端
部が扁平化されて閉塞された金属パイプからなり、前記
開放端の近傍には一対の一次空気孔(29)(29)がその側方
壁面に形成されている。前記閉塞端(23)は火床(10)の後
壁内に当該壁面に沿って設けた後桟(11)にネジ止めさ
れ、他方の前方開放端は後述の給気装置内に収容される
ノズル(24)に外嵌して支持されている。バーナパイプ(2
1)の後端が前記後桟(11)によってネジ止めされているか
ら、前方開放端がノズル(24)に外嵌するだけであっても
バーナパイプ(21)の火床(10)内における前後方向の配設
位置は固定されている。そして、複数のバーナパイプ(2
1)(21)が同様に支持されて平行に配列されている。
【0015】各バーナパイプ(21)の頂面には図4に示す
ように多数の炎孔(25)が長手方向に沿って所定の間隔で
配列されており、閉塞端(23)の近傍には複数の補助炎孔
(26)(26)が形成される。尚、この補助炎孔(26)(26)の開
口方向は加工を容易にするため図7のようにバーナパイ
プ(21)の半径方向に設定されている。この実施例のガス
バーナ(2) は、天然ガス及びLPガス用としてあり、こ
れら炎孔を開放端側の第1炎孔(25a)(25a)群と、中央部
の第2炎孔(25b)(25b)群と、閉塞端(23)側の第3炎孔(2
5c)(25c)群の3種類に区分し、閉塞端(23)側の炎孔直径
が他方のそれよりも小さく設定されている。
【0016】因に、一つのバーナパイプ(21)による燃焼
量を1200Kcalとしたこの実施例では、第1炎孔(25
a) は直径:1.9mm ,個数:16個、第2炎孔(25b) は直
径:1.8mm ,個数:12個、第3炎孔(25c) は直径:1.7m
m ,個数:23個に設定している。また、第3炎孔(25c)
の閉塞端(23)側の端部の近傍に補助炎孔(26)として直径
1.6mm の炎孔が更に2個形成されている。
【0017】上記バーナパイプ(21)の上方には一定の間
隔をあけて熱板(22)が前後に架設されている。この熱板
(22)は、図3に示すように、耐熱性のある帯状金属板を
半円弧状断面となるように屈曲した構成であり、その断
面の開放部が下向きとなる姿勢で支持されている。この
バーナパイプ(21)と熱板(22)との間隔を維持するため、
熱板(22)の後端部は、図2に示すように、上記後桟(11)
から火床(10)内に突出させたブラケット(12)によって支
持され、他方の前方端はバーナパイプ(21)に設けたブラ
ケット(27)によって支持される。
【0018】前記ブラケット(12)は、図6のように、上
記閉塞端(23)と共に後桟(11)にネジ止めされる取付片(1
2b) と、この前方端から上方に屈曲する立上がり片(12
c) と、その上端から前方に突出した支持部(12a) から
なり、この支持部(12a) が前記熱板(22)の断面内周と一
致するように設定され、この上面に熱板(22)の後端部が
載置されている。
【0019】他方のブラケット(27)は図4及び図5のよ
うに、熱板(22)の前方端の投影面よりも大きな直立板を
具備する当て板(27a) と、これの基端部からバーナパイ
プ(21)の長手方向に突出し当て板(27a) にスポット溶接
された受け板(27b) とからなり、前記当て板(27a) の下
端からバーナパイプ(21)の開放端側に延びる水平板部(2
7a1)の両側には一対の取付け舌片(27a2)が設けられ、バ
ーナパイプ(21)の断面両側部にスポット溶接によって固
着されている。これにより前記受け板(27b) がバーナパ
イプ(21)の頂部に沿って平行に配設される。この受け板
(27b) の左右両側には直立片(27c)(27c)が連設され、こ
れら直立片の間隔を熱板(22)の断面の両端部の間隔に適
合させ、この直立片(27c)(27c)の間に熱板(22)の前方の
端部が載置されると共に熱板(22)の前方の端面が前記当
て板(27a) に所定の間隔をあけて対向している。
【0020】また、この受け板(27b) の高さと前記支持
部(12a) の高さとの間に所定の高低差を設けることによ
り、後桟(11)と前記ブラケット(27)とによってその両端
が支持された熱板(22)がバーナパイプ(21)と平行とな
る。このガスバーナ(2) では、バーナパイプ(21)の炎孔
部から噴出されるガスによって熱板(22)が加熱されて赤
熱状態となる。従って、このバーナパイプ(21)及び熱板
(22)には使用時に熱膨張が生じるが、バーナパイプ(21)
については、後方端の閉塞端(23)のみがネジ止めされ、
その前方開放端がノズル(24)に対して外嵌するだけであ
るから、前記熱膨張が生じてもこれを吸収できる。な
お、この熱膨張により、一次空気孔(29)(29)の位置もノ
ズル(24)側に移動することとなるが、この実施例では、
熱膨張が生じていない状態におけるノズル(24)の先端
(ガス吐出口)と一次空気孔(29)との距離を、通常のブ
ンゼンバーナのそれよりも大きく設定している。従っ
て、前記熱膨張が生じた状態においても、一次空気孔(2
9)(29)とノズル(24)の先端との距離が十分大きく保たれ
ることとなり、バーナパイプ(21)が熱膨張すると否とに
関わらず、ノズル(24)からのガス噴出によるエゼクタ効
果を等しくして一次空気量のバラツキが生じるのを防止
している。
【0021】尚、上記実施例では熱板(22)の両端部をブ
ラケット(12)(27)に載置状態にして該熱板(22)を着脱自
在に構成したが、該熱板(22)とブラケット(12)を固定し
ても良い。即ち、熱板(22)の後端部をブラケット(12)に
固定し他方の前方端をバーナパイプ(21)に固定したブラ
ケット(27)によって相対摺動可能に支持するのである。
これにより、熱板(22)が安定化する。又、該熱板(22)の
一端を固定して他端をバーナパイプ(21)に固定したブラ
ケット(27)で摺動自在に支持しているから、熱板(22)の
熱膨張とほぼ同期してバーナパイプ(21)が熱膨張してそ
の支持位置が前方に移動することとなる。従って、ブラ
ケット(27)による熱板(22)の前方端の前記支持部におけ
る相対移動量も極少ないものとなり、熱膨張による不都
合が一層生じにくくなる。 [給気装置]給気装置は、上記したファン(30)と、これ
の吐出口に連通させた給気室(31)からなり、図2に示す
ように、この給気室(31)内に上記ノズル(24)及びバーナ
パイプ(21)の開放端部近傍が収容されている。そして、
前記バーナパイプ(21)の一対の一次空気孔(29)(29)はこ
の給気室(31)内に位置することとなる。
【0022】前記給気装置は、火床(10)内に並設される
三つのガスバーナ(2)(2)に対して1つのファン(30)及び
給気室(31)が対応する構成となり、直方体状の箱体に構
成された給気室(31)の底壁で3つのノズル(24)(24)の並
設部の下方に形成された開口(32)とファン(30)の吐出口
とが案内ダクト(33)によって連通される。従って、ファ
ン(30)の吐出口から給気室(31)内に燃焼用一次空気が強
制的に送り込まれ、これが三つのバーナパイプ(21)(21)
内に一次空気孔(29)(29)を介して強制的に供給されるこ
ととなる。
【0023】このガスバーナ(2) は、全一次空気式とな
っており、前記給気によって燃焼に必要な空気が供給さ
れることとなる。尚、前記給気室(31)の上面には、各ガ
スバーナ(2) のバックファイヤ時の安全性を高めるた
め、温度ヒューズ(34)が取付けらており、これが、ガス
回路に挿入されるガス開閉装置を開閉制御する電磁弁駆
動用電気回路内に挿入接続され、給気室(31)内が異常加
熱温度になったときに、この温度ヒューズ(34)がオフと
なって、該ガス開閉装置が閉弁して燃焼が停止され安全
性が確保される。 [点火装置]点火装置は、各ガスバーナ(2) 毎に設けら
れ、図2に示すように、前箱(3) におけるバーナパイプ
(21)の下方に配設される。
【0024】前記点火装置は、比較的細い金属パイプを
L字状に屈曲させたパイロットバーナ(41)と、このパイ
ロットバーナ(41)の上端で水平方向に延びる水平管に添
設される陰極部(42)に対向させた電極(43)と、前記水平
管の端部に開口したパイロット炎孔(41a) と対向するよ
うに配設されパイロットバーナ(41)の炎を上方に案内す
る案内筒(44)とから構成される。この案内筒(44)は、断
面矩形の箱体で、先端壁面が斜め上方に向きその上方域
に開口(45)が形成されている。
【0025】このものでは、点火制御装置の出力によっ
てパイロットバーナ(41)の下端に装備させたパイロット
ノズル(46)からガスが吐出すると、このときに一定時間
前記電極(43)から陰極部(42)に放電されて、これにより
パイロットバーナ(41)に点火され、このパイロットバー
ナの炎が上方に案内されて、図8のように開口(45)から
バーナパイプ(21)の外周を介してバーナパイプ(21)と熱
板(22)との間の空間に案内される。この点火動作の一定
時間前にファン(30)が「オン」状態になると共に、この
点火動作と同時にノズル(24)へのガス回路が開放される
から、バーナパイプ(21)の頂部に形成された炎孔(25)(2
5)からの吐出する空気−ガス混合気に火移りしてガスバ
ーナ(2) が燃焼状態となる。
【0026】この後、前記パイロットバーナ(41)へのガ
ス回路が遮断されて該パイロットバーナ(41)が消火し、
ガスバーナ(2) のみが燃焼状態となる。 [炎検知装置]各ガスバーナ(2) には、閉塞端(23)の近
傍に炎検知装置が設けられている。この装置は、図2及
び図6に示すように、閉塞端(23)の近傍に設けた補助炎
孔(26)(26)から噴出する混合気による燃焼炎及び熱板(2
2)からの輻射熱によって加熱される炎検知センサたる熱
電対(51)と、これの熱起電力が点火動作開始後設定時間
内に所定の出力レベルに達したときに所定の出力信号を
出す炎検知回路(C1)と、この炎検知回路(C1)からの所定
の出力が入力されたときにガス回路に挿入されたガス開
閉装置を開弁状態に維持する出力装置(C2)とからなる。
従って、点火操作開始後前記設定時間内に前記炎検知回
路(C1)から所定の出力信号が出力装置(C2)に入力される
と、ガス開閉装置が開弁状態に維持されてガスバーナ
(2) の燃焼が継続し、逆に、設定時間経過時点において
も、熱電対(51)からの熱起電力が所定の出力レベルに達
しない場合には、ガス開閉装置が開弁状態に維持されな
いこととなり、つまり、このガス開閉装置が閉弁される
こととなり、点火不良時の安全が確保される。
【0027】尚、前記熱電対(51)は、その先端部が所定
の温度に加熱されることによって熱起電力が発生する
が、この実施例では、ブラケット(12)及び止め板(13)の
立上がり片(12c)(13c)を貫通するように取付けらてい
る。そして、後桟(11)にネジ止めされる押え板(53)によ
って水平姿勢に保持されている。図10に示すように前
記止め板(13)の両脇には側脚(13d)(13d)が垂下してい
る。
【0028】又、上記押え板(53)の前後端に垂下させた
支持壁(530) (530) は熱電対(51)の後端近傍の2か所に
周設した固定溝(510) (510) に嵌入されている。上記の
ものでは補助炎孔(26)(26)を二個形成したから、一列の
炎孔群のうち炎孔(25)及び補助炎孔(26)(26)からの燃焼
は互いに加熱されて保炎され、バーナパイプ(21)から離
れた熱板(22)の下面に形成される薄形状の燃焼炎が安定
的に燃焼し、熱電対(51)の先端部がバラツキなく確実に
加熱されることとなる。
【0029】またこのものでは、熱電対(51)の近傍の火
力が小さくなるように、該熱電対近傍に穿設した補助炎
孔(26)(26)を第1,第2,第3炎孔(25a)(25b)(25c) よ
り小さくしているから、熱電対(51)が異常加熱されずこ
れが熱的損傷を受ける心配が少なくなる。尚、上記実施
例では補助炎孔(26)(26)を二個形成しているが、熱電対
(51)を異常加熱しない限り、該補助炎孔(26)(26)の数は
三個またはそれ以上に設定してもよい。
【0030】又、上記実施例では炎検知センサとして熱
電対(51)を採用したが、これに代えてサーミスタ等の電
気素子を使用してもよい。 [ガスバーナ(2) の燃焼について]上記したように、こ
の実施例のガスバーナ(2) は、一次空気がファン(30)に
よって強制的に供給されて燃焼することとなるが、前記
一次空気の空気過剰率は1〜1.2に設定されているこ
とから、各炎孔から吐出した空気−ガス混合気は、断面
半円弧状の熱板(22)の内面に衝突した状態で燃焼し、燃
焼炎はバーナパイプ(21)の炎孔部から離れて、図3のよ
うに、熱板(22)の内面に沿って形成された、所謂薄膜燃
焼となり、燃焼炎の温度は著しく高温となる。又、熱板
(22)が断面半円弧状であることから、この燃焼炎が熱板
(22)の外部に溢れることもない。従って熱板(22)が効率
的に加熱されることとなり、熱板(22)の断面全域が均一
に加熱されることとなる。
【0031】このことは補助炎孔(26)(26)によって形成
される炎についても同様である。尚、天然ガス及びLP
用のガスバーナ(2) の場合、安定燃焼を確保しようとす
ると、燃焼速度と炎孔からの混合気の噴出速度との関係
から、バーナパイプ(21)の炎孔総面積が他の低ウオッベ
ガス種(Aガスは除く)用のものに比べて大幅に大きく
なる。従って、バーナパイプ(21)内に上記空気過剰率で
強制的に空気−ガス混合気が供給された場合には、図9
のように、この供給圧力によるバーナパイプ(21)内の圧
力分布が上流側から下流側に向って高圧となり、炎孔直
径を一定にした場合には、各炎孔からの噴出ガス量分布
が前記圧力分布に倣ったものとなる。
【0032】ところが、この実施例では、上記のよう
に、バーナパイプ(21)の炎孔群を、上流側の第1炎孔(2
5a)(25a)群、中間域の第2炎孔(25b)(25b)群、及び、下
流側の第3炎孔(25c)(25c)群の三つに区分し、上流側か
ら下流側に向って、炎孔直径を徐々に小さくしている。
したがって、炎孔直径を一定とした場合の前記噴出ガス
量分布が補正されて、バーナパイプ(21)の炎孔群の各部
からの噴出ガス量が均一化できる。低ウオッベガス種の
場合には、炎孔総面積が小さいから、一定の直径の炎孔
を所定のピッチで配列する構成としてもよい。
【0033】尚、このガスバーナ(2) では、一列に並ん
だ炎孔群の最端炎孔に熱電対(51)を臨ませているため、
該炎孔に形成される炎は、外気に冷やされて不安定とな
り勝ちであり該部分の燃焼炎が安定化しない。従って、
熱電対(51)が安定的に加熱されずその出力も不安定とな
って失火検知に誤りが生じ易い。そこで、本実施例では
複数の補助炎孔(26)(26)を設けて該部分の炎を安定化さ
せる所謂「保炎」を行い、熱電対から安定した出力が得
られるようにした。又、上記したようにファン(30)によ
って強制的に供給される全一次空気式であること及び熱
板(22)の下面に衝突拡散した炎孔からの噴出ガスが燃焼
することから、図7のように、補助炎孔(26)(26)の上方
の熱板(22)の下面に形成される薄い高温度の燃焼炎によ
って直接的に又はこの燃焼膜からの輻射熱によって熱電
対(51)の先端部が加熱される。従って、この補助炎孔(2
6)(26)の直径を第3炎孔(25c) 等の主炎孔よりも小さく
設定して、熱電対(51)を加熱する補助炎孔(26)(26)によ
る燃焼炎の温度は前記主炎孔によるそれよりも低くして
熱電対(51)が異常過熱される不都合を防止した。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃焼器の全体図
【図2】ガスバーナ(2) の配設部の縦断面図
【図3】ガスバーナ(2) の縦断面図
【図4】バーナパイプ(21)の平面図
【図5】バーナパイプ(21)の側面図
【図6】バーナパイプ(21)と熱電対(51)の固定部の拡大
断面図
【図7】補助炎孔(26)の近傍に於けるガスバーナ(2) の
縦断面図
【図8】案内筒(44)とガスバーナ(22)の関係説明図
【図9】バーナパイプ(21)に沿った内部圧力の説明図
【図10】バーナパイプ(21)と熱電対(51)の固定部の詳
細図
【図11】従来例の説明図
【符号の説明】
(2) ・・・バーナ (21)・・・バーナパイプ (22)・・・熱板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒松 政男 名古屋市中川区福住町2番26号 リンナ イ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−117012(JP,A) 実開 平1−81434(JP,U) 実開 昭58−119019(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側壁に複数の炎孔(25)(25)が穿設された
    バーナパイプ(21)と、該バーナパイプ(21)に於ける前記
    炎孔(25)(25)の対向部に所定の間隙を置いて配設された
    熱板(22)と、該熱板(22)と上記バーナパイプ(21)の間隙
    内の端部に挿入された炎検知センサを具備するものに於
    いて、複数の補助炎孔を炎検知センサ部分に対応させて
    形成すると共に、これら補助炎孔をバーナパイプ(21)の
    側壁に於いて略円周方向にずらせた態様で接近配設し、
    これら補助炎孔とこれらに最も近い炎孔(25)が二次元的
    な広がりを有する態様で接近して位置するようにした熱
    板加熱式ガスバーナを用いたガス燃焼装置。
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