JP2004278810A - 点火機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】点火電極42から点火バーナ41に向かって放電して、点火バーナ41から噴出する燃料ガスに点火した後に、メインバーナ20に火移り着火させる。この際、点火バーナ41の炎口46と電極ロッド43の先端面47とを向かい合わせて配置しているため、点火バーナ41から噴出した燃料ガスは、電極ロッド43の先端面47に衝突して先端面47の外側に向かって拡散する。従って、噴出ガスのスピードが落ちる、すなわち噴出ガスが電極ロッド43の先端面47付近に滞留するため、確実に着火でき、点火不良となることを防止できる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メインバーナに火移り着火させる点火バーナと該点火バーナに放電着火させる点火電極とを備えた点火機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ファーストフード店等の外食産業においては、ポテトやチキン等の揚げ物調理に業務用のフライヤーが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
このようなフライヤーは、食材を揚げるための調理油を満たす油槽を左右にそれぞれ備え、この油槽の外側から赤外線バーナをそれぞれ独立して燃焼させることにより調理油を加熱する。この赤外線バーナには、多数の炎口を形成したセラミックプレートが用いられる。
このような赤外線バーナでは、図9に示すように、炎口面122に点火電極142を設け、この点火電極142に臨ませて金属製の点火用陰極105を配設して、点火電極142から点火用陰極105に向かって放電することによって、炎口面122から噴出する燃料ガスに点火するいわゆるダイレクト着火方式が用いられてきた。
ところが、このようなセラミックプレートを備えた赤外線バーナでは、炎口面122が広く個々の炎口から噴出するガス量が少ないために点火性能が悪くなっていた。
【0003】
そこで、図10に示すように、メインの赤外線バーナに火移り着火させる点火バーナ141を備えたタイプの点火機構もある。この点火機構では、点火電極142と点火用陰極105との間に点火バーナ141を設け、点火電極142から点火用陰極105へ放電させてその間の点火バーナ141に点火した後に、赤外線バーナに火移り着火させる。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第4848318号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような点火バーナ141を備えた点火機構であっても点火バーナ141から噴出した、流速の速い燃料ガス流に放電着火しなければならず、この際どうしても着火不良となってしまうことがあった。
本発明の点火機構は上記課題を解決し、点火性能を向上させることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の点火機構は、
メインバーナに火移り着火させる点火バーナと、該点火バーナに放電着火させる点火電極とを備えた点火機構において、
上記点火バーナを上記点火電極の放電用の陰極として兼用するとともに、該点火バーナの炎口と該点火電極の先端面とを向かい合わせて配置し、
上記点火バーナの炎口から噴出させた燃料ガスを上記点火電極の先端面に衝突させることを要旨とする。
【0007】
また、本発明の請求項2記載の点火機構は、上記請求項1記載の点火機構において、
上記点火電極の先端面の面積の方が上記点火バーナの炎口の面積よりも大きいことを要旨とする。
【0008】
また、本発明の請求項3記載の点火機構は、上記請求項1又は請求項2記載の点火機構において、
上記点火バーナをパイプ状に形成し、該点火バーナと上記点火電極とを略平行に並べて配置するとともに、該点火電極の先端を略コの字状に曲折することによって、該点火電極の先端面を該点火バーナの炎口に向かい合わせることを要旨とする。
【0009】
また、本発明の請求項4記載の点火機構は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火機構において、
上記メインバーナは多数の炎口が形成されたセラミックプレートを備えた赤外線バーナであり、上記点火バーナと上記点火電極との間の放電ギャップ部を該メインバーナの炎口の上方に設けたことを要旨とする。
【0010】
また、本発明の請求項5記載の点火機構は、上記請求項4記載の点火機構において、
上記メインバーナの炎口面と上記放電ギャップ部との垂直距離が10mm以下であることを要旨とする。
【0011】
また、本発明の請求項6記載の点火機構は、上記請求項4又は請求項5記載の点火機構において、
上記点火バーナは、赤火式バーナであることを要旨とする。
【0012】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の点火機構は、点火電極から点火バーナに向かって放電して、点火バーナから噴出する燃料ガスに点火した後に、メインバーナに火移り着火させる。この際、点火バーナの炎口と点火電極の先端面とを向かい合わせて配置しているため、点火バーナから噴出した燃料ガスは点火電極の先端面に衝突して先端面の外側に向かって拡散する。従って、噴出ガスのスピードが落ちる、すなわち噴出ガスが点火電極の先端面付近に滞留するため、確実に着火できる。
更に、点火バーナの炎口と点火電極の先端面とを向かい合わせて配置することによって、点火電極からの放電が必ず点火バーナに向けて発生するため、点火性能が一層向上する。
また、点火バーナが点火用陰極を兼用しているため、部材を一つ削減でき製造コストを抑制できる。
【0013】
また、本発明の請求項2記載の点火機構は、点火電極の先端面の面積が点火バーナの炎口の面積よりも大きいため、炎口から噴出した燃料ガスを確実に先端面に衝突させることができ、特に高い点火性能が得られる。
【0014】
また、本発明の請求項3記載の点火機構は、点火電極とパイプ状の点火バーナとを略平行に並べるとともに、点火電極の先端を略コの字状に曲折することによって、点火電極の先端面を点火バーナの炎口に向かい合わせる構成としているため、点火電極と点火バーナとを同一の基部で支持した1ユニットとしてコンパクトに形成できる。
【0015】
また、本発明の請求項4記載の点火機構は、点火バーナと点火電極との間の放電ギャップ部をメインバーナの炎口の上方に設けているため、万が一、点火バーナが詰まってしまった場合であっても、メインバーナから噴出する燃料ガスによって点火は行われる。
【0016】
また、本発明の請求項5記載の点火機構は、放電ギャップ部とメインバーナの炎口面との距離が10mm以下であるため、点火電極からの放電によって、メインバーナから噴出する燃料ガスにも良好に点火できる。この距離が10mm以上離れると点火電極による放電だけではメインバーナに着火しずらくなる。
【0017】
また、本発明の請求項6記載の点火機構は、点火バーナが燃焼用空気を全て二次空気として取り込む赤火式バーナであるため、酸素濃度が薄い赤外線バーナ内であっても確実に点火バーナに火炎を形成できる。つまり、燃焼用空気の一部を一次空気として取り込むブンゼンバーナを用いたとすると、一次空気吸入口を赤外線バーナ内に配置した場合には、酸素濃度が低いために多量に一次空気を吸引しなければならず火炎がリフトして吹き消えてしまうし、一次空気吸入口を赤外線バーナ外に配置した場合には、一次空気吸入口が位置する赤外線バーナ外よりも炎口が位置する赤外線バーナ内の方が圧力が大きいのでノズルからの燃料ガスの噴出力だけでは一次空気を吸引できないばかりか、赤外線バーナ内から燃焼ガスが逆流するおそれがある。
尚、赤火式バーナを用いた場合には、点火バーナの炎口に確実に火炎を形成できるものの、不完全燃焼となってしまうが、発生した不燃焼成分は、大容量のメインバーナによって完全に燃焼される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の点火機構の好適な実施形態について説明する。
【0019】
本発明の一実施形態としての業務用フライヤーについて図1〜図8を用いて説明する。このフライヤーは、油槽(バット)を左右に分割したスプリットバット式であり、各油槽で異なる食材を同時に調理できる。以下の説明及び図において左右の部品をそれぞれ個別に説明するときは符号の末尾にL、Rを付けるが、左右を区別しない場合には省略する。
【0020】
フライヤー1は、図1に示すように、器具上部に設けられ調理油を満たす油槽10と、油槽底面部11に外側から対向して設けられ調理油を加熱するメインバーナ20と、メインバーナ20へ燃焼用空気や燃料ガスを供給する供給部30と、メインバーナ20に点火する点火機構40と、メインバーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導くとともにその途中で調理油を加熱する排気通路50と、調理時間や調理温度を制御するコントローラ100とを本体ケース2内に備える。
【0021】
メインバーナ20は、複数のメイン炎口21を形成したセラミックプレート22を燃焼面として備えた全一次空気式の赤外線バーナで、その燃焼面が油槽10の底面部から所定間隔をあけ向かい合って設けられ、両者間に燃焼室23を形成する。
燃焼室23には、セラミックプレート22に臨んで、メインバーナ20に火移り着火させる赤火式(全二次空気式)の点火バーナ41と点火バーナ41に放電点火する点火電極42と火炎状態を検知するフレームロッド(図示略)とが設けられる。
点火電極42は、図2,図3に示すように、先端が略コの字状に曲折された円柱形金属棒状の電極ロッド43と、電極ロッド43を取り囲み周りから絶縁する碍子部44とからなる。そして、点火電極42は、燃焼室23の側壁に形成された電極挿通孔24aに挿通されフランジ部45を固定部材24bによって側壁に固定される。
【0022】
また、電極挿通孔24aの横には、点火バーナ挿通孔24cが開口され、そこに金属パイプ状の点火バーナ41が挿通される。点火バーナ41は、点火電極42と略平行に並べて設けられるとともに、その炎口46が図3に示すように、電極ロッド43の先端面47と向かい合い、点火バーナ41の軸心と電極ロッド43の軸心とが略同一直線上となるように配置される。すなわち、電極ロッド43の先端面47は、炎口46からの燃料ガスの噴出する方向に対して直交する衝突面を形成する。電極ロッド43の先端面47の面積は、点火バーナ41の炎口46の投影面を全て覆うように、炎口46の面積よりも大きく形成される(例えば、電極ロッド43の直径を3.0mmとし、炎口46の直径を2.0mmとする)。電極ロッド43の先端面47と点火バーナ41の炎口46との間、すなわち放電ギャップ部48の距離は、例えば3.5mmとする。
また、この放電ギャップ部48は、セラミックプレート22に形成される多数のメイン炎口21の上方に配置され、放電ギャップ部48とプレート面との垂直距離は、例えば、2.5mmに設定される。
【0023】
図4は、フライヤー1の一部を正面からみたA−A断面図(切断面A−Aは図1を参照)である。尚、図4中では、点火電極42は省略する。
メインバーナ20は、上面が開口した平たい箱状のバーナ本体24と、バーナ本体24の上面を覆うセラミックプレート22とを備え、これらの間に、燃料ガスと燃焼用空気とを混合させる混合気室25が形成される。
バーナ本体24の底面中央には、混合気室25を左右の左混合気室25Lと右混合気室25Rとに分割する混合気室分離台26が溶接されており、この混合気室分離台26の上部の左右両側には段部26aが形成される。セラミックプレート22は、前後左右六枚に分割されており、それぞれ中央の混合気室分離台26の段部26aと左右外側のバーナ本体24の段部24aとに載置される。また、混合気室分離台26の上には、セラミックウール製の燃焼室仕切棒23aがはめ込まれており、燃焼室23を左右の左燃焼室23Lと右燃焼室23Rとに分割する。このようにして、メインバーナ20は、左バーナ20Lと右バーナ20Rとに左右に分割される。
【0024】
混合気室25は、図1,図4に示すように、多数の通気孔27aが開口された多孔板27でセラミックプレート22面と略平行方向に仕切られて、下流側混合気室25Uと上流側混合気室25Dとに分割される。下流側混合気室25Uは、さらに、複数の仕切板28によって、セラミックプレート22面に対して略垂直方向に仕切られて、前後方向に三つに分割され分割室29を形成する。また、上流側混合気室25Dから各分割室29に供給される混合気量が均一となるように多孔板27の通気孔27aは、その開口面積が設定される。
【0025】
メインバーナ20からの燃焼ガスを器体外へ導く排気通路50は、図1,図4に示すように、油槽10の前方下部に設けられた燃焼室23に連通し油槽10の左右外側に設けられる左通路51L、右通路51R(総称して左右通路51)と、左右通路51に連通し油槽10の後方に設けられる後部通路52と、後部通路52に連通し上部が開口した鉛直方向に延びる排気ダクト53とから構成される。
【0026】
次に、左右のメインバーナ20L,Rへそれぞれ燃料ガスと燃焼用空気を供給する供給部30について説明する。
供給部30は、図1,図2,図5に示すように、燃料ガス供給部30Gと、空気供給部30Aと、燃料ガス供給部30Gおよび空気供給部30Aの合流部としての混合気供給部30Mとからなる。
混合気供給部30Mは、燃料ガス供給部30Gから燃料ガスが導入されるガス導入口31aと、空気供給部30Aから燃焼用空気が導入される空気導入口31bとを備え、混合気をメインバーナ20に送るU字状の混合管31により構成される。この混合管31は、その先端がバーナ本体24の入口部24dに挿通され、上流側混合気室25Dへの混合気流路となる。混合管31の先端の前方には、混合気を衝突させて拡散する衝突板25aが設けられる。
【0027】
空気供給部30Aは、上流側から、一台のターボファン32、ターボファン32の噴出口に接続される給気分配器33、この給気分配器33から分岐して左右の混合管31にそれぞれ接続される左右の送風管34(送風管34の直径は、例えば、22mm)を備える。送風管34の下流端は、混合管31の空気導入口31bに接続される。また、ターボファン32は、本体ケース2の底面となるケース底面部上の後方位置に配置される。
【0028】
燃料ガス供給部30Gは、上流側からケース底面部に設けられ燃料ガスの供給・停止を制御するガス制御部35と、ガス供給管36とを備える。尚、ガス制御部35は、左ガス供給管36Lと右ガス供給管36Rとへの燃料ガスの供給・停止を独立して制御できる。
ガス供給管36の下端には、メインガスノズル36aが混合管31の側面に臨んで嵌着されるとともに、その近傍にフランジ36bが形成され、フランジ36bより下流端側にOリング36cが填められる。このガス供給管36は、混合管31のガス導入口31aにフランジ36bを当接させて袋ナット36dにより接続され、Oリング36cによりガス導入口31aとガス供給管36との隙間がシールされる。
【0029】
ガス供給管36の上流側、すなわち、ガス制御部35の近傍のガス供給管36には、点火バーナ41へのサブガス供給管37が分岐して設けられる。サブガス供給管37の直径は、ガス供給管36の直径よりもはるかに小さい(例えば、ガス供給管36の直径:12mm、サブガス供給管37の直径:2.0mm)。サブガス供給管37の下端には、袋ナット37aが備えられており、この袋ナット37aによっ点火バーナ41の本体部となるバーナ管41aに嵌着されたサブガスノズル37bと接続される。サブガスノズル37bとサブガス供給管37との間には、パッキン37cがはさみこまれガスシールする。
また、サブガスノズル37bのノズル径は、ガス供給管36の下端に設けられたメインガスノズル36aのノズル径よりもはるかに小さい(例えば、サブガスノズル37bのノズル径:0.21mm、メインガスノズル36aのノズル径:3.0mm)。
【0030】
バーナケース3と油槽10との間には、全周に渡ってセラミックウール製の断熱材Sを設けることによって、本体ケース2の外側への伝熱を抑制している。
【0031】
コントローラ100は、主要部をマイコンによって構成され、その入力側には、油槽10に設けられた温度センサ4等が接続されており、出力側には、ガス制御部35、ファンモータ、各種ランプ、ブザー等が接続されている。そして、図示しない運転スイッチのON指令を受けて、左右の油槽10の油温が設定温度(例えば、175℃)に維持されるようにメインバーナ20をそれぞれ独立してON/OFF制御する。
【0032】
上述したフライヤー1では、油槽10に油を満たし、加熱してから食材をバスケット(図示しない)に入れて油槽10内に沈め調理を行う。油槽10内の油は、メインバーナ20によって加熱され、食材は、高温の油によって調理される。
【0033】
このフライヤー1は、図示しない運転スイッチを投入すると、ターボファン32が作動し、プリパージを行って燃焼室23内から残留ガスを排除する。プリパージの後、ガス制御部35が開き、点火バーナ41及びメインバーナ20に燃料ガスを供給する。
そして、点火電極42から点火バーナ41に向かって放電して、点火バーナ41から噴出する燃料ガスに点火した後に、メインバーナ20に火移り着火させる。この際、点火バーナ41の炎口46と電極ロッド43の先端面47とを向かい合わせて配置しているため、点火バーナ41から噴出した燃料ガスは電極ロッド43の先端面47に衝突して先端面47の外側に向かって拡散する。従って、噴出ガスのスピードが落ちる、すなわち噴出ガスが電極ロッド43の先端面47付近に滞留するため、確実に着火でき、点火不良となることを防止できる。しかも、点火バーナ41の炎口46の投影面を電極ロッド43の先端面47が全て覆うように、先端面47の面積を炎口46の面積よりも大きくしているため、炎口46から噴出した燃料ガスを確実に先端面47に衝突させることが可能となり点火性能が一層向上する。
【0034】
更に、電極ロッド43と点火バーナ41とを略平行に並べて配置するとともに、電極ロッド43の先端を略コの字状に曲折することによって、電極ロッド43の先端面47を点火バーナ41の炎口46に向かい合わせる構成としているため、点火電極42と点火バーナ41とを同一の基部で支持した1ユニットの点火機構40としてコンパクトに形成できる。
【0035】
また、電極ロッド43の先端面47と点火バーナ41の炎口46との間の放電ギャップ部48をメインバーナ20のメイン炎口21の上方2.5mmのところに配置しているため、万が一、点火バーナ41が詰まってしまった場合であっても、メインバーナ20から噴出する燃料ガスに直接点火できる。尚、放電ギャップ部48とメインバーナ20の炎口面との垂直距離が10mm以上となるとこのようなダイレクト着火ができにくくなるため、放電ギャップ部48は炎口面から10mm以内のところに配置する。
また、点火バーナ41は燃焼用空気を全て二次空気として取り込む赤火式バーナであるため、酸素濃度が薄い赤外線バーナの燃焼室23内であっても確実に炎口46に火炎を形成できる。つまり、燃焼用空気の一部を一次空気として取り込むブンゼンバーナを用いたとすると、一次空気吸入口を燃焼室23内に配置した場合には、酸素濃度が低いために多量に一次空気を吸引しなければならず火炎がリフトして吹き消えてしまうし、一次空気吸入口を燃焼室23外に配置した場合は、一次空気吸入口が位置する燃焼室23外よりも炎口が位置する燃焼室23内の方が圧力が大きいのでノズルからの燃料ガスの噴出力だけでは一次空気を吸引できないばかりか、燃焼室23内から燃焼ガスが逆流するおそれがある。
尚、赤火式バーナを用いた場合であっても、点火バーナ41の炎口46に確実に火炎を形成できるものの、不完全燃焼となってしまうが、発生した不燃焼成分は、大容量のメインバーナ20によって完全に燃焼されるため、赤外線バーナ全体としては完全燃焼する。
【0036】
プリパージの際には、ガス制御部35を閉じた状態でターボファン32により空気を燃焼室23に送って燃焼室23内から残留ガスを排除する。この時、送風管34内の圧力の方が燃焼室23内の圧力よりも大きくなる(例えば、送風管34内:(大気圧に対して)+40mmH2O、燃焼室23内:(大気圧に対して)+20mmH2O)。この差圧によって、ガス供給管36やサブガス供給管37に残っている前回使用時の燃料ガスが点火バーナ41側に押し流される。つまり、残留ガスが混合管31とガス供給管36との接続部→ガス供給管36→ガス供給管36とサブガス供給管37との接続部→サブガス供給管37の順に押し流されて点火バーナ41から徐々に流れ出す。
【0037】
この時の様子を図6〜図8を用いて説明する。
プリパージが開始される前は、図6に示すように、ガス供給管36とサブガス供給管37の全体に渡って、燃料ガスが残留している。そして、プリパージが開始されると、送風管34内の圧力が燃焼室23内の圧力よりも大きくなるため、残留している燃料ガスが送風管34と接続しているガス供給管36の下流側からだんだんと燃焼室23内に配置された点火バーナ41に向かって押されていく(図7)。さらにプリパージが続くと、燃料ガスが押し出され続け、ガス供給管36が空になりサブガス供給管37の下流側から押されていく(図8)。
従って、ガス制御部35によって、メインバーナ20へのガス供給管36と点火バーナ41へのサブガス供給管37とへ同時に燃料ガスを供給する単純な構成であっても、メインバーナ20から燃料ガスが噴出する前に点火バーナ41から燃料ガスを噴出させることができるので、メインバーナ20の方に先に燃料ガスが供給されてしまい多量の燃料ガスに一気に点火し大きな着火音が生じる遅点火となることを確実に防止できる。
【0038】
また、本実施形態のフライヤー1は、油槽10を左右に分割したスプリットバット式であり、各油槽10を下方から左右のメインバーナ20でそれぞれ独立して加熱する。そして、左右の油槽10の油温が設定温度(例えば、175℃)に維持されるようにメインバーナ20をそれぞれ独立してON/OFF制御する。
従って、左右のメインバーナ20L,Rの運転状態は、両方ともが燃焼状態である運転状態▲1▼と、左メインバーナ20Lだけが燃焼状態である運転状態▲2▼と、右メインバーナ20Rだけが燃焼状態である運転状態▲3▼と、両方ともが停止状態である運転状態▲4▼とがあり、湯温を設定温度に保つために、これらの運転状態が切り替わる。
【0039】
このうち、運転状態▲2▼と▲3▼では、燃料ガスはそれぞれ片方のメインバーナ20のみに供給されるが、燃焼用空気は両方とものメインバーナ20に供給される。この結果、運転状態▲2▼と▲3▼では、燃焼状態にないメインバーナ20の方では、プリパージと同じ状態となりガス供給管36やサブガス供給管37に残っている燃料ガスが徐々に点火バーナ41から噴出するので、メインバーナ20がON/OFFを繰り返している途中においては、メインバーナ20が消えている状態の時でも、点火バーナ41は常に保炎される。このため、メインバーナ20がON状態となり燃料ガスが供給され始めた際には、既に点火バーナ41が燃焼しているので、非常に円滑にメインバーナ20に火移り着火させることができる。
尚、サブガス供給管37をガス供給管36の上流端付近から分岐させるとともに、ガス供給管36やサブガス供給管37の管径やサブガスノズル37bのノズル径を適切な大きさに設計して、プリパージの際や上述したような燃焼状態▲2▼や▲3▼の際に、ガス供給管36やサブガス供給管37から全ての燃料ガスが排出されないようにしている。
【0040】
また、混合管31を介して上流側混合気室25Dに供給された燃料ガスと燃焼用空気との混合ガスは、衝突板25aに衝突して上流側混合気室25Dに拡散して広がっていき、多孔板27に開口された通気孔27aを通って、三つの分割室29に導かれる。そして、各分割室29に導かれた混合気は仕切板28に沿い、炎口面であるセラミックプレート22面に対して略垂直方向に流れていって、燃焼室23に噴出し全一次空気燃焼する。
従って、本実施形態のフライヤー1のように、燃焼室23内の圧力が均一でない場合、すなわち、混合気室25から燃焼室23への混合気の流れが偏ってしまう場合であっても、(本実施形態のフライヤー1の場合は燃焼ガスが左右通路51を通って排出されるため左右通路51側で圧力が小さくなり混合気室25内の混合気はそちら側から噴出しようとする)、混合気室25内(分割室29内)での混合気の炎口面に対する略平行方向の流れを遮断して略垂直方向の流れへと変えることによって、混合気の流れの偏りを抑制し炎口面から均一に混合気を噴出させることができる。この結果、炎口面全域で均一な燃焼を行って油槽10を均一に加熱可能となり、食材を投入位置にかかわらず均一に調理できる。
更に、各分割室29に供給される混合気量が均一となるように、多孔板27に通気孔27aを開口しているため(例えば、本実施形態のフライヤー1では、左右通路51側の多孔板27に通気孔27aをまばらに開口し、左右通路51側から離れるにつれて密に開口する。)、燃焼室23の圧力分布のバラツキに対する影響を一層小さくでき、より均一に燃焼させることが可能となる。
【0041】
また、本実施形態の赤外線バーナは、ターボファン32が燃焼用空気を混合気室25に供給する強制燃焼式のバーナであり、このような強制燃焼式のバーナでは、燃焼室23内の圧力分布の偏りが大きいため、上述したようにして、混合気の流れの偏りを抑制することは特に有用である。
【0042】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の点火機構によれば、点火バーナから噴出する燃料ガスを点火電極の先端面に衝突させて噴出ガスを先端面付近に滞留させることによって、確実に着火でき点火性能が向上する。
【0044】
更に、本発明の請求項2記載の点火機構によれば、点火バーナから噴出した燃料ガスを確実に点火電極の先端面に衝突させることができるため、特に高い点火性能が得られる。
【0045】
更に、本発明の請求項3記載の点火機構によれば、点火電極と点火バーナとを同一の基部で支持した1ユニットとしてコンパクトに形成できるため、製造コストを低減でき、しかも使い勝手も良くなる。
【0046】
更に、本発明の請求項4記載の点火機構によれば、点火バーナが詰まってしまった場合でも、メインバーナにダイレクト着火でき、点火バーナを備えない従来の点火機構と同程度の点火性能は維持できる。
【0047】
更に、本発明の請求項5記載の点火機構によれば、メインバーナへの良好なダイレクト着火性能を維持できる。
【0048】
更に、本発明の請求項6記載の点火機構によれば、全一次空気式の赤外線バーナに対しても良好な点火性能を発揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態としてのフライヤーを側面から見た断面図である。
【図2】本実施形態としてのフライヤーの一部を側面から見た断面図である。
【図3】本実施形態としての点火機構の斜視図である。
【図4】本実施形態としてのメインバーナとその周囲の部品を正面から見た断面図である。
【図5】本実施形態としてのフライヤーの概略構成図である。
【図6】プリパージ時における燃料ガスの流れの様子を説明した図である。
【図7】プリパージ時における燃料ガスの流れの様子を説明した図である。
【図8】プリパージ時における燃料ガスの流れの様子を説明した図である。
【図9】従来例としての点火機構の概略構成図である。
【図10】別の従来例としての点火機構の概略構成図である。
【符号の説明】
20…メインバーナ、21…メイン炎口、22…セラミックプレート、40…点火機構、41…点火バーナ、42…点火電極、43…電極ロッド、46…炎口、47…先端面、48…放電ギャップ部。
Claims (6)
- メインバーナに火移り着火させる点火バーナと、該点火バーナに放電着火させる点火電極とを備えた点火機構において、
上記点火バーナを上記点火電極の放電用の陰極として兼用するとともに、該点火バーナの炎口と該点火電極の先端面とを向かい合わせて配置し、
上記点火バーナの炎口から噴出させた燃料ガスを上記点火電極の先端面に衝突させることを特徴とする点火機構。 - 上記点火電極の先端面の面積の方が上記点火バーナの炎口の面積よりも大きいことを特徴とする請求項1記載の点火機構。
- 上記点火バーナをパイプ状に形成し、該点火バーナと上記点火電極とを略平行に並べて配置するとともに、該点火電極の先端を略コの字状に曲折することによって、該点火電極の先端面を該点火バーナの炎口に向かい合わせることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の点火機構。
- 上記メインバーナは多数の炎口が形成されたセラミックプレートを備えた赤外線バーナであり、上記点火バーナと上記点火電極との間の放電ギャップ部を該メインバーナの炎口の上方に設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の点火機構。
- 上記メインバーナの炎口面と上記放電ギャップ部との垂直距離が10mm以下であることを特徴とする請求項4記載の点火機構。
- 上記点火バーナは、赤火式バーナであることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の点火機構。
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