JP2631117B2 - 正温度特性発熱素子の製造方法 - Google Patents

正温度特性発熱素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は正温度特性発熱素子の製造方法に関し、さら
に詳しくは、抵抗特性および温度特性の長期にわたって
安定な正温度特性発熱素子に関する。
[従来の技術およびその問題点] 従来、正温度特性発熱体を融点またはそれ以上の温度
にてアニールを行なって、発熱体の結晶状態を整えるよ
うにした発熱素子の製造方法は知られている。
たとえば、特開昭55−25499号公報、特開昭55−15400
3号公報、特開昭56−165203号公報および特開昭60−136
194号公報には、結晶性重合体に導電性粒子を配合して
成形した後、該重合体の融点またはそれ以上の温度にて
アニールを行なって結晶化状態を整える正温度特性発熱
素子の製造方法が記載されている。
しかしながら、前記公報に記載されているいずれの製
造方法においても、そのアニールは、一定の安定な常温
電気抵抗を生ぜしめるためである。そして、前記製造方
法により得られる発熱素子は、長期間にわたる発熱温度
および抵抗値の一定性については問題があった。
本発明は、前記従来の欠点を解消することを目的とす
る。
さらに詳しくは、本発明の目的は、長時間の通電にお
いても、抵抗値および発熱温度の分布の拡大がなく、常
に安定した温度特性を発揮することのできる耐熱性が大
きい正温度特性発熱素子の製造方法を提供することを目
的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは、上記従来の問題点を解決するため種々
検討した結果、正温度特性発熱素子の原料として特定の
3成分を用い、これらを特定割合で配合してなる組成物
を用いて成形された成形体を特定温度領域でアニールす
ることにより、長時間にわたって電気抵抗値および発熱
状態の安定した、耐熱性に優れた正温度特性発熱素子が
得られることを見出すに至った。
すなわち、本願発明は、結晶性熱可塑性樹脂55〜75重
量部と導電性粒子45〜25重量部との混合物100重量部
に、半導電性粒子15〜200重量部を配合し、溶融混練し
てなる組成物を発熱体素材に成形した後、その発熱体素
材の発熱作動範囲内の温度でアニールを行うことを特徴
とする正温度特性発熱素子の製造方法である。
本願発明において、前記結晶性熱可塑性樹脂として
は、たとえば、ポリオレフィン樹脂およびその共重合樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール、熱可塑性ポリ
エステル樹脂、ポリフェニレンオキサイドおよびノリル
樹脂、ポリスルフォンが挙げられる。
前記ポリオレフィン樹脂としては、たとえば、高密度
ポリエチレン、中、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度
ポリエチレン等のポリエチレン、アイソタクチックポリ
プロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタ
クチックポリプロピレン等のポリプロピレン、ポリブテ
ン、4−メチルペンテン−1樹脂等が挙げられ、また、
この発明においては、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エ
チレン−塩化ビニル共重合体、およびプロピレン−塩化
ビニル共重合体等のオレフィンとの共重合体、およびフ
ッ素含有エチレン共重合体、ならびにこれらの変性物を
も使用することができる。
前記酢酸ビニル系樹脂としては、たとえば、酢酸ビニ
ル樹脂、ポリビニルアセトアセタール、ポリビニルブチ
ラール等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、たとえばナイロン6、ナ
イロン8、ナイロン11、ナイロン66、ナイロン610等が
挙げられる。
前記ポリアセタールは、単一重合体であっても共重合
体であってもよい。
前記熱可塑性ポリエステル樹脂としては、たとえば、
ポリプロピレンテレフタレート、およびポリブチレンテ
レフタレート等が挙げられる。
また、結晶性熱可塑性樹脂として、トランス−1,4−
ポリイソプレン、シンジオタクチック−1,2−ポリブタ
ジエンなども使用することができる。
前記各種の結晶性熱可塑性樹脂は、その1種を単独で
使用することもできるし、また、2種以上を混合してポ
リマ−ブレンドとして用いることもできる。
もっとも、前記各種の熱可塑性樹脂の中でも高密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン
やエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルア
クリレート共重合体などのオレフィン系共重合体やトラ
ンス−1,4−ポリイソプレンなどが好ましい。
本願発明において、前記導電性粒子としては、各種の
ものを用いることができ、たとえば、カーボンブラック
粒子、グラファイト粒子などの粒状物、金属粉体などの
粉状物、炭素繊維などの繊維粉砕物、金属酸化物粉体な
どを挙げることができ、中でもカーボンブラック粒子、
グラファイト粒子などの粒状物が好ましく、特にカーボ
ンブラック粒子が好ましい。
前記の導電性粒子は、単独で、またはその二種以上を
併用することができる。
前記の粒状物の平均粒径につき特に制限がないのであ
るが、たとえば、平均粒径が10〜200mμ、好ましくは10
〜100mμである導電性粒子が使用される。
前記の繊維粉砕物の場合、そのアスペクト比は、1〜
1,000、好ましくは1〜100である。
本願発明において用いる半導電性粒子としては、たと
えばSiC、B4C、Si、Ge、SnO、GaSb、GaP、GaAs、GaSe、
GaTe、InSb、InSe、InTe、Li3N、β−Ai2O3が挙げられ
るが、これらのうちSiCが好ましい。これら半導電性粒
子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して
用いてもよい。
また、これら半導電性粒子の平均粒径は、通常300μ
m以下、好ましくは100μm以下のものが用いられる。
本願発明の正温度特性発熱素子の原料である結晶性熱
可塑性樹脂と導電性粒子および半導電性粒子の配合割合
は、結晶性熱可塑性樹脂55〜75重量部と導電性粒子45〜
25重量部との混合物100重量部に対して半導電性粒子15
〜200重量部の範囲内で、その発熱素子に要求される電
気抵抗値および耐熱性の程度に応じて調節すればよい。
この場合、導電性粒子の配合割合は多いほど発熱素子
の電気抵抗値の小さいものが得られるが、この導電性粒
子の配合割合が上記の45重量部を越えると正温度特性が
充分に発現しなくなり、また導電性粒子の配合割合が上
記25重量部よりも少なくなると発熱素子の電気抵抗値が
増大して、実用上充分な発熱量が得られなくなる。さら
に、半導電性粒子の配合割合は多いほど発熱素子の耐熱
性と電気抵抗値および発熱状態の安定性が良好になる
が、この配合割合が上記の200重量部を越えると発熱素
子の電気抵抗値の増大を招き、またその配合割合が前記
15重量部よりも少なくなると発熱素子の耐熱性の向上効
果が充分には得られなくなる。
前記混合は、たとえば、混練用オープンロール、バン
バリミキサー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー
押出機、単軸往復動スクリュー混練機等により行なうこ
とができる。
この場合の混練温度は、特に制限はないが、通常、用
いる結晶性熱可塑性樹脂の融点以上の温度、好ましく
は、該融点より30℃以上高い温度である。
前記成形は、射出成形、金型成形、押出成形、加圧成
形等の各種の成形法によることができる。
なお、前記混合は、前記成形操作において実現するこ
ともできる。
本願発明において、前記成形時において、あるいは、
成形後において、前記結晶性熱可塑性樹脂と導電性粒子
との組成物中の結晶性熱可塑性樹脂を架橋し、あるいは
結晶性熱可塑性樹脂と導電性粒子と半導電性物質との組
成物中の結晶性熱可塑性樹脂を架橋することにより、前
記組成物を硬化させるのが好ましい。
前記組成物を硬化させると、発熱素子の動作中での、
発熱体素材の熱変形あるいは熱軟化等による発熱素子の
不良化を防止することができるからである。
前記結晶性熱可塑性樹脂の架橋は、架橋剤および/ま
たは放射線を利用して行うことができる。
前記架橋剤は、結晶性熱可塑性樹脂の種類に応じて、
有機過酸化物、硫黄化合物、オキシム類、ニトロソ化合
物、アミン化合物、ポリアミン化合物等から適宜に選択
して決定することができる。
たとえば、前記結晶性熱可塑性樹脂がポリオレフィン
系樹脂等である場合には、好適な架橋剤としてたとえば
有機過酸化物を利用することができる。
前記有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパ
ーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ジクミルパーオ
キシド、t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキシド、t−
ブチルヒドロパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,1−
ビス−(t−ブチル−ペルオキシ−イソプロピル)ベン
ゼン、1,1−ビス−(t−ブチル−ペルオキシ)−3,3,5
−トリメチル−シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビ
ス−(t−ブチル−ペルオキシ)ババレート、2,2−ビ
ス−(t−ブチル−ペルオキシ)ブタン、t−ブチル−
ペルオキシ−ベンゼン等が挙げられ、中でも2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3
が好ましい。
前記架橋剤の添加量は、前記結晶性熱可塑性樹脂100
重量部に対して、通常、0.01〜5重量部、好ましくは0.
05〜2重量部である。
本願発明において、成形し、好ましくは成形とともに
架橋した発熱体素材、前記発熱体素材に電極を設けた発
熱体、あるいは前記発熱体に外装樹脂を塗布したもの
に、発熱体素材の発熱作動範囲内の温度でアニールを行
なう。
前記アニールの温度は、発熱体素材における結晶性熱
可塑性樹脂の種類によっても、また発熱体素子の使用さ
れる態様によっても異なるので一概に決定することがで
きない。
もっとも、発熱体素材のアニール温度、あるいは発熱
体のアニール温度の決定は、アニール未処理物を長時間
例えば数十時間以上かけて通電して発熱させた後、その
発熱温度を測定し、そのときの温度をアニール温度とす
るのがのが最も正確なのであるが、初期の温度−抵抗特
性から初期の抵抗の10〜100倍となる抵抗の温度とする
のが簡便なアニール温度の決定法である。
また、アニール時間は、前記結晶性熱可塑性樹脂の種
類により相違するが、前記アニール温度で任意の時間放
置し、それぞれのDSCのピーク形状が一定になるまでの
時間にするのが良いのであるが、短くても30分以上、通
常は、2時間以上であれば良い。
また、アニールは、空気中や窒素ガスあるいはアルゴ
ンガスなどの不活性ガス中などのような気相中であって
も、真空中であっても、さらには液中であっても構わな
い。
もっとも、アニールは気相中で行なうのが好ましい。
前記のようなアニールを行なうことによって、発熱体
素材の結晶形態を安定化させることができるものと考え
られる。
所定の形状に成形され、あるいは前記アニールをされ
た発熱体素材の表面には、電極を設ける。なお、この発
熱体素材には、前記電極にリード線を接続している。
前記電極の素材としては、特に制限はなく、通常のも
のを用いることができ、たとえば、銀、銅、ニッケル、
アルミニウム、金などを挙げることができる。
前記電極は、発熱体素材の表面および/または裏面
に、たとえば銀ペーストによるスクリーン印刷あるいは
塗布することにより、形成することができ、また金属箔
や金属メッシュを圧着する方法や、その後にエッチング
によってたとえばクシ型形状などの任意の形状に加工す
ることにより形成することができる。また、金属線を埋
め込んで形成することもできる。
本願発明においては、前記電極の外装樹脂による発熱
体素材からの剥離を防止するために、少なくとも前記電
極を樹脂フィルムによって被覆しても良い。
前記樹脂フィルムとしては、耐熱性を有する限りにお
いて特に制限がなく、たとえば、塩化ビニリデン樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイロン、ポリイ
ミド樹脂などの各種フィルムなどを挙げることができ
る。
これら各種の樹脂フィルムの中からいずれを使用する
かは、前記発熱体素材の形成に使用した結晶性熱可塑性
樹脂の種類に応じて適宜に決定することができるのであ
るが、前記結晶性熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系
樹脂を使用する場合には、特にポリ塩化ビニリデン樹脂
フィルムやポリエチレンフィルムが好ましい。
前記樹脂フィルムの厚さは、通常、1〜200μm、好
ましくは、1〜100μmである。
前記樹脂フィルムの厚さが前記範囲より下回ると、フ
ィルム強度が低下することがあり、前記厚さが前記範囲
を超えると、フィルムの柔軟性が失われることがある。
本願発明において、前記発熱体素材を外装樹脂で被覆
してもよい。
外装材は、耐熱性を有する樹脂であれば良い。
外装材は、比較的低温で硬化する樹脂を発熱体の表面
に塗布することにより、あるいは耐熱性のある樹脂フィ
ルムまたは樹脂シートを発熱体に積層することによって
得ることができる。いずれの方法によるも、発熱体の最
外層には、外装樹脂層が形成されることになる。
前記低温で硬化する樹脂としては、たとえばシリコー
ン樹脂系、低温硬化型のエポキシ樹脂系、ウレタン樹脂
系などの接着剤を好適に用いることができる。
なお、この硬化性樹脂を発熱体の表面に塗布してから
前記のようにアニールを行なうと、前記結晶性熱可塑性
樹脂のアニールと外装樹脂の硬化とを同時に行なうこと
ができて、工程の簡略化を実現することができる。
前記樹脂フィルムまたは樹脂シートとしては、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂などのポリエステル樹脂、ナイロン66、ナイロン
6などのポリアミド樹脂や芳香族ポリアミド樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、酢酸セルロース系樹脂、カルボキシ
メトキシセルロース樹脂などのセルロース系樹脂、ポリ
イミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−ピロピレン共重合体、ポリブチレン、ポリブテン−1
などのポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、
ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリシアノアリールエーテルなどのフィルムが挙げら
れ、またガラス繊維や炭素繊維、金属繊維等の織布を用
いることもできる。
前記硬化性樹脂の塗布方法としては、特に制限がな
く、たとえば、刷毛塗りなどによる塗布方法、あるいは
浸漬などによる塗布方法が用いられる。
前記樹脂フィルムを積層する場合には、たとえば、樹
脂フィルムに予め接着剤を塗布した後、前記発熱体に貼
り合わせる方法が用いられ、その場合には、ドクターブ
レードなどによって接着剤を塗布するかあるいは樹脂フ
ィルムを接着在中に浸漬する方法がある。
前記樹脂フィルムに接着剤を塗布して樹脂フィルムを
発熱体に貼り合わせる方法においては、樹脂フィルムを
空気が入り込まないように発熱体に貼り合わせ、室温で
数時間放置させて硬化させるが、40〜150℃で熱処理す
ることにより硬化速度が大きくなり、強度が発現するの
で好ましい。また、減圧下に硬化させると気泡のないも
のが得られるので好ましい。
本発明の製造方法によって得られる正温度特性発熱素
子は、たとえば、定温度発熱体素子、加熱保護素子、過
電流保護素子などに用いることができる。
[実施例] 以下、実施例および比較例を示して本発明をさらに詳
細に説明する。
(実施例1) トランス−1,4−ポリイソプレン[クラレイソプレン
ケミカル(株)製、商品名:TP301]61重量部とカーボン
ブラック[平均粒径43mμ、三菱化成工業(株)製、商
品名:ダイヤブラックE]39重量部とからなる組成物10
0重量部に対し、炭化ケイ素粉[不二見研磨材工業
(株)製、商品名:SiC#2000]43重量部を配合し、ラボ
プラストミルを用いて150℃の温度下で20分間混練して
組成物を得た。
この組成物を0.5mm厚のシートに加熱プレス機で成形
し、25×35mmの大きさに作成し、銀ペーストを塗布し
て、くし型電極を形成し、充分乾燥させて発熱体を得
た。
得られた発熱体を55℃のオーブン中に4時間放置して
アニールを行なった。
アニール後放冷した発熱体に、直流12Vを印加した。
ヒーターの中心部の温度を赤外線温度計で測定した。初
期の温度は53℃であり、200時間後の温度は55℃で非常
に安定していた。また、室温での抵抗値も初期では、5.
0Ωであったが、200時間後、4.7Ωであり、安定してい
た。
(比較例1) 実施例1において、アニールを行なわずに得た発熱体
に直流12Vを印加した。初期の温度は42℃であり、200時
間後、53℃であった。その差は11℃と大きかった。さら
に室温抵抗値は初期6.1Ωであったが、200時間後には1
0.2Ωと増大した。
(実施例2) 実施例1において、トランス−1,4−ポリイソプレン
に代えて、エチレン−エチルアクリレート共重合体[日
本ユニカー(株)製、商品名:NUC6570]57重量部と、カ
ーボンブラック43重量部および前記両者100重量部に対
し、炭化ケイ素粉43重量部を配合して混練した後、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシ
ン−3を0.17重量部加え、さらに混練して組成物を得
た。
得られた組成物を実施例1と同様に行なって、発熱体
(ヒーター)を形成した。このヒーターを80℃のオーブ
ン中で12時アニールを行なった。
このヒーターに直流12Vを印加した。初期温度は、72
℃であり、200時間後71℃であり、安定していた。さら
に室温での抵抗値は初期に6.1Ωであり、200時間後では
5.8Ωで安定していた。
(比較例2) 実施例2において、アニールを行なわなかった以外は
同様にしてヒーターを得た。このヒーターに直流12Vを
印加した初期温度は66℃であり、200時間後では71℃で
あり、安定していなかった。さらに室温抵抗値は初期8
Ωであったが、200時間後には10.5Ωに増大していた。
(実施例3) 実施例1において、熱可塑性樹脂を低密度ポリエチレ
ン[東ソー(株)製、商品名:ペトロセン170]59重量
部とカーボンブラック41重量部および炭化ケイ素67重量
部を混練した後、2,5ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキシン−3を0.3重量部を加え、さらに混
練して組成物を得た。
得られた組成物を1mm厚のシートに成形した後表裏両
面に肉厚20μmの電解ニッケル箔を熱圧着した。
得られた積層体を1cm角に切断してチップ化し、この
チップをオーブン中で、100℃で4時間加熱してアニー
ルした後放冷した。
このチップに直流12Vを印加した。このチップの中心
部の初期温度は99℃であり、200時間後の温度は99℃で
非常に安定していた。また、室温での抵抗値は、初期で
は4.7Ωであったが、200時間後では、4.8Ωで安定して
いた。
(比較例3) 実施例3において、アニールを行なわずに直流12Vを
印加した。初期温度は96℃であり、200時間後、99℃と
なり、3℃の変化を示した。さらに室温での抵抗値は初
期では、4.6Ωであったが、200時間後、5.3Ωに増加し
ていた。
[発明の効果] 本願発明の方法によれば、長時間の通電においても電
気抵抗値および発熱状態の安定した、耐熱性の大きい正
温度特性発熱素子の製造方法を提供することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶性熱可塑性樹脂55〜75重量部と導電性
    粒子45〜25重量部との混合物100重量部に、半導電性粒
    子15〜200重量部を配合し、溶融混練してなる組成物を
    発熱体素材に成形した後、その発熱体素材の発熱作動範
    囲内の温度でアニールを行うことを特徴とする正温度特
    性発熱素子の製造方法。
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