JP2630404B2 - 超電導体の製造方法 - Google Patents
超電導体の製造方法Info
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- JP2630404B2 JP2630404B2 JP62204998A JP20499887A JP2630404B2 JP 2630404 B2 JP2630404 B2 JP 2630404B2 JP 62204998 A JP62204998 A JP 62204998A JP 20499887 A JP20499887 A JP 20499887A JP 2630404 B2 JP2630404 B2 JP 2630404B2
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- superconductor
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は超電導体の製造方法、さらに詳しく云えば、
配合原料を溶融し、急冷してつくることを特徴とする製
造方法に関する。
配合原料を溶融し、急冷してつくることを特徴とする製
造方法に関する。
超電導体は電気抵抗ゼロで電流が流れると云う特性か
ら、マグネット、電力貯蔵、ジョセフソン素子等多くの
分野への利用が想定され、将来の技術の鍵を把る材料と
して、最近多方面で研究開発されている。
ら、マグネット、電力貯蔵、ジョセフソン素子等多くの
分野への利用が想定され、将来の技術の鍵を把る材料と
して、最近多方面で研究開発されている。
その超電導体の材料としてセラミックス系(たとえ
ば、La−Sr−Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系等)のものが
着目されている。
ば、La−Sr−Cu−O系、Y−Ba−Cu−O系等)のものが
着目されている。
そのセラミックス系超電導体は通常焼結法で製造され
ている。すなわち所定の元素を含む化合物を適当な割合
に混合し、加圧成形したのち、約1000℃で焼結し、アニ
ール処理後冷却する方法である。
ている。すなわち所定の元素を含む化合物を適当な割合
に混合し、加圧成形したのち、約1000℃で焼結し、アニ
ール処理後冷却する方法である。
前記焼結法は得られる超電導体を最密にする必要か
ら、加圧してつくった成形体を長時間、少なくとも数日
以上にわたって焼結しなければならないため、製造時間
がかかり過ぎる欠点を有している。
ら、加圧してつくった成形体を長時間、少なくとも数日
以上にわたって焼結しなければならないため、製造時間
がかかり過ぎる欠点を有している。
そこで本発明者らは焼結法に比較して、短時間で超電
導体を製造する方法について研究した結果、配合原料を
溶融急冷することにより、著しく製造時間を短縮できる
ことを見い出して、以下のような発明を完成させた。
導体を製造する方法について研究した結果、配合原料を
溶融急冷することにより、著しく製造時間を短縮できる
ことを見い出して、以下のような発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は周期律表のII−A族の元素
を含んだ化合物、同様にIII−A族の元素を含んだ化合
物および銅を含んだ化合物の各金属元素および銅を超電
導体中で所定の割合になるように配合し、混合してから
その配合物を完全に溶融したのち、急冷し、アニール処
理してつくる超電導体の製造方法である。
を含んだ化合物、同様にIII−A族の元素を含んだ化合
物および銅を含んだ化合物の各金属元素および銅を超電
導体中で所定の割合になるように配合し、混合してから
その配合物を完全に溶融したのち、急冷し、アニール処
理してつくる超電導体の製造方法である。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される周期律表II−A族の元素にはCa,S
r,Ba等、III−A族の元素にはSc,YおよびLaなどの希土
類等の各種金属元素が挙げられる。
r,Ba等、III−A族の元素にはSc,YおよびLaなどの希土
類等の各種金属元素が挙げられる。
上記の各金属元素または銅を含む化合物には酸化物、
炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが示されるが、好
ましいのは酸化物、および炭酸塩である。
炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが示されるが、好
ましいのは酸化物、および炭酸塩である。
上記の各化合物には最終的に得られる超電導体を構成
する金属元素の比が所定の割合になるように配合し、混
合される。混合された配合物は電気炉等により溶融され
る。その溶融温度は配合物全体が完全に溶融する、換言
すれば元素が原子レベルで混ざり合うような粘性の溶融
物になる温度であればよく、数時間の加熱で十分に溶融
される。その温度は配合物によって相違し、本発明では
特に限定しない。
する金属元素の比が所定の割合になるように配合し、混
合される。混合された配合物は電気炉等により溶融され
る。その溶融温度は配合物全体が完全に溶融する、換言
すれば元素が原子レベルで混ざり合うような粘性の溶融
物になる温度であればよく、数時間の加熱で十分に溶融
される。その温度は配合物によって相違し、本発明では
特に限定しない。
得られた溶融物は室温まで急冷される。この急冷によ
り、製造される超電導体が密になり臨界温度を上昇させ
るので本発明において重要な工程の一つである。急冷方
法は慣用の方法が採用されるが、好ましくは加圧しなが
ら急冷するのがよい。
り、製造される超電導体が密になり臨界温度を上昇させ
るので本発明において重要な工程の一つである。急冷方
法は慣用の方法が採用されるが、好ましくは加圧しなが
ら急冷するのがよい。
急冷されたものは、材料の安定化を行なうために電気
炉を用いて800〜950℃数時間ないし数十時間空気中ある
いは酸素中でアニール処理される。
炉を用いて800〜950℃数時間ないし数十時間空気中ある
いは酸素中でアニール処理される。
以上の製法によって得られるセラミックス系超電導体
としては、Ba−La−Cu−O系、Sr−La−Cu−O系、Ca−
La−Cu−O系、Ba−Y−Cu−O系、Ba−Yb−Cu−O系、
Ba−Tm−Cu−O系、Ba−Er−Cu−O系、Ba−Gd−Cu−O
系等のものが示される。
としては、Ba−La−Cu−O系、Sr−La−Cu−O系、Ca−
La−Cu−O系、Ba−Y−Cu−O系、Ba−Yb−Cu−O系、
Ba−Tm−Cu−O系、Ba−Er−Cu−O系、Ba−Gd−Cu−O
系等のものが示される。
〔実施例1〕 下記の要領によってBa−Y−Cu−O系に属するBa2YCu
3O6.5組成の超電導体を製造した。
3O6.5組成の超電導体を製造した。
BaCO3(純度99.9wt%)、Y2O3(純度99.99wt%)およ
びCuO(純度99.9wt%)の化合物をそれぞれ2モル、1/2
モルおよび3モル配合し、乳鉢で十分混合して全量で10
0gの配合物を得た。この配合物を白金ルツボに入れ電気
炉に挿入し、1400℃、2時間加熱して完全に溶融させ
た。
びCuO(純度99.9wt%)の化合物をそれぞれ2モル、1/2
モルおよび3モル配合し、乳鉢で十分混合して全量で10
0gの配合物を得た。この配合物を白金ルツボに入れ電気
炉に挿入し、1400℃、2時間加熱して完全に溶融させ
た。
得られた溶融物をステンレス板上に流し出し、その上
をただちに別のステンレス板で押えて、溶融物を室温に
まで急冷した。
をただちに別のステンレス板で押えて、溶融物を室温に
まで急冷した。
次いで、それを電気炉を用いて、900℃、48時間空気
中でアニール処理した。
中でアニール処理した。
かくして得られた超電導体から1×3×8mmの大きさ
の試料片を作製した。
の試料片を作製した。
この試料片を直流四端子法によって、低温における電
気抵抗を測定し、得られた結果を表1に示した。なお温
度は金+0.07%鉄−クロメル熱電対を用いて測定した。
気抵抗を測定し、得られた結果を表1に示した。なお温
度は金+0.07%鉄−クロメル熱電対を用いて測定した。
この結果、本発明の溶融急冷法によって得たBa2YCu3O
6.5の組成からなる超電導体の臨界温度は88Kであった。
6.5の組成からなる超電導体の臨界温度は88Kであった。
〔実施例2〕 下記の要領によってBa2GdCu3O7−δ組成の超電導体
を製造しその臨界温度を測定した。
を製造しその臨界温度を測定した。
BaCo3(純度99.9%)、Gd2O3(純度99.9%)及びCuO
(純度99.9%)の化合物をそれぞれ2モル,1/2モル及び
3モルの割合で配合し乳鉢で十分混合して全量で100gの
配合物を得た。
(純度99.9%)の化合物をそれぞれ2モル,1/2モル及び
3モルの割合で配合し乳鉢で十分混合して全量で100gの
配合物を得た。
この配合物をZrO2ルツボに入れて電気炉に挿入し、15
00℃,2時間加熱して完全に溶融させた。
00℃,2時間加熱して完全に溶融させた。
得られた溶融物をステンレス板上に流し出し、その上
をただちに別のステンレス板で押えて、溶融物を室温に
まで急冷した。
をただちに別のステンレス板で押えて、溶融物を室温に
まで急冷した。
次いで、それを電気炉を用いて900℃,5時間酸素中で
アニール処理を行なった。
アニール処理を行なった。
得られた超電導体から実施例1と同寸法の試料片を作
製し、電気抵抗を測定した。得た結果を表2に示す。臨
界温度は90Kであった。
製し、電気抵抗を測定した。得た結果を表2に示す。臨
界温度は90Kであった。
〔実施例3〕 実施例2におけるGd2O3をEr2O3(純度99.9%)に変更
した以外は実施例2と同じ製法でBa2ErCu3O7−δの組
成の超電導体を製造し、同寸法の試料片を作製し、電気
抵抗を測定した。
した以外は実施例2と同じ製法でBa2ErCu3O7−δの組
成の超電導体を製造し、同寸法の試料片を作製し、電気
抵抗を測定した。
得られた結果を表3に示す。臨界温度は90Kであっ
た。
た。
〔比較例〕 実施例1〜3でつくった各配合物を用いて焼結法で超
電導体を製造した。
電導体を製造した。
すなわち、配合物を500kgf/cm2の圧力を加えて成形
し、得た成形体を950℃,48時間電気炉で焼結し、炉冷し
たのち、900℃,48時間空気中でアニール処理してそれぞ
れの超電導体を得た。
し、得た成形体を950℃,48時間電気炉で焼結し、炉冷し
たのち、900℃,48時間空気中でアニール処理してそれぞ
れの超電導体を得た。
得られた各超電導体から実施例1と同寸法の試料片を
作製し、電気抵抗を測定した。
作製し、電気抵抗を測定した。
超電導体の組成は、Ba2YCu3O6.5,Ba2GdCu3O7−δお
よびBa2ErCu3O7−δで、臨界温度は85K,88K,および88K
であった。
よびBa2ErCu3O7−δで、臨界温度は85K,88K,および88K
であった。
本発明は超電導体を製造するにあたり、溶融法を採用
したことにより、従来法で成形体の焼結に数日を要した
のに比較して、僅か数時間の溶融で製造できる。したが
って、著しく生産性が向上し、熱エネルギーが制約され
るうえに、臨界温度も数K上昇するメリットも有してい
る。
したことにより、従来法で成形体の焼結に数日を要した
のに比較して、僅か数時間の溶融で製造できる。したが
って、著しく生産性が向上し、熱エネルギーが制約され
るうえに、臨界温度も数K上昇するメリットも有してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 近野 光知 (56)参考文献 特開 昭64−27133(JP,A) 特開 昭63−240005(JP,A) 特開 昭63−242960(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】周期律表のII−A族およびIII−A族の元
素を含むそれぞれの化合物ならびに銅を含む化合物の配
合物を混合し、その混合物を低粘性の溶融物となるべく
混合物全体が完全に溶融する温度で溶融したのち、得ら
れた溶融物を金属板上に流し出し、その上面にさらに金
属板で加圧しながら急冷し、アニール処理することも特
徴とする超電導体の製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62204998A JP2630404B2 (ja) | 1987-05-13 | 1987-08-20 | 超電導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62-116341 | 1987-05-13 | ||
JP11634187 | 1987-05-13 | ||
JP62204998A JP2630404B2 (ja) | 1987-05-13 | 1987-08-20 | 超電導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6452611A JPS6452611A (en) | 1989-02-28 |
JP2630404B2 true JP2630404B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=26454695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62204998A Expired - Lifetime JP2630404B2 (ja) | 1987-05-13 | 1987-08-20 | 超電導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2630404B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63240005A (ja) * | 1987-03-27 | 1988-10-05 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 超電導材料の作製方法 |
JPS63242960A (ja) * | 1987-03-30 | 1988-10-07 | Komatsu Ltd | 超電導体およびその製造方法 |
JPS6427133A (en) * | 1987-04-02 | 1989-01-30 | Sumitomo Electric Industries | Manufacture of superconductive wire |
-
1987
- 1987-08-20 JP JP62204998A patent/JP2630404B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6452611A (en) | 1989-02-28 |
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