JP2630148C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は装飾用のトリム材、特に車両用として適したトリム材の製造方法およ
び装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 自動車、バス、トラック、オートバイ、電車等の車両用のトリム材として、光
輝ステンレス鋼板等の長尺の基材にゴム、合成樹脂等の樹脂部を形成したものが
ある。図5(a)〜(f)はこのようなトリム材を示す横断面図であり、(a)
はウインドシールドもしくはバックウインドウモールディング(アッパーまたは
サイド)、(b)はサッシモールディング、(c)はドリップモールディング、
(d)はフェンダーモールディングもしくはサイドプロテクタモールディング、
(e)はウエストモールディング、(f)はウインドシールドもしくはバックウ
インドウモールディング(ロァー)として使用されるトリム材を示す。 【0003】 図5において、1はトリム材で、ステンレス鋼板等の異形材、あるいはアルミ
ニウム合金の押出成形材などからなる長尺の基材2の外表面側の一部に樹脂部3
が積層固着されている。このようなトリム材1は外表面の一部を変化部4とし、
この部分の基材2を露出させて光輝部5としたもの、およびこの変化部4を樹脂
部3で覆ったものを別に製造し、デザインの多様化をはかっている。 【0004】 このような2種類のトリム材1は、形状がほとんど同一にも拘らず、変化部4
における変化した色を要求されるときには、別の成形型を使用して、異なる工程
で製造する必要がある。例えば押出成形、射出成形等により製造する場合、基材
2および樹脂部3の間に固着剤層を形成する際、固着剤層を形成する領域を変化
させる必要があり、そのための装置および成形型として、2種類のものを準備し
、これらを交換して製造を行う必要がある。この場合、上記装置および成形型の
交換に時間と手間を要するだけでなく、交換後正常な製品が得られるまでに時間
がかかり、その間樹脂や基材を無駄にするという問題点がある。 【0005】 またトリム材の外表面部付近に、装飾フィルムとしての基材を埋設するように
供給し、この基材の外表面が非固着性の状態のまま、その上に樹脂部を形成する
ように押出成形を行って第1のトリム材を製造し、このトリム材の基材部に形成
された樹脂部にカッタで切目を入れて樹脂部を剥離除去して第2のトリム材を製
造する方法が提案されている(特開平1−221218号)。 【0006】 しかしながら、このような従来の製造方法では、基材が非固着性のまま、その
上に樹脂部を形成するため、基材と樹脂部の境界が剥離しやすく、膨れその他の
変形が生じやすいという問題点がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、上記問題点を解決するため、同一の装置および成形型を使用
し、簡単な操作により、基材と樹脂部の密着性に優れた2種類のトリム材を製造
することができるトリム材の製造方法および装置を提案することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明は次のトリム材の製造方法および装置である。 (1) 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基材の長
手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に樹脂部
を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム材の少
なくとも2種類のトリム材を製造する方法であって、少なくとも次の第1および
第2工程を任意の順序で、同じ装置および成形型を使用して行うことを特徴とす
るトリム材の製造方法。 第1工程:基材の変化部および共通樹脂部形成部が固着性の状態で、基材を押
出成形型に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形成し、得られた
トリム材を所定寸法に切断することにより、変化部に樹脂部が固着した複数の第
1のトリム材を所定量に達するまで製造する。 第2工程:基材の共通樹脂部形成部を固着性とし、変化部を非固着性とした状 態で、基材を押出成形型に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形
成した後、変化部に形成された樹脂部を除去し、樹脂部の除去後または除去前に
、得られたトリム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去
された複数の第2のトリム材を所定量に達するまで製造する。 (2) 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基材の長
手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に樹脂部
を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム材の少
なくとも2種類のトリム材を製造する装置であって、 長尺の基材を送り出しながら、基材の共通樹脂部形成部に固着性を付与する第
1の固着性付与部と、 第1のトリム材製造工程中に製造する所定量に応じて変化部に固着性を付与し
、第2のトリム材製造工程中に製造する所定量に応じて変化部を非固着性のまま
通過させる第2の固着性付与部と、 前記固着性を付与した基材を導入して、共通樹脂部形成部および変化部に樹脂
部を形成する押出成形型と、 前記押出成形型で成形されたトリム材のうち、第2のトリム材に形成された樹
脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂を剥離
可能にするカッタと、 第1のトリム材製造工程中に得られたトリム材を所定寸法に切断することによ
り、変化部に樹脂部が固着した複数の第1のトリム材を所定量に達するまで製造
し、第2のトリム材製造工程中の樹脂部の除去後または除去前に、得られたトリ
ム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去された複数の第
2のトリム材を所定量に達するまで製造する切断機と を少なくとも有することを特徴とするトリム材の製造装置。 (3) 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基材の長
手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に樹脂部
を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム材の少
なくとも2種類のトリム材を製造する装置であって、 長尺の固着性の基材を送り出しながら、基材の変化部に、第2のトリム材製造 工程中に製造する所定量に応じて非固着性を付与し、第1のトリム材製造工程中
に製造する所定量に応じて変化部を基材の固着性のまま通過させる非固着性付与
部と、 前記非固着性を付与し、または付与しない基材を導入して、共通樹脂部形成部
および変化部に樹脂部を形成する押出成形型と、 前記押出成形型で成形されたトリム材のうち、第2のトリム材に形成された樹
脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂を剥離
可能にするカッタと、 第1のトリム材製造工程中に得られたトリム材を所定寸法に切断することによ
り、変化部に樹脂部が固着した複数の第1のトリム材を所定量に達するまで製造
し、第2のトリム材製造工程中の樹脂部の除去後または除去前に、得られたトリ
ム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去された複数の第
2のトリム材を所定量に達するまで製造する切断機と を少なくとも有することを特徴とするトリム材の製造装置。 【0009】 本発明において、基材は、樹脂部を形成するための基部となるものであり、金
属、硬質樹脂等の剛性を有する長尺材があげられるが、これらに限定されない。
これらの基材は金属光沢を有するもの、塗膜、着色層、メタライジング層などの
表面処理層を有するものなど、任意の外観を有するものが使用できる。樹脂部は
、基材に積層されるもので、基材の表面色とは異色のゴム、合成樹脂などにより
形成される。 【0010】 基材の固着性は、基材と樹脂部の固着性が小さい場合は、接(粘)着剤等の固
着材層の形成により付与され、基材と樹脂部の固着性が大きい場合は、基材表面
そのままの固着性となる。非固着性は、基材と樹脂部の固着性が小さい場合は、
固着材を介在させないことにより付与され、基材と樹脂部の固着性が大きい場合
は、離型剤、可剥性テープ等の非固着材層の形成により付与される。 【0011】 【作用】 本発明のトリム材の製造方法においては、第1工程において、基材の変化部お
よび共通樹脂部形成部が固着性の状態で、基材を押出成形型に供給し、変化部お
よび共通樹脂部形成部に樹脂部を形成し、第1のトリム材を所定量に達するまで
製造する。そして第2工程において、基材の共通樹脂部形成部を固着性とし、変
化部を非固着性とした状態で、基材を押出成形型に供給し、変化部および共通樹
脂部形成部に樹脂部を形成した後、変化部に形成された樹脂部を除去し、第2の
トリム材を所定量に達するまで製造する。これらの第1および第2工程は任意の
順序で、同じ装置および成形型を使用して行われる。この場合、実質的に装置の
運転を停止することなく、第1および第2工程の切換が可能である。 【0012】 上記のトリム材の製造を本発明のトリム材の製造装置により行うには、まず基
材と樹脂の固着性が小さい場合は、請求項2の製造装置を使用し、第1および第
2のトリム材の製造工程を通じて、長尺の基材を送り出しながら、第1の固着性
付与部により、基材の共通樹脂部形成部に固着性を付与し、第2の固着性付与部
により、第1工程中に変化部に固着性を付与し、第2工程中には変化部を非固着
性のまま通過させる。 【0013】 また基材と樹脂の固着性が大きい場合は、請求項3の製造装置を使用し、長尺
の固着性の基材を送り出し、第1工程では非固着性付与部を素通りさせ、変化部
を基材の固着性のままとし、第2工程においては、非固着性付与部により、変化
部に非固着性を付与する。 【0014】 いずれの場合も、上記により固着性または非固着性を付与した基材を成形型に
導入して、共通樹脂部形成部および変化部に樹脂部を形成する。これにより、第
1工程においては第1のトリム材が製造される。第2工程においては、カッタに
より樹脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂
部を除去することにより第2のトリム材が製造される。 【0015】 【実施例】 以下、本発明を図面の実施例により説明する。 図1(a)は第1のトリム材を示す斜視図、(b)は第2のトリム材を示す斜
視図である。図において、1aは第1のトリム材、1bは第2のトリム材で、ス
テンレス鋼板製の異形材からなる長尺の基材2の外表面側の共通樹脂部形成部6
に、接(粘)着剤等の固着材層7を介して、樹脂部3が形成されている。変化部
4は長手方向の全長にわたって伸びるように形成され、第1のトリム材1aでは
、固着材層7aを介して樹脂部3aが形成されており、第2のトリム材1bでは
、基材2の表面が露出して光輝部5となっている。 【0016】 図2は請求項2に対応する実施例の製造装置を示す系統図、図3は第1工程を
示し、(a)は図2のA−A矢視図、(b)はB−B矢視図、(c)はC−C矢
視図、図4は第2工程を示し、(a)は図2のB−B矢視図、(b)はC−C矢
視図である。 【0017】 図2の製造装置10は、アンコイラ11と、アンコイラ11から送り出される
光輝面を有するステンレス鋼板、アルミニウム板などのストリップ材12の共通
樹脂部形成部6に固着材層7を形成する第1の固着性付与部13と、固着材層7
のベーキング装置14と、ストリップ材12を曲げ成形して異形材からなる基材
2を形成するロール成形機15と、第1工程において変化部4に固着材層7aを
形成し、第2工程において変化部4を非固着性のまま通過させる第2の固着性付
与部16と、固着材層7aのベーキング装置17と、基材2を導入して共通樹脂
部形成部6および変化部4に樹脂部3、3aを形成する押出成形型18と、形成
されたトリム材1のうち第2工程において変化部4の樹脂部3aに切目を入れる
カッタ19と、トリム材1を冷却する冷却槽20と、トリム材1を引取る引取機
21と、トリム材1を所定の寸法に切断する切断機22とからなる。 【0018】 第1の固着性付与部13は、貯槽31内の固着材(実施例では接〔粘〕着剤)
32に浸った塗布ロール33と圧着ロール34間にストリップ材12を通過させ
て、共通樹脂部形成部6に固着材層7を形成するようになっている。第2の固着 性付与部16は、変化部4に固着材層7aを形成するフェルト、スポンジ等の塗
布部材36を、矢印X方向に前進後退させる流体圧シリンダ37と、固着材32
を塗布部材36に供給する貯槽38とを備えている。第1の固着性付与部13は
ロール成形機15の後に配置してもよい。この場合、ベーキング装置14は省略
することができる。 【0019】 押出成形型18は、内部を通過する基材2に、押出機41から押出されるゴム
、合成樹脂等の樹脂42を積層して、樹脂部3、3aを形成するようになってい
る。カッタ19は、樹脂部3と3aの境界部に切目を入れるように、押出成形型
18の後部に2個配置され、前進後退機構44により矢印Y方向に前進後退する
ようになっている。45は押出成形型18を出たトリム材1を所定の位置に保ち
、位置決めするガイドである。 【0020】 上記の製造装置10は、基材2と固着性の小さい樹脂を使用してトリム材1を
製造するための装置であり、次の第1工程で第1のトリム材1aを製造し、第2
工程で第2のトリム材1bを製造する。 【0021】 まず第1および第2工程のいずれの場合も、アンコイラ11からストリップ材
12を送り出し、第1の固着性付与部13の塗布ロール33および圧着ロール3
4間を通過させて、図3(a)に示すように、共通樹脂部形成部6に固着材層7
を形成し、固着性を付与する。そしてベーキング装置14において焼付を行った
後、ロール成形機15において曲げ成形を行い、異形断面の基材2を形成する。 【0022】 この第1工程では、図3(b)に示すように、流体圧シリンダ37により塗布
部材36を前進させ、貯槽38から固着材32を供給して、基材2の変化部4に
固着材層7aを形成し、固着性を付与する。そしてベーキング装置17において
焼付を行った後、基材2を押出成形型18に供給し、押出機41から樹脂42を
押出して押出成形を行う。これにより固着材層7、7a上に樹脂部3、3aを積
層して固着させ、トリム材1aを成形する。そして図3(c)に示すようにカッ タ19を後退させた状態でトリム材1aを素通りさせ、冷却槽20において冷却
後、引取機21により引取り、切断機22により所定寸法に切断して、第1のト
リム材1aが所定量だけ製造される。 【0023】 次に第1のトリム材1aを所定量だけ製造したら、製造装置10はそのまま運
転した状態で第2工程に移る。第2工程では、図4(a)に示すように、第2の
固着性付与部16の塗布部材36を流体圧シリンダ37の作動により後退させ、
ストリップ材12の変化部4に第2の固着材層7aを形成することなく、ベーキ
ング装置17を素通りさせ、第1のトリム材1aに使用したのと同じ押出成形型
18において樹脂部3、3aの押出成形を行う。そして図4(b)に示すように
、固着材層7aが形成されてない部分が達した時点で、前進後退機構44の作動
によりカッタ19を前進させて、樹脂部3、3aの境界に切目を入れ、樹脂部3
aを剥離する。このとき変化部4には第2の固着材層7aが形成されていないた
め、樹脂部3aは容易に剥離する。こうして得られたトリム材1(1b)は、第
1工程と同様にして、冷却、引取、切断が行われ、第2のトリム材1bが製造さ
れる。剥離した樹脂部3aは再度溶融して、樹脂42として使用することができ
る。 【0024】 なお、カッタ19は、押出成形型18の直後に設けて、樹脂が高温で未だ軟か
いときに切目を付けるのが好ましいが、引取機21の前後に設けて、樹脂が冷却
後に行なってもよく、更には切断機22で所定の長さに第2のトリム部材を切断
した後に、別途の工程で行ってもよい。 【0025】 上記の第1工程と第2工程はどちらが先に行われてもよい。こうして製造され
る第1のトリム材1aは、樹脂部3、3aがほぼ全領域にわたって固着材層7、
7aにより基材2に固着されるため、基材2と樹脂部3、3aの膨れ、剥離等は
生じない。また第2のトリム材1bは、樹脂部3aの剥離により、光輝部5が形
成され、第1のトリム材1aとは異なる外観を示す。 【0026】 上記実施例では、固着材層7、7aにより固着性を付与したが、プラズマ処理 の1つであるコロナ放電その他の手段によって固着性を付与してもよい。そして
これらの固着性付与手段に応じて、固着性付与部13、16の構成を選択するこ
とができる。また予め固着材層7を形成した基材2を使用することもでき、この
場合、第1の固着性付与部13を省略することができる。 【0027】 次に基材2が金属材料であり、樹脂部がアイオノマー樹脂のように、基材に対
して固着性の大きい樹脂を使用してトリム材1を製造する場合に使用される請求
項3に対応する製造装置は、図2の製造装置10において、第1の固着性付与部
13を省略し、第2の固着性付与部16を非固着性付与部として用い、第2工程
において、離型剤、剥離テープ等の非固着材層を形成するように構成する。 【0028】 このような製造装置によるトリム材の製造方法は、ストリップ材12の全面が
固着性であるため、第1工程において、固着材層7、7aを形成することなく、
そのままロール成形、押出成形、冷却、引取、切断を行って第1のトリム材1a
を製造する。そして第2工程においては、第2の固着性付与部16を非固着性付
与部として用い、流体圧シリンダ37の作動により塗布部材36を前進させて、
基材2の変化部4に離型剤等の非固着材層を形成して、非固着性を付与し、押出
成形型18において樹脂部3、3aを形成した後、前進後退機構44の作動によ
リカッタ19を前進させて樹脂層3、3aの境界に切目を入れ、樹脂部3aを剥
離し、第2のトリム材1bを製造する。このとき変化部4には非固着材層が形成
されているため、樹脂部3aは容易に剥離する。 【0029】 以上の説明において、トリム材としては、図1のものに限らず、図5(a)〜
(f)のトリム材、その他のトリム材も同様にして製造することができる。また
本発明は車両用に限らず、他の用途のトリム材の製造にも適用することができる
。 【0030】 また本発明は、変化部4の幅を複数に変化させたり、あるいは変化部4を追加
して他の部分(例えば側壁部)に形成したりする第3、第4・・・・のトリム材を製 造することもできる。また第1の固着性付与部13と第2の固着性付与部16と
は必らずしも位置的に離して設ける必要はなく、いずれか一方の場所で行っても
よい。基材として、予め所定の長さに切断されたアルミニウム合金の異形押出材
などを使用することもでき、この場合には図2におけるロール成形機15および
切断機22は省略される。また流体圧シリンダー37、前進後退機構44の作動
は、手動の制御で行ってもよいが、切断機22の作動回数をカウントして、その
カウント数を、図示しない制御装置に送り、所定の数量に達したことを確認して
、その時点で、制御装置からの信号により、流体圧シリンダ37、前進後退機構
44を作動させて自動的に切換えることもできる。 【0031】 【発明の効果】 本発明の請求項1のトリム材の製造方法によれば、同一の装置および成形型を
使用し、簡単な操作により、基材と樹脂部の密着性に優れた少なくとも2種類の
トリム材を製造することができ、また製造工程の切換は簡単な操作により短時間
に行うことができ、切換操作に伴う樹脂の無駄がなくなる。 【0032】 本発明の請求項2のトリム材の製造装置によれば、基材と固着性の小さい樹脂
を使用する場合に、簡単な切換操作により、基材と樹脂部の密着性に優れた2種
類のトリム材を効率よく製造することができる。 本発明の請求項3のトリム材の製造装置によれば、基材と固着性の大きい樹脂
を使用する場合に、簡単な切換操作により、固着性を付与することなく、基材と
樹脂部の密着性に優れた2種類のトリム材を効率よく製造することができる。
び装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 自動車、バス、トラック、オートバイ、電車等の車両用のトリム材として、光
輝ステンレス鋼板等の長尺の基材にゴム、合成樹脂等の樹脂部を形成したものが
ある。図5(a)〜(f)はこのようなトリム材を示す横断面図であり、(a)
はウインドシールドもしくはバックウインドウモールディング(アッパーまたは
サイド)、(b)はサッシモールディング、(c)はドリップモールディング、
(d)はフェンダーモールディングもしくはサイドプロテクタモールディング、
(e)はウエストモールディング、(f)はウインドシールドもしくはバックウ
インドウモールディング(ロァー)として使用されるトリム材を示す。 【0003】 図5において、1はトリム材で、ステンレス鋼板等の異形材、あるいはアルミ
ニウム合金の押出成形材などからなる長尺の基材2の外表面側の一部に樹脂部3
が積層固着されている。このようなトリム材1は外表面の一部を変化部4とし、
この部分の基材2を露出させて光輝部5としたもの、およびこの変化部4を樹脂
部3で覆ったものを別に製造し、デザインの多様化をはかっている。 【0004】 このような2種類のトリム材1は、形状がほとんど同一にも拘らず、変化部4
における変化した色を要求されるときには、別の成形型を使用して、異なる工程
で製造する必要がある。例えば押出成形、射出成形等により製造する場合、基材
2および樹脂部3の間に固着剤層を形成する際、固着剤層を形成する領域を変化
させる必要があり、そのための装置および成形型として、2種類のものを準備し
、これらを交換して製造を行う必要がある。この場合、上記装置および成形型の
交換に時間と手間を要するだけでなく、交換後正常な製品が得られるまでに時間
がかかり、その間樹脂や基材を無駄にするという問題点がある。 【0005】 またトリム材の外表面部付近に、装飾フィルムとしての基材を埋設するように
供給し、この基材の外表面が非固着性の状態のまま、その上に樹脂部を形成する
ように押出成形を行って第1のトリム材を製造し、このトリム材の基材部に形成
された樹脂部にカッタで切目を入れて樹脂部を剥離除去して第2のトリム材を製
造する方法が提案されている(特開平1−221218号)。 【0006】 しかしながら、このような従来の製造方法では、基材が非固着性のまま、その
上に樹脂部を形成するため、基材と樹脂部の境界が剥離しやすく、膨れその他の
変形が生じやすいという問題点がある。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、上記問題点を解決するため、同一の装置および成形型を使用
し、簡単な操作により、基材と樹脂部の密着性に優れた2種類のトリム材を製造
することができるトリム材の製造方法および装置を提案することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明は次のトリム材の製造方法および装置である。 (1) 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基材の長
手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に樹脂部
を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム材の少
なくとも2種類のトリム材を製造する方法であって、少なくとも次の第1および
第2工程を任意の順序で、同じ装置および成形型を使用して行うことを特徴とす
るトリム材の製造方法。 第1工程:基材の変化部および共通樹脂部形成部が固着性の状態で、基材を押
出成形型に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形成し、得られた
トリム材を所定寸法に切断することにより、変化部に樹脂部が固着した複数の第
1のトリム材を所定量に達するまで製造する。 第2工程:基材の共通樹脂部形成部を固着性とし、変化部を非固着性とした状 態で、基材を押出成形型に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形
成した後、変化部に形成された樹脂部を除去し、樹脂部の除去後または除去前に
、得られたトリム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去
された複数の第2のトリム材を所定量に達するまで製造する。 (2) 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基材の長
手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に樹脂部
を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム材の少
なくとも2種類のトリム材を製造する装置であって、 長尺の基材を送り出しながら、基材の共通樹脂部形成部に固着性を付与する第
1の固着性付与部と、 第1のトリム材製造工程中に製造する所定量に応じて変化部に固着性を付与し
、第2のトリム材製造工程中に製造する所定量に応じて変化部を非固着性のまま
通過させる第2の固着性付与部と、 前記固着性を付与した基材を導入して、共通樹脂部形成部および変化部に樹脂
部を形成する押出成形型と、 前記押出成形型で成形されたトリム材のうち、第2のトリム材に形成された樹
脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂を剥離
可能にするカッタと、 第1のトリム材製造工程中に得られたトリム材を所定寸法に切断することによ
り、変化部に樹脂部が固着した複数の第1のトリム材を所定量に達するまで製造
し、第2のトリム材製造工程中の樹脂部の除去後または除去前に、得られたトリ
ム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去された複数の第
2のトリム材を所定量に達するまで製造する切断機と を少なくとも有することを特徴とするトリム材の製造装置。 (3) 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基材の長
手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に樹脂部
を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム材の少
なくとも2種類のトリム材を製造する装置であって、 長尺の固着性の基材を送り出しながら、基材の変化部に、第2のトリム材製造 工程中に製造する所定量に応じて非固着性を付与し、第1のトリム材製造工程中
に製造する所定量に応じて変化部を基材の固着性のまま通過させる非固着性付与
部と、 前記非固着性を付与し、または付与しない基材を導入して、共通樹脂部形成部
および変化部に樹脂部を形成する押出成形型と、 前記押出成形型で成形されたトリム材のうち、第2のトリム材に形成された樹
脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂を剥離
可能にするカッタと、 第1のトリム材製造工程中に得られたトリム材を所定寸法に切断することによ
り、変化部に樹脂部が固着した複数の第1のトリム材を所定量に達するまで製造
し、第2のトリム材製造工程中の樹脂部の除去後または除去前に、得られたトリ
ム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去された複数の第
2のトリム材を所定量に達するまで製造する切断機と を少なくとも有することを特徴とするトリム材の製造装置。 【0009】 本発明において、基材は、樹脂部を形成するための基部となるものであり、金
属、硬質樹脂等の剛性を有する長尺材があげられるが、これらに限定されない。
これらの基材は金属光沢を有するもの、塗膜、着色層、メタライジング層などの
表面処理層を有するものなど、任意の外観を有するものが使用できる。樹脂部は
、基材に積層されるもので、基材の表面色とは異色のゴム、合成樹脂などにより
形成される。 【0010】 基材の固着性は、基材と樹脂部の固着性が小さい場合は、接(粘)着剤等の固
着材層の形成により付与され、基材と樹脂部の固着性が大きい場合は、基材表面
そのままの固着性となる。非固着性は、基材と樹脂部の固着性が小さい場合は、
固着材を介在させないことにより付与され、基材と樹脂部の固着性が大きい場合
は、離型剤、可剥性テープ等の非固着材層の形成により付与される。 【0011】 【作用】 本発明のトリム材の製造方法においては、第1工程において、基材の変化部お
よび共通樹脂部形成部が固着性の状態で、基材を押出成形型に供給し、変化部お
よび共通樹脂部形成部に樹脂部を形成し、第1のトリム材を所定量に達するまで
製造する。そして第2工程において、基材の共通樹脂部形成部を固着性とし、変
化部を非固着性とした状態で、基材を押出成形型に供給し、変化部および共通樹
脂部形成部に樹脂部を形成した後、変化部に形成された樹脂部を除去し、第2の
トリム材を所定量に達するまで製造する。これらの第1および第2工程は任意の
順序で、同じ装置および成形型を使用して行われる。この場合、実質的に装置の
運転を停止することなく、第1および第2工程の切換が可能である。 【0012】 上記のトリム材の製造を本発明のトリム材の製造装置により行うには、まず基
材と樹脂の固着性が小さい場合は、請求項2の製造装置を使用し、第1および第
2のトリム材の製造工程を通じて、長尺の基材を送り出しながら、第1の固着性
付与部により、基材の共通樹脂部形成部に固着性を付与し、第2の固着性付与部
により、第1工程中に変化部に固着性を付与し、第2工程中には変化部を非固着
性のまま通過させる。 【0013】 また基材と樹脂の固着性が大きい場合は、請求項3の製造装置を使用し、長尺
の固着性の基材を送り出し、第1工程では非固着性付与部を素通りさせ、変化部
を基材の固着性のままとし、第2工程においては、非固着性付与部により、変化
部に非固着性を付与する。 【0014】 いずれの場合も、上記により固着性または非固着性を付与した基材を成形型に
導入して、共通樹脂部形成部および変化部に樹脂部を形成する。これにより、第
1工程においては第1のトリム材が製造される。第2工程においては、カッタに
より樹脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂
部を除去することにより第2のトリム材が製造される。 【0015】 【実施例】 以下、本発明を図面の実施例により説明する。 図1(a)は第1のトリム材を示す斜視図、(b)は第2のトリム材を示す斜
視図である。図において、1aは第1のトリム材、1bは第2のトリム材で、ス
テンレス鋼板製の異形材からなる長尺の基材2の外表面側の共通樹脂部形成部6
に、接(粘)着剤等の固着材層7を介して、樹脂部3が形成されている。変化部
4は長手方向の全長にわたって伸びるように形成され、第1のトリム材1aでは
、固着材層7aを介して樹脂部3aが形成されており、第2のトリム材1bでは
、基材2の表面が露出して光輝部5となっている。 【0016】 図2は請求項2に対応する実施例の製造装置を示す系統図、図3は第1工程を
示し、(a)は図2のA−A矢視図、(b)はB−B矢視図、(c)はC−C矢
視図、図4は第2工程を示し、(a)は図2のB−B矢視図、(b)はC−C矢
視図である。 【0017】 図2の製造装置10は、アンコイラ11と、アンコイラ11から送り出される
光輝面を有するステンレス鋼板、アルミニウム板などのストリップ材12の共通
樹脂部形成部6に固着材層7を形成する第1の固着性付与部13と、固着材層7
のベーキング装置14と、ストリップ材12を曲げ成形して異形材からなる基材
2を形成するロール成形機15と、第1工程において変化部4に固着材層7aを
形成し、第2工程において変化部4を非固着性のまま通過させる第2の固着性付
与部16と、固着材層7aのベーキング装置17と、基材2を導入して共通樹脂
部形成部6および変化部4に樹脂部3、3aを形成する押出成形型18と、形成
されたトリム材1のうち第2工程において変化部4の樹脂部3aに切目を入れる
カッタ19と、トリム材1を冷却する冷却槽20と、トリム材1を引取る引取機
21と、トリム材1を所定の寸法に切断する切断機22とからなる。 【0018】 第1の固着性付与部13は、貯槽31内の固着材(実施例では接〔粘〕着剤)
32に浸った塗布ロール33と圧着ロール34間にストリップ材12を通過させ
て、共通樹脂部形成部6に固着材層7を形成するようになっている。第2の固着 性付与部16は、変化部4に固着材層7aを形成するフェルト、スポンジ等の塗
布部材36を、矢印X方向に前進後退させる流体圧シリンダ37と、固着材32
を塗布部材36に供給する貯槽38とを備えている。第1の固着性付与部13は
ロール成形機15の後に配置してもよい。この場合、ベーキング装置14は省略
することができる。 【0019】 押出成形型18は、内部を通過する基材2に、押出機41から押出されるゴム
、合成樹脂等の樹脂42を積層して、樹脂部3、3aを形成するようになってい
る。カッタ19は、樹脂部3と3aの境界部に切目を入れるように、押出成形型
18の後部に2個配置され、前進後退機構44により矢印Y方向に前進後退する
ようになっている。45は押出成形型18を出たトリム材1を所定の位置に保ち
、位置決めするガイドである。 【0020】 上記の製造装置10は、基材2と固着性の小さい樹脂を使用してトリム材1を
製造するための装置であり、次の第1工程で第1のトリム材1aを製造し、第2
工程で第2のトリム材1bを製造する。 【0021】 まず第1および第2工程のいずれの場合も、アンコイラ11からストリップ材
12を送り出し、第1の固着性付与部13の塗布ロール33および圧着ロール3
4間を通過させて、図3(a)に示すように、共通樹脂部形成部6に固着材層7
を形成し、固着性を付与する。そしてベーキング装置14において焼付を行った
後、ロール成形機15において曲げ成形を行い、異形断面の基材2を形成する。 【0022】 この第1工程では、図3(b)に示すように、流体圧シリンダ37により塗布
部材36を前進させ、貯槽38から固着材32を供給して、基材2の変化部4に
固着材層7aを形成し、固着性を付与する。そしてベーキング装置17において
焼付を行った後、基材2を押出成形型18に供給し、押出機41から樹脂42を
押出して押出成形を行う。これにより固着材層7、7a上に樹脂部3、3aを積
層して固着させ、トリム材1aを成形する。そして図3(c)に示すようにカッ タ19を後退させた状態でトリム材1aを素通りさせ、冷却槽20において冷却
後、引取機21により引取り、切断機22により所定寸法に切断して、第1のト
リム材1aが所定量だけ製造される。 【0023】 次に第1のトリム材1aを所定量だけ製造したら、製造装置10はそのまま運
転した状態で第2工程に移る。第2工程では、図4(a)に示すように、第2の
固着性付与部16の塗布部材36を流体圧シリンダ37の作動により後退させ、
ストリップ材12の変化部4に第2の固着材層7aを形成することなく、ベーキ
ング装置17を素通りさせ、第1のトリム材1aに使用したのと同じ押出成形型
18において樹脂部3、3aの押出成形を行う。そして図4(b)に示すように
、固着材層7aが形成されてない部分が達した時点で、前進後退機構44の作動
によりカッタ19を前進させて、樹脂部3、3aの境界に切目を入れ、樹脂部3
aを剥離する。このとき変化部4には第2の固着材層7aが形成されていないた
め、樹脂部3aは容易に剥離する。こうして得られたトリム材1(1b)は、第
1工程と同様にして、冷却、引取、切断が行われ、第2のトリム材1bが製造さ
れる。剥離した樹脂部3aは再度溶融して、樹脂42として使用することができ
る。 【0024】 なお、カッタ19は、押出成形型18の直後に設けて、樹脂が高温で未だ軟か
いときに切目を付けるのが好ましいが、引取機21の前後に設けて、樹脂が冷却
後に行なってもよく、更には切断機22で所定の長さに第2のトリム部材を切断
した後に、別途の工程で行ってもよい。 【0025】 上記の第1工程と第2工程はどちらが先に行われてもよい。こうして製造され
る第1のトリム材1aは、樹脂部3、3aがほぼ全領域にわたって固着材層7、
7aにより基材2に固着されるため、基材2と樹脂部3、3aの膨れ、剥離等は
生じない。また第2のトリム材1bは、樹脂部3aの剥離により、光輝部5が形
成され、第1のトリム材1aとは異なる外観を示す。 【0026】 上記実施例では、固着材層7、7aにより固着性を付与したが、プラズマ処理 の1つであるコロナ放電その他の手段によって固着性を付与してもよい。そして
これらの固着性付与手段に応じて、固着性付与部13、16の構成を選択するこ
とができる。また予め固着材層7を形成した基材2を使用することもでき、この
場合、第1の固着性付与部13を省略することができる。 【0027】 次に基材2が金属材料であり、樹脂部がアイオノマー樹脂のように、基材に対
して固着性の大きい樹脂を使用してトリム材1を製造する場合に使用される請求
項3に対応する製造装置は、図2の製造装置10において、第1の固着性付与部
13を省略し、第2の固着性付与部16を非固着性付与部として用い、第2工程
において、離型剤、剥離テープ等の非固着材層を形成するように構成する。 【0028】 このような製造装置によるトリム材の製造方法は、ストリップ材12の全面が
固着性であるため、第1工程において、固着材層7、7aを形成することなく、
そのままロール成形、押出成形、冷却、引取、切断を行って第1のトリム材1a
を製造する。そして第2工程においては、第2の固着性付与部16を非固着性付
与部として用い、流体圧シリンダ37の作動により塗布部材36を前進させて、
基材2の変化部4に離型剤等の非固着材層を形成して、非固着性を付与し、押出
成形型18において樹脂部3、3aを形成した後、前進後退機構44の作動によ
リカッタ19を前進させて樹脂層3、3aの境界に切目を入れ、樹脂部3aを剥
離し、第2のトリム材1bを製造する。このとき変化部4には非固着材層が形成
されているため、樹脂部3aは容易に剥離する。 【0029】 以上の説明において、トリム材としては、図1のものに限らず、図5(a)〜
(f)のトリム材、その他のトリム材も同様にして製造することができる。また
本発明は車両用に限らず、他の用途のトリム材の製造にも適用することができる
。 【0030】 また本発明は、変化部4の幅を複数に変化させたり、あるいは変化部4を追加
して他の部分(例えば側壁部)に形成したりする第3、第4・・・・のトリム材を製 造することもできる。また第1の固着性付与部13と第2の固着性付与部16と
は必らずしも位置的に離して設ける必要はなく、いずれか一方の場所で行っても
よい。基材として、予め所定の長さに切断されたアルミニウム合金の異形押出材
などを使用することもでき、この場合には図2におけるロール成形機15および
切断機22は省略される。また流体圧シリンダー37、前進後退機構44の作動
は、手動の制御で行ってもよいが、切断機22の作動回数をカウントして、その
カウント数を、図示しない制御装置に送り、所定の数量に達したことを確認して
、その時点で、制御装置からの信号により、流体圧シリンダ37、前進後退機構
44を作動させて自動的に切換えることもできる。 【0031】 【発明の効果】 本発明の請求項1のトリム材の製造方法によれば、同一の装置および成形型を
使用し、簡単な操作により、基材と樹脂部の密着性に優れた少なくとも2種類の
トリム材を製造することができ、また製造工程の切換は簡単な操作により短時間
に行うことができ、切換操作に伴う樹脂の無駄がなくなる。 【0032】 本発明の請求項2のトリム材の製造装置によれば、基材と固着性の小さい樹脂
を使用する場合に、簡単な切換操作により、基材と樹脂部の密着性に優れた2種
類のトリム材を効率よく製造することができる。 本発明の請求項3のトリム材の製造装置によれば、基材と固着性の大きい樹脂
を使用する場合に、簡単な切換操作により、固着性を付与することなく、基材と
樹脂部の密着性に優れた2種類のトリム材を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
(a)は第1のトリム材の斜視図、(b)は第2のトリム材の斜視図である。
【図2】
実施例の製造装置の系統図である。
【図3】
第1工程を示し、(a)は図2のA−A矢視図、(b)はB−B矢視図、(c
) はC−C矢視図である。 【図4】 第2工程を示し、(a)は図2のB−B矢視図、(c)はC−C矢視図である
。 【図5】 (a)〜(f)はトリム材の断面図である。 【符号の説明】 1 トリム材 1a 第1のトリム材 1b 第2のトリム材 2 基材 3、3a 樹脂部 4 変化部 5 光輝部 6 共通樹脂部形成部 7、7a 固着材層 10 製造装置 11 アンコイラ 12 ストリップ材 13 第1の固着性付与部 14、17 ベーキング装置 15 ロール成形機 16 第2の固着性付与部 18 押出成形型 19 カッタ 20 冷却槽 21 引取機 22 切断機 31、38 貯槽 32 固着材 33 塗布ロール 34 圧着ロール 36 塗布部材 37 流体圧シリンダ 41 押出機 42 樹脂 44 前進後退機構 45 ガイド
) はC−C矢視図である。 【図4】 第2工程を示し、(a)は図2のB−B矢視図、(c)はC−C矢視図である
。 【図5】 (a)〜(f)はトリム材の断面図である。 【符号の説明】 1 トリム材 1a 第1のトリム材 1b 第2のトリム材 2 基材 3、3a 樹脂部 4 変化部 5 光輝部 6 共通樹脂部形成部 7、7a 固着材層 10 製造装置 11 アンコイラ 12 ストリップ材 13 第1の固着性付与部 14、17 ベーキング装置 15 ロール成形機 16 第2の固着性付与部 18 押出成形型 19 カッタ 20 冷却槽 21 引取機 22 切断機 31、38 貯槽 32 固着材 33 塗布ロール 34 圧着ロール 36 塗布部材 37 流体圧シリンダ 41 押出機 42 樹脂 44 前進後退機構 45 ガイド
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基
材の長手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に
樹脂部を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム
材の少なくとも2種類のトリム材を製造する方法であって、少なくとも次の第1
および第2工程を任意の順序で、同じ装置および成形型を使用して行うことを特
徴とするトリム材の製造方法。 第1工程:基材の変化部および共通樹脂部形成部が固着性の状態で、基材を押
出成形型に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形成し、得られた
トリム材を所定寸法に切断することにより、変化部に樹脂部が固着した複数の第
1のトリム材を所定量に達するまで製造する。 第2工程:基材の共通樹脂部形成部を固着性とし、変化部を非固着性とした状
態で、基材を押出成形型に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形
成した後、変化部に形成された樹脂部を除去し、樹脂部の除去後または除去前に
、得られたトリム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去
された複数の第2のトリム材を所定量に達するまで製造する。 【請求項2】 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基
材の長手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に
樹脂部を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム
材の少なくとも2種類のトリム材を製造する装置であって、 長尺の基材を送り出しながら、基材の共通樹脂部形成部に固着性を付与する第
1の固着性付与部と、 第1のトリム材製造工程中に製造する所定量に応じて変化部に固着性を付与し
、第2のトリム材製造工程中に製造する所定量に応じて変化部を非固着性のまま
通過させる第2の固着性付与部と、 前記固着性を付与した基材を導入して、共通樹脂部形成部および変化部に樹脂
部を形成する押出成形型と、 前記押出成形型で成形されたトリム材のうち、第2のトリム材に形成された樹
脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂を剥離
可能にするカッタと、 第1のトリム材製造工程中に得られたトリム材を所定寸法に切断することによ
り、変化部に樹脂部が固着した複数の第1のトリム材を所定量に達するまで製造
し、第2のトリム材製造工程中の樹脂部の除去後または除去前に、得られたトリ
ム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去された複数の第
2のトリム材を所定量に達するまで製造する切断機と を少なくとも有することを特徴とするトリム材の製造装置。 【請求項3】 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材からなり、前記基
材の長手方向の全長にわたって伸びる特定の領域を変化部として、この変化部に
樹脂部を形成した第1のトリム材と、変化部に樹脂部を形成しない第2のトリム
材の少なくとも2種類のトリム材を製造する装置であって、 長尺の固着性の基材を送り出しながら、基材の変化部に、第2のトリム材製造
工程中に製造する所定量に応じて非固着性を付与し、第1のトリム材製造工程中
に製造する所定量に応じて変化部を基材の固着性のまま通過させる非固着性付与
部と、 前記非固着性を付与し、または付与しない基材を導入して、共通樹脂部形成部
および変化部に樹脂部を形成する押出成形型と、 前記押出成形型で成形されたトリム材のうち、第2のトリム材に形成された樹
脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目を入れて、変化部の樹脂を剥離
可能にするカッタと、 第1のトリム材製造工程中に得られたトリム材を所定寸法に切断することによ
り、変化部に樹脂部が固着した複数の第1のトリム材を所定量に達するまで製造
し、第2のトリム材製造工程中の樹脂部の除去後または除去前に、得られたトリ
ム材を所定寸法に切断することにより、変化部から樹脂部が除去された複数の第
2のトリム材を所定量に達するまで製造する切断機と を少なくとも有することを特徴とするトリム材の製造装置。
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