JP3216198B2 - トリム材の製造方法および装置 - Google Patents

トリム材の製造方法および装置

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JP3216198B2
JP3216198B2 JP02813292A JP2813292A JP3216198B2 JP 3216198 B2 JP3216198 B2 JP 3216198B2 JP 02813292 A JP02813292 A JP 02813292A JP 2813292 A JP2813292 A JP 2813292A JP 3216198 B2 JP3216198 B2 JP 3216198B2
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達也 田村
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橋本フォーミング工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は装飾用のトリム材、特に
車両用として適したトリム材の製造方法および装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車、バス、トラック、オートバイ、
電車等の車両用のトリム材として、光輝ステンレス鋼板
等の長尺の基材にゴム、合成樹脂等の樹脂部を形成した
ものがある。図12(a)〜(f)はこのようなトリム
材を示す横断面図であり、(a)はウインドシールドも
しくはバックウインドウモールディング(アッパーまた
はサイド)、(b)はサッシモールディング、(c)は
ドリップモールディング、(d)はフェンダーモールデ
ィングもしくはサイドプロテクタモールディング、
(e)はウエストモールディング、(f)はウインドシ
ールドもしくはバックウインドウモールディング(ロア
ー)として使用されるトリム材を示す。
【0003】図12において、1はトリム材で、ステン
レス鋼板等の異形材、あるいはアルミニウム合金の押出
成形材などからなる長尺の基材2の外表面側の一部に樹
脂部3が積層固着されている。このようなトリム材1は
外表面の一部を変化部4とし、この部分の基材2を露出
させて光輝部5としたもの、およびこの変化部4を樹脂
部3で覆ったものを別に製造し、デザインの多様化をは
かっている。
【0004】このような2種類のトリム材1は、形状が
ほとんど同一にも拘らず、変化部4における変化した色
を要求されるときには、別の成形型を使用して、異なる
工程で製造する必要がある。例えば押出成形、射出成形
等により製造する場合、基材2および樹脂部3の間に固
着剤層を形成する際、固着剤層を形成する領域を変化さ
せる必要があり、そのための装置および成形型として、
2種類のものを準備し、これらを交換して製造を行う必
要がある。この場合、上記装置および成形型の交換に時
間と手間を要するだけでなく、交換後正常な製品が得ら
れるまでに時間がかかり、その間樹脂や基材を無駄にす
るという問題点がある。
【0005】またトリム材の外表面部付近に、装飾フィ
ルムとしての基材を埋設するように供給し、この基材の
外表面が非固着性の状態のまま、その上に樹脂部を形成
するように押出成形を行って第1のトリム材を製造し、
このトリム材の基材部に形成された樹脂部にカッタで切
目を入れて樹脂部を剥離除去して第2のトリム材を製造
する方法が提案されている(特開平1−221218
号)。
【0006】しかしながら、このような従来の製造方法
では、基材が非固着性のまま、その上に樹脂部を形成す
るため、基材と樹脂部の境界が剥離しやすく、膨れその
他の変形が生じやすいという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決するため、同一の装置および成形型を使用
し、簡単な操作により、基材と樹脂部の密着性および外
観に優れた互いに外観の異なる少なくとも2種類のトリ
ム材を製造することができるトリム材の製造方法および
装置を提案することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は次のトリム材の
製造方法および装置である。 (1)長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材から
なり、前記基材の特定の領域を変化部として、この変化
部に樹脂部を形成しない第1のトリム材と、変化部に樹
脂部を形成した第2のトリム材の少なくとも2種類のト
リム材を製造する方法であって、少なくとも次の第1お
よび第2工程を任意の順序で、同じ装置および成形型を
使用して行うことを特徴とするトリム材の製造方法。 第1工程:基材の変化部に可剥テープを貼着して、少な
くとも共通樹脂部形成部に固着性を付与し、可剥テープ
を除去しまたは除去しない状態で、基材を成形型に供給
し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形成した
後、変化部に形成された樹脂部を除去し、第1のトリム
材を製造する。 第2工程:基材の変化部に可剥テープを貼着することな
く、変化部および共通樹脂部形成部を固着性とした状態
で、基材を成形型に供給し、変化部および共通樹脂部形
成部に樹脂部を形成し、第2のトリム材を製造する。 (2)長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複合材から
なり、前記基材の特定の領域を変化部として、この変化
部に樹脂部を形成しない第1のトリム材と、変化部に樹
脂部を形成した第2のトリム材の少なくとも2種類のト
リム材を製造する装置であって、長尺の基材を送り出し
ながら、変化部に可剥テープを、第1工程において貼着
し、第2工程において貼着しないテープ貼着装置と、可
剥テープを貼着した基材の少なくとも共通樹脂部形成
部、または可剥テープを貼着しない基材の変化部と共通
樹脂部形成部に固着性を付与する固着性付与部と、固着
性付与後に可剥テープを剥離するテープ剥離装置と、前
記固着性を付与した基材を導入して、共通樹脂部形成部
および変化部に樹脂部を形成する成形型と、前記成形型
で成形されたトリム材のうち、第1のトリム材に形成さ
れた樹脂部の共通樹脂部形成部と変化部との境界に切目
を入れて、変化部の樹脂を剥離可能にするカッタとを少
なくとも有することを特徴とするトリム材の製造装置。
【0009】本発明において、基材は、樹脂部を形成す
るための基部となるものであり、金属、硬質樹脂等の剛
性を有する長尺材があげられるが、これらに限定されな
い。これらの基材は金属光沢を有するもの、塗膜、着色
層、メタライジング層などの表面処理層を有するものな
ど、任意の外観を有するものが使用できる。樹脂部は、
基材に積層されるもので、基材の表面色とは異色のゴ
ム、合成樹脂などにより形成される。
【0010】可剥テープは基材に対して固着力が弱く、
貼着後剥離力を加えることにより容易に剥離できるテー
プであり、その材質は制限されないが、可剥テープが、
後で加熱下に曝される場合には、耐熱性材料のテープを
使用するのが好ましい。基材の固着性は一般的には、接
(粘)着剤等の固着材層の形成により付与されるが、プ
ラズマ処理の1つであるコロナ放電その他の手段によっ
ても付与される。
【0011】
【作用】本発明のトリム材の製造方法においては、第1
工程において、基材の変化部に可剥テープを貼着して、
少なくとも共通樹脂部形成部に固着性を付与し、可剥テ
ープを除去し、または除去しない状態で、基材を成形型
に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形
成した後、変化部に形成された樹脂部を除去し、第1の
トリム材を製造する。そして第2工程において、基材の
変化部に可剥テープを貼着することなく、変化部および
共通樹脂部形成部を固着性とした状態で、基材を成形型
に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形
成し、第2のトリム材を製造する。これらの第1および
第2工程は任意の順序で、同じ装置および成形型を使用
して行われる。この場合、実質的に装置の運転を停止す
ることなく、第1および第2工程の切換が可能である。
【0012】上記のトリム材の製造を本発明のトリム材
の製造装置により行うには、まず、第1および第2のト
リム材の製造工程を通じて、長尺の基材を送り出しなが
ら、テープ貼着装置において、基材の変化部に可剥テー
プを、第1工程では貼着し、第2工程では貼着すること
なく、素通りさせる。そして固着性付与部において、第
1工程では可剥テープを貼着した基材の少なくとも共通
樹脂部形成部に固着性を付与し、第2工程では可剥テー
プを貼着しない基材の変化部および共通樹脂部形成部に
固着性を付与する。なお、貼着する可剥テープの幅は、
変化部の幅とほぼ等しくなるものを使用すると好まし
い。
【0013】その後第1工程では、テープ剥離装置にお
いて可剥テープを剥離し、あるいは剥離することなく、
また第2工程においてはそのまま基材を成形型に導入
し、共通樹脂部形成部および変化部に樹脂部を形成す
る。このとき第1工程において可剥テープを剥離し、ま
たは剥離しない変化部に形成された樹脂部は、基材に対
する固着性が悪いが、第2工程において、固着性を付与
した変化部に形成された樹脂部と基材の固着性は大き
い。
【0014】第1工程においては、カッタにより樹脂部
の共通樹脂部形成部と変化部の境界に切目を入れて、変
化部の樹脂部を除去することにより第1のトリム材が製
造される。成形前に可剥テープを剥離しない場合は、こ
の段階で剥離テープを剥離すると、樹脂部も同時に除去
される。第2工程ではカッタによる切目を形成すること
なく、そのまま第2のトリム材として取出す。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図面の実施例により説明す
る。図1(a)は第1のトリム材を示す斜視図、(b)
は第2のトリム材を示す斜視図である。図において、1
aは第1のトリム材、1bは第2のトリム材で、ステン
レス鋼板製の異形材からなる長尺の基材2の外表面側の
共通樹脂部形成部6に、接(粘)着剤等の固着材層7を
介して、樹脂部3が形成されている。変化部4は、第1
のトリム材1aでは、基材2の表面が露出して光輝部5
となっており、第2のトリム材1bでは、固着材層7a
を介して樹脂部3aが形成されている。
【0016】図2は実施例の製造装置を示す系統図、図
3はそのA−A断面図、図4はB−B断面図、図5はC
−C断面図、図6はD−D断面図、図7はE−E断面
図、図8はF−F断面図であり、それぞれ(a)は第1
工程、(b)は第2工程を示す。
【0017】図2の製造装置10は、アンコイラ11
と、アンコイラ11から送り出される光輝面を有するス
テンレス鋼板、アルミニウム板などのストリップ材12
の変化部4に可剥テープ13を、第1工程で貼着し、第
2工程で貼着しないように切換えるテープ貼着装置14
と、樹脂部3と基材2の固着性を向上させる固着性向上
装置15と、ストリップ材12を曲げ成形して異形材か
らなる基材2を形成するロール成形機16と、基材2を
矯正する矯正装置17と、第1工程において可剥テープ
13を貼着し、第2工程で貼着しない基材2の変化部4
および共通樹脂部形成部6に固着材層7、7aを形成し
て固着性を付与する固着性付与装置18と、固着材層
7、7aをベーキングして安定化させる安定化装置19
と、第1工程において可剥テープ13を剥離するテープ
剥離装置21と、基材2を導入して共通樹脂部形成部6
および変化部4に樹脂部3、3aを形成する押出成形型
22と、形成されたトリム材1のうち第1工程において
変化部4の樹脂部3aに切目を入れるカッタ23と、ト
リム材1を冷却する冷却槽24と、トリム材1を引取る
引取機25と、トリム材1を所定の寸法に切断する切断
機26と、第1工程および第2工程を切換える制御装置
27とからなる。
【0018】テープ貼着装置14は、送りロール31に
より送られるストリップ材12の変化部4に相当する部
分に、ロール32から保持ロール33を通して送られる
可剥テープ13を、圧着ロール34により圧着して貼着
するようになっている。35は切断機であって、第1工
程から第2工程に切換える際、制御装置27からの信号
により、可剥テープ13を切断するようになっている。
【0019】可剥テープ13は外力(引剥力)を加える
ことにより、ストリップ材12から容易に剥離する程度
の固着力を有する樹脂テープが使用されている。厚さは
ロール成形機16において、可剥テープ13の有無によ
り、基材2の横断面形状が変動しない程度の0.2mm
以下、好ましくは50〜80μmの厚さとされている。
また、この可剥テープ13はストリップ材12の表面を
保護するとともに、後述の固着材層の幅方向の側縁部の
境目を決定する。
【0020】固着性向上装置15は、図3(a)に示す
ように、可剥テープ13を貼着した、あるいは(b)に
示すように、可剥テープを貼着しないストリップ材12
を、両側から挟むように圧着し、可剥テープ13を貼着
した面を含めて、後に固着材層7、7aを形成する部分
を粗化するスチールウール等の表面粗化部材36と、粗
化した表面からゴミ等の異物を除去する吸引部材37
と、異物を排出するポンプ38とを有する。
【0021】ロール成形機16は、ストリップ材12
を、図4(a)(b)に示すような異形材からなる基材
2に曲げ成形する多数のロール41を有する。矯正装置
17は、成形された基材2のねじり等を除去して、直線
状にするように構成されている。
【0022】固着性付与装置18は、図5(a)、
(b)に示すように、ガイド43に沿って挿通する基材
2の可剥テープ13を含む変化部4および共通樹脂部形
成部6に固着材層7、7aを形成するように、液状の接
(粘)着剤を含浸したスポンジ、フェルト等の塗布部材
44を内蔵し、接(粘)着剤槽45からポンプ46によ
り流路47を通して接(粘)着剤を供給し、ポンプ48
により流路49を通して循環するようになっている。
【0023】テープ剥離装置21は、ガイドロール51
から可剥テープ13を剥離し、ロール52に巻取るよう
になっている。押出成形型22は、内部を通過する基材
2に、押出機54から押出されるゴム、合成樹脂等の樹
脂を積層して、図7(a)、(b)に示すような樹脂部
3、3aを形成するようになっている。
【0024】カッタ23は、樹脂部3と3aの境界部に
切目を入れるように、押出成形型22の後部に2個配置
され、モード検出器56の検出信号に基づき、前進後退
機構60により前進後退するように、制御装置27によ
り制御されている。前進後退機構60は、図8に示すよ
うに、カッタ23を支軸61を介して支持するホルダ6
2がスライダ63にスプリング64を介して取付けられ
ており、スライダ63は押出成形型22に固定されたガ
イド65にスライド可能に取付けられて、ねじ軸66の
回転により前進後退するようになっている。なお、前進
後退機構60は各カッタ23に設けられているが、図8
では1個だけ図示されている。
【0025】切断機26は、ロータリエンコーダ、レー
ザ光式測長器等の長さ検出器28の長さ信号に基づく制
御装置27の信号により、トリム材1を所定寸法に切断
し、その切断したトリム材1の数をカウンタ29により
カウントし、制御装置27に入力するようになってい
る。
【0026】制御装置27は、カウンタ29のカウント
信号により切断機35を作動させて、工程を切換えるほ
か、モード検出器56の変化部4の樹脂部3aの有無の
検出信号によりカッタ23を前進後退させ、また長さ検
出器28の長さ信号により切断機26を制御するように
なっている。
【0027】上記の製造装置10は、制御装置27の信
号により工程を切換えて、第1工程において第1のトリ
ム材1aを製造し、第2工程において第2のトリム材1
bを製造する。
【0028】トリム材1の製造方法は、まず第1工程に
おいて、アンコイラ11からストリップ材12を送り出
し、テープ貼着装置14において、ロール32から送ら
れる可剥テープ13を、ストリップ材12の変化部4に
相当する部分に、圧着ロール34により圧着して貼着す
る。
【0029】可剥テープ13を貼着したストリップ材1
2を、図3(a)に示すように、固着性向上装置15の
表面粗化部材36間を通過させることにより、可剥テー
プ13を貼着した部分を含めて、固着材層7、7aを形
成する部分を粗化し、固着性を向上させる。このとき発
生するゴミ等の異物は、吸引部材37により吸引し、排
出ポンプ38により排出する。可剥テープ13を貼着し
た変化部4は粗化されず、ストリップ材12の生地がそ
のまま残る。このとき、可剥テープ13を貼着した部分
のストリップ材12の表面は可剥テープ13が保護テー
プの役目を果すので粗化されない。
【0030】その後ストリップ材12をロール成形機1
6に送り込み、多数のロール41間を通過させて曲げ成
形を行い、矯正装置17においてねじり等を除去して、
図4(a)に示す横断面形状の異形材からなる基材2を
形成する。
【0031】そして固着性付与装置18において、図5
(a)に示すように、基材2をガイド43に沿って挿通
させ、ポンプ46、48により接(粘)着剤槽45から
塗布部材44に接(粘)着剤を循環させて、基材2の可
剥テープ13を含む変化部4および共通樹脂部形成部6
に固着材層7、7aを形成する。
【0032】固着材層7、7aを形成した基材2は、安
定化装置19においてベーキングを行い、固着材層7、
7aを安定化させる。そしてテープ剥離装置21におい
て、ガイドロール51から可剥テープ13を剥離してロ
ール52に巻取る。これにより図6に示すように、可剥
テープ13とともに固着材層7aも剥離され、基材2の
変化部4が露出する。これにより可剥テープ13の上に
形成された固着材層7aも剥離されるので可剥テープを
剥離した部分の基材2の表面には固着材層7aが形成さ
れない。従って、可剥テープ13はマスクの役目も果し
ている。また可剥テープ13はベーキング前に剥離して
もよい。
【0033】続いて基材2を押出成形型22に導入し、
押出機54から樹脂を押出して、図7(a)に示すよう
に、変化部4および共通樹脂部形成部6に樹脂部3、3
aを形成する。このとき、共通樹脂部形成部6には固着
材層7が形成されているため、樹脂部3は強固に固着さ
れるが、変化部4には固着材層7aが形成されていない
ため、樹脂部3aは剥離可能な状態にある。
【0034】この状態で押出された押出成形材57は、
押出成形型22の出口付近で、図8(a)に示すよう
に、樹脂部3と3aの境界、すなわち変化部4と共通樹
脂部形成部6の境界に、カッタ23をその先端が基材2
の表面に達するまで圧接させて長手方向に連続して切目
を入れ、樹脂部3aを剥離する。切目を入れる位置は、
固着材層7の側縁部より、約0.5mm程度変化部4側
に寄った位置が好ましい。
【0035】カッタ23は、モード検出器56が変化部
4に固着材層7aが存在しないことを検出したとき、そ
の信号に基づき、制御装置27の制御信号により、ねじ
軸66が回転してスライダ63を前進させ、これにより
カッタ23が前進して、切目を入れる。カッタ23の駆
動機構はこのネジ方式に限らず、シリンダー方式でもよ
い。
【0036】こうして得られるトリム材1は、冷却槽2
4において冷却後、引取機25により引取り、切断機2
6により所定寸法に切断して、図1(a)に示す第1の
トリム材1aが所定数だけ製造される。切断機26によ
る切断は、長さ検出器28の検出する長さ信号に基づい
て、制御装置27の信号により所定寸法となるように行
われる。また切断回数は、第1のトリム材1aの製造数
量としてカウントされ、制御装置27に入力される。
【0037】第1のトリム材1aの製造数量が所定の値
に達すると、制御装置27の信号により、テープ貼着装
置14の切断機35が作動して、可剥テープ13を切断
し、第2工程に切換えられる。
【0038】第2工程では、ストリップ材12はテープ
貼着装置14において可剥テープ13を貼着することな
く、固着性向上装置15に入り、図3(b)に示すよう
に、変化部4を含む全面に固着性向上処理を施す。そし
てロール成形機16により、図4(b)に示す形状の基
材2を形成した後、固着性付与装置18で、図5(b)
に示すように、共通樹脂部形成部6および変化部4の全
面に固着材層7、7aを形成する。
【0039】その後押出成形型22において押出成形を
行い、図7(b)に示すように、共通樹脂部形成部6お
よび変化部4の全面に樹脂部3、3aを形成する。第2
工程では基材2の変化部4に固着材層7aが形成されて
いるため、モード検出器56の信号により、前進後退機
構60のねじ軸66を逆方向に回転させてスライダ63
およびカッタ23を後退させる。このため押出成形材5
7はそのままトリム材1として、冷却槽24を通り、引
取機25により引取られて、切断機26により前記と同
様に切断されて第2のトリム材1bが製造される。
【0040】上記の第1工程と第2工程はどちらが先に
行われてもよく、第1工程と第2工程は同じ装置および
成形型を使用して、実質的に運転を停止することなく、
連続して行われる。第1工程において剥離した樹脂部3
aは再度溶融して、押出成形用の樹脂として使用するこ
ともできる。
【0041】こうして製造される第1および第2のトリ
ム材1a、1bは、変化部4に樹脂部3aが形成された
ものと、樹脂部3aが形成されないで、基材2の生地が
露出して光輝部5が形成されたものの区別があり、異な
る外観のトリム材が得られる。
【0042】第1のトリム材1aは、樹脂部3aの剥離
により、光輝部5が形成され、第2のトリム材1bとは
異なる外観を示すが、固着材層7の側縁部(見切線)は
可剥テープ13の剥離によって、直線状に形成されるか
ら、塗布ローラ等によって共通樹脂部形成部6のみに固
着材層7を形成する場合よりも正確な位置に固着材層7
を形成することができる。このため、樹脂部3の側縁部
から固着材層7が露出することがなく、優れた外観が得
られる。
【0043】また第2のトリム材1bは、樹脂部3、3
aがほぼ全領域にわたって固着材層7、7aにより基材
2に固着されるため、基材2と樹脂部3、3aの膨れ、
剥離等は生じない。
【0044】図9は他の実施例を示す図2のF−F相当
断面図であり、変化部4の他に、第2の変化部4aを設
け、その部分にも同様にして固着材層を形成せず、積層
された樹脂部3bをカッタ23aにより切目を入れて除
去するようにしている。
【0045】図10はさらに他の実施例を示すテープ貼
着装置14の系統図、図11(a)はストリップ材の断
面図、(b)は図2のF−F相当断面図である。この実
施例では、第3工程として、ロール32aから片面に固
着材層7bを形成した装飾テープ13aを送り出し、ロ
ール32から送り出される可剥テープ13とともに、図
11(a)に示すように、ストリップ材12の変化部4
に貼着するようになっている。
【0046】そしてロール成形後、可剥テープ13を剥
離して押出成形を行い、カッタ23により切目を入れて
樹脂部3aを剥離することにより、装飾テープ13aを
露出させ第3のトリム材を製造するようになっている。
この場合装飾テープ13aとして複数種のものを切換え
て用いることにより、第4、第5…のトリム材を製造す
ることができる。
【0047】上記実施例では、固着材層7、7aにより
固着性を付与したが、プラズマ処理の1つであるコロナ
放電その他の手段によって固着性を付与してもよい。そ
してこれらの固着性付与手段に応じて、固着性付与装置
18の構成を選択することができる。また固着性付与装
置18はロール成形機16の前に設けてもよい。
【0048】カッタ23は、押出成形型22の直後に設
けて、樹脂が高温で未だ軟かいときに切目を付けるのが
好ましいが、引取機25の前後に設けて、樹脂が冷却後
に行ってもよく、さらには切断機26で所定の長さに第
1のトリム材を切断した後に、別途の工程で行ってもよ
い。
【0049】また可剥テープ13の剥離も図示位置に限
定されず、耐熱性を有するテープで加熱された押出成形
型の中を通過しても悪影響を与えるほど軟化したり、溶
けたりしない材料の場合には、押出成形後に樹脂部3a
とともに剥離して除去することができる。さらに可剥テ
ープ13として、予め変化部4の幅よりも幅の広いテー
プを貼着しておき、変化部4の幅に対応する必要な幅を
残して、余分の部分を剥離するようにしてもよい。
【0050】上記実施例では、成形型として押出成形型
22の例を示したが、射出成形型、圧縮成形型等でもよ
く、これらの場合は基材2を所定の寸法に切断後、成形
型に導入して樹脂部3、3aの成形が行われる。また基
材として、予め所定の長さに切断されたアルミニウム合
金の異形押出材などを使用することもでき、この場合に
は図2におけるロール成形機16および切断機26は省
略される。
【0051】さらに上記実施例では、モード検出器56
の信号により、カッタ23の前進後退機構60を後退さ
せるようにしたが、制御装置27において、カウンタ2
9の信号からカッタ23の後退時期を演算して制御する
ようにしてもよい。
【0052】以上の説明において、トリム材としては、
図1のものに限らず、図12(a)〜(f)のトリム
材、その他のトリム材も同様にして製造することができ
る。また本発明は車両用に限らず、他の用途のトリム材
の製造にも適用することがきる。
【0053】
【発明の効果】本発明のトリム材の製造方法によれば、
同一の装置および成形型を使用し、簡単な操作により、
基材の正確な位置に固着性を付与し、基材と樹脂部の密
着性および外観に優れた互いに外観の異なる少なくとも
2種類のトリム材を製造することができ、また製造工程
の切換は簡単な操作により短時間に行うことができ、切
換操作に伴う基材および樹脂の無駄が少なくなる。
【0054】本発明のトリム材の製造装置によれば、簡
単な切換操作により、基材と樹脂部の密着性および外観
に優れた少なくとも2種類のトリム材を効率よく製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1のトリム材、(b)は第2のトリ
ム材を示す斜視図である。
【図2】実施例の製造装置の系統図である。
【図3】(a)は第1工程、(b)は第2工程を示す図
2のA−A断面図である。
【図4】(a)は第1工程、(b)は第2工程を示す図
2のB−B断面図である。
【図5】(a)は第1工程、(b)は第2工程を示す図
2のC−C断面図である。
【図6】第1工程を示す図2のD−D断面図である。
【図7】(a)は第1工程、(b)は第2工程を示す図
2のE−E断面図である。
【図8】第1工程を示す図2のF−F断面図である。
【図9】他の実施例を示す図2のF−F相当断面図であ
る。
【図10】別の実施例を示すテープ貼着装置の系統図で
ある。
【図11】(a)は図10の実施例のストリップ材の断
面図、(b)は図2のF−F相当断面図である。
【図12】(a)〜(f)はトリム材の断面図である。
【符号の説明】
1 トリム材 1a 第1のトリム材 1b 第2のトリム材 2 基材 3、3a 樹脂部 4 変化部 5 光輝部 6 共通樹脂部形成部 7、7a 固着材層 10 製造装置 11 アンコイラ 12 ストリップ材 13 可剥テープ 13a 装飾テープ 14 テープ貼着装置 15 固着性向上装置 16 ロール成形機 17 矯正装置 18 固着性付与装置 19 安定化装置 21 テープ剥離装置 22 押出成形型 23 カッタ 24 冷却槽 25 引取機 26、35 切断機 27 制御装置 28 長さ検出器 29 カウンタ 31 送りロール 32、41、52 ロール 33 保持ロール 34 圧着ロール 36 表面粗化部材 37 吸引部材 38、46、48 ポンプ 43 ガイド 44 塗布部材 45 接(粘)着剤槽 51 ガイドロール 54 押出機 56 モード検出器 57 押出成形材 60 前進後退機構 61 支軸 62 ホルダ 63 スライダ 64 スプリング 65 ガイド 66 ねじ軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29L 31:30 B29L 31:30 31:58 31:58 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96 B29C 43/28 B29C 45/14 B29D 31/00 - 31/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複
    合材からなり、前記基材の特定の領域を変化部として、
    この変化部に樹脂部を形成しない第1のトリム材と、変
    化部に樹脂部を形成した第2のトリム材の少なくとも2
    種類のトリム材を製造する方法であって、少なくとも次
    の第1および第2工程を任意の順序で、同じ装置および
    成形型を使用して行うことを特徴とするトリム材の製造
    方法。第1工程:基材の変化部に可剥テープを貼着し
    て、少なくとも共通樹脂部形成部に固着性を付与し、可
    剥テープを除去しまたは除去しない状態で、基材を成形
    型に供給し、変化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を
    形成した後、変化部に形成された樹脂部を除去し、第1
    のトリム材を製造する。第2工程:基材の変化部に可剥
    テープを貼着することなく、変化部および共通樹脂部形
    成部を固着性とした状態で、基材を成形型に供給し、変
    化部および共通樹脂部形成部に樹脂部を形成し、第2の
    トリム材を製造する。
  2. 【請求項2】 長尺の基材の表面に樹脂部を形成した複
    合材からなり、前記基材の特定の領域を変化部として、
    この変化部に樹脂部を形成しない第1のトリム材と、変
    化部に樹脂部を形成した第2のトリム材の少なくとも2
    種類のトリム材を製造する装置であって、 長尺の基材を送り出しながら、変化部に可剥テープを、
    第1工程において貼着し、第2工程において貼着しない
    テープ貼着装置と、 可剥テープを貼着した基材の少なくとも共通樹脂部形成
    部、または可剥テープを貼着しない基材の変化部と共通
    樹脂部形成部に固着性を付与する固着性付与部と、 固着性付与後に可剥テープを剥離するテープ剥離装置
    と、 前記固着性を付与した基材を導入して、共通樹脂部形成
    部および変化部に樹脂部を形成する成形型と、 前記成形型で成形されたトリム材のうち、第1のトリム
    材に形成された樹脂部の共通樹脂部形成部と変化部との
    境界に切目を入れて、変化部の樹脂を剥離可能にするカ
    ッタとを少なくとも有することを特徴とするトリム材の
    製造装置。
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