JP2629255B2 - 自動等化回路 - Google Patents

自動等化回路

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ディジタル磁気記録再生装置などの振幅方
向の歪が主な変動である系におけるディジタル信号の受
信・再生時の自動等化回路に関するものである。
従来の技術 従来より自動等化のアルゴリズムが種々提案されてお
り、その中に尖頭値歪を評価基準としたものがある。し
かしながらそのいずれにおいても等化後の信号と量子化
又は識別後の信号との誤差を得、この誤差信号と量子化
又は識別後の信号振幅との相関をトランスバーサルフィ
ルターの各タップ毎にとっている。
発明が解決しようとする課題 デジタルVTRにおいて、テープヘッド系の特性のなか
で最も大きな変動の要因は、トラッキングずれいよる再
生レベルとテープヘッドコンタクトの変化による周波数
特性の変化が一般的である。一方、従来の適応形自動等
化では前述のごとくトランスバーサルフィルターの各タ
ップ毎に相関をとらなければならないほど非常に複雑な
回路が必要になるという問題があった。
本発明はかかる点に鑑み簡単な回路構成で適応形自動
等化を実現する自動等化回路を提供せんとするものであ
る。
課題を解決するための手段 本発明は、再生信号に対する増幅度が制御信号により
制御される利得可変手段と、再生信号に対する周波数特
性が制御信号により制御される周波数特性可変手段と、
前記利得可変手段と前記周波数特性可変手段とを介して
加えられた再生信号を量子化するゼロクロス検出手段
と、前記ゼロクロス検出手段の前後における高周波領域
の信号エネルギーの差を検出する高域誤差検出手段と、
同ゼロクロス検出手段の前後における低周波領域の信号
エネルギーの差を検出する低域誤差検出手段と、前記高
域誤差検出手段と低域誤差検出手段との出力により前記
利得可変手段と周波数特性可変手段とを制御する等化特
性制御手段とで自動等化回路とを備えた構成となってい
る。
作用 本発明は上記構成により、ゼロクロス検出手段の入力
出力間における高周波領域及び低周波領域の誤差がそれ
ぞれ高域誤差検出手段及び低域誤差検出手段により検出
され、この2周波領域の誤差により利得可変手段と周波
数特性可変手段とが制御されることにより、等化等の信
号は振幅及び周波数スペクトラムともゼロクロス検出手
段出力信号とほぼ等しくなるように自動的に等価される
ことになる。
実施例 以下本発明の第1の実施例について説明する。本実施
例は、系の特性変動が主に周波数−振幅特性及びゲイン
が時間的にゆっくりと変化する場合に、適応形の自動等
化を簡単な構成で実現することを目的としたものであ
る。又本実施例はスクランブルNRZ信号を記録再生する
ディジタルVTRにおける適応形自動等化回路部である。
第1図は本実施例の構成を示すブロック図であり、1,8
はそれぞれ入・出力端子である。入力端子1からの入力
信号はアナログ乗算器である利得可変手段2を介して周
波数特性可変手段3に加えられている。周波数特性可変
手段3は遅延線を使用したコサインイコライザーであ
り、その量は直流電圧によって制御可能にしたものであ
り、クロック周波数の1/4の周波数点が一定となるタイ
プのものである。次に周波数特性可変手段3の出力信号
はゼロクロス検出手段4において2値化される。高域誤
差検出手段5はクロック周波数の1/4以上における等化
後のエネルギースペクトラムの目標値からのずれを検出
するものであり、その構成は第2図の如くである。なお
第1図及び第2図のA〜Dは、エネルギースペクトラム
図である第4図のA,Bのスペクトラムに対応している。
スクランブルNRZのエネルギースペクトラムは第4図B
の如くであり、ロールオフ率0.5程度の等化を行なった
場合、同図Cのようになる。通常再生データに誤りが少
ない場合、ゼロクロス検出手段4から出力される信号の
エネルギースペクトラムはほぼ記録前の原信号に近い形
の第4図Bの如くであり、この信号を第2図のローパス
フィルタ(以後LPFと称す)13に加え、等化後の目標と
するエネルギースペクトラム分布となる第4図Cの如く
とする。次に等化後の信号は遅延線(以後DLと称す)14
を介して時間を合せた後に誤差増幅器15に加えている。
ここで等化後の信号を低域成分と高域成分とに分け、第
4図Aの如くそれぞれPBlとPBhとし、ゼロクロス検出手
段の出力信号も同様に低域成分と高域成分とに分け、第
4図Bの如くそれぞれQlとQhとし、LPF13を介した後は
それぞれQl′とQh′としたとき、差動増幅器15の周力信
号は(Ql′+Qh′)−(PBl+PBh)となる。次にハイパ
スフィルタ(以後HPFと称す)16はカットオフ周波数を
クロックの1/4としたもので、この出力信号は先に差動
増幅器15の出力信号より低域成分を除去したものであり
第4図Dの如く(Qh′−Pbh)となる。次に同期検波器1
7で同期検波することにより等化後の高域エネルギース
ペクトラムの目標値に対する差の大きさと方向が得られ
る。なお積分器18は十分な時間の積分を行なうことによ
り正確な誤差信号とするためのものである。又低域誤差
検出手段6は、高域誤差検出手段5のHPF16を、クロッ
ク周波数の1/4をカットオフ周波数とするLPFに置き換え
ただけのものであり、そのLPFを通過する信号は第4図
Eの如く(Ql′−PBl)となる。従って低域誤差検出手
段6の出力は等化後の低域エネルギースペクトラムの目
標値に対する差の大きさと方向を示すものとなる。この
ようにして得られる誤差電圧と等化後のエネルギーレベ
ルとは第5図の如き関係となる。
次にこのようにして得られた高域誤差検出手段5及び
低域誤差検出手段6の各出力信号を元に等化特性制御手
段7は利得可変手段2と周波数特性可変手段3を制御す
る。この特性制御手段7は第3図の如き構成であり、2
3,24,26,27はそれぞれ緩衝増幅器であり、25は極性反転
用の差動増幅器であり、抵抗R1とR2は等しく、又抵抗R
3,R4,R5,R6も同一の値としている、高域誤差検出手段5
の出力をeh,低域誤差検出手段6の出力をelとしそれぞ
れ端子21,22に加えたとき利得制御出力端子28,周波数特
性制御信号出力端子29にはそれぞれA(el+eh),B(eh
−el)が出力される。なおA,Bは系の増幅度であり、利
得制御信号出力端子28及び周波数特性制御信号出力端子
29の出力信号はそれぞれ利得制御手段2と周波数特性可
変手段3とに加えられている。
以上の如き本実施例によれば、コサインイコライザー
を電圧で制御して周波数特性を可変することによって近
似できる範囲の周波数特性と比較的広範囲の増幅度とを
自動的に最適化する適応形自動等化が比較的容易な回路
構成で実現できるという効果がある。
次に第2の実施例について説明する。本実施例は第1
の実施例の高域誤差検出手段と低域誤差検出手段とをよ
り簡素化し、より簡単な回路構成を実現することを目的
とするものである。そのため本実施例では第1の実施例
の高域誤差検出手段5と低域誤差検出手段6とを、第6
図に示す構成としたものであり、以下この構成について
第6図とともに説明する。端子31よりゼロクロス検出手
段4の出力信号を加え、第1の実施例と同様、LPF33で
目標とする等化後のエネルギースペクトラムと等しくし
ている。これを仮りに目標信号とし、周波数特性可変手
段3の出力信号をDL14で第1の実施例と同様に遅延させ
たものを等化後信号としたとき、本実施例は、カットオ
フ周波数がクロックの1/4の一次のローパスフィルター4
5を介した目標信号とカットオフ周波数が前記一時のLPF
13と等しい一時のハイパスフィルター46を介した等化後
信号とを加算する低域置換器35と、この低域置換器35の
出力信号を前記目標信号より減算する第1の減算器36
と、この減算器36の出力を同期検波する同期検波器39
と、この同期検波器39の出力信号を積分する積分器41に
より高域誤差検出手段5を構成するとともに、低域置換
器35の出力信号から前記等化後信号を減算する第2の減
算器37と、この減算器出力信号を同期検波するための第
2の同期検波器40と、この第2の同期検波器40の出力信
号を積分する第2の積分器42とにより低域誤差検出手段
6を構成したことを特徴とするものである。なお47は加
算器であり、LPF45,HPF46,加算器47は一体化して第7図
の如く抵抗R0と容量C0とで構成しても何んら問題ない。
以上の如き本実施例の構成において、目標信号の高域
成分をQh,同じく低域成分をQlとし、等化後信号の高域
成分をPBh,同じく低域成分をPBlとしたとき、低域置換
器35の出力信号は(Ql+PBh)となり、高域誤差検出手
段5としての出力は(Ql+Qh)−(Ql+PBh)=(Ql+P
Bh)となり、低域誤差検出手段6としての出力も同様
(Ql+PBh)−(PBl+PBh)=(Ql−PBl)となり第1の
実施例と同様の誤差信号が得られる。なおDL38は同期検
波用の時間合せのための遅延線である。又上記以外は第
1の実施例と同様であり説明を省略する。
以上に述べた本実施例の構成によれば回路構成をより
簡素化できるという効果がある。
以下第3の実施例について説明する。本実施例は第1
及び第2の実施例の応答速度改善を簡単な回路構成で実
現することを目的としている。本実施例は第8図の如
く、同期検波器の出力電圧を電流に変換する電圧−電流
変換回路51を介してコンデンサーC10を充電するチャー
ジポンプ回路で高域誤差検出手段及び低域誤差検出手段
の積分器を構成したもので、他は第2の実施例と同様で
ある。
以上の構成によれば、誤差のないとき又はその周波数
領域のエネルギー成分が無いときには誤差電圧は保持さ
れることになり、誤差信号に対する応答を多少速くして
も安定に動作する。
以上の如く本実施例によれば簡単な回路構成で比較的
応答の速い、適応形自動等化が可能となる。
発明の効果 以上のように本発明によれば、トランスバーサルフィ
ルターの各タップ毎に相関をとったりする複雑な回路を
必要とせず、単に2周波数領域におけるレベル差を検出
することにより、簡単な回路構成で適応形の自動等化が
可能になるという効果があり、その実用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における自動等化回路の
ブロック図、第2図は同実施例の高域誤差検出手段のブ
ロック図、第3図は同実施例の等化特性制御手段のブロ
ック図、第4図は説明のためのエネルギースペクトラム
図、第5図は高域誤差検出手段及び低域誤差検出手段の
説明のための入出力特性図、第6図は第2実施例の高域
誤差検出手段及び低域誤差検出手段のブロック図、第7
図は同実施例の低域置換器の一例を示す回路図、第8図
は第3の実施例の積分器のブロック図である。 1……入力端子、2……利得可変手段、3……周波数特
性可変手段、4……ゼロクロス検出手段、5……高域誤
差検出手段、6……低域誤差検出手段、7……等化特性
制御手段、8……出力端子、13……LPF、14……DL、15
……差動増幅器、16……HPF、17……同期検波器、18…
…積分器、19……DL、23,24,26,27……緩衝増幅器、25
……差動増幅器、33……LPF、34,38……DL、35……低域
置換器、36,37……減算器、39,40……同期検波器、41,4
2……積分器、45……LPF、46……HPF、47……加算器、5
1……電圧−電流変換器、52……緩衝増幅器。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】再生信号に対する増幅度が制御信号により
    制御される利得可変手段と、再生信号に対する周波数特
    性が制御信号により制御される周波数特性可変手段と、
    前記利得可変手段と前記周波数特性可変手段とを介して
    加えられた再生信号を量子化するゼロクロス検出手段
    と、前記ゼロクロス検出手段の入力出力間における高周
    波領域の信号エネルギーの差を検出する高域誤差検出手
    段と、前記ゼロクロス検出手段の入力出力間における低
    周波領域の信号エネルギーの差を検出する低域誤差検出
    手段と、前記高域誤差検出手段と低域誤差検出手段との
    出力により前記利得可変手段と周波数特性可変手段とを
    制御する等化特性制御手段とを備えたことを特徴とする
    自動等化回路。
  2. 【請求項2】一次のローパスフィルタを介した基準信号
    とカットオフ周波数の等しい一次のハイパスフィルタを
    介したゼロクロス検出手段の入力である等化後の信号と
    を加算する低域置換器と、この低域置換器の出力信号を
    前記ゼロクロス検出手段の出力信号から減算する減算器
    と、この減算器の出力信号を同期検波する同期検波器
    と、この同期検波器の出力信号を積分する積分器とで高
    域誤差検出手段を構成し、前記低域置換器の出力信号か
    ら前記ゼロクロス検出手段の入力信号を減算する減算器
    と、この出力信号を同期検波する第2の同期検波器と、
    この出力信号を積分する第2の積分器とで低域誤差検出
    手段を構成したことを特徴とする請求項1記載の自動等
    価回路。
  3. 【請求項3】同期検波器の出力電圧を電流に変換する電
    圧−電流変換回路を介してコンデンサに充電するチャー
    ジポンプ回路で高域誤差検出手段および低域誤差検出手
    段の積分器を構成したことを特徴とする請求項1および
    2記載の自動等価回路。
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