JP2628913B2 - カカオマスの処理法 - Google Patents

カカオマスの処理法

Info

Publication number
JP2628913B2
JP2628913B2 JP1113318A JP11331889A JP2628913B2 JP 2628913 B2 JP2628913 B2 JP 2628913B2 JP 1113318 A JP1113318 A JP 1113318A JP 11331889 A JP11331889 A JP 11331889A JP 2628913 B2 JP2628913 B2 JP 2628913B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
cocoa
flavor
cacao
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1113318A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02291233A (ja
Inventor
正夫 河井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP1113318A priority Critical patent/JP2628913B2/ja
Publication of JPH02291233A publication Critical patent/JPH02291233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2628913B2 publication Critical patent/JP2628913B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の技術分野) この発明なカカオマスの処理法に関し、詳しくは風味
劣化を来すことなくカカオマスを殺菌処理することので
きる、カカオマスの処理法に関する。
(従来の技術) 通常、カカオマスは、カカオ豆から石片、砂などの異
物を除去し、焙炒して外皮を剥脱し易くすると共にカカ
オ豆中の特定物質をフレーバーに変化させ、次いで焙炒
したカカオ豆を粗砕して外皮(セル)と胚乳(ニブ)お
よび胚芽(ジャーム)等に分離後、カカオニブをグライ
ンディングミル或いはロールミル等で挽潰して磨砕する
ことにより得られる。
一般に、カカオマスは上記の如く処理して製造される
が、通常、このようなカカオマスはシェルに由来する微
生物を含有する。この微生物は該カカオマスを冷菓用コ
ーティングチョコレートする場合またはガナッシュ用と
してあるいはドリンク用として用いる場合など、水分と
接触する状態で使用する場合には予め殺菌してできるだ
け菌数を減らしておく必要がある。そこで、殺菌手段と
してカカオマスに水を数パーセント、普通10%以下を添
加し撹拌混合しながら120〜140℃に加熱する方法が行わ
れており、従来よりこのような殺菌処理装置としてスー
パーペッツマット(ペッツホールト社)、PDAT(カール
モンタナリー社)、あるいは本出願人の出願に係る特開
昭63−164840号公報に開示の装置等がある。しかしなが
ら、このような方法により殺菌処理したカカオマスは、
殺菌処理しないものに比べ最終製品において風味の劣化
を来たし、旨みが減少すると共に後味が悪化するという
欠点を有する。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、上記欠点の解決を指向したものであっ
て、風味の劣化を来すことなくカカオマスを殺菌処理す
ることを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、如上の点に鑑み鋭意研究した結果、カ
カオマスに水を添加して加熱殺菌処理する際に、水の代
わりに塩の水溶液を添加することにより風味の劣化を防
止できるという知見を得た。
この発明は、以上の知見を基にして完成したものであ
って、カカオマスに10-5〜10-1重量%濃度の塩水溶液を
0.1〜5重量%添加し加熱処理することを特徴とする、
カカオマスの処理法である。
この発明でカカオマスは、前記した如く、チョコレー
ト製造工程中の、カカオニブをグラインディングルミ或
いはローミル等で挽潰して磨砕して得られるペースト状
物である。なお、カカオ豆は焙炒の度合いが浅焼または
深焼きであっても差し支えない。
この発明における重要なポイントは、磨砕後のカカオ
マスを加熱殺菌処理する際に、塩を添加する点にある。
塩は、弱酸性ないし弱アルカリ性の塩で、例えば塩化ナ
トリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウム、リン酸カルシウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムなどが例示できる。これらの塩を
水溶液の状態で添加するが、塩水溶液の濃度は10-5〜10
-1重量%、好ましくは10-4〜10-2重量%濃度であって、
該水溶液をカカオマスに対し0.1〜5重量%添加するこ
とにより風味劣化の防止効果が得られる。塩濃度が上記
範囲を外れて薄過ぎると効果を得難く、濃過ぎると塩味
を感じるようになる。また、添加量が下限未満では殺菌
効果が弱く、上限を越えるとカカオマス自体の粘度が増
し処理が行い難くなる。加熱条件は前工程の焙炒度合い
にもよるが、概略110〜135℃、2〜30分が適当である。
このようにして処理したカカオマスは、一般細菌が1
×104〜105個/gから1×102〜1×103個/gにまで減少す
る。この発明において、カカオマスの殺菌処理に際し、
微量の塩を添加すると何故良好な風味が維持されるのか
という点につき、明確に説明することができないが、恐
らく、カカオマスに含有されるポリフェノール類等の水
溶性成分が水の存在下での加熱により風味阻害物質に変
化するのを抑制しているものと考えられる。
以上の如く、この発明によって処理されたカカオマス
は、殺菌処理が充分施されているにも拘らず、従来にな
い良好な風味を呈しており、通常のチョコレート類への
使用は勿論のこと、カカオマスを使用する他の各種食品
類に有利に使用することができる。
なお、ココア粉を目的とする場合、カカオニブは元来
酸性を呈しておりそのままで酸味があるので、中和する
ために、通常カカオニブまたはカカオマスに対し約1〜
3%の炭酸カリウムに相当するアルカリ剤を添加して、
アルカリ処理する場合があるが、このような所謂カカオ
マスのアルカリ処理は、当然ながら風味がココア的とな
るのでカカオマスの風味としては好ましくない。また、
従来よりチョコレート配合時、配合物全量に対し0.06〜
0.03%の食塩を添加してチョコレートの風味をまとめる
という方法も知られているが(Chocolate Production a
nd Use,L.RUSSELL COOK)、カカオマス殺菌時の風味劣
化防止に対しては何らの効果もない。
(実施例) 以下に実施例を例示して本発明効果をより一層明瞭に
するが、これらは例示であって本発明の精神がこれらの
例に限定されるものではないことはいうまでもない。な
お、例中、部および%は重量基準を意味する。
実施例1 特開昭63−164840号公報に開示の装置を使用し、カカ
オマスに対し1%の、以下に示す各々の濃度の塩化ナト
リウム水溶液を連続的に添加混合して、熱交換器にて13
0℃に加熱し、カカオマスの品温を同温度に5分間保持
した後、減圧式脱水機で添加した水分を除去し、冷却し
て殺菌処理した。なお、殺菌処理前のカカオマスの初菌
数は5×104であったが処理後は何れも2×102であっ
た。
塩化ナトリウム水溶液濃度(%) (a):10-5 (b):10-4 (c):10-3 (d):10-2 (e):10-1 以上の如くして処理したカカオマスの風味を評価する
ためにチョコレートを試作した。即ち、以下の配合にて
常法どおりロール掛け、コンチング、テンパリングの各
処理を行い成形してミルクチョコレートおよびスィート
チョコレートを製造した。
チョコレート配合 ミルクタイプ スィートタイプ カカオマス 15% 40% 全脂粉乳 20 − 砂糖 45 50 ココアバター 20 10 レシチン 0.4 0.4 バニリン 0.05 0.05 以上の如くして得たチョコレートをパネラーにより官
能評価したところ、次のような評価を得た。
実施例2 実施例1において、塩化ナトリウムの代わりに酢酸ナ
トリウムを使用し、濃度が10-3、10-2、10-1の水溶液に
て同様に実施したところ、何れも良好なチョコレート風
味が感じられた。但し、濃度が10-1のものは若干薬品臭
が感じられた。
実施例3 実施例1において、塩化ナトリウムの代わりに炭酸水
素ナトリウムを使用し、濃度が10-3、10-2、10-1の水溶
液にて同様に実施したところ、何れも良好なチョコレー
ト風味が感じられた。但し、濃度が10-1のものは若干風
味がココア的であった。
(効果) 以上の如く、従来より避けることのできなかったカカ
オマスの殺菌処理による風味劣化を、塩を添加後殺菌処
理することによって著しく改善することができるように
なった。そして、この発明によりカカオマスを使用して
菌数の低いチョコレート風味の優れた各種食品を世に提
供することが可能となったのである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カカオマスに10-5〜10-1重量%濃度の塩水
    溶液を0.1〜5重量%添加し加熱処理することを特徴と
    する、カカオマスの処理法。
  2. 【請求項2】塩が弱酸性ないし弱アルカリ性の塩であ
    る、請求項(1)記載の処理法。
  3. 【請求項3】塩水溶液の濃度が10-4〜10-2重量%であ
    る、請求項(1)または(2)に記載の処理法。
JP1113318A 1989-05-01 1989-05-01 カカオマスの処理法 Expired - Lifetime JP2628913B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1113318A JP2628913B2 (ja) 1989-05-01 1989-05-01 カカオマスの処理法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1113318A JP2628913B2 (ja) 1989-05-01 1989-05-01 カカオマスの処理法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02291233A JPH02291233A (ja) 1990-12-03
JP2628913B2 true JP2628913B2 (ja) 1997-07-09

Family

ID=14609193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1113318A Expired - Lifetime JP2628913B2 (ja) 1989-05-01 1989-05-01 カカオマスの処理法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2628913B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2645419C (en) * 2006-03-13 2016-10-25 The Hershey Company Steeped cocoa compositions and functional cocoa beverages made from them

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02291233A (ja) 1990-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5868787B2 (ja) カカオ風味飲食品用呈味改善剤
JPS61195647A (ja) ビタ−チヨコの製法
EP1106073A4 (en) COCOA POWDER RICH IN POLYPHENOLS, METHOD FOR PRODUCING THE SAME AND MODIFIED COCOA CONTAINING THIS
JP2001045978A (ja) 桑の葉粉末の製造方法と、桑の葉粉末を含有するアイスクリーム類及びそのアイスクリーム類の製造方法
Moser Alkalizing cocoa and chocolate
JP2628913B2 (ja) カカオマスの処理法
KR101049255B1 (ko) 산수유와 감이 첨가된 초콜렛의 제조방법
JP4699237B2 (ja) 茶葉入りチョコレート
JP4338897B2 (ja) 低水分含量食品の滅菌方法、得られた食品および、それを含む食物組成物
JPH0131866B2 (ja)
JP6831616B2 (ja) 食用茶葉の製造方法
JP4734817B2 (ja) チョコレートの製造方法
JP2548735B2 (ja) カカオ豆の焙煎処理法
JPH11318338A (ja) 苦みや渋みの少ないカカオニブ
TWI635807B (zh) 嗜好性飲料原料萃取物之製造方法、發芽榖物萃取物及其製造方法、容器裝嗜好性飲料及其風味增強方法
JPH0551262B2 (ja)
JP3007388B2 (ja) カカオ豆又はその加工品の香味改良処理方法
JP2002119239A (ja) ケール乾燥粉末の製造方法
JP6130542B1 (ja) キャラメル用糖焙焼物代替剤、キャラメル及びキャラメルの製造方法
KR20190117921A (ko) 쌀겨 반죽을 이용한 커피 생두 숙성방법 및 그로부터 제조된 커피 생두
JP3437539B2 (ja) ケールの乾燥粉末の製造方法
JPH0750993A (ja) コーヒー豆の焙煎方法
JP2002010736A (ja) 緑茶組成物及びその製造方法
EP4018836A1 (en) Method for alkalising cocoa and cocoa product obtained using said method
JP2018139511A (ja) カカオ酵素処理物の製造方法