JP2627450B2 - 車両のトラクション制御方法 - Google Patents

車両のトラクション制御方法

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JP2627450B2 JP24486389A JP24486389A JP2627450B2 JP 2627450 B2 JP2627450 B2 JP 2627450B2 JP 24486389 A JP24486389 A JP 24486389A JP 24486389 A JP24486389 A JP 24486389A JP 2627450 B2 JP2627450 B2 JP 2627450B2
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【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、駆動状態での駆動輪のスリップ傾向を検出
し、該駆動輪が過剰スリップ状態となったときには、制
動操作量に応じた制動液圧を発生し得る制動液圧発生手
段と駆動輪用ブレーキ装置との間に介在した常開型電磁
弁を励磁力して閉弁するとともに、前記常開型電磁弁と
駆動輪用ブレーキ装置との間の液圧を高め得るアクチュ
エータを作動させて駆動輪用ブレーキ装置のブレーキ力
を増大させる車両のトラクション制御方法に関する。
(2) 従来の技術 従来、かかるトラクション制御方法は、たとえば時開
昭和62−265061号公報等により公知である。
(3) 発明が解決しようとする課題 ところで、かかるトラクション制御方法は、駆動輪に
過剰スリップが生じたときに、常開型電磁弁を遮断する
とともにアクチュエータを作動せしめて駆動輪用ブレー
キ装置のブレーキ力を増大させるものであるが、常開型
電磁弁の無駄な動作を回避するとともに制御液圧の無駄
な消費を防止するための該常開型電磁弁の理想的な動作
とは、トラクション制御時には閉弁して制御油圧発生手
段および駆動輪用ブレーキ装置間を連続的に遮断し、か
つトラクション制御終了時には制動油圧発生手段および
駆動輪用ブレーキ装置間を直ちに接続状態にすることで
ある。
しかるに駆動輪が過剰スリップ傾向にあるときだけ常
開型電磁弁を閉弁し、過剰スリップ傾向解消後には直ち
に常開型電磁弁を開弁させるようにすると、駆動輪用ブ
レーキ装置の制動液圧が直ちに減圧されるので、間隔を
あけずに駆動輪が過剰スリップ傾向になったときには駆
動輪用ブレーキ装置の制動油圧を新たに増圧する必要が
あり、制動液が無駄に消費されることになる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、
常開型電磁弁の無駄動作および制動液の無駄な消費を防
止し得るようにした車両のトラクション制御方法を提供
することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 本発明方法によれば、第1の一定時間ならびに第1の
一定時間よりも長い第2の一定時間を設定しておき、駆
動輪速度および駆動輪加速度が所定の速度条件および加
速度条件をともに満たしたことをもって過剰スリップ状
態であると判断し、その過剰スリップ状態が解消したと
判定した時点から第2の一定時間が経過するまでの間
に、前記駆動輪速度が前記所定の速度条件を満たし得な
い状態が第1の一定時間持続したときには常開型電磁弁
を消磁して開弁するが、それ以外の場合には、第2の一
定時間が経過するまで常開型電磁弁の励磁・閉弁状態を
維持する。
(2) 作用 上記方法によると、過剰スリップ状態が解消されたと
判断した後に、駆動輪速度が所定の速度条件を満たし得
ない状態が第1の一定時間を経過することで過剰スリッ
プ状態が続いて生じていないことを確認したときを除い
て、第2の一定時間だけは常開型電磁弁が閉弁している
ので、次回の過剰スリップが生じたときに即応したトラ
クション制御が可能となり、また過剰スリップ状態が続
いて生じていないことを確認したときには常開型電磁弁
が開弁することにより、駆動輪用ブレーキ装置をトラク
ション制御以外の通常の制御により作動せしめることが
できる。
(3) 実施例 以下、図面により本発明をフロントエンジン・フロン
トドライブ車両に適用したときの一実施例について説明
すると、先ず第1図において、車両の左前輪および右前
輪には左駆動輪用ブレーキ装置BFLおよび右駆動輪用ブ
レーキ装置BFRがそれぞれ装着され、左後輪および右後
輪には左従動輪用ブレーキ装置BRLおよび右従動駆動用
ブレーキ装置BRRがそれぞれ装着される。一方、ブレー
キペダル1には、該ブレーキペダル1の踏込み量に応じ
て油圧供給源2からの油圧を制御して出力可能な制動液
圧発生手段としての制動油圧発生手段3が連結されてお
り、通常制動時には、該制動油圧発生手段3の出力油圧
が各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに与えられる。また
両駆動輪用ブレーキ装置BFL,BFRに個別に対応して設け
られる流入電磁弁4FL,4FRおよび流出電磁弁5FL,5FR、な
らびに両従動輪用ブレーキ装置BRL,BRRに共通に設けら
れる流入電磁4Rおよび流出電磁弁5Rにより、各ブレーキ
装置BFL,BFR,BRL,BRRの制動油圧を保持あるいは減圧し
てアンチロック制御を行なうことができ、またトラクシ
ョン制御用常開型電磁弁6およびアクチュエータとして
の常閉型電磁弁7ならびに前記流入電磁弁4FL,4FRおよ
び流出電磁弁5FL,5FRにより両駆動輪用ブレーキ装置
BFL,BFRの制動油圧を増大してトラクション制御を行な
うことができる。
油圧供給源2は、リザーバRから作動湯を汲上げる油
圧ポンプPと、その油圧ポンプPに接続されるアキュム
レータAと、油圧ポンプPの作動を制御するための圧力
スイッチSとを備える。
制動油圧発生手段3は、油圧供給源2に通じる入力ポ
ート3aと、出力ポート3bと、リザーバRに通じる解放ポ
ート3cとを有し、出力ポート3bおよび入力ポート3a間の
連通と出力ポート3bおよび解放ポート3c間の連通とをブ
レーキペダル1の踏込みに応じて切換えることにより、
ブレーキペダル1の踏込み量に応じた油圧を出力ポート
3bから出力すべく構成される。
一方、各ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRは、シリンダ
体8と該シリンダ体8内に摺動可能に嵌合される制動ピ
ストン9とをそれぞれ備え、シリンダ体8および制動ピ
ストン9間に画成された制油圧室10に作用する油圧に応
じた制動ピストン9の移動により制動力を発揮すべく構
成される。
両駆動輪用ブレーキ装置BFL,BFRの制動油圧室10に
は、流入電磁弁4FL,4FRおよび流出電磁弁5FL,5FRが並列
してそれぞれ接続され、両従動輪用ブレーキ装置BRL,B
RRには流入電磁弁4Rおよび流出電磁弁5Rが並列して接続
される。而して流入電磁弁4FL,4FR,4Rはソレノイド
4FLS,4FRS,4RSの励磁時に遮断する常開型電磁弁であ
り、また流出電磁弁5FL,5FR,5Rはソレノイド5FLS,5FRS,
5RSの励磁時に連通する常閉型電磁弁である。しかも流
入電磁弁4FL,4FRは駆動輪用ブレーキ装置BFL,BFRの制動
油圧室10および油路11間に介設され、流出電磁弁5FL,5
FRは駆動輪用ブレーキ装置BFL,BFRの制動油圧室10およ
びリザーバR間に介設され、流入電磁弁4Rは両従動輪用
ブレーキ装置BRL,BRRの制動油圧室10および制動油圧発
生手段3の出力ポート3b間に介設され、流出電磁弁5R
両従動輪用ブレーキ装置BRL,BRRの制動油圧室10および
リザーバR間に介設される。
前記油路11および制動油圧発生手段3の出力ポート3b
間にはトラクション制御用常開型電磁弁6が介設され、
油路11および油圧供給源2間にはトラクション制御用常
閉電磁弁7が介設される。
各電磁弁4FL,4FR,4R,5FL,5FR,5R,6,7におけるソレノ
イド4FLS,4FRS,4RS,5FLS,5FRS,5RS,6S,7Sの励磁および
消磁は制御手段12により制御されるものであり、通常の
状態では各ソレノイド4FLS,4FRS,4RS,5FLS,5FRS,5RS,
6S,7Sは消磁状態にある。而して制動操作時のアンチロ
ックブレーキ制御にあたっては、ロックしそうになって
いる車輪に対応する流入電磁弁4FL,4FR,4R,が遮断状態
となり、これにより車輪がロック状態になることを回避
すべく制動力の増大が抑えられるが、これでも車輪がロ
ック状態に入りそうであるときには対応する流出電磁弁
5FL,5FR,5Rが連通状態となることによりブレーキ力が低
下され、それにより車輪のロック傾向を解消することが
できる。
駆動輪が過剰スリップを生じそうになったときには、
トラクション制御用常開型電磁弁6および常閉型電磁弁
7のソレノイド6S,7S、ならびに流入電磁弁4FL,4FRにお
けるソレノイド4FLS,4FRSおよび流出電磁弁5FL,5FRにお
けるソレノイド5FLS,5FRSの励磁および消磁状態が制御
手段12により切換制御され、それにより左、右前輪用ブ
レーキ装置BFL,BFRのブレーキ力が増・減制御される。
すなわちソレノイド4FLS,4FRS,5FLS,5FRSを消磁状態
としたままソレノイド6S,7Sを励磁して常開型電磁弁6
を閉弁するとともに常閉型電磁弁7を開弁すると、油圧
供給源2からの油圧が駆動輪用ブレーキ装置BFL,BFR
制動油圧室10に作用してブレーキが急激に増大する。ま
た常開型電磁弁6を閉弁するとともに常閉型電磁弁7を
開弁した状態で、ソレノイド5FLS,5FRSを消磁状態とし
て流出電磁弁5FL,5FRを閉じたままソレノイド4FLS,4FRS
を断続的に励磁して流入電磁弁4FL,4FRを断続的に開弁
すると制動油圧室10のの油圧が緩やかに増大して各ブレ
ーキ装置BFL,BFRによるブレーキ力が緩やかに増大し、
常開型電磁弁6を閉弁するとともに常閉型電磁弁7を開
弁した状態で、ソレノイド4FLS,4FRSを励磁し、ソレノ
イド5FLS,5FRSを消磁状態として流入電磁弁4FL,4FRおよ
び流出電磁弁5FL,5FRを閉じると制動油圧室10の油圧が
保持されて各ブレーキ装置BFL,BFRによるブレーキ力が
保持される。さらに、常開型電磁弁6を閉弁するととも
に常閉型電磁弁7を開弁した状態で、ソレノイド4FLS,4
FRSを励磁状態として流入電磁弁4FL,4FRを閉じるととも
にソレノイド5FLS,5FRSを励磁状態として流出電磁弁
5FL,5FRを開弁すると制動油圧室10の油圧を急激に解放
して各ブレーキ装置BFL,BFRによるブレーキ力を急激に
低下させることができ、常開型電磁弁6を閉弁するとと
もに常閉型電磁弁7を開弁した状態で、ソレノイド
4FLS,4FRSを励磁状態として流入電磁弁4FL,4FRを閉じた
ままソレノイド5FLS,5FRSを継続的に励磁状態として流
出電磁弁5FL,5FRを断続的に開弁すると制動油圧室10の
油圧を緩やかに解放して各ブレーキ装置BFL,BFRによる
ブレーキ力を緩やかに減少することができる。
すなわち、この油圧制御回路では、トラクション制御
時に各ソレノイド4FLS,4FRS,5FLS,5FRS,6S,7Sの励磁お
よび消磁状態を第1表で示すように切換制御することに
より、ブレーキ力を急激に増加させる急増加モードと、
ブレーキ力を緩やかに増加させる緩増加モードと、ブレ
ーキ力を保持する保持モードと、ブレーキ力を急激に減
少させる急減少モードと、ブレーキ力を緩やかに減少さ
せる緩減少モードとを切換えてブレーキ力の増・減制御
を行なうことができる。
制御手段12のトラクション制御に対応する部分の構成
を示す第2図において、制御手段12には、左、右駆動輪
すなわち左、右前輪の車輪速度を検出する車輪速度検出
器13FL,13FRと、左、右従動輪すなわち左、右後輪の車
輪速度を検出する車輪速度検出器13RL,13RRとが接続さ
れており、制御手段12は、それらの車輪速度検出器1
3FL,13FR,13RL,13RRの検出値により、左、右駆動輪用ブ
レーキ装置BFL,BFRに対応する流入電磁弁4FL,4FRのソレ
ノイド4FLS,4FRSおよび流出電磁弁5FL,5FRのソレノイド
5FLS,5FRS、ならびにトラクション制御用常開型電磁弁
6のソレノイド6Sおよびトラクション制御用常閉型電磁
弁7のソレノイド7Sの励磁・消磁を切換制御する。
制御手段12は、各車輪速度検出器13FL,13FR,13RL,13
RRにそれぞれ個別に接続されるフィルタ14FL,14FR,1
4RL,14RRと、フィル14RL,14RRに接続されるハイセレク
ト回路15と、ハイセレクト回路15に接続される低速側基
準速度設定回路16および高速側基準速度設定回路17と、
ソレノイド4FLS,5FRSに対応してフィルタ14FLならびに
低速側基準速度設定回路16および高速側基準速度設定回
路17に接続される左前輪ブレーキ力制御部20Lと、ソレ
ノイド4FRS,5FRSに対応してフィルタ14FRならびに低速
側基準速度設定回路16および高速側基準速度設定回路17
に接続される右前輪ブレーキ力制御部20Rと、左、右前
輪ブレーキ力制御部20L,20Rに共通に接続されるととも
にソレノイド6S,7Sに接続される共通制御部21とを備え
る。
左、右従動輪速度検出器13RL,13RRで検出される左、
右従動輪速度VWRL,VWRRはフィルタ14RL,14RRでノイズを
除去されてハイセレクト回路15に入力される。このハイ
セレクト回路15は、前記左、右従動輪速度VWRL,VWRR
うちのいずれか高い方車体速度VRとして選択するもので
あり、このハイセレクト回路15で得られた車体速度VR
低速側基準速度設定回路16および高速側基準速度設定回
路17に入力される。而して低速側基準速度設定回路16
は、許容し得る駆動輪のスリップ率に応じて車体速度VR
から低速側基準速度VRLを第3図(a)で示すように設
定するものであり、また高速側基準速度設定回路17は、
駆動輪が過剰スリップを生じている状態であるとして車
体速度VRから高速側基準速度VRHを第3図(a)で示す
ように設定するものである。
左、右駆動輪速度検出器13FL,13FRで検出される左、
右駆動輪速度VWFL,VWFRはフィルタ14FL,14FRでノイズを
除去されて左、右前輪ブレーキ力制御部20L,20Rにそれ
ぞれ入力される。而して左、右前輪ブレーキ力制御部20
L,20Rは同一の構成を有するものであり、以下、左前輪
ブレーキ力制御部20Lの構成要素について添字を付し
ながら説明し、右前輪ブレーキ力制御部20Rについては
左前輪ブレーキ力制御部20Lに対応する構成要素に添字
を付して図示するのみとする。
左前輪ブレーキ力制御部20Lは、フィルタ14FLでノイ
ズを除去されて入力される左駆動輪速度VWFLを微分して
駆動輪加・減速度αWLを算出する微分回路22Lと、4つ
の比較器23L,24L,25L,26Lと、AND回路27L,28L,32L,36L,
40Lと、OR回路29L,31L,35L,37Lと、タイマ30Lと、発振
回路33L,34Lとを備える。
比較器23Lにおいて、その非反転入力端子にはフィル
タ14FLから左駆動輪速度VWFLが入力され、反転入力端子
には高速側基準速度設定回路17から高速側基準速度VRH
が入力される。したがってVWFL>VRHであるときに比較
器23Lからハイレベルの信号が出力される。比較器24L
おいて、その非反転入力端子には低速側基準速度設定回
路16から低速側基準速度VRLが入力され、反転入力端子
にはフィルタ14FLから左駆動輪速度VWFLが入力される。
したがって比較器24LからはVRL>VWFLであるときにハイ
レベルの信号が出力される。また比較器25Lにおいて、
非反転入力端子には微分回路22Lから左駆動輪加・減速
度αWLが入力され、反転入力端子には基準端子38Lから
一定の基準加速度αが入力される。したがってαWL
αであるときに比較器25Lからハイレベルの信号が出
力される。さらに比較器26Lにおいて、非反転入力端子
には基準端子39Lから一定の基準減速度αが入力さ
れ、反転入力端子には微分回路22Lから左駆動輪加・減
速度αWLが入力される。したがってα>αWLであると
きに比較器26Lからハイレベルの信号が出力される。
AND回路27Lには比較器23L,25Lの出力信号が入力され
る。したがってAND回路27Lは、VWFL>VRHであってかつ
αWL>αであるときにハイレベルの信号を出力するも
のであり、これは左駆動輪が過剰スリップ傾向にあるこ
とを示す信号となる。またAND回路28Lには、比較器23L,
26Lの出力信号が入力され、したがってAND回路28Lは、V
WFL>VRHであってかつα>αWLであるときにハイレベ
ルの信号を出力する。さらにOR回路29Lには比較器24L,2
6Lの出力信号が入力され、該OR回路29Lは、VRL>VWFL
あるか、またはα>αWLであるときにハイレベルの信
号を出力する。
タイマ30Lは、ハイレベルの信号が入力されてから一
定時間T1だけ持続するハイレベルの信号を出力するもの
であり、このタイマ30Lには比較器23Lの出力信号が反転
して入力される。さらに該タイマ30Lの出力はOR回路31L
の一方の入力端子に入力され、該OR回路31Lの他方の入
力端子には比較器23Lの出力が入力される。したがってO
R回路31Lは、比較器23Lの出力がハイレベルすなわちV
WFL>VRHであるときか、または比較器23Lの出力がロー
レベルすなわちVWFL≦VRHとなったときにはローレベル
となってから一定時間T1が経過するまで、ハイレベルの
信号を出力する。
AND信号32Lには、OR回路29L,31Lの出力信号が入力さ
れる。したがって、AND回路32Lは、両OR回路29L,31L
出力がともにハイレベル、すなわちVRL>VWFLであるか
α>αWLであって、しかもVWFL>VRHであるかVWFL≦V
RHとなったときにはそれから一定時間T1が経過するまで
の間に、ハイレベルの信号を出力することになる。
このAND回路32Lの出力信号は発振回路33Lに入力され
る。而して該発振回路33Lは、AND回路32Lからハイレベ
ルの信号が入力されるのに応じて、ハイレベル状態とロ
ーレベル状態とを交互に繰り返す発振信号を出力し、こ
の発振回路33Lからの信号はOR回路37Lの一方の入力端子
に入力される。また該OR回路37Lの他方の入力端子にはA
ND回路28Lの出力信号が入力される。したがってOR回路3
7Lは、VWFL>WRHであってかつα>αWLであるαとき
にAND回路28Lがハイレベルの信号を出力するのに応じて
ハイレベルとなるとともに、AND回路28Lの出力がローレ
ベルすなわちVWFL≦VRHであるかα≦αWLであるとき
には、発振回路33Lが発振信号を出力する際に、その発
振信号のハイレベル状態でハイレベルの信号を出力す
る。而して該OR回路37Lの出力端子はソレノイド5FLS
接続される。
発振回路34Lには、AND回路27Lの出力信号が入力さ
れ、該発振回路34Lは、AND回路27Lからハイレベルの信
号が入力されるのに応じて、すなわちVWFL>VRHであっ
てかつαWL>αであるときに、ハイレベル状態とロー
レベル状態とを交互に繰り返す発振信号を出力し、この
発振回路34Lからの信号はOR回路35Lの一方の入力端子に
入力される。而して該OR回路35Lの出力信号はAND回路36
Lの一方の入力端子に反転して入力され、AND回路36L
出力端子はソレノイド4FLSに接続される。
AND回路40Lの一方の入力端子にはAND回路27Lの出力信
号が入力され、該AND回路40Lの出力信号はOR回路35L
他方の入力端子に入力される。
共通制御部21は、OR回路41,43,44と、タイマ42,45
と、AND回路46と、比較器47とを備える。
OR回路41には、左、右前輪ブレーキ力制御部20L,20R
におけるAND回路27L,27Rの出力信号が入力され、両AND
回路27L,27Rの少なくとも一方がハイレベルの信号を出
力しているとき、すなわち左駆動輪が過剰スリップ傾向
にあってVWFL>VRHWL>αが成立する状態、ならび
に右駆動輪が過剰スリップ傾向にあってVWFR>VRHWR
>αが成立する状態の少なくとも一方でOR回路41はハ
イレベルの信号を出力する。
該OR回路41の出力信号はタイマ42に反転して入力され
るとともにOR回路43の一方の入力端子に入力される。タ
イマ42は、ハイレベルの信号が入力されるとき、すなわ
ちOR回路41の出力信号の立ち下がりに応じて一定時間T2
だけ持続するハイレベルの信号を出力するものであり、
このタイマ42の出力信号は前記OR回路43の他方の入力端
子に入力される。したがってOR回路43は、左、右駆動輪
の少なくとも一方が過剰スリップ傾向となったときか
ら、その過剰スリップ傾向が解消されてから一定時間T2
が経過するまでの間にハイレベルの信号を出力する。而
してOR回路43の出力端子は、ソレノイド6S,7Sに接続さ
れる。
またOR回路44には、左、右前輪ブレーキ力制御部20L,
20RにおけるOR回路31L,31Rの出力信号が入力されてお
り、このOR回路44の出力信号はタイマ42のリセット入力
端子に反転して入力される。したがってタイマ42は、前
記OR回路31L,31Rの出力信号がともにローレベルとなっ
たときにリセットされることになる。
ところで、前記OR回路43の出力信号は、左、右前輪ブ
レーキ力制御部20L,20RにおけるAND回路36L,36Rの他方
の入力端子にも入力されており、それらのAND回路36L,3
6Rは、OR回路35L,35Rの出力がローレベルであってOR回
路43の出力がハイレベルであるときにハイレベルの信号
を出力することになり、それによってソレノイド4FLS,4
FRSが励磁される。
またOR回路43の出力信号はタイマ45にも入力されてお
り、このタイマ45はハイレベルの信号が入力されてから
一定時間T3だけ持続するハイレベルの信号を出力し、該
タイマ45の出力信号はAND回路46の一方の入力端子に入
力される。而して該AND回路46の他方の入力端子には比
較器47の出力信号が入力される。この比較器47は、その
非反転入力端子に基準端子48から基準車体速度VROたと
えば15〜20km/hに対応す基準信号が入力されるとともに
反転入力端子にハイセレクト回路15から車体速度VRが入
力されるものであり、車体速度VRが前記基準車体速度V
RO以下のときにハイレベルの信号を出力する。したがっ
てAND回路46は、OR回路41の出力がハイレベルすなわち
左、右駆動輪の少なくとも一方が過剰スリップ傾向とな
ってから一定時間T3が経過する間に車体速度VRが基準車
体速度VRO以下である場合にハイレベルの信号を出力す
る。
前記AND回路46の出力信号は、左、右前輪ブレーキ力
制御部20L,20RにおけるAND回路40L,40Rの他方の入力端
子に入力される。したがってAND回路40L,40Rは、左、右
駆動輪の少なくとも一方が過剰スリップ傾向となってか
ら一定時間T3が経過する間に車体速度VRが基準速度VRO
以下である場合であって、左、右駆動輪が依然として過
剰スリップ傾向にある場合にハイレベルの信号を出力す
るものである。
ところで、上記制御手段12において、タイマ30L,30R
での一定時間T1、タイマ42での一定時間T2およびタイマ
45での一定時間T3は、それぞれ次のように設定される。
(a) 一定時間T2は、駆動輪過剰スリップを解消し得
る通常の時間に対応して設定されるものであり、たとえ
ば1000m秒である。而してこの一定時間T2は、駆動輪の
過剰スリップ傾向が解消された後に、次の過剰スリップ
が生じたときに即応したトラクション制御を可能とすべ
くトラクション制御用常開型および常閉型電磁弁6,7の
ソレノイド6S,7Sを励磁した状態のままとしておくため
の時間である。
(b) 一定時間T1は、前記一定時間T2よりも短く、た
とえば500m秒に設定される。すなわち上述のように次の
過剰スリップに対応すべく比較的長い時間T2(1000m
秒)ソレノイド6S,7Sを励磁したままにしておくと、そ
の時間T2内にアクセルを急激に戻して駆動輪速度VWFL,V
WFRが車体速度VRまで急激に低下したときや、ブレーキ
操作をしたときに対応できない。而して左、右駆動輪速
度VWFL,VWFRが高速側基準速度VRH以下(VWFL≦VRH,VWFR
≦VRH)となってから次に駆動輪が過剰スリップ傾向と
なるまでの時間はほぼ一定であるので、その時間をカバ
ーし得る程度に一定時間T1が設定される。しかもOR回路
31L,31Rは、VWFL≦VRH,VWFR≦VRHとなってからT1時間経
過後に出力がローレベルとなるものであり、両OR回路31
L,31Rの出力がともにローレベルとなったときにタイマ4
2がリセットされる。而して左、右駆動輪の少なくとも
一方がVWFL>VRH,VWFR>VRHとなっているときにはタイ
マ42はリセットされず、ソレノイド6S,7Sは励磁された
ままとなるので、一定時間T1は比較的短く設定可能なも
のであり、それらを勘案して一定時間T1がたとえば500m
秒に設定される。
(c) 一定時間T3はたとえば60m秒に設定される。こ
の一定時間T3は、左、右駆動輪用ブレーキ装置BFL,BFR
における制動油圧室10の油圧を大気圧状態からブレーキ
力作用状態まで高めるのに必要な時間として設定される
ものである。ここでタイマ45は、左、右いずれか一方の
駆動輪が過剰スリップ傾向が生じてからタイマ作動する
ものであり、左、右駆動輪が同時に過剰スリップ傾向を
生じたとき、ならびに左、右駆動輪が位相をずらして過
剰スリップ傾向を生じたときにも、各ブレーキ装置BFL,
BFRにおける制動油圧室10の油圧を大気圧状態からブレ
ーキ力作用状態まで高めるのに充分な時間として、たと
えば60m秒が一定時間T3として設定されている。
次にこの実施例の作用について第3図を参照しながら
説明すると、駆動輪速度VWFLまたはVWFRが第3図
(a)、駆動輪加・減速度αWLまたはαWRが第3図
(b)で示すように変化するときに、比較器23Lまたは2
3Rの出力は第3図(c)、比較器24Lまたは24Rの出力は
第3図(d)、比較器25Lまたは25Rの出力は第3図
(e)、比較器26Lまたは26Rの出力は第3図(f)でそ
れぞれ示され、それに応じて制御されるべき制動油圧の
制御状態は第3図(g)で示される。而してその制動油
圧制御状態に応じてソレノイド6S,7Sの励磁および消磁
状態は第3図(h)および第3図(i)でそれぞれ示さ
れ、ソレノイド4FLSまたは4FRSの励磁および消磁状態、
ならびにソレノイド5FLSまたは5FRSの励磁および消磁状
態は第3図(j)および第3図(k)でそれぞれ示さ
れ、駆動輪用ブレーキ装置BFLまたはBFRのブレー力は第
3図(l)で示される。この第3図において、第3図
(h)ないし第3図(k)では、ハイレベルは励磁状
態、ローレベルは消磁状態を示すものとし、さらに第3
図(j)および第3図(k)で中間レベルは例磁および
消磁状態を断続的に切換える状態を示すものとする。而
して第3図(h)でソレノイド6Sのハイレベル状態は常
開型電磁弁6の開弁状態を、第3図(i)でソレノイド
7Sのハイレベル状態は常開型電磁弁7の開弁状態をそれ
ぞれ示すものであり、第3図(j)でソレノイド4FLS
たは4FRSのハイレベル状態は流入電磁弁4FLまたは4FR
開弁状態を、またソレノイド4FLSまたは4FRSの中間レベ
ル状態は流入電磁弁4FLまたは4FRが断続的に開閉作動し
ている状態を示し、第3図(k)でソレノイド5FLSまた
は5FRSのハイレベル状態は流出電磁弁5FLまたは5FRの閉
弁状態を、またソレノイド5FLSまたは5FRSの中間レベル
状態は流出電磁弁5FLまたは5FRが断続的に開閉作動して
いる状態を示す。
左駆動輪速度VWFLが高速側基準速度VRHを超えるとと
もに、左駆動輪加・減速度αWLが基準加速度αを超え
たときには、比較器23L,25Lの出力がハイレベルとな
り、左駆動輪が過剰スリップ傾向になったとして、AND
回路27Lからハイレベルの信号が出力される。
これによりソレノイド6S,7Sが励磁さ、トラクション
制御用常開型電磁弁6が閉弁するとともにトラクション
制御用常閉型電磁弁7が開弁する。この際、車体速度VR
が基準車体速度VRO以下であるときには、前記過剰スリ
ップ傾向となってから一定時間T3の間はAND回路46の出
力がハイレベルとなる。而してAND回路46の出力がハイ
レベルである間に過剰スリップ傾向が続いているときに
はAND回路40Lの出力がハイレベルとなるので、AND回路3
6Lの出力がローレベルとなり、ソレノイド4FLSは消磁状
態のままであり、またはこの間は、比較器24L,26Lの出
力はローレベルであってOR回路37Lの出力もローレベル
であるので、ソレノイド5FLSも消磁状態である。したが
って急激加モードとなり、油圧供給源2からの油圧を駆
動輪用ブレーキ装置BFLの制動油圧室10に急速に作用さ
せてブレーキ力を急激に高めることができ、トラクショ
ン制御の応答性を向上することができる。
しかもタイマ45の出力は、過剰スリップ傾向となって
から一定時間T3(たとえば60m秒)経過後にローレベル
とはり、それに応じてAND回路40Lの出力もローレベルと
なるので、前記急増加モードによるブレーキ制御は、駆
動輪が過剰スリップ傾向となってから一定時間T3の間だ
け実行されることになる。
また前記急増加モードによるブレーキ力制御は、車体
速度VRが基準車体速度VRO(たとえば15〜20km/h)以下
である場合のトラクション制御初期に実行されるもので
あり、これは、この実施例のように左、右駆動輪を独立
制御する場合に、左、右駆動輪の位相がずれるとトラク
ション制御時に左、右駆動輪装置用ブレーキ装置BFL,B
FRのブレーキ力が交互に高くなって車体振動が生じる可
能性があるので、基準車体速度VROを超える高速域では
安定性を重視して車体振動の緩和を図るべくブレーキ力
の増加を緩やかにするためである。またエンジン出力制
御とブレーキ力制御とを併用する場合に、上述のように
高速域での急増加モードによるブレーキ力制御を禁止す
ると、高速域すなわちエンジン出力が所定値以上で安定
していて出力制御可能な領域ではブレーキ力制御の寄与
率を低めて、過剰制御や車体の異常挙動等が生じるのを
防止することができる。
左駆動輪速度VWLが高速側基準速度VRHを超えている状
態で、上記急増加モードによるブレーキ力制御により、
左駆動輪加・減速度αWLがα≧αWL>αとなると、
AND回路27Lの出力がローレベルとなる。而して右駆動輪
が過剰スリップ傾向を生じていないときにはOR回路41の
出力がローレベルとなるが、タイマ42のタイマ作動にり
一定時間T2が経過するまではOR回路43の出力はハイレベ
ルであり、ソレノイド6S,7Sの励磁状態を持続する。而
してAND回路40Lの出力がローレベルとなり、それに応じ
てOR回路36Lの出力がハイレベルとなり、ソレノイド4
FLSが励磁されて流入電磁弁4FLが閉弁する。
したがってソレノイド4FLS,4FRSを励磁するととも
に、ソレノイド,5FLS,5FRSを消磁状態として流入電磁弁
4FL,4FRおよび流出電磁弁5FL,5FRを閉じた保持モードと
なり、制動油圧室10の油圧が保持されてブレーキ装置B
FLのブレーキ力が保持される。
前記保持モードによるブレーキ力制御により、左駆動
輪速度VWLが高速側基準速度VRHを超えてはいるが、αWL
<αとなると、急減少モードによるブレーキ力制御が
実行される。すなわち、左駆動輪素度VWLが高速側基準
速度VRHを超えている状態は、基本的には駆動輪にかな
りのスリップが生じており、本来ブレーキ力を増大すべ
き状態であるが、αWL<αであることにより大きな駆
動力に打ち勝つ過剰ブレーキ力が作用している状態と予
測することができる。而してこの状態では、比較器26L
の出力がハイレベルとなるのに応じてAND回路28Lの出力
がハイレベルとなり、OR回路37Lの出力がハイレベルと
なってソレノイド5FLSが励磁さ、流出電磁弁5FLが開弁
される。したがってブレーキ装置BFLにおける制動油圧
室10の油圧が急激に解放され、ブレーキ力が急激に減少
することになる。
急減少モードによるブレーキ力制御に応じて左駆動輪
速度VWLが高速側基準速度VRH以下となったときには、左
駆動輪加・減速度αが基準減速度α未満の領域で緩
減少モードによるブレーキ力制御が実行される。
すなわち、VRL<VWL≦VRHの領域は、原則的には理想
的なスリップ状態であり、本来はブレーキ力を保持すべ
きときであるが、αWL<αとなっているのは、上記急
減少モードのときに比べると過剰程度が小さいけれども
過剰のブレーキ力が作用していると予測できるものであ
る、比較器26Lの出力がハイレベルとなるのに応じてAND
回路32Lからのハイレベル信号が発振回路33Lに入力さ
れ、それに応じてOR回路37Lからハイレベルおよびロー
レベルの信号が一定のサイクルで交互に出力され、ソレ
ノイド5FLSが断続的に励磁される。したがって流出電磁
弁5が断続的に開閉作動し、制動油圧室10の油圧が緩や
かに解放されることにより、左駆動輪用ブレーキ装置B
FLのブレーキ力が緩やかに減少される。
次いで、左駆動輪速度VWLが低速側基準速度VRL以下と
なったときには、左駆動輪速度VWLを理想的スリップ状
態、すなわちVRL<VWL<VRHにしようとするトラクショ
ン制御の目標領域からずれた状態となり、明らかに過剰
ブレーキ力が作用していると予測されるものであり、比
較器24Lの出力がハイレベルとなるので、上述と同様に
してソレノイド5FLSが断続的に励磁され、流出電磁弁5
FLの断続的な開閉作動が継続し、左駆動輪用ブレーキ装
置BFLのブレーキ力を緩やかに減少させる状態が持続す
る。
而して上述の緩やかなブレーキ力減少により、VWL>V
RLとなると比較器24Lの出力がローレベルとなるのでAND
回路32Lの出力もローレベルとなり、ソレノイド5FLS
消磁されて流出電磁弁5FLが閉弁し、保持モードによる
ブレーキ力制御が実行される。
しかも、前記緩減少モードおよび保持モードによるブ
レーキ力制御は、タイマ30Lによるタイマ作動により確
保される。
左駆動輪が再び過剰スリップ傾向となり、左駆動輪速
度VWLが高速側基準速度VRHを超えるとともに左駆動輪加
・減速度αWLが基準加速度αを超えると、緩増加モー
ドによるブレーキ力制御となる。すなわち最初に過剰ス
リップ傾向となったときから一定時間T3経過した後に
は、AND回路46の出力がローレベルとなるので、OR回路3
5Lは、ハイレベルおよびローレベルの信号を一定サイク
ルで繰り返して出力するようになり、ソレノイド4FLS
断続的に励磁され、流入電磁弁4FLが断続的に開閉作動
することにより、左駆動輪用ブレーキ装置BFLにおける
制動油圧室10の油圧が緩やかに増大され、ブレーキ力が
緩やかに増加することになる。
ところで、左、右駆動輪速度VWL,VWRが高速側基準速
度VRH以下となってから一定時間T1(たとえば500m秒)
が経過すると、タイマ42がリセットされるので、過剰ス
リップ傾向が解消してから一定時間T2が経過する前に過
剰スリップ傾向が解消されたときには、ソレノイド6S,7
Sが消磁され、トラクション制御用常開型電磁弁6が開
弁し、トラクション制御用常閉型電磁弁7が閉弁するの
で、アクセルを急激に戻したり、ブレーキ操作をしたり
する操作に応じて再駆動輪ブレーキ装置BFL,BFRの油圧
を適切に制御することが可能となる。
このような一連のブレーキ力制御が、左駆動輪速度V
WLおよび左駆動輪加・減速度αWLに応じて繰り返され、
それにより左駆動輪の過剰スリップが解消されることに
なる。
またトラクション制御の初期には、急増加モードによ
るブレーキ力制御を実行し、の後でのブレーキ力増加時
には緩増加モードによるブレーキ制御を行なうので、ブ
レーキ油圧の無効消費を回避し、応答性を良いトラクシ
ョン制御を得ることが可能となる。
さらにトラクション制御時に過剰ブレーキ力が作用し
ている場合には、ブレーキ力を減少させる必要がある
が、その過剰程度に応じて急減少モードおよび緩減少モ
ードによるブレーキ力を切り換えて実行するので、状況
に応じた適切なトラクション制御が可能となる。
上述のブレーキ力制御は右駆動輪に関しても同様に実
行されるものであり、左、右駆動輪が同位相の場合や位
相が異なる場合にかかわらず、左、右駆動輪のブレーキ
力制御が相互に独立して実行される。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、第1の一定時間ならび
に第1の一定時間よりも長い第2の一定時間を設定して
おき、駆動輪速度および駆動輪加速度が所定の速度条件
および加速度条件をともに満たしたことをもって過剰ス
リップ状態であると判断し、その過剰スリップ状態が解
消したと判定した時点から第2の一定時間が経過するま
での間に、前記駆動輪速度が前記所定の速度条件を満た
し得ない状態が第1の一定時間持続したときには常開型
電磁弁を消磁して開弁するが、それ以外の場合には、第
2の一定時間が経過するまで常開型電磁弁の励磁・閉弁
状態を維持するので、駆動輪の過剰スリップ状態が解消
された後に過剰スリップ状態が続いて生じていないこと
を確認したときを除いて一定の時間だけ常開型電磁弁が
閉弁していることにより、駆動輪の過剰スリップ状態が
解消した後に次回の過剰スリップ状態が引き続いて生じ
たときに即応したトラクション制御が可能となり、常開
型電磁弁の無駄な作動および制動液の無駄な消費を防止
することができ、しかも駆動輪の過剰スリップ状態解消
後に過剰スリップ状態が第1の一定時間続いて生じない
ときには常開型電磁弁を開弁して駆動輪用ブレーキ装置
を直ちに通常の制御状態に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
図面の本発明の一実施例を示すものであり、第1図は油
圧制御回路図、第2図は制御手段のトラクション制御に
関連する部分の構成を示す回路図、第3図はタイミング
チャートである。 3……制動液圧発生手段としての制動油圧発生手段、6
……常開型電磁弁、7……アクチュエータとしての常閉
型電磁弁、 αWLWR……駆動輪加速度、BFL,BFR……駆動輪用ブレ
ーキ装置、T1……第1の一定時間、T2……第2の一定時
間、VWFL,VWFR……駆動輪速度
フロントページの続き (72)発明者 小島 武志 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平1−141155(JP,A) 特開 昭62−157852(JP,A) 特開 昭63−141864(JP,A) 特開 昭62−261564(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動状態での駆動輪のスリップ傾向を検出
    し、該駆動輪を過剰スリップ状態となったときには、制
    動操作量に応じた制動液圧を発生し得る制動液圧発生手
    段(3)と駆動輪用ブレーキ装置(BFL,BFR)との間に
    介装した常開型電磁弁(6)を励磁して閉弁するととも
    に、前記常開型電磁弁(6)と駆動輪用ブレーキ装置
    (BFL,BFR)との間の液圧を高め得るアクチュエータ
    (7)を作動させて駆動輪用ブレーキ装置(BFL,BFR
    のブレーキ力を増大させる車両のトラクション制御方法
    において、第1の一定時間(T1)ならびに第1の一定時
    間(T1)よりも長い第2の一定時間(T2)を設定してお
    き、駆動輪速度(VWFL,VWFR)および駆動輪加速度(α
    WLWR)が所定の速度条件および加速度条件をともに
    満たしたことをもって過剰スリップ状態であると判断
    し、その過剰スリップ状態が解消したと判断した時点か
    ら第2の一定時間(T2)が経過するまでの間に、前記駆
    動輪速度(VWFL,VWFR)が前記所定の速度条件を満たし
    得ない状態が第1の一定時間(T1)持続したときには常
    開型電磁弁(6)を消磁して開弁するが、それ以外の場
    合には、第2の一定時間(T2)が経過するまで常開型電
    磁弁(6)の励磁・閉弁状態を維持することを特徴とす
    る車両のトラクション制御方法。
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