JP2627040B2 - インフレーションフィルムの成形方法及びその装置 - Google Patents

インフレーションフィルムの成形方法及びその装置

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JP2627040B2
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    • B29C48/9115Cooling of hollow articles
    • B29C48/912Cooling of hollow articles of tubular films
    • B29C48/913Cooling of hollow articles of tubular films externally

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融張力が小さいため、
インフレーションフィルム成形方法においてバブル形状
をいわゆるロングネックタイプ(バブルの膨張する位置
がダイスより相当離れた形のタイプのバブル形状を意味
する。)とすることが困難とされていた線状低密度ポリ
エチレン(以下LLDPEという。)、低密度ポリエチ
レン(以下、LDPEという。)または高密度ポリエチ
レン(以下HDPEという。)、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−アクリレート系モノマー共重合体
等のエチレン系共重合体、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリエステル等の合成樹脂であっても、高速成形が
可能であり、強度大なるフィルムが得られるロングネッ
クタイプ−インフレーションフィルム成形方法により、
透明性(ヘーズ、光沢、クラリティー)、強度に優れた
熱可塑性樹脂フィルムを高生産性で製造するためのフィ
ルム成形方法及び成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】空冷法によるインフレーションフィルム
の生産方法は数多く提案があり、それらの提案でフィル
ムを成形するための樹脂のバブルの形状は大きく分けて
4つ乃至5つのタイプに分けられる(図1〜図2,図4
〜図5)。
【0003】この溶融樹脂バブルの形状を決定する要因
は冷却能力、フィルムの引き取り速度、溶融樹脂温度等
を挙げることができ、超高分子量高密度ポリエチレン
(以下、HMWHDPEという。)など線状ポリエチレ
ンであって溶融張力の高いポリエチレンでは、図1また
は図2に示されるいわゆるロングネックタイプのバブル
によるフィルム成形が多く採用され、高強度のバランス
フィルムとしてショッピングバッグ等の分野に大量に供
給されている。
【0004】しかし、この方法では溶融バブルが徐冷さ
れるため、透明なフィルムを得ることはできない。
【0005】一方現在市販されているLLDPEは、溶
融張力が極めて小さく、流動特性がHMWHDPEとは
著しく異なり、バブルの安定性が悪く、バブルをロング
ネックタイプのごとき形状とすることは困難であり、通
常は図4のタイプまたは図5のタイプのバブル形状(低
フロストラインタイプという。)により、またはT−ダ
イ法により成形されている。他の溶融張力の小さい熱可
塑性樹脂も同様である。
【0006】この低フロストラインタイプによるインフ
レーションフィルム製造では、溶融バブルが急冷され、
透明なフィルムが得られるが、この方法での最大の問題
は高速生産をするとバブルの安定性が悪く、バブルの揺
れによる厚みやフィルム幅のばらつきが発生し易いこ
と、及びフィルムを高速で生産するとき引き取り方向へ
の配向が強くなり縦方向(機械方向)の強度は増大する
のに対し、これと直角方向(横方向)の強度は著しく失
われ易く、このため強度のバランスを失い縦に裂け易く
なるので引き取り速度を上げることが困難であり、生産
性に限度があることである。
【0007】このように溶融張力の小さい合成樹脂をイ
ンフレーション法によりフィルム成形をするためには、
低速であっても安定した生産ができる低フロストライン
タイプのバブル形状とするか、あるいはT−ダイ法によ
る生産を採用するしかなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、溶融張力の
小さい熱可塑性樹脂の空冷インフレーション法によるフ
ィルムの製造に際し、低溶融張力の熱可塑性樹脂を使用
したときでも、ロングネックタイプによる成形で溶融樹
脂バブルの不安定性を解消し、バブルの安定化、透明性
(ヘーズならびにクラリティー)に優れたフィルムの高
生産性成形方法の確立を目標とした。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
のインフレーションフィルム成形方法において、溶融樹
脂バブルに対しダイス出口に近接して設けられた第1エ
アリングから冷却エアを吹きつけてこれを冷却し、次い
で該バブルは引き取られながらダイス面に設けられた安
定体の表面に空気層を介して非接触状態に支持され、更
に溶融樹脂バブルを急激に膨張させる位置に設けられ
た、複数の環状スリットを有する第2エアリングの入口
における該樹脂バブル温度を、第1エアリングと第2エ
アリングの中間に設けた溶融樹脂バブル表面を加熱する
手段を用い、該熱可塑性樹脂の融点と該融点より110
℃高い温度の範囲に調整して成形することを特徴とする
インフレーションフィルムの成形方法を開発することに
より上記の目的を達成した。
【0010】また、押出機、バブル安定体を設けたイン
フレーション用円形ダイス、溶融樹脂バブル冷却用第1
エアリング及び第2エアリング等からなる熱可塑性樹脂
のインフレーションフィルム成形装置において、安定体
に溶融樹脂バブルが接触しないように少量の空気を供給
する装置第2エアリングが複数の環状スリットを有
し、該環状スリットが溶融樹脂バブルの引き取り方向に
冷却エアを吹き出すエアリング及び第1エアリングと第
2エアリングの中間に溶融樹脂バブル表面を加熱する手
を有することを特徴とするインフレーションフィルム
成形装置を開発することにより上記インフレーションフ
ィルム成形の実施が容易にできることを確認した。
【0011】本発明の対象とする熱可塑性樹脂とは、L
LDPE、HDPE、LDPE等のポリエチレン;エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等エチレ
ンとラジカル重合性モノマーの共重合体;ポリプロピレ
ン、塩化ビニル、ポリアミド、ポリエステルまたはそれ
らの混合物等の溶融張力の小さい熱可塑性樹脂であって
も使用することができる。しかし、できるだけ溶融張力
の大きい高分子量のもののほうがバブル安定性に優れて
いる。
【0012】LLDPEであっても成形に際してバブル
安定性が良いため高速での引き取りが可能であり、本発
明方法により成形したフィルムは透明性、強度に優れ、
その透明性はキャスティングポリプロピレンフィルムに
匹敵するものが得られ、低温での使用可能な安価なフィ
ルムとして使用できる。
【0013】以下の説明は熱可塑性樹脂としてLLDP
Eを代表として図面を参照しながら説明する。
【0014】本発明に使用できるインフレーション成形
方法としては上向きブロー、下向きブローの何れでも良
い。
【0015】樹脂の押出温度は、樹脂の種類により若干
変わるが、通常融点より40℃高い温度と、融点より1
20℃高い温度の範囲内である。例えばLLDPEであ
れば170〜250℃の温度範囲で成形することが好ま
しい。
【0016】170℃より低温にするとメルトフラクチ
ャーが出易くなり、また250℃より高温にすると溶融
張力が小さくなり、バブルの安定性を損ね易くなる。
【0017】特にLLDPEまたはそれを含む樹脂組成
物は、メルトフラクチャーを起こし易い性質があるの
で、ダイス1のリップギャップを2.0〜10.0mm
(好ましくは2.5〜5.5mm)とHDPEにおける
場合より大きくすること、あるいは第1エアリング2と
第2エアリング5の中間(膨張点よりはダイス側)に溶
融樹脂バブル3の表面を加熱するバブルヒーター(図面
には示していない。)を設けるなどの手段を講ずれば表
面の肌荒れを回避することができる。リップギャップが
7.0mmより大きくなるに従い、フィルムの厚さの均
一性を失うのでメルトフラクチャーを小さくすることが
できるとしても10.0mmよりは大きくすべきでな
く、バブルヒーターで表面の肌荒れを回避することが好
ましい。
【0018】比較的低温で押し出された溶融樹脂バブル
3はダイス出口近辺において第1エアリング2からの冷
却エアで冷却される。
【0019】第1エアリング2の冷却エア吹出方向は、
通常のエアリングのごとく引き取り方向に対し斜めに吹
き出すものでも良いが、ほぼ水平方向にする方が好まし
い。
【0020】特に引き取り方向に対し、斜めに吹き出す
エアリングにおいては、図1に示すごとく、主吹出口2
1から主たる冷却エアの吹出による減圧雰囲気が溶融樹
脂バブル3に悪影響を与えぬように、その減圧雰囲気を
補償するだけの少量の副次的な冷却エアを供給する副吹
出口22を設けた第1エアリングを使用すれば良い。副
吹出口は主吹出口と同一供給源のエアでも良いし、また
独立に吹出量を調節可能としても良いが、影響を与えな
い範囲は比較的許容範囲が大きいようなので微細な調節
をしなくとも効果は充分に発揮される。
【0021】この第1エアリング2で冷却エアを吹きつ
ける部分に、ダイス1のスリット口径とほぼ同じか若干
太目の出口内部安定体Bを設けることも良い方法であ
る。この出口安定体Bは接触抵抗をできるだけ小さくす
るために板状、網状、スプリング等から構成しても良
い。これがあると、第1エアリング2の吹出圧力が強く
ともバブルは該出口安定体Bによってバブル形状が保持
され、この部分が安定化されるために有効である。
【0022】表面に空気層を有する内部安定体4に非接
触状態でバブルを支持するためには、内部安定体とバブ
ルの間を少量の空気を連続的に、通常はバブルの引き取
り方向と同方向に流すことにより達成できる。例えば、
内部安定体4基部に空気入口6を設け、内部安定体頂部
に空気出口7を設け、溶融樹脂バブル3の内圧を一定と
するように調整できるように空気を流すようにすればバ
ブルは内部安定体4に非接触状態で支持できる。この場
合内部安定体表面はできるだけ表面が平滑であって、空
気の流れの乱れが少ないように配慮されなければならな
い。
【0023】この内部安定体4の直径は特に制限はない
が、内部安定体4の径は出口安定体Bよりは細くするこ
と、ダイス口径に対し0.7〜1.0が好ましい。これ
は同じサイズのダイス1を使用して同一サイズのフィル
ムを製造したときでも実質膨張比(膨張後のバブル径/
急激に膨張する前のバブル径の比)を大きく取ることが
できるためである。
【0024】逆に言えば同じサイズのフィルムを、より
大口径のダイスを使用して同一実質膨張比のフィルムが
生産可能となるメリットがあることを示している。
【0025】この実質膨張比を大きくすると、横方向
(フィルム引き取り方向と直角方向)の強度を大とする
こと、インパクト強度を大とすることなどの効果があ
り、通常1.3〜6.0の範囲とすること、好ましくは
1.5〜4.5の範囲とすることがよい。
【0026】実質膨張比がこれより小さいとき得られた
フィルムは、縦裂きが起こり易く、またインパクト強度
が低くなる。一方、実質膨張比を6.0以上とすると、
横方向の配向が強過ぎてフィルムの輪切れが起こり易
く、生産中にバブルの切断などが惹起し易くなるので避
けるべきである。
【0027】本発明のインフレーションフィルム製造に
際して、溶融樹脂バブル3は内部安定体4に空気層を介
して支持されているため、ここでの接触抵抗が極めて小
さく、そのため溶融張力が小さい熱可塑性樹脂バブルで
あっても安定した高速引取が可能となった。
【0028】本発明における重要な要件の一つとして溶
融樹脂バブル温度がある。ダイスから押し出された溶融
樹脂バブルは第1エアリング2からの冷却エア等により
冷却され、第2エアリング5入口において使用樹脂の融
点及び該融点より110℃高い温度の範囲にあることが
必要であり、好ましくは融点+30℃〜融点+80℃、
より好ましくは融点+40℃〜融点+80℃の温度範囲
である。融点より低いときは溶融バブルが徐冷となり透
明性が低下するだけでなく膨張が不可能になるかあるい
は不完全になるかしてバラツキが大きくなり、目的とす
る厚さ及びサイズのフィルムを得ることができない。ま
たこの温度より高温であるときは溶融樹脂バブル3の膨
張が不均一になったり、バブルの安定性を損なったりす
るため均一性のあるフィルムの製造が困難となる。
【0029】例えば直鎖状低密度ポリエチレンにあって
は第2エアリング入口における樹脂温度は125〜22
0℃の範囲にあることが必要である。溶融樹脂バブルは
第2エアリング中で充分膨張するか、あるいは第2エア
リングを出てからすぐに充分膨張するかして所定の厚さ
及びサイズのフィルムとなるが、高透明性を必要とする
ときはフィルム厚さとして50μm以下、好ましくは4
0μm以下とすることが好ましい。フィルム厚さが厚く
なるに従い、徐冷となるためどうしても不透明化する。
この対策としてはバブルヒーターを用いることにより相
当程度のこの問題は解決できる。
【0030】2つ以上の冷却エア吹出のための同心の環
状スリットを有する吹出口を有する第2エアリング5の
複数の環状スリットの吹出口(52,53,54)は、
バブル径の外側方向に吹き出すものでも良いが、できれ
ば図3に示すごとくエアをバブルの引き取り方向とほぼ
平行に吹出すように形成することが好ましい。
【0031】エアリングの環状スリットからのバブルの
引き取り方向への冷却エアの吹出により作られる減圧雰
囲気が溶融樹脂バブルに影響を与え、この位置でバブル
の急激な膨張が開始する。
【0032】なお、図3においては第2エアリングの吹
出口(52,53,54)を3重の環状スリットを示し
たが、これは二重以上であればよい。各吹出口52,5
3,54のエア出口の上端壁面は減圧度を高めるため斜
めにするなどの手段をとってもよい。また外部空気の流
れや減圧雰囲気を外界から遮断する意味も兼ねてエアリ
ングの先端にカバー55を付けても良い。
【0033】従って得られるフィルムの性質に影響を与
えるフロストライン8の位置は、第2エアリング5の位
置の移動により自由に変更することができる。第2エア
リング5の位置は通常ダイス面より50mm以上離すこ
とが必要で、好ましくは100mm以上、更に好適には
200mm以上離すことがよい。あまり接近しすぎると
冷却効果が少なくなり、高速生産が困難になる。
【0034】溶融樹脂バブル3は急激に膨張すると樹脂
フィルムは薄くなるため急冷され、固化した後は通常の
インフレーションと同じくニップロールで空気を絞ら
れ、巻き取り機に引き取られフィルムとなる。
【0035】
【作用】本発明は通常のバランスフィルム用HMWHD
PEなどのように高溶融張力の熱可塑性樹脂はもちろ
ん、溶融張力が小さく、従来のインフレーション装置で
はロングネックタイプのインフレーション成形が困難と
されていた熱可塑性樹脂に対しても有効な製造方法であ
る。
【0036】本発明方法によって得られた樹脂が高透明
性である理由は次のように考えている。
【0037】一般にダイスから押し出された溶融樹脂バ
ブルはスウェル効果により出口において膨れ、溶融樹脂
バブルの外径はダイス口径より数%〜10数%大きくな
ることはよく知られている。
【0038】この膨れるとき、該バブル表面は凹凸の大
きい状態を示している。これを図4または図5に示す低
フロストラインタイプのバブル形状でフィルム成形を行
うときはその状態から急激に膨張されるため、フィルム
表面はスウェル効果の影響を強く受けたものとなる。
【0039】しかし、ロングネックタイプとするときは
溶融樹脂バブルは膨張点までゆっくりと移動し、スウェ
ルによって生成した表面の凹凸が大幅に緩和され、この
緩和されたバブルが急激に膨張するため、スウェルの影
響は大幅に減少させることができ、表面のより平滑なフ
ィルムが得られる一因となっていると推定している。
【0040】例えばフィルムの透明性の一つのインデッ
クスとしてヘーズがあるが、フィルムのヘーズの大部分
は外部ヘーズ(フィルム表面の凹凸などに起因する光の
不透過による不透明性)にあることが知られている。
【0041】本発明におけるフィルムの高透明性は、そ
の一部がスウェル効果を緩和するロングネックタイプと
したことにより得られたものと考えられる。
【0042】またネックポイント(急激に膨張する直前
のポイント)を結晶化温度まで低下させると結晶が生長
してヘーズを悪化させるが、本発明においては第2エア
リング入口の温度を規制することによりこの問題も回避
しており、これも高透明フィルムを得る一因と考えられ
る。
【0043】本発明の成形方法において第1エアリング
2による冷却により、第2エアリング5の入口における
溶融樹脂バブル温度を規制したこと、第2エアリング5
の複数の環状スリット52,53,54からの冷却エア
吹出に伴う減圧雰囲気により溶融樹脂バブルを急激に膨
張させる方法を取り入れたことにより溶融張力の高い樹
脂はもちろん、低溶融張力の場合であっても問題なく、
インフレーション成形できたものと推定している。
【0044】特に安定体により非接触状態に支持させる
ことにより溶融樹脂バブルが安定化され、エアリングを
2段使用したことによる冷却力の向上もあって高速引き
取りが可能となり、また急激な膨張による溶融樹脂の急
冷などの相乗効果のためヘーズ、像鮮明度(クラリティ
ー)などの透明性が著しく改善されたものと思われる。
【0045】
【実施例】(参考例1) 密度0.923g/cm3 、JIS K−7210の表
1、条件4による溶融流れ(以下、MFRという。)
1.0g/10分、融点123℃の直鎖状ポリエチレン
をリップギャップ3mm、口径100mmφのダイスを
備えた下向きインフレーションフィルム成形装置を用
い、樹脂温度200℃で押し出した。
【0046】安定体は表面をテフロンで被覆した直径1
00mmφの円柱を用い、安定体の基部から少量の空気
を供給しながら溶融樹脂バブルを非接触状態で支持しな
がら折幅314mm、厚さ30μmのフィルムを引き取
り速度50m/minの速度で成形した。溶融樹脂バブ
ルは第1エアリングからの冷却エア等により冷却され、
2重の環状スリットからなる第2エアリング入口では1
62℃であった。フロストラインはダイス面から620
mmである。得られたフィルムの評価は表1に示す。
【0047】なお、第2エアリング入口の温度測定はチ
ノー株式会社製型式IR−AP温度計を用い、距離15
0cm、測定面積;直径45mmφで、エアリングに最
も近い部分を測定した。ヘーズ、グロス、クラリティー
はJIS K−7105に規定された方法により測定し
た。
【0048】(参考例2〜5) 密度0.923g/cm3 、MFR 1.0g/10分
のLLDPE80重量%、密度0.925g/cm3
MFR 0.8g/10分のLDPE20重量%からな
る樹脂組成物(融点120℃)用い、実施例1と同一の
装置を用い、条件を変更してフィルムの成形を行った。
得られたフィルムの評価を表1に示す。
【0049】(参考例6) 密度0.953g/cm3 、MFR 0.5g/10分
のHDPE60重量%、密度0.925g/cm3 、M
FR 0.8g/10分のLDPE40重量%からなる
樹脂組成物(融点126℃)を用い、実施例1と同一の
装置を用い、樹脂温度200℃において表1に示す条件
でフィルムの成形を行った。得られたフィルムの評価を
表1に示す。
【0050】(実施例1参考例4 のフィルム成形において、第1エアリングと第
2エアリングの中間に3.0kwの赤外線ヒーター(バ
ブルヒーター)を設けて透明性の改善を図った。得られ
たフィルムの評価を表1に示す。透明性(ヘーズ、グロ
ス、クラリティー)は大幅に改善されたことを示す。
【0051】(比較例1)実施例2と同一の樹脂及び装
置を用い、表1に示す条件でフィルムの成形を行った。
得られたフィルムの透明性(ヘーズ、グロス、クラリテ
ィー)は著しく低下した。
【0052】(比較例2〜4)溶融樹脂バブルがダイス
出口からただちに膨張する低フロストラインタイプ(図
4または図5に示すようなバブル形状)のインフレーシ
ョンフィルム成形を実施例2と同一の樹脂で行った。得
られたフィルムの評価を表1に示す。
【0053】比較例2〜3においては透明性の低下はわ
ずかであったが、比較例3のようにフロストラインを実
施例とほぼ同一とした場合においてもフィルムの機械的
性質は著しく低下した。また引き取り速度を実施例1〜
2、4〜7と同じく50m/minとしたところ、バブ
ルが不安定となり切断が頻発して成形不可能であった。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明は、熱可塑性樹脂のインフレーシ
ョン法によるフィルム成形に際し、溶融樹脂バブルはダ
イス出口に近接して設けられた第1エアリングによりこ
れを冷却し、次いで空気層を介して安定体の表面に非接
触状態に支持し、急激に膨張させる位置に設けられた複
数の環状スリットを有する第2エアリングの入口の温度
が該熱可塑性樹脂の融点と融点より100℃高い温度の
範囲になるように第1エアリングと第2エアリングの中
間に設けた溶融樹脂バブル表面を加熱する手段を用いて
調整し、ロングネックタイプでフィルムを成形するとき
は、例えばLLDのごとき溶融張力の小さい熱可塑性樹
脂であっても溶融樹脂バブルは安定し、透明性(ヘーズ
並びにクラリティー)に優れたフィルムを高速で生産で
きることを見いだした。
【0056】またこのために使用するための成形装置は
上記のインフレーションフィルム成形法に好適に使用で
きる。
【0057】更にメルトフラクチャーの発生し易い熱可
塑性合成樹脂であっても第1エアリングと第2エアリン
グの中間にバブルヒーターを設けて生産することにより
ヘーズ、クラリティーを大幅に改善できることも見いだ
した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインフレーションフィルム成形法
の一例を示す概念図である。
【図2】本発明に係るインフレーションフィルム成形法
の他の一例(安定体径がダイス口径より大である例)を
示す概念図である。
【図3】第2エアリングの一例を示す断面図である。
【図4】従来法の低フロストラインタイプによるインフ
レーションフィルム成形法の一例の概念図である。
【図5】従来法の低フロストラインによるインフレーシ
ョンフィルム成形法の他の一例の概念図である。
【符号の説明】
1 ダイス 2 第1エアリング 21 主吹出口 22 副吹出口 3 溶融樹脂バブル 4 安定体 5 第2エアリング 51 エア通路 52 吹出口 53 吹出口 54 吹出口 55 カバー 6 空気入口 7 空気出口 8 フロストライン B 出口安定体
フロントページの続き (72)発明者 小野田 武士 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内 (72)発明者 小林 智明 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−51124(JP,A) 特開 昭61−108531(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂のインフレーションフィル
    ム成形方法において、溶融樹脂バブルに対しダイス出口
    に近接して設けられた第1エアリングから冷却エアを吹
    きつけてこれを冷却し、次いで該バブルは引き取られな
    がらダイス面に設けられた安定体の表面に空気層を介し
    て非接触状態に支持され、更に溶融樹脂バブルを急激に
    膨張させる位置に設けられた、複数の環状スリットを有
    する第2エアリングの入口における該樹脂バブル温度
    を、第1エアリングと第2エアリングの中間に設けた溶
    融樹脂バブル表面を加熱する手段を用い、該熱可塑性樹
    脂の融点と該融点より110℃高い温度の範囲に調整し
    て成形することを特徴とするインフレーションフィルム
    の成形方法。
  2. 【請求項2】 低溶融張力の熱可塑性樹脂を、押出樹脂
    温度が該熱可塑性樹脂の融点より40℃高い温度及び該
    融点より120℃高い温度の範囲に調整して成形する請
    求項1記載のインフレーションフィルムの成形方法。
  3. 【請求項3】 溶融樹脂バブルの接触する安定体の径/
    ダイス口径の比が0.7〜1.0、実質の膨張比が1.
    3〜6.0、ダイス面からフロストラインまでの距離が
    400〜2000mmである請求項1または2記載のイ
    ンフレーションフィルムの成形方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が直鎖状低密度ポリエチレ
    ンであって、リップギャップ2.5〜5.5mm、押出
    樹脂温度が170〜250℃、第2エアリングの入口に
    おける樹脂温度が125〜220℃であり、製造される
    フィルムの厚さが10〜80μmである請求項1記載の
    インフレーションフィルムの成形方法。
  5. 【請求項5】 押出機、バブル安定体を設けたインフレ
    ーション用円形ダイス、溶融樹脂バブル冷却用第1エア
    リング及び第2エアリング等からなる熱可塑性樹脂のイ
    ンフレーションフィルム成形装置において、安定体に溶
    融樹脂バブルが接触しないように少量の空気を供給する
    装置第2エアリングが複数の環状スリットを有し、該
    環状スリットが溶融樹脂バブルの引き取り方向に冷却エ
    アを吹き出すエアリング及び第1エアリングと第2エア
    リングの中間に溶融樹脂バブル表面を加熱する手段を有
    することを特徴とするインフレーションフィルム成形装
    置。
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