JP2624363B2 - 架橋樹脂からなる成形物の製造方法 - Google Patents

架橋樹脂からなる成形物の製造方法

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JP2624363B2
JP2624363B2 JP2266340A JP26634090A JP2624363B2 JP 2624363 B2 JP2624363 B2 JP 2624363B2 JP 2266340 A JP2266340 A JP 2266340A JP 26634090 A JP26634090 A JP 26634090A JP 2624363 B2 JP2624363 B2 JP 2624363B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は架橋樹脂からなる成形物の製造方法に関する
ものであり、さらに詳しくは、耐熱性,耐薬品性,機械
的特性に優れた架橋樹脂からなる成形物を速架橋性でか
つ優れた成形性で製造する方法に関するものである。
<従来技術> 近年、技術の進歩に伴ない、耐熱性,機械的性質に優
れ、かつ成形性の優れた樹脂が要求されている。これら
の樹脂の中でも特に反応性モノマーあるいはオリゴマー
を用いた反応性成形樹脂、すなわち、比較的低粘度の原
料を用いて成形と重合とを同時に行う樹脂が注目されて
いる。かかる樹脂としてはポリウレタン樹脂,ポリウレ
ア樹脂,ナイロン樹脂,エポキシ樹脂,不飽和ポリエス
テル樹脂等が知られており、一部は商品化されている。
しかしながら、これらの樹脂には夫々一長一短があ
り、例えば、ポリウレタン樹脂では耐熱性が低く、不飽
和ポリエステル樹脂では反応、すなわち成形に時間がか
かる等の欠点がある、必ずしも十分な性能および成形性
を有しているとはいえない。
本発明者らはこれら問題点を改善したものとして熱可
塑性樹脂とオキサゾリン誘導体とからなる組成物を触媒
の存在下に加熱反応させてなる樹脂を提案した(特開昭
63−248852号、特開平1−236239号)。しかしながら、
熱可塑性樹脂として例えば、ポリカーボネートあるいは
ポリエステル等を用いた場合には、成形時にこれらポリ
マーの重合度の低下が起こる傾向があり熱可塑性ポリマ
ーの靱性が十分生かされているとはいい難く、また熱可
塑性ポリマーとして例えば、ポリスルホン等を用いた場
合には、加熱反応時にポリスルホンとオキサゾリン誘導
体とが相分離しやすく、そのため得られる樹脂の特性が
未だ不十分であるという問題があった。
<発明の目的> 本発明者らは、これら問題点を改善した新規な樹脂を
開発すべく鋭意研究した結果、いわゆるフェノキシ樹脂
が成形時に重合度低下を起こすことなく、さらにオキサ
ゾリンと反応性を有するヒドロキシル基を有するため加
熱反応時相分離を起さないことに着目し、このフェノキ
シ樹脂とポリオキサゾリン誘導体および/またはポリオ
キサジン誘導体とを配合してなる組成物を特定の触媒の
存在下で加熱し反応させることにより、強靱で、かつ耐
熱性,耐薬品性等にも優れた架橋樹脂が迅速かつ容易に
形成されることを見出し、本発明に到達した。
従って、本発明の目的は上述の特性の備えた架橋樹脂
からなる成形物の製造方法を提供することにある。
<発明の構成> 本発明の製造方法は、下記式(I) で示される繰り返し単位を有するフェノキシ樹脂と、該
フェノキシ樹脂に対して少なくとも0.5重量%の下記式
(II) で示されるオキサゾリン誘導体および/または下記式
(III) で示されるオキサジン誘導体 とが緊密に混合してなる組成物を酸性触媒として作用す
る化合物の存在下及び溶媒の非存在下で加熱反応させ、
溶融成形せしめることを特徴とする架橋樹脂からなる成
形物の製造方法である。
以下本発明について詳述する。
本発明において用いるフェノキシ樹脂は上記式(I)
で示される繰り返し単位を有するものである。式(I)
においては、Xはハロゲン原子または炭素数1〜3の炭
化水素基を示す。具体的にはハロゲン原子として塩素,
臭素を、炭素数1〜3の炭化水素基としてメチル,エチ
ル等を挙げることができる。またnは0,1または2を表
わす。このフェノキシ樹脂は従来公知の製造法、すなわ
ち対応するビスフェノールとエピクロルヒドリンとをア
ルカリ性化合物の存在下に反応させることにより得られ
る。本発明において用いるフェノキシ樹脂は市販されて
いる各種グレードのものを適宜使用することができる。
本発明において用いるオキサゾリン誘導体は下記式
(II) で示される化合物である。上記式中、mは2〜4の整数
を示すが、これらのうち2が好ましい。
Rはm価の脂肪族,脂環族および芳香族の炭化水素基
を示し、m=2の場合、Rは直接結合であってもよい。
Rとしては、具体的には、m=2の場合、エチレン,ト
リメチレン,プロピレン,テトラメチレン,ヘキサメチ
レン,ネオペンチレン,p−フェニレン,m−フェニレン,
シクロヘキシレン等を例示でき、m=3の場合 等を、m=4の場合 等を例示できる。このうち、Rは炭素数10以下の脂肪
族,炭素数10以下の脂環族,炭素数12以下の芳香族の炭
化水素基が好ましい。
Ra,Rb,RcおよびRdは夫々水素原子、炭素数3以下の脂
肪族または炭素数7以下の芳香族の炭化水素基を示し、
これらは同じでも夫々異なってもよい。炭素数3以下の
脂肪族炭化水素基としては、具体的にはメチル基,エチ
ル基等を例示でき、炭素数7以下の芳香族炭化水素基と
しては、フェニル基,トリル基等を例示できる。Ra,Rb,
RcおよびRdはそのすべてが水素原子、あるいはそのうち
任意の1つがメチル基で残りが水素原子であることが好
ましく、すべてが水素原子であることが特に好ましい。
本発明でいうオキサゾリン誘導体の具体例としては、
2,2′−ビス(2−オキサゾリン),2,2′−エチレンビ
ス(2−オキサゾリン),2,2′−テトラメチレビス(2
−オキサゾリン),2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オ
キサゾリン),2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサ
ゾリン),2,2′−1,4−シクロヘキシレンビス(2−オ
キサゾリン),2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾ
リン),2,2′−ビス(5−メチル−2−オキサゾリ
ン),2,2′−m−フェニレビス(2−オキサゾリン),
2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン),2,
2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾ
リン),2,2′−m−フェニレンビス(2−メチル−2−
オキサゾリン),2,2′−p−フェニレンビス(4−メチ
ル−2−オキサゾリン),2,2′−p−フェニレンビス
(5−メチル−2−オキサゾリン),1,3,5−トリス(2
−オキサゾリニル−2)ベンゼン等を例示することがで
きる。これらのうち2,2′−ビス(2−オキサゾリン),
2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン),2,
2′−m−フェンレンビス(2−オキサゾリン),2,2′
−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)が好まし
い。
また本発明でいうオキサジン誘導体は、下記式 で示される化合物である。式中m,R,Ra,Rb,Rc,Rdは前記
式(II)におけるものと同義であり、またRe,Rf,は前記
Ra,Rb,Rc,Rdと同義である。
かかるオキサジン誘導体の具体例としては、2,2′−
ビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−
エチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン),2,2′−テトラメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H
−1,3−オキサジン),2,2′−ヘキサメチレンビス(5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−オクタメ
チレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),
2,2′−1,4−シクロヘキシレンビス(5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン),2,2′−ビス(4−メチル−5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−ビス(5
−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,
2′−ビス(6−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オ
キサジン),2,2′−m−フェニレンビス(5,6−ジヒド
ロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−p−フェニレンビ
ス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−m
−フェニレンビス(4−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−
1,3−オキサジン),2,2′−m−フェニレンビス(5−
メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′
−m−フェニレンビス(6−メチル−5,6−ジヒドロ−4
H−1,3−オキサジン),2,2′−p−フェニレンビス(4
−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,
2′−p−フェニレンビス(5−メチル−5,6−ジヒドロ
−4H−1,3−オキサジン),2,2′−p−フェニレンビス
(6−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)
等を例示することができる。これらのうち2,2′−ビス
(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン),2,2′−テト
ラメチレンビス(5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン),2,2′−m−フェニレンビス(5,6−ジヒドロ−4H
−1,3−オキサジン),2,2′−p−フェニレンビス(5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン)が好ましい。
本発明においては前記オキサゾリン誘導体および/ま
たはオキサジン誘導体の一部を下記式(IV) で示されるモノオキサゾリン化合物または下記式(V) で示されるモノオキサジン誘導体に置き換えて使用する
こともでき、反応制御,架橋度の調整等に有効である。
かかるモノオキサゾリン化合物としては、具体的に
は、2−メチル−2−オキサゾリン,2−エチル−2−オ
キサゾリン,2−プロペニル−2−オキサゾリン,2−フェ
ニル−2−オキサゾリン,2−トリル−2−オキサゾリ
ン,2,5−ジメチル−2−オキサゾリン,2,4−ジメチル−
2−オキサゾリン,2−フェニル−4−メチル−2−オキ
サゾリン,2−フェニル−5−メチル−2−オキサゾリン
等を例示することができる。これらのうち、2−フェニ
ル−2−オキサゾリン,2−トリル−2−オキサゾリン等
が好ましい。
また、モノオキサジン誘導体の具体例としては2−メ
チル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2−エチル
−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2−プロペニル
−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2−フェニル−
5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2−トリル−5,6
−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2−フェニル−4−
メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2−フェ
ニル−5−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジ
ン,2−フェニル−6−メチル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3
−オキサジン等を例示することができる。これらのうち
2−フェニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジン,2
−トリル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキサジンが好ま
しい。モノオキサゾリンおよび/またはモノオキサジン
誘導体の使用割合は、式(II)または(III)で示され
るポリオキサゾリン誘導体および/またはポリオキサジ
ン誘導体に対し、好ましくは30モル%以下、より好まし
くは25モル%以下、特に好ましくは20モル%以下であ
る。
本発明では上述のフェノキシ樹脂と、該フェノキシ樹
脂に対して、少なくとも0.5重量%のオキサゾリン誘導
体および/またはオキサジン誘導体とを緊密に混合した
組成物をオキサゾリン開環重合触媒の存在下及び溶媒の
非存在下に加熱反応させる。ここでフェノキシ樹脂とオ
キサゾリン誘導体および/またはオキサジン誘導体とを
緊密に混合する方法としては溶融混合する方法等を挙げ
ることができる。フェノキシ樹脂とオキサゾリン誘導体
および/またはオキサジン誘導体とは相溶性が良好であ
り、これらの方法により容易に緊密に混合された組成物
を得ることができる。ここで緊密に混合されたとはオキ
サゾリン誘導体および/またはオキサジン誘導体がフェ
ノキシ樹脂中に分子状に分散した状態をさし、これは得
られた組成物を例えば熱分析した際、単一の転移点を示
すかどうかをみるなどの方法により確認することができ
る。このようにして緊密に混合された組成物はオキサゾ
リン誘導体および/またはオキサジン誘導体の可塑化作
用により、フェノキシ樹脂単独の場合に比べてその流動
開始温度および粘度が減少し、容易に形成することがで
きる。フェノキシ樹脂とオキサゾリン誘導体および/ま
たはオキサジン誘導体の使用割合は、フェノキシ樹脂に
対して、少なくとも0.5重量%、好ましくは1重量%以
上、より好ましくは3重量%以上、特に好ましくは5重
量%以上である。上限は特に限定されないが、好ましく
は100重量%以下、より好ましくは70重量%以下であ
る。上記の範囲外の割合で使用した場合、本発明の目的
とする耐熱性と靱性とを兼備した成形物を得ることは困
難となる。
本発明における架橋樹脂は上述の組成物を酸性触媒と
して作用する化合物の存在下で加熱反応せしめることに
より得られる。ここで用いる酸性触媒として作用する化
合物としては下記化合物群を例示できる。
(i) pKaが2.5以下のプロトン酸, (ii) pKaが1.0以下のプロトン酸のエステル, (iii) pKaが2.5以下のプロトン酸の塩, (iv) ルイス酸およびその錯体, (v) アルキルハライド, (vi) ヨウ素, (vii) 下記式(VI) で表わされるハロゲンフェノール類、 (vii) 下記式(VII) で表わされるハロゲノフタル酸類および/または下記式
(VIII) で表わされるハロゲノフタル酸無水物。
pKaが2.5以下のプロトン酸(i)としては、有機スル
ホン酸,ホスホン酸又は無機酸が好ましく、例えばメタ
ンスルホン酸,エタンスルホン酸,ベンゼンスルホン
酸,p−トルエンスルホン酸の如き有機スルホン酸の如き
ホスホン酸;硫酸,リン酸,亜リン酸,ホスフィン酸,
過塩素酸の如き無機酸を挙げることができる。
pKaが1.0以下のプロトン酸のエステル(ii)として
は、有機スルホン酸のエステルおよび無機プロトン酸の
エステルが好ましい。該エステルを形成するアルコール
成分としては炭素数1〜10の脂肪族アルコールが好まし
く用いられる。該エステルとしては、例えばベンゼンス
ルホン酸メチル,ベンゼンスルホン酸エチル,p−トルエ
ンスルホン酸メチル,p−トルエンスルホン酸エチル,ト
リフロロメタンスルホン酸エチルの如きスルホン酸エス
テル類;硫酸ジメチルの如き無機プロトン酸のエステル
を挙げることができる。
pKaが2.5以下のプロトン酸の塩(iii)としては、上
記したプロトン酸(i)の塩,ヘキサメチレンジアミ
ン,ピペラジン,m−キシリレンジアミン,4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン,ピリジン,2,2′−m−フェニレン
ビス(2−オキサゾリン)等の有機アミン化合物の塩,
トリフロロメタンスルホン酸等が好ましく用いられる。
ルイス酸およびその錯体(iv)としては、例えば四塩
化チタン,四塩化スズ,塩化亜鉛,塩化アルミニウム,
三弗化ホウ素の如きルイス酸;あるいはこれらのルイス
酸とエーテルもしくはフェノールとの錯体、例えば三弗
化ホウ素エーテル錯体等を好ましいものとして挙げるこ
とができる。
アルキルハライド(v)としては、ヨウ化アルキルま
たは臭化アルキルが特に好ましい。また、そのアルキル
基の炭素数は1〜10が好ましく、該アルキル基はフェニ
ルで置換されていてもよい。アルキルハライド(v)と
しては、例えばヨウ化メチル,ヨウ化エチル,ヨウ化プ
ロピル,ヨウ化ブチル,ヨウ化ベンジル,臭化ベンジル
を好ましいものとして例示することができる。
ヨウ素(vi)はヨウ素単体である。
上記式(VI)で表わされるハロゲノフェノール類(vi
i)も好適な触媒の一つである。
上記式(VI)において、X1およびX2は、同一もしくは
異なり、ハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、
例えば塩素原子および臭素原子が特に好ましい。pは0,
1または2の数である。pは1であるのが好ましい。ま
た、その場合(p=1)、式(VI)中の水酸基に対して
X2はオルト位に結合しているのが特に好ましい。
Yは−SO2R1,−COR2,−CNまたは−NO2である。
上記式(VI)は、これらのYの定義に応じて、それぞ
れ下記式で表わすことができる。
上記式(VI1において、R1の炭素数1〜20のアルキ
ルは直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。炭素数
1〜10のアルキルが好ましい。かかるアルキルとして
は、例えば、メチル,エチル,n−プロピル,iso−プロピ
ル,n−ブチル,iso−ブチル、sec−ブチル,tert−ブチ
ル,n−ペンチル,n−ヘキシル,n−ヘプチル,n−オクチ
ル,n−ノニル,n−デシル,n−ドデシル等を挙げることが
できる。これらのアルキル基は、例えばハロゲン,ヒド
ロキシル基,カルボキシル基,ニトロ基,シアノ基,ア
ミノ基,アルコキシ基,アルコキシカルボニル基,アシ
ル基,アシルオキシ基等の置換基で置換されていてもよ
い。
R1の炭素数6〜12のアリールとしては、例えばフェニ
ル,トリル,ナフチル等を挙げることができる。これら
のアリール基は、アルキル基の置換基として例示した上
記置換基と同じ置換基で置換されていてもよい。
R1が表わす基−NR3R4のR3またはR4の置換されていて
もよい炭素数1〜12のアルキルおよび炭素数6〜12のア
リールとしては、R1について例示した上記基と同じもの
を例示できる。また、R3またはR4の炭素数5〜10のシク
ロアルキルとしては、例えばシクロペンチル,シクロヘ
キシル, 等を挙げることができる。
上記式(VI1の化合物としては、例えばビス(3,5
−ジクロル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン,ビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)スルホン,
3,5−ジクロル−4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ア
ミド,3,5−ジブロム−4−ヒドロキシベンゼンスルホン
酸アミド,3,5−ジブロム−4−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸N−メチルアミド等を挙げることができる。
上記式(VI2において、R2の置換されていてもよい
炭素数1〜20のアルキル、炭素数5〜10のシクロアルキ
ル、炭素数6〜12のアリールとしては、式(VI1につ
いて例示した上記基と同じ基を例示することができる。
また、基−NR6R7としても、基−NR3R4について例示した
上記基と同じ基を例示することができる。
R2の基−OR5のR5としても、基R3,R4について例示した
上記基と同じ基を例示することができる。
上記式(VI2の化合物としては、例えばビス(3,5
−ジクロル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン,ビス
(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)ケトン,3,
5−ジクロル−4−ヒドロキシ安息香酸メチル,3,5−ジ
ブロム−4−ヒドロキシ安息香酸メチル,3,5−ジブロム
−4−ヒドロキシ安息香酸メチル,3,5−ジブロム−4−
ヒドロキシ安息香酸アミド,3,5−ジブロム−4−ヒドロ
キシ安息香酸N−エチルアミド,3,5−ジブロム−4−ヒ
ドロキシ安息香酸等を挙げることができる。
上記式(VI3の化合物としては、例えば3,5−ジク
ロル−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリル,3,5−ジブロム
−4−ヒドロキシ−ベンゾニトリル等を挙げることがで
きる。
上記式(VI4の化合物としては、例えば3,5−ジク
ロル−4−ヒドロキシニトロベンゼン,3,5−ジブロム−
4−ヒドロキシニトロベンゼン等を挙げることができ
る。
上記式(VI)で表わされるハロゲノフェノール類のう
ち、4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル骨格また
は4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル骨格を有す
るものが好ましく、とりわけ、上記式(VI1で表わさ
れる化合物、就中(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホンが特に好ましい。
上記式(VII)で表わされるハロゲノフタル酸類およ
び/または上記式(VIII)で表わされるハロゲノフタル
酸無水物(vii)も好適な触媒の一つである。
式(VII)において、X3およびX4は、X1について定義
したと同じハロゲン原子例えば塩素または臭素である。
qは0,1,2または3の数である。これらのうち、qは1,2
または3が好ましく、就中2または3が特に好ましい。
式(VII)中、R8は上記式(VI)のR2の定義と同じ定義
であり、それ故R8としてはR2について例示した基と同じ
基を例示できる。
また、式(VIII)において、X3,X4およびlの定義は
上記式(VII)における定義と同じである。
式(VII)および式(VIII)で表わされる化合物とし
ては、例えば下記化合物を例示することができる。
(i) ジカルボン酸およびその無水物;例えば3,4,5,
6−テトラブロム(またはテトラクロル)フタル酸,3,4,
5,6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸
無水物,3,4,5−トリブロム(またはトリクロル)−フタ
ル酸,3,4,5−トリブロム(またはトリクロル)−フタル
酸無水物,3,4,6−トリブロム(またはトリクロル)−フ
タル酸,3,4,6−トリブロム(またはトリクロル)−フタ
ル酸無水物等。
(ii) ジカルボン酸モノエステル;例えば3,4,5,6−
テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノメ
チルエステル,3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラク
ロル)−フタル酸モノエチルエステル,3,4,5,6−テトラ
ブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノプロピル
エステル,3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラクロ
ル)−フタル酸モノイソプロピルエステル,3,4,5,6−テ
トラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノベン
ジルエステル,3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラク
ロル)−フタル酸モノフェニルエステル等。
(iii) ジカルボン酸モノアミド;例えば3,4,5,6−テ
トラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノアミ
ド,N−メチル−3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラ
クロル)−フタル酸モノアミド,N−エチル−3,4,5,6−
テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モノア
ミド,N−プロピル−3,4,5,6−テトラブロム(またはテ
トラクロル)−フタル酸モノアミド,N−デシル−3,4,5,
6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸モ
ノアミド,N−フェニル−3,4,5,6−テトラブロム(また
はテトラクロル)−フタル酸モノアミド等。
(iv) ケトカルボン酸;例えば2−カルボキシ−3,4,
5,6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フェニル
メチルケトン,2−カルボキシ−3,4,5,6−テトラブロム
(またはテトラクロル)−フェニルエチルケトン等。
これらのうち、上記ジカルボン酸およびその無水物が
好ましく、テトラクロロフタル酸類,テトラブロモフタ
ル酸類およびそれらの無水物がより好ましく、就中3,4,
5,6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フタル酸,
3,4,5,6−テトラブロム(またはテトラクロル)−フタ
ル酸無水物が特に好ましい。本発明方法において、上記
触媒は1種または2種以上併用することができる。
上記触媒の使用量はオキサゾリン誘導体および/また
はオキサジン誘導体に対し、通常0.01〜20モル%、好ま
しくは0.1〜10モル%程度の量である。
触媒の配合方法としては、特に制限はないがフェノキ
シ樹脂とオキサゾリン誘導体および/またはオキサジン
誘導体とからなる組成物に触媒を溶融ブレンドする方
法、溶融法で該組成物を調製する際に触媒も同時に添加
する方法などが挙げられる。溶融ブレンド法の場合には
繊維,フィルム,シートあるいは成形品などの形態の触
媒を含有した組成物を直接得ることができ好ましい。こ
の際の溶融成形は、フェノキシ樹脂に対するオキサゾリ
ン誘導体および/またはオキサジン誘導体の可塑化作用
により比較的低温で実施することができ、後述する熱架
橋反応を伴なうことなく行なうことができる。
本発明の架橋樹脂からなる成形物は上記組成物を加熱
反応させ、溶融成形することにより得られる。この際の
加熱反応温度としては好ましくは150℃以上、より好ま
しくは160℃以上、特に好ましくは180℃以上である。
反応時間は、目的とする樹脂が十分に硬化するに足る
時間であればよく、またこの時間は用いる原料の種類、
使用割合、反応温度等によっても異なるが、好ましくは
10秒〜60分、より好ましくは20秒〜45分、特に好ましく
は30秒〜30分程度である。反応は常圧〜加圧下で行うこ
とができる。
かくして得られた架橋重合体からなる成形物はオキサ
ゾリンおよび/またはオキサジンの架橋重合体、フェノ
キシ樹脂およびフェノキシ樹脂中のヒドロキシル基とオ
キサゾリンおよび/またはオキサジンとが一部反応した
構造が分子状に分散乃至からまり合った状態にあり、熱
可塑性樹脂であるフェノキシ樹脂の機械的特性を保持し
つつ、優れた耐熱性,耐薬品性が付与された成形物であ
る。
本発明における架橋樹脂は樹脂単独としてだけでな
く、例えば複合材料用のマトリックス樹脂として好まし
く用いることができる。該用途として使用する場合には
溶液法により繊維に含浸してもよいし、あるいは加熱硬
化前の組成物を繊維、あるいはシート状に溶融成形し、
これと補強繊維とをいわゆるF/Fコンポジット化した
り、積層したりなどする方法も好ましく実施できる。
<実施例> 以下、実施例を挙げて本発明を詳述するが、実施例は
説明のためであって、本発明はこれに限定されるもので
はない。
尚、実施例中「部」は「重量部」を意味する。実施例
1および比較例1 フェノキシ樹脂(東都化成社製、YP−50)60部および
m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)40部をV型ブ
レンダーを用いてドライブレンドし、25mmφ2軸エクス
トルーダーを用いて、樹脂温度180℃、平均滞留時間約
6分の条件で溶融押出ししたところ、淡黄色透明な均一
組成物が得られた。該組成物を冷却粉砕後、該組成物10
0部に対して1.8部のp−トルエンスルホン酸エチルをド
ライブレンドし、これをポリマー温度120℃、金型温度1
80℃の条件で射出成形し、該金型中で25分間保持して淡
褐色、透明な架橋した成形物を得た。
該成形物の物性および比較としてベース樹脂であるフ
ェノキシ樹脂をポリマー温度240℃、金型温度50℃の条
件で射出成形した試料の物性を表1に示す。
表1により明らかな如く本発明の架橋樹脂はフェノキ
シ樹脂が本来有する靱性を保持しつつ、耐熱性および耐
溶剤性が著しく改善されていることがわかる。
実施例2 実施例1で得たものと同じフェノキシ樹脂60部、m−
フェニレンビス(2−オキサゾリン)40部よりなる組成
物100部にベンゼンスルホン酸1.4部をドライブレンド
し、これをCustom Scientific Instruments Inc.社製SC
I−Max Mixing Extruderを用いて温度130℃、滞留時間
約2分で1mmφのノズルより溶融押出しして淡黄色透明
なモノフィラメントを得た。該モノフィラメントを60℃
で2.5倍延伸し強度1.1g/de,伸度12%の延伸糸を得た。
得られた繊維を目付100g/m2の平織織物とし、該織物11
プライと目付198g/m2の炭素繊維平織織物(トレカT−3
00)10プライとを交互積層し、これを190℃のホットプ
レスを用い5kg/cm2の圧力で30分間加熱硬化した。得ら
れた成形物は強靱であり、230℃の温度においても変形
することなく、また室温のアセトン,メタノール,クロ
ロホルム,ジオキサン,キシレン中に浸漬したが全く変
化なかった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I) で示される繰り返し単位を有するフェノキシ樹脂と、該
    フェノキシ樹脂に対して少なくとも0.5重量%の下記式
    (II) で示されるオキサゾリン誘導体および/または下記式
    (III) で示されるオキサジン誘導体 とが緊密に混合してなる組成物を酸性触媒として作用す
    る化合物の存在下及び溶媒の非存在下で加熱反応させ、
    溶融成形せしめることを特徴とする架橋樹脂からなる成
    形物の製造方法。
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