JP2623859B2 - 船外機用内燃機関点火装置 - Google Patents

船外機用内燃機関点火装置

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JP2623859B2
JP2623859B2 JP1242041A JP24204189A JP2623859B2 JP 2623859 B2 JP2623859 B2 JP 2623859B2 JP 1242041 A JP1242041 A JP 1242041A JP 24204189 A JP24204189 A JP 24204189A JP 2623859 B2 JP2623859 B2 JP 2623859B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は3つの気筒を有する船外機用2サイクル内燃
機関を点火する船外機用内燃機関点火装置に関するもの
である。
[従来の技術] マイクロコンピュータ等の演算器を用いて点火位置を
演算するようにした内燃機関点火装置においては、電磁
ピックアップコイルが発生する信号の発生位置を基準に
して各気筒の点火位置を演算して、演算された点火位置
が検出されたときに各気筒用の点火タイミング信号を発
生させるようにしている。機関の回転が安定している通
常運転時には、演算された点火位置の検出を正確に行な
うことができるため問題がないが、機関の回転速度が各
回転角度位置で細く変動する始動時においては、演算さ
れた点火位置を正確に検出することが困難である。その
ため、マイクロコンピュータを用いて点火位置を演算す
るようにした内燃機関においても、機関の始動時には、
演算器が発生する点火タイミング信号を用いることな
く、各気筒の始動時の点火位置で電磁ピックアップコイ
ルが発生する信号を点火タイミング信号として用いるよ
うにしている。また、船外機においては、制御装置に異
常が生じたときでも、極力機関の運転を継続させて帰港
を可能にする必要があるため、演算器に異常が生じて正
確に点火位置を定めることができなくなるエマージェン
シ時に、演算器を用いることなく、電磁ピックアップコ
イルが発生する信号を点火タイミング信号として用いて
各気筒の点火動作を行なわせることが行なわれている。
[発明が解決しようとする課題] 従来の船外機用内燃機関点火装置においては、始動時
及びエマージェンシ時の点火タイミング信号を得るため
に、各気筒毎に電磁ピックアップコイルを設けていた。
そのため、3気筒の内燃機関の場合には、3つの電磁ピ
ックアップコイルを機関に装着する必要があって、その
装着が面倒になるだけでなく、コストが高くなるという
問題があった。
本発明の目的は、1つの電磁ピックアップコイルで3
気筒2サイクル内燃機関の始動時及びエマージェンシ時
の点火位置を定めるようにしてピックアップコイルの機
関への装着を容易にするとともにコストの低減を図るこ
とができるようにした船外機用内燃機関点火装置を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、3気筒2サイクル内燃機関の第1ないし第
3の気筒にそれぞれ取り付けられた点火プラグに二次コ
イルの誘起電圧が印加される第1ないし第3の点火コイ
ルと、前記内燃機関の回転に同期して交流電圧を出力す
るチャージコイルの出力電圧により充電されるコンデン
サと、点火タイミング信号が与えられたときに導通して
前記コンデンサの電荷を前記第1ないし第3の点火コイ
ルの一次コイルを通してそれぞれ放電させるように設け
られた第1ないし第3のサイリスタと、前記第1ないし
第3の気筒の点火位置でそれぞれ前記第1ないし第3の
サイリスタに点火タイミング信号を与える点火タイミン
グ信号供給回路とを備えた船外機用内燃機関点火装置に
係わるものである。
本発明に係わる点火装置においては、内燃機関の第1
の気筒及び第2の気筒の始動時及びエマージェンシ時の
点火位置でそれぞれ一方の極性及び他方の極性を有する
第1及び第2の信号を発生し、第2の信号の発生位置か
ら60度遅れた位置で一方の極性の信号と他方の極性の信
号と一方の極性の信号との3つの信号が順次続けて現れ
る気筒判別用信号を発生し、第2の信号の発生位置から
120度遅れた位置で他方の極性の第3の信号を発生する
1つの電磁ピックアップコイルと、電磁ピックアップコ
イルが発生する一方の極性の信号をパルス波形に整形す
る第1の波形整形回路と、電磁ピックアップコイルが発
生する他方の極性の信号をパルス波形に整形する第2の
波形整形回路と、電磁ピックアップコイルが発生する一
方の極性の信号及び他方の極性の信号のすべての信号を
同極性のパルス信号に整形する第3の波形整形回路と、
第3の波形整形回路から得られるパルス信号を入力とし
て内燃機関の第1ないし第3の気筒の点火位置を演算
し、演算した第1ないし第3の気筒の点火位置で第1な
いし第3の気筒用の点火信号をそれぞれ発生する演算器
と、 始動時及びエマージエンシ時には前記電磁ピックアッ
プコイルが第1の信号及び第2の信号をそれぞれ発生し
たときに第1の波形整形回路及び第2の波形整形回路が
発生するパルス信号をそれぞれ第1の気筒及び第2の気
筒の点火タイミング信号として第1及び第2のサイリス
タのゲートに供給し、通常運転時には演算器が発生する
第1ないし第3の気筒用の点火信号をそれぞれ第1ない
し第3の気筒の点火タイミング信号として第1ないし第
3のサイリスタのゲートに供給するように第1ないし第
3のサイリスタに与える点火タイミング信号を切り換え
る点火信号切替論理回路とを設けた。
上記演算器は、例えば、電磁ピックアップコイルの出
力信号から検出した内燃機関の回転速度とスロットル開
度とにより点火時期を決定する。
[作用] 上記のように構成すると、機関の始動時には、電磁ピ
ックアップコイルが第1の信号及び第2の信号を発生し
たときにそれぞれ点火信号切替論理回路から第1及び第
2のサイリスタに点火タイミング信号が与えられるた
め、機関の3つの気筒の内、第1及び第2の気筒が点火
される。このとき第3のサイリスタには点火タイミング
信号が与えられないため、第3の気筒は失火するが、3
気筒内燃機関は、2つの気筒が点火されれば回転するた
め、機関の始動は支障なく行われる。機関が始動した後
は、演算器が第1ないし第3の気筒用の点火位置信号を
発生したときに、点火信号切替論理回路から第1ないし
第3のサイリスタに点火タイミング信号が与えられる。
そのため、通常運転時には、第1ないし第3の気筒の全
ての気筒を点火して機関の運転を行わせることができ
る。
また演算器が正常に動作しなくなる状態が生じた時
(エマージェンシ時)には、点火信号切替論理回路が、
電磁ピックアップコイルから得られる第1及び第2の信
号をそれぞれ第1及び第2の気筒用の点火タイミング信
号として第1及び第2のサイリスタに与えるため、第1
及び第2の気筒が点火される。この場合も第3気筒は失
火するが、機関の回転は維持される。
上記のように、本発明においては、電磁ピックアップコ
イルが発生する第1及び第2の信号をそれぞれ第1の気
筒用の点火タイミング信号及び第2の気筒用の点火タイ
ミング信号として用いて、3つの気筒の内の2つの気筒
を点火させることにより、機関の始動とエマージェンシ
時の運転とを行わせ、通常運転時には、演算器が発生す
る第1ないし第3の点火位置信号を第1ないし第3の気
筒用の点火タイミング信号として第1ないし第3のサイ
リスタに与えて、3つの気筒の全てを点火するようにし
たので、1つの電磁ピックアップコイルを用いるだけ
で、始動時及びエマージェンシ時の点火制御と通常運転
時の点火制御とを行わせることができる。従って、機関
には1つの電磁ピックアップコイルのみを取り付ければ
よいため、電磁ピックアップコイルの取り付けを容易に
することができる上に、コストの低減を図ることができ
る。
[実施例] 以下、本発明の一実施例を第1図により説明する。本
実施例は3つの気筒を有する船外機用2サイクル内燃機
関を点火する点火装置で、第1図において、1は機関に
取り付けられた発電機内に設けられたチャージコイルで
ある。チャージコイル1の一端は接地され、他端は一端
が接地されたコンデンサ3の他端にダイオード2を通し
て接続されている。従って、コンデンサ3は、チャージ
コイル1が発生する一方の半サイクルの出力電圧でダイ
オード2を通して一方の極性に充電される。コンデンサ
3の非接地側の端子には、第1ないし第3の気筒に対し
てそれぞれ設けられた第1ないし第3のサイリスタ4,5
及び6のアノードが接続され、これらのサイリスタ4な
いし6のカソードと接地間にそれぞれ第1ないし第3の
気筒用に設けられた第1ないし第3の点火コイル10ない
し12の一次コイルが接続されている。また第1ないし第
3の点火コイル10ないし12の一次コイルの両端には、ダ
イオード7ないし9がそれぞれのアノードを接地側に向
けた状態で接続されている。第1ないし第3の点火コイ
ル10,11及び12のそれぞれの二次コイルに誘起する電圧
は、機関の第1ないし第3の気筒にそれぞれ取り付けら
れた点火プラグ13ないし15に印加されている。チャージ
コイル1とダイオード2及び7〜9と、コンデンサ3
と、第1ないし第3のサイリスタ4ないし6と、第1な
いし第3の点火コイル10ないし12とにより、コンデンサ
放電式の点火回路が構成されている。
この点火回路においては、チャージコイル1の出力電
圧によりコンデンサ3が充電される。第1のサイリスタ
4のゲートに点火タイミング信号が与えられると、該第
1のサイリスタ4が導通してコンデンサ3の電荷を第1
の点火コイル10の一次コイルを通して放電させる。これ
により第1の点火コイル10の二次コイルに高電圧が誘起
するため、第1の気筒の点火プラグ13に飛火する。同様
に、第2のサイリスタ5のゲートに点火タイミング信号
が与えられた時、または第3のサイリスタ6のゲートに
点火タイミング信号が与えられてこれらのサイリスタが
導通した時にそれぞれコンデンサ3の電荷が第2の点火
コイル11の一次コイルまたは第3の点火コイル12の一次
コイルを通して放電するため、第2の点火コイルの二次
コイルまたは第3の点火コイルの二次コイルに高電圧が
誘起して第2の気筒の点火プラグ14または第3の気筒の
点火プラグ15に飛火する。
20は磁性体からなるロータであり、クランク軸と同期
して回転する。ロータ20の外周には、第1のリラクタ20
aないし第3のリラクタ20cが設けられている。ロータ20
の外周側には、電磁ピックアップコイル21を有する信号
発電子が配置されている。電磁ピックアップコイル21
は、ロータ20に設けられたリラクタ20aないし20cのそれ
ぞれの前端部及び後端部をそれぞれ検出した時に極性が
異なるパルス信号を発生する。
ロータ20においては、第1のリラクタ20aの前端部
(回転方向の前方側に位置する端部)20a1と後端部20a2
との間の角度が120度に設定され、第1のリラクタ20aの
後端部20a2と第2のリラクタ20bの前端部20b1との間の
角度が60度に設定されている。また第2のリラクタ20b
の後端部20b2と第3のリラクタ20cの前端部20c1との間
は十分に小さく設定され、第1のリラクタ20aの後端部2
0a2と第3のリラクタ20cの後端部20c2との間の角度及び
第3のリラクタ20cの後端部20c2と第1のリラクタ20aの
前端部20a1との間の角度がともに120度に設定されてい
る。
従って、ロータ20が回転すると、電磁ピックアップコ
イル21には、第2図(1)に示すような信号が発生す
る。同図に示した信号のうち、V1及びV2はそれぞれ電磁
ピックアップコイル21がリラクタ20aの前端部20a1を検
出した時及び後端部20a2を検出した時にそれぞれ発生す
る第1及び第2の信号であり、V3はリラクタ20cの後端
部20c2を検出したときに発生する第3の信号である。電
磁ピックアップコイル21は、機関の第1の気筒の始動時
及びエマージェンシ時の点火位置で第1の信号V1を発生
し、機関の第2の気筒の始動時及びエマージェンシ時の
点火位置で第2の信号V2を発生するように設けられてい
る。
また第2図の(1)において連続して発生する3つの
信号Vs1,Vs2及びVs3はそれぞれピックアップコイル21が
リラクタ20bの前端部20b1、リラクタ20bの後端部20b2及
びリラクタ20cの前端部20c1を検出したときに発生する
気筒判別用信号である。気筒判別用信号を構成する3つ
の信号Vs1ないしVs3のうち、最初に発生する信号Vs1と
最後に発生する信号Vs3とは第1の信号V1と同極性の信
号であり、間に発生する信号Vs2は第2の信号V2と同極
性の信号である。
電磁ピックアップコイル21の一端側から出力される信
号が第1の波形整形回路22に入力され、他端側から出力
される信号が第2の波形整形回路23に入力されている。
第1の波形整形回路22は、第1の信号V1と、該第1の
信号と同極性の気筒判別用信号Vs1及びVs3とを波形整形
して、第2図(2)に示すように、同じ極性のパルス信
号P1と,Ps1及びPs3とを出力する。
また第2の波形整形回路23は、第2の信号V2と、該第
2の信号と同極性の気筒判別用信号Vs2と、第3の信号V
3とを波形整形して、第2図(3)に示すように、同極
性のパルス信号P2と、パルス信号Ps2と、パルス信号P3
とを出力する。
更にピックアップコイル21の両端からそれぞれ出力さ
れる信号が第2の波形整形回路24に入力されて合成され
る。第3の波形整形回路24は、第1の信号V1、第2の信
号V2、3つのVs1〜Vs3からなる信号気筒判別用信号、及
び第3の信号V3を波形整形して、第2図(4)に示すよ
うに、同じ極性のパルス信号P1,P2,Ps1,Ps2,Ps3及びP3
を出力する。これらのパルス信号P1,P2,Ps1,Ps2,Ps3及
びP3は、演算器26に入力されている。
25は内燃機関のスロットルバルブの開度を検出するス
ロットル開度センサで、このスロットル開度センサの出
力も演算器26に入力されている。
演算器26は、マイクロコンピュータからなっていて、
第3の波形整形回路24によりパルス波形に整形されたピ
ックアップコイルの出力信号とスロットル開度センサか
ら与えられるスロットル開度信号とを用いて、第1の気
筒ないし第3の気筒のそれぞれの点火位置を演算し、演
算した点火位置で、第1の気筒用の点火信号Pi1と第2
の気筒用の点火信号Pi2と第3の気筒用の点火信号Pi3と
を出力する。
27は点火信号切替論理回路で、この切替論理回路は、
入力線a1〜c1及びa2〜c2と出力線A〜Cとを有してい
て、入力線a1及びb1にそれぞれ第1の波形整形回路22の
出力及び第2の波形整形回路23の出力が入力され、入力
線a2ないしc2にはそれぞれ演算器26が発生する点火信号
Pi1ないしPi3が入力されている。点火信号切替論理回路
27の出力線A,B及びCはそれぞれ第1ないし第3のサイ
リスタ4,5及び6のゲートに接続されている。点火信号
切替論理回路27は、切替指令信号dに応じて、入力線a1
〜c1にそれぞれ与えられた信号または入力線a2〜c2にそ
れぞれ与えられた信号のいずれかを選択して出力線A〜
Cに出力する論理回路で、切替指令信号dに応じて点火
回路の第1ないし第3のサイリスタないし6に与える点
火タイミング信号を切り換える。図示の点火信号切替論
理回路27は、始動時及びエマージエンシ時に、電磁ピッ
クアップコイル21が第1の信号V1及び第2の信号V2を発
生したときに第1の波形整形回路22及び第2の波形整形
回路23がそれぞれ出力するパルス信号P1及びP2それぞれ
第1の気筒の点火タイミング信号及び第2の気筒の点火
タイミング信号として第1のサイリスタ4及び第2のサ
イリスタ5のゲートに供給する。このとき切替論理回路
27は、入力線c1の信号を選択して出力線Cに出力しよう
とするが、入力線c1はどこにも接続されていないため、
出力線Cには信号が出力されず、第3のサイリスタ6に
は信号が与えられない。
また点火信号切替論理回路27は、通常運転時に、演算
器26から入力線a2〜c2にそれぞれ与えられる第1ないし
第3の気筒用の点火信号Pi1ないしPi3を選択して、これ
らの点火信号をそれぞれ第1ないし第3の気筒の点火タ
イミング信号として第1ないし第3のサイリスタ4ない
し6のゲートに供給する。
次に第2図により第1の実施例の動作を説明する。機
関が回転すると、電磁ピックアップコイル21は、第2図
の(1)のように、第1の信号V1ないし第3の信号V3を
120度間隔で発生するとともに、第2の信号V2の発生位
置に対して60度遅れた位置で3つの信号Vs1ないしVs3か
らなる気筒判別用信号を発生する。第1の波形整形回路
22は、第2図(2)に示すように、第1の信号V1を波形
整形して得たパルス信号P1と、気筒判別用信号を構成す
る信号のうちの2つの正極性の信号Vs1及びVs3を波形整
形して得たパルス信号Ps1及びPs3とを出力して切替論理
回路27の入力線a1に与える。また第2の波形整形回路23
は、第2図(3)に示すように、負極性の第2の信号V2
を波形整形して得たパルス信号P2と、気筒判別用信号を
構成する信号のうち負極性の信号Vs2を波形整形して得
たパルス信号Ps2と、負極性の第3の信号V3を波形整形
して得たパルス信号P3とを出力して切替論理回路27の入
力線b1に与える。
第3の波形整形回路24は、第2図(4)に示すよう
に、第2図(2)のパルス信号と第2図(3)のパルス
信号とを合成したものに相当する一連のパルス信号P1,P
2,Ps1〜Ps3及びP3を発生する。
演算器26は、パルス信号P1及びP2の発生周期(機関が
120度回転するのに要する時間)Tから内燃機関の回転
速度を検出し、検出した回転速度とスロットルバルブ開
度とに対して、第1ないし第3の気筒の点火位置を演算
する。第1ないし第3の気筒の点火位置はそれぞれパル
ス信号P3,P1及びP2の発生位置を基準位置として、それ
ぞれの基準位置から点火位置まで機関が回転する間の経
過時間tADVの形で演算される。演算器26は、連続して発
生する3つのパルス信号Ps1〜PS3を検出したときに次に
発生するパルス信号P3を第3の気筒用のパルス信号とし
て判別し、パルス信号P3が発生した後に発生する2つの
パルス信号P1及びP2をそれぞれ第1の気筒用のパルス信
号及び第2の気筒用のパルス信号として判別する。そし
て、パルス信号P3,P1及びP2がそれぞれ発生した後時間t
ADVが経過した時に第1ないし第3の気筒用の点火信号P
i1,Pi2及びPi3を出力する。
始動時及び演算器が正常に動作しないエマージェンシ
時には、点火信号切替論理回路27が、入力線a1及びb1に
与えられる信号をそれぞれ出力線A及びBを通して第1
及び第2のサイリスタ4及び5のゲートに与えるため、
第1及び第2のサイリスタ4及び5が導通して、点火コ
イル10及び11の二次コイルに高電圧が誘起する。これに
より点火プラグ13及び14に飛火して、第1及び第2の気
筒が点火される。このとき第1のサイリスタ4のゲート
には、第1の気筒の正規の点火位置の他、正規の点火位
置から180°ずれた位置でもトリガ信号が与えられる
が、その際第1の気筒はピストンが下死点付近にあるた
め、点火しても問題は生じない。また第2のサイリスタ
5のゲートには、第2図(3)に示すようなパルス信号
が与えられるため、第2の気筒の点火プラグ14には、正
規の点火位置から60°遅れた位置及び120°遅れた位置
でも飛火するが、いずれの飛火の際にも第2の気筒は圧
縮工程にはないため問題は生じない。切替論理回路27の
入力線c1はどこにも接続されていないため、第3のサイ
リスタ6には、点火タイミング信号が与えられず、第3
の気筒の点火は行われない。このように、本発明におい
ては、始動時及びエマージエンシ時に、3気筒の内の2
気筒だけを燃焼させて、機関を駆動する。
通常運転時には、点火信号切替論理回路27が入力線a
2,b2及びc2の信号を選択してそれぞれ出力線A,B及びC
に出力するため、演算器26がそれぞれ第1ないし第3の
点火信号Pi1ないしPi3を発生したときに第1ないし第3
のサイリスタ4ないし6のゲートに点火タイミング信号
が与えられる。従って、通常運転時には、3つの気筒の
全てが回転速度及びスロットル開度に応じて決定された
最適の点火位置で点火される。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、1つの電磁ピックア
ップコイルを設けるだけで、3気筒の船外機用内燃機関
の始動及びエマージェンシ時の機関の駆動と、通常運転
時の全気筒の点火位置制御とを行わせることができるた
め、機関への電磁ピックアップコイルの装着を容易にす
ることができる。また1つの電磁ピックアップコイルを
設ければよいため、気筒毎に電磁ピックアップコイルを
設けていた従来の点火装置に比べてコストの低減を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の回路構成図、第2図は第1
図の動作波形説明図である。 1…チャージコイル、3…コンデンサ、4,5,6…サイリ
スタ、20…ロータ、21…電磁ピックアップコイル、22,2
3,24…整形回路、25…スロットル開度センサ、26…演算
器、27…点火信号切替論理回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3つの気筒を有する船外機用2サイクル内
    燃機関の第1ないし第3の気筒にそれぞれ取り付けられ
    た点火プラグに二次コイルの誘起電圧が印加される第1
    ないし第3の点火コイルと、前記内燃機関の回転に同期
    して交流電圧を出力するチャージコイルの出力電圧によ
    り充電されるコンデンサと、点火タイミング信号が与え
    られたときに導通して前記コンデンサの電荷を前記第1
    ないし第3の点火コイルの一次コイルを通してそれぞれ
    放電させるように設けられた第1ないし第3のサイリス
    タと、前記第1ないし第3の気筒の点火位置でそれぞれ
    前記第1ないし第3のサイリスタに点火タイミング信号
    を与える点火タイミング信号供給回路とを備えた船外機
    用内燃機関点火装置において、 前記内燃機関の第1の気筒及び第2の気筒の始動時及び
    エマージェンシ時の点火位置でそれぞれ一方の極性及び
    他方の極性を有する第1及び第2の信号を発生し、前記
    第2の信号の発生位置から60度遅れた位置で一方の極性
    の信号と他方の極性の信号と一方の極性の信号との3つ
    の信号が順次続けて現れる気筒判別用信号を発生し、前
    記第2の信号の発生位置から120度遅れた位置で他方の
    極性の第3の信号を発生する1つの電磁ピックアップコ
    イルと、 前記電磁ピックアップコイルが発生する一方の極性の信
    号をパルス波形に整形する第1の波形整形回路と、 前記電磁ピックアップコイルが発生する他方の極性の信
    号をパルス波形に整形する第2の波形整形回路と、 前記電磁ピックアップコイルが発生する一方の極性の信
    号及び他方の極性の信号のすべての信号を同極性のパル
    ス信号に整形する第3の波形整形回路と、 前記第3の波形整形回路から得られるパルス信号を入力
    として、前記内燃機関の第1ないし第3の気筒の点火位
    置を演算し、演算した第1ないし第3の気筒の点火位置
    でそれぞれ前記第1ないし第3の気筒用の点火信号を発
    生する演算器と、 始動時及びエマージエンシ時には前記電磁ピックアップ
    コイルが第1の信号及び第2の信号をそれぞれ発生した
    ときに前記第1の波形整形回路及び第2の波形整形回路
    が発生するパルス信号をそれぞれ前記第1の気筒及び第
    2の気筒の点火タイミング信号として前記第1及び第2
    のサイリスタのゲートに供給し、通常運転時には前記演
    算器が発生する第1ないし第3の気筒用の点火信号をそ
    れぞれ前記第1ないし第3の気筒の点火タイミング信号
    として前記第1ないし第3のサイリスタのゲートに供給
    するように前記第1ないし第3のサイリスタに与える点
    火タイミング信号を切り換える点火信号切替論理回路と
    を具備したことを特徴とする船外機用内燃機関点火装
    置。
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