JP2623351B2 - 耐食性クロムキレート被膜付きめっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐食性クロムキレート被膜付きめっき鋼板の製造方法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は耐食性、上塗り塗料密着性に優れた亜鉛もし
くは亜鉛合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板のク
ロメート処理方法に関するものである。
(従来の技術) クロメート処理は亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっ
き鋼板の腐食防止および塗装下地処理として広く使用さ
れている。特に最近は従来塗装品として使用されていた
部品を耐食性に優れた表面処理鋼板に代え、また、従来
2コート塗装材として使用されていた部品についてはユ
ーザーの工程省略を可能にするプライマー被膜付き表面
処理鋼板に代える動きが活発である。したがって、従来
のクロメートの使命であったメーカーからユーザーまで
の1次防錆的なものからユーザー工程後の製品自身の耐
食性まで要求される。鉄鋼メーカーはこの要求に対して
種々のクロメート処理鋼板および有機被膜めっき鋼板を
開発し応えてきた。これらの従来技術としてはシリカと
部分還元したクロム酸液を用いる特開昭52−17340号公
報記載の方法、ケイフッ化アンモニウムとシランカップ
リングを含むクロメート液を用いる特開1−56877号公
報記載の方法、シリカおよびりん酸を含むクロメート液
を用いる特開平1−65272号公報記載の方法などがあ
る。これらの方法により得られた製品は耐食性について
は効果があるが、高耐食性化のためクロメート付着量を
増大するとクロメート被膜が溶解しやすく性能に限界が
生じ、またユーザーでのアルカリ脱脂工程でのクロムの
溶出も好ましくない。品質的には塗料の種類によっては
上塗り塗料の密着性が不十分であり多目的用途には改良
が必要であった。
一方、クロメート被膜の上に薄い有機被膜を被覆する
ことによって性能を改善する2段処理の技術が特開昭60
−50180号公報に公開されている。しかし、この方法に
おいても下地のクロメートの被膜の特性が品質に大きく
影響し、難溶性の水洗型クロメート、電解クロメートが
使用され、塗布型クロメートはクロメート被膜を難溶性
化するためクロメート液が不安定である問題があった。
(発明が解決しようとする課題) 従来の塗布型クロメート被膜は被膜自身の耐薬品性お
よび品質のバランスが不十分であり、耐薬品性を向上さ
せるためにクロム酸の還元率を上げると耐食性や塗料密
着性が低下し、また沈澱やゲル化が生じ易く液の安定性
が短いという問題がある。
本発明は耐食性、塗装性に優れ且つアルカリ脱脂液等
の水溶液に対して溶解し難い耐薬品性に優れたクロメー
ト被膜および本発明のクロメート被膜を下地とする樹脂
被膜めっき鋼板を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の要旨とするところは下記のとおりである。
(1) めっき鋼板の表面に、予め三価クロム/六価ク
ロムが0.1/0.9〜0.7/0.3になるように還元したクロム酸
を1〜100g/および多官能ポリオールを結合させたノ
ボラック型フェノール樹脂をクロム酸1に対して0.01〜
5の比率で含有する酸性水溶液を、クロム付着量として
5〜100mg/m2塗布した後、焼き付け乾燥することを特徴
とする耐食性クロムキレート被膜付きめっく鋼板の製造
方法。
(2) めっき鋼板の表面に、予め三価クロム/六価ク
ロムが0.1/0.9〜0.7/0.3になるように還元したクロム酸
を1〜100g/、りん酸,フッ素化合物,金属化合物お
よび酸化物ゾルから選択した1種以上の化合物をクロム
酸1に対して0.01〜5の比率で含み、さらに多官能ポリ
オールを結合させたノボラック型フェノール樹脂をクロ
ム酸1に対して0.01〜5の比率で含有する酸性水溶液
を、クロム付着量として5〜100mg/m2塗布した後、焼き
付け乾燥することを特徴とする耐食性クロムキレート被
膜付きめっき鋼板の製造方法。
(作用) 本発明が対象とするめっき鋼板は、電気亜鉛めっきお
よび亜鉛合金めっき鋼板、溶融亜鉛めっきおよび亜鉛合
金めっき鋼板、蒸着亜鉛および亜鉛合金めっき鋼板、異
なる金属を重ねた重量めっき鋼板、分散複合亜鉛めっき
鋼板、アルミニウムめっき鋼板、ニッケルめっき鋼板、
スズめっき鋼板、ターンめっき鋼板など防食を必要とす
るめっき鋼板からめっきされた条鋼材、溶射めっきされ
た厚板を包含するものである。
以下クロメート液について述べる。
本発明のクロメート液は、予めクロム酸に還元剤を加
えて三価クロム/六価クロムの比(以下クロム還元比と
呼ぶ)が0.1/0.9〜0.7/0.3になるように還元したクロム
酸1〜100g/と多官能ポリオールを結合させたノボラ
ック型フェノール樹脂(以下NPPと略して表現する)と
をクロム酸1に対して0.01〜5の比率で含有する酸性水
溶液である。
クロム還元比の調整は澱粉など通常用いられている還
元剤でクロム酸を還元することによって行われる。この
時還元したクロムの沈澱が生じないようにかつアニオン
や未分解の還元剤が残らないように濃厚クロム酸溶液を
還元する。クロム還元比が0.1/0.9未満では、NPPが六価
クロムにより還元されてNPPの構造が切断しやすくな
り、塗料密着性が劣化する。また、架橋に必要な三価ク
ロムの不足により難溶性の被膜が得られにくい。クロム
還元比が0.7/0.3超では難溶性の被膜が得られるが、防
食作用の高い六価クロムが不足するため耐食性が得られ
にくい。最も好ましいクロム還元比は0.3/0.7〜0.6/0.4
である。
本発明のクロメート液のNPPは還元したクロム酸とキ
レート結合を形成し低温で架橋硬化し難溶性の被膜を形
成する。NPP/クロム酸の割合は0.01未満ではNPPの効果
が認められず、5超では架橋不足のため可溶性の被膜と
なる。最も好ましいNPP/クロム酸の割合は三価クロムの
クロム酸換算比で0.5〜5.0である。NPPとしては、以下
に示す多官能ポリオール(以下ポリオールと呼ぶ)を結
合させたノボラック型フェノール樹脂を用いる。ポリオ
ールの例としてはポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールポリブ
チレンアジペート、アクリルポリオール、ポリエステル
ポリオール、ポリエーテルポリオールや各種グリコール
の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパンレンなどの3価アルコー
ル、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジグリセロ
ール、ジペンタエリスリトールなどの4価アルコールで
代表される多価アルコールおよびこれらに、より水溶性
を与える水酸基、アミン基、カルボキシル基などを付加
した化合物である。また、ポリオールを結合させたノボ
ラック型フェノール樹脂に水溶性を与える水酸基、アミ
ン基、カルボキシル基、スルホン酸基などを付加した化
合物も用いることができる。
本発明の重要な点はクロム酸との共存で液の安定性に
優れ、低温焼き付け硬化後は耐薬品性に優れた被膜が得
られる液組成の設計である。したがって、NPP自身は水
に対する溶解度が高く且つクロム酸の酸化に対する抵抗
力があり、酸化クロムをキレート結合により錯イオン化
した沈澱を防ぐ等の能力を備えねばならない。これらの
ことからポリオールは比較的分子量の小さい化合物が好
ましい。本発明に用いられるNPPは上述した幅広いもの
が用いられるが、2液性ウレタン樹脂の合成に用いられ
るノボラック型フェノール樹脂にポリオールを結合させ
た水溶性化した市販の化合物を使用できる。例えばハイ
ドール(大日本インキ化学工業株式会社製の水酸基価が
約3モル/1000g NPP)が優れた特性を有する。
本発明のクロメート液にはりん酸、フッ素化合物、金
属化合物および酸化物ゾルから選択した1種以上の化合
物をクロム酸1に対して0.01〜5の割合で加えることが
できる。りん酸、フッ素化合物はめっき金属表面とクロ
メート液の反応を促進させクロメート液の濡れ性および
外観を無色化し均一な無色の被膜を得る効果を奏する。
また、めっき金属表面およびクロムとの反応によるりん
酸塩や、フッ素錯体の形成により耐食性が向上する。酸
化物ゾルの添加によりクロメート被膜の加工後の耐食
性、上塗り塗装後の耐食性および耐指紋性が向上する。
金属塩はめっき表面との反応により金属もしくは金属塩
がめっき表面に析出しクロメート被膜の耐食性、塗装後
耐食性を向上させる。添加量はりん酸、フッ素化合物の
場合クロム酸との比で0.2〜2.0が好ましい。酸化物ゾル
はシリカゾル、ジルコニヤゾル、アルミナゾルおよびチ
タニヤゾルが望ましく添加量はクロム酸との比で0.5〜
3.0が最適の範囲である。金属塩はニッケルイオン、コ
バルトイオン、亜鉛イオン、マグネシウムイオン、バリ
ウムイオン等をクロメート液に供給できる化合物を加え
る。添加量は完全に溶解させる必要がありクロム酸との
比で0.01〜0.5が好ましい範囲である。
以下、クロメート被膜の形成方法について述べる。
付着量はクロム付着量で管理することができる。本発
明においてはクロメート液をクロム付着量として5〜10
0mg/m2塗布した後、焼き付け乾燥によって硬化させる。
クロム付着量が5mg/m2未満では耐食性が不十分である。
また、クロム付着量が100mg/m2超では加工によって劣化
しやすくなりシビヤーな加工用途に対して不利であるた
め好ましくない。最も好ましい付着量範囲は10〜50mg/m
2である。塗布の方法はロールコート、スクイズロール
コート法、エアーナイフ絞り法、静電霧化法等従来実施
されている塗布方法が適用できる。クロメート液を塗布
したのち、本発明では乾燥程度の焼き付けで高性能が得
られるが、到達板温で50〜250℃に焼き付けることが好
ましい。
本発明においては別の方法で予めクロメート被膜を形
成させためっき鋼板のうえに上述したクロメートを形成
することが含まれる。この場合耐食性、上塗り塗装後の
耐食性により特徴のある被膜が得られる。下地のクロメ
ートとしては電解クロメート、後水洗型の反応クロメー
トが望ましい。
本発明においては上述したクロメートを形成させため
っき表面にさらに樹脂被膜を被覆することによってプラ
イマー的な性能すなわち、高度の耐食性や塗装後の耐食
性に優れた表面処理鋼板が得られる。上層に被覆する樹
脂組成物はアクリル共重合体を主体とし必要によりシリ
カ等を加えた組成の水性のクリヤー塗料、エポキシ、ウ
レタン系の樹脂を主体とし必要によりシリカ等を加えた
組成の有機溶剤系クリヤー塗料が好ましい。樹脂被膜の
厚みは耐食性および溶接性を考慮し0.3〜3.0ミクロン範
囲が適用され好ましくは0.5〜1.5ミクロンの膜厚がバラ
ンスのとれた範囲である。
以下市販のNPPを用いて処理した本発明のクロメート
被膜の耐水性に関する試験結果を例に示す。第1図はク
ロム還元率0.4/0.6のクロム酸とポリエチレングリコー
ルをノボラック型フェノール樹脂に結合させたNPPをク
ロム酸1に対して0,0.2,0.5,1.0,3.0,5.0の割合で加え
て作成したクロメート液を溶融亜鉛めっき鋼板にスプレ
ー後エアーナイフで絞り、クロム付着量として25mg/m2
被覆し、直ちに到達板温80℃に高速で焼く付け試験片を
作成し屋内で1週間スタック状態で保存したのち水はじ
き性を接触角測定器でクロメート表面の水滴の接触角を
測定した結果である。第1図よりNPPの添加量に比例し
た耐水性の被膜になることが分かる。しかし、多すぎる
と耐水性が低下し最適のNPP/CrO3比がある。
以下実施例によって本発明を説明する。
実施例は特に説明がない場合つぎの方法で処理し評価
した。
(1) クロム還元比 無水クロム酸の30%水溶液に澱粉を加えて80℃に保ち
長時間かけて還元しCr3+および全Crを分析し算出した。
(2) 塗布方法 めっき鋼板に液をスプレー後エアーナイフで絞る方法
(AK法)およびナチュラルロールコート法(NR法)で行
なった。乾燥はCOG直火口(温度500℃)で3秒加熱し到
達板温80℃で焼き付けたのちスタック状態で1週間屋内
で保存後評価した。Cr付着量は蛍光エックス線分析で測
定した。
(3) 被膜の耐水性 得られたクロメート被膜付きめっき鋼板の表面に水滴
を0.2ml滴下し30秒後の接触角を測定し耐水性を評価し
た。
(4) 耐アルカリ脱脂性 得られたクロメート被膜付きめっき鋼板のCr付着量は
蛍光エックス線分析で測定した後、市販のファインクリ
ーナー4326(FC4326)2%水溶液、60℃、2分間、スプ
レー圧1.2kg/cm2でスプレーし、再度Cr付着量を蛍光エ
ックス線分析で測定しその差を(mg/m2)で示した。
(5)耐食性 4項のアルカリ脱脂処理した後のめっき鋼板をJIS−Z
2371塩水噴霧試験連続法で白錆が5%に達した時点の時
間で評価した。
(6) 1次塗料密着性 市販のメラミンアルキッド樹脂塗料(白)を乾燥塗膜
厚で25ミクロンスプレーし、120℃で25分焼き付けたの
ちエリクセン試験機で9mm絞り、セロテープで剥離し剥
離面積率で評価した。
(7) 2次塗料密着性 市販のメラミンアルキッド樹脂塗料(白)を乾燥塗膜
厚で25ミクロンスプレーし120℃で25分焼き付けして作
成した塗装板をJISZ0228規格の湿潤試験機(50℃相対湿
度98%以上)で120時間試験したのち自然乾燥後1mm間隔
の碁盤目をカッターナイフで傷をいれセロテープで剥離
し剥離面積率で評価した。
(8) 塗装後耐食性 市販のメラミンアルキッド樹脂塗料(白)を乾燥塗膜
厚で25ミクロンスプレーし120℃で25分焼き付けして作
成した塗装板にカッターナイフでクロスの傷を入れJISZ
2371規格の塩水噴霧試験で240時間試験したのち自然乾
燥後、セロテープ剥離し傷からの劣化幅を両側サイズ
(mm)で示した。
実施例1 溶融亜鉛めっき鋼板の表面にクロム還元比が0.4/0.6
のクロム酸40g/、エチレングリコールをノボラック型
フエノール樹脂に結合させたNPPをクロム酸1に対して
0,0.2,0.5,1.0,3.0,5.0加えてpH1.8の水溶液をシャワー
スプレー塗布したのち直ちに到達板温80℃に焼き付け乾
燥し評価した。クロム付着量は25mg/m2であった。結果
を第1表に示す。
No.1はNPPを含まない比較例で溶出クロムが多く性能
も不十分である。No.2はNPPを微量含む本発明の例で溶
出クロムが低下し接触角度の高い耐水性被膜およびアル
カリ脱脂液の溶出クロムも減少している。No.3〜5はさ
らにNPPの添加量を増加した本発明例で溶出クロムは殆
ど無視できる程少ない。また、耐食性、塗装性能も優れ
たバランスのよい性能が得られた。No.6はNPP/CrO3=5
のサンプルで溶出クロムが若干増加しそれに伴い品質も
やや低下傾向になったがNPP無添加材に比べると優れた
結果を示した。
実施例2 実施例1のNo.4の条件で12%のニッケルを含有する亜
鉛合金めっき鋼板(めっき量20g/m2)の表面にロールコ
ート法でCr付着量の異なる本発明の鋼板を作成し評価し
た。結果を第2表に示す。
No.7はクロム付着量が下限値の本発明例で耐食性が実
用上限界のレベルである。No.8からNo.12まではクロム
付着量を増加した本発明例で優れた耐食性が得られた。
No.12は塗料密着性試験でクロメート自身の凝集破壊に
よる剥離が認められた。軽度の加工用途には問題ないが
シビヤーな加工用途には適正な付着量範囲に制御するこ
とが望ましい。
実施例3 りん酸をクロム酸1に対して0.5の割合で加えた30%
のクロム酸水溶液に澱粉を加えて還元しクロム還元比を
変えた。この溶液をクロム酸濃度として40g/に希釈し
た後実施例1のNPPをクロム酸1に対して0.5の割合で加
え第3表に示す液を調合した。液のpHは1.7〜2.0であっ
た。液の安定性を調べるため50℃の恒温槽中で保存し沈
澱の発生するまでの日数を評価した。ナチュラルコータ
ーで電気亜鉛めっき鋼板(めっき量20g/m2)にクロム付
着量30mg/m2狙いで塗布したのち熱風乾燥炉で到達板温6
0℃に加熱し屋内でスタック状態で1週間保存し、評価
に供した。
No.13からNo.16はクロム還元比を本発明の範囲で変化
させたものである。いずれも液の安定性、耐食性、塗料
密着性に優れた品質を示した。No.17は還元比が高すぎ
耐食性が不充分である。また、No.18はクロム酸により
樹脂が劣化し沈澱した。
実施例4 実施例1のNo.4の液組成比のクロム酸濃度100g/液
のりん酸をクロム酸1に対して0.5の比で加え、更に第
4表に示す添加剤を加えて溶解させた後、クロム酸濃度
40g/に希釈し溶融亜鉛鉄合金めっき(めっき量45g/
m2)処理した。
評価方法は実施例3と同様に行なった。
No.19はホウフッ化イオンを添加した液で耐食性およ
び密着性に優れた結果を得た。またシリカゾル(平均粒
径10〜20μm)は耐食性に優れた結果を示した。金属イ
オンを添加したものは塗装前後の耐食性および塗料の密
着性で良好な結果を示した。
実施例5 12%のNiを含有する電気亜鉛合金めっき(めっき量20
g/m2)の表面にクロム還元比0.4/0.6、クロム酸濃度40g
/のクロム酸水溶液に、第5表に示すポリオールを結
合させたノボラック型フェノール樹脂およびりん酸をク
ロム酸1に対して第5表に示す割合で調合した。液のpH
は1.8前後であった。
各ポリオールとも耐食性およびクロムの溶出し難いク
ロメート被膜が得られた。
実施例6 クロム酸硫酸浴中で陰極電解クロメート(クロム付着
量35mg/m2)したニッケル亜鉛合金めっき鋼板の表面に
実施例2のNo.8の条件で本発明のクロメート液を塗布し
同様に評価した。アルカリ脱脂による溶出クロムはゼロ
で耐食性は240時間であった。
実施例7 実施例2のNo.8のクロメート処理ニッケル亜鉛合金め
っき鋼板の表面に市販のオレフィンアクリル樹脂とシリ
カゾルで構成されるクリヤー塗料を乾燥塗膜厚として0.
5ミクロン塗装し到達板温150℃に焼き付けた。アルカリ
による溶出クロムはゼロで耐食性は1000時間以上であっ
た。
(発明の効果) 本発明の方法で処理しためっき鋼板は薄い被膜厚で優
れた耐食性、塗装性が得られ、幅広い用途に使用でき
る。特にユーザー脱脂工程での被膜の劣化は殆ど無く、
水処理の軽減につながる。薄い被膜のメリットは溶接性
やアース性(導電性)に有利であり、電気部品の用途に
有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図はエチレングリコールを結合させたノボラック型
フェノール樹脂(NPP)のクロメート被膜の耐水性を接
触角によって評価した結果を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】めっき鋼板の表面に、予め三価クロム/六
    価クロムが0.1/0.9〜0.7/0.3になるように還元したクロ
    ム酸を1〜100g/および多官能ポリオールを結合させ
    たノボラック型フェノール樹脂をクロム酸1に対して0.
    01〜5の比率で含有する酸性水溶液を、クロム付着量と
    して5〜100mg/m2塗布した後、焼き付け乾燥することを
    特徴とする耐食性クロムキレート被膜付きめっく鋼板の
    製造方法。
  2. 【請求項2】めっき鋼板の表面に、予め三価クロム/六
    価クロムが0.1/0.9〜0.7/0.3になるように還元したクロ
    ム酸を1〜100g/、りん酸,フッ素化合物,金属化合
    物および酸化物ゾルから選択した1種以上の化合物をク
    ロム酸1に対して0.01〜5の比率で含み、さらに多官能
    ポリオールを結合させたノボラック型フェノール樹脂を
    クロム酸1に対して0.01〜5の比率で含有する酸性水溶
    液を、クロム付着量として5〜100mg/m2塗布した後、焼
    き付け乾燥することを特徴とする耐食性クロムキレート
    被膜付きめっき鋼板の製造方法。
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