JP2931310B2 - 金属表面処理用添加剤および金属表面処理用水溶液 - Google Patents

金属表面処理用添加剤および金属表面処理用水溶液

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属表面処理用添加剤および金属表面処理
用水溶液に関する。さらに詳しくは、金属表面の耐食性
ならびに塗料密着性を大きく向上しうる金属表面処理用
添加剤および金属表面処理用水溶液に関する。
〔従来の技術〕
金属表面の化学的処理のため、たとえば塗料、接着剤
およびプラスチック塗布の前処理として、まず金属表面
を清浄にし、次に水ですすぎ、最後に化成皮膜を形成す
る水溶液を塗布したのち液体フィルムを完全に乾燥させ
る方法は公知である。これによって金属上に薄い非金属
性皮膜が形成され、この際に処理液組成および反応条件
を相応に選択することにより表面品質を決定的に改良す
ることができる。たとえば塗料、接着剤およびプラスチ
ックをそのように前処理して金属に塗布するときは、こ
れにより強固に付着した塗膜が得られ、また耐食性が著
しく向上する。
この種の方法としては、Crを使用する種々のクロメー
ト皮膜がよく知られている。しかし、Crを使用する場合
には処理液の廃液からCrをとり除き、環境の汚染を防止
するために公害防止設備を設ける必要があるがこの設備
を建設するには多額の費用が必要となる。
このため近年Crを含まない処理液が研究され、とくに
アルミ表面に化成皮膜を生成させる方法としては特定の
量のジルコニウムおよび/またはチタンならびにリン酸
塩および活性フッ化物を含む組成物(米国特許第414867
0号)、ポリアクリル酸および/またはポリアクリル酸
エステルおよびフッ化ジルコニウム酸、フッ化チタン酸
もしくはフルオロ珪酸を含む組成物(米国特許第419159
6号)、タンニン、チタンおよびフッ素イオンを含む組
成物(米国特許第4054466号)を用いて処理する方法が
提案されている。
しかし、これらの方法で得られる化成皮膜は耐食性塗
料密着性等の性能においてクロメート処理皮膜に劣って
いる。
また特開昭59−207971号公報には特定の置換基を有す
る水溶性もしくは水分散性有機高分子を用いる方法が提
案されているがやはり耐食性、塗料密着性等の点におい
ていまだ十分な性能を得るに到っていない。
〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明の目的は、金属表面に高い耐食性と塗料密着性
を有する化成皮膜を与えるものである。
すなわち、本発明はアルミニウム(アルミニウム合金
を含む)、鋼、亜鉛などの金属表面にクロメート処理と
同等もしくはそれ以上の耐食性、塗料密着性を付与しう
る金属表面処理用添加剤および金属表面処理用水溶液を
提供するものである。
また、例えば亜鉛メッキ鋼板に施されるクロメート処
理は、廃水処理の問題だけではなく、耐食性には優れる
ものの塗料密着性に関しては満足できる性能を与えるも
のではないという欠点を有している。そこで、本発明品
をクロメート処理に適用することによりクロメート皮膜
の塗料密着性の改善をはかることもできる。
〔問題点を解決するための手段〕
前述の問題点を解決するために鋭意検討を重ねた結
果、ある特定の構造を有する水溶性または自己水分散性
有機高分子を金属表面処理に用いることによって高い耐
食性および塗料密着性が得られることを見い出し、本発
明を完成した。
すなわち、本発明は、重量平均分子量が1000〜100万
の、ホルマリン縮合物、ポリエステル系、ポリアミド系
又はポリウレタン系有機高分子から選ばれる縮合型高分
子あるいは、変成した天然高分子であって、分子量500
単位当たりに少なくとも1個以上の芳香環と平均1〜10
個の水酸基(−OH)とを有し、かつ分子量500単位当た
りに平均0.1〜4個のスルホン基(−SO3)、または、次
のグループ(a)の極性基〔グループ(a): (Rは水素原子または炭化水素基、以下同じ)、 (R1,R2,R3は同種または異種であって、かつ直鎖または
分岐鎖アルキル基またはヒドロキシアルキル基、または
フェニル基、ベンジル基などの芳香族基、Xは対アニオ
ン)、カルボキシル基(−COOH)〕の中から選ばれる1
種以上の極性基を必須成分として平均0.1〜5個の範囲
で有するアニオン性、カチオン性または両性の水溶性ま
たは自己水分散性有機高分子からなる、金属表面への塗
料、接着剤又はプラスチック塗布のための前処理用添加
剤、及び重量平均分子量が1000〜100万の縮合型高分子
あるいは、変成した天然高分子であって、分子量500単
位当たりに少なくとも1個以上の芳香環と平均1〜10個
の水酸基(−OH)とを有し、かつ分子量500単位当たり
に平均0.1〜4個のスルホン基(−SO3)、または前記の
グループ(a)の極性基の中から選ばれる1種以上の極
性基を必須成分として平均0.1〜5個の範囲で有するア
ニオン性:カチオン性または両性の水溶性または自己水
分散性有機高分子の1種以上を必須成分として含有し、
Zn,Ni,Co,Cr,Ti,Zr,Hf,Mn,Al,Ca,Mgから選ばれる金属イ
オンのうち1種以上を含有することを特徴とする、金属
表面への塗料、接着剤又はプラスチック塗布のための前
処理用水溶液を提供するものである。
かかる本発明の金属表面処理用水溶液を用いれば耐食
性および塗料密着性に特にすぐれた皮膜を得ることがで
きる。
本発明において水溶性とは、標準的表面処理水溶液
(後述する実施例中の表−2に記載されているA〜Dの
溶液)1中に25℃において0.1g以上の有機高分子が完
全に溶解している状態を意味する。また、自己水分散性
とは、当該水溶液1中に25℃において0.01g以上の有
機高分子が自己分散している状態を意味する。
本発明で使用できる水溶性または自己水分散性有機高
分子としては、まず次に示す2つのグループが挙げられ
る。それぞれをグループa,bとすると、まずグループa
としては重量平均分子量が1000〜100万の高分子であっ
て、分子量500単位当りに少なくとも1個以上の芳香環
を有する水溶性または自己水分散性高分子が挙げられ
る。そしてグループbとしては、重量平均分子量が1000
〜100万の高分子であって、分子量500単位当たりに少な
くとも1個以上の水酸基を置換基として有する1個以上
の芳香環 を有する水溶性または自己水分散性高分子が挙げられ
る。
これらグループa,bの水溶性または自己水分散性有機
高分子の側鎖には上述の官能基の他に、Cl,Brなどのハ
ロゲン基、ニトリル基、ニトロ基、エステル基など他の
官能基を含んでいてもよい。
即ちグループa,bの条件を満たす水溶性または自己水
分散性有機高分子としては、例えば次のA−1)〜A−
10)の化合物が挙げられる。
A−1) フェノールホルムアルデヒド樹脂(ノボラッ
ク樹脂、フェノール−フルフラール樹脂、レゾルシン−
ホルムアルデヒド樹脂、およびこれらの誘導体のスルホ
ン酸塩。
A−2) ビスフェノールAスルホン酸ソーダ、ビスフ
ェノールSスルホン酸ソーダのホルマリン縮合物。
A−3) ポリヒドロキシビニルピリジンのスルホン酸
塩。
A−4) クレオソート油硫酸化物のホルマリン縮合物
の塩、m−クレゾールメチレンスルホン酸−ホルマリン
縮合物、m−クレゾールベークライトメチレンスルホン
酸ソーダとシェファー酸とのホルマリン縮合物、2−
(2′−ヒドロキシフェニル)−2−(2′−ヒドロキ
シ)−スルホメチルプロパン塩のホルマリン縮合物等の
例を含めたアルキルフェノールおよびこの誘導体のスル
ホン化物のホルマリン縮合物の塩、またはフェノール類
およびフェノールカルボン酸のスルホン化物のホルマリ
ン縮合物の塩。フェノール類としては、フェノール、o
−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5
−キシレノール、カルバクロール、チモール、カテコー
ル、レゾルシン、ヒドロキノン、ピロガロール、フロロ
グルシンなどが挙げられる。
フェノールカルボン酸としてはサリチル酸、m−オキ
シ安息香酸、p−オキシ安息香酸、プロトカテチュ酸、
ゲンチシン酸、α−レゾルシル酸、β−レゾルシン酸、
γ−レゾルシル酸、オルセリン酸、カフェー酸、ウンベ
ル酸、没食子酸、3−オキシフタル酸などが挙げられ
る。
A−5) モノ又はポリヒドロキシナフタレンおよびこ
の誘導体のスルホン化物のホルマリン縮合物。
モノヒドロキシナフタレンとしてはα−ナフトールお
よびβ−ナフトールなどが挙げられる。ポリヒドロキシ
ナフタレンとしてはα−ナフトヒドロキノン(1,4−ジ
オキシナフタリン)、β−ナフトヒドロキノン(1,2−
ジオナフタリン)、ナフトピロガロール(1,2,3−トリ
オキシナフタリン)ナフトレジルシン(1,3−ジオキシ
ナフタリン)などが挙げられる。
A−6) フェニルフェノールスルホン酸塩のホルマリ
ン縮合物。
A−7) ジヒドロキシジフェニルスルホンのホルマリ
ン縮合物。
ビス(ヒドロキシフェニル)スルホン・ナフタリンス
ルホン酸塩のホルマリン縮合物、ビス(ヒドロキシジフ
ェニル)スルホンモノメチルスルホン酸塩のホルマリン
縮合物、ヒドロキシジフェニルスルホン・モノスルホン
酸塩のホルマリン縮合物。
A−8) リグニンスルホン酸またはリグニンスルホン
酸塩、これは、パルプ製造時に副生するパルプ廃液を種
々の方法で処理した化合物で、主成分はリグニンスルホ
ン酸塩またはリグニンスルホン酸である。
リグニンの化学構造はフェニルプロパン基を基本骨格
とし、これが3次元網目構造組織をとった化合物であ
る。
リグニンスルホン酸およびリグニンスルホン酸塩はパ
ルプメーカー各社から非常に数多くの商品が製造販売さ
れている。分子量も180〜100万にわたり、各種のスルホ
ン化度、各種の塩、化学変性したもの、重金属イオンを
調整したものなどバラエティーにとんでいる。これら各
種のリグニンスルホン酸およびその塩は全てが本発明の
目的に有効に作用するわけでなく、その効果はものによ
って大きなバラツキがある。本発明の目的の達成度は、
ある特定のリグニンスルホン酸およびその塩を用いたと
き最大となる。従って本発明に用いることができる好ま
しいリグニンスルホン酸およびその塩には制約がある。
即ち本発明には以下の1)〜2)の条件を全て満たすも
のが好ましい。
1) 分子量1000未満の低分子量成分および分子量50万
以上の高分子量成分が工業的に除去されたもの、または
分子量1000未満および50万以上の成分が非常に少ないも
ので分子量分布のピークを1000〜50万の間にもち、少な
くとも50%以上の成分がこの分子量領域に存在するも
の。
2) 酸化処理を施して人工的にカルボキシル基を増や
していないもの。
本発明に用いることができるリグニンスルホン酸塩の
塩の種類は特に制約がなく、Na塩、K塩、Ca塩、アンモ
ニウム塩、Cr塩、Fe塩、Al塩、Mn塩、Mg塩等いずれでも
本発明に使用できるが、上記1)〜3)の条件を満たす
ものが好ましい。
また、Fe、Cr、Mn、Mg、Zn、Alなどの重金属イオンを
キレートさせたリグニンスルホン酸およびリグニンスル
ホン酸塩も本発明に使用できるが上記1)〜2)の条件
を満たすものが好ましい。
更にナフタレンやフェノールなど他の有機化合物また
は有機高分子を付加したリグニンスルホン酸およびリグ
ニンスルホン酸塩も本発明に使用できるが上記1)〜
2)の条件を満たすものが好ましい。ところで、本発明
に使用できるリグニンスルホン酸およびその塩にはパル
プ製造時の不純物を含有していてもかまわないが、その
量は少なければ少ないほど好ましい。
A−9) ポリタンニン酸およびこの誘導体のスルホン
化物。
A−10) フミン酸またはニトロ化フミン酸およびこれ
らの誘導体またはこれらの塩のスルホン化物。
さらに本発明の水溶性または自己水分散性有機高分子
としては、次のB−1)〜B−3)の高分子が挙げられ
る。
B−1) 前述したA1)〜A−8)の水溶性または自己
水分散性有機高分子を母体に、下記のグループ(I)の
中から選ばれた1種以上の極性基を導入したアニオン
型、両性型の水溶性または自己水分散性有機高分子。
グループ(I)の極性基:第3級アミノ基、第4級ア
ンモニウム塩基、カルボキシル基、リン酸基、亜リン酸
基、ホスホン酸基、亜ホスホン酸基、ホスフィン酸基、
亜ホスフィン酸基をさす。
またはA−1,A−2,A−3,A−4,A−8,のそれぞれの有機
高分子のうち、スルホン化前の有機高分子を原料に、上
記のグループ(I)のなかからえらばれた1種以上の極
性基を導入したアニオン型、カチオン型、両性型の水溶
性または自己水分散性有機高分子。
または、A−4,A−5,A−6,A−7のホルマリン縮合物
のうち、スルホン基を含まない状態にしたものを原料に
して変成したもの。すなわち、 A−4′:フェノール、フェノールカルボン酸、または
アルキルフェノールおよびこれらの誘導体のホルマリン
縮合物。
A−5′:モノまたはポリヒドロキシナフタレンおよび
これら誘導体のホルマリン縮合物。
A−6′:フェニルフェノールのホルマリン縮合物。
A−7′:ジヒドロキシジフェニルのホルマリン縮合物
など これらA−4′〜A−7′の高分子を原料に、グルー
プ(I)の中から選ばれた1種以上の極性基を導入した
アニオン型、カチオン型、両性型の水溶性または自己水
分散性有機高分子。
B−2) フェニルホスホン酸およびこの誘導体とフェ
ノールおよびこの誘導体またはレゾルシンまたはこの誘
導体とのホルマリン縮合物のスルホン化物およびその
塩。
フェニルホスホン酸の誘導体としては、モノオクチル
フェニルホスホネート、ジフェニルホスホン酸、o−メ
チルハイドロゲンフェニルチオホスホン酸、ジフェニル
ホスヒン酸が挙げられる。
レゾルシンの誘導体としては2,6−ジヒドロキシアセ
トフェノン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、レゾ
ルシノールモノメチルエーテル、レゾルシノールモノヒ
ドロキシエチルエーテル、2−メチルレゾルシノール、
7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2−エチルレゾ
ルシノールなどが挙げられる。
フェノールの誘導体としてはA−4)に記載したフェ
ノール類、フェノールカルボン酸類およびアルキルフェ
ノール類全てが挙げられる。
B−3) フミン酸、ニトロフミン類およびこれらの塩
または上記フミン酸のアミノ化物 以上のA,Bそれぞれのグループ内から、あるいはA,B両
方のグループの中から、1種または2種以上を選び出し
て混合して用いることも可能である。有機高分子の塩の
種類はNa塩、Ca塩、NH4塩等何でもよく制約を受けな
い。
本発明に用いることのできる水溶性または自己水分散
性有機高分子はその重量平均分子量が1000〜100万の範
囲に、好ましくは1000〜50万の範囲に、最も好ましくは
2000〜10万の範囲に限定される。この理由は有機高分子
の分子量が本発明の効果に影響を与え、分子量が1000未
満の低分子体では大きな塗料密着効果が得られにくく、
反面分子量が100万を越える有機高分子では水溶液への
溶解性または分散性が悪くなると同時に本発明の効果も
得られにくくなるからである。
本発明の水溶性または自己水分散性有機高分子は、約
0.005から約20重量%の濃度の水溶液として用いること
ができ、より好ましくは0.01から5%の濃度の水溶液と
して用いることができる。
また、本発明の水溶性または自己水分散性有機高分子
はアルミニウム(アルミニウム合金を含む)、鋼、亜鉛
等の金属表面の処理に適用できるが、アルミニウムの表
面処理に適用した場合に特に高い効果を得ることができ
る。本発明において表面処理の方法としては浸漬法、ス
プレー法など一般公知の方法が用いられる。
本発明品を用いて処理した金属表面は、はけ塗り、ス
プレー塗り、静電塗装、浸し塗り、ローラー塗りなどの
通常の塗装方法により塗料を塗装することができる。
本発明による処理の結果、金属表面は従来にない高い
耐食性および高い塗料密着性を得ることができる。
〔実施例〕
以下実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
尚、以下の実施例で用いた水溶性および自己水分散性高
分子を表−1に、表面処理液および処理方法を表−2
に、塗料および塗装方法を表−3に示した。又、耐食性
および塗料密着性の評価は次に示す方法により行った。
<耐食性評価> I:JIS Z−2371に基づき塩水を噴霧し、塗膜クロスカッ
ト部のフクレ巾が発生するまでの時間で示す。
II:塗装後クロスカットを入れた調整片をJIS−2371に基
づいて5%塩化ナトリウム水溶液連続噴霧を行った後、
クロスカット部のテープ剥離試験を行い、カットライン
からの塗膜剥離幅(片幅)で示す。
評価基準 A…3週間の連続噴霧後で、1mm以内の剥離幅、クロス
カット周辺部に塗膜ふくれなし。
B…2週間連続噴霧後で、1mm以内の剥離幅、周辺部に
ふくれなし。
C…1週間連続噴霧後で、1mm以内の剥離幅、周辺部に
ふくれなし。
D…1週間の連続噴霧後で、1mmを超える剥離が認めら
れる。
E…1週間の連続噴霧後で、1mmを超える剥離が認めら
れ、周辺部にふくれも認められる。
<塗料密着性評価> I:ゴバン目試験 下地面に達するゴバン目を1mm間隔に100個描き、セロ
テープで剥離した時の塗膜残存数で示した。
II:エリクセン押出試験 下地面に達するゴバン目を1mm間隔で100個描いた後エ
リクセン押出加工を行い、引き続きセロテープ剥離試験
を行った際の塗膜残存率で示した。
評価基準 A…8mmの押出加工後のテープ剥離による剥離が全く認
められない。
B…7mmの押出加工後のテープ剥離による剥離が全く認
められない。
C…6mmの押出加工後のテープ剥離による剥離が全く認
められない。
D…5mmの押出加工後のテープ剥離による剥離が100/100
未満である。
実施例1 アルミニウム板A−3004板を酸性洗浄剤で脱脂後、表
−2に示すAあるいはBの処理液に表−1で示す水溶性
および自己水分散性高分子を添加した液で処理を行っ
た。さらに表−3に示すaあるいはbの方法で塗装を行
った。その結果を表−4に示す。
比較例1 表−2に示すAあるいはBの処理液に本発明品以外の
高分子を添加するかもしくは添加しないで処理を行った
点以外は、実施例−1と同様に処理した結果を表−4に
示す。
表−4は、本発明に係る水溶性または自己水分散性有
機高分子を用いてアルミニウム板に表面処理を行った皮
膜の耐食性、塗料密着性を比較品とともに示したもので
ある。
まず耐食性についてみるとAの処理液で処理を行った
場合(No.1〜23)もBの処理液で処理を行った場合(N
o.24〜34)のいずれもポリマー未添加(No.35、36)に
比べはるかに高い耐食性を示している。また、本発明品
以外のポリマーを添加した場合(No.37〜42、43〜45)
には、未添加と同等(No.37、39〜42、43〜45)もしく
はそれ以下の耐食性しか示していない。以上の点から本
発明品は耐食性の向上に大きな効果があることがわか
る。
次に塗料密着性についてみるとゴバン目試験の結果本
発明品(No.1〜34)は比較品(No.35〜45)に比べ高い
塗料密着性を示している。さらに、より条件の厳しいエ
リクセン押出試験においても同様の結果を示しているこ
とにより、本発明品が化成皮膜の塗料密着性を大幅に向
上させていることがわかる。
実施例2 溶融亜鉛メッキ板をアセトンで脱脂後、表−2に示す
CあるいはDの処理液に表−1で示す水溶性および自己
水分散性高分子を添加した液で処理を行った。さらに表
−3に示すcあるいはdの方法で塗装を行った。その結
果を表−5に示す。
比較例2 表−2に示すCあるいはDの処理液に本発明品以外の
高分子を添加するかもしくは添加しないで処理を行った
点以外は、実施例−2と同様に処理した結果を表−5に
示す。
表−5は、本発明に係る水溶性または自己水分散性有
機高分子を用いて亜鉛メッキ鋼板に表面処理を行った皮
膜の耐食性、塗料密着性を比較品とともに示したもので
ある。
まず耐食性についてみるとCの処理液で処理を行った
場合(No.1〜7)もDの処理液で処理を行った場合(N
o.8〜15)のいずれも比較品(No.16〜20)に比べ非常に
高い耐食性を示している。また比較品のうちNo.18、19
ではポリマーを添加することにより逆に耐食性が低下し
ている例もある。以上のことより本発明品は、亜鉛メッ
キ鋼板の耐食性向上に対しても大きな効果があることが
わかる。
次に塗料密着性についてみるとゴバン目試験の結果で
は本発明品と比較品の差は認められない。しかし、より
条件の厳しいエリクセン押出試験では本発明品が添加濃
度の少し低いもの(No.1)と少し高いもの(No.13)で
Bランクになるほかは、全て最高ランクAの結果を得て
いるのに対し、比較品(No.16〜20)では、塗料密着性
が著しく劣る結果となっている。このことより、塗料密
着性の点においても本発明品は大きな効果を有している
ことがわかる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 22/28 C09D 1/00 - 201/10 C09J 5/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量が1000〜100万の、ホルマ
    リン縮合物、ポリエステル系、ポリアミド系又はポリウ
    レタン系有機高分子から選ばれる縮合型高分子あるい
    は、変成した天然高分子であって、分子量500単位当た
    りに少なくとも1個以上の芳香環と平均1〜10個の水酸
    基(−OH)とを有し、かつ分子量500単位当たりに平均
    0.1〜4個のスルホン基(−SO3)、または、次のグルー
    プ(a)の極性基〔グループ(a): (Rは水素原子または炭化水素基、以下同じ)、 (R1,R2,R3は同種または異種であって、かつ直鎖または
    分岐鎖アルキル基またはヒドロキシアルキル基、または
    フェニル基、ベンジル基などの芳香族基、Xは対アニオ
    ン)、カルボキシ基(−COOH)〕の中から選ばれる1種
    以上の極性基を必須成分として平均0.1〜5個の範囲で
    有するアニオン性、カチオン性または両性の水溶性また
    は自己水分散性有機高分子からなる、金属表面への塗
    料、接着剤又はプラスチック塗布のたの前処理用添加
    剤。
  2. 【請求項2】水溶性または自己水分散性有機高分子にお
    いて水酸基の1部又は全てが置換基として直接芳香環に
    結合していることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の添加剤。
  3. 【請求項3】重量平均分子量が1000〜100万の縮合型高
    分子あるいは、変成した天然高分子であって、分子量50
    0単位当たりに少なくとも1個以上の芳香環と平均1〜1
    0個の水酸基(−OH)とを有し、かつ分子量500単位当た
    りに平均0.1〜4個のスルホン基(−SO3)、または、次
    のグループ(a)の極性基〔グループ(a): (Rは水素原子または炭化水素基、以下同じ)、 (R1,R2,R3は同種または異種であって、かつ直鎖または
    分岐鎖アルキル基またはヒドロキシアルキル基、または
    フェニル基、ベンジル基などの芳香族基、Xは対アニオ
    ン)、カルボキシル基(−COOH)〕の中から選ばれる1
    種以上の極性基を必須成分として平均0.1〜5個の範囲
    で有するアニオン性:カチオン性または両性の水溶性ま
    たは自己水分散性有機高分子の1種以上を必須成分とし
    て含有し、Zn,Ni,Co,Cr,Ti,Zr,Hf,Mn,Al,Ca,Mgから選ば
    れる金属イオンのうち1種以上を含有することを特徴と
    する、金属表面への塗料、接着剤又はプラスチック塗布
    のための前処理用水溶液。
  4. 【請求項4】水溶性または自己水分散性有機高分子にお
    いて水酸基の1部又は全てが置換基として直接芳香環に
    結合していることを特徴とする特許請求の範囲第3項記
    載の水溶液。
  5. 【請求項5】縮合型高分子が、ホルマリン縮合物、ポリ
    エステル系、ポリアミド系、又はポリウレタン系有機高
    分子である特許請求の範囲第3項または第4項記載の水
    溶液。
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