JP2622513B2 - フィン・チューブ熱交換器 - Google Patents

フィン・チューブ熱交換器

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JP2622513B2
JP2622513B2 JP8123412A JP12341296A JP2622513B2 JP 2622513 B2 JP2622513 B2 JP 2622513B2 JP 8123412 A JP8123412 A JP 8123412A JP 12341296 A JP12341296 A JP 12341296A JP 2622513 B2 JP2622513 B2 JP 2622513B2
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    • F28F1/32Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only outside the tubular element and extending transversely the means having portions engaging further tubular elements
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  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
  • Devices For Blowing Cold Air, Devices For Blowing Warm Air, And Means For Preventing Water Condensation In Air Conditioning Units (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフィン・チューブ熱
交換器に関するもので、特に、平板フィンの面上に各種
の切り起こし部を設けて熱交換効率を向上させた、フィ
ン・チューブ熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】空気調和装置などに用いられている従来
のフィン・チューブ熱交換器の一般的な構造を図4に示
す。互いに所定間隔をおいて平行に配置した複数枚の平
板フィン1と、各平板フィン1をフィン面に垂直に、順
次に貫通していくように設けた伝熱管2とから構成され
ている。流体が各平板フィン1の間を、フィン面に平行
に矢印方向に流動して、伝熱管2内の媒体と熱交換を行
うしくみになっている。
【0003】図5に示したように、従来のフィン・チュ
ーブ熱交換器の場合には、平板フィン1の表面近くに現
れる温度境界層3が、流体が流入して最初に到達する平
板フィン1の先端部から下流に行くにつれて厚くなる構
造となる。このため、平板フィン1の面を通して伝熱管
2内の媒体と流体との間で行われる熱交換に係る熱伝達
率は、平板フィン1の先端部から下流部分に行くに従っ
て著しく低下していく。このために交換熱量が制限さ
れ、熱交換効率の低下を招いていた。
【0004】また、図6に示すように、伝熱管2の周囲
においては、低速流体が伝熱管2に向かって矢印方向に
平行に流動していく場合、伝熱管2の軸を中心に上下約
70度から80度以上の角度方向に対しては熱伝達率が
低下する。すなわち、伝熱管2の後方に斜線で示す無効
空間4(死水領域、剥離域など)が生じる。このような
伝熱特性も熱交換効率の低下を招いていた。
【0005】平板フィン1の面上にスリット部を設けた
構造のフィン・チューブ熱交換器に、実開昭55−11
0995号公報に開示されているものがある。このフィ
ン・チューブ熱交換器に用いられている平板フィン1を
図7に示す。平板フィン1の面上、伝熱管2を設けてい
ない空いた領域に、スリット部5a、5b、5c、5
d、5e、5fが設けられている。スリット部5a、5
c、5e及びスリット部5b、5d、5fは、平板フィ
ン1の各面上の所定箇所を所定幅に山形に切り起こして
形成し、図8に示したように平板フィン1の片面とその
裏面に交互に突起するように設けられている。
【0006】上記のように、平板フィン1の面上に突起
したスリット部を設けることにより、平板フィン1表面
から離れて流動している流体との熱のやり取りを促進
し、従来からあるフィン・チューブ熱交換器の熱交換効
率を改善することができる。
【0007】しかし、熱伝達の行われる各部をさらに局
所的にみると、上流側に位置するスリット部5a、5b
の付近では温度境界層3が未発達であって伝熱特性は良
いが、下流側に位置するスリット部5c、5d、5e、
5fは、上流側に位置するスリット部5a、5bによっ
て形成され発達した温度境界層3の範囲内にあるため、
交換熱量の増加は十分でなく、上流側に位置するスリッ
ト部に比較して伝熱特性は良くない。
【0008】また、上記のように構成したスリット部に
よっては、伝熱管2の後方に生じる、伝熱特性の悪い無
効空間4を低減することはできず、この点からの熱交換
効率の改善は図られていない。
【0009】さらに、上記のような熱交換器の構成で
は、各平板フィン1の間を流動する流体は相互に混合さ
れずに、平板フィン1に挟まれた各スペースを独立に通
過して熱交換を行うため、平板フィン1表面に沿って温
度境界層が発達しやすく、このような平板フィン1表面
では熱伝達率が低下しがちであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の発明者は、上
記のような従来技術の考察の結果、従来のフィン・チュ
ーブ熱交換器の熱交換効率を効果的に向上させ、性能改
善を図るためには、以下の諸点に注意を払って従来の熱
交換器に改良を加えればいいと考えた。
【0011】発達した温度境界層3の存在下、特に層
流境界層の存在下では、交換熱量を効果的に増加させる
ことはできない。温度境界層3の発達を抑制する、流体
の流動を乱流化して乱流境界層への遷移を促進する、あ
るいは温度境界層3の範囲外で伝熱特性の向上を図るよ
うにする、等の工夫が必要である。
【0012】伝熱管2の後方に生じる無効空間4を低
減して、伝熱管2内の媒体と、伝熱管2の後方に位置す
る流体との間で行われ得る熱交換を有効に活用する。
【0013】平板フィンの面上に突起部等を配置し
て、流体を伝熱管2の後方に導くようにすれば、無効空
間4の低減を図ることができる。合わせてまた、突起部
の構造、配置などを工夫することにより、流体の混合と
拡散を誘導して、流動の乱流化を促すことができる。
【0014】例えば平板フィン1に適宜孔等を設ける
などして、流体が平板フィン1に沿って流動している途
中で、平板フィン1の裏面に侵入できるようにすれば、
発達した温度境界層3は孔部で寸断されるし、流体の流
動の乱流化も促進できる。
【0015】本発明の目的は、前記種々の課題を平板フ
ィン1表面の構造に改良を加えることによって解決し、
従来の熱交換器の熱交換効率を効果的に向上させて性能
改善を図ったフィン・チューブ熱交換器を提供すること
にある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、互いに所定間隔をおいて平行に配置した
複数枚の平板フィン1と、各平板フィン1を順次に貫通
していくように設けた伝熱管2とから構成され、各平板
フィン1の間に流体を流すことにより、流体と伝熱管2
内の媒体との間で熱交換が行われるようにしたフィン・
チューブ熱交換器において、伝熱管2の周囲に沿って流
体の流動を誘導する、突起したスリット部からなるスリ
ット形切り起こし群20を、平板フィン1の各面上、伝
熱管2の周囲に設けた。
【0017】またさらに、スリット形切り起こし群20
に加えて、平板フィン1の片面から裏面に流体の流動を
誘導する、開口を有する第1及び第2のルーバ形切り起
こし部30a、30bを、平板フィン1の各面上、伝熱
管2の上流側周辺部と下流側周辺部に各々設けた。
【0018】特に、前記のスリット形切り起こし群20
は、以下で紹介する実施例のように、平板フィン1の各
面上の所定箇所を所定幅に山形に切り起こして形成した
複数のスリット部から構成し、各スリット部は、伝熱管
2から離れた部分ほど厚みを大きくとり、各スリット部
の開口が一致して伝熱管2の円周方向を向いて、伝熱管
2を取り囲むように配置して構成することができる。
【0019】また特に、前記の第1及び第2のルーバ形
切り起こし部30a、30bは、以下で紹介する実施例
のように、流体の流動に対して90度未満の角度で突起
した突起部を有して流体に対して開口しているように形
成することができる。
【0020】上記のように構成した平板フィン1を図4
に例示した従来のフィン・チューブ熱交換器に用いれ
ば、前記のスリット形切り起こし群20、第1及び第2
のルーバ形切り起こし部30a、30bは、平板フィン
1の間を流動する流体に対してそれぞれ次のように作用
する。
【0021】すなわち、スリット形切り起こし群20に
よって、流体が伝熱管2の脇に流入していく際には、流
体の進行方向に対し平板フィン1面上でそれと直角方向
に隣合って並んで位置する、2つの伝熱管2に沿って流
入してきた流体は、2つの伝熱管2の脇の領域において
合流して相互に混合し合い、混合した流体が伝熱管2の
脇を離れて後方へ流出していく際には、流体は前記2つ
の伝熱管2の後方に回り込んで扇状に拡散して流出して
いくようになる。
【0022】また、第1のルーバ形切り起こし部30a
によって、伝熱管2に向かって流動してきた流体の一
部、すなわち、特に平板フィン1に隣接して温度境界層
3を形成していた流体部分が、ルーバ形切り起こし部3
0aを通過して、平板フィン1の裏面にその流動路を変
更するようになる。
【0023】さらに、第2のルーバ形切り起こし部30
bによって、スリット形切り起こし群20によって伝熱
管2の脇から伝熱管2の後方に誘導されて流出してきた
流体が、ルーバ形切り起こし部30bを通過して、平板
フィン1の裏面にその流動路を変更するようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例について、図
1、図2及び図3に基づいて説明する。本実施例では、
互いに所定間隔をおいて平行に配置した複数枚の平板フ
ィン1と、各平板フィン1を順次に貫通していくように
設けた伝熱管2とから構成され、各平板フィン1の間に
流体を流すことにより、流体と伝熱管2内の媒体との間
で熱交換が行われるようにした従来のフィン・チューブ
熱交換器に改良を加え、スリット形切り起こし群20と
第1及び第2のルーバ形切り起こし部30a、30b
を、平板フィン1表面上に次のように設けた。
【0025】スリット形切り起こし群20は、次の10
箇所のスリット部によって構成した。各スリット部は、
平板フィン1の面上の各部を図1に示したような配置
で、所定幅の基盤部21を間において山形に切り起こし
て形成した。各々のスリット部は、伝熱管2から離れた
部分ほど厚みを大きくとり、各スリット部の開口が一致
して伝熱管2の円周方向を向いて、伝熱管2を取り囲む
ように配置する。
【0026】伝熱管2の上流側周辺部に、伝熱管2を
中心に対称に、所定間隔をおいて各々配置した、第1及
び第2のスリット部6a、6b 伝熱管2の下流側周辺部に、伝熱管2を中心に対称
に、かつ、第1及び第2のスリット部6a、6bとも対
称に、所定間隔をおいて各々配置した、第3及び第4の
スリット部7a、7b 第1及び第2のスリット部6a、6bの下流側に、伝
熱管2を中心に対称に、所定間隔をおいて各々配置し
た、第5及び第6のスリット部8a、8b 第3及び第4のスリット部7a、7bの上流側に、伝
熱管2を中心に対称に、かつ、第5及び第6のスリット
部8a、8bとも対称に、所定間隔をおいて各々配置し
た、第7及び第8のスリット部9a、9b 第5及び第6のスリット部8a、8bと、第7及び第
8のスリット部9a、9bとの間で、流体の流動方向に
所定間隔をおいて各々配置した、第9及び第10のスリ
ット部10a、10b 第1ないし第8のスリット部6a、6b、7a、7b、
8a、8b、9a、9bは、伝熱管2の脇に流入してき
た流体を合流させ、また後方に扇状に発散させるのに適
するよう、伝熱管2を中心に周囲を取り囲んで行くよう
に相互に所定の角度を与えて配置し、各スリット部の各
開口が一致して伝熱管2の円周方向を向くようにする。
【0027】同じ理由で、第1のスリット部6aと第2
のスリット部6bとの間隔は、第5のスリット部8aと
第6のスリット部8bとの間隔よりも大きくなるように
各スリット部を配置する。第3のスリット部7aと第4
のスリット部7bとの間隔は、第7のスリット部9aと
第8のスリット部9bとの間隔よりも大きくなるように
各スリット部を配置する。さらに、第1ないし第4のス
リット部6a、6b、7a、7bは、第5ないし第8の
スリット部8a、8b、9a、9bよりも大きな厚みの
スリットとなるよう形成する。
【0028】また、各スリット部の突起は、第1、第
2、第7、第8及び第9の各スリット部6a、6b、9
a、9b、10aにおいては平板フィン1の同一の片面
に、第3、第4、第5、第6及び第10の各スリット部
7a、7b、8a、8b、10bにおいては平板フィン
1の前記片面の裏面に現れるように、平板フィン1を切
り起こす。このようにすれば、スリット形切り起こし群
20は、平板フィン1の片面とその裏面に交互に突起す
る各スリット部が順に並んだ、図2に示した構造のもの
となる。上記のように、所定幅の基盤部21を間にお
き、かつ、各スリット部が平板フィン1の両面に交互に
突起するように各スリット部を配置すれば、連続した温
度境界層を避けた、より効果的な熱伝達が行われる。
【0029】また、本実施例では、第1及び第2のルー
バ形切り起こし部30a、30bは、平板フィン1の面
上、伝熱管2の上流側周辺部と下流側周辺部の所定位置
に切込みを入れ、切込みの両端に所定角度のねじりを加
えて、平板フィン1の両面に突起するように形成する。
伝熱管2の上流側周辺部に位置する第1のルーバ形切り
起こし部30a、伝熱管2の下流側周辺部に位置する第
2のルーバ形切り起こし部30bともに、平板フィン1
の片面を流動する流体を裏面に導くよう、平板フィン
1、すなわち、流体の流動に対して90度未満の角度で
突起した突起部を有して、流体が流入し易い開口部とな
るように形成する。
【0030】
【発明の効果】本発明によるフィン・チューブ熱交換器
によれば、まず、スリット形切り起こし群20によっ
て、伝熱管2の脇の領域において、流入する流体の混合
と後方へ流出する流体の拡散が図られ、流体の乱流化に
よって熱伝達率が向上するとともに、伝熱管2の後方に
生ずる無効空間4を低減して、交換熱量を向上させるこ
とができる。
【0031】また、通常、平板フィン1または伝熱管2
から離れて流動する流体部分ほど交換熱量は小さいの
で、スリット形切り起こし群20を構成する各スリット
部を、伝熱管2から離れた部分ほど厚みを大きくとって
形成すれば、伝熱管2相互間の中央部付近を流動する交
換熱量の小さい流体部分を熱交換に有効に寄与させるこ
とができる。
【0032】また、第1のルーバ形切り起こし部30a
によれば、平板フィン1の面上に沿って発達してきた温
度境界層3を寸断できるし、流体の突起部への衝突や裏
面の流体との混合によって流動の乱流化も促進でき、熱
伝達率が向上して熱交換を有効に行わせることができ
る。
【0033】さらに、第2のルーバ形切り起こし部30
bによれば、伝熱管2の後方で、平板フィン1の裏面に
流体が侵入していくので、流体の乱流化を促進して無効
空間4を低減させることができ、通常は熱交換に十分に
寄与することのできない伝熱管2の後方領域を熱交換に
有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるフィン・チューブ熱交換器の平板
フィン面を示した平面図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】図2のC周囲部分の拡大図である。
【図4】従来のフィン・チューブ熱交換器を示した斜視
図である。
【図5】図4の平板フィン周囲に生じる温度境界層を説
明した図である。
【図6】図4の伝熱管周囲に生じる無効空間を説明した
図である。
【図7】従来の他のフィン・チューブ熱交換器に用いら
れる平板フィン面を示した平面図である。
【図8】図7のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 平板フィン 2 伝熱管 3 温度境界層 4 無効空間 5a、5b、5c、5d、5e、5f スリット部 6a、6b 第1、第2のスリット部 7a、7b 第3、第4のスリット部 8a、8b 第5、第6のスリット部 9a、9b 第7、第8のスリット部 10a、10b 第9、第10のスリット部 20 スリット形切り起こし群 21 基盤部 30a、30b 第1、第2のルーバ形切り起こし部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに所定間隔をおいて平行に配置した
    複数枚の平板フィン(1)と、前記の各平板フィン
    (1)を順次に貫通していくように設けた伝熱管(2)
    とから構成され、前記の各平板フィン(1)の間に流体
    を流すことにより、流体と前記伝熱管(2)内の媒体と
    の間で熱交換が行われるようにしたフィン・チューブ熱
    交換器において、前記伝熱管(2)の周囲に沿って流体
    の流動を誘導する、突起したスリット部からなるスリッ
    ト形切り起こし群(20)を、前記平板フィン(1)の
    各面上、前記伝熱管(2)の周囲に設けたこと、及び、
    前記平板フィン(1)の片面から裏面に流体の流動を誘
    導する、開口を有する第1及び第2のルーバ形切り起こ
    し部(30a、30b)を、前記平板フィン(1)の各
    面上、前記伝熱管(2)の上流側周辺部と下流側周辺部
    に各々設けたことを特徴とするフィン・チューブ熱交換
    器。
  2. 【請求項2】 前記スリット形切り起こし群(20)
    は、前記平板フィン(1)の各面上の所定箇所を、所定
    幅に山形に切り起こして形成した複数のスリット部から
    なり、前記の各スリット部は、前記伝熱管(2)から離
    れた部分ほど厚みを大きくとり、かつ、前記の各スリッ
    ト部の開口が一致して伝熱管2の円周方向を向いて、伝
    熱管(2)を取り囲むように配置していることを特徴と
    する、請求項1に記載のフィン・チューブ熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2のルーバ形切り起こし
    部(30a、30b)は、前記流体の流動に対して90
    度未満の角度で突起した突起部を有して前記流体に対し
    開口していることを特徴とする、請求項1または2に記
    載のフィン・チューブ熱交換器。
JP8123412A 1995-05-25 1996-05-17 フィン・チューブ熱交換器 Expired - Fee Related JP2622513B2 (ja)

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