JP2622366B2 - 転写シート及びその転写方法 - Google Patents

転写シート及びその転写方法

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JP2622366B2
JP2622366B2 JP7077605A JP7760595A JP2622366B2 JP 2622366 B2 JP2622366 B2 JP 2622366B2 JP 7077605 A JP7077605 A JP 7077605A JP 7760595 A JP7760595 A JP 7760595A JP 2622366 B2 JP2622366 B2 JP 2622366B2
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是彦 三森
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    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P5/00Other features in dyeing or printing textiles, or dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写シート及びその転
写方法に関し、詳しくは例えば紙に書いた文字や絵柄を
衣類などの布地に転写する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コピー機或いは写真製版等の
印刷技術を用いて、文字、図柄模様等の転写像を鏡面に
し、これを被着体に正転写する方法が知られている。ま
た他の従来技術として、例えば特開平6−72012号
公報には、離型シート上に積層した塩化ビニル樹脂フィ
ルム層上に文字や絵柄の転写像をコピー機により形成し
て転写シートを得、この転写シート上の転写像を金属箔
を利用して鏡面に形成し、さらに金属箔から被着体に正
転写する方法が開示されている。この金属箔は離型紙の
片面に金属蒸着層と透明樹脂層とを順次積層形成して構
成され、この金属箔の透明樹脂層に転写シートの転写像
が形成された面を当てて加熱することにより、転写像を
透明樹脂層に融着させ、その後、金属箔の離型紙を剥離
除去して、金属蒸着層をホットメルトシートを介して被
着体上に当て、転写シートの離型シート側から加熱する
ことにより、ホットメルトシートが溶融して転写像を金
属蒸着層及び塩化ビニル樹脂フィルム層と共に被着体上
に熱圧接着により転写し、その後離型シートを剥離除去
するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のよう
に、コピー機或いは写真製版等の技術を用いて、転写像
を鏡面にする方法では、コピー機或いは写真製版が必要
で、設備が嵩むという問題がある。また特開平6−72
012号公報に開示されている他の従来例では、コピー
機により転写シート上に形成した転写像を鏡面にするた
めに金属箔を使用する必要があり、またこの金属箔によ
って転写シート上の鏡面像を被着体上に正転写するので
あるが、この金属箔の作製に手間とコストがかかり、さ
らに転写時の接着剤として用いられるホットメルトシー
トは、加熱時の流動開始後の粘度変化が小さく、しかも
厚みがあるため、高温、長時間の加熱が必要となり、こ
のため危険を伴い、素人や子供による実施には適さない
ものであり、また加熱により被着体の基材を傷めてしま
うという問題がある。そのうえ転写像の裏面に金属蒸着
層が裏打ちされ、且つ転写像の表面は厚みのある塩化ビ
ニルフィルムで覆われているため、転写像を衣類などの
布に転写すれば製品布は柔軟性及び風合いが共に劣ると
いう問題もある。
【0004】本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、オリジナルな転写
像を織布、編物、不織布等の被着体上に機械を用いずに
正転写でき、しかも転写を低温、短時間で行なえると共
に、転写像の柔軟性及び風合いが共に優れている転写シ
ート及びその転写方法を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る転写シートは、離型性を有するシート
基材2上に厚さ50μ以下の第1のウレタンフィルム層
3と厚さ50μ以下の第2のウレタンフィルム層4とが
順次積層され、且つ第2のウレタンフィルム層4上に文
字、図柄模様等の転写像5が形成されたものであり、第
2のウレタンフィルム層4は第1のウレタンフィルム層
3から剥離可能とされると共に、転写像5が形成されて
いる側の面が第1のウレタンフィルム層3に向くように
第2のウレタンフィルム層4を反転して第1のウレタン
フィルム層3上に再積層可能とされていることに特徴を
有している。
【0006】また、本発明に係る転写シートの転写方法
にあっては、離型性を有するシート基材2上に厚さ50
μ以下の第1のウレタンフィルム層3と厚さ50μ以下
の第2のウレタンフィルム層4とを順次積層すると共
に、第2のウレタンフィルム層4上に文字、図柄模様等
の転写像5を形成して転写シート1を得る。次いで第2
のウレタンフィルム層4を第1のウレタンフィルム層3
から剥離して、転写像5が形成されている側の面が第1
のウレタンフィルム層3に向くように第2のウレタンフ
ィルム層4を反転して第1のウレタンフィルム層3上に
再積層し、その後第2のウレタンフィルム層4の転写像
5が形成されている側の面とは反対側の面を被着体9上
に当て、シート基材2側から熱圧を加えて前記転写像5
とこれを挟む第1のウレタンフィルム層3及び第2のウ
レタンフィルム層4とを被着体9上に熱圧接着により転
写した後に、シート基材2を除去することに特徴を有し
ている。
【0007】
【作用】しかして、請求項1の発明に係る転写シート
は、離型性を有するシート基材2上に厚さ50μ以下の
第1のウレタンフィルム層3と厚さ50μ以下の第2の
ウレタンフィルム層4とを順次積層すると共に、第2の
ウレタンフィルム層4上に文字、図柄模様等の転写像5
を形成し、第2のウレタンフィルム層4を第1のウレタ
ンフィルム層3から剥離可能とし且つ転写像5が形成さ
れている側の面が第1のウレタンフィルム層3に向くよ
うに第2のウレタンフィルム層4を反転して第1のウレ
タンフィルム層3上に再積層可能としたから、2つウレ
タンフィルム層3,4を剥離可能に積層するという簡単
な構成で、転写像5を鏡面に形成することができる。
【0008】また請求項3の発明に係る転写シートの転
写方法は、第2のウレタンフィルム層4を第1のウレタ
ンフィルム層3から剥離して、転写像5が形成されてい
る側の面が第1のウレタンフィルム層3に向くように第
2のウレタンフィルム層4を反転して第1のウレタンフ
ィルム層3上に再積層し、その後第2のウレタンフィル
ム層4の転写像5が形成されている側の面とは反対側の
面を被着体9上に当て、シート基材2側から熱圧を加え
て前記転写像5とこれを挟む第1のウレタンフィルム層
3及び第2のウレタンフィルム層4とを被着体9上に熱
圧接着により転写した後に、シート基材2を除去するも
のであるから、第2のウレタンフィルム層4を反転して
第1のウレタンフィルム層3上に再積層するだけで、オ
リジナルの転写像5をそのまま被着体9上に転写させる
ことができる。しかも、ウレタンは加熱時の流動開始後
の粘度変化が大きいので、アイロン等の加熱器を使用し
て低温、短時間で接着ができ、また加熱により被着体9
の基材を傷めてしまう心配もない。そのうえ、透明で薄
いウレタンフィルム層3,4間に転写像5を挟み込むこ
とにより、転写像5は柔軟性及び風合いが共に優れ、且
つ耐洗濯性のある製品が得られるものである。
【0009】また請求項2又は請求項4の発明は、請求
項1又は請求項3記載の第2のウレタンフィルム層4上
の転写像5を手で描写して形成したものであり、従っ
て、素人とか、或いは家庭、学校等で子供などがフェル
トペンやクレヨン、クレパス等で文字、絵柄、図柄模様
等を手で第2のウレタンフィルム層4上に描写し、第2
のウレタンフィルム層4を反転して第1のウレタンフィ
ルム層3上に再積層し、更に第2のウレタンフィルム層
4を被着体9上に反転して転写するだけで、手で描写し
た転写像5をそのまま被着体9上に正転写できるので、
コピー機や印刷機等を使用する必要がなく、子供や幼児
等であっても容易に実施ができる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)本実施例の転写シート1は、図2(a)に
示すように、離型紙やプラスチックシート、フィルム等
から成るシート基材2の表面に厚さ50μ以下の第1の
ウレタンフィルム層3と、接着剤層7と、片面が離型性
を有する離型シート6と、厚さ50μ以下の第2のウレ
タンフィルム層4とを順次積層し、図2(b)に示すよ
うに、第2のウレタンフィルム層4上に文字、図柄模様
等の転写像5を形成したものであり、この転写シート1
は、第2のウレタンフィルム層4を離型シート6と共に
第1のウレタンフィルム層3から剥離可能となってお
り、さらに転写像5が形成されている側の面が第1のウ
レタンフィルム層3に向くように第2のウレタンフィル
ム層4を反転して第1のウレタンフィルム層3上に再積
層可能となっている。
【0011】ここで、ウレタンフィルムは、ウレタン結
合−NHCOO−で連結したポリエステルを主鎖とし、
これを水、ジアミンなどの作用により、網状構造化させ
て得たフィルム状物をいい、本実施例では、溶融ウレタ
ンを冷却した層状物よりウレタンフィルム層3,4が構
成される。また、50μ以下の薄いウレタンフィルムを
用いることにより、転写像5の柔軟性及び風合いが共に
良好となり、従って、この転写像5を例えば衣類などの
布に熱圧接着すればその製品布は柔軟性及び風合いの点
で共に優れたものとなる。本実施例では厚さ10μ程度
のウレタンフィルムが使用される。また接着剤層7に
は、例えばウレタンフィルムと接着性のある水系接着剤
が用いられる。尚、水系接着剤に限定されるものではな
く、転写目的、性質、用途等に応じて適宜決められる。
また転写像5は、例えばマジックインキやサインペンと
称されるフェルトペン、油性又は半油性インク類、クレ
ヨン、クレパス等で書かれた文字や絵柄、図柄模様等で
構成される。
【0012】次に、転写シート1を製造する一例を説明
する。先ず、図2(a)に示すように、離型紙等から成
るシート基材2の表面に溶融ウレタンをコートする。コ
ートされた溶融ウレタンは冷却されて第1のウレタンフ
ィルム層3となる。このとき、ウレタンフィルム層3が
厚さ50μ以下(好ましくは10μ程度)となるように
溶融ウレタンを薄く且つ均一に塗布する。このウレタン
フィルム層3はシート基材2との間に生じる自己粘着力
によってシート基材2上に仮接着される。またウレタン
フィルム層3の自己粘着力は、剥離強度として15ミリ
巾につき30グラム以下が好ましい。次いで、第1のウ
レタンフィルム層3の上面に接着剤を塗布して接着剤層
7を形成し、さらに片面が離型性を有する離型シート6
を使用し、この離型シート6の離型性を有する片面が接
着剤層7に向くようにして離型シート6を接着剤層7の
上に積層し、この離型シート6の上面に溶融ウレタンを
コートする。コートされた溶融ウレタンは冷却されて第
2のウレタンフィルム層4となる。このとき、ウレタン
フィルム層4は厚さ50μ以下(好ましくは10μ程
度)となるように溶融ウレタンを薄く且つ均一に塗布す
る。このウレタンフィルム層4は離型シート6との間に
生じる自己粘着力によって離型シート6の上面に仮接着
される。
【0013】次に、図2(b)及び図3(a)に示すよ
うに第2のウレタンフィルム層4の上面に、フェルトペ
ンや油性又は半油性インク類、クレヨン、クレパス等を
用いて例えば個人のサインや、個人の絵、文字、文章、
漫画等のようなオリジナルな転写像5を自由に書いた
り、また色彩を施したりして転写シート1を得る。次
に、転写シート1を転写する場合は、図2(c)及び図
3(b)に示すように、第2のウレタンフィルム層4を
離型シート6と共に接着剤層7から引き剥がすと、離型
シート6の片面が接着剤層7から簡単に剥がれて、第2
のウレタンフィルム層4をシート基材2から簡単に分離
させることができる。次に図2(d)及び図3(c)に
示すように、転写像5が形成されている側の面が第1の
ウレタンフィルム層3に向くように第2のウレタンフィ
ルム層4を反転して第1のウレタンフィルム層3上に再
積層する。このとき、転写像5は鏡面となる。その後、
図3(d)に示すように離型シート6を引き剥がした後
に、図2(e)及び図3(e)に示すように、第2のウ
レタンフィルム層4の転写像5が形成されている側の面
とは反対側の面を被着体9の面、例えば衣類の布地に当
て、シート基材2の外面からアイロン等によって150
℃の熱圧を10秒加える。これにより、鏡面となった転
写像5が第1のウレタンフィルム層3及び第2のウレタ
ンフィルム層4と共に被着体9上に熱圧接着により正転
写される。その後図2(f)及び図3(f)に示すよう
に、シート基材2を第1のウレタンフィルム層3から引
き剥がすことにより、図1及び図3(g)に示すオリジ
ナルな転写像5が形成された製品布が得られる。
【0014】このようにして、第2のウレタンフィルム
層4を反転して第1のウレタンフィルム層3上に再積層
するという単純な操作で、任意の文字や絵柄等を被着体
9にそのまま転写してオリジナルな製品を簡単に作製で
きるものである。特に第2のウレタンフィルム層4上の
転写像5を手で描写して形成でき、しかも、第2のウレ
タンフィルム層4を反転して第1のウレタンフィルム層
3上に再積層することで転写像5が鏡面となり、さらに
この第2のウレタンフィルム層4を被着体9上に転写す
ることで、手で描写した転写像5がそのまま被着体9上
に正転写されることになるので、オリジナルな転写像5
が自由に且つ容易に得られ、実用価値が高められる。ま
た、転写時には従来のように離型紙上に金属蒸着層と透
明樹脂層とが順次積層形成されて構成される金属箔を別
途用いる必要がなく、しかも写真製版、パソコン等の機
、コピー機などを使用せずに転写像5を簡単に鏡面に
形成できるので、コストを大幅に削減できると共に、ウ
レタンフィルム層3,4は加熱時の流動開始後の粘度変
化が大きいので、130℃〜150℃の温度で、10秒
の熱圧で済み、低温、短時間での接着が可能となる。そ
のうえ、アイロン等の加熱器を使用して転写シート1上
の転写像5を被着体9上に簡単に且つ素早く転写させる
ことができるので、且つ被着体9の基材を傷める心配も
ない。従って、素人とか、家庭、学校、幼稚園等におい
て子供による転写シート1の作製及び転写作業が可能と
なり、教材として使用することもできる。しかも、透明
で薄いウレタンフィルム層3,4間に転写像5を挟み込
むことにより、転写像5は柔軟性及び風合いが共に優
れ、しかもウレタンフィルムは繊維等との密着性が良好
であるので耐洗濯性のある製品が得られる。さらに、ウ
レタンフィルムは熱圧接着性にも優れているので、織
布、編物、不織布、ウレタンフォーム等に利用できると
共に、無黄変タイプのウレタンを用いれば、経時による
変色がなく、耐候性が良好となり、そのうえ美術品、装
飾品、ディスプレー品の一部或いは全体として応用が可
能であり、商品価値が一層高められるという利点を有し
ている。
【0015】尚、本実施例では被着体9として衣類など
の布を例示したが、これに限定されるものではなく、例
えばTシャツ、エプロン、袋物、他各種の繊維製品に応
用でき、さらにプラスチック、ガラス、金属、ステンレ
ス、木等にも応用でき、また、平面形状に限らず、曲面
形状等も含まれるものである。また本実施例ではシート
基材2及び離型シート6上に溶融ウレタンを塗布し、冷
却して厚さ50μ以下のウレタンフィルム層3,4を夫
々形成する方法を説明したが、これに限定されるもので
はなく、例えば厚さ50μ以下(好ましくは10μ程
度)のウレタンフィルムをシート基材2及び離型シート
6上に夫々貼着するようにしてもよい。 (実施例2)本実施例の転写シート1′は、図4(a)
に示すように、離型性を有するシート基材2上に、表面
が平滑で厚さ30μ以下の無黄変タイプのウレタンフィ
ルム3′を積層し、図4(b)に示すように、ウレタン
フィルム3′上に、印刷機やコピー機等の機械を用いて
図柄模様等の転写像5を形成するようにしたものであ
る。
【0016】ここで、一般の黄変タイプのウレタンの一
例を以下の化1に示し、本実施例の無黄変タイプのウレ
タンの一例を化2、化3に示す。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】このように一般の黄変タイプのウレタンに
おいて、イソシアネートはMDIを使用しているため、
MDIのベンゼン環が紫外線により発色団を形成するこ
とになる。これに対して、本実施例の無黄変タイプのウ
レタンにおいては、イソシアネートはHDI、又はH−
MDIを使用しており、いずれも2重結合を持っていな
いので、変色し難いものである。また、黄変タイプのウ
レタンを無黄変タイプのウレタンにするための一方法と
して、黄変タイプのウレタンに紫外線吸収剤を添加す
る。この添加剤によりある程度変色を抑えることができ
る。
【0021】次に、転写シート1′を製造する一例を説
明する。先ず、図4(a)に示すように、離型紙などか
ら成るシート基材2の表面に厚さ30μ以下のウレタン
フィルム3′を貼着する。次いで、コピー機(モノクロ
又はカラーのいずれであってもよい。)の給紙部に上記
ウレタンフィルム3′が仮接着されたシート基材2をセ
ットすると共に、読取り部に例えば図5(a)に示す鳥
の図柄5′が描かれた原画Aをセットし、鏡面を得るよ
うにコピー機を操作して、ウレタンフィルム3′上に色
素を坦持した着色粒子からなるトナーを定着させる。こ
れにより、図4(b)及び図5(b)に示す鳥の図柄を
表す転写像5が原画Aの鏡面として形成された転写シー
ト1′を得ることができる。
【0022】次に、転写シート1′を転写する場合は、
図4(c)に示すように、転写シート1′上の転写像5
側の面が被着体9の面、例えば衣類の布地に向くように
して転写シート1′を布地に重ね、シート基材2の外面
からアイロン等によって130℃〜150℃の温度で、
10秒間熱圧を加えた後、シート基材2をウレタンフィ
ルム3′から引き剥がすことにより、図4(d)及び図
5(c)に示すように、転写像5を構成するトナーがウ
レタンフィルム3′と共に布地に熱圧接着により転写
し、鳥の図柄を表す製品布が得られる。
【0023】このように、一般印刷、モノクロ又はカラ
ーコピー等のコピー機を用いて転写シート1′を手間を
かけずに低コストで転写できると共に、この転写シート
1′を被着体9の面上、例えば織布、編物、不織布等の
面上に重ねて、極く簡単な操作で転写像5を転写でき
る。また、ウレタンフィルム3′上に転写像5をコピー
する際に、図柄模様等を鏡面像とすることで、被着体9
上に転写像5を正転写することができ、布地上にポジテ
ィブな文字や図柄模様を形成することができ、例えば百
科事典等の絵柄や図柄を布地などに転写することも可能
である。また、コピー機を使用せず、ウレタンフィルム
3′の表面に書くことができるフェルトペン、油性又は
半油性インク類、クレヨン、クレパス等の筆記用具を用
いて、個人のサインや、個人の絵、漫画等のようなオリ
ジナルな転写像5をウレタンフィルム3′上に書き、こ
のウレタンフィルム3′を被着体9上に転写させるよう
にすれば、手で描写された文字や図柄模様等のネガティ
な転写像5をそのまま布地上に形成することができ
る。また、別の紙に種々の筆記用具を用いて個人のサイ
ンや、個人の絵、漫画等のようなオリジナルな文字、図
柄等を書き、これをコピー機を用いてウレタンフィルム
3′上に鏡面コピーし、このウレタンフィルム3′上の
鏡面転写像5を被着体9、例えば布地上に転写させるよ
うにすれば、手で描写された文字や図柄模様等のポジテ
ィブな転写像5をそのまま布地上に形成することができ
る。従って、素人とか、或いは家庭、学校、幼稚園等で
子供による転写シート1′の作製及び転写作業が可能に
なり、教材として使用することもできる。
【0024】また、ウレタンは透湿性に優れている上
に、トナーとの密着性、繊維との密着性が共に良好であ
るという特性を有しているので、コピー性が良く、且つ
無黄変タイプなので、経時による変色もなく、耐候性が
良好となる。さらにウレタンは熱圧接着性にも優れてい
るので、織布、編物、不織布、ウレタンフォーム等に利
用でき、耐洗濯性(家庭用洗濯)が良好になる。また、
前記実施例と同様、ウレタンは加熱時の流動開始後の粘
度変化が大きいので、アイロン等の加熱器を使用して1
30℃〜150℃の温度で、10秒の熱圧で済み、低
温、短時間での接着が可能となり、転写シート1′上の
転写像5を被着体9上に簡単に且つ素早く転写させるこ
とができ、且つ被着体9の基材を傷める心配もない。
【0025】さらに、ウレタンフィルム3′は透明性に
優れているので、奇麗な転写像5が得られ、且つ、転写
後は例えば布地に残留した余白フィルム3aが目立ち難
くなり、また、アイロン掛けの際にアイロンが転写像5
から大きくはみ出さないようにすることで、図5(c)
のように転写像5の外側の不要なウレタンフィルム3a
が布地上に転写されるのを防止でき、転写像5の外側に
表れる余白フィルム3aをより目立ち難くできる。ま
た、厚さ30μ以下の薄いウレタンフィルム3′を使用
することによって、転写像5は柔軟性、風合いが共に優
れたものとなり、伸縮性も良好となり、衣服の装飾以外
に、他の美術品、装飾品、ディスプレー品の一部又は全
体としても最適に応用できる。
【0026】なお、図6(a)(b)のようにウレタン
フィルム3′上にポジティブな図柄模様等の転写像5を
コピーし、これを図6(c)のように布地等の被着体9
上に転写してネガティブな転写像5′(鏡面像)を得る
こともできる。また、コピー機以外に、例えばオフセッ
ト印刷やスクリーン印刷により油性インク又は半油性イ
ンク類で転写像5を形成することもできる。
【0027】
【発明の効果】上述のように請求項1の発明に係る転写
シートは、離型性を有するシート基材上に厚さ50μ以
下の第1のウレタンフィルム層と厚さ50μ以下の第2
のウレタンフィルム層とが順次積層され、且つ第2のウ
レタンフィルム層上に文字、図柄模様等の転写像が形成
されたものであり、第2のウレタンフィルム層は第1の
ウレタンフィルム層から剥離可能とされると共に、転写
像が形成されている側の面が第1のウレタンフィルム層
に向くように第2のウレタンフィルム層を反転して第1
のウレタンフィルム層上に再積層可能とされているか
ら、2つウレタンフィルム層を剥離可能に積層するとい
う簡単な構成で、第2のウレタンフィルム層上に形成さ
れた転写像を鏡面に形成することができ、従来のように
金属箔を用いて鏡面を形成する場合と比較して、転写シ
ートの製造が容易となり、コストダウンを図ることがで
きる。
【0028】また請求項3の発明に係る転写シートの転
写方法は、離型性を有するシート基材上に厚さ50μ以
下の第1のウレタンフィルム層と厚さ50μ以下の第2
のウレタンフィルム層とを順次積層すると共に、第2の
ウレタンフィルム層上に文字、図柄模様等の転写像を形
成して転写シートを得、次いで第2のウレタンフィルム
層を第1のウレタンフィルム層から剥離して、転写像が
形成されている側の面が第1のウレタンフィルム層に向
くように第2のウレタンフィルム層を反転して第1のウ
レタンフィルム層上に再積層し、その後第2のウレタン
フィルム層の転写像が形成されている側の面とは反対側
の面を被着体上に当て、シート基材側から熱圧を加えて
前記転写像とこれを挟む第1のウレタンフィルム層及び
第2のウレタンフィルム層とを被着体上に熱圧接着によ
り転写した後に、シート基材を除去するものであるか
ら、第2のウレタンフィルム層を反転して第1のウレタ
ンフィルム層上に再積層するという単純な操作で、任意
の文字や絵柄等を被着体にそのまま正転写してオリジナ
ルな製品を簡単に作製することができる。しかも、ウレ
タンは加熱時の流動開始後の粘度変化が大きいので、低
温、短時間で接着が可能であり、従って、アイロン等の
加熱器を使用して転写シート上の転写像を被着体上に簡
単に且つ素早く転写させることができ、また加熱により
被着体の基材を傷めてしまう心配もない。さらに、透明
で薄いウレタンフィルムを用いることにより、転写像は
柔軟性及び風合いが共に優れ、且つ耐洗濯性のある製品
が得られるという効果を奏する。
【0029】また請求項2又は請求項4の発明は、請求
項1又は請求項3記載の第2のウレタンフィルム層上の
転写像を手で描写して形成したものであり、従って、素
人とか、或いは家庭、学校等で子供などがフェルトペン
やクレヨン、クレパス等で文字、絵柄、図柄模様等を手
で第2のウレタンフィルム層上に描写し、この第2のウ
レタンフィルム層を反転して第1のウレタンフィルム層
上に再積層して転写像を鏡面にし、更に第2のウレタン
フィルム層を被着体上に反転して転写することにより、
手で描写した転写像をそのまま被着体上に正転写でき
る。従って、コピー機や印刷機等を使用する必要がない
ので、子供や幼児等であっても容易に転写を行なうこと
ができ、情操教育上好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の転写像が転写された被着体
の断面図である。
【図2】(a)は転写像を形成する前の断面図、(b)
は転写像を形成した後の断面図、(c)〜(f)は転写
動作を説明する断面図である。
【図3】(a)〜(g)は同上の転写動作の説明図であ
る。
【図4】(a)(b)は本発明の他の実施例の転写シー
トの製造過程を示す断面図、(c)(d)は転写シート
の転写動作を説明する断面図である。
【図5】(a)は同上の原画の正面図、(b)は原画の
鏡面像が形成された転写シートの一部破断正面図、
(c)は転写像が正転写された被着体の正面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例を示し、(a)は原
画の正面図、(b)は原画が転写された転写シートの一
部破断正面図、(c)は原画の鏡面像が転写された被着
体の正面図である。
【符号の説明】
1 転写シート 2 シート基材 3 第1のウレタンフィルム層 4 第2のウレタンフィルム層 5 転写像 9 被着体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性を有するシート基材上に厚さ50
    μ以下の第1のウレタンフィルム層と厚さ50μ以下の
    第2のウレタンフィルム層とが順次積層され、且つ第2
    のウレタンフィルム層上に文字、図柄模様等の転写像が
    形成され、第2のウレタンフィルム層は第1のウレタン
    フィルム層から剥離可能とされると共に、転写像が形成
    されている側の面が第1のウレタンフィルム層に向くよ
    うに第2のウレタンフィルム層を反転して第1のウレタ
    ンフィルム層上に再積層可能とされて成ることを特徴と
    する転写シート。
  2. 【請求項2】 第2のウレタンフィルム層上の転写像が
    手で描写して形成されて成ることを特徴とする請求項1
    記載の転写シート。
  3. 【請求項3】 離型性を有するシート基材上に厚さ50
    μ以下の第1のウレタンフィルム層と厚さ50μ以下の
    第2のウレタンフィルム層とを順次積層すると共に、第
    2のウレタンフィルム層上に文字、図柄模様等の転写像
    を形成して転写シートを得、次いで第2のウレタンフィ
    ルム層を第1のウレタンフィルム層から剥離して、転写
    像が形成されている側の面が第1のウレタンフィルム層
    に向くように第2のウレタンフィルム層を反転して第1
    のウレタンフィルム層上に再積層し、その後第2のウレ
    タンフィルム層の転写像が形成されている側の面とは反
    対側の面を被着体上に当て、シート基材側から熱圧を加
    えて前記転写像とこれを挟む第1のウレタンフィルム層
    及び第2のウレタンフィルム層とを被着体上に熱圧接着
    により転写した後に、シート基材を除去することを特徴
    とする転写シートの転写方法。
  4. 【請求項4】 第2のウレタンフィルム層上に転写像を
    手で描写して形成することを特徴とする請求項3記載の
    転写シートの転写方法。
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