JP2783526B2 - 転写シート及びその転写方法 - Google Patents

転写シート及びその転写方法

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JP2783526B2
JP2783526B2 JP7344097A JP34409795A JP2783526B2 JP 2783526 B2 JP2783526 B2 JP 2783526B2 JP 7344097 A JP7344097 A JP 7344097A JP 34409795 A JP34409795 A JP 34409795A JP 2783526 B2 JP2783526 B2 JP 2783526B2
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sheet
hydrophilic
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匡朗 加藤
是彦 三森
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OOBITSUTO SHOJI KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写シート及びそ
の転写方法に関し、詳しくは例えばインクジェットプリ
ンターで印刷した転写像を衣類などの布地に転写する技
術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、写真製版の印刷技術を用い
て、装飾文字とか図形、記号、絵柄模様等を被着体上に
直接印刷する方法が行なわれているが、この方法では写
真製版の技術及び大掛りな機械が必要となり、設備費が
嵩む欠点がある。そこで、他の従来技術として、例えば
特開平6−72012号公報には、離型シート上に積層
した塩化ビニル樹脂フィルム層上に文字や絵柄の転写像
をコピー機等で形成して転写シートを得、この転写シー
ト上の転写像を金属箔を利用して鏡面に形成し、さらに
金属箔から被着体に正転写する方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近ではパ
ソコンで入力した文字、図形、写真、CG画像をインク
ジェットプリンターで各種フィルム上に水性カラーイン
クを用いてカラー印刷する方法が一般に普及している
が、被印刷物となるフィルムは親水性を有すると共に、
透明性に優れ、更にべとつき感のない素材のものが好適
に用いられる。
【0004】しかしながら、従来の離型シート上に塩化
ビニル樹脂フィルム層を積層して構成される転写シート
をインクジェットプリンターの被印刷物として用いる場
合、塩化ビニルは撥水性(疎水性)を有するために、油
性又は半油性インクには適しているが、水性インクは弾
いてしまい、水性インクによる被印刷物として用いるこ
とができなかった。尚、塩化ビニルに代えて例えばアク
リル樹脂のような親水性の樹脂を用いることも考えられ
るが、この場合、水性インクによる印刷は可能となる
が、その反面、アクリル樹脂のような親水性の樹脂を衣
類などの被着体上に転写した場合、洗濯とか汗の吸収な
どによって親水性の樹脂層が衣類から剥がれたり、また
転写された水性インクが滲んだりするなど、耐水性に劣
るという問題がある。
【0005】本発明は、上記点に鑑みてなされたもの
で、水性インクによる印刷適性が良好であり、しかも被
着体への転写後は耐水性に優れたものとすることができ
る転写シート及びその転写方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明に係る転写シートは、離型性を有す
るシート基材2上に、上下2層の疎水性の樹脂層3,4
が積層されると共に、上側の疎水性の樹脂層4の表面に
親水性の樹脂層5が積層され、該親水性の樹脂層5の表
面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像6が水性
インクで形成され、上側の疎水性の樹脂層4は下側の疎
水性の樹脂層3から剥離可能とされ、且つ転写像6が形
成されている側の面が下側の疎水性の樹脂層3に向くよ
うに親水性の樹脂層5と上側の疎水性の樹脂層4とを反
転して下側の疎水性の樹脂層3上に再積層可能とされて
成ることを特徴としており、このように構成すること
で、転写像6の形成時には親水性の樹脂層5の表面への
水性インクによる印刷を良好に行なうことができ、且
つ、被着体7への転写後には該親水性の樹脂層5を挟む
疎水性の樹脂層3,4によって耐水性に優れたものとな
る。
【0007】また請求項2の発明に係る転写シートは、
離型性を有するシート基材2上に第1の疎水性の樹脂層
3が積層されて第1の転写ブロック50が構成され、別
の離型紙2′上に第2の疎水性の樹脂層4と親水性の樹
脂層5とが順に積層され、該親水性の樹脂層5の表面に
文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像6が水性イン
クで形成されて第2の転写ブロック60が構成され、第
1の転写ブロック50と第2の転写ブロック60とから
成ることを特徴としており、このように転写シートを第
1の転写ブロック50と第2の転写ブロック60とに分
けることによって、転写像6が形成される第2の転写ブ
ロック60の厚みを薄くできるので、印刷が容易とな
り、しかも第2の転写ブロック60はカール状に曲がり
難くなる。さらに、第1の転写ブロック50と第2の転
写ブロック60を色分けしたり、或いは表面或いは裏面
に例えば使用説明の文字とか図形などを印刷したりする
ことで、転写手順のミスをなくして転写の簡素化を図る
ことが可能となる。
【0008】ここで、第1の転写ブロック50と第2の
転写ブロック60で構成された転写シートの使用の一例
として、例えば第2の転写ブロック60の転写像6が形
成されている側の面が第1の転写ブロック50の第1の
疎水性の樹脂層3に向くように第1の転写ブロック50
と第2の転写ブロック60とを積層して使用できるもの
である。
【0009】また請求項3の発明に係る転写シートは、
離型性を有するシート基材2上に、親水基が導入された
疎水性の樹脂層30が積層されると共に、疎水性の樹脂
層30の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写
像6が水性インクで形成され、疎水性の樹脂層30はシ
ート基材2から剥離可能とされ、且つ転写像6が形成さ
れている側の面がシート基材2に向くように疎水性の樹
脂層30を反転してシート基材2上に再積層可能とされ
て成ることを特徴としており、このように構成すること
で、親水基が導入された疎水性の樹脂層30は親水性と
疎水性の両方を兼ね備えるようになり、従って、転写像
6の形成時には水性インクによる印刷に適し、且つ、被
着体7への転写後は耐水性に優れたものとなる。
【0010】また請求項4の発明に係る転写シートは、
請求項4の親水基が導入された疎水性の樹脂層30が上
下2層の疎水性の樹脂層30a,30bから成り、転写
像6が形成される上側の疎水性の樹脂層30bが下側の
疎水性の樹脂層30aから剥離可能とされ、且つ下側の
疎水性の樹脂層30aをシート基材2上に残した状態で
上側の疎水性の樹脂層30bのみが反転可能とされて成
ることを特徴としており、この場合、親水基が導入され
た疎水性の樹脂層30a,30bは親水性と疎水性の両
方を兼ね備えることにより、転写像6の形成時には水性
インクによる印刷に適し、尚且つ、被着体7への転写後
は転写像6を挟む上下2層の疎水性の樹脂層30a,3
0bによって耐水性に一層優れたものとなる。
【0011】請求項5の発明に係る転写シートは、請求
項1〜4のいずれかに記載の転写像6が、インクジェッ
トプリンターAにより水性インクにて印刷されて成るこ
とを特徴としており、この場合、親水性の樹脂層5の表
面又は親水基が導入された疎水性の樹脂層30の表面へ
のインクジェットプリンターAによるきめ細かな水性印
刷が可能となる。
【0012】請求項6の発明に係る転写方法は、離型性
を有するシート基材2上に、上下2層の疎水性の樹脂層
3,4と親水性の樹脂層5とを順次積層し、該親水性の
樹脂層5の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転
写像6を水性インクで形成して転写シート1を得、次い
で転写像6が形成された親水性の樹脂層5と上側の疎水
性の樹脂層4とを下側の疎水性の樹脂層3から剥離し
て、転写像6が形成されている側の面が下側の疎水性の
樹脂層3に向くように親水性の樹脂層5と上側の疎水性
の樹脂層4とを反転して下側の疎水性の樹脂層3上に再
積層し、その後、上側の疎水性の樹脂層4の親水性の樹
脂層5側の面とは反対側の面を被着体7上に当て、シー
ト基材2側から熱圧を加えて転写像6が形成された親水
性の樹脂層5とこれを挟む上下2層の疎水性の樹脂層
3,4とを被着体7上に熱圧接着により転写させた後
に、シート基材2を除去することを特徴としており、こ
の方法によれば、親水性の樹脂層5に形成された転写像
6を被着体7上にポジティブな転写像6として簡単に且
つ素早く正転写することができる。
【0013】請求項7の発明に係る転写方法は、離型性
を有するシート基材2上に第1の疎水性の樹脂層3を積
層して第1の転写ブロック50を得、別の離型紙2′上
に第2の疎水性の樹脂層4と親水性の樹脂層5とを順に
積層し、該親水性の樹脂層5の表面に文字とか図形、記
号、絵柄模様等の転写像6を水性インクで形成して第2
の転写ブロック60を得、第2の転写ブロック60の離
型紙2′を除去した後に、第2の転写ブロック60の転
写像6が形成されている側の面が第1の転写ブロック5
0の第1の疎水性の樹脂層3に向くように第1の転写ブ
ロック50と第2の転写ブロック60とを積層し、その
後、第2の転写ブロック60の第2の疎水性の樹脂層4
の親水性の樹脂層5側の面とは反対側の面を被着体7上
に当て、第1の転写ブロック50のシート基材2側から
熱圧を加えて転写像6が形成された親水性の樹脂層5と
これを挟む第1及び第2の疎水性の樹脂層3,4とを被
着体7上に熱圧接着により転写させた後に、シート基材
2を除去することを特徴としており、この方法によれ
ば、2つに分けられた第1の転写ブロック50と第2の
転写ブロック60とを積層した後に被着体7に転写する
だけで、親水性の樹脂層5に形成された転写像6を被着
体7上にポジティブな転写像6として簡単に且つ素早く
正転写することができる。しかも、転写シートを2つの
転写ブロックとに分けることによって、転写像6が形成
される第2の転写ブロック60の厚みを薄くして、印刷
を容易に行うことができると共に、第2の転写ブロック
60がカール状に曲がり難くなり、さらに第1の転写ブ
ロック50と第2の転写ブロック60を色分けしたり、
或いは表面或いは裏面に例えば使用説明の文字とか図形
などを印刷したりすることで、転写手順のミスをなくし
て転写の簡素化を図ることができる。
【0014】請求項8の発明に係る転写方法は、離型性
を有するシート基材2上に、親水基が導入された疎水性
の樹脂層30を積層し、該疎水性の樹脂層30の表面に
文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像6を水性イン
クで形成して転写シート1′を得、次いで転写像6が形
成された疎水性の樹脂層30をシート基材2から剥離し
て、転写像6が形成されている側の面がシート基材2に
向くように疎水性の樹脂層30を反転してシート基材2
上に再積層し、その後、疎水性の樹脂層30の転写像6
が形成されている側の面とは反対側の面を被着体7上に
当て、シート基材2側から熱圧を加えて転写像6が形成
された疎水性の樹脂層30を被着体7上に熱圧接着によ
り転写させた後に、シート基材2を除去することを特徴
としており、この方法によれば、親水基が導入された疎
水性の樹脂層30上に形成した転写像6を被着体7上に
ポジティブな転写像6として簡単に且つ素早く正転写す
ることができる。
【0015】請求項9の発明に係る転写方法は、離型性
を有するシート基材2上に、親水基が導入された疎水性
の樹脂層30a,3を上下2層に積層し、上側の疎水性
の樹脂層30bの表面に文字とか図形、記号、絵柄模様
等の転写像6を水性インクで形成して転写シート1″を
得、次いで転写像6が形成された上側の疎水性の樹脂層
30bを下側の疎水性の樹脂層30aから剥離し、下側
の疎水性の樹脂層30a,30bをシート基材2上に残
した状態で上側の疎水性の樹脂層30bを反転して下側
の疎水性の樹脂層30a上に再積層し、その後、上側の
疎水性の樹脂層30bの転写像6が形成されている側の
面とは反対側の面を被着体7上に当て、シート基材2側
から熱圧を加えて転写像6とこれを挟む上下2層の疎水
性の樹脂層30a,30bを被着体7上に熱圧接着によ
り転写させた後に、シート基材2を除去することを特徴
としており、この方法によれば、親水基が導入された上
下2層の疎水性の樹脂層30a,30b間に形成した転
写像6を被着体7上にポジティブな転写像6として簡単
に且つ素早く正転写することができる。
【0016】請求項10の発明に係る転写方法は、請求
項6〜9のいずれかに記載の転写像をインクジェットプ
リンターにより水性インクにて印刷することを特徴とし
ており、この場合、親水性の樹脂層5の表面又は親水基
が導入された疎水性の樹脂層30の表面へのインクジェ
ットプリンターAによるきめ細かな水性印刷が可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の一例
を説明する。本実施形態の転写シート1は、図2(a)
に示すように、離型紙やプラスチックシート、プラスチ
ックフィルム等からなるシート基材2上に、下側の疎水
性の樹脂層3と接着剤層8と離型シート9と上側の疎水
性の樹脂層4と親水性の樹脂層5とを順次積層し、この
親水性の樹脂層5の表面に、文字とか図形、記号、絵柄
模様等の転写像6を水性インクで描写して構成されてい
る。この転写シート1は、上側の疎水性の樹脂層4が下
側の疎水性の樹脂層3から剥離可能となっており、さら
に転写像6が形成されている側の面が下側の疎水性の樹
脂層3に向くように親水性の樹脂層5と上側の疎水性の
樹脂層4とを反転して下側の疎水性の樹脂層3上に再積
層可能となっている。
【0018】ここで、疎水性の樹脂3,4としては、ウ
レタン、或いはナイロン、EVA樹脂、塩化ビニル、ポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ケイ素樹
脂等が用いられる。本実施形態では透明性に優れ、且つ
べとつき感のないウレタンフィルムを用いた場合を説明
する。このウレタンフィルムは、ウレタン結合−NHC
OO−で連結したポリエステルを主鎖とし、これを水、
ジアミンなどの作用により、網状構造化させて得たフィ
ルム状物をいい、例えば溶融ウレタンを冷却した層状物
よりウレタンフィルムを形成したものを用いる。また、
ウレタンフィルムの厚みは50μ以下、好ましくは10
μ以下に設定され、これにより転写像6を衣類などの布
に熱圧接着したときに柔軟性及び風合いの点で共に優れ
たものとなる。またウレタンフィルムは熱圧接着性にも
優れているので、織布、編物、不織布、ウレタンフォー
ム等にも最適に利用でき、さらに無黄変タイプのウレタ
ンを用いるようにすれば、経時による変色がなく、耐候
性も良好となる。
【0019】一方、親水性の樹脂5としては、ポリアク
リル酸エステルのようなアクリル樹脂、或いはその他親
水基(−SO3 H,−SO3 M,−OSO3 H,−OS
3M,−COOM,−NR3 X、−COOH,−NH
2 ,−CN,−OH,−NHCONH2 ,−(OCH2
CH2 n −,−CH2 OCH3 ,−OCH3 ,COO
CH3 ,−CS)を持った樹脂が用いられる。ここで
R:アルキル基、Mアルカリ金属または−NH4 、X:
ハロゲンである。また前記親水基の縮合によって生じる
基(−SO3 NH2 CO−,−NSO3 H−、リン酸塩
基)、さらにオキシエチレン基[−(CH2 CH2 O)
n −]のようにnを変えることにより親水性を自由に調
節できるものが用いられる。本実施形態では親水性の樹
脂層5としてアクリル樹脂フィルムを用い、このアクリ
ル樹脂フィルムの表面にインクジェットプリンターAに
より水性インクにて転写像6を印刷する場合を例示す
る。
【0020】ここで、一般的なインクジェットプリンタ
ーAの原理を図4に示す。このインクジェットプリンタ
ーAは、帯電偏向タイプのものであり、インク溜め17
からノズル11に供給される水性インク18をピエゾ素
子12の作用で水性インク粒子10としてノズル11か
ら噴出させるものであり、印刷すべき文字等をドットマ
トリックスに画素分割すると共に、それぞれの画素が持
つ位置情報に比例した電圧で各水性インク粒子10を帯
電電極13によって帯電させるようにしてある。各水性
インク粒子10は偏向電極14間を通過する際に帯電量
に応じて偏向を受けてプリント配線板などの被印刷物1
の表面に到達し、所定の文字等で印刷を行なうことがで
きる。図中の16は被印刷物1の存在を検出するセンサ
ーである。なお印刷に用いられない水性インク粒子10
は帯電電極13で帯電されず、直進してガター15に捕
らえられてインク溜め17に回収されるものである。
【0021】次に、転写シート1の製造方法の一例を図
2及び図3を参照して説明する。先ず、離型紙等から成
るシート基材2の表面に溶融ウレタンを薄く(例えば5
0μm以下、好ましくは10μm以下)且つ均一に塗布
する。この溶融ウレタンは冷却されてウレタンフィルム
層となり、これが下側の疎水性の樹脂層3となる。この
疎水性の樹脂層3はシート基材2との間に生じる自己粘
着力によってシート基材2上に仮接着される。次いで、
下側の疎水性の樹脂層3の表面にウレタンフィルムと接
着性のある水系接着剤を塗布して接着剤層8を形成し、
さらに片面が離型性を有する離型シート9の片面を接着
剤層8に向けるようにして接着剤層8上に離型シート9
を積層した後、離型シート9の表面に溶融ウレタンを薄
く(例えば50μm以下、好ましくは10μm以下)且
つ均一に塗布する。この溶融ウレタンは冷却されてウレ
タンフィルム層となり、これが上側の疎水性の樹脂層4
となる。この疎水性の樹脂層4は離型シート9との間に
生じる自己粘着力によって離型シート9の上面に仮接着
される。さらに上側の疎水性の樹脂層4の表面に、アク
リル樹脂フィルム層をコートする。このアクリル樹脂フ
ィルムが親水性の樹脂層5となり、転写像6が形成され
る被印刷面となる。つまりインクジェットプリンターA
の給紙部にアクリル樹脂フィルムから成る親水性の樹脂
層5を印刷面にしてセットし、パソコンで入力した文
字、図形、写真、CG画像等を水性インク粒子で親水性
の樹脂層5上に吹きつけて転写像6を水性インクでカラ
ー(或いはモノクロ)印刷することにより、図2(a)
及び図3(a)に示す転写シート1が得られる。
【0022】次に、転写シート1上に形成された転写像
6を衣類などの被着体7上に転写する方法の一例を説明
する。先ず、図2(b)及び図3(b)のように離型シ
ート9を接着剤層8から剥がして、転写像6が形成され
ている親水性の樹脂層5と上側の疎水性の樹脂層4とを
離型シート9と共に下側の疎水性の樹脂層3から分離
し、次いで図2(c)及び図3(c)のように転写像6
が形成されている側の面が疎水性の樹脂層3に向くよう
に親水性の樹脂層5と疎水性の樹脂層4とを反転して接
着剤層8上に再積層する。このとき、転写像6はネガテ
ィブな鏡面像となる。その後、図3(d)のように離型
シート9を剥離し、図2(d)及び図3(e)のように
上側の疎水性の樹脂層4の離型シート9が仮接着されて
いた側の面(親水性の樹脂層5側の面とは反対側の面)
を被着体7である衣類の布地に当て、シート基材2の外
面からアイロン等によって所定の熱圧を加えることによ
り、転写像6が形成されている親水性の樹脂層5とこれ
を挟む上下の疎水性の樹脂層3,4が被着体7上に熱圧
接着される。その後、図3(f)のようにシート基材2
を引き剥がすと、図1及び図3(g)に示すポジティブ
な転写像6が転写された製品布が得られる。
【0023】しかして、親水性の樹脂層5の表面にイン
クジェットプリンターAを用いて水性インクで転写像6
を印刷するので、水性インクが親水性の樹脂層5の表面
に吸収され易く、きめ細かな水性カラー(或いはモノク
ロ)印刷が可能となる一方で、転写後は、転写像6が形
成された親水性の樹脂層5が上下2層の疎水性の樹脂層
3,4によって覆われるので、洗濯とか汗の吸収に対し
ても強く、転写された水性インクが滲んだり、消えたり
する心配がなく、耐水性に優れたものとなる。また、親
水性の樹脂層5に形成されている転写像6を被着体7上
にポジティブな転写像として簡単に転写することができ
るので、素人とか、子供でも容易に実施できるようにな
り、例えば家庭、学校、幼稚園等において教材として最
適に使用することができる。
【0024】また本実施形態では透明性に優れ、べとつ
き感のないウレタンフィルムで疎水性の樹脂層3,4を
構成し、この疎水性の樹脂層3,4間に転写像6が形成
された親水性の樹脂層5を挟み込むようにしたので、転
写像6は柔軟性及び風合いが共に優れたものとなり、し
かもウレタンフィルムは繊維等との密着性が良好である
ので耐水性が一層良好となると同時に、ウレタンフィル
ムは熱圧接着性にも優れているので、織布、編物、不織
布、ウレタンフォーム等に利用できると共に、ウレタン
フィルムは加熱時の流動開始後の粘度変化が大きいの
で、130℃〜150℃の温度で、10秒の熱圧で済
み、低温、短時間での接着が可能となり、アイロン等の
加熱器を使用して被着体7上に素早く転写できるので、
被着体7の基材を傷める心配がなくなる。さらにウレタ
ンとして無黄変タイプのものを用いることも可能であ
り、この場合、経時による変色がなく、耐候性が良好と
なり、例えば美術品、装飾品、ディスプレー品の一部或
いは全体として応用が可能となり、商品価値が一層高め
られるものである。
【0025】本発明の実施形態の他例を図5に示す。こ
の実施形態の転写シート1′は、離型性を有するシート
基材2上に、親水基が導入された疎水性の樹脂層30が
積層されると共に、この疎水性の樹脂層30の表面にイ
ンクジェットプリンターA(図4参照)を用いて文字と
か図形、記号、絵柄模様等の転写像6が水性インクで形
成されたものであり、この親水基が導入された疎水性の
樹脂層30はシート基材2から剥離可能とされ、且つ転
写像6が形成されている側の面がシート基材2に向くよ
うに疎水性の樹脂層30を反転してシート基材2上に再
積層可能とされている。
【0026】ここで、疎水性の樹脂としては、ウレタ
ン、ナイロン、EVA樹脂、塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ケイ素樹脂等が用
いられる。この実施形態ではウレタンフィルムを例示す
る。またこのウレタンフィルムに導入される親水基とし
ては、例えば−SO3 H,−SO3 M,−OSO3 H,
−OSO3 M,−COOM,−NR3 X、−COOH,
−NH2 ,−CN,−OH,−NHCONH2 ,−(O
CH2 CH2 n −,−CH2 OCH3 ,−OCH 3
COOCH3 ,−CSなどがある。ここでR:アルキル
基、Mアルカリ金属または−NH4 、X:ハロゲンであ
る。
【0027】しかして、転写シート1′を製造する場合
は、離型紙等から成るシート基材2上に、前記親水基が
導入されたウレタンフィルムから成る疎水性の樹脂層3
0を積層し、インクジェットプリンターAを用いて疎水
性の樹脂層30の表面に水性インクで文字とか図形、記
号、絵柄模様等の転写像6を形成して図5(a)に示す
転写シート1′を得る。インクジェットプリンターAに
よる印刷方法は前記実施形態と同様である。
【0028】次に転写シート1′の転写像6を衣類など
の被着体7に正転写する場合は、図5(b)(c)のよ
うに転写像6が形成された疎水性の樹脂層30をシート
基材2から剥離して、転写像6が形成されている側の面
がシート基材2に向くように疎水性の樹脂層30を反転
してシート基材2上に再積層し、その後、図5(d)の
ように疎水性の樹脂層30の転写像6が形成されている
側の面とは反対側の面を被着体7である布地上に当て、
シート基材2側から熱圧を加えて転写像6が形成された
疎水性の樹脂層30を布地上に熱圧接着により転写させ
た後に、図5(e)のようにシート基材2を除去する。
【0029】しかして、親水基が導入された疎水性の樹
脂層30は親水性と疎水性の両方を兼ね備えているの
で、インクジェットプリンターAによる印刷時には水性
インクを弾くことなく、疎水性の樹脂層30内に水性イ
ンクが吸収され、きめ細かな水性カラー(モノクロ)印
刷が可能となり、水性インクによる印刷適性が良好とな
り、その一方で、布地などへの転写後は、洗濯とか汗の
吸収に対しても強く、転写された水性インクが滲んだ
り、消えたりする心配がなく、耐水性に優れたものとな
る。しかも透明性に優れ、べとつき感のないウレタンフ
ィルム内に転写像6を取り込むことによって、転写像6
は柔軟性及び風合いが共に優れたものとなる。また図1
の実施形態で用いたアクリル樹脂フィルムから成る親水
性の樹脂層が不要となり、しかも疎水性の樹脂層30は
1層のウレタンフィルムで構成されるので、転写シート
1′の構造がシンプルとなり、低コスト化を図ることが
できるという利点もある。
【0030】図5の変形例を図6に示す。この転写シー
ト1″は、親水基が導入された疎水性の樹脂層30を上
下2層の疎水性の樹脂層30a,30bで構成し、疎水
性の樹脂層30a,30b間に接着剤層8と離型シート
9とを介在させると共に、転写像6が形成される上側の
疎水性の樹脂層30bを下側の疎水性の樹脂層30aか
ら剥離可能とし、且つ下側の疎水性の樹脂層30aをシ
ート基材2上に残した状態で上側の疎水性の樹脂層30
bのみが反転可能としたものである。尚インクジェット
プリンターAによる印刷方法は前記実施形態と同様であ
る。
【0031】しかして、転写像を転写するにあたって
は、図6(b)(c)のように下側の疎水性の樹脂層3
0aをシート基材2上に残した状態で、転写像6が形成
されている上側の疎水性の樹脂層30bを下側の疎水性
の樹脂層30aから剥離して、転写像6が形成されてい
る側の面が下側の疎水性の樹脂層30aに向くように上
側の疎水性の樹脂層30bを反転して下側の疎水性の樹
脂層30a上に再積層し、その後、図6(d)のように
上側の疎水性の樹脂層30bの転写像6が形成されてい
る側の面とは反対側の面を被着体7である布地上に当
て、シート基材2側から熱圧を加えて上下2層の疎水性
の樹脂層30a,30bを布地上に熱圧接着により転写
させた後に、図6(e)のようにシート基材2を除去す
る。
【0032】従って、この実施形態においても親水基が
導入された疎水性の樹脂層30a,30bは親水性と疎
水性の両方を兼ね備えているので、インクジェットプリ
ンターAによる印刷時には水性インクを弾くことなく、
疎水性の樹脂層30b内に水性インクが吸収され、水性
インクによる印刷適性が良好となる一方で、布地などへ
の転写後は転写像6を親水基が導入された上下2層の疎
水性の樹脂層30a,30bによって挟み込むことによ
って、耐水性に一層優れたものとなる。
【0033】本発明の更に他の実施形態を図7及び図8
に示す。この実施形態では、転写シートは、図7(a)
に示すように、離型性を有するシート基材2上に第1の
疎水性の樹脂層3が積層されて第1の転写ブロック50
が構成され、図7(b)に示すように、別の離型紙2′
上に第2の疎水性の樹脂層4と親水性の樹脂層5とが順
に積層され、該親水性の樹脂層5の表面に文字とか図
形、記号、絵柄模様等の転写像6が水性インクで形成さ
れて第2の転写ブロック60が構成され、第1の転写ブ
ロック50と第2の転写ブロック60とから転写シート
が構成されている。
【0034】この転写シートの転写方法は、離型性を有
するシート基材2上に第1の疎水性の樹脂層3を積層し
てなる第1の転写ブロック50と、別の離型紙2′上に
第2の疎水性の樹脂層4と親水性の樹脂層5とを順に積
層し、該親水性の樹脂層5の表面に文字とか図形、記
号、絵柄模様等の転写像6を水性インクで形成して成る
第2の転写ブロック60を予め作成し、その後、図8
(a)に示すように、第2の転写ブロックの離型紙を除
去し、図8(b)(c)に示すように、第2の転写ブロ
ックの転写像が形成されている側の面が第1の転写ブロ
ックの第1の疎水性の樹脂層に向くように第1の転写ブ
ロックと第2の転写ブロックとを積層し、その後、図8
(d)に示すように、第2の転写ブロック60の第2の
疎水性の樹脂層4の親水性の樹脂層5側の面とは反対側
の面を被着体7上に当て、第1の転写ブロック50のシ
ート基材2側から熱圧を加えて転写像6が形成された親
水性の樹脂層5とこれを挟む第1及び第2の疎水性の樹
脂層3,4とを被着体上に熱圧接着により転写させた後
に、シート基材2を除去する。
【0035】このように転写シートを第1の転写ブロッ
ク50と第2の転写ブロック60とに分けることによっ
て、転写像6が形成される第2の転写ブロック60の厚
みを薄くできるので、印刷が容易となり、しかも第2の
転写ブロック60はカール状に曲がり難くなる。さら
に、第1の転写ブロック50と第2の転写ブロック60
を色分けしたり、或いは表面或いは裏面に例えば使用説
明の文字とか図形などを印刷したりすることで、転写手
順のミスをなくして転写の簡素化を図ることが可能とな
る。
【0036】なお、前記各実施形態では水性インクで転
写像6を形成する際に、インクジェットプリンターAを
用いたが、これに限られず、例えば手書きで親水性の樹
脂層又は親水基が導入された疎水性の樹脂層上に転写像
6を描写するようにしてもよく、この場合、インクジェ
ットプリンターAのような高級な機器を使用しなくて
も、例えば子供や幼児による自由自在な転写像6、例え
ば個人のサインとか個人の絵、漫画、風景画、人物画、
動物画、人気アニメのキャラクター等を手書きで描くこ
ともでき、情操教育上好ましいものとなり、そのうえ描
かれた転写像6を前述した方法で布地上にポジティブな
転写像として正転写できるので、商品価値が一層高めら
れるものである。
【0037】また、被着体7として、例えばTシャツ、
エプロン、袋物、これ以外の各種繊維製品を用いること
ができるが、これに止まらず、プラスチック、ガラス、
金属、ステンレス、木等にも適用でき、また平面形状部
分に限らず、曲面形状部分にも被着可能であるので、衣
服の装飾以外に、他の美術品、装飾品、ディスプレー品
の一部又は全体としても最適に応用できるものである。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のに係る
転写シートは、離型性を有するシート基材上に、上下2
層の疎水性の樹脂層が積層されると共に、上側の疎水性
の樹脂層の表面に親水性の樹脂層が積層され、該親水性
の樹脂層の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転
写像が水性インクで形成され、上側の疎水性の樹脂層は
下側の疎水性の樹脂層から剥離可能とされ、且つ転写像
が形成されている側の面が下側の疎水性の樹脂層に向く
ように親水性の樹脂層と上側の疎水性の樹脂層とを反転
して下側の疎水性の樹脂層上に再積層可能とされている
ので、親水性の樹脂層の表面に水性インクにて転写像を
形成することが可能となり、しかもこの転写像が形成さ
れた親水性の樹脂層を挟む上下2層の疎水性の樹脂層
は、洗濯とか汗の吸収に対しても強く、この結果、転写
像の形成時には親水性の樹脂層によって水性インクの印
刷適性が良好となり、且つ被着体への転写後には疎水性
の樹脂層によって耐水性に優れた転写シートを得ること
ができる。
【0039】また請求項2の発明に係る転写シートは、
離型性を有するシート基材上に第1の疎水性の樹脂層が
積層されて第1の転写ブロックが構成され、別の離型紙
上に第2の疎水性の樹脂層と親水性の樹脂層とが順に積
層され、該親水性の樹脂層の表面に文字とか図形、記
号、絵柄模様等の転写像が水性インクで形成されて第2
の転写ブロックが構成され、第1の転写ブロックと第2
の転写ブロックとから成るものであるから、転写シート
を第1の転写ブロックと第2の転写ブロックとに分ける
ことによって、転写像が形成される第2の転写ブロック
の厚みを薄くできるので、印刷が容易となり、しかも第
2の転写ブロックはカール状に曲がり難くなる。さら
に、第1の転写ブロックと第2の転写ブロックを色分け
したり、或いは表面或いは裏面に例えば使用説明の文字
とか図形などを印刷したりすることで、転写手順のミス
を極力防止することが可能となる。しかも転写像が形成
された親水性の樹脂層を挟む2つの疎水性の樹脂層は、
洗濯とか汗の吸収に対しても強く、結果として転写像の
形成時には親水性の樹脂層によって水性インクの印刷適
性が一層良好となり、且つ被着体への転写後には疎水性
の樹脂層によって耐水性に優れた転写シートを得ること
ができる。
【0040】また請求項3の発明に係る転写シートは、
離型性を有するシート基材上に、親水基が導入された疎
水性の樹脂層が積層されると共に、疎水性の樹脂層の表
面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像が水性イ
ンクで形成され、疎水性の樹脂層はシート基材から剥離
可能とされ、且つ転写像が形成されている側の面がシー
ト基材に向くように疎水性の樹脂層を反転してシート基
材上に再積層可能とされて成るものであるから、親水基
が導入された疎水性の樹脂層は親水性と疎水性の両方を
兼ね備えるようになり、従って、転写像の形成時には水
性インクによる印刷に適し、且つ、被着体への転写後は
耐水性に優れたものとなる。しかも疎水性の樹脂層は1
層構造でよいので、転写シートの構造がシンプルとな
り、コストダウンを図ることができる。
【0041】また請求項4の発明に係る転写シートは、
請求項4の親水基が導入された疎水性の樹脂層が上下2
層の疎水性の樹脂層から成り、転写像が形成される上側
の疎水性の樹脂層が下側の疎水性の樹脂層から剥離可能
とされ、且つ下側の疎水性の樹脂層をシート基材上に残
した状態で上側の疎水性の樹脂層のみが反転可能とされ
て成るものであるから、親水基が導入された疎水性の樹
脂層は親水性と疎水性の両方を兼ね備えることにより、
転写像の形成時には水性インクによる印刷適性が良好と
なり、尚且つ、被着体への転写後は転写像を挟む上下2
層の疎水性の樹脂層によって耐水性に一層優れたものと
なる。請求項5の発明に係る転写シートは、請求項1〜
4のいずれかに記載の転写像が、インクジェットプリン
ターにより水性インクにて印刷されているので、水性イ
ンクが吸収され易い性質の親水性の樹脂層の表面又は水
性インクが吸収され易い性質の親水基が導入された疎水
性の樹脂層の表面へのインクジェットプリンターによる
きめ細かな水性カラー(或いはモノクロ)印刷が可能と
なる。
【0042】請求項6の発明に係る転写方法は、離型性
を有するシート基材上に、上下2層の疎水性の樹脂層と
親水性の樹脂層とを順次積層し、該親水性の樹脂層の表
面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像を水性イ
ンクで形成して転写シートを得、次いで転写像が形成さ
れた親水性の樹脂層と上側の疎水性の樹脂層とを下側の
疎水性の樹脂層から剥離して、転写像が形成されている
側の面が下側の疎水性の樹脂層に向くように親水性の樹
脂層と上側の疎水性の樹脂層とを反転して下側の疎水性
の樹脂層上に再積層し、その後、上側の疎水性の樹脂層
の親水性の樹脂層側の面とは反対側の面を被着体上に当
て、シート基材側から熱圧を加えて転写像が形成された
親水性の樹脂層とこれを挟む上下2層の疎水性の樹脂層
とを被着体上に熱圧接着により転写させた後に、シート
基材を除去する転写方法であるから、親水性の樹脂層に
形成された転写像を被着体上にポジティブな転写像とし
て簡単に且つ素早く正転写することができる。従って、
被着体の基材を熱で傷める心配がなくなると同時に、素
人とか、子供でも容易に実施できるようになり、例えば
家庭、学校、幼稚園等において教材としても有効に利用
できるものである。
【0043】請求項7の発明に係る転写方法は、離型性
を有するシート基材上に第1の疎水性の樹脂層を積層し
て第1の転写ブロックを得、別の離型紙上に第2の疎水
性の樹脂層と親水性の樹脂層とを順に積層し、該親水性
の樹脂層の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転
写像を水性インクで形成して第2の転写ブロックを得、
その後、第2の転写ブロックの離型紙を除去して、第2
の転写ブロックの転写像が形成されている側の面が第1
の転写ブロックの第1の疎水性の樹脂層に向くように第
1の転写ブロックと第2の転写ブロックとを積層し、そ
の後、第2の転写ブロックの第2の疎水性の樹脂層の親
水性の樹脂層側の面とは反対側の面を被着体上に当て、
第1の転写ブロックのシート基材側から熱圧を加えて転
写像が形成された親水性の樹脂層とこれを挟む第1及び
第2の疎水性の樹脂層とを被着体上に熱圧接着により転
写させた後に、シート基材を除去する転写方法であるか
ら、親水性の樹脂層に形成された転写像を被着体上にポ
ジティブな転写像として簡単に且つ素早く正転写するこ
とができる。従って、被着体の基材を熱で傷める心配が
なくなると同時に、素人とか、子供でも容易に実施でき
るようになり、例えば家庭、学校、幼稚園等において教
材としても有効に利用できる。さらに、転写シートを2
つの転写ブロックとに分けたことによって、転写像が形
成される第2の転写ブロックの厚みを薄くして、印刷を
容易に行うことができると共に、第2の転写ブロックが
カール状に曲がり難くなり、さらに第1の転写ブロック
と第2の転写ブロックを色分けしたり、或いは表面或い
は裏面に例えば使用説明の文字とか図形などを印刷した
りすることで、転写手順のミスを極力防止することが可
能となる。
【0044】請求項8の発明に係る転写方法は、離型性
を有するシート基材上に、親水基が導入された疎水性の
樹脂層を上下2層に積層し、上側の疎水性の樹脂層の表
面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像を水性イ
ンクで形成して転写シートを得、次いで転写像が形成さ
れた上側の疎水性の樹脂層を下側の疎水性の樹脂槽から
剥離し、下側の疎水性の樹脂層をシート基材上に残した
状態で上側の疎水性の樹脂層を反転して下側の疎水性の
樹脂層上に再積層し、その後、上側の疎水性の樹脂層の
転写像が形成されている側の面とは反対側の面を被着体
上に当て、シート基材側から熱圧を加えて転写像とこれ
を挟む上下2層の疎水性の樹脂層を被着体上に熱圧接着
により転写させた後に、シート基材を除去するものであ
るから、親水基が導入された上下2層の疎水性の樹脂層
間に形成した転写像を被着体上にポジティブな転写像と
して簡単に且つ素早く正転写することができる。従っ
て、被着体の基材を熱で傷める心配がなくなると同時
に、素人とか、子供でも容易に実施できるようになり、
例えば家庭、学校、幼稚園等において教材としても有効
に利用できるものである。
【0045】また請求項9の発明に係る転写方法は、離
型性を有するシート基材上に、親水基が導入された疎水
性の樹脂層を上下2層に積層し、上側の疎水性の樹脂層
の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像を水
性インクで形成して転写シートを得、次いで転写像が形
成された上側の疎水性の樹脂層を下側の疎水性の樹脂層
から剥離し、下側の疎水性の樹脂層をシート基材上に残
した状態で上側の疎水性の樹脂層を反転して下側の疎水
性の樹脂層上に再積層し、その後、上側の疎水性の樹脂
層の転写像が形成されている側の面とは反対側の面を被
着体上に当て、シート基材側から熱圧を加えて転写像と
これを挟む上下2層の疎水性の樹脂層を被着体上に熱圧
接着により転写させた後に、シート基材を除去すること
を特徴としており、この方法によれば、親水基が導入さ
れた上下2層の疎水性の樹脂層間に形成した転写像を被
着体上にポジティブな転写像として簡単に且つ素早く正
転写することができる。
【0046】請求項10の発明に係る転写方法は、請求
項〜9のいずれかに記載の転写像をインクジェットプリ
ンターにより水性インクにて印刷する方法であるから、
水性インクが吸収され易い性質の親水性の樹脂層の表
面、又は水性インクが吸収され易い性質の親水基が導入
された疎水性の樹脂層の表面へのインクジェットプリン
ターによるきめ細かな水性カラー(或いはモノクロ)印
刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例の転写シートの断面図
である。
【図2】(a)〜(d)は同上の転写シートの転写動作
を側面から見た説明図である。
【図3】(a)〜(g)は同上の転写動作を正面から見
た説明図である。
【図4】インクジェットプリンターの原理の説明図であ
る。
【図5】(a)〜(e)は本発明の他の実施形態の転写
動作の説明図である。
【図6】(a)〜(e)は本発明の更に他の実施形態の
転写動作の説明図である。
【図7】本発明の他の実施形態の転写シートを示し、
(a)は第1の転写ブロックの断面図、(b)は第2の
転写ブロックの断面図である。
【図8】(a)〜(d)は同上の転写シートの転写動作
を側面から見た説明図である。
【符号の説明】
1,1′,1″ 転写シート 2 シート基材 3,4 疎水性の樹脂層 5 親水性の樹脂層 6 転写像 30,30a,30b 親水基が導入された疎水性の樹
脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B44C 1/17 B32B 7/06 B41M 5/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性を有するシート基材上に、上下2
    層の疎水性の樹脂層が積層されると共に、上側の疎水性
    の樹脂層の表面に親水性の樹脂層が積層され、該親水性
    の樹脂層の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転
    写像が水性インクで形成され、上側の疎水性の樹脂層は
    下側の疎水性の樹脂層から剥離可能とされ、且つ転写像
    が形成されている側の面が下側の疎水性の樹脂層に向く
    ように親水性の樹脂層と上側の疎水性の樹脂層とを反転
    して下側の疎水性の樹脂層上に再積層可能とされて成る
    ことを特徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】 離型性を有するシート基材上に第1の疎
    水性の樹脂層が積層されて第1の転写ブロックが構成さ
    れ、別の離型紙上に第2の疎水性の樹脂層と親水性の樹
    脂層とが順に積層され、該親水性の樹脂層の表面に文字
    とか図形、記号、絵柄模様等の転写像が水性インクで形
    成されて第2の転写ブロックが構成され、第1の転写ブ
    ロックと第2の転写ブロックとから成ることを特徴とす
    る転写シート。
  3. 【請求項3】 離型性を有するシート基材上に、親水基
    が導入された疎水性の樹脂層が積層されると共に、疎水
    性の樹脂層の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の
    転写像が水性インクで形成され、疎水性の樹脂層はシー
    ト基材から剥離可能とされ、且つ転写像が形成されてい
    る側の面がシート基材に向くように疎水性の樹脂層を反
    転してシート基材上に再積層可能とされて成ることを特
    徴とする転写シート。
  4. 【請求項4】 親水基が導入された疎水性の樹脂層は上
    下2層の疎水性の樹脂層から成り、転写像が形成される
    上側の疎水性の樹脂層が下側の疎水性の樹脂層から剥離
    可能とされ、且つ下側の疎水性の樹脂層をシート基材上
    に残した状態で上側の疎水性の樹脂層のみが反転可能と
    されて成ることを特徴とする請求項3記載の転写シー
    ト。
  5. 【請求項5】 転写像がインクジェットプリンターによ
    り水性インクにて印刷されて成ることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれかに記載の転写シート。
  6. 【請求項6】 離型性を有するシート基材上に、上下2
    層の疎水性の樹脂層と親水性の樹脂層とを順次積層し、
    該親水性の樹脂層の表面に文字とか図形、記号、絵柄模
    様等の転写像を水性インクで形成して転写シートを得、
    次いで転写像が形成された親水性の樹脂層と上側の疎水
    性の樹脂層とを下側の疎水性の樹脂層から剥離して、転
    写像が形成されている側の面が下側の疎水性の樹脂層に
    向くように親水性の樹脂層と上側の疎水性の樹脂層とを
    反転して下側の疎水性の樹脂層上に再積層し、その後、
    上側の疎水性の樹脂層の親水性の樹脂層側の面とは反対
    側の面を被着体上に当て、シート基材側から熱圧を加え
    て転写像が形成された親水性の樹脂層とこれを挟む上下
    2層の疎水性の樹脂層とを被着体上に熱圧接着により転
    写させた後に、シート基材を除去することを特徴とする
    転写シートの転写方法。
  7. 【請求項7】 離型性を有するシート基材上に第1の疎
    水性の樹脂層を積層して第1の転写ブロックを得、別の
    離型紙上に第2の疎水性の樹脂層と親水性の樹脂層とを
    順に積層し、該親水性の樹脂層の表面に文字とか図形、
    記号、絵柄模様等の転写像を水性インクで形成して第2
    の転写ブロックを得、その後、第2の転写ブロックの離
    型紙を除去して、第2の転写ブロックの転写像が形成さ
    れている側の面が第1の転写ブロックの第1の疎水性の
    樹脂層に向くように第1の転写ブロックと第2の転写ブ
    ロックとを積層し、その後、第2の転写ブロックの第2
    の疎水性の樹脂層の親水性の樹脂層側の面とは反対側の
    面を被着体上に当て、第1の転写ブロックのシート基材
    側から熱圧を加えて転写像が形成された親水性の樹脂層
    とこれを挟む第1及び第2の疎水性の樹脂層とを被着体
    上に熱圧接着により転写させた後に、シート基材を除去
    することを特徴とする転写シートの転写方法。
  8. 【請求項8】 離型性を有するシート基材上に、親水基
    が導入された疎水性の樹脂層を積層し、該疎水性の樹脂
    層の表面に文字とか図形、記号、絵柄模様等の転写像を
    水性インクで形成して転写シートを得、次いで転写像が
    形成された疎水性の樹脂層をシート基材から剥離して、
    転写像が形成されている側の面がシート基材に向くよう
    に疎水性の樹脂層を反転してシート基材上に再積層し、
    その後、疎水性の樹脂層の転写像が形成されている側の
    面とは反対側の面を被着体上に当て、シート基材側から
    熱圧を加えて転写像が形成された疎水性の樹脂層を被着
    体上に熱圧接着により転写させた後に、シート基材を除
    去することを特徴とする転写シートの転写方法。
  9. 【請求項9】 離型性を有するシート基材上に、親水基
    が導入された疎水性の樹脂層を上下2層に積層し、上側
    の疎水性の樹脂層の表面に文字とか図形、記号、絵柄模
    様等の転写像を水性インクで形成して転写シートを得、
    次いで転写像が形成された上側の疎水性の樹脂層を下側
    の疎水性の樹脂層から剥離し、下側の疎水性の樹脂層を
    シート基材上に残した状態で上側の疎水性の樹脂層を反
    転して下側の疎水性の樹脂層上に再積層し、その後、上
    側の疎水性の樹脂層の転写像が形成されている側の面と
    は反対側の面を被着体上に当て、シート基材側から熱圧
    を加えて転写像とこれを挟む上下2層の疎水性の樹脂層
    を被着体上に熱圧接着により転写させた後に、シート基
    材を除去することを特徴とする転写シートの転写方法。
  10. 【請求項10】 転写像をインクジェットプリンターに
    より水性インクにて印刷することを特徴とする請求項6
    〜9のいずれかに記載の転写シートの転写方法。
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JP5205233B2 (ja) * 2008-12-01 2013-06-05 理想科学工業株式会社 転写シートセット、及び窯業製品への画像の転写方法

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