JP2621680B2 - 4輪駆動車用駆動力配分装置 - Google Patents

4輪駆動車用駆動力配分装置

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JP2621680B2
JP2621680B2 JP8955691A JP8955691A JP2621680B2 JP 2621680 B2 JP2621680 B2 JP 2621680B2 JP 8955691 A JP8955691 A JP 8955691A JP 8955691 A JP8955691 A JP 8955691A JP 2621680 B2 JP2621680 B2 JP 2621680B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デファレンシャルにこ
のデファレンシャルの差動を制限して前後輪への駆動力
配分を調整しうる差動制限機構を付設された、4輪駆動
車用駆動力配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車では、一般に、エンジンから
の駆動力は、変速機で変速された後、センタデファレン
シャル(以下、センタデフという)に伝えられ前輪側と
後輪側とに配分され、フロントデファレンシャル(フロ
ントデフ)及びリヤデファレンシャル(リヤデフ)へと
伝達されるようになっている。
【0003】例えば図4は従来の4輪駆動車用駆動力配
分装置の構成を示す模式図であって、(a)は平面断面
図、(b)は側面視構成図であり、図示するように、こ
の4輪駆動車用駆動力配分装置は、車両前方に向かって
右にエンジン2A,左に変速機6Aがそれぞれ配置され
(以下、この形式をE−W式という)、センタデフ52
はこれら2A,6Aの後方に配置されている。
【0004】そして、エンジン2Aからの駆動力は、ト
ルコン3Aを介して変速機(ここでは、自動変速機)6
Aに伝達されて変速され、歯車機構51a,51bを介
してメインシャフト4Aからインタミディエイトシャフ
ト8Aへ伝達され、さらに、歯車機構51c,51dを
介して前輪ドライブシャフト軸心10A上の各シャフト
に伝達されるようになっている。
【0005】つまり、エンジン2Aからの駆動力は、歯
車機構51から、遊星歯車機構により構成されるセンタ
デフ52に伝達され、このセンタデフ52では、そのリ
ングギヤ52aに入力された後、プラネタリギヤ52
c,52dを通じて回転駆動されるキャリヤ52bを介
して後輪側シャフト53aへ伝達される一方で、プラネ
タリギヤ52c,52dを通じて回転駆動されるサンギ
ヤ53eを介して前輪側シャフト53bへと伝達され、
前輪側シャフト53bからはフロントデフ54へ、後輪
側シャフト53aからはベベルギヤ55,プロペラシャ
フト56を介して図示しないリヤデフへと伝達されるよ
うになっている。
【0006】このE−W式4輪駆動車用駆動力配分装置
では、後輪側シャフト53a及び前輪側シャフト53b
は、前輪ドライブシャフトの軸心10A上に同軸的に配
設され、エンジンから前輪ドライブシャフトに至るエン
ジン近傍の軸系は、メインシャフト4A,インタミディ
エイトシャフト8A及び前輪ドライブシャフト系(10
A)の3軸からなっている。
【0007】また、図5は従来の他の4輪駆動車用駆動
力配分装置の構成を示す模式図であって、(a)は平面
断面図、(b)は側面視構成図であり、図示するよう
に、車両前方に向かって左にエンジン2B,右に変速機
6Bがそれぞれ配置されて(以下、この形式をW−E式
という)、センタデフ62はこれら2B,6Bの後方に
配置されている。
【0008】そして、エンジン2Bからの駆動力は、ト
ルコン3Aを介して変速機(ここでは、自動変速機)6
Bに伝達されて変速され、歯車機構61a,61bを介
してメインシャフト4Bからインタミディエイトシャフ
ト8Bへ伝達され、さらに、歯車機構61b,61cを
介してインタミディエイトシャフト8Bからセンタシャ
フト9Bへ伝達され、前輪側及び後輪側の各シャフトに
伝達されるようになっている。
【0009】つまり、センタシャフト9Bの外周にはセ
ンタデフ62が設けられており、エンジン2Bからの駆
動力は、センタデフ62に入力され、ピニオンからサイ
ドギヤを通じて、前輪側シャフト63aと後輪側シャフ
ト(=センタシャフト)63bとに配分されて、前輪側
シャフト63aからフロントデフ64へ、後輪側シャフ
ト63bからベベルギヤ65,プロペラシャフト66を
介して図示しないリヤデフへと伝達されるようになって
いる。
【0010】このW−E式4輪駆動車用駆動力配分装置
では、エンジンの出力軸の回転方向がE−W式の装置と
は異なるので、エンジンから前輪ドライブシャフトに至
るエンジン近傍の軸系は、1軸追加され、メインシャフ
ト4,インタミディエイトシャフト8,後輪側シャ
フト63a及び前輪側シャフト63bの配設されたセン
タシャフト系9及び前輪ドライブシャフト10の4
軸からなっている。
【0011】これらの各従来例に示すように、従来の4
輪駆動車用駆動力配分装置では、エンジン出力は、ま
ず、センタデフ52,62を通じて前輪側と後輪側とに
配分され、次に、前輪側ではフロントデフを通じて左右
輪へ配分され、後輪側ではリヤデフを通じて左右輪へ配
分されるようになっている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な従来の4輪駆動車用駆動力配分装置のうち、図4に示
すE−W式装置は、2WDの場合には無駄のない構造で
あるが、4WD化する場合にトランスファーケースの増
設をはじめとして付加物が多くなって、前輪ドライブシ
ャフト回りが3重構造となるなど構造が複雑になり、こ
れに伴って装置の大型化や重量増加や組立性の悪化やコ
スト増を招くなどの不具合も生じる。
【0013】また、図5に示すW−E式の装置では、4
軸構造であってセンタシャフトの回りにセンタデフを設
置できるなど4WD化するには適しているものの、セン
タシャフト系が2重構造となってやはりまだ構造がやや
複雑であり上述の不具合が解消しきれない上、2WDの
場合に無駄な軸が生じてスペース上やコスト上の無駄を
招来する他、エンジンの回転方向と前輪ドライブシャフ
トの回転方向とが逆になるので、振動的に不利になると
いう不具合も生じ易い。
【0014】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、構造を簡素化して、装置の小型化や重量の削減及
び組立性の向上やコスト削減をできるようにし、さらに
振動上の不具合を招かないようにした、4輪駆動車用駆
動力配分装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の4輪駆動車用駆動力配分装置は、4輪駆動
車において、エンジンから2つの前輪及び2つの後輪の
4つの車輪へ通じる駆動力伝達経路に第1のデファレン
シャルギヤと第2のデファレンシャルギヤとをそなえ、
該第1のデファレンシャルギヤが上記の4つの車輪のう
ちの1つの車輪と他の3つの車輪との間に介装されると
ともに、該第2のデファレンシャルギヤが上記の3つの
車輪のうちの上記1つの車輪と左右に対をなす車輪と上
記の3つの車輪のうちの他の2つの車輪との間に介装さ
れていることを特徴としている。
【0016】なお、望ましくは、上記の第1のデファレ
ンシャルギヤと第2のデファレンシャルギヤとが、何れ
も遊星歯車機構により構成されるとともに、これらが互
いに同軸上に配設され、上記駆動力伝達経路に上記の前
輪および後輪の差動を制限する差動制限機構が付設され
るように構成する。
【0017】
【作用】上述の本発明の4輪駆動車用駆動力配分装置で
は、第1のデファレンシャルギヤが、4つの車輪のうち
の1つの車輪と他の3つの車輪との間で駆動力を配分
し、次いで、第2のデファレンシャルギヤが、上記の3
つの車輪のうちの上記1つの車輪と左右に対をなす車輪
と上記の3つの車輪のうちの他の2つの車輪との間で駆
動力を配分する。そして、駆動力伝達経路に付設された
差動制限機構が、上記の前輪及び後輪の差動を制限し、
この差動制限によって上述の駆動力の配分状態が調整さ
れる。
【0018】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例としての
4輪駆動車用駆動力配分装置について説明すると、図1
はその模式的な構成図、図2はその側面視構成図(図1
のA方向矢視図)、図3は各ギヤの関係を示す速度線図
である。
【0019】図1に示すように、この4輪駆動車用駆動
力配分装置は、車両前方に向かって右にエンジン2,左
に変速機6がそれぞれ配置されたE−W式になってお
り、変速機6の出力部分から各前輪3L,3R及び各後
輪5L,5Rへの駆動力伝達経路には、センタデファレ
ンシャル(センタデフ),フロントファレンシャル
(フロントデフ)及びリヤデファレンシャル(リヤデ
フ)が設けられているが、この装置では、センタデフは
独立したものではなく、フロントデフと一体化したもの
(一体型デファレンシャル;以下、一体型デフという)
14になっている。
【0020】つまり、前輪ドライブシャフト(第3軸)
10a,10bの軸回りには2組の遊星歯車機構30,
40と入力ギヤ18とが直列に並設されており、これら
の遊星歯車機構30,40と入力ギヤ18とから一体型
デフ14が構成されている。そして、入力ギヤ18は遊
星歯車機構30のキャリヤ32と一体に結合され、遊星
歯車機構30のリングギヤ36は遊星歯車機構30のキ
ャリヤ32と一体に結合されている。さらに、遊星歯車
機構30のサンギヤ38は左前輪ドライブシャフト10
aと一体に結合され、遊星歯車機構40のサンギヤ48
は右前輪ドライブシャフト10bと一体に結合されてい
る。
【0021】また、遊星歯車機構40のリングギヤ46
の外周には出力ギヤ22が一体に形成され、この出力ギ
ヤ22が前輪ドライブシャフト10a,10bに隣接し
て設けられた軸(第4軸)12の入力ギヤ24に噛合し
ている。そして、軸12はベベルギヤ機構15,ドライ
ブシャフト17を介してリヤデフ26に接続されてい
る。
【0022】これにより、エンジン2からの駆動力は、
出力軸(第1軸)4から変速機6に伝達されて変速され
た後、変速機6の出力軸(インタミディエイトシャフ
ト,第2軸)8から歯車機構16,18を介して一体型
デフ14に入力されるようになっている。
【0023】即ち、入力ギヤ18から遊星歯車機構30
のキャリヤ32に伝達された駆動力は、プラネタリギヤ
34を通じてリングギヤ36とサンギヤ38とに配分さ
れて、サンギヤ38に配分された駆動力が左前輪ドライ
ブシャフト10aに伝達される一方で、リングギヤ36
に配分された駆動力は、遊星歯車機構40のキャリヤ4
2に伝達されて、プラネタリギヤ44を通じてリングギ
ヤ46とサンギヤ48とに配分される。そして、サンギ
ヤ48に配分された駆動力が右前輪ドライブシャフト1
0bに伝達される一方で、リングギヤ46に配分された
駆動力は、ギヤ機構22,24,軸12,ベベルギヤ機
構15,ドライブシャフト17,リヤデフ26を通じて
後輪ドライブシャフト27a,27bに伝達されるよう
になっている。
【0024】したがって、この4輪駆動車用駆動力配分
装置では、エンジン出力は、まず、遊星歯車機構30を
通じて左前輪3L側と他の3輪側(右前輪3Rと左右の
後輪5L,5R)との間で配分され、次に、遊星歯車機
構40を通じて右前輪3R側と他の2輪側(左右の後輪
5L,5R)との間で配分され、この後、後輪側ではリ
ヤデフ26を通じて左右輪5L,5Rへ配分されるよう
になっている。
【0025】また、このような駆動力配分経路には、差
動制限用クラッチ機構28が設けられている。つまり、
軸12の外周部には、入力ギヤ18と噛合してこの軸1
2に対しては回転自在の連動ギヤ20が設けられてい
る。そして、クラッチ機構28は、この連動ギヤ20と
軸12との間に、即ち、一体デフ14への入力ギヤ18
と後輪側への入力ギヤ24との間に介設されている。
【0026】このクラッチ機構28は、アクチュエータ
29によって摩擦力を調整され、この摩擦力を付与する
ことにより、前輪側と後輪側との回転差が縮小されて、
前輪側と後輪側とへの駆動力配分が均等配分状態に近づ
き、クラッチ機構28を直結した状態では前後輪へ均等
に駆動力配分されるようになっている。なお、アクチュ
エータ29としては、電磁式又は油圧式のもの等が考え
られる。
【0027】また、遊星歯車機構30,40の設定に応
じて、クラッチ機構28の結合しないクラッチフリー時
における駆動力配分を、後輪主体の配分としたり、前輪
主体の配分としたりすることができる。
【0028】ところで、例えば、旋回初期には気持ち良
く曲がり始めるようにしながら、旋回後半では車両の挙
動を安定させながら旋回を完了できるようにするには、
通常時は、後輪寄りのトルク配分として旋回の応答性を
確保しながら、そのままでは走行安定性が損なわれるよ
うな場合に、その度合いに応じて前輪へのトルク配分を
増加させるようにすればよい。したがって、例えば後輪
をベースとしたトルク配分から前後輪均一のトルク配分
までの範囲でトルク制御を行なえるようにすればよい。
【0029】そこで、上述のような一体型デフ14にお
いて、このような後輪をベースとしたトルク配分を実現
するように遊星歯車機構30,40を設定すればよい
が、このような設定を速度線図により示すと例えば図3
のようになる。
【0030】図3において、横軸は遊星歯車機構30,
40の構成ギヤに基づく量で縦軸は回転速度(N)であ
り、C1 はエンジンからキャリア32への入力、C2
遊星歯車機構30からキャリア42への入力、R1 はリ
ングギヤ36から遊星歯車機構40への出力、R2 はリ
ングギヤ46から後輪側への出力、S1 はサンギヤ38
から左前輪への出力、S2 はサンギヤ48から右前輪へ
出力を示し、Z1 はサンギヤ38の歯数、Z2 はリング
ギヤ36の歯数、Z3はサンギヤ48の歯数、Z4 はリ
ングギヤ46の歯数を示している。
【0031】ここで、iをエンジンからの入力トルク、
flをフロント左輪(左前輪)への出力、frをフロン
ト右輪(右前輪)への出力、rを後輪への出力とする
と、トルク関係式は以下のようになる。
【0032】遊星歯車の特性より、 Tfl=〔Z1 /(Z1 +Z2 )〕・Ti ・・・(1.1) Tfr=〔Z3 /(Z3 +Z4 )〕・〔Z2 /(Z1 +Z2 )〕・Ti ・・・(1.2) Tr =〔Z4 /(Z3 +Z4 )〕・〔Z2 /(Z1 +Z2 )〕・Ti ・・・(1.3) フロント左右トルクは同配分である必要から、 Tfl=Tfr 上式及び式(1.1),(1.2)より、 Z1 ・(Z3 +Z4 )=Z2 ・Z3 ・・・(1.4) となる。
【0033】ここで、駆動力の前輪配分比をa(ただ
し、0<a<1)、後輪配分比を1−a、つまり、前後
駆動力配分比を、 前輪:後輪=a:1−aとすると、式(1.1)〜
(1.3)より、 a/(1−a)=[ Z1(Z3+Z4)+ Z2 3 ] /Z2 4 ・・・(1.5 )
【0034】また、回転数関係式は以下のようになる。
フロントデフ機能が正常に働くための条件として Ni =Nr =0 (入力及びリヤの回転を固定)のとき Nfr=−Nfl よって、図3より、 −(Z1 /Z2 )Nfl=〔Z3 /(Z3 +Z4 )〕Nfr ∴Z1 /Z2 =Z3 /(Z3 +Z4 ) ・・・(1.6)
【0035】センタデフとフロントデフの一体型遊星歯
車の成立条件は、上式(1.4),(1.5),(1.
6)を同時に満たすことである。よって、この3式を整
理すると、 Z1 /Z2 =Z3 /(Z3 +Z4 ) ・・・(1.6) a=(Z13 +Z1 4 +Z23 )/〔(Z1 +Z2 )(Z3 +Z4 )〕 ・・・(1.5)′ 式(1.5)′に式(1.6)を代入すると、成立条件
は以下のようになる。 Z1 /Z2 =Z3 /(Z3 +Z4 ) ・・・(1.6) a=2Z3 /(Z1 +Z2 ) ・・・(1.7)
【0036】したがって、例えば遊星歯車機構30,4
0の各サンギヤ38,48を同一サイズに設定すると、
式(1.6)より、 Z1 =Z3 ,Z4 =Z2 −Z1 ・・・(1.8) となる。
【0037】一方、遊星歯車機構30,40の各リング
ギヤ36,46を同一サイズに設定すると、式(1.
6)より、 Z2 =Z4 ,Z3 =(Z2 ・Z1 )/(Z2 −Z1 ) ・・・(1.9) となる。
【0038】したがって、例えば前後駆動力配分比を、
前輪:後輪=40:60とすると、 a=40/(40+60)=0.4 となり、各サンギヤ38,48のサイズをZ1 =Z3
20(m=2.5と想定する)と同一に設定すると、式
(1.7),(1.8)より、 Z2 =80,Z3 =20,Z4 =60 (プラネタリピ
ニオン数4で成立)となる。
【0039】本発明の一実施例としての4輪駆動車用駆
動力配分装置は、上述のように構成されているので、エ
ンジン2から出力される駆動力は、出力軸4から変速機
6に伝達されて変速された後、変速機6の出力軸(イン
タミディエイトシャフト)8から歯車機構16,18を
介して一体型デフ14に入力される。そして、一体型デ
フ14では、エンジン出力は、まず、遊星歯車機構30
を通じて左前輪側と他の3輪側(右前輪と左右の後輪)
との間で配分され、次に、遊星歯車機構40を通じて右
前輪側と他の2輪側(左右の後輪)との間で配分され、
この後、後輪側ではリヤデフを通じて左右輪へ配分され
る。
【0040】また、このとき、クラッチ機構28の係合
状態によって、前後輪への駆動力配分が調整される。例
えば前述のようにクラッチフリー時に後輪主体の駆動力
配分に設定すると、クラッチ機構28の係合を強めるの
にしたがって前輪側への駆動力配分が増加して、クラッ
チ機構28がロックした段階で、前後輪が直結4WD状
態となり、前後輪への駆動力配分は分担荷重によって決
まり、通常約60:40となる。
【0041】そして、このような4輪駆動車用駆動力配
分装置では、以下のような利点及び効果がある。
【0042】ベベルギヤ式フロントデフとほぼ同等の
スペースがあれば、不等配分式センタデフ(トルク配分
調整式センタデフ)とフロントデフとを一体に設置でき
て、設置スペースを節約できる利点がある。
【0043】センタデフ差動制限装置をカウンタギヤ
を介して第4軸に設置することにより、差動制限部の回
転数差は終減速前のレベルとなり、HCU(ハイドロリ
ックカップリングユニット)やVCU(ビスカスカップ
リングユニット)等の回転数感応型のユニットを付設す
る場合に低容量のものを効果的に使用できるようになる
利点がある。
【0044】センタデフ差動制限装置を設置する第4
軸をトランスミッションケースに内蔵でき、トランスフ
ァーケースはトランスファーベベルのみを覆う形態とす
ればよいので、装置がよりコンパクトになる。また、他
の形態のトランスミッション系の部品を流用し易く、コ
スト上も有利になる。
【0045】2重シャフト部分がなくなるので、構造
が簡素になり、この点でも、装置の大きさや重量を削減
できる効果や、装置の組立性を向上できる効果がある。
【0046】この例では、E−W式の配置になってお
り、エンジンの回転方向と前輪ドライブシャフトの回転
方向とが同方向になるので、振動的にも有利になる。
【0047】ところで、本発明の4輪駆動車用駆動力配
分装置の構造としては、上述の実施例の形に限定される
ものでなく、例えば、エンジン出力を、まず、遊星歯車
機構30を通じて右前輪側と他の3輪側(左前輪と左右
の後輪)との間で配分し、次に、遊星歯車機構40を通
じて左前輪側と他の2輪側(左右の後輪)との間で配分
して、この後、後輪側ではリヤデフを通じて左右輪へ配
分するという構造にしてもよい。さらに、遊星歯車機構
30,40の各ギヤの構成等も自由に設定することがで
きる。
【0048】また、前述のように、差動制限機構として
多板クラッチ機構28に変えて、ビスカス・カップリン
グ・ユニット(VCU)やハイドロリック・カップリン
グ・ユニット(HCU)を採用してもよい。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の4輪駆動
車用駆動力配分装置によれば、4輪駆動車において、エ
ンジンから2つの前輪及び2つの後輪の4つの車輪へ通
じる駆動力伝達経路に第1のデファレンシャルギヤと第
2のデファレンシャルギヤとをそなえ、該第1のデファ
レンシャルギヤが上記の4つの車輪のうちの1つの車輪
と他の3つの車輪との間に介装されるとともに、該第2
のデファレンシャルギヤが上記の3つの車輪のうちの上
記1つの車輪と左右に対をなす車輪と上記の3つの車輪
のうちの他の2つの車輪との間に介装され、上記駆動力
伝達経路に上記の前輪及び後輪の差動を制限する差動制
限機構が付設されるという構成により、以下の利点や効
果が得られる。
【0050】センタデフとフロントデフとが一体化で
き設置スペースを節約できる。 センタデフ差動制限装置をカウンタギヤを介して第4
軸に設置することにより、差動制限部の回転数差は終減
速前のレベルにでき、HCU(ハイドロリックカップリ
ングユニット)やVCU(ビスカスカップリングユニッ
ト)等の回転数感応型のユニットを付設する場合に低容
量のものを効果的に使用できる。 センタデフ差動制限装置を設置する第4軸をトランス
ミッションケースに内蔵でき、装置をよりコンパクトに
でき、他の形態のトランスミッション系の部品を流用し
易く、コスト上も有利になる。 2重シャフト部分がなくなって構造が簡素になり、装
置の小型化及び軽量化や装置の組立性の向上に寄与す
る。 エンジンの回転方向と前輪ドライブシャフトの回転方
向とを同方向に設定でき、振動的に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての4輪駆動車用駆動
力配分装置を示す模式的な構成図である。
【図2】本発明の第1実施例としての4輪駆動車用駆動
力配分装置の側面視構成図(図1のA方向矢視図)であ
る。
【図3】本発明の第1実施例としての4輪駆動車用駆動
力配分装置の各ギヤの関係を示す速度線図である。
【図4】従来の4輪駆動車用駆動力配分装置の構成を示
す模式図であって、(a)は平面断面図、(b)は側面
視構成図である。
【図5】従来の他の4輪駆動車用駆動力配分装置の構成
を示す模式図であって、(a)は平面断面図、(b)は
側面視構成図である。
【符号の説明】
2 エンジン 3L,3R 前輪 4 出力軸(第1軸) 5L,5R 後輪 6 変速機 8 変速機6の出力軸(インタミディエイトシャフト,
第2軸) 10a,10b 前輪ドライブシャフト(第3軸) 12 軸(第4軸) 14 一体型デフデファレンシャル(一体型デフ) 15 ベベルギヤ機構 16 出力ギヤ 17 ドライブシャフト 18 入力ギヤ 20 連動ギヤ 22 出力ギヤ 24 入力ギヤ 26 リヤデファレンシャル(リヤデフ) 27a,27b 後輪ドライブシャフト 28 クラッチ機構 29 アクチュエータ 30 遊星歯車機構 32 キャリヤ 34 プラネタリギヤ 36 リングギヤ 38 サンギヤ 40 遊星歯車機構 42 キャリヤ 44 プラネタリギヤ 46 リングギヤ 48 サンギヤ C1 エンジンからキャリア32への入力 C2 遊星歯車機構30からキャリア42への入力 R1 リングギヤ36から遊星歯車機構40への出力 R2 リングギヤ46から後輪側への出力 S1 サンギヤ38から左前輪への出力 S2 サンギヤ48から右前輪へ出力を示し Z1 サンギヤ38の歯数 Z2 リングギヤ36の歯数 Z3 サンギヤ48の歯数 Z4 リングギヤ46の歯数

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】4輪駆動車において、エンジンから2つの
    前輪及び2つの後輪の4つの車輪へ通じる駆動力伝達経
    路に第1のデファレンシャルギヤと第2のデファレンシ
    ャルギヤとをそなえ、該第1のデファレンシャルギヤが
    上記の4つの車輪のうちの1つの車輪と他の3つの車輪
    との間に介装されるとともに、該第2のデファレンシャ
    ルギヤが上記の3つの車輪のうちの上記1つの車輪と左
    右に対をなす車輪と上記の3つの車輪のうちの他の2つ
    の車輪との間に介装されていることを特徴とする、4輪
    駆動車用駆動力配分装置。
  2. 【請求項2】上記の第1のデファレンシャルギヤと第2
    のデファレンシャルギヤとが、何れも遊星歯車機構によ
    り構成されるとともに、これらが互いに同軸上に配設さ
    、上記駆動力伝達経路に上記の前輪および後輪の差動
    を制限する差動制限機構が付設されていることを特徴と
    する、請求項1に記載の4輪駆動車用駆動力配分装置。
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