JPH08285047A - トルク配分装置 - Google Patents
トルク配分装置Info
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- JPH08285047A JPH08285047A JP9362395A JP9362395A JPH08285047A JP H08285047 A JPH08285047 A JP H08285047A JP 9362395 A JP9362395 A JP 9362395A JP 9362395 A JP9362395 A JP 9362395A JP H08285047 A JPH08285047 A JP H08285047A
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- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 claims abstract description 17
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 239000012530 fluid Substances 0.000 description 1
- 230000000149 penetrating effect Effects 0.000 description 1
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 description 1
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- Motor Power Transmission Devices (AREA)
- Retarders (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 小型軽量で、差動制限力を充分に大きく、差
動回転発生時のトルクの立ち上がりを速くする。 【構成】 エンジンの駆動力により回転駆動されるハウ
ジング3と、ハウジング3と一体に公転する中間ギヤ2
9、31と、ギヤ29、31を介して連結された差動ギ
ヤ21、23とを有し、トルク伝達時の伝達ロスによる
トルク感応型差動制限機能を有する差動機構17と、ギ
ヤ21、23の間に配置された回転差感応型差動制限装
置19とを備え、ハウジング3を一方の出力軸側に連結
し、ギヤ23に連結された前記回転差感応型差動制限装
置19の一側部材55を他方の出力軸側に連結した。
動回転発生時のトルクの立ち上がりを速くする。 【構成】 エンジンの駆動力により回転駆動されるハウ
ジング3と、ハウジング3と一体に公転する中間ギヤ2
9、31と、ギヤ29、31を介して連結された差動ギ
ヤ21、23とを有し、トルク伝達時の伝達ロスによる
トルク感応型差動制限機能を有する差動機構17と、ギ
ヤ21、23の間に配置された回転差感応型差動制限装
置19とを備え、ハウジング3を一方の出力軸側に連結
し、ギヤ23に連結された前記回転差感応型差動制限装
置19の一側部材55を他方の出力軸側に連結した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両などに用いられ
るトルク配分装置に関する。
るトルク配分装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平3−239634号公報に図7の
ような駆動力伝達装置201が記載されている。これ
は、ハウジング203の内部に配置されたウォームギヤ
式の差動機構205及び回転差感応型差動制限装置20
7とを備えたトルク配分装置である。
ような駆動力伝達装置201が記載されている。これ
は、ハウジング203の内部に配置されたウォームギヤ
式の差動機構205及び回転差感応型差動制限装置20
7とを備えたトルク配分装置である。
【0003】差動機構205はスパーギヤ部で互いに噛
み合ったウォームホイール209、211と、これらと
各別に噛み合ったウォームギヤ213、215とを備え
ており、ウォームギヤ組のトルク伝達ロスにより伝達ト
ルクに感応する差動制限機能を得ている。これらのウォ
ームギヤ213、215は回転軸217、219と各別
にスプライン連結されている。又、回転差感応型差動制
限装置207は、粘性流体の剪断抵抗によって差動回転
数に感応する差動制限機能を得るものであり、ウォーム
ギヤ213側の回転軸217とハウジング203との間
に配置されている。このように、駆動力伝達装置201
はトルク感応型と回転差感応型の両差動制限機能を備え
ており、回転差感応型差動制限装置207はハウジング
203(ハウジング:H)と回転軸219(シャフト:
S)との間に配置(S−H配置)されている。
み合ったウォームホイール209、211と、これらと
各別に噛み合ったウォームギヤ213、215とを備え
ており、ウォームギヤ組のトルク伝達ロスにより伝達ト
ルクに感応する差動制限機能を得ている。これらのウォ
ームギヤ213、215は回転軸217、219と各別
にスプライン連結されている。又、回転差感応型差動制
限装置207は、粘性流体の剪断抵抗によって差動回転
数に感応する差動制限機能を得るものであり、ウォーム
ギヤ213側の回転軸217とハウジング203との間
に配置されている。このように、駆動力伝達装置201
はトルク感応型と回転差感応型の両差動制限機能を備え
ており、回転差感応型差動制限装置207はハウジング
203(ハウジング:H)と回転軸219(シャフト:
S)との間に配置(S−H配置)されている。
【0004】この駆動力伝達装置201は、四輪駆動
(4WD)車の後輪側プロペラシャフトを分断して配置
されており、ハウジング203はエンジン側のプロペラ
シャフトに連結され、ウォームギヤ215側の回転軸2
19はリヤデフ(後輪のデファレンシャル装置)側のプ
ロペラシャフトに連結されている。エンジンの駆動力は
ハウジング203を回転させ、ハウジング203の回転
は差動機構205と回転差感応型差動制限装置207と
を介してリヤデフ側に伝達される。又、悪路などを走行
中に前輪側と後輪側との間に差動回転が生じると、トル
ク感応型と回転差感応型の各差動制限機能によって、後
輪側に駆動トルクが送られる。
(4WD)車の後輪側プロペラシャフトを分断して配置
されており、ハウジング203はエンジン側のプロペラ
シャフトに連結され、ウォームギヤ215側の回転軸2
19はリヤデフ(後輪のデファレンシャル装置)側のプ
ロペラシャフトに連結されている。エンジンの駆動力は
ハウジング203を回転させ、ハウジング203の回転
は差動機構205と回転差感応型差動制限装置207と
を介してリヤデフ側に伝達される。又、悪路などを走行
中に前輪側と後輪側との間に差動回転が生じると、トル
ク感応型と回転差感応型の各差動制限機能によって、後
輪側に駆動トルクが送られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の駆
動力伝達装置201では、差動回転時に伝達される後輪
側のトルクをTとすると、 T=Tn(△N)×Rt 但し、Tn(△N):差動回転数が△Nのときの回転差
感応型差動制限装置207による差動制限力(トランス
ファーレシオ) Rt:トルク感応型差動制限機能による差動制限力(ト
ランスファーレシオ) になる。
動力伝達装置201では、差動回転時に伝達される後輪
側のトルクをTとすると、 T=Tn(△N)×Rt 但し、Tn(△N):差動回転数が△Nのときの回転差
感応型差動制限装置207による差動制限力(トランス
ファーレシオ) Rt:トルク感応型差動制限機能による差動制限力(ト
ランスファーレシオ) になる。
【0006】このTn(△N)×Rtは、上記のように
回転差感応型差動制限装置207がS−H配置であるか
ら、差動機構205から回転差感応型差動制限装置20
7を経由して発生するものだけであり、回転差感応型差
動制限装置207から直接伝達される差動制限力が含ま
れない。
回転差感応型差動制限装置207がS−H配置であるか
ら、差動機構205から回転差感応型差動制限装置20
7を経由して発生するものだけであり、回転差感応型差
動制限装置207から直接伝達される差動制限力が含ま
れない。
【0007】これに加えて、S−H配置された回転差感
応型差動制限装置207に入力するのはハウジング20
3と回転軸219と間に生じる差動回転数であり、従っ
て、例えば、ハウジング203と回転軸219との差動
回転数△Nが1回転のときは回転差感応型差動制限装置
207の差動回転数△Nも1回転である。このように、
両方の回転軸217、219の間に配置(S−S配置)
した場合と異なって、差動機構205により増幅される
大きな差動回転数を利用できるように構成されていな
い。
応型差動制限装置207に入力するのはハウジング20
3と回転軸219と間に生じる差動回転数であり、従っ
て、例えば、ハウジング203と回転軸219との差動
回転数△Nが1回転のときは回転差感応型差動制限装置
207の差動回転数△Nも1回転である。このように、
両方の回転軸217、219の間に配置(S−S配置)
した場合と異なって、差動機構205により増幅される
大きな差動回転数を利用できるように構成されていな
い。
【0008】図6は横軸に差動回転数△Nをとり、縦軸
に回転差感応型差動制限装置の差動制限力Tnをとった
差動制限特性図である。グラフ221は回転差感応型差
動制限装置207の特性であり、このグラフ221が示
すように、入力する差動回転数が小さいから大きな差動
制限力が得られないと共に、矢印223が示すようにト
ルクの立ち上がりが緩やかで鈍く、瞬間的に大きな差動
制限力が得られず、車両の操縦性や安定性などを充分に
改善することができない。
に回転差感応型差動制限装置の差動制限力Tnをとった
差動制限特性図である。グラフ221は回転差感応型差
動制限装置207の特性であり、このグラフ221が示
すように、入力する差動回転数が小さいから大きな差動
制限力が得られないと共に、矢印223が示すようにト
ルクの立ち上がりが緩やかで鈍く、瞬間的に大きな差動
制限力が得られず、車両の操縦性や安定性などを充分に
改善することができない。
【0009】上記のように、駆動力伝達装置201は、
回転差感応型差動制限装置207から直接伝達される差
動制限力と、差動機構205の差動回転数増幅機能とを
利用できないから、充分な差動制限力を得るためには回
転差感応型差動制限装置207の容量を大きくする必要
があり、駆動力伝達装置201が大型で重くなり、車載
性が低下する。
回転差感応型差動制限装置207から直接伝達される差
動制限力と、差動機構205の差動回転数増幅機能とを
利用できないから、充分な差動制限力を得るためには回
転差感応型差動制限装置207の容量を大きくする必要
があり、駆動力伝達装置201が大型で重くなり、車載
性が低下する。
【0010】そこで、この発明は、小型軽量で、充分な
差動制限力が得られ、差動回転発生時のトルクの立ち上
がりが速いトルク配分装置の提供を目的とする。
差動制限力が得られ、差動回転発生時のトルクの立ち上
がりが速いトルク配分装置の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1のトルク配分装
置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるハウジン
グと、このハウジングと一体に公転する中間ギヤと、こ
の中間ギヤを介して連結された一対の差動ギヤとを有
し、トルク伝達時の伝達ロスによりトルク感応型の差動
制限力を発生するトルク感応型差動制限機能を有する差
動機構と、前記一対の差動ギヤの間に配置され、差動回
転速度に感応して差動制限力を発生する回転差感応型差
動制限装置とを備え、ハウジングが一方の出力軸側に連
結され、差動ギヤのいずれか一方又はこれと連結された
回転差感応型差動制限装置の一側部材が他方の出力軸側
に連結されたことを特徴とする。
置は、エンジンの駆動力により回転駆動されるハウジン
グと、このハウジングと一体に公転する中間ギヤと、こ
の中間ギヤを介して連結された一対の差動ギヤとを有
し、トルク伝達時の伝達ロスによりトルク感応型の差動
制限力を発生するトルク感応型差動制限機能を有する差
動機構と、前記一対の差動ギヤの間に配置され、差動回
転速度に感応して差動制限力を発生する回転差感応型差
動制限装置とを備え、ハウジングが一方の出力軸側に連
結され、差動ギヤのいずれか一方又はこれと連結された
回転差感応型差動制限装置の一側部材が他方の出力軸側
に連結されたことを特徴とする。
【0012】請求項2のトルク配分装置は、一対の差動
ギヤが、ハウジングの内部に相対回転自在に配置された
一対の出力側サイドギヤであり、中間ギヤが、これらサ
イドギヤの径方向外側に平行配置されると共に、これら
のサイドギヤと各別に噛み合う第1ギヤ部と互いに噛み
合う第2ギヤ部とを有し、ハウジングに形成された収納
孔に収納され外周を摺動回転自在に支持された少なくと
も一対のピニオンギヤである請求項1のトルク配分装置
である。
ギヤが、ハウジングの内部に相対回転自在に配置された
一対の出力側サイドギヤであり、中間ギヤが、これらサ
イドギヤの径方向外側に平行配置されると共に、これら
のサイドギヤと各別に噛み合う第1ギヤ部と互いに噛み
合う第2ギヤ部とを有し、ハウジングに形成された収納
孔に収納され外周を摺動回転自在に支持された少なくと
も一対のピニオンギヤである請求項1のトルク配分装置
である。
【0013】請求項3のトルク配分装置は、一対の差動
ギヤの歯数が互いに異なった請求項1又は2のトルク配
分装置である。
ギヤの歯数が互いに異なった請求項1又は2のトルク配
分装置である。
【0014】請求項4のトルク配分装置は、回転差感応
型差動制限装置が、摩擦クラッチと、差動回転速度に応
じた押圧力でこの摩擦クラッチを締結して差動回転速度
に感応する差動制限力を発生させる操作手段とを有する
請求項1、2又は3のトルク配分装置である。
型差動制限装置が、摩擦クラッチと、差動回転速度に応
じた押圧力でこの摩擦クラッチを締結して差動回転速度
に感応する差動制限力を発生させる操作手段とを有する
請求項1、2又は3のトルク配分装置である。
【0015】
【作用】各請求項のトルク配分装置は、トルク伝達時の
トルクロス(フリクションロス)によってトルク感応型
の差動制限力を発生するトルク感応型差動制限機能を有
する差動機構を備えると共に、この差動機構の一対の差
動ギヤの間に、差動回転速度に感応して差動制限力を発
生する回転差感応型差動制限装置を配置した。
トルクロス(フリクションロス)によってトルク感応型
の差動制限力を発生するトルク感応型差動制限機能を有
する差動機構を備えると共に、この差動機構の一対の差
動ギヤの間に、差動回転速度に感応して差動制限力を発
生する回転差感応型差動制限装置を配置した。
【0016】このように、回転差感応型差動制限装置を
S−S配置したから、差動ギヤ部の増速比=αとして、
従来例の差動回転時に他方の出力軸側には、Tn(△
N)×Rtが得られるのと比較して、回転差感応型差動
制限装置を直接経由した差動制限力Tn(△N×α)が
伝達される。
S−S配置したから、差動ギヤ部の増速比=αとして、
従来例の差動回転時に他方の出力軸側には、Tn(△
N)×Rtが得られるのと比較して、回転差感応型差動
制限装置を直接経由した差動制限力Tn(△N×α)が
伝達される。
【0017】従って、回転差感応型差動制限装置をS−
S配置した場合には差動ギヤ部の増速比α≧2であるの
で最小の値α=2とすると他方の出力軸側に出力される
総出力トルクTは
S配置した場合には差動ギヤ部の増速比α≧2であるの
で最小の値α=2とすると他方の出力軸側に出力される
総出力トルクTは
【数1】T=Tn(△N×2)×Rt+Tn(△N×
2)=Tn(△N×2)×(Rt+1) になる。
2)=Tn(△N×2)×(Rt+1) になる。
【0018】つまり、両方の差動ギヤの間に配置(S−
S配置)された回転差感応型差動制限装置は、入力する
差動回転数が差動機構で増速されるから、差動制限力が
従来例より大幅に強化される。
S配置)された回転差感応型差動制限装置は、入力する
差動回転数が差動機構で増速されるから、差動制限力が
従来例より大幅に強化される。
【0019】従って、差動回転発生時のトルクの立ち上
がりが速く、必要時に瞬間的に大きな差動制限力が得ら
れるから、車両の操縦性、安定性、悪路走破性などが大
幅に改善される。又、回転差感応型差動制限装置の容量
を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制限力が得ら
れ、車載性が改善される。
がりが速く、必要時に瞬間的に大きな差動制限力が得ら
れるから、車両の操縦性、安定性、悪路走破性などが大
幅に改善される。又、回転差感応型差動制限装置の容量
を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制限力が得ら
れ、車載性が改善される。
【0020】又、このトルク配分装置を搭載した4WD
車は、ハウジング側の車輪がエンジンと直結状態になる
から、ハウジングを後輪側に連結すれば後輪駆動車に似
た性格が得られ、前輪側に連結すれば前輪駆動車に似た
性格が得られると共に、ハウジング側の車輪が空転する
と、このトルク配分装置を介して他方の車輪側に、上記
のように大きな駆動力が瞬間的に送られて、悪路走破性
などが大幅に改善される。
車は、ハウジング側の車輪がエンジンと直結状態になる
から、ハウジングを後輪側に連結すれば後輪駆動車に似
た性格が得られ、前輪側に連結すれば前輪駆動車に似た
性格が得られると共に、ハウジング側の車輪が空転する
と、このトルク配分装置を介して他方の車輪側に、上記
のように大きな駆動力が瞬間的に送られて、悪路走破性
などが大幅に改善される。
【0021】請求項2のトルク配分装置は、請求項1の
トルク配分装置において、差動機構を、ハウジングの内
部に相対回転自在に配置された一対の出力側サイドギヤ
(差動ギヤ)と、これらサイドギヤの径方向外側に平行
配置され、これらのサイドギヤを連結し、ハウジングの
収納孔に収納され外周を摺動回転自在に支持された少な
くとも一対のピニオンギヤで構成したものであり、請求
項1のトルク配分装置と同様に、小型軽量で充分な差動
制限力が得られると共に、差動回転発生時のトルクの立
ち上がりが速い。
トルク配分装置において、差動機構を、ハウジングの内
部に相対回転自在に配置された一対の出力側サイドギヤ
(差動ギヤ)と、これらサイドギヤの径方向外側に平行
配置され、これらのサイドギヤを連結し、ハウジングの
収納孔に収納され外周を摺動回転自在に支持された少な
くとも一対のピニオンギヤで構成したものであり、請求
項1のトルク配分装置と同様に、小型軽量で充分な差動
制限力が得られると共に、差動回転発生時のトルクの立
ち上がりが速い。
【0022】更に、この差動機構ではトルク伝達時の噛
み合い反力やヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によっ
て各ギヤとハウジングなどの間で発生する摩擦抵抗によ
りトルク感応型の大きな差動制限力が得られるから、ト
ルク配分装置の差動制限力は充分に大きく、又、このタ
イプの差動機構は軸方向に小型であり、トルク配分装置
がそれだけ小型化し、車載性が向上する。
み合い反力やヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によっ
て各ギヤとハウジングなどの間で発生する摩擦抵抗によ
りトルク感応型の大きな差動制限力が得られるから、ト
ルク配分装置の差動制限力は充分に大きく、又、このタ
イプの差動機構は軸方向に小型であり、トルク配分装置
がそれだけ小型化し、車載性が向上する。
【0023】請求項3のトルク配分装置は、請求項1又
は2のトルク配分装置において、一対の差動ギヤの歯数
を互いに異なった枚数にしたものである。
は2のトルク配分装置において、一対の差動ギヤの歯数
を互いに異なった枚数にしたものである。
【0024】このように、差動ギヤの歯数を互いに変え
ることにより、差動機構を介して回転差感応型差動制限
装置に入る差動回転数の増速比が変わるから、差動回転
が発生したときのトルクの立ち上がり(レスポンス)を
調整し、車種に合わせて操縦性、安定性、悪路走破性な
どを改善することができる。例えば、他方の出力軸側差
動ギヤの歯数をもう一方の差動ギヤの歯数より大きくす
ると、差動回転発生時のトルクの立ち上がりが速くな
る。
ることにより、差動機構を介して回転差感応型差動制限
装置に入る差動回転数の増速比が変わるから、差動回転
が発生したときのトルクの立ち上がり(レスポンス)を
調整し、車種に合わせて操縦性、安定性、悪路走破性な
どを改善することができる。例えば、他方の出力軸側差
動ギヤの歯数をもう一方の差動ギヤの歯数より大きくす
ると、差動回転発生時のトルクの立ち上がりが速くな
る。
【0025】請求項4のトルク配分装置は、請求項1、
2又は3のトルク配分装置において、回転差感応型差動
制限装置を、例えば、多板クラッチのような摩擦クラッ
チと、差動回転速度に応じた押圧力でこの摩擦クラッチ
を締結して差動回転速度に感応する差動制限力を発生さ
せる操作手段とで構成するものであり、請求項1、2又
は3のトルク配分装置と同様に、小型軽量で充分な差動
制限力が得られると共に、差動回転発生時のトルクの立
ち上がりが速い。
2又は3のトルク配分装置において、回転差感応型差動
制限装置を、例えば、多板クラッチのような摩擦クラッ
チと、差動回転速度に応じた押圧力でこの摩擦クラッチ
を締結して差動回転速度に感応する差動制限力を発生さ
せる操作手段とで構成するものであり、請求項1、2又
は3のトルク配分装置と同様に、小型軽量で充分な差動
制限力が得られると共に、差動回転発生時のトルクの立
ち上がりが速い。
【0026】
【実施例】図1、2、5、6により本発明の第1実施例
を説明する。この実施例のトルク配分装置1は請求項
1、2の特徴を備えている。なお、前後の方向はこのト
ルク配分装置1を搭載した4WD車の前後の方向であ
り、図1の左方はこの車両の前方に相当する。又、符号
を与えていない部材等は図示されていない。
を説明する。この実施例のトルク配分装置1は請求項
1、2の特徴を備えている。なお、前後の方向はこのト
ルク配分装置1を搭載した4WD車の前後の方向であ
り、図1の左方はこの車両の前方に相当する。又、符号
を与えていない部材等は図示されていない。
【0027】図1のように、トルク配分装置1のハウジ
ング3はハウジング本体5、ボス部7、プレート9など
から構成されている。ボス部7はハウジング本体5の前
方にスプライン連結され、止め輪11で固定されてお
り、プレート9はボルト13でハウジング本体5の後方
に固定されている。
ング3はハウジング本体5、ボス部7、プレート9など
から構成されている。ボス部7はハウジング本体5の前
方にスプライン連結され、止め輪11で固定されてお
り、プレート9はボルト13でハウジング本体5の後方
に固定されている。
【0028】このトルク配分装置1は、4WD車の後輪
側プロペラシャフトを分断して配置されており、ハウジ
ング3はボス部7に設けられたスプライン部15でエン
ジン側のプロペラシャフトに連結されており、エンジン
の駆動力によって回転駆動される。
側プロペラシャフトを分断して配置されており、ハウジ
ング3はボス部7に設けられたスプライン部15でエン
ジン側のプロペラシャフトに連結されており、エンジン
の駆動力によって回転駆動される。
【0029】ハウジング3の内部には、差動機構17と
回転差感応型差動制限装置19とが配置されている。
回転差感応型差動制限装置19とが配置されている。
【0030】差動機構17は、一対のサイドギヤ21、
23(出力側サイドギヤ)と、ハウジング3に形成され
た複数組の収納孔25、27にそれぞれ収納され、外周
で摺動回転自在に支持された長短のピニオンギヤ29、
31(中間ギヤ)とからなり、これらの各ギヤはヘリカ
ルギヤで構成されている。なお、各サイドギヤ21、2
3歯数Z1 、Z2 は等しい。
23(出力側サイドギヤ)と、ハウジング3に形成され
た複数組の収納孔25、27にそれぞれ収納され、外周
で摺動回転自在に支持された長短のピニオンギヤ29、
31(中間ギヤ)とからなり、これらの各ギヤはヘリカ
ルギヤで構成されている。なお、各サイドギヤ21、2
3歯数Z1 、Z2 は等しい。
【0031】長いピニオンギヤ29は第1と第2のギヤ
部33、35とこれらを連結する小径の軸部37とから
なり、第1ギヤ部33は前方のサイドギヤ21と噛み合
っている。短いピニオンギヤ31は第1と第2のギヤ部
39、41とからなり、第1ギヤ部39は後方のサイド
ギヤ23と噛み合い、第2ギヤ部41はピニオンギヤ2
9の第2ギヤ部35と噛み合っている。こうして、各サ
イドギヤ21、23はピニオンギヤ29、31との噛み
合いによって径方向外側から支持されている。各ピニオ
ンギヤ29、31とサイドギヤ21、23との噛み合い
位置は、ボルト13でプレート9を移動させ、ピニオン
ギヤ29、31の位置を変えることによって調整され
る。
部33、35とこれらを連結する小径の軸部37とから
なり、第1ギヤ部33は前方のサイドギヤ21と噛み合
っている。短いピニオンギヤ31は第1と第2のギヤ部
39、41とからなり、第1ギヤ部39は後方のサイド
ギヤ23と噛み合い、第2ギヤ部41はピニオンギヤ2
9の第2ギヤ部35と噛み合っている。こうして、各サ
イドギヤ21、23はピニオンギヤ29、31との噛み
合いによって径方向外側から支持されている。各ピニオ
ンギヤ29、31とサイドギヤ21、23との噛み合い
位置は、ボルト13でプレート9を移動させ、ピニオン
ギヤ29、31の位置を変えることによって調整され
る。
【0032】回転差感応型差動制限装置19は、ハウジ
ング43(回転差感応型差動制限装置の一側部材)とハ
ブ45との間に形成された圧力室のオイルの洩れを防止
するために、シール47、49が配置されている。
ング43(回転差感応型差動制限装置の一側部材)とハ
ブ45との間に形成された圧力室のオイルの洩れを防止
するために、シール47、49が配置されている。
【0033】ハウジング43とハブ45との間に差動回
転が生じると、回転差感応型差動制限装置19には差動
制限力が発生する。この差動制限力は差動回転数△Nが
上昇する程大きくなる。
転が生じると、回転差感応型差動制限装置19には差動
制限力が発生する。この差動制限力は差動回転数△Nが
上昇する程大きくなる。
【0034】ハウジング43は差動機構17のサイドギ
ヤ21と一体に形成されており、ハブ45と差動機構1
7のサイドギヤ23は連結軸51を介して連結されてい
る。こうして、回転差感応型差動制限装置19は差動機
構17のサイドギヤ21、23の間に配置(S−S配
置)されている。
ヤ21と一体に形成されており、ハブ45と差動機構1
7のサイドギヤ23は連結軸51を介して連結されてい
る。こうして、回転差感応型差動制限装置19は差動機
構17のサイドギヤ21、23の間に配置(S−S配
置)されている。
【0035】サイドギヤ23と連結軸51とは止め輪5
3で位置決めされている。一方、ハブ45と連結軸51
は軸方向に相対移動可能にされており、サイドギヤ23
のスラスト力を回転差感応型差動制限装置19から遮断
し、正常な動作を保全している。
3で位置決めされている。一方、ハブ45と連結軸51
は軸方向に相対移動可能にされており、サイドギヤ23
のスラスト力を回転差感応型差動制限装置19から遮断
し、正常な動作を保全している。
【0036】ハウジング43の前方には中空の出力軸5
5が一体形成されている。この出力軸55はベアリング
57を介してハウジング3の内周に支承されており、連
結軸51の前端部はベアリング59を介して出力軸55
の内周に支承されている。
5が一体形成されている。この出力軸55はベアリング
57を介してハウジング3の内周に支承されており、連
結軸51の前端部はベアリング59を介して出力軸55
の内周に支承されている。
【0037】ハウジング3とハウジング43との間には
スラストワッシャ61が配置され、サイドギヤ21、2
3の間にはスラストワッシャ63が配置され、サイドギ
ヤ23とハウジング3との間にはスラストワッシャ65
が配置されている。
スラストワッシャ61が配置され、サイドギヤ21、2
3の間にはスラストワッシャ63が配置され、サイドギ
ヤ23とハウジング3との間にはスラストワッシャ65
が配置されている。
【0038】出力軸55はスプライン部67で前輪側の
出力軸に連結され、ハウジング3はスプライン部69で
後輪側の出力軸に連結されている。
出力軸に連結され、ハウジング3はスプライン部69で
後輪側の出力軸に連結されている。
【0039】エンジンのトルクは、ハウジング3から後
輪側の出力軸を介してリヤデフに伝達され、左右の後輪
に分配される。又、ハウジング3から入力したトルク
は、下記のトルクフロー(図2)のように、差動機構1
7と回転差感応型差動制限装置19とを介して出力軸5
5から前輪側の出力軸を介してフロントデフ(前輪側の
デファレンシャル装置)に伝達され、左右の前輪に分配
される。
輪側の出力軸を介してリヤデフに伝達され、左右の後輪
に分配される。又、ハウジング3から入力したトルク
は、下記のトルクフロー(図2)のように、差動機構1
7と回転差感応型差動制限装置19とを介して出力軸5
5から前輪側の出力軸を介してフロントデフ(前輪側の
デファレンシャル装置)に伝達され、左右の前輪に分配
される。
【0040】トルクの伝達中、各ピニオンギヤ29、3
1の歯先はサイドギヤ21、23との噛み合い反力によ
り収納孔25、27の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が
発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
って各ピニオンギヤ29、31の端面とハウジング3、
43との間で摩擦抵抗が発生し、スラストワッシャ61
を介してハウジング3、43の間で、スラストワッシャ
63を介してサイドギヤ21、23の間で、スラストワ
ッシャ65を介してサイドギヤ23とハウジング3の間
で、それぞれ摩擦抵抗が発生が発生する。これらの摩擦
抵抗により、トルク感応型の差動制限力Rtが得られ
る。
1の歯先はサイドギヤ21、23との噛み合い反力によ
り収納孔25、27の壁面に押し付けられて摩擦抵抗が
発生する。又、ヘリカルギヤの噛み合いスラスト力によ
って各ピニオンギヤ29、31の端面とハウジング3、
43との間で摩擦抵抗が発生し、スラストワッシャ61
を介してハウジング3、43の間で、スラストワッシャ
63を介してサイドギヤ21、23の間で、スラストワ
ッシャ65を介してサイドギヤ23とハウジング3の間
で、それぞれ摩擦抵抗が発生が発生する。これらの摩擦
抵抗により、トルク感応型の差動制限力Rtが得られ
る。
【0041】図2はトルク配分装置1のトルクの流れ
(トルクフロー)を説明するための図面であり、図2の
主要な部材には図1と同じ符号が付けられている。図2
の構成はサイドギヤ23とハブ45とが直接スプライン
連結され、ハウジング3のスプライン部15が外周側に
設けられていることを除いて、図1の構成と同じであ
り、機能はトルク配分装置1と同一である。
(トルクフロー)を説明するための図面であり、図2の
主要な部材には図1と同じ符号が付けられている。図2
の構成はサイドギヤ23とハブ45とが直接スプライン
連結され、ハウジング3のスプライン部15が外周側に
設けられていることを除いて、図1の構成と同じであ
り、機能はトルク配分装置1と同一である。
【0042】図2のように、ハウジング3に入力した入
力トルク71は、トルクフロー73のように後輪側の出
力軸からリヤデフ側に送られる。
力トルク71は、トルクフロー73のように後輪側の出
力軸からリヤデフ側に送られる。
【0043】又、入力トルク71はトルクフロー75、
77のようにハウジング3からピニオンギヤ29、31
に入力し、合流してトルクフロー79になり、サイドギ
ヤ23からハブ45を介して回転差感応型差動制限装置
19に入力し、トルクフロー81、83に分流する。分
流したトルクフロー81は回転差感応型差動制限装置1
9を経由して再びサイドギヤ23とピニオンギヤ29か
らハウジング43と出力軸55とを介して前輪側の出力
軸に出力される。
77のようにハウジング3からピニオンギヤ29、31
に入力し、合流してトルクフロー79になり、サイドギ
ヤ23からハブ45を介して回転差感応型差動制限装置
19に入力し、トルクフロー81、83に分流する。分
流したトルクフロー81は回転差感応型差動制限装置1
9を経由して再びサイドギヤ23とピニオンギヤ29か
らハウジング43と出力軸55とを介して前輪側の出力
軸に出力される。
【0044】この前輪側への出力トルクTn(△N×
2)×Rtは差動機構17から回転差感応型差動制限装
置19を経由して発生したものであるから、回転差感応
型差動制限装置19の差動制限力Tn(△N×2)と差
動機構17の差動制限力Rtとの積になる。これは回転
差感応型差動制限装置19がS−S配置であり、差動機
構17(差動ギヤ部)の増速比α=2となるためであ
る。
2)×Rtは差動機構17から回転差感応型差動制限装
置19を経由して発生したものであるから、回転差感応
型差動制限装置19の差動制限力Tn(△N×2)と差
動機構17の差動制限力Rtとの積になる。これは回転
差感応型差動制限装置19がS−S配置であり、差動機
構17(差動ギヤ部)の増速比α=2となるためであ
る。
【0045】又、回転差感応型差動制限装置19に入力
したトルクフロー79から分流したトルクフロー83は
ハウジング43から出力軸55を介して前輪側の出力軸
に出力される。この出力トルクTn(△N×2)×1は
回転差感応型差動制限装置19を経由して直接出力され
たものであるから、回転差感応型差動制限装置19の差
動制限力Tn(△N×2)がそのまま得られる。
したトルクフロー79から分流したトルクフロー83は
ハウジング43から出力軸55を介して前輪側の出力軸
に出力される。この出力トルクTn(△N×2)×1は
回転差感応型差動制限装置19を経由して直接出力され
たものであるから、回転差感応型差動制限装置19の差
動制限力Tn(△N×2)がそのまま得られる。
【0046】このように、回転差感応型差動制限装置1
9をS−S配置したから、差動回転が生じると出力軸5
5には、Tn(△N×2)×Rtに、従来例と異なって
回転差感応型差動制限装置19の差動制限力Tn(△N
×2)が加算される。
9をS−S配置したから、差動回転が生じると出力軸5
5には、Tn(△N×2)×Rtに、従来例と異なって
回転差感応型差動制限装置19の差動制限力Tn(△N
×2)が加算される。
【0047】従って、差動回転時の総出力トルクTは
【数2】T=Tn(△N×2)×Rt+Tn(△N×
2)=Tn(△N×2)×(Rt+1) となる。
2)=Tn(△N×2)×(Rt+1) となる。
【0048】又、図5はハウジング3と出力軸55とが
1rpm差動回転したとき、回転差感応型差動制限装置
19に生じる差動回転数△Nを算出し示すものであり、
ハウジング43の回転数を0rpmとしたときのハブ4
5の回転数NH (=△N)を求めたものである。
1rpm差動回転したとき、回転差感応型差動制限装置
19に生じる差動回転数△Nを算出し示すものであり、
ハウジング43の回転数を0rpmとしたときのハブ4
5の回転数NH (=△N)を求めたものである。
【0049】図5のように、このトルク配分装置1にお
いて、各サイドギヤ21、23の歯数Z1 、Z2 はそれ
ぞれ20枚であり、ピニオンギヤ29の第1第2ギヤ部
33、35の歯数Zp1、Zp2と、ピニオンギヤ31の各
ギヤ部39、41の歯数Zp3はそれぞれ6枚である。従
って、算出されたハブ45の回転数、すなわち差動回転
数△Nは2rpmつまり、差動機構17(差動ギヤ部)
の増速比α=2になる。
いて、各サイドギヤ21、23の歯数Z1 、Z2 はそれ
ぞれ20枚であり、ピニオンギヤ29の第1第2ギヤ部
33、35の歯数Zp1、Zp2と、ピニオンギヤ31の各
ギヤ部39、41の歯数Zp3はそれぞれ6枚である。従
って、算出されたハブ45の回転数、すなわち差動回転
数△Nは2rpmつまり、差動機構17(差動ギヤ部)
の増速比α=2になる。
【0050】このように、両方のサイドギヤ21、23
の間にS−S配置された回転差感応型差動制限装置19
には、差動機構17を介して2倍に増速された差動回転
数が入力するから、図6のグラフ85のように、大きな
差動制限力が得られる。例えば、50rpmの差動回転
数△Nが発生すると、グラフ221のように従来例で発
生する差動制限力がT1 であるのに対して、回転差感応
型差動制限装置19の場合はそれより大きな差動制限力
T2 が発生する。
の間にS−S配置された回転差感応型差動制限装置19
には、差動機構17を介して2倍に増速された差動回転
数が入力するから、図6のグラフ85のように、大きな
差動制限力が得られる。例えば、50rpmの差動回転
数△Nが発生すると、グラフ221のように従来例で発
生する差動制限力がT1 であるのに対して、回転差感応
型差動制限装置19の場合はそれより大きな差動制限力
T2 が発生する。
【0051】このように、回転差感応型差動制限装置1
9は差動機構17による差動回転数の増速効果によって
差動制限力が強化される。
9は差動機構17による差動回転数の増速効果によって
差動制限力が強化される。
【0052】こうして、トルク配分装置1が構成されて
いる。
いる。
【0053】上記のように、トルク配分装置1は、差動
回転発生時のトルクが回転差感応型差動制限装置19を
直接経由する差動制限力Tn(△N×2)だけ強化され
ると共に、差動機構17の△N×2増速効果により回転
差感応型差動制限装置19の差動制限力が強化されるか
ら、グラフ85の矢印87が示すように、差動回転発生
時のトルクの立ち上がりが速く、必要時に瞬間的に大き
な差動制限力が発生し、車両の操縦性、安定性、悪路走
破性などが大幅に改善される。又、回転差感応型差動制
限装置の容量を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制
限力が得られるから、車載性が改善される。
回転発生時のトルクが回転差感応型差動制限装置19を
直接経由する差動制限力Tn(△N×2)だけ強化され
ると共に、差動機構17の△N×2増速効果により回転
差感応型差動制限装置19の差動制限力が強化されるか
ら、グラフ85の矢印87が示すように、差動回転発生
時のトルクの立ち上がりが速く、必要時に瞬間的に大き
な差動制限力が発生し、車両の操縦性、安定性、悪路走
破性などが大幅に改善される。又、回転差感応型差動制
限装置の容量を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制
限力が得られるから、車載性が改善される。
【0054】又、上記のように、収納孔25、27で外
周を支持されたピニオンギヤ29、31を介してサイド
ギヤ21、23を連結させた差動機構17は、軸方向に
小型であり、トルク配分装置1がそれだけ小型化し、車
載性が更に向上する。
周を支持されたピニオンギヤ29、31を介してサイド
ギヤ21、23を連結させた差動機構17は、軸方向に
小型であり、トルク配分装置1がそれだけ小型化し、車
載性が更に向上する。
【0055】又、トルク配分装置1を搭載した4WD車
は、ハウジング3を介してエンジンと後輪側とが直結状
態にされているから、後輪駆動車に似た性格が得られる
と共に、後輪が空転すると、上記のように、トルク配分
装置1を介して大きな駆動力が瞬間的に前輪側に送ら
れ、悪路走破性などが大幅に改善される。
は、ハウジング3を介してエンジンと後輪側とが直結状
態にされているから、後輪駆動車に似た性格が得られる
と共に、後輪が空転すると、上記のように、トルク配分
装置1を介して大きな駆動力が瞬間的に前輪側に送ら
れ、悪路走破性などが大幅に改善される。
【0056】次に、図3、5、6により本発明の第2実
施例を説明する。この実施例のトルク配分装置89は請
求項1、2、3の特徴を備えている。
施例を説明する。この実施例のトルク配分装置89は請
求項1、2、3の特徴を備えている。
【0057】図3に示すように、このトルク配分装置8
9は、第1実施例のトルク配分装置1において、差動機
構17のサイドギヤ23を歯数の少ないサイドギヤ91
にして差動機構93を構成したものである。その他の構
成はトルク配分装置1と同じであり、以下、同機能部材
の説明は省かれている。又、符号を与えていない部材等
は図示されていない。
9は、第1実施例のトルク配分装置1において、差動機
構17のサイドギヤ23を歯数の少ないサイドギヤ91
にして差動機構93を構成したものである。その他の構
成はトルク配分装置1と同じであり、以下、同機能部材
の説明は省かれている。又、符号を与えていない部材等
は図示されていない。
【0058】図5のように、トルク配分装置89におい
て、差動機構93のサイドギヤ21の歯数Z1 は20枚
であるのに対して、サイドギヤ91の歯数Z2 はそれよ
り少ない16枚にされている。又、ピニオンギヤ29の
第1と第2ギヤ部33、35の歯数Zp1、Zp2と、ピニ
オンギヤ31の各ギヤ部39、41の歯数Zp3はそれぞ
れ6枚である。
て、差動機構93のサイドギヤ21の歯数Z1 は20枚
であるのに対して、サイドギヤ91の歯数Z2 はそれよ
り少ない16枚にされている。又、ピニオンギヤ29の
第1と第2ギヤ部33、35の歯数Zp1、Zp2と、ピニ
オンギヤ31の各ギヤ部39、41の歯数Zp3はそれぞ
れ6枚である。
【0059】この場合のハブ45の回転数、すなわち差
動回転数△NH は、サイドギヤ91とサイドギヤ21の
歯数比によって増速され、2.25rpmつまり差動機
構93(差動ギヤ部)の増速比α=2.25になる。
動回転数△NH は、サイドギヤ91とサイドギヤ21の
歯数比によって増速され、2.25rpmつまり差動機
構93(差動ギヤ部)の増速比α=2.25になる。
【0060】このように、サイドギヤ91の歯数Z2 を
サイドギヤ21の歯数Z1 より小さくしたことによっ
て、差動機構93による差動回転数の増速比が2から
2.25まで増加し、図6のグラフ95のように、大き
な差動制限力が得られると共に、グラフ95の矢印97
が示すように、差動回転発生時のトルクの立ち上がりが
更に速くなり、必要時に瞬間的に大きな差動制限力が得
られるから、車両の操縦性、安定性、悪路走破性などが
大幅に改善される。又、回転差感応型差動制限装置の容
量を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制限力が得ら
れ、車載性が改善される。
サイドギヤ21の歯数Z1 より小さくしたことによっ
て、差動機構93による差動回転数の増速比が2から
2.25まで増加し、図6のグラフ95のように、大き
な差動制限力が得られると共に、グラフ95の矢印97
が示すように、差動回転発生時のトルクの立ち上がりが
更に速くなり、必要時に瞬間的に大きな差動制限力が得
られるから、車両の操縦性、安定性、悪路走破性などが
大幅に改善される。又、回転差感応型差動制限装置の容
量を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制限力が得ら
れ、車載性が改善される。
【0061】上記のように、各サイドギヤの互いの歯数
を変えることによって、差動機構93(差動ギヤ部)の
増速比αを設定することにより差動回転発生時のトルク
の立ち上がり及び差動制限特性を調整することが可能で
ある。従って、車種によってトルクの立ち上がりを緩や
かにしたい場合でも、このサイドギヤの歯数調整によっ
て対応できる。
を変えることによって、差動機構93(差動ギヤ部)の
増速比αを設定することにより差動回転発生時のトルク
の立ち上がり及び差動制限特性を調整することが可能で
ある。従って、車種によってトルクの立ち上がりを緩や
かにしたい場合でも、このサイドギヤの歯数調整によっ
て対応できる。
【0062】次に、図4により本発明の第3実施例を説
明する。この実施例のトルク配分装置99は請求項1、
2、4の特徴を備えている。なお、前後の方向はこのト
ルク配分装置99を搭載した4WD車の前後の方向であ
り、図4の左方はこの車両の前方に相当する。又、符号
を与えていない部材等は図示されていない。又、図4と
以下の説明のなかで、第1、第2実施例の部材と同機能
の部材には同じ符号を与えると共に、これら同機能部材
の説明は省かれている。
明する。この実施例のトルク配分装置99は請求項1、
2、4の特徴を備えている。なお、前後の方向はこのト
ルク配分装置99を搭載した4WD車の前後の方向であ
り、図4の左方はこの車両の前方に相当する。又、符号
を与えていない部材等は図示されていない。又、図4と
以下の説明のなかで、第1、第2実施例の部材と同機能
の部材には同じ符号を与えると共に、これら同機能部材
の説明は省かれている。
【0063】このトルク配分装置99は、4WD車の後
輪側プロペラシャフトを分断して配置されており、ハウ
ジング101は前側のボス部103外周に設けられたス
プライン部105でエンジン側のプロペラシャフトに連
結されており、エンジンの駆動力によって回転駆動され
る。
輪側プロペラシャフトを分断して配置されており、ハウ
ジング101は前側のボス部103外周に設けられたス
プライン部105でエンジン側のプロペラシャフトに連
結されており、エンジンの駆動力によって回転駆動され
る。
【0064】ハウジング101の内部には差動機構10
7と多板クラッチ109(摩擦クラッチ:回転差感応型
差動制限装置)とが配置されている。
7と多板クラッチ109(摩擦クラッチ:回転差感応型
差動制限装置)とが配置されている。
【0065】差動機構107は、一対のサイドギヤ2
1、23と、ハウジング101に形成された複数組の収
納孔111、113にそれぞれ収納され、外周で摺動回
転自在に支持された長短のピニオンギヤ29、31とか
ら構成されている。
1、23と、ハウジング101に形成された複数組の収
納孔111、113にそれぞれ収納され、外周で摺動回
転自在に支持された長短のピニオンギヤ29、31とか
ら構成されている。
【0066】多板クラッチ109はハウジング115
(回転差感応型差動制限装置の一側部材)とハブ117
とに、交互配置されたアウタープレート119とインナ
ープレート121とを各別に係合させて構成されてい
る。
(回転差感応型差動制限装置の一側部材)とハブ117
とに、交互配置されたアウタープレート119とインナ
ープレート121とを各別に係合させて構成されてい
る。
【0067】ハウジング115は差動機構107のサイ
ドギヤ21と一体に形成され、ハブ117はサイドギヤ
23にスプライン連結されている。こうして、多板クラ
ッチ109は差動機構107のサイドギヤ21、23の
間に配置(S−S配置)されている。
ドギヤ21と一体に形成され、ハブ117はサイドギヤ
23にスプライン連結されている。こうして、多板クラ
ッチ109は差動機構107のサイドギヤ21、23の
間に配置(S−S配置)されている。
【0068】この多板クラッチ109は各ハウジング1
01、115をそれぞれ貫通する押圧部材123、12
5を介し、車体側の押圧部材127によって押圧され、
差動機構107の差動を制限する。押圧部材127は油
圧アクチュエータによって押圧操作され、その押圧力は
コントローラにより前輪と後輪との差動回転数が上昇す
る程強くされ、大きな差動制限力を発生させる。こうし
て、多板クラッチ109、油圧アクチュエータ、前後輪
の差動を検知する検知手段、コントローラによって回転
差感応型差動制限装置が構成されている。
01、115をそれぞれ貫通する押圧部材123、12
5を介し、車体側の押圧部材127によって押圧され、
差動機構107の差動を制限する。押圧部材127は油
圧アクチュエータによって押圧操作され、その押圧力は
コントローラにより前輪と後輪との差動回転数が上昇す
る程強くされ、大きな差動制限力を発生させる。こうし
て、多板クラッチ109、油圧アクチュエータ、前後輪
の差動を検知する検知手段、コントローラによって回転
差感応型差動制限装置が構成されている。
【0069】ハウジング115の前部には中空の出力軸
129が一体形成されている。この出力軸129はスプ
ライン部131で前輪側の出力軸に連結され、ハウジン
グ101はスプライン部133で後輪側の出力軸に連結
されている。
129が一体形成されている。この出力軸129はスプ
ライン部131で前輪側の出力軸に連結され、ハウジン
グ101はスプライン部133で後輪側の出力軸に連結
されている。
【0070】エンジンのトルクはハウジング101から
後輪側の出力軸を介してリヤデフに伝達され左右の後輪
に分配される。又、ハウジング101から入力したトル
クは、第1、第2実施例と同様に、差動機構107と回
転差感応型差動制限装置(多板クラッチ109)とを介
して出力軸129から前輪側の出力軸を介してフロント
デフに伝達され左右の前輪に分配される。
後輪側の出力軸を介してリヤデフに伝達され左右の後輪
に分配される。又、ハウジング101から入力したトル
クは、第1、第2実施例と同様に、差動機構107と回
転差感応型差動制限装置(多板クラッチ109)とを介
して出力軸129から前輪側の出力軸を介してフロント
デフに伝達され左右の前輪に分配される。
【0071】第1、第2実施例と同様に、エンジンのト
ルクはハウジング101に入力し、後輪側の出力軸から
リヤデフ側に送られ、左右の後輪に分配される。又、入
力トルクはハウジング101からピニオンギヤ29、3
1に入力し、サイドギヤ23からハブ117を介して多
板クラッチ109を経由し、再びサイドギヤ23とピニ
オンギヤ29から多板クラッチ109のハウジング11
5と出力軸129とを介して前輪側の出力軸に出力さ
れ、フロントデフ側に送られて左右の前輪に分配され
る。このトルクの伝達中、差動機構107は摩擦抵抗に
よりトルク感応型の差動制限力Rtを得る。
ルクはハウジング101に入力し、後輪側の出力軸から
リヤデフ側に送られ、左右の後輪に分配される。又、入
力トルクはハウジング101からピニオンギヤ29、3
1に入力し、サイドギヤ23からハブ117を介して多
板クラッチ109を経由し、再びサイドギヤ23とピニ
オンギヤ29から多板クラッチ109のハウジング11
5と出力軸129とを介して前輪側の出力軸に出力さ
れ、フロントデフ側に送られて左右の前輪に分配され
る。このトルクの伝達中、差動機構107は摩擦抵抗に
よりトルク感応型の差動制限力Rtを得る。
【0072】このときの前輪側への出力トルクは差動機
構107から多板クラッチ109を介して発生したもの
であるから、多板クラッチ109の差動制限力Tnと差
動機構107の差動制限力Rtとの積(Tn×Rt)に
なる。
構107から多板クラッチ109を介して発生したもの
であるから、多板クラッチ109の差動制限力Tnと差
動機構107の差動制限力Rtとの積(Tn×Rt)に
なる。
【0073】又、多板クラッチ109に入力したトルク
はハウジング115から出力軸129を介して前輪側の
出力軸に出力される。この出力トルクTn×1は多板ク
ラッチ109を経由して直接出力されたものであるか
ら、多板クラッチ109の差動制限力Tnがそのまま出
力される。
はハウジング115から出力軸129を介して前輪側の
出力軸に出力される。この出力トルクTn×1は多板ク
ラッチ109を経由して直接出力されたものであるか
ら、多板クラッチ109の差動制限力Tnがそのまま出
力される。
【0074】こうして、多板クラッチ109をS−S配
置したことにより、出力軸129には、Tn×Rtに加
えて、従来例と異なり多板クラッチ109の差動制限力
Tnが得られるから、差動回転時の総出力トルクをTと
すると、 T=Tn×Rt+Tn=Tn×(Rt+1) となる。
置したことにより、出力軸129には、Tn×Rtに加
えて、従来例と異なり多板クラッチ109の差動制限力
Tnが得られるから、差動回転時の総出力トルクをTと
すると、 T=Tn×Rt+Tn=Tn×(Rt+1) となる。
【0075】本実施例によれば通常多板クラッチを押圧
する場合に比べ押し付け力が1/(Rt+1)の荷重で
同等の出力トルクを得られる。
する場合に比べ押し付け力が1/(Rt+1)の荷重で
同等の出力トルクを得られる。
【0076】又、各サイドギヤ21、23の歯数Z1 、
Z2 はそれぞれ20枚であるから、差動発生時のハウジ
ング115とハブ117の差動回転数△Nは2rpmに
なり、サイドギヤ21、23間にS−S配置された多板
クラッチ109に入力する差動回転数は差動機構107
によって2倍にされ、2倍増の大きな差動制限力が得ら
れる。
Z2 はそれぞれ20枚であるから、差動発生時のハウジ
ング115とハブ117の差動回転数△Nは2rpmに
なり、サイドギヤ21、23間にS−S配置された多板
クラッチ109に入力する差動回転数は差動機構107
によって2倍にされ、2倍増の大きな差動制限力が得ら
れる。
【0077】こうして、トルク配分装置99が構成され
ている。
ている。
【0078】上記のように、トルク配分装置99は、差
動回転発生時のトルクが多板クラッチ109を直接経由
する差動制限力Tnだけ強化されると共に、多板クラッ
チ109に入力する差動回転数が差動機構107によっ
て増速され差動制限力が強化されるから、差動回転発生
時のトルクの立ち上がりが速く、必要時に瞬間的に大き
な差動制限力が発生し、車両の操縦性、安定性、悪路走
破性などが大幅に改善される。又、回転差感応型差動制
限装置の容量を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制
限力が得られ、車載性が改善される。
動回転発生時のトルクが多板クラッチ109を直接経由
する差動制限力Tnだけ強化されると共に、多板クラッ
チ109に入力する差動回転数が差動機構107によっ
て増速され差動制限力が強化されるから、差動回転発生
時のトルクの立ち上がりが速く、必要時に瞬間的に大き
な差動制限力が発生し、車両の操縦性、安定性、悪路走
破性などが大幅に改善される。又、回転差感応型差動制
限装置の容量を大きくせずに、小型軽量で充分な差動制
限力が得られ、車載性が改善される。
【0079】又、トルク配分装置99を搭載した4WD
車は、ハウジング101を介してエンジンと後輪側とが
直結状態にされており、後輪駆動車に似た性格を得てい
ると共に、後輪の空転時は、上記のように、トルク配分
装置99を介して大きな駆動力が瞬間的に前輪側に送ら
れ、悪路走破性などが大幅に改善される。
車は、ハウジング101を介してエンジンと後輪側とが
直結状態にされており、後輪駆動車に似た性格を得てい
ると共に、後輪の空転時は、上記のように、トルク配分
装置99を介して大きな駆動力が瞬間的に前輪側に送ら
れ、悪路走破性などが大幅に改善される。
【0080】なお、請求項2のトルク配分装置におい
て、ピニオンギヤとサイドギヤはヘリカルギヤでなくス
パーギヤで構成してもよい。
て、ピニオンギヤとサイドギヤはヘリカルギヤでなくス
パーギヤで構成してもよい。
【0081】又、本発明において、差動機構は、トルク
感応型の差動制限機能を持った他の差動機構、例えば、
ウォームギヤのトルク伝達ロスによりトルク感応型差動
制限力が得られるように構成された差動機構でもよい。
感応型の差動制限機能を持った他の差動機構、例えば、
ウォームギヤのトルク伝達ロスによりトルク感応型差動
制限力が得られるように構成された差動機構でもよい。
【0082】摩擦クラッチは、多板クラッチに限らず、
例えばコーンクラッチでもよい。
例えばコーンクラッチでもよい。
【0083】
【発明の効果】各請求項のトルク配分装置は、トルク伝
達時のトルクロス(フリクションロス)によってトルク
感応型の差動制限力Rtを発生するトルク感応型差動制
限機能を有する差動機構を備えると共に、この差動機構
の一対の差動ギヤの間に、差動ギヤ部の増速比αとして
差動回転速度に感応して差動制限力Tn(△N×α)を
発生する回転差感応型差動制限装置を配置した。
達時のトルクロス(フリクションロス)によってトルク
感応型の差動制限力Rtを発生するトルク感応型差動制
限機能を有する差動機構を備えると共に、この差動機構
の一対の差動ギヤの間に、差動ギヤ部の増速比αとして
差動回転速度に感応して差動制限力Tn(△N×α)を
発生する回転差感応型差動制限装置を配置した。
【0084】このように、回転差感応型差動制限装置を
S−S配置したことによって、従来例と異なり、差動回
転時には、トルク感応型差動制限機能から回転差感応型
差動制限装置を経由して発生するトルク:Tn(△N×
α)×Rtに加えて回転差感応型差動制限装置を直接経
由する差動制限力Tn(△N×α)が得られ、差動回転
時の総出力トルクT=Tn(△N×α)×(Rt+1)
になる。
S−S配置したことによって、従来例と異なり、差動回
転時には、トルク感応型差動制限機能から回転差感応型
差動制限装置を経由して発生するトルク:Tn(△N×
α)×Rtに加えて回転差感応型差動制限装置を直接経
由する差動制限力Tn(△N×α)が得られ、差動回転
時の総出力トルクT=Tn(△N×α)×(Rt+1)
になる。
【0085】更に、両方の差動ギヤの間に配置(S−S
配置)された回転差感応型差動制限装置は、入力する差
動回転数が差動機構で増速されるから、増速比αを乗じ
た差動制限力が従来例より大幅に強化される。
配置)された回転差感応型差動制限装置は、入力する差
動回転数が差動機構で増速されるから、増速比αを乗じ
た差動制限力が従来例より大幅に強化される。
【0086】こうして、各請求項のトルク配分装置は、
差動回転発生時のトルクの立ち上がりが速く、必要時に
瞬間的に大きな差動制限力が得られるから、車両の操縦
性、安定性、悪路走破性などが大幅に改善されると共
に、回転差感応型差動制限装置の容量を大きくせずに、
小型軽量で充分な差動制限力が得られ、車載性が改善さ
れる。
差動回転発生時のトルクの立ち上がりが速く、必要時に
瞬間的に大きな差動制限力が得られるから、車両の操縦
性、安定性、悪路走破性などが大幅に改善されると共
に、回転差感応型差動制限装置の容量を大きくせずに、
小型軽量で充分な差動制限力が得られ、車載性が改善さ
れる。
【0087】又、このトルク配分装置を搭載した4WD
車は、ハウジング側の車輪がエンジンと直結状態になる
から、ハウジングを後輪側に連結すれば後輪駆動車に似
た性格が得られ、前輪側に連結すれば前輪駆動車に似た
性格が得られると共に、ハウジング側の車輪が空転する
と、上記のように、このトルク配分装置を介して他方の
車輪側に大きな駆動力が瞬間的に送られて、悪路走破性
などが大幅に改善される。
車は、ハウジング側の車輪がエンジンと直結状態になる
から、ハウジングを後輪側に連結すれば後輪駆動車に似
た性格が得られ、前輪側に連結すれば前輪駆動車に似た
性格が得られると共に、ハウジング側の車輪が空転する
と、上記のように、このトルク配分装置を介して他方の
車輪側に大きな駆動力が瞬間的に送られて、悪路走破性
などが大幅に改善される。
【0088】請求項2のトルク配分装置は、請求項1の
トルク配分装置において、差動機構を、ハウジングの収
納孔に摺動回転自在に収納されたピニオンギヤで一対の
出力側サイドギヤを連結するように構成され、各ギヤの
噛み合い反力や噛み合いスラスト力によってトルク感応
型差動制限力を得る差動機構にしたものであり、充分に
大きい差動制限力が得られると共に、このタイプの差動
機構は軸方向に小型であるから、トルク配分装置がそれ
だけ小型化し、車載性が向上する。
トルク配分装置において、差動機構を、ハウジングの収
納孔に摺動回転自在に収納されたピニオンギヤで一対の
出力側サイドギヤを連結するように構成され、各ギヤの
噛み合い反力や噛み合いスラスト力によってトルク感応
型差動制限力を得る差動機構にしたものであり、充分に
大きい差動制限力が得られると共に、このタイプの差動
機構は軸方向に小型であるから、トルク配分装置がそれ
だけ小型化し、車載性が向上する。
【0089】請求項3のトルク配分装置は、請求項1又
は2のトルク配分装置において、一対の差動ギヤの歯数
を互いに異なった枚数にしたものであり、このように、
差動ギヤの歯数を互いに変えることにより、差動機構を
介して回転差感応型差動制限装置に入る差動回転数の増
速比が変わるから、差動回転発生時のトルクの立ち上が
り(レスポンス)を調整し、車種に合わせて操縦性、安
定性、悪路走破性などを改善することができる。この増
速比は幅広く調整可能であり、例えば、他方の出力軸側
差動ギヤの歯数をもう一方の差動ギヤの歯数より大きく
すると、増速比が大きくなって差動回転発生時のトルク
の立ち上がりが速くなり、その反対の歯数比にすると、
車種によってトルクの立ち上がりを緩やかにしたい場合
にも対応できる。
は2のトルク配分装置において、一対の差動ギヤの歯数
を互いに異なった枚数にしたものであり、このように、
差動ギヤの歯数を互いに変えることにより、差動機構を
介して回転差感応型差動制限装置に入る差動回転数の増
速比が変わるから、差動回転発生時のトルクの立ち上が
り(レスポンス)を調整し、車種に合わせて操縦性、安
定性、悪路走破性などを改善することができる。この増
速比は幅広く調整可能であり、例えば、他方の出力軸側
差動ギヤの歯数をもう一方の差動ギヤの歯数より大きく
すると、増速比が大きくなって差動回転発生時のトルク
の立ち上がりが速くなり、その反対の歯数比にすると、
車種によってトルクの立ち上がりを緩やかにしたい場合
にも対応できる。
【0090】請求項4のトルク配分装置は、請求項1、
2又は3のトルク配分装置において、回転差感応型差動
制限装置を、例えば、多板クラッチのような摩擦クラッ
チと、差動回転速度に応じた押圧力でこの摩擦クラッチ
を締結して差動回転速度に感応する差動制限力を発生さ
せる操作手段とで構成するものであり、請求項1、2又
は3のトルク配分装置と同様に、小型軽量で充分な差動
制限力が得られると共に、差動回転発生時のトルクの立
ち上がりが速い。
2又は3のトルク配分装置において、回転差感応型差動
制限装置を、例えば、多板クラッチのような摩擦クラッ
チと、差動回転速度に応じた押圧力でこの摩擦クラッチ
を締結して差動回転速度に感応する差動制限力を発生さ
せる操作手段とで構成するものであり、請求項1、2又
は3のトルク配分装置と同様に、小型軽量で充分な差動
制限力が得られると共に、差動回転発生時のトルクの立
ち上がりが速い。
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】実施例のトルク配分装置におけるトルクフロー
を示す図面である。
を示す図面である。
【図3】本発明の第2実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図5】本発明の第1、第2実施例での差動機構による
差動回転数の増速比を示す図表である。
差動回転数の増速比を示す図表である。
【図6】実施例と従来例の差動制限特性を比較するグラ
フである。
フである。
【図7】従来例の断面図である。
1、89、99 トルク配分装置 3、101 ハウジング 17、93、107 差動機構 19 回転差感応型差動制限装置 21、23 サイドギヤ(差動ギヤ) 25、27、111、113 収納孔 29、31 ピニオンギヤ(中間ギヤ) 33、39 第1ギヤ部 35、41 第2ギヤ部 43、115 ハウジング(回転差感応型差動制限装置
の一側部材) 55、129 他方の出力軸 91 サイドギヤ(差動ギヤ) 109 多板クラッチ(摩擦クラッチ:回転差感応型差
動制限装置)
の一側部材) 55、129 他方の出力軸 91 サイドギヤ(差動ギヤ) 109 多板クラッチ(摩擦クラッチ:回転差感応型差
動制限装置)
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
ハウジングと、このハウジングと一体に公転する中間ギ
ヤと、この中間ギヤを介して連結された一対の差動ギヤ
とを有し、トルク伝達時の伝達ロスによりトルク感応型
の差動制限力を発生するトルク感応型差動制限機能を有
する差動機構と、前記一対の差動ギヤの間に配置され、
差動回転速度に感応して差動制限力を発生する回転差感
応型差動制限装置とを備え、ハウジングが一方の出力軸
側に連結され、差動ギヤのいずれか一方又はこれと連結
された回転差感応型差動制限装置の一側部材が他方の出
力軸側に連結されたことを特徴とするトルク配分装置。 - 【請求項2】 一対の差動ギヤが、ハウジングの内部に
相対回転自在に配置された一対の出力側サイドギヤであ
り、中間ギヤが、これらサイドギヤの径方向外側に平行
配置されると共に、これらのサイドギヤと各別に噛み合
う第1ギヤ部と互いに噛み合う第2ギヤ部とを有し、ハ
ウジングに形成された収納孔に収納され外周を摺動回転
自在に支持された少なくとも一対のピニオンギヤである
請求項1のトルク配分装置。 - 【請求項3】 一対の差動ギヤの歯数が互いに異なった
請求項1又は2のトルク配分装置。 - 【請求項4】 回転差感応型差動制限装置が、摩擦クラ
ッチと、差動回転速度に応じた押圧力でこの摩擦クラッ
チを締結し差動回転速度に感応する差動制限力を発生さ
せる操作手段とを有する請求項1、2又は3のトルク配
分装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9362395A JPH08285047A (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | トルク配分装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9362395A JPH08285047A (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | トルク配分装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08285047A true JPH08285047A (ja) | 1996-11-01 |
Family
ID=14087460
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9362395A Pending JPH08285047A (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | トルク配分装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08285047A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009150498A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Jtekt Corp | 差動歯車装置 |
CN102494102A (zh) * | 2011-12-19 | 2012-06-13 | 大连理工大学 | 液控有限转差差速器 |
-
1995
- 1995-04-19 JP JP9362395A patent/JPH08285047A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009150498A (ja) * | 2007-12-21 | 2009-07-09 | Jtekt Corp | 差動歯車装置 |
CN102494102A (zh) * | 2011-12-19 | 2012-06-13 | 大连理工大学 | 液控有限转差差速器 |
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