JP2621209B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP2621209B2
JP2621209B2 JP62209283A JP20928387A JP2621209B2 JP 2621209 B2 JP2621209 B2 JP 2621209B2 JP 62209283 A JP62209283 A JP 62209283A JP 20928387 A JP20928387 A JP 20928387A JP 2621209 B2 JP2621209 B2 JP 2621209B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、種々の機械的性質、特に、耐薬品性、耐衝
撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関するものであり、
自動車部品等に好適な成形材料を提供するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕
芳香族ポリカーボネート樹脂は強靱で耐衝撃性、電気
的性質に優れ、寸法安定性も良好であることから有用な
エンジニアリングプラスチックとして利用されている。
しかし溶融粘度が高くて成形性が悪い事や芳香族溶剤や
ガソリンに接触するとクラックが発生するといった耐薬
品性に劣る等の欠点があることなどから、その応用範囲
は限定されているのが実状である。
これらの欠点を改良する為に、芳香族ポリカーボネー
ト樹脂に種々の樹脂を配合する提案が為されている。例
えば、特公昭36−14035号公報にはポリエチレンテレフ
タレート、USP−3,218,372にはポリアルキレンテレフタ
レートを配合して成形加工性(流動性)及び耐溶剤性を
改良することが提案されている。
これらのポリアルキレンテレフタレートを配合して耐
薬品性を改良する方法は、ポリアルキレンテレフタレー
トの配合量が多くなる程より改良されるものであるが、
反面、成形品にヒケなどが生じ易くなり、又、耐衝撃性
や耐熱性も低下する。
4 従って、ポリアルキレンテレフタレートの配合量に
は制限があり、耐薬品性と外観、耐熱性、耐衝撃性とを
兼ね備えたものは得られないものであった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂とポリアルキ
レンテレフタレートとからなる樹脂組成物の耐薬品性を
改良する方法について鋭意検討した結果、耐薬品性が大
幅に改良され、かつ外観、耐熱性、耐衝撃性など種々の
性質の均衡の取れた熱可塑性樹脂組成物を見出し、本発
明を完成させた。
すなわち、本発明は、A.粘度平均分子量が少なくとも
15,000の芳香族ポリカーボネート樹脂40〜90重量%とB.
ポリブチレンテレフタレート樹脂60〜10重量%とからな
る樹脂組成物100重量部に対して、 C.粘度平均重合度2〜15の非ハロゲン化芳香族ポリカ
ーボネートオリゴマー1〜15重量部および D.(a)ポリエステル系エラストマー、(b)MBS樹
脂、(c)MAS樹脂、(d)アクリル酸エステル系コア
ーシェルグラフト共重合体、(e)ポリオレフィン及び
(f)架橋ポリオレフィン系エラストマーからなる群よ
り選択された一種もしくは二種以上の軟質樹脂1〜10重
量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)とは従来
の芳香族ポリカーボネート樹脂の製法、すなわち、芳香
族二価フェノール系化合物、ホスゲン又は炭酸ジエステ
ル及び末端停止剤を反応させてなるものであり、粘度平
均分子量が1.5万以上、好ましくは20,000〜35,000の範
囲の熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体である。
ここに、芳香族二価フェノール系化合物としては、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
ホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン〔=ビスフェノール
A〕、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモ
フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−ジフェニルメタンなど
が例示され、適宜単独又は2種以上の混合物として用い
るが、特に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(=ビスフェノールA)が好ましい。
本発明の末端停止剤としては、フェノール、m−又は
p−メチルフェノール、m−又はp−プロピルフェノー
ル、p−ブロモフェノール、p−tert−ブチルフェノー
ル、トリブロモフェノール等の通常の末端停止剤;酢
酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、オクチル酸、ラ
ウリル酸、ステアリン酸などの脂肪酸;酢酸クロライ
ド、プロピオン酸クロライド、酪酸クロライド、カプリ
ル酸クロライド、オクチル酸クロライド、ラウリル酸ク
ロライド、ステアリン酸クロライドなどの脂肪酸クロラ
イド;ヒドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸
エチル、ヒドロキシ安息香酸プロピル、ヒドロキシ安息
香酸ブチル、ヒドロキシ安息香酸オクチル、ヒドロキシ
安息香酸ラウリル、ヒドロキシ安息香酸ノリル、ヒドロ
キシ安息香酸ステアリル等のヒドロキシ安息香酸アルキ
ルエステル;オクチルフェノール、ノリルフェノール、
ラウリルフェノール、パルミチルフェノール、ステアリ
ルフェノール等の長鎖アルキル置換フェノール;P−ヒド
ロキシフェニル酢酸メチル、P−ヒドロキシフェニル酢
酸エチル等のヒドロキシ・フェニル酸アルキルエステ
ル;オクチルエーテルフェノール、ノリルエーテルフェ
ノール、ラウリルエーテルフェノール、パルミチルエー
テルフェノール、オクタデシロキシフェノール、ドデシ
ロキシフェノール等の長鎖アルキルオキシフェノールが
例示される。使用量は、用いる二価フェノールの10〜1
モル%、好ましくは7〜2モル%の範囲であり、二種以
上の化合物を併用してもよい。
又、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂としても使
用できるものであり、分岐化剤としては、フロログルシ
ン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4
−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、
4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニ
ル)エタンなどで例示されるポリヒドロキシ化合物、及
び3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインド
ール(=イサチン(ビスフェノール))、5−クロロイ
サチン、5,7−ジクロルイサチン、5−ブロモイサチン
などが例示され、使用量は用いる二価フェノールの0.02
〜1モル%の範囲である。
本発明のポリブチレンテレフタレート(B)とは、芳
香族ジカルボン酸あるいはそのジエステルとブチレング
リコールを主たるグリコール成分とするグリコールとを
公知の方法で反応させて得られる重合体である。具体的
には、テレフタル酸あいはテレフタル酸ジメチルを芳香
族ジカルボン酸の主成分とし、これとイソフタル酸、2,
6−ナフタリンジカルボン酸、2,7−ナフタリンジカルボ
ン酸、1,5−ナフタリンジカルボン酸、4,4′−ジフェニ
ルジカルボン酸、4,4′−ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、p−オキシ安息香酸、セバチン酸、アジピン酸等
を適宜併用してなる芳香族カルボン酸と、ブチレングリ
コールを主として、エチレングリコールあるいはエチレ
ンオキサイド、トリメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール等のその他のグリコール類を30モル%以
下、好ましくは20モル%以下を適宜併用してなるグリコ
ールとを重縮合してなるものであり、ポリブチレンテレ
フタレート単独あるいはこれに副成分としてポリエチレ
ンテレフタレートを混合したものでも良い。本発明で使
用するポリブチレンテレフタレート樹脂は、フェノール
とテトラクロロエチレンとを6対4の重量比で混合した
混合溶媒中、30℃で測定した極限粘度[η]が0.6以上
のものが好ましく、0.6未満では衝撃強度や耐薬品性の
改良が不十分となる。
本発明の粘度平均重合度が2〜15の非ハロゲ化芳香族
ポリカーボネートオリゴマー(C)は、原料の使用量比
等の重合反応条件を分子量を低く調整する条件とする他
は上記(A)の芳香族ポリカーボネート樹脂と同様の製
法により製造されるものであり、末端停止剤を二価フェ
ノール系化合物の50〜9モル%、好ましくは35〜15モル
%の範囲で使用することによる。
本発明の(D)成分は、上記の組成物の耐衝撃性を特
に改良することを目的とするものであり、(a)ポリエ
ステル系エラストマー、(b)MBS樹脂、(c)MAS樹
脂、(d)アクリル酸エステル系コア−シェルグラフト
共重合体、(e)ポリオレフィン及び(f)架橋ポリオ
レフィン系エラストマーからなる群より選択された一種
もしくは二種以上の軟質樹脂である。
ここに、(a)ポリエステルエラストマーとは、ソフ
トセグメントを30〜70重量%含有する通常のポリエステ
ルエラストマーも使用できるが、本発明においては、特
に、 (1)テレフタル酸を70モル%以上含有するジカルボン
酸又はそのエステル形成性誘導体、 (2)テトラメチレングリコールを70モル%以上含有す
る低分子量グリコール又はそのエステル形成性誘導体、
および (3)平均分子量500〜5,000のポリ(オキシアルキレ
ン)グリコール又はそのエステル形成性誘導体を成分
(3)がポリエステルエラストマー中の70〜90重量%と
なる割合で重縮合してなるものが好ましい。
上記(1)のテレフタル酸を70モル%以上含有するジ
カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体として、テレ
フタル酸以外のジカルボン酸成分として使用されるもの
としては、脂肪族、脂環族及び芳香族のいずれでもよ
く、通常、分子量が300以下のものであり、アジピン
酸、セバチン酸、シクロヘキシルジカルボン酸、イソフ
タル酸、ナフタリンジカルボン酸などが例示される。ま
た、(2)のグリコールとしては、前記のB成分に用い
るものと同様のジオール類が例示される。(3)のポリ
(オキシアルキレン)グリコールは、平均分子量500〜
5,000であり、このグリコール中に含有される炭素原子
と酸素原子との数比は2.0〜4.3のものがよく、例えばポ
リ(テトラメチレンオキサイド)グリコール、ポリ(エ
チレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロピレンオキ
サイド)グリコールおよびこれらの共重合体などであ
り、特にポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコール
が好ましい。
上記の(1)、(2)及び(3)の重縮合は、得られ
るポリエステルエラストマー中の成分(3)が70〜90重
量%となるように行う。更に、ポリエステルエラストマ
ーの重合度は、クロロフェノール1.2g/dlの濃度溶液の3
5℃における還元粘度が0.5〜5.0の範囲のものが好まし
い。このようなポリエステルエラストマーとしては、東
洋紡績(株)から商品名「ペルプレンP 30B」として市
販されているものが好適に用いられる。
(b)のMBS樹脂とは、ポリブタジエンやブタジエン
−スチレン共重合体などのブタジエン系ゴム状重合体に
メタクリル酸エステル、芳香族モノビニル化合物、およ
びシアン化ビニル化合物の一種以上を塊状重合、懸濁重
合、塊状懸濁重合、溶液重合あるいは乳化重合などの方
法、特に乳化重合の方法でグラフト重合してなるもので
ある。ここに、ブタジエン系重合体の使用量は、10〜85
重量%、好ましくは30〜70重量%であり、ブタジエン系
重合体が共重合体の場合には、該共重合体中のブタジエ
ン成分が50重量%以上であるものを用いるのが好まし
い。使用量が10重量%未満では得られる組成物の耐衝撃
性が低く、85重量%を超えるとえられる組成物の成形性
が低下し好ましくない。また、メタクリル酸エステルと
しては、炭素数1〜4のアルキルエステル、特にメチル
メタクリレートが良い。芳香族モノビニル化合物として
は、スチレン、ハロゲン化スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、ビニルナフタレンなどが例示さ
れ、特にスチレンが良い。シアン化ビニル化合物として
は、アクリロニトリル、メタクリルニトリル、α−ハロ
ゲン化アクリロニトリルなどが例示され、特にアクリロ
ニトリルが良い。
(c)のMAS樹脂とは、(1)アルキル基の炭素数1
〜18のアクリル酸或いはメタクリル酸のアルキルエステ
ルを主体とするゴムと、芳香族炭化水素重合体或いは
芳香族炭化水素単量体とビニルもしくはビニリデン単量
体1種もしくは2種以上との共重合とからなり、の
単量体の一部又は全部をの存在価に重合させて得たも
ので、5〜40重量%のゴム含有量のものとするのが良
い。ゴムは、炭素数1〜18のアクリル酸或いはメタク
リル酸のアルキルエステルの1種もしくは2種以上の成
分を70重量%以上、好ましくは80重量%含有し、これと
共重合可能なビニル芳香族単量体、シアン化ビニル、脂
肪族ビニルエステル成分を30重量%以上含有したもの
で、2時転移温度が0℃以下で、メチルエチルケトン中
30℃で測定した膨潤度が4〜12であるように架橋されて
いるものが好ましい。架橋は、過酸化ベンゾイルその他
の過酸化物、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレ
ート、アリルシアヌレート、トリアリルホスフェートな
どのような多官能性単量体を10重量%以下の量反応させ
ることによって行う。また、は、ビニル芳香族単量体
40〜100重量%とシアン化ビニル、脂肪族ビニルエステ
ル60〜0重量%からなる単独又は共重合体である。
(d)のアクリル酸エステル系コア−シェルグラフト
共重合体とは、(1)アルキル基の炭素数2〜12のアク
リル酸のアルキルエステル70〜95重量%とブタジエンで
代表される共役ジエン型二重結合を持つ多官能性重合性
単量体30〜5重量%とを必須成分とし、0.01〜3重量%
の架橋剤を添加して乳化重合法により共重合させて得ら
れる架橋ゴム共重合体からなるコア50〜75重量%に、
(2)−1.50〜80重量%のスチレンと50〜20重量%のメ
チルメタクリレートとのモノマー混合物を0.01〜2重量
%の架橋剤の存在下にグラフト重合させてなるか又は
(2)−2.10〜50重量%のアクリロニトリル、10〜80の
スチレン及び10〜50重量%のメ4ルメタクリレートとの
モノマー混合物を0.01〜2重量%の架橋剤の存在下にグ
ラフト重合させてなる中間層45〜10重量%を形成し、次
いで(3)メチルメタクリレートを0.01〜2重量%の架
橋剤の存在下にグラフト重合させてなるシェル5〜25重
量%を形成してなるものである。
ここに架橋ゴム共重合体コアを形成するに用いるアル
キル基の炭素数が2〜12のアクリル酸アルキルエステル
としては、特にn−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレートが好ましい。又、共役ジエンとして
は、前記のブタジエンのほかに1−メチル−2−ビニル
−4,6−ヘプタジエン−1−オール、7−メチル−3−
メチレン−1,6−オクタジエン、1,3,7−オクタトリエン
等を挙げることができる。
更に、使用する架橋剤は各重合段階での混合単量体と
よく共重合するもの選択すべきであって、例えばジビニ
ルベンゼン、ジビニルトルエンに代表される芳香族多官
能ビニル化合物、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート等のジメタクリレート
類及びエチレングリコールジアクリレート、ジエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート等
のジアクリレート類が望ましい。
尚、アクリル酸のアルキルエステルと共役ジエン型二
重結合を持つ多官能性重合性単量体とを共重合させるに
際し、所望に応じて、スチレンに代表される芳香族ビニ
ル化合物、メチルメタクリレートで代表されるメタクリ
ル酸エステル、アクリロニトリルで代表されるビニルシ
アン化合物、メチルビニルエーテルで代表されるビニル
エーテル化合物、塩化ビニルで代表されるハロゲン化ビ
ニル化合物の中から適宜選ばれた単官能性重合性単量
体、特にメチルメタクリレートで代表されるメタクリル
酸エステルをアルキル基の炭素数が2〜12のアクリル酸
アルキルエステルの一部として使用することもできる。
次に、前記の架橋ゴム共重合体(コア)へのグラフト
重合に用いられるビニル化合物としては、メチルメタク
リレートで代表されるメタクリル酸エステル、スチレン
に代表される芳香族ビニル化合物、アクリロニトリルで
代表されるビニルシアン化合物および塩化ビニルで代表
されるハロゲン化ビニル化合物からなる群から選ばれた
重合性単量体を挙げることができ、これらは二種以上を
混合して用いても良い。
このようなアクリル酸エステル系コア−シェルグラフ
ト共重合体の代表的な製造例を示すと、アルキル基の炭
素数2〜12のアクリル酸アルキルエステル70〜95重量
部、ブタジエン30〜5重量部及び架橋剤0.01〜3重量
部、特に0.05〜1.5重量部よりなる混合単量体を乳化重
合して得られる架橋ゴム共重合体50〜75重量部含み、平
均粒子径が0.05〜0.1μmの範囲であるラテックスに凝
集剤、例えば塩酸、硫酸などの鉱酸を添加して得られた
平均粒子径0.12〜0.3μmの凝集粒子に、架橋剤を0.01
〜2.0重量部含むスチレン10〜90重量%、メチルメタク
リレート90〜10重量%からなる単量体成分50〜25重量部
をまず架橋剤を含むスチレンを主成分とするメチルメタ
クリレートとの混合物と架橋剤を含むメチルメタクリレ
ートとに分け、前者を前記の凝集ゴムラテックスに添加
重合し、次に後者を添加重合する方法;アルキル基の炭
素数2〜12のアクリル酸アルキルエステル40〜95重量
部、ブタジエン40〜5重量部、メチルメタクリレート0
〜30重量部及び架橋剤0.01〜3重量部、特に0.05〜1.5
重量部よりなる混合単量体を乳化重合して得られる架橋
ゴム共重合体50〜80重量部を含むラテックスに凝集剤、
例えば塩酸、硫酸などの鉱酸を添加して得られた平均粒
子0.12〜0.5μmの凝集粒子に、まずアクリロニトリル1
0〜50重量%とスチレンもしくはメチルメタクリレート9
0〜50重量%とを含み架橋剤を0.01〜3.0重量部含む単量
体45〜10重量部を添加重合した後、架橋剤を0.01〜3.0
重量部含むアルキル基の炭素数1〜4のメタクリル酸ア
ルキルエステル単量体5〜25重量部を更に添加重合する
方法が挙げられる。
かかるアクリル酸エステル系コア−シェルグラフト共
重合体として、呉羽化学工業(株)から商品名「HIA−1
5」、「HIA−28」あるいは「HIA−30」として市販され
ている樹脂が好適に用いられる。
(e)のポリオレフィンとは、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン−1、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアク
リレート共重合体等であり、ガラス転移温度の低いも
の、特に−40℃以下のものが好ましい。
(f)の架橋ポリオレフィン系エラストマーとは、エ
チレン−プロピレン共重合体を主たる構成成分とし、こ
れに過酸化物を触媒としてジエン系化合物で架橋化した
ものである。かかる架橋化オレフィン系熱可塑性エラス
トマーとしては、三井石油化学(株)から、商品名「ミ
ラストマー」として市販されているものが好適に用いら
れる。
以上の本発明の成分(A)(B)(C)及び(D)
は、粘度平均分子量が少なくとも15,000の芳香族ポリカ
ーボネート樹脂(A)40〜90重量%、好ましくは50〜80
重量%とポリブチレンテレフタレート樹脂(B)60〜10
重量%、好ましくは50〜20重量%との組成物100重量部
に対して、粘度平均重合度が2〜15の非ハロゲン化芳香
族ポリカーボネートオリゴマー(C)1〜15重量部、好
ましくは2〜10重量部及び前記の(a)〜(f)から選
択した軟質樹脂(D)1〜10重量部、好ましくは2〜5
重量部を配合するものである。
粘度平均分子量が少なくとも15,000の芳香族ポリカー
ボネート樹脂(A)とポリブチレンテレフタレート樹脂
(B)との組成物100重量部中の(A)が40重量%未満
では耐熱性がエンジニアリング・プラスチックに要求さ
れる水準に至らず、寸法安定性も不良となり、90重量%
を越えると成形加工性の向上が不充分となり、耐薬品性
も改良が不十分となる。逆にポリブチレンテレフタレー
ト樹脂(B)が10重量%未満では耐薬品性の改良が不充
分となり、60重量%を越えると寸法安定性が不良とな
り、外観不良の原因となる。
又、(A)(B)の組成物100重量部に配合する非ハ
ロゲン化芳香族ポリカーボネートオリゴマー(C)が1
重量部未満では耐薬品性は改善されず、逆に15重量部を
越えると耐熱性不良の原因となり、軟質樹脂(D)が1
重量部未満では耐衝撃性が改善されず、逆に10重量部を
越えると耐熱性、機械的強度などが低下する。
以上の如くである本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
所望に応じて安定性、顔料、染料、難燃剤、滑剤等の各
種添加剤や無機或いは有機の繊維物質といった補強材や
ガラスビーズなどの各種充填剤を配合することが出来、
さらには、本発明の特性を害さない範囲で、他の樹脂成
分を配合しても良い。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を調整するに当たって
は、従来公知の方法が採用されれば良く押出機、バンバ
リーミキサー、ロール等で混練する方法が適時選択され
る。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例を示したが「部」は特に断
らない限り重量基準である。
実施例1〜17及び比較例1〜20 ビスフェノールA(=BPA)を原料とする芳香族ポリ
カーボネート(三菱瓦斯化化学(株)製、商品名:ユー
ピロンE−2000、粘度平均分子量29,000、PCと記す)お
よびポリブチレンテレフタレート(ポリプラスチック
(株)、製商品名;ジュラネックス2002、PBTと記す)
に、BPAを用い、末端停止剤としてp−tert−ブチルフ
ェノールを使用した粘度平均重合度7のもの(=AL
1)、AL1の末端停止剤をp−オキシ安息香酸ラウリルを
使用した粘度平均重合度7のもの(=AL2)およびAL1の
末端停止剤をステアリン酸クロライドを使用した粘度平
均重合度4のもの(=AL3)から選択した非ハロゲン化
芳香族ポリカーボネートオリゴマー、又はポリエステル
エラストマー(東洋紡績(株)製、商品名;ペルプレン
P 30B、P 30Bと記す)、MBS樹脂(日本合成ゴム(株)
製、商品名;JSR MBS 67、MBSと記す)、MAS樹脂(三菱
レイヨン(株)製、商品名:メタブレンW 529、MASと記
す)、アクリル酸エステル系コアーシェルグラフト共重
合体(呉羽化学(株)製、商品名;HIA 28、HIAと記
す)、ポリオレフィン(日本ユニカー(株)製、商品
名;DPDJ−6169、エチレンエチルアクリレート共重合
体、EEAと記す)及び架橋オレフィンエラストマー(三
井石油化学(株)製、商品名;ミラストマー、CEPMと記
す)から選択した軟質樹脂を第1表に示した比率でブレ
ンダーに入れ、30分間混合した後、ベント付き押出機
(40mmφ、L/D=25、シリンダー温度240〜260℃)で溶
融押出してペレットとした。このペレットを熱風乾燥器
で120℃、5時間以上乾燥し、射出成形機により物性測
定用の試験片を成形し、物性の試験をした結果を第1表
に示した。
なお、第1表中の略号等の記載は下記による。
・σT:曲げ強度 単位 kg/cm2 A;空気中での測定. S;トルエン/イソオクタン=4/6(容積比)中に於ける
測定. ・HDT:熱変形温度ASTM D 648、荷重18.6kg/cm2. ・IZ:アイゾット衝撃値 厚み3.2mmノッチつき.単位
kg−cm/cm. 〔発明の作用及び効果〕 以上説明したごとく本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
耐薬品性の点では通常のポリカーボネート樹脂と同等以
下と推察される非ハロゲン化芳香族ポリカーボネートオ
リゴマーを使用することにより、芳香族ポリカーボネー
ト/ポリブチレンテレフタレート組成物について特異的
にその耐薬品性を改良し、改良された耐薬品性を劣化さ
せることなく更に耐衝撃性も改良してなるものであり、
このような作用或いは効果が特異的に発現する理由は、
現状においては説明されないものである。
しかしながら、本発明の熱可塑性樹脂組成物は耐薬品
性と耐衝撃性とに優れ、成形加工性、機械的強度、耐熱
性、外観などの種々の性質の均衡の取れたものであり、
より信頼性に優れた材料として自動車部品等に好適な材
料を提供できるものであることが理解される。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.粘度平均分子量が少なくとも15,000の芳
    香族ポリカーボネート樹脂40〜90重量%と、B.ポリブチ
    レンテレフタレート樹脂60〜10重量%とからなる樹脂組
    成物100重量部に対して、 C.粘度平均重合度2〜15の非ハロゲン化芳香族ポリカー
    ボネートオリゴマー1〜15重量部および D.(a)ポリエステル系エラストマー、(b)MBS樹
    脂、(c)MAS樹脂、(d)アクリル酸エステル系コア
    −シェルグラフト共重合体、(e)ポリオレフィン及び
    (f)架橋ポリオレフィン系エラストマーからなる群よ
    り選択された一種もしくは二種以上の軟質樹脂1〜10重
    量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物。
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