JP2620036B2 - 故紙の脱インキ方法 - Google Patents

故紙の脱インキ方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再使用して新しい紙に
基づいた製品を製造し得る製紙用パルプ(paper pulp)を
提供することを目的とする、故紙(waste paper) からイ
ンキを除去する方法に関する。特に、本発明は、新規な
一群の脱インキ剤を用いて、故紙から水性インキと油性
インキの両方を除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】リサイ
クルさせた故紙は伝統的に、製紙工業において必要とさ
れる原料ファイバー(fiber) の供給源の一つとなってい
る。過去には、故紙から得られたファイバーは、低い品
質等級の紙及び板紙製品の製造に用いられるだけであっ
た。しかしながら、現在では再生ファイバーは製紙に使
用されるファイバー全体の約25%を占め、それが再生さ
れた製紙用パルプ材料の実用性を向上させる誘因となっ
ている。特に、最近では、高品質紙の製造において廃フ
ァイバー(waste fiber)の使用を可能にすることを目的
として、廃ファイバーからインキを効果的に除去する方
法を開発する試みが行われている。
【0003】慣用の紙再生方法においては、脱インキ
は、故紙をパルプに変え、次いで該パルプを、パルプフ
ァイバーからインキ及び他の不純物を除去し、水性媒体
中にインキ及び他の粒子の懸濁物又は分散物を生成させ
ることを目的として、化学的脱インキ剤を含有するアル
カリ性の水性脱インキ媒体と接触させることによって行
われる。次いで、得られた混合物を処理して、例えば、
空気散布し(air sparging)、インキ/脱インキ剤の複合
物を浮上分離(floatation)させ、次いですくい取って浮
上させたインキ及び他の粒子を処理浴から除去すること
によって、あるいは濾過し次いで得られたファイバーマ
ット(mat)を水洗して分散インキ粒子を除去することに
より、懸濁させたインキ及び他の粒子をパルプから分離
する。
【0004】従来技術においては、慣用の脱インキ方法
の効率を向上させるために数多くの試みがなされてい
る。例えば、米国特許第4,618,400 号明細書には、故紙
の脱インキ方法であって、故紙をパルプに変え、該パル
プを、脱インキ剤(該脱インキ剤はある種のチオールエ
トキシレート化合物の1種又はその混合物である)を約
0.2 〜2重量%含有するアルカリ性pHをもつ水性媒体と
接触させ、次いで該パルプ含有媒体から懸濁又は分散さ
せたインキを除去することを伴う(involving) 故紙の脱
インキ方法が記載されている。
【0005】米国特許第4,666,558 号明細書には、廃新
聞用紙(waste newsprint) の脱インキ方法であって、水
溶性の(C9 〜C16)アルカノールエトキシレート成分
と、油溶性の(C9 〜C16)アルカノールエトキシレー
ト成分との特殊混合物からなる脱インキ剤を含有する水
性媒体中に、パルプ化した新聞用紙を接触させ、次いで
脱インキされたパルプを該水性媒体から回収することを
伴う新聞用紙の脱インキ方法が説明されている。
【0006】米国特許第3,932,206 号明細書には、水生
生物に対して毒性がないと言われる脱インキ剤が記載さ
れており、この記載された化合物はエトキシル化(ethox
ylated) 脂肪族モノオール又はジオールからなるもので
ある。
【0007】特公昭59-150191 号明細書には、脂肪酸塩
の存在下で故紙を含軟させ(macerate)、次いで該故紙を
第4級アンモニウム界面活性剤に暴露させる(subject)
ことによる、故紙の脱インキ方法が記載されている。
【0008】ソビエト連邦特許第926129号明細書には、
故紙から印刷インキを除去するための組成物が記載され
ている。該組成物は、第4級アンモニウム及びホスホニ
ウム界面活性剤、イソアミルアルコール、ホスフィンオ
キシド、キサントゲン酸ブチル並びに溶媒を含有する。
【0009】米国特許第4,867,844 号明細書には、ファ
イバー材料を処理する方法であって、オニウム化合物
(好ましくは第4級アンモニウム化合物)から誘導され
た有機基と、クレー(好ましくはベントナイト)とから
形成された親有機性複合体(complex) を適用することよ
ってファイバー材料を処理する方法が記載されている。
【0010】日本特許公告第3119189(JP3119189)号明細
書には、クレーと、カチオン界面活性結合剤とを別々に
加えることによって、製紙から得られる白紙からファイ
バー質混濁物を除去する方法が記載されている。上記結
合剤はステアリル- トリメチルアンモニウムクロリドで
ある。
【0011】前記の種々の試みにもかかわらず、完全に
許容し得る故紙の脱インキ方法は現時点では存在しない
ということが一般的に認められている。従来の種々の脱
インキ方法の欠点の1つは、これらの方法では故紙から
水性インキと油性インキの両方を同時に除去することが
できないということである。故紙から水性(フレキソグ
ラフィック)インキの除去が、公知の種々の浮上分離式
脱インキ方法に関連した特に厄介な問題であるというこ
とが分かっている。例えば、標準的な脂肪酸石鹸化学で
は、高分散した水性インキ屑(waste) を集めることがで
きない。また、洗浄式脱インキ方法を使用する故紙から
の水性インキの除去も、大量の水を使用し、しかも水を
再循環し得るように使用した水を処理する必要があると
いう理由から問題を有している。この点で、故紙材料を
処理して水性インキ含有材料を、油性インキを含有する
故紙材料から分離するにはかなりの経費が伴う。
【0012】また、これまでに利用されている脱インキ
剤は、故紙から粘着性異物を除去するのには効果がなか
った。これらの粘着性異物(圧着ラベル、結合材料及び
接着剤に由来する)は、故紙の脱インキ方法において頻
繁に遭遇するものであり、最終リサイクル製品の品質を
制限する傾向がある。
【0013】従って、水性インキ及び/又は油性インキ
を含有する種々様々な種類の故紙を脱インキする方法を
提供することは、極めて望ましいことである。さらにま
た、かかる脱インキ方法によって、該方法により得られ
る脱インキされた製紙用パルプの品質を高めることを目
的として、処理された故紙から粘着性異物を除去するこ
ともできるならば好都合であろう。
【0014】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明
は、有機クレー(organoclay)が極めて効果的な脱インキ
剤として機能するという知見に基づいており、さらにま
たかかる有機クレー脱インキ剤を、脱インキ操作中に水
性系中でその場で都合よく形成させ得るという知見に基
づいている。また、有機クレーは、製本において使用さ
れる圧着ラベル及び接着剤に関連した種々粘着性成分を
除去するのに有効である。
【0015】従って、本発明の要旨によれば、故紙の脱
インキ方法において、(a)有機クレー脱インキ剤を水性
系中で形成させ、(b)該水性系中で故紙に由来するイン
キを、故紙を脱インキするのに有効な量の前記有機クレ
ー脱インキ剤と接触させ、次いで(c)脱インキされた製
紙用パルプを該水性系から回収することを特徴とする故
紙の脱インキ方法が提供される。
【0016】本発明は、前記有機クレー脱インキ剤を、
水性系中でその場で(in situ) 形成させる5通りの方法
を包含する。
【0017】第1の方法では、アンモニウム塩の1種又
はそれ以上と、カチオン交換性クレーの1種又はそれ以
上とを水性系に添加することにより、有機クレーを水性
系中で形成させ得る。該水性系において、これらの物質
が反応して有機クレー脱インキ剤を形成する。
【0018】別法として、処理すべき故紙の若干又は全
部がカチオン交換性クレーを含有する場合には、 (a)カ
チオン交換性クレーを含有する故紙の若干又は全部をパ
ルプ化して該クレーを故紙から遊離させ、次いで (b)ア
ンモニウム塩の少なくとも1種を混合することによって
脱インキ剤を形成させることにより、有機クレー脱イン
キ剤を水性系中で形成させ得る。
【0019】第3の方法は、カチオン交換性クレーの1
種又はそれ以上と、アンモニウム塩の1種又はそれ以上
とからなる無水配合物を水性系に添加することを伴う。
水が存在しない場合には、カチオン交換性クレーはアン
モニウム塩と反応しない。上記の無水配合物を水性系に
添加すると、カチオン交換性クレーはアンモニウム塩と
反応して有機クレー脱インキ剤を形成する。さらに、ア
ンモニウム塩は、故紙中に含まれる任意のクレーとも反
応する。
【0020】第4の方法は、1種のカチオン交換性クレ
ーと、1種又はそれ以上のアンモニウム塩の両方が脱イ
ンキすべき故紙中に存在する場合の方法である。アンモ
ニウム塩の1種又は複数は、インキ、紙サイズ剤(sizin
g)、又は紙を印刷する前の紙それ自体に添加し得る。次
いで、パルプ化工程では、アンモニウム塩の1種又は複
数と、故紙中の含まれるクレーの両方が遊離されるの
で、これらがその場で反応して有機クレーを形成する。
【0021】第5の方法は、アンモニウム塩の1種又は
複数を、インキ、紙サイズ剤、又は紙を印刷する前の紙
それ自体に添加し、故紙をパルプ化してアンモニウム塩
の1種又は複数を遊離させ、次いでクレーを別個に添加
して、該クレーとアンモニウム塩の1種又は複数とを反
応させて脱インキ剤を形成させることを伴う。
【0022】その場で有機クレー脱インキ剤を形成させ
る5通りの方法の全てについて、追加量のクレー又はア
ンモニウム塩を水性系に添加して、故紙を効果的に脱イ
ンキするのに十分な有機クレーの形成を高め得る。
【0023】本発明の脱インキ方法により、水性(フレ
キソグラフ)インキと油性インキの両方が首尾よく除去
される。フレキソグラフインキを採集し、浮上分離さ
せ、しかも粘着性成分を除去する能力は、慣用の脱イン
キ方法にまさる本発明の顕著な利点である。
【0024】本発明の要旨によれば、故紙の脱インキ方
法において、(a)有機クレー脱インキ剤を水性系中で形
成させ、(b)該水性系中で故紙に由来するインキ故紙
を、脱インキするのに有効な量の前記有機クレー脱イン
キ剤と接触させ、次いで(c)脱インキされた製紙用パル
プを該水性系から回収することを特徴とする故紙の脱イ
ンキ方法が提供される。
【0025】本発明者らは、アンモニウム塩の1種又は
それ以上と、カチオン交換性クレーの1種又はそれ以上
とを水性系に添加することにより、有機クレー脱インキ
剤を水性系中でその場で形成させ得ることを知見した。
カチオン交換性クレーは、クレー100g当たりにつき少な
くとも5ミリ当量(m.e.q.)を交換し得る1価又は2価カ
チオン、例えばNa+ 、Li+ 、H+ 、Ca2+、Mg2+又はFe2+
を含有するクレーである。場合によっては、これらの1
価又は2価カチオンは、有機カチオン例えばアンモニウ
ム塩と交換できる。前記カチオン交換性クレーの例とし
ては、ヘクトライト、ベントナイト、サポナイト、アタ
パルジャイト及びカオリナイトが挙げられるが、これら
に限定されるものではない。疎水性有機カチオンを選択
すると、イオン交換反応の後に疎水性になる有機クレー
をもたらすであろう。親水性有機カチオンを選択するこ
とによって、有機クレーを該有機カチオンでイオン交換
した後には、親水性有機クレーがもたらされる。疎水性
有機クレーは、有機クレー/水の混合物に空気散布し(s
parge)、次いで水面から有機クレーを掃除するか又は減
圧吸引することによって水から除去できる有機クレーで
ある。
【0026】カチオン交換性クレーは、紙組成物におい
て、滑らかな表面を提供し、インキの含浸を調節し、且
つ紙の紙むけ抵抗(pick resistance) 、外観、白色度及
び不透明度を向上させるために常用される。カチオン交
換性クレーはまた、ノーカーボンコピーに耐水性及び圧
着性のような特徴を付与するための機能性被覆として施
用される。従って、カチオン交換性クレーを含んだ故紙
については、 (a)カチオン交換性クレーを含有する故紙
を水性系中でパルプ化して、カチオン交換性クレーを故
紙から遊離させ、次いで (b)少なくとも1種のアンモニ
ウム塩を該水性系に混合して有機クレー脱インキ剤を形
成させることによって、有機クレー脱インキ剤を水性系
中でその場で形成させ得ることを知見した。
【0027】この第2の方法においては、必要とする場
合には、追加量のカチオン交換性クレーを水性系に添加
して故紙の効果的な脱インキを行い得る。
【0028】前記の第3の方法から第5の方法までの方
法においては、インキ、紙、無水配合物又は紙それ自体
の中に存在するアンモニウム塩の1種又はそれ以上が、
パルプ化中に遊離し、故紙から遊離したカチオン交換性
クレーか又は別個に添加したカチオン交換性クレーのい
ずれかとその場で反応して、有機クレー脱インキ添加剤
を形成する。
【0029】本発明の脱インキ方法は、特に、脱インキ
された製紙用パルプの回収を浮上分離法によって行う場
合には、界面活性剤の存在下で実施するのが好ましい。
ポリオキシエチレン型の界面活性剤が、前記有機クレー
脱インキ剤の起泡(foaming)特性を改質させ、且つ集め
られた廃インキの浮上分離槽表面までの浮上性を高める
のに特に有用であることが知見された。ポリオキシエチ
レン100 ステアリルエーテル型の界面活性剤、例えばBr
ij 700(ICI American Inc. 社製)が特に好ましい。
【0030】本発明の目的に有用なアンモニウム塩とし
ては、次の式: 〔式中、R1 は炭素原子1〜約30個を有する直鎖状又は
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基からなるものであり、
2 、R3 及びR4 はそれぞれ独立して (a)炭素原子1
〜約30個を有する直鎖状又は分岐鎖状の脂肪族基、 (b)
芳香族基及び置換芳香族基、 (c)エチレンオキシドを1
〜約80モル含有するエトキシル化された基、並びに (d)
水素原子からなる群からなる基から選択されるものであ
る〕を有するものが挙げられる。上記アンモニウム塩に
対イオンとして伴うアニオンX- は、典型的には該アン
モニウム塩の脱インキ活性に悪影響を及ぼさないもので
ある。かかるアニオンとしては、例えば塩素イオン、臭
素イオン、沃素イオン、ヒドロキシルイオン、亜硝酸イ
オン又は酢酸イオンが挙げられ、アンモニウムカチオン
の電荷を満たすのに十分な量で使用される。
【0031】上記式中の脂肪族基は、天然産の油類由来
のもの、例えば種々の植物油例えばトウモロコシ油、ヤ
シ油、大豆油、綿実油、ヒマシ油等、及び種々の動物油
又は動物脂肪例えばタロー(tallow)油由来のものであり
得る。該脂肪族基は同様に、例えばα- オレフィン類か
ら石油化学的に誘導し得る。
【0032】有用な分岐鎖状飽和基の代表例としては、
12- メチルステアリル基及び12- エチルステアリル基が
挙げられる。有用な分岐鎖状不飽和基の代表例として
は、12- メチルオレイル基及び12- エチルオレイル基が
挙げられる。直鎖状飽和基の代表例としては、ラウリル
基、ステアリル基、トリデシル基、ミリスチル基(テト
ラデシル基)、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、水素
化タロー(tallow)基、ドコサニル基が挙げられる。直鎖
状の不飽和非置換基の代表例としては、オレイル基、リ
ノレイル基、リノレニル基、大豆油残基及びタロー油残
基が挙げられる。
【0033】また有用な芳香族基、すなわちベンジル部
分及び置換ベンジル部分の例としては、例えばベンジル
ハライド、ベンズヒドリルハライド、トリチルハライ
ド、α- ハロ- α- フェニルアルカン(該アルカンのア
ルキル鎖は炭素原子1〜22個を有する)例えば1-ハロ-1
- フェニルエタン、1-ハロ-1- フェニルプロパン及び1-
ハロ-1- フェニルオクタデカンから誘導されるもの;置
換ベンジル部分、例えば0-、m-及びp-クロロベンジルハ
ライド、p-メトキシベンジルハライド、0-、m-及びp-ニ
トリロベンジルハライド並びに0-、m-及びp-アルキルベ
ンジルハライド(該ハライドのアルキル鎖は炭素原子1
〜22個を有する)から誘導されるもの;並びに縮合環式
ベンジル型部分、例えば2-ハロメチルナフタレン、9-ハ
ロメチルアントラセン及び9-ハロメチルフェナントレン
(但し、ハロ基はクロロ基、ブロモ基、ヨード基からな
る)又は任意の別のかかる基であって、求核性試薬が該
ベンジル型部分上の脱離性基を置換するように該ベンジ
ル型部分の求核性攻撃において脱離性基として働く別の
かかる基から誘導されるものが挙げられる。
【0034】別の有用な芳香族型置換基としては、フェ
ニル基及び置換フェニル基、N-アルキル- 及びN,N-ジア
ルキル- アニリン(該アニリンのアルキル基は炭素原子
1〜22個を含有する)、0-、m-及びp-ニトロフェニル
基、0-、m-及びp-アルキルフェニル基(該アルキルフェ
ニル基のアルキル基は炭素原子1〜22個を含有する)、
2-、3-及び4-ハロフェニル基(該ハロ基はクロロ基、ブ
ロモ基又はヨード基として定義される)並びに2-、3-及
び4-カルボキシフェニル基及びそのエステル〔該エステ
ルのアルコールは、アルキルアルコール(但し、アルキ
ル基は炭素原子1〜22個を含有する)、アリールアルコ
ール例えばフェノール、又はアラルキルアルコール例え
ばベンジルアルコールから誘導されるものである〕;並
びに縮合環式アリール部分例えばナフタレン、アントラ
セン及びフェナントレンが挙げられる。
【0035】本発明の目的に有用なアンモニウム塩とし
ては、疎水性アンモニウム塩、例えばモノメチルトリア
ルキル第4級化物(quaternary)及びジメチルジアルキル
第4級化物、並びに親水性アンモニウム塩、例えば水分
散性のエトキシル化アンモニウム化合物、並びにこれら
の混合物が挙げられる。
【0036】特に、水洗式脱インキ方法に使用される本
発明の脱インキ組成物に使用するのに好ましい親水性ア
ンモニウム塩は、エトキシル化されたアンモニウム塩で
あって、(a)炭素原子約8個〜約30個を有する炭化水素
鎖の少なくとも1つと、(b)約9モルを越えるエチレン
オキシドを有する親水性炭素鎖の少なくとも1つとを含
有するエトキシル化されたアンモニウム塩からなる。
【0037】適当なエトキシル化されたアンモニウム塩
としては、下記のものが挙げられる(但し、下記の各式
中のHTは水素化タローを表わす)。
【0038】ジ水素化タローメチル-[エトキシル化(3
3)] アンモニウムクロリド:
【0039】水素化タローメチル-[エトキシル化(15)]
アンモニウムクロリド:
【0040】水素化タローメチル-[エトキシル化(30)]
アンモニウムクロリド:
【0041】及び水素化タローメチル-[エトキシル化(5
0)] アンモニウムクロリド:
【0042】浮上分離式脱インキ方法に使用される本発
明の脱インキ組成物に使用するのに好ましい疎水性アン
モニウム塩は、第4級アンモニウム塩であって、 (a)炭
素原子約8個〜約30個を有する炭化水素鎖の少なくとも
1つ、好ましくは2つ又は3つを有し、かつ, (b)全体
で約9モル又はそれ以下のエチレンオキシドを有する親
水性炭素鎖を有するか又は有していない第4級アンモニ
ウム塩からなる。
【0043】適当な疎水性アンモニウム塩の例として
は、下記のものが挙げられる(但し、下記の各式中のHT
は水素化タローを表わす)。
【0044】メチル・トリ水素化タローアンモニウムク
ロリド:
【0045】ジ水素化タロー -メチル-[エトキシル化
(2) ]アンモニウムクロリド:
【0046】ジメチルジ水素化タローアンモニウムクロ
リド:
【0047】ジメチルジベヘニルアンモニウムクロリ
ド:
【0048】本発明で使用するのに好ましい別のアンモ
ニウム塩としては、ベンジルメチルジ水素化タローアン
モニウムクロリド、ジヒドロキシエチルイソアーキダル
(archidal)オキシプロピルアンモニウムクロリド(TOMA
H) 、及びジメチルジココ(dicoco)アンモニウムクロリ
ドが挙げられる。
【0049】疎水性有機クレーと親水性有機クレーの混
合物又は有機クレー(該有機クレーにおいてはアンモニ
ウム塩が適切な親水性/疎水性バランスをもつ有機クレ
ーを与える)のどちらでも、浮上分離法と水洗法の組み
合わせを用いる脱インキ方法に使用して脱インキされた
パルプを生成させ得ることが理解されるべきである。従
って、疎水性が異なる2種類のアンモニウム塩から調製
された有機クレーは、本発明の記載の範囲に入る。この
点で、疎水性基と親水性基の両方をもつアンモニウム塩
を使用し得る。また、異なるカチオン交換容量を有する
カチオン交換性クレー同士の混合物を使用して脱インキ
用の有機クレーを形成させてもよい。
【0050】本発明の脱インキ組成物に使用するアンモ
ニウム化合物の調製は、当該技術において周知の方法に
よって実施し得る。例えば、第4級アンモニウム塩を調
製する場合には、当業者は、例えばニトリル類を水素化
し(米国特許第2,355,356 号明細書参照)、次いでホル
ムアルデヒドをメチル基の供給源として使用する還元的
アルキル化によりメチルジアルキル第3級アミンを形成
させることによって、ジアルキル第2級アミンを調製す
るであろう。次いで、米国特許第3,136,819 号及び米国
特許第2,775,617 号明細書に記載の方法に従って、上記
第3級アミンにベンジルクロリド又はベンジルブロミド
を加えることによって、第4級アミンハライドを生成し
得る。上記3件の米国特許明細書の記載は、本明細書に
おいて参照される。
【0051】当該技術において周知のように、第3級ア
ミンと、ベンジルクロリド又はベンジルブロミドとの反
応は、主としてベンジル置換される生成物同士の配合物
が得られるように、反応混合物に少量のメチレンクロリ
ドを添加することにより完結し得る。次いでこの配合物
は、さらに各成分を分離することなく使用し得る。
【0052】本発明に使用し得るクレーは、周知のメチ
レンブルー法及び酢酸アンモニウム法によって定量され
るような、クレー100g当たり少なくとも5ミリ当量のカ
チオン交換容量をもつカチオン交換性クレーである。
【0053】カチオン交換性クレーは当該技術において
周知であり、種々様々な供給元から商業的に入手し得
る。カチオン交換性クレーは、脈石及び非クレー種を含
有する粗製の形態で、又は周知の方法で精製された形態
で使用し得る。本発明の脱インキ組成物に使用するのに
先立って、該クレーは、それがナトリウム体でない場合
には、ナトリウム体に転化し得る。この転化は、水性ク
レースラリーを調製し、次いで該スラリーをナトリウム
体の形態のカチオン交換樹脂のベット(bed)に通すこと
によって都合よく実施し得る。別法として、該クレー
は、水及び可溶性ナトリウム化合物例えば炭酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム等と混合でき、得られた混合物を
例えばパグミル(混合ミルともいう)又は押出し機を用
いて剪断できる。該クレーのナトリウム体への転化は、
有機クレー脱インキ剤の形成前の任意の時点で行い得
る。
【0054】気成(pneumatolytic) 合成法又は好ましく
は熱水(hydrothermal)合成法のいずれかにより合成的に
調製されたカチオン交換性クレーもまた、本発明の新規
な脱インキ剤の調製に使用し得る。
【0055】本発明に有用な代表的カチオン交換性クレ
ーは、下記に挙げるものである。
【0056】モンモリロナイト (式中、0.55≦x≦1.10、f≦4 であり、RはNa、Li、
NH4 及びそれらの混合物からなる群から選択される)
【0057】ベントナイト (式中、 0<x<1.10、 0<y<1.10、0.55≦(x+y) ≦
1.10、f≦4 であり、RはNa、Li、NH4 及びそれらの混
合物からなる群から選択される)
【0058】カオリナイト
【0059】アタパルジャイト
【0060】バイデライト (式中、0.55≦x≦1.10、 0≦y≦0.44、f≦4 であ
り、RはNa、Li、NH4 及びそれらの混合物からなる群か
ら選択される)
【0061】ヘクトライト (式中、0.57≦x≦1.15、f≦4 であり、RはNa、Li、
NH4 及びそれらの混合物からなる群から選択される)
【0062】サポナイト (式中、0.58≦x≦1.18、 0≦y≦0.66、f≦4 であ
り、RはNa、Li、NH4 及びそれらの混合物からなる群か
ら選択される)
【0063】スチーブンサイト (式中、0.28≦x≦0.57、f=4 であり、RはNa、Li、
NH4 及びそれらの混合物からなる群から選択される)
【0064】本発明で使用する好ましいクレーは、ベン
トナイトとヘクトライトである。上記のカチオン交換性
クレーの剪断された形態及び剪断されていない形態の両
方が使用し得ることは理解されるであろう。さらにま
た、使用するカチオン交換性クレーは、粗製のもの(脈
石又は非クレー物質を含有するもの)か又は選鉱したも
の(脈石を除いたもの)かいずれかであり得る。本発明
のカチオン交換性クレー含有脱インキ組成物中に粗製ク
レーを使用できることは相当な経費節減となる。その理
由は、クレー選鉱法及びナトリウム体への転化を行う必
要がないからである。
【0065】前記カチオン交換性クレーは、所望の特定
の合成カチオン交換性クレーについて前記の式及び予め
選択された値x、y及びfによって規定された比率で、
ナトリウム(あるいは別の交換可能なカチオン又はそれ
らの混合物)を用いて又は用いずに、所望の金属の混合
含水酸化物又は水酸化物を含有するスラリーの形態の水
性反応混合物を形成させることによって、熱水作用的に
合成し得る。次いで、得られたスラリーをオートクレー
ブ中に入れ自生圧下に約 100℃〜 325℃好ましくは 275
℃〜 300℃の範囲内の温度まで、所望の生成物を形成さ
せるのに十分な時間加熱する。典型的には、配合時間
は、合成する特定のカチオン交換性クレーに応じて300
℃においては3〜48時間であり、最適時間はパイロット
試験により容易に決定できる。
【0066】本発明によって提供される脱インキ方法
は、親水性有機クレー又は親油性有機クレーのいずれ
か、あるいはその両方を故紙脱インキ剤として使用し得
る。典型的には、比較的親水性の有機クレーは、水洗法
を用いてインキを除去する脱インキ系においてその実用
性がより高いことが認められる。比較的疎水性の有機ク
レーは、浮上分離法を用いる脱インキ系において実用性
が最も高いことが認められる。
【0067】脱インキ剤は、カチオン交換性クレーと、
アンモニウム塩の1種又はそれ以上と、水とを一緒に水
性系中で、好ましくは0.01℃〜 100℃の範囲内の温度で
反応させるために混合することによって調製し得る。反
応により、故紙を脱インキする有機クレー脱インキ剤が
もたらされる。該有機クレーは、故紙中のインキと接触
させることによるか、あるいはパルプ化又は別の薬剤例
えば水酸化ナトリウムによる結果として水性系中に遊離
されているインキと接触させることによるか、いずれか
により故紙を脱インキする。
【0068】予備形成された有機クレーの使用にまさ
る、脱インキ剤をその場で形成させる利点は、添加する
に先立って有機クレーを濾過、洗浄、乾燥又は粉砕する
必要がないということである。また、有機クレーは高分
散状態(これは脱インキ効率を促進する)で形成され、
しかもパルプ化装置中で容易に分散化し得ないアンモニ
ウム塩/カチオン交換性クレー・配合物の使用を可能に
する。従って、その場で形成させる方法は、より安価な
原料価格による費用節減と共に、広範囲のアンモニウム
塩とカチオン交換性クレーを使用することを可能にす
る。
【0069】クレーを脱インキすべき系に添加する場合
には、該クレーは乾燥体で又は予備分散させた形態で添
加できる。場合によっては、水/クレーのスラリーは添
加す前に遠心分離して不純物を除去し得る。また、該ス
ラリーは剪断した後に、その場で形成された有機クレー
の効率を増大させ得る。
【0070】好ましい有機クレー脱インキ剤は、 (a)ク
レー100g当たり少なくとも5ミリ当量のカチオン交換容
量をもつカチオン交換性クレーと、 (b)該カチオン交換
性クレーのカチオン交換容量の約20%〜約350 %の量の
アンモニウム塩の1種又はそれ以上との反応生成物から
なるものである。
【0071】本発明の方法で使用する脱インキ剤は、処
理する故紙の乾燥重量に基づいて約0.05重量%〜約50重
量%の量で使用される。
【0072】本発明の方法にの脱インキされた製紙用パ
ルプの回収は、当該技術において周知の浮上分離法及び
/又は水洗法のいずれかにより行うのが好ましい。本発
明の方法を浮上分離法として実施する場合には、脱イン
キ剤は故紙から遊離されたインキを凝集させ、次いで該
インキと脱インキ剤と粘着性異物とを空気で浮上分離さ
せ、すくい取ることによって水性スラリーから除去す
る。この操作は、アルカリ性条件下で行うのが好まし
い。前記水性系としては、高められた脱インキ性能を得
るために、1種又はそれ以上の発泡剤例えば石鹸又は洗
剤及び界面活性剤を含んでいてもよい。
【0073】本発明の方法を水洗法として実施する場合
には、前記スラリーを場合によっては処理して、水面上
で集め得る比較的少量の泡状インキ廃物を物理的に除去
し、次いで濾過し、対で得られたファイバーマット(fib
er mat) を、分散したインキ粒子が該マットを通過する
ように多数回の水洗に供する。脱インキ剤は、濾過する
際にインキ粒子と脱インキ剤と粘着性異物とを、ファイ
バーマットを通してすすぎ流す(rinse) ことによって除
去できるように、インキ粒子を十分に小さな寸法に分散
させる機能を果たす。この操作は、アルカリ性条件下で
行うのが好ましい。
【0074】本発明の方法は、水性インキと油性インキ
の両方を含んでいる故紙を脱インキするのに有効であ
る。本発明の方法によって処理し得る代表的な故紙の種
類は、新聞紙、雑誌類、コンピューター用紙、法律文書
類、書籍在庫品及びこれらの混合物である。
【0075】本発明の脱インキ剤と接触している故紙の
表面積を大きくする目的で、故紙はパルプ化される。ま
た、前記のように、カチオン交換性クレーを含んだ故紙
のパルプ化は、水性系の中に該クレーを遊離させること
が認められている。次いで、該水性系においては、該ク
レーがアンモニウム塩と反応して有機クレー脱インキ剤
を形成する。同様に、カチオン交換性クレーとアンモニ
ウム塩とを含有する故紙をパルプ化することにより、又
はアンモニウム塩を含有する故紙をパルプ化し、次いで
該水性系にカチオン交換性クレーを別個に添加すること
により、有機クレー脱インキ剤をその場で形成させ得
る。
【0076】故紙をパルプ化する方法及び装置は当業者
には周知である。例えば、故紙は水性系に添加した後に
該水性系を剪断(shear) に供することによってパルプ化
してもよい。
【0077】本発明の方法は、水性インキ及び/又は油
性インキを含んでいる故紙を脱インキするのに有効な手
段を提供する。本発明の方法は、高品質のリサイクル紙
製品の製造に適した脱インキされた製紙用パルプをもた
らす。さらにまた、本発明の方法によって得られる脱イ
ンキされた製紙用パルプは、含まれる粘着性異物が慣用
の脱インキ法の製品よりも少ない。
【0078】
【実施例】本発明を以下の実施例により説明するが、実
施例により限定されるものではない。本明細書中に示し
たパーセント(%)は明記しない限りは重量基準すなわ
ち100 重量%を基準とするものである。
【0079】実施例1 本実施例は、カチオン交換性クレーとアンモニウム塩と
の反応生成物を基剤とする、浮泡式脱インキ法に使用さ
れる本発明の好ましい有機クレー脱インキ組成物の調製
について説明するものである。
【0080】Tekmar SD-45型分散機を使用して剪断した
固形分5.46%の粗製ヘクトライトクレー(カチオン交換
容量;粗製クレー固形分100g当り、約55 m.e. )スラリ
ー(粗製ヘクトライト固形分20g)366.3gを1.2 リットル
のステンレス鋼製反応器に秤量し、水150.0gで希釈し次
いで65℃に加熱した。91.7%活性ジメチルジ水素化タロ
ーアンモニウムクロリド70ミリ当量(8.82g) を溶融し、
上記スラリーに注加した。熱水61.5g を用いてアンモニ
ウム塩を上記クレースラリー中にすすぎ流した。得られ
た混合物を、65℃で30分間攪拌し、冷却し、10秒間剪断
して凝集物を破砕し次いで固形分パーセントを分析し
た。固形分パーセントは5.1 %に相当することが認めら
れた。
【0081】実施例2 本実施例は廃新聞用紙の脱インキを行って高められた白
色度を有するリサイクル紙を得る場合における、実施例
1で調製した脱インキ剤及び以下の実施例3〜7の脱イ
ンキ剤の効力を評価するために行った浮泡式脱インキ法
について説明する。
【0082】新聞紙(Trentonian)紙片5.6gを小さな紙片
(〜1/2 平方インチ) に切断し、45℃に加熱した水 500
ミリリットルに加え、10%水酸化ナトリウム水溶液10ミ
リリットルを用いてpHを9.5 に調整した。この新聞紙の
水性スラリーを低速攪拌下で10分間混合した。次いで、
この廃新聞紙をCoweles 高速分散機を使用して2500rpm
で3分間混合することによって離解(defiber) した。次
いで、実施例1で調製した有機クレー固形分1.5gを含有
する有機クレースラリー脱インキ剤の一部を上記で離解
した新聞紙に加え、十分に混合した。次いで、離解新聞
紙/有機クレーの混合物に空気分散吹き込み(air sparg
ing)を行い、凝集したインキ廃棄物を浮泡させた。浮泡
インキ凝集塊が生成し、それを吸引することにより取り
除いた。 空気分散吹き込み及び10分間の浮泡凝集塊の
除去の後に、脱インキした製紙用パルプを回収し、硫酸
を用いてpHを4.5 まで酸性化した。次いで、脱インキし
た製紙用パルプを減圧濾過し、プラスチック製シート上
に置き、2枚の濾紙吸取紙で覆い、その上に別のプラス
チック製シートを置いた。この製紙用パルプをプレス機
で1トンの圧力で90秒間プレスした。プレスしたシート
(pressed sheet)をプレス機から取り出し、濾紙吸取紙
を取り除き、次いでこのプレスドシートを1夜、風乾さ
せた。乾燥後に、プレスドシートをHunterlab モデルD-
25光学センサーを使用して試験して青色の反射率を測定
し、それを紙の白色度の指数として用いた。
【0083】実施例3 実施例1に記載の有機クレー脱インキ剤を実施例2に記
載の浮泡式脱インキ法に従って評価した。比較のため、
ブランク試験も行った。ブランク試験においては、有機
クレー脱インキ剤を添加しなかったこと以外は、実施例
2に記載の方法を行った。得られたデータを以下に示
す。 試 料 白色度 ブランク(脱インキ剤なし)の紙 52.75 --- 実施例1の脱インキ剤を用いた紙 60.13 7.38 上記データは浮泡式脱インキ法における脱インキ剤とし
て本発明の有機クレーを用いると、ブランク試験で得ら
れるものよりもかなり大きい白色度をもつリサイクル紙
が得られることを示している。
【0084】実施例4 本実施例は、カチオン交換性クレーと反応させたエトキ
シ化アンモニウム塩からなる、浮泡式脱インキ方法用の
好ましい有機クレー脱インキ剤の調製について説明す
る。
【0085】Tekmar SD-45分散機を使用して剪断した固
形分5.46%の粗製ヘクトライトクレースラリー(粗製ヘ
クトライト固形分20g)366.3gを1.2 リットルのステンレ
ス鋼製反応器に秤量し、水150.0gで希釈し次いで65℃に
加熱した。76.5%の活性メチルジ水素化タロー[エトキ
シ化(7)]アンモニウムクロリド55ミリ当量(12.33g)を溶
融し、これを上記クレースラリーに注加した。熱水 65.
1gを使用してアンモニウム塩を上記クレースラリー中に
すすぎ流した。混合物を65℃で30分間攪拌し、冷却し、
10秒間剪断して凝集塊を破砕し、次いで固形分パーセン
トを分析した。固形分パーセントは5.40%であると測定
された。
【0086】実施例5 実施例4で調製した有機クレー脱インキ剤を実施例2に
記載の浮泡式脱インキ法によって評価した。得られた白
色度データをブランク試験の結果と対比して以下に示
す。 試 料 白色度 ブランク(脱インキ剤なし)の紙 52.80 --- 実施例4の脱インキ剤を用いた紙 59.40 6.60 上記データは浮泡式脱インキ法に用いた本発明の有機ク
レー脱インキ剤がブランク試験の結果と比較してより高
いリサイクル紙白色度を達成できることを示している。
【0087】実施例6 本実施例はカチオン交換性クレーとアンモニウム塩との
反応生成物を基剤とする、浮泡式脱インキ方法用の好ま
しい有機クレー脱インキ組成物の調製について説明す
る。
【0088】Manton-Gaulin 15 MR 型ホモジナイザーを
使用し、この装置内を4500 psiで1回通して剪断した固
形分2.70%の選鉱(beneficiated)ベントナイトクレース
ラリー(クレー固形分20g)740.7gを3リットルのステン
レス鋼製反応器中に秤量し、65℃に加熱した。91.7%活
性ジメチルジ水素化タローアンモニウムクロリド150ミ
リ当量(18.90g)を溶融し、これを上記クレースラリーに
注加した。熱水 50gを使用してアンモニウム塩を上記ク
レースラリー中にすすぎ流した。混合物を65℃で30分間
攪拌し、冷却し、10秒間剪断して凝集塊を破砕し、次い
で固形分パーセントを分析した。固形分パーセントは4.
77%に相当することが認められた。
【0089】実施例7 実施例6に記載の有機クレーを実施例2に記載の浮泡式
脱インキ法によって評価した。得られた紙の白色度デー
タをブランク試験の結果と対比して以下に示す。 試 料 白色度 ブランク(脱インキ剤なし)の紙 53.89 --- 実施例6の脱インキ剤を用いた紙 62.28 8.39 本実施例は剪断したカチオン交換性クレーを基剤とする
本発明の浮泡式用有機クレー脱インキ剤を用いて廃新聞
紙を処理すると、高められた紙白色度を得ることができ
ることを例証している。
【0090】実施例8 本実施例は、アンモニウム塩のミリ当量を変化させて粗
製ヘクトライトクレー(クレー〜55%、脈石45%)と反
応させたオクタデシル- メチル-[エトキシ化(15)] アン
モニウムクロリドからなる、一連の水分散性の有機クレ
ー脱インキ剤の調製について説明する。
【0091】Tekmar SD-45分散機を使用して剪断した固
形分5.61%の粗製ヘクトライトクレースラリー356.3g
(粗クレー固形分20g)を1.2 リットルのステンレス鋼製
反応器に秤量し、水164.9gで希釈し次いで65℃に加熱し
た。97%活性オクタデシル- メチル-[エトキシ化(15)]
アンモニウムクロリドを以下の種々のミリ当量:即ち、
(a)40 m.e.(8.19g) 、(b)55 m.e.(11.26g) 、(c)70 m.
e.(14.34g) 、(d)85m.e. (17.41g)及び(e)100 m.e.(2
0.48g) で使用し、それを加熱し、上記の粗製クレース
ラリーに注加した。熱水50g を使用してアンモニウム塩
の各々を上記クレースラリー中にすすぎ流した。混合物
を65℃で30分間攪拌し、冷却し、10秒間剪断して凝集塊
を破砕し次いで固形分パーセントを分析した。上記の脱
インキ剤の各々の固形分パーセントは次の通りであっ
た;即ち、(a)5.16 %、(b)5.40 %、(c)6.14 %、(d)
6.37 %及び(e)7.19 %であった。
【0092】実施例9 本実施例においては、廃新聞紙の脱インキを行って高め
られた白色度を有するリサイクル紙を得る場合におけ
る、実施例8で調製した脱インキ剤及び以下の実施例1
〜14の脱インキ剤の効力を評価するために行った水洗
式脱インキ法について説明する。
【0093】有機クレー固形分0.04g を含有する有機ク
レースラリーの一定量を、50℃〜55℃に加熱した水 375
ミリリットルに加え次いで10%水酸化ナトリウム水溶液
1.0ミリリットルを用いてpHを9.5 に調整した。細断し
た新聞紙4.0gを処理浴に加え、低速攪拌下に10分間混合
した。次いで、Cowles高速分散機を使用して2500 rpmで
3分間混合することによって上記廃新聞紙を離解した。
次に、該スラリーを水で容量1000ミリリットルに希釈
し、表面に浮遊している少量の泡状の脱インキされた凝
集塊を吸引することによって除去した後に、パルプを20
0 メッシュの篩上で水切りすることにより脱水した。得
られたパルプを新しい水1000ミリリットル中で攪拌し次
いで再び200 メッシュの篩上で水切りすることによって
脱水した。次いで、この操作をもう一度繰り返した。得
られたパルプを水1000ミリリットルで希釈し、減圧濾過
した。
【0094】得られた製紙用パルプをプラスチック製シ
ート上に置き、2枚の濾紙吸取紙で覆い、その上に別の
プラスチック製シートを置いた。次いで、この製紙用パ
ルプをプレス機で1トンの圧力で90秒間加圧した。プレ
スドシートをプレス機から取り出し、濾紙吸取紙を取り
除き、次いでこのプレスドシートを半分に折って、1
夜、風乾した。乾燥後に、プレスドシートをHunterlab
D-25型光学センサーを使用して青色の反射率を測定し、
それを紙の白色度の指数として用いた。
【0095】実施例10 実施例8に記載の水分散有機クレー脱インキ剤を、実施
例9に記載の水洗式脱インキ法に従って評価した。得ら
れたデータを以下に示す。 試 料 白色度 ブランク(脱インキ剤なし)の紙 60.75 --- 実施例8(a) の脱インキ剤を用いた紙 62.13 +1.38 実施例8(b) の脱インキ剤を用いた紙 62.89 +2.14 実施例8(c) の脱インキ剤を用いた紙 63.09 +2.34 実施例8(d) の脱インキ剤を用いた紙 62.77 +2.02 実施例8(e) の脱インキ剤を用いた紙 62.83 +2.08
【0096】上記データは、有機クレー脱インキ剤の全
てがブランク試験の場合よりも高い紙白色度を与えるこ
とを示している。55 m.e〜100 m.e のオクタデシル- メ
チル-[エトキシ化(15)] アンモニウムクロリドからなる
有機クレーは、同様の水準の紙白色度を与える。55m.e
よりも低い当量のアンモニウム塩からなる有機クレー脱
インキ剤は有効に機能しないようであった。
【0097】実施例11 本実施例は、(1) エチレンオキシドのモル数と(2) 水素
化タロー鎖の数の異なる、70 m.eの種々の型のアンモニ
ウム塩と反応させた粗製ヘクトライトクレーからなる、
一連の水分散性の有機クレー脱インキ剤の調製について
説明する。
【0098】固形分5.30%の剪断した粗製ヘクトライト
クレースラリー283.0g(粗クレー固形分15g)を1.2 リッ
トルのステンレス鋼製反応器に秤量し、水120 ミリリッ
トルで希釈し次いで65℃に加熱した。70ミリ当量の下記
のエトキシ化アンモニウム塩:即ち、(a)76.0 %活性ジ
水素化タロー- メチル-[エトキシ化(2)]アンモニウムク
ロリド(8.39g) 、(b)76.5 %活性ジ水素化タロー- メチ
ル-[エトキシ化(7)]アンモニウムクロリド(11.77g)、
(c)77.1 %活性ジ水素化タロー- メチル-[エトキシ化(1
6)] アンモニウムクロリド(17.20g)、(d)78.5 %活性ジ
水素化タロー- メチル-[エトキシ化(33)] アンモニウム
クロリド(26.93g)、(e)75.4%活性ジ水素化タロー- メ
チル-[エトキシ化(50)] アンモニウムクロリド(41.58)
及び(f)75.1 %活性水素化タロー- メチル-[エトキシ化
(15)] アンモニウムクロリド(13.75g)のそれぞれを使用
し、それを加熱し、上記の粗製クレースラリーに注加し
た。
【0099】更に、固形分5.15%の剪断した粗製ヘクト
ライトクレースラリー291.3g(粗クレー固形分15g)を1.
2 リットルのステンレス鋼製反応器に秤量し、水 110ミ
リリットルで希釈し次いで65℃に加熱した。70ミリ当量
の下記のエトキシ化アンモニウム塩:即ち、(g)75.8 %
活性水素化タロー- メチル-[エトキシ化(7)]アンモニウ
ムクロリド(8.57g) 、(h)75.3 %活性水素化タロー- メ
チル-[エトキシ化(30)] アンモニウムクロリド(22.72g)
及び(i)74.9 %活性水素化タロー- メチル-[エトキシ化
(50)] アンモニウムクロリド(35.20g)のそれぞれを使用
し、それを加熱し、上記の粗製クレースラリーに注加し
た。有機クレーの全てを65℃で30分間反応させ、冷却
し、10秒間剪断し次いで各試料の固形分パーセントを測
定した。
【0100】実施例12 実施例11で調製した水分散性有機クレー脱インキ剤を、
実施例9に記載の水洗式脱インキ法に従って評価した。
得られたデータを以下に示す。 試 料 白色度 ブランク(脱インキ剤なし)の紙 62.02 --- 実施例11(a) の脱インキ剤を用いた紙 60.57 -1.45 実施例11(b) の脱インキ剤を用いた紙 60.73 -1.29 実施例11(c) の脱インキ剤を用いた紙 61.50 -0.52 実施例11(d) の脱インキ剤を用いた紙 64.37 +2.35 実施例11(e) の脱インキ剤を用いた紙 60.92 -1.10 実施例11(f) の脱インキ剤を用いた紙 63.71 +1.69 実施例11(g) の脱インキ剤を用いた紙 61.93 -0.09 実施例11(h) の脱インキ剤を用いた紙 63.24 +1.22 実施例11(i) の脱インキ剤を用いた紙 62.81 +0.79
【0101】上記データは、1個の水素化タロー鎖と15
〜50モルのエチレンオキシドとを有するアンモニウム塩
からなる水洗式脱インキ方法用の有機クレー脱インキ剤
で処理した新聞紙が増大した白色度を有することを示し
ている。また2個の水素化タロー鎖と33モルのエチレン
オキシドとを有するアンモニウム塩からなる有機クレー
水洗脱インキ剤に関しても、白色度の顕著な増加が認め
られた。
【0102】実施例13 本実施例は、本発明の水分散性の有機クレー脱インキ剤
の調製について説明する。
【0103】Manton-Gaulin 15 MR 型ホモジナイザーを
使用して剪断した固形分2.88%のベントナイトクレース
ラリー1388.9g(クレー固形分40g)を3リットルのステン
レス鋼製反応器中に秤量し、水150 ミリリットルで希釈
し次いで65℃に加熱した。97%活性オクタデシル- メチ
ル-[エトキシ化(15)] アンモニウムクロリド135 ミリ当
量(55.29g)を加熱し、上記クレースラリーに注加した。
有機クレーを65℃で30分間反応させ、冷却し、10秒間剪
断した。次いで得られた組成物中の固形分パーセントを
測定した。
【0104】実施例14 実施例13で調製した有機クレー脱インキ剤を実施例9に
記載の水洗式脱インキ法に従って評価した。得られたデ
ータを以下に示す。 試 料 白色度 実施例13の脱インキ剤を用いた紙 53.51 +1.62 ブランク(脱インキ剤なし)の紙 51.89 ---
【0105】本実施例は、カチオン交換性クレーとアン
モニウム塩の反応生成物を基剤とする水分散性の有機ク
レー脱インキ剤を用いて廃新聞用紙を処理すると、高め
られた紙白色度を得ることができることを例証してい
る。
【0106】実施例15 本実施例の目的は、自己粘着ラベルに使用される粘着性
接着材に対する有機クレー脱インキ組成物の効果を評価
するためのものである。
【0107】自己粘着ラベル1.25g を約1/2 インチ平方
に切断し、以下の試料1及び2に別々に加えた。
【0108】試料1 水125g、10%水酸化ナトリウム水溶液0.25g 及びメチル
- トリ水素化タロー-アンモニウムクロリド150m.eとベ
ントナイトクレーとの反応生成物を含有してなる脱イン
キ剤9.4g(固形分5.30%、固形分0.5g)試料2 水125g及び10%水酸化ナトリウム水溶液0.25g (ブラン
ク)
【0109】得られたスラリーをCowles分散機を使用し
て1500〜2000r.p.m.で10分間混合した。以下のことが観
察された:即ち、有機クレーを用いた試料(1) はラベル
の粘着性を除去した。ラベル類はお互いに粘着せず、紙
ラベルの分離を容易にした。 試料(2) (ブランク)はラベルが粘着性を保持し、互い
に粘着し、分離することが困難な単一塊を形成した。 上記実施例は、本発明の組成物が、パルプ化した故紙中
に存在する粘着性異物の粘着性を除去することができる
ことを例証している。
【0110】実施例16 本実施例は、カチオン交換性クレーとアンモニウム塩と
の反応生成物を基剤とした、浮泡式脱インキ法に使用さ
れる本発明の最も好ましい有機クレー脱インキ組成物の
調製について説明するものである。
【0111】Tekmar SD-45型分散機を使用して剪断した
固形分10.76 %の粗製ヘクトライトスラリー185.9g(粗
クレー固形分20g)を1.2 リットルのステンレス鋼製反応
器に秤量し、水75ミリリットルで希釈し次いで65℃に加
熱した。77.5%活性メチルトリ水素化タローアンモニウ
ムクロリド85ミリ当量(17.32g)を溶融し、上記クレース
ラリーに注加した。熱水25ミリリットルを用いてアンモ
ニウム塩を上記スラリー中にすすぎ流した。得られた混
合物を65℃で30分間攪拌し、冷却し、15秒間剪断して凝
集物を破壊し次いで固形分パーセントを分析した。固形
分パーセントは14.37 %に相当することが認められた。
【0112】実施例17 本実施例は、廃新聞用紙の脱インキを行って高められた
白色度のリサイクル紙を得る場合における、実施例16で
調製した脱インキ剤の効力を評価するために行った浮泡
式脱インキ方法について説明するものである。
【0113】有機クレー固形分0.5gを含有する、実施例
16で調製した有機クレースラリー脱インキ剤の一部を45
℃に加熱した水500 ミリリットルに加え次いで10%水酸
化ナトリウム水溶液1.0 ミリリットルを用いてpHを9.5
に調整した。新聞紙(Trentonian)紙片5.6gを小さな紙片
(〜1/2 平方インチ) に切断し、それを上記水性スラリ
ーに加え、低速攪拌下で10分間混合した。次いで、廃棄
新聞紙をCoweles 高速分散機を使用して2500 rpmで3分
間混合することによって離解した。次いで、離解新聞紙
/有機クレーの混合物を空気分散吹き込みに供し、凝集
したインキ廃棄物を浮泡させた。浮泡インキ凝集塊が生
成し、それを吸引することにより取り除いた。
【0114】空気分散吹き込み及び15分間の浮泡凝集塊
の除去の後に、脱インキした製紙用パルプを回収し、硫
酸を用いてpHを4.5 まで酸性化した。次いで、脱インキ
した製紙用パルプを減圧濾過し、プラスチック製シート
上に置き、2枚の濾紙吸取紙で覆い、その上に別のプラ
スチック製シートを置いた。この製紙用パルプをプレス
機で1トンの圧力で90秒間加圧した。プレスドシートを
プレス機から取り出し、濾紙吸取紙を取り除き次いで該
プレスドシートを1夜、風乾した。乾燥後に、上記プレ
スドシートをHunterlab D-25型光学センサーを使用して
青色の反射率を測定し、それを紙の白色度の指数として
用いた。
【0115】比較のためにブランク試験も行った。ブラ
ンク試験においては、有機クレー脱インキ剤を添加しな
かった以外、上記と同一の方法を行った。得られたデー
タを以下に示す。 試 料 白色度 ブランク(脱インキ剤なし)の紙 51.40 --- 実施例16の脱インキ剤を用いた紙 57.06 5.56 上記データは、浮泡式脱インキ方法に用いた本発明の有
機クレー脱インキ剤がブランク試験の結果と比較してよ
り高い紙白色度が与えられることを示している。
【0116】実施例18 下記の実施例は、有機クレー脱インキ剤の水性系内での
その場での形成と、種々の種類の故紙の脱インキを行う
際に、その場で形成した有機クレーを使用した場合と他
の脱インキ剤を使用した場合との比較を例示する。
【0117】粗製ヘクライトとアンモニウム塩(メチル
- トリ水素化タロー- アンモニウムクロリド−M3HT) を
使用して調製した予備形成有機クレー、追加のM3HT及び
粗製ヘクライトを浮泡式脱インキにおける脱インキ剤と
して別々に使用した。予備形成有機クレーは約50%のア
ンモニウム塩と50%の粗製ヘクライトクレーからなるの
で、メチル- トリ水素化タロー- アンモニウムクロリド
と粗製ヘクライトの各々を予備形成有機クレーの使用量
の50%の量で別々に使用した。これらの脱インキ剤の各
々を0.0225g のBrij 700表面活性剤と組合せて使用し
た。
【0118】比較のために、(1) 脱インキ剤を使用しな
い浮泡式脱インキ試験(ブランク試験)及び(2)1%オレ
イン酸/ 2 %Ca(OH)2 を使用する浮泡式脱インキ試験
(脂肪酸石鹸対照試験)も行った。
【0119】本実施例の実験で使用した故紙は、(1) 油
性インキ印刷新聞紙 100%;(2)フレキソグラフ(水性イ
ンキ)印刷新聞紙 100%;(3) フレキソグラフ印刷新聞
紙 /油性インキ印刷新聞紙/ 雑誌 35%/35%/30%;及び
(4) フレキソグラフ印刷新聞紙/ 雑誌 70%/30%であっ
た。廃新聞紙は非常に低い水準の灰分(約0.7 %又はそ
れ以下)を含有しており、従って、非常に少量のクレー
を担持していた。これに対して、雑誌用紙は約24%の灰
分含有量を有していた。
【0120】脱インキ試験においては、0.16%のジエチ
レントリアミンペンタ酢酸、3 %の珪酸ナトリウム溶
液、1 %の水酸化ナトリウム、1 %の過酸化水素及び脱
インキ剤を含有する温水(上記の%は紙の重量に基づく
ものである)中で故紙を 4%の濃度でパルプ化した。故
紙はMealstrom 実験室用パルプ化器中で10分間パルプ化
した。パルプ化した後、紙を温水で 1% に稀釈し、5 リ
ットル実験室用浮遊槽(floatation cell) に移送し次い
で空気浮遊(air floatation)操作にかけた。吸引技術を
使用してパルプ表面から浮遊インキ廃物を除去した。
【0121】パルプ試料を浮泡工程中に、 0、9 及び18
分後に採取した。パルプ試料をpH4.5 に酸性化し、濾過
し、プレスし、乾燥しついで試験シートの青色反射率を
Hunterlab の装置を使用して測定した。青色反射率の値
を紙の白色度の尺度として使用した。更に、0 分及び18
分後に採取した白色度測定用パッド(brightnesspad)を
灰分含有量も評価した。そのデーターを表 I及び II に
示す。
【0122】表 Iに示すデーターは、新聞紙100 %から
なる故紙については、好ましい有機クレーだけがインキ
廃物を効果的に捕集し、浮遊させることができることを
示している。アンモニウム塩単独(メチル- トリ水素化
タロー- アンモニウムクロリド)も粗製ヘクトライトク
レーも、ブランク試験の場合よりリサイクル新聞紙の白
色度を改善することができない。しかしながら、新聞紙
と雑誌の混合物からなる故紙については、好ましい有機
クレーとメチル- トリ水素化タロー- アンモニウムクロ
リドの両者がインキを効果的に捕集し、除去した。アン
モニウム塩(メチル- トリ水素化タロー- アンモニウム
クロリド)は、パルプ化の際に雑誌用紙から放出された
クレーと反応することにより、良好なインキ捕集剤とし
の働きをする有機クレーを、その場で、生成した。
【0123】表 II 示すごとく、好ましい有機クレーと
メチル- トリ水素化タロー- アンモニウムクロリド添加
剤を使用して浮泡脱インキを行うことにより、新聞紙/
雑誌混合物からなる故紙についての浮泡脱インキを行う
際に、パルプの灰分含有量が大きく減少する。灰分は、
大部分が被覆雑誌用紙からパルプ中に導入されるクレー
から主としてなる。従って、灰分含有量が減少すること
により、水性系でその場で形成された有機クレーによっ
てインキ廃物の捕集が行われることが更に推測される。
【0124】 表 I 脱インキ剤 故紙 白色度値(表面/ 裏面) 0分 9分 18分 ブランク 油性−新聞紙 57.1/55.4 59.3/57.5 59.2/57.8 A 油性−新聞紙 42.9/44.0 53.2/52.9 56.5/56.6 B 油性−新聞紙 49.9/46.4 50.6/47.1 49.7/47.1 C 油性−新聞紙 50.7/52.3 64.0/63.6 62.2/66.1 ブランク フレキソ−新聞紙** 47.8/31.5 51.4/32.1 49.1/31.1 D フレキソ−新聞紙 37.1/37.4 47.5/47.3 50.9/50.4 E フレキソ−新聞紙 49.2/28.1 47.8/27.0 50.7/27.5 F フレキソ−新聞紙 38.2/39.0 56.5/56.9 60.1/59.7 ブランク 35/35/30 52.2/44.2 55.7/44.8 56.7/45.6 A 35/35/30 43.7/47.3 63.0/63.2 64.2/64.4 B 35/35/30 46.9/39.9 47.9/40.6 47.9/42.4 C 35/35/30 43.9/46.2 61.3/60.0 62.7/61.9 G 35/35/30 46.6/41.9 52.7/45.8 54.3/46.8 A 70/30 41.2/40.6 55.9/54.0 57.8/56.2 C 70/30 40.4/41.8 51.7/52.1 55.3/54.6 G 70/30 43.0/36.3 48.0/38.5 47.0/37.9
【0125】 表 II 脱インキ剤 故紙 灰分含有量 0分 18分 ブランク 油性−新聞紙 0.72 0.71 A 油性−新聞紙 0.47 0.19 B 油性−新聞紙 2.68 2.49 C 油性−新聞紙 2.18 0.36 ブランク フレキソ−新聞紙 0.48 0.42 D フレキソ−新聞紙 0.49 0.35 E フレキソ−新聞紙 2.72 2.38 F フレキソ−新聞紙 3.15 0.54 ブランク 35/35/30 6.39 5.39 A 35/35/30 8.19 1.42 B 35/35/30 8.79 8.07 C 35/35/30 8.69 1.26 A 70/30 6.74 1.06 (注) A =1.5%メチル- トリ水素化タローアンモニウムクロリ
ド + 0.0225gBrij 700表面活性剤 B =1.5%粗製ヘクトライト + 0.0225g Brij 700 表面活
性剤 C =3.0%の好ましい有機クレー D =3.0%メチル- トリ水素化タローアンモニウムクロリ
ド + 0.0225gBrij 700表面活性剤 E =3.0%粗製ヘクトライト + 0.0225g Brij 700 表面活
性剤 F =6.0%の好ましい有機クレー G =1.0%オレイン酸 + 2.0% Ca(OH)2 * =油性インキ印刷新聞紙 **=フレキソインキ印刷新聞紙
【0126】実施例19 下記の実施例は種々の好ましい有機クレー脱インキ剤
の、水性系内での、その場での形成と、その場で形成し
た有機クレー組成物を使用する故紙の浮泡式脱インキを
例示する。
【0127】アンモニウム塩として、メチル- トリ水素
化タロー- アンモニウムクロリド(M3HT)、ジメチル- ジ
水素化タロー- アンモニウムクロリド(2M2HT) 、ジメチ
ル- ジココアンモニウムクロリド(2M2COCO) 、ベンジル
メチルジ水素化タロー- アンモニウムクロリド(BM2HT)
、ジ水素化タロー- メチル[エトキシ化(2)]アンモニ
ウムクロリド(M2HT-2 E.O.) 及びジヒドロキシエチルイ
ソアラアキダルオキシプロピルアンモニウムクロリド(T
OMAH Q-24-2)を使用した。M3HT、2M2HT 、2M2COCO 及び
2M2COCO は0.0225g の Brij 700 表面活性剤(アンモニ
ウム塩の重量の4.5 %) と組合せて使用した。本実施例
の実験で使用した故紙混合物は35%/35%/30% のフレキソ
グラフ(水性)インキ印刷新聞紙/ 油性インキ印刷新聞
紙/ 雑誌から構成されていた。
【0128】脱インキ試験においては、0.16%のジエチ
レントリアミンペンタ酢酸、3 %の珪酸ナトリウム溶
液、1 %の水酸化ナトリウム、1 %の過酸化水素及び脱
インキ剤を含有する温水(上記の%は紙の重量に基づく
ものである)中で故紙を 4%の濃度でパルプ化した。故
紙はMealstrom 実験室用パルプ化器中で10分間パルプ化
した。パルプ化した後、紙を温水で 1% に稀釈し、5 リ
ットル実験室用浮遊槽に移送し次いで空気浮遊操作にか
けた。吸引技術を使用してパルプ表面から浮遊インキ廃
物を除去した。
【0129】パルプ試料を浮泡脱インキ工程中に、 0、
9 及び18分後に採取した。パルプ試料をpH 4.5に酸性化
し、濾過し、プレスし、乾燥しついで試験シートの青色
反射率をHunterlab の装置を使用して測定した。青色反
射率の値を紙の白色度の尺度として使用した。そのデー
ターを表 IIIに示す。
【0130】下記のデーターは、前記した35/35/30の混
合物からなる故紙にの処理に使用した場合、6種の好ま
しいアンモニウム塩によりインキの捕集と除去が効果的
に行われることを示している。アンモニウム塩は、パル
プ化の際に雑誌用紙から放出されたクレーと反応するこ
とにより、良好なインキ捕集剤としの働きをする有機ク
レーをその場で生成した。
【0131】 表 III 脱インキ剤 故紙 白色度値(表面/ 裏面) 0分 9分 18分 H 35/35/30 45.3/42.4 59.1/55.2 61.9/54.0 I 35/35/30 45.2/43.5 60.5/56.0 64.2/61.9 J 35/35/30 48.1/42.9 61.5/59.2 63.7/62.7 K 35/35/30 48.8/45.3 61.3/60.5 64.1/60.8 O 35/35/30 47.9/45.4 59.2/55.1 61.6/57.4 P 35/35/30 48.5/41.4 61.2/56.6 62.8/61.2 (注) H =1.0% M3HT + 0.0225g Brij 700 I =1.0% 2M2HT + 0.0225g Brij 700 J =1.0% BM2HT + 0.0225g Brij 700 K =1.0% M2HT-2 E.O. O =1.0% TOMAH Q-24-2 E.O P =1.0% 2M2COCO + 0.0225g Brij 700
【0132】実施例 20 本実施例はカチオン交換性クレーを基剤とする有機クレ
ー脱インキ剤の水性系内でのその場での形成と、故紙の
脱インキを行う際に、その場で形成した有機クレーを使
用した場合と他の脱インキ剤を使用した場合との比較を
例示する。
【0133】カチオン交換性クレーとしては 6−タイル
カオリンクレー(6-tile kaolinclay) とオパシテックス
(Opacitex)、即ち、カオリンを基材とする焼成不透明剤
を使用した。アンモニウム塩としてはメチル- トリ水素
化タローアンモニウムクロリドを使用した。M3HT第4級
アンモニウム塩は0.0225g のBrij 700表面活性剤と組合
せて使用した。この実験で使用した故紙混合物は35%/65
% のフレキソグラフインキ印刷新聞紙 /油性インキ印刷
新聞紙から構成した。故紙の灰分含有量は約0.7 %であ
った。
【0134】脱インキ試験においては、0.16%のジエチ
レントリアミンペンタ酢酸、3 %の珪酸ナトリウム溶
液、1 %の水酸化ナトリウム、1 %の過酸化水素及び脱
インキ剤を含有する温水(上記の%は紙の重量に基づく
ものである)中で故紙を 4%の濃度でパルプ化した。故
紙はMealstrom 実験室用パルプ化器中で10分間パルプ化
した。パルプ化した後、紙を温水で 1% に稀釈し、5 リ
ットル実験室用浮遊槽に移送し次いで空気浮遊操作にか
けた。吸引技術を使用してパルプ表面から浮遊インキ廃
物を除去した。
【0135】パルプ試料を浮泡脱インキ工程中に、 0、
9 及び18分後に採取した。パルプ試料をpH 4.5に酸性化
し、濾過し、プレスし、乾燥しついで試験シートの青色
反射率をHunterlab の装置を使用して測定した。青色反
射率の値を紙の白色度の尺度として使用した。そのデー
ターを表 IV に示す。
【0136】新聞紙 100%から構成される故紙について
得られたデーターは、カオリン又は焼成カオリンクレー
を基剤とする、その場で形成された有機クレーを使用す
ることにより、ブランク試験又はアンモニウム塩単独に
ついて得られるものより著しく改善された浮泡式脱イン
キ性能が得られることを示している。従って、本発明の
その場で形成した有機クレー脱インキ用添加剤は、種々
のカチオン交換性クレーに基づくものであり得る。
【0137】 表 IV 脱インキ剤 故紙 白色度値(表面/ 裏面) 0分 9分 18分 ブランク 35/65 54.3/34.7 51.9/32.0 56.1/41.3 L 35/65 42.7/41.3 50.0/49.7 53.6/52.9 M 35/65 43.5/41.1 55.7/55.6 57.6/56.7 N 35/65 44.4/43.9 58.1/56.8 60.8/59.2 (注) L =1.5% M3HT + 0.0225g Brij 700 M =1.5% M3HT + 1.5% 6−タイルカオリンクレー + 0.0
225g Brij 700 N =1.0% M3HT + 1.5% オパシテックス焼成カオリンク
レー + 0.0225g Brij700
【0138】実施例 21 下記の実施例は、種々のカチオン交換性クレーを基剤と
する種々の有機クレー脱インキ剤の水性系内でのその場
での形成と、その場で形成した有機クレー組成物を使用
するフレキソグラフ(水性)インキの凝集と捕集を例示
する。
【0139】本実施例ではアンモニウム塩としてジメチ
ル- ジ水素化タローアンモニウムクロリド(2M2HT) を使
用した。カチオン交換性クレーとしては粗製ヘクトライ
トクレー(カチオン交換容量=55 m.e./100g)、サポナ
イト(カチオン交換容量=67m.e./100g)、アタパルジ
ャイト(カチオン交換容量=24 m.e./100g)及びカオリ
ナイト(カチオン交換容量=13 m.e./100g)を使用し
た。
【0140】試験においては、0.025gのダークブルー水
性インキを含有するかつ水酸化ナトリウムを使用して p
H 9.0 に調整した 100g の水を 4オンスびんに入れた。
次ぎに、0.17g の 85.5%活性2M2HT を添加しついでびん
を熱水浴中に置いて温度を約50−55℃まで上昇させた。
2M2HT を含有する上記のダークブルー水性インキ溶液を
全部で 5個調製した。2M2HT を添加してもインキ溶液は
変化しないこと、即ち、インキの凝集は生起しないこと
が認められた。
【0141】5個のインキ/ 2M2HT 溶液の4個を、 (1)
0.04g の粗製ヘクトライト、(2) 0.1gのサポナイト、
(3) 0.1gのアタパルジャイト及び0.22g のカオリナイト
を別々に添加することにより処理した。びんに蓋をし、
振盪しついで 5分間静置した後、観察結果を記録した。
2M2HT だけを含有するインキ溶液は色相がダークブルー
であり、インキの凝集は生起しなかった。これに対し
て、カチオン交換性クレーを添加した4個のインキ/ 2M
2HT 溶液は全てダークブルー色の有機クレー/ インキ凝
集物(フロック)を含有しており、その大部分は表面に
浮遊しており、透明な又は極めて僅かに着色した水性相
が得られた。従って、この実施例も、同様に、インキ廃
物の凝集と捕集はアンモニウム塩単独では生起せず、そ
の場で形成させ得る有機クレーによって生起することを
示している。
【0142】実施例 22 下記の実施例は、種々の予備形成有機クレーについて得
られる脱インキ性能と、予備形成有機クレー中に含有さ
れているものと同一の量のカチオン交換性クレーとアン
モニウム塩とを別々に水性系に添加してその場で有機ク
レーを形成させた場合に得られる脱インキ性能との比較
を示す。
【0143】2種の予備形成有機クレーを下記の方法で
調製した:固形分7.78%の粗製ヘクトライトクレースラ
リー(粗製ヘクトライト固形分30g)385.6gを1.2 リット
ルのステンレス鋼製反応器に秤量し、65℃に加熱した。
120 ミリ当量の次ぎの第4級アンモニウム塩:(1) 87.5
% 活性 2M2HT(23.87g)及び(2) 80.86%の活性M3HT(35.17
g)を溶融し、これを上記クレースラリーに注入した。熱
水50ミリリットルを使用してアンモニウム塩を上記クレ
ースラリー中にすすぎ流した。得られた混合物を65℃で
30分間攪拌し、冷却し次いで固形分パーセントを分析し
た。固形分パーセントは下記の通りであった: (1) 11.
24 %;(2) 12.63 % 。
【0144】2種の予備形成有機クレーを、35%/35%/30%
のフレキソインキ印刷新聞紙/ 油性インキ印刷新聞紙/
雑誌からなる故紙 50gに対しての浮泡式脱インキ用脱
インキ剤として2 %の量で使用した(%は紙の重量に基
づくものである)。比較のため、(1) 粗製ヘクトライト
クレーと別個に使用される 2M2HT及び(2) 粗製ヘクトラ
イトクレーと別個に使用されるM3HTから構成されるその
場で生成させた有機クレーも、前記と同一の35%/35%/30
% 故紙混合物50g について評価した。各々の場合におい
て、別々に使用した第4級アンモニウム塩と粗製クレー
の量は、2 %の量で使用される予備形成有機クレー中に
含有されている各成分の量と等しかった。 脱インキ試
験においては、0.16%のジエチレントリアミンペンタ酢
酸、3 %の珪酸ナトリウム溶液、1 %の水酸化ナトリウ
ム、1 %の過酸化水素及び脱インキ剤を含有する温水
(上記の%は紙の重量に基づくものである)中で故紙を
4%の濃度でパルプ化した。各々の試験において、起泡
性と浮遊性を増大させるために0.015gのBrij 700も添加
した。故紙はMealstrom 実験室用パルプ化器中で10分間
パルプ化した。パルプ化した後、紙を温水で 1% の濃度
に稀釈し、5 リットル実験室用浮遊槽に移送し次いで空
気浮遊操作にかけた。吸引技術を使用してパルプ表面か
ら浮遊インキ廃物を除去した。
【0145】パルプ試料を浮泡脱インキ工程中に、 0、
9 及び18分後に採取した。パルプ試料をpH 4.5に酸性化
し、濾過し、プレスし、乾燥しついで試験シートの青色
反射率をHunterlab の装置を使用して測定した。青色反
射率の値を紙の白色度の尺度として使用した。そのデー
ターを表 Vに示す。
【0146】 表 V 脱インキ剤 白色度値(表面/ 裏面) 0分 9分 18分 Q 41.5/39.4 49.8/44.2 52.2/47.4 R 41.3/39.5 50.6/42.6 51.2/44.4 S 38.6/36.4 42.9/42.1 47.7/41.5 T 40.5/40.7 50.6/44.0 50.8/50.3 (注) Q =2% M3HT/粗製ヘクトライト予備形成有機クレー7.92
g の 12.63% 固形分スラリー−> 1.0g 有機クレー +
0.015gBrij 700 R =固形分0.5133g を得るための、固形分 7.78%の粗製
ヘクトライトクレー6.60g 及び固形分0.4867g を得るた
めの、80.86%活性 M3HT 0.602g を別個に添加 + 0.015
g Brij 700 S =2% 2M2HT/ 粗製ヘクトライト予備形成有機クレー8.
90g の 11.24% 固形分スラリー−> 1.0g 有機クレー +
0.015gBrij 700 T =固形分0.5896g を得るための、固形分 7.78%の粗製
ヘクトライトクレー7.58g 及び固形分0.4104g を得るた
めの、87.5% 活性 2M2HT 0.469g を別個に添加 + 0.015
g Brij 700
【0147】上記のデーターは M3HT 第4級アンモニウ
ム塩と粗製ヘクトライトを別々に添加して有機クレーを
その場で形成させることにより、 M3HT/粗製ヘクトライ
トクレーから構成された予備形成有機クレーについて得
られるものと同一の水準の白色度が脱インキ紙について
得られることを示している。2M2HT と粗製ヘクトライト
を別々に添加して有機クレーをその場で形成させること
により、2M2HT/粗製ヘクトライトクレーから構成された
予備形成有機クレーについて得られるものと比較して、
脱インキ紙についてのより大きな白色度とより透明なパ
ルプ濾液が得られる。
【0148】パルプ化槽内には予備形成 M3HT 有機クレ
ーを分散させるのに十分な剪断力が存在し、その結果、
M3HT とカチオン交換性クレーを別々に添加して使用し
た場合には性能の大きな増大は認められない;しかしな
がら、分散させることがより困難な2M2HT については、
有機クレーをその場で形成させることにより性能は大き
く増大する。
【0149】本明細書に記載したように本発明は、多く
の方法において変化させ得ることは明らかであろう。か
かる変形は本発明の精神及び範囲から逸脱するものとは
みなされず、かかる態様の全ては本発明の範囲内にある
ものである。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 故紙の脱インキ方法において、 (a)有機クレー脱インキ剤を水性系中で形成させ、 (b)該水性系中で故紙に由来するインキを、故紙を脱イ
    ンキするのに有効な量の前記有機クレー脱インキ剤と接
    触させ、次いで (c)脱インキされた製紙用パルプを該水性系から回収す
    ることを特徴とする故紙の脱インキ方法。
  2. 【請求項2】 前記有機クレー脱インキ剤の形成を、ア
    ンモニウム塩の1種又はそれ以上と、カチオン交換性ク
    レーの1種又はそれ以上とを水性系に添加することによ
    って水性系中で行う請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記有機クレー脱インキ剤の形成を、
    (a)カチオン交換性クレーを含有する故紙をパルプ化
    し、次いで(b)アンモニウム塩の少なくとも1種を水性
    系と混合することによって水性系中で行う請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記有機クレー脱インキ剤の形成を、カ
    チオン交換性クレーの1種又はそれ以上と、アンモニウ
    ム塩の1種又はそれ以上とからなる無水配合物を用いて
    水性系中で行う請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記有機クレー脱インキ剤の形成を、カ
    チオン交換性クレーとアンモニウム塩とを含有する故紙
    をパルプ化することによって水性系中で行う請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記回収工程が、故紙から除去されたイ
    ンキを水性系の表面まで浮上させることを目的として、
    空気散布することを含むものである請求項1記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記有機クレー脱インキ剤が、 (a)クレー100g当たり少なくとも5ミリ当量のカチオン
    交換容量をもつカチオン交換性クレーと、 (b)該カチオン交換性クレーのカチオン交換容量の約20
    %〜約350%の量のアンモニウム塩の1種又はそれ以上
    との反応生成物からなるものである請求項1記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記回収工程が、故紙から除去されたイ
    ンキを前記水性系の表面まで浮上分離させることを含む
    ものである請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 故紙の脱インキ方法において、 (a)アンモニウム塩の1種又はそれ以上と、カチオン交
    換性クレーの1種又はそれ以上とを水性系に添加するこ
    とによって、有機クレー脱インキ剤を該水性系中で形成
    させ、 (b)界面活性剤の存在下に該水性系中で故紙に由来する
    インキを、故紙を脱インキするのに有効な量の前記有機
    クレー脱インキ剤と接触させ、次いで (c)脱インキされた製紙用パルプを該水性系から回収す
    ることを特徴とする故紙の脱インキ方法。
  10. 【請求項10】 カチオン交換性クレーの1種又はそれ
    以上と、アンモニウム塩の1種又はそれ以上との無水混
    合物を含有してなる水性系用脱インキ組成物。
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