JP2619483B2 - 開閉器の電磁石装置 - Google Patents

開閉器の電磁石装置

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JP2619483B2
JP2619483B2 JP63148871A JP14887188A JP2619483B2 JP 2619483 B2 JP2619483 B2 JP 2619483B2 JP 63148871 A JP63148871 A JP 63148871A JP 14887188 A JP14887188 A JP 14887188A JP 2619483 B2 JP2619483 B2 JP 2619483B2
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存 森
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、遠隔操作可能な開閉器の電磁石装置に関す
るものである。
[従来の技術] 第9図は従来の所胃リモコンブレーカの要部分を解斜
視図を示し、電磁石ブロックは取付ベース1内に収納さ
れるようになっている。そして、電磁石ブロックは、固
定鉄心6、外周にコイル5を巻装したコインボビン4、
コイル5の励磁により固定鉄心に吸引される可動鉄心
7、可動鉄心7を開放側に付勢するスプリング10等で構
成されている。ここで、可動鉄心7は多数の薄板の鉄心
板を積層して形成したものであり、積層した薄板の鉄心
板を固定板9′で固定していた。この固定板9′.は第
10図に示すように、2枚の板体92が中央の連続部91で一
体物とちて形成されており、連続部91の両側には電磁石
ブロックでの発生力を接点部側へ伝達する連結片17が形
成されている。
しかして、所定の形状で必要な枚数の薄板の鉄心板を
積層した可動鉄心7を、固定板9′の板体92の間に挿入
し、カシメピンにてかしめて可動鉄金ブロックを形成し
ていた。かかる従来例においては、鉄心板の積層厚のバ
ラツキが大きく、コ字型の固定板9′に収納してカシメ
固着した時、固定板9′の変形バラツキが大きく、電磁
石特性に悪影響を与えていた。また、ひどい時には鉄心
板の積層枚数が変更を余儀なるされるという問題もあっ
た。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、上述の点に鑑みて供給したものであって、
薄板の鉄心板の積層厚のバラツキを吸収できると共に、
必要に応じて積層枚数の変更が容易にできることを目的
とした開閉器の電磁石装置を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、可動鉄心が積層方向の両側から2枚の固定
板で挟持固定されると共に所定のギャップをおいて2つ
に分離され、両可動鉄心の積層された薄板の鉄心板の端
面に弾接するスプリングを有し、前記固定板の両端部に
は可動鉄心の端部を保持し夫々対向して形成された一対
の突片を設けとものである。
[作用] 2枚の固定板で積層した可動鉄心を積層方向の両側か
ら押圧して挟持固定することができて、従来の一体物固
定板と比べて薄板の鉄心板を成層厚のばらつきを吸収す
ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面により説明する。第5図
の(a)及び(b)はブレーカ全体の分解斜視図を示
し、本発明のブレーカは電磁石ブロックAと、該電磁社
ブロックAにより制御される接点開閉機構部Bとから構
成されている。また、本ブレーカは3相用の3極構造と
している。
まず、電磁石ブロックAについて説明する。上面が開
口し、絶縁材からなる箱状の取付ベース1内に収納凹所
2が形成され、この吸収凹所2内に電磁石部3が収納配
置される。電磁石部3は、コインボビン4の外周に巻回
したコイル5と、固定鉄心6と、コイル5の磁気吸引力
により固定鉄心6に吸引される可動鉄心7等から構成さ
れている。固定鉄心6は略コ字型に形成され、両側の鉄
心部6aがコインボビン4の貫通孔4a内に鉄心部6aの端面
が開口面に少し突出するように挿入配置してある。可動
鉄心7はコ字型に形成された固定板9内に固定されてお
り、可動鉄心7とコイルボビン4との間にスプリング10
を介装して配置される。スプリング10は、コイルボビン
4の側面より突出した突起4bに装着して配置してある。
次に、本発明の要旨の部分について説明する。可動鉄
心ブロックを示す第1図に示すように、可動鉄心7は2
つに分離されて形成されており、また、2つの可動鉄心
7は2枚の固定板9a,9bで挟持固定するようにしてい
る。可動鉄心7は薄板の鉄心板を多数枚積層して形成さ
れるものであり、鉄心板にカシメピン130が挿通されて
薄板の鉄心板が固定されて可動鉄心7が形成される。両
固定板9a,9bには可動鉄心7の上下面より突出したカシ
メピン130の頭部が挿入される穴131に穿孔され、一方の
固定板9aの中央の端部から連接部132が折曲形成され、
連接部132の両側には連結片17が一体に形成してある。
連接部132の下端には係合突起133が形成され、この係合
突起133が嵌まる係合凹所134が他方の固定板9bに形成さ
れている。従って、2つの可動鉄心の上下面に両固定板
9a,9bを配置し、係合突起133を係合凹所134に挿入係合
し、更に、穴131に挿入したカシメピン130の頭部をかし
めることで、固定板9a,9bにより可動鉄心7は積層方向
に挟持固定されることになる。また、固定板9a,9bの両
端部には夫々対向する突片136が一体に形成されてお
り、図2(a)に示すように(図2(a)では、上部を
第4図のA−A断面とし、下部を別の断面で示してあ
る)成層した可動鉄心7の端部をこの突片136で抱き込
むように保持し、2つの可動鉄心7の成層した端面側が
傾かずに同一の面となるようにしている。スプリング10
の一端は両可動鉄心7の成層した端面側に弾接し、吸引
力作動時や可動鉄心7の開放時の力を突片136で受ける
ようにしている。従って、固定板9a,9bの突片136で可動
鉄心7の力を受けることにより、カシメピン130での発
生応力を軽減でき、カシメピン130の折損がなくなり、
また、カシメピン130の径を細くすることも可能で、鉄
損を少なくすることもできる。更には2つの可動鉄心7
が傾かないので、ストロークの変化もなくなり性能が安
定するものである。
尚、可動鉄心7の薄板の鉄心板は成層鉄心を用いてお
り、うず電流損を減らして鉄損を少なくしている。ま
た、可動鉄心7は1つではなく、2つに分離しているの
は、両可動鉄心7の間にギャップを形成することで磁気
抵抗を大きくし、コイル5の通電を遮断したときに、可
動鉄心7が固定鉄心6から迅速に開放できるようにして
いる。また、両固定板9a,9bの係合は第1図に示す方法
以外に、例えば、固定板9bよりL型片を突設させ、この
L型片の内側に固定板9aの連接部132の下端を係合する
ようにしても良い。
略コ字型に形成されている変換軸11は可動鉄心7の横
方向の連動を上下方向に変換するものであり、軸方向に
穿孔されている軸穴11aい軸13が挿通される。この軸13
は取付ベース1の段部14内でその両端が軸支されて、変
換軸11を回動自在としている。変換軸11の中央に突設さ
れている中央突部12の穴12aと、固定板9に形成されて
いる連結片17の穴17aとにU字型ピン16が挿入されて、
U字型ピン16により可動鉄心7側に変換軸11が回動自在
に連結される。また、変換軸11の両側に形成してある側
片15の穴15aに第5図(a)に示す連結ピン18の一端18a
が夫々挿通して連結されるようになっている。しかし
て、このように構成される電磁石部が第6図(b)に示
すように、取付ベース1の収納凹所2内に固定鉄心6の
側面にダンパー19を備えて収納配置される。
次に接点開閉機構部Bについて説明する。絶縁材から
なるボデイ23の上面には隔壁24を介して機構収納部25が
3つ形成してある。第5図(a)に示すように、3極を
連動し絶縁材からなる連動板26には3つ穴26aが形成さ
れていて、この穴26aに可動接触子27が挿通される。ま
た、この穴26aに接圧バネ28が納装され、可動接触子27
に適宜な接点圧を付与している。連動板26の下面には凹
部26cが形成されており、この凹部26c内に連動板26を上
方へ付勢する開極バネ29の上部が装着され、また、開極
バネ29は第2図(a)に示すように、ボデイ23に形成さ
れた凹所30内に収納配置されている。連動板26はボデイ
23の隔壁24のストリット31に挿入され、各機構収納部25
にわたるように配置される。機構収納部25内には過電流
や短絡電流を検出するセンサーが配置されるものであ
り、略コ字型に折曲形成したヨーク32内に短絡コイル33
が設けられ、この短絡コイル33内にヨーク32の上下面に
突出可能とした駆動ピン34が装着してある。可動接触子
27の先端下面には接点36が設けられている。
短絡コイル33と磁気回路を構成するヨーク32の下部両
側よりL型の取付片37が一体に形成され、両取付片37の
内側に穴37bが穿孔されている。可動接触子27の略中央
部には舌片27bが一体に形成され、この舌片27bに穴27c
が穿孔されている。可動接触子27を両取付片37の間に位
置させて、各穴27c,37bにピン86を挿通して、可動接触
子27を軸支している。この時、可動接触子27は連動板26
の穴26aに挿入されているため、開極バネ29によって上
方に付勢された連動板26により第3図(b)に示すよう
に可動接触子27は連動板26によりピン86を中心として時
計回転方向の力を受ける。また、ヨーク32の一端からは
先端部をU字型にしたアークホーン38が設けられてお
り、他端には過電流を検出するバイメタル39が設けてあ
る。バイメタル39の先端部には電流調整用のネジ40が螺
着してある。
略コ字型に形成されているフレーム41は第2図(a)
に示すようにボデイ23の下面からのねじ42によりボデイ
23に固定される。フレーム41の両側板43には円弧状の長
孔44が穿設されており、この長孔44の外側面に、コ字型
のラッチ板48と略H型のリンク45の脚受46が位置し、脚
部46の穴46aと、ラッチ板48の先端側を開口した切欠孔4
9aと、フレーム41の長孔44に回転軸50が挿通し、この回
転軸50によりリンク45とラッチ板48とがフレーム41に回
転自在に連結されることになる。一方、ラッチ板48の側
片48aには穴48bが穿孔されており、また、フレーム41に
設けた軸41bに上記穴48bを挿通し、この軸41bを支点と
してラッチ板48か回転自在にフレーム41に軸支されるこ
とになる。
ラッチ係合板53の中央部に形成されている軸支部53a
がフレーク41の後部側に形成した突片54間に位置し、ピ
ン55が突片54の穴54aとラッチ係合板53の軸支部53aの穴
53bに挿通し、ラッチ係合板53がフレーム41の突片54に
挿通されたピン55を軸として回転自在に軸支される。ラ
ッチ係合板53の前面側には係合部56が3つ突設されてお
り、この係合部56は第3図(a)に示すように駆動ピン
34の頭部34aの下方に位置して該頭部34aと係合する。ま
た、ラッチ係合板53の下面より先端をL型とした係合片
57が突設されており、この係合片57がラッチ板48の中央
片48cに形成した係合凹所58に係合し、ラッチ係合板53
とラッチ板48とが係合することになる。
ヨーク87の両側のL型の取付片88間にピン90により駆
動片89が取り付けられ、ヨーク87の突片87aとフレーム4
1の突片41cとが対応してピン(図示せず)にて取り付け
られる。そして、突片41cの下方の突起41dとヨーク87の
舌片87bとの間にスプリング91が介装されて、ヨーク87
を位置決め規制している。そして、ヨーク87に取着した
駆動片89をラッチ係合板53の背面側に位置せしめてい
る。また、ヨーク87からは調整板92が上方に一体に突設
され、上方からの軸を偏心させた調整用のビス93にて調
整板92の傾きを調整することで、ヨーク87全体の傾きを
調整し、その傾きによりトリップ動作を行なわしめる過
電流の大きさを調整することができる。また、フレーム
41の突起41eとラッチ係合板53の凹部53dとの間にスプリ
ング94を介装してラッチ係合板53とラッチ板48とラッチ
する方向に付勢している。
フレーム41の前部側に腕片59が形成してあり、腕片59
の先端には穴59aが穿孔してある。この腕片59間にハン
ドル60の下部が位置し、ハンドル60に穿孔した穴60aに
ハンドル軸61が腕片59の穴59aを介して挿通され、ハン
ドル60がフレーム41にハンドル軸61を軸として回転自在
に装着される。ハンドル60の側面から突起60bが穿設さ
れており、この突起60bにハンドル60のオフ位置、オン
位置を死点を越えて位置決めする反転バネ62の一端が係
止されるようになっている。また、ハンドル60には、第
2図(c)に示すようにハンドル60をオフ位置にする際
にリンク45を初期位置に設定すべくリンク45を下方に押
接する押接片68が形成されている。尚、ラッチ板48、ラ
ッチ係合板53等でトリップ機構が構成され、また、リン
ク45、変換軸11、連動板26等でリンク機構が構成され
る。
第5図(a)に示すように、スプリング95の一端はフ
レーム41の窓41cの穴96に係止され、他端は第2図
(a)に示すようにラッチ板48の前部の穴48eに係止さ
れ、該スプリング95によりラッチが外れた場合にラッチ
板48を時計回転方向に付勢し、ラッチ板48のラッチの外
れを迅速にするようにしている。円弧状の表示片97の挿
通孔97aに上記ハンドル軸61が挿通し、ハンドル60の側
方に配置される。第2図(c)に示すように、この表示
片97の係止部97cとリンク45とが連結ピン98により連結
され、リンク45及び連結ピン98の動作により表示片97の
回転位置を異ならせて、表示片97の表面に記した表示部
97bをカバー80の表示窓80aより表示するようにしてい
る。
また、ハンドル60の突部60eにより駆動されるリミッ
トスイッチ99が配置してあり、ハンドル60を操作するこ
とにより、突部60eがリミットスイッチ99のアクチュエ
ータ99aを駆動して内部の接点を開閉するようになって
いる。更に、警報報知用のリミットスイッチ100が設け
てあり、トリップ状態時にラッチ板48の突部48dがリミ
ットスイッチ100のアクチュエータ100aを駆動して、警
報報知を行なうようにしている。更に、リンク45の両側
には凹部45aが形成してあり、連動板26の上部の内側に
対向して突設した突起部26dの下方に位置し、第6図
(a)に示すように連動板26の頂部にリンク45が位置
し、突起部26dでリンク45をはさみ込むように配置して
いる。この突起部26dにより、接点溶着等により開極バ
ネ28の復帰力にても連動板26が上動しない場合でも、リ
ンク45の上動動作にて、凹部45aで連動板26の突起部26d
を持ち上げるようにして、連動板26を強制的に上動さ
せ、接点を開離するようにしている。従って、オフ時、
可動鉄心7の復帰力により連動板26は衝撃的に引き上げ
られるため、接点溶着が生じにくいものである。また、
第5図(b)に示すように、リミットスイッチ122が設
けられ、このリミットスイッチ122は主接点が閉路した
時に電磁石部3を自己保持するためのものである。
電磁石ブロックAと接点開閉機構部Bとの連結は以下
のように行なっている。すなわち、ボデイ23の隔壁24に
はボデイ23の上下面に貫通する貫通部が穿孔されてお
り、この貫通部に上記連結ピン18が挿入配置され、連結
ピン18の一端18aは変換軸11の穴15aに挿通し、連結ピ18
の他端18bはリンク45の腕片47の穴47aに挿通して、該連
結ピン18により変換軸11とリンク45とが連結される。こ
れらの連結構成により電磁石部の横方向の運動を連結ピ
ン18により縦方向の運動に変換し、リンク45に電磁石部
3の運動を伝達するものである。機構収納部25の一端に
は負荷側の端子部70が配設される。この端子部70は、端
子ねじ70aと、締め板70bと、端子板70c等から構成され
ている。端子板70cの先端と短絡コイル33の下端とが固
着され、短絡コイル33の上端とバイメタル39の上端との
間には編素線71にて接続され、また、バイメタル39の下
部は編素線72を介して可動接触子27の基部に接続されて
いる。
機構収納部25の他方には第5図(b)に示すように、
電源側の端子部73が配設される。端子部73は、端子ねじ
73a、締め板73b、端子板73c等から構成されている。端
子板73cの上面にはアークホーン74が設けられている。
また、端子板73cの端部の上には可動接点36と相対する
固定接点75が固着してある。消弧装置76は、2枚の側板
77と、2枚の側板77間に並設される複数のグリッド板78
と、側板77と外側に夫々位置する絶縁板121と、これら
を覆う絶縁箱79等から構成されている。ここで、両アー
クホーン38,74は第3図(a)に示すように、絶縁箱79
内でグリッド板78と並設されて配設されるようになって
いる。
ボデイ23の上面を覆うカバー80は絶縁材からなり、そ
の略中央部にはハンドル60の操作部60dを上面より突出
させる窓穴81が穿設されている。また、窓穴81の側方に
は、表示片97の表示部97bを表示させる表示窓80aが設け
てある。この表示部97bにより主回路のオン状態、オフ
状態、トリップ状態等を表示するようにしている。ま
た、カバー80の両端には夫々切欠部83が形成してあり、
この切欠部83内に各端子部70,73が第4図に示すように
位置するようになっている。また、電磁石ブロックAを
収納配置した取付ベース1はボデイ23の下面に第2図
(a)に示すように組立ねじ84にて取り付けられ、カバ
ー80はボデイ23の上面に組立ねじ85にて固定される。こ
こで、電磁石ブロックAの上面は絶縁材からなるボディ
23の底部により絶縁されているものであり、ただ、電磁
社ブロックAからは連結ピン18がボデイ23の貫通部を介
してボデイ23側に突出しているものである。
第7図は電気回路図を示し、端子部70,73間に短絡コ
イル33、バイメタル39、接点36,75等の直列回路が挿入
された形となっている。また、補助端子221,222間には
ハンドル60と連動したリミットスイッチ99と警報報知用
のリミットスイッチ100との直列回路が接続され、補助
端子223には警報ランプ123が接続されている。また、補
助端子224,225間には自己保持用のリミットスイッチ122
が接続され、補助端子225にはオフ表示用のランプ124
が、補助端子226にはオン表示用のランプ125が夫々接続
してある。更に、補助端子222,226にはオン操作用のス
イッチSW3が、補助端子222,224間にはオフ操作用のスイ
ッチSW4が夫々接続されている。本ブレーカの特徴は、
ハンドル60をオン操作してもスイッチSW3を操作者が操
作しない限り接点36,75がオンせず主回路は通電されな
いようになっているものである。そして、スイッチSW3
をオフするか、あるいは、ハンドル60をオフ操作してリ
ミットスイッチ122をオフすれば、電磁石部3のコイル
5に対して電源が遮断されて接点36,75は開極して主回
路は遮断される。
次に、本ブレーカの動作について説明する。第2図は
第4図のA−A断面図を示し、第3図は第4図のB−B
断面図を示している。第2図(a)と第3図(a)はオ
フ状態を示し、第2図(b)と第3図(b)はハンドル
60がオンで電磁石部3がオフの場合のオフ状態を示し、
第2図(c)と第3図(c)はオン状態を示し、第2図
(d)と第3図(d)はトリップ状態を示している。
まず、第2図と第3図との(a)に示すオフ状態にお
いては、ハンドル60の押接片68がリンク45の上面を下方
に押接し、、また、突部60eがリミットスイッチ99のア
クチュエータ99aを押接して、リミットスイッチ99の接
点をオフとする。この接点のオフにより電磁石部3への
電源は遮断されている。そして、リンク45とラッチ板48
を軸支している回転軸50をフレーム41の長孔44の下部に
位置している。また、主回路の接点36,75は開離してい
る。次に、第2図(a)のオフ状態から第2図(c)に
示すようにハンドル60をオン操作すると、ハンドル60の
突部60eがリミットスイッチ99のアクチュエータ99aから
離れて、リミットスイッチ99はオンする。従って、第7
図に示すように、電源はランプ124日に印加されて、ハ
ンドル60がオン状態であり、且つ電磁石部3がオフ状態
であることを表示する。そして、第7図に示すスイッチ
SW3をオン操作して、電磁石部3のコイル5を励磁す
る。同時にリミットスイッチ122が駆動されて接点を切
り替え自己保持を行なう。従って、スイッチSW3を離し
ても、コイル5は励磁され続ける。この時、ランプ125
が点灯してオン状態であることを表示する。コイル5が
励磁されることにより、第2図と第3図の(c)に示す
ように可動鉄心7が固定鉄心6に吸引される。可動鉄心
7が吸引されると、可動鉄心7とU字型ピン16と連結さ
れている変換軸11が軸13を支点として時計方向に回動す
るために、連結ピン18は変換軸11の回動に伴い下方に移
動する。連係ピン18が下方に移動すると、該連結ピン18
と連結されているリンク45が回転軸50を軸として時計方
向に回動する。従って、リンク45の下方に配置された連
動板26がリンク45に連動して開極バネ29の復帰力に抗し
て下動される。連動板26が下動すると、第3図(c)に
示すように連動板26の穴26aに可動接触子27が位置して
いるため、可動接触子27が下動され、接圧バネ28の接圧
力により可動接触子27の可動接点36と固定接点75とが接
触し、主回路は通電されることになる。
ここで、電磁石部3だけをスイッチSW4を操作してオ
フにすると、第2図及び第3図の(b)に示すように、
可動鉄心7はスプリング10の復帰力により図の左方へ復
帰移動する。この可動鉄心7の移動により変換軸11は軸
13を中心に反時計方向に回動する。この変換軸11の反時
計方向の回動により連結ピン18は上方に移動されて、リ
ンク45を時計方向に回動させる。従って、リンク45によ
る付勢力が解除された連動板26は開極バネ29の復帰力に
より上動されて可動接触子27も上動し、接点36,75は開
離する。
次に、ハンドル60をオン位置からオフ操作すると、第
2図と第3図の(a)に示すように、ハンドル60の突部
60eがリミットスイッチ99のアクチュエータ99aを押接
し、接点をオフする。従って、リミットスイッチ99のオ
フにより、電磁石部3への通電は完全に遮断され、上記
と同様に初期位置に復帰する。
また、オフ時において、第3図(a)及び第6図
(a)に示すように、開極バネ29により上方に付勢され
る連動板26はヨーク32の下面に当たって停止するが、こ
の後も電磁石部3は復帰し、連結ピン18を介してリンク
45はさらに回動し、その後リンク45は、連動板26の突起
部26dに当接し以後は、その当接点近傍を中心にしてリ
ンク45が回転する。このリンク45の回転によりラッチ板
48を回転軸50を介して回転させることで、ラッチ板48の
係合凹所58はラッチ係合板53の係合片57とのラッチ係合
により確実に行なうことになり、従って、リセット余裕
を確実にとることができ、ミストリップがなくなり、動
作信頼性が向上するものである。
ここで、連動板26を駆動するリンク45はラッチ板48の
一端側と回転軸50と連結され、このラッチ板48とは反対
側の端部が電磁石部3側と連結している連結ピン18と連
結していることから、上記オンオフ時において、ラッチ
板48とラッチ係合板53とのラッチ部(係合片57と係合凹
所58とが係合する部分)は動かないので、ミストリップ
のない安定した動作が得られる。つまり、ラッチ部がオ
ンオフ状態の時に外れないので、異常状態が生じた場合
には、確実にトリップ動作を行なわしめることができる
ものである。また、オンオフ時、フレーム41に取着され
ている各部材はすべてピン結合にて行なっているため、
長寿命が期待できる。
次にトリップ状態の場合を説明する。まず、主回路が
短絡した場合について説明すると、短絡の場合には大電
流が流れるため、短絡コイル33に電磁力が生じてトリッ
プ動作を行なわしめる。ここで、短絡が起こる前の正常
な状態においては、第2図(c)に示すようにリンク45
とラッチ板48とを軸支している回転軸50は、フレーム41
の長孔44の下部に位置している。ラッチ板48はラッチ係
合板53の係合片57と係合している。また、ラッチ係合板
53の係合部56は、第3図(c)に示すように駆動ピン34
の頭部34aと係合している。
第2図及び第3図の(d)に示すように、短絡が起こ
ると、短絡コイル33に生じる電磁力により駆動ピン34を
下方に吸引駆動する。この駆動ピン34の下方への移動に
より係合部56が押接されてピン55を軸としてラッチ係合
板53が反時計方向に回動する。すると、ラッチ係合板53
の係合片57とラッチ板48の係合凹所58との係合が外れた
ラッチ板48がフリー状態となり、リンク45は開極バネ29
の復帰力により連動板26を介して上方へ付勢され、リン
ク45は回転軸50がフレーム41の長孔44の上端まで移動す
ることになる。この時、ラッチ板48はスプリング95の復
帰力により軸41bを支点として時計回転方向に回転し
て、突部48dがリミットスイッチ100のアクチュエータ10
0aを押接して、接点を切り替えて警報ランプ123を点灯
してトリップ状態を表示すると共に、電磁石部3のコイ
ル5への通電を遮断する。従って、連動板26は下方への
付勢力が解除されることによって可動接触子27も上動し
て接点36,75が開離することになる。
また、トリップ時においては、リンク45と連結してい
るラッチ板48の切欠孔49aを端部側を開口しているた
め、リンク45の開極動作を早めている。すなわち、上記
切欠孔49aの周囲が閉塞している場合には、リンク45と
ラッチ板48とは開極完了まで連動して動くので、それに
つれて連動板26の開極挙動も制限されて、機械的に遅れ
時間が長くなる。しかしながら、上記のように切欠孔49
aのリンク45側の端部を開口しているため、トリップ時
において途中までは、リンク45とラッチ板48とが連動す
るが、あるポイントより回転軸50がラッチ板48の切欠孔
49aより飛び出して、リンク45はラッチ板48から切り離
されて動くので、リンク45の動きは速くなり、従って、
機械的な遅れ時間の短縮が図れ、開極特性が改善される
ものである。
また、トリップ時、コイル5への通電が遮断されるた
め、可動鉄心7も復帰しようとするが、可動鉄心7が少
し復帰すると、変換軸11により連結ピン18が上動しよう
とするが、リンク45の先端より突設した当接片47aがボ
デイ23に形成してある突部23aの壁面に当たって、連結
ピン18の上動を阻止するようにしている。つまり、正常
のオンオフ時では、リンク45は回転軸50を中心にして回
転するため、上記突部23aの壁面に当接することなすス
ムーズに動作するが、トリップ状態の時においては、電
磁石部3より復帰力を受けてリンク45が、一方は回転軸
50とフレーム41の長孔44の側縁で、他方はリンク45の一
部と突部23aの壁面とでリンク45が挟持されることにな
り、リンク45の上動を阻止するものである。従って、上
動を阻止されたリンク45をハンドル60の押接片68にてリ
ンク45の一端を長孔44の下端部に移動させて、手動によ
るハンドル60の操作しかリセットできないようになって
おり、電磁石部3だけによるリモートリセットを確実に
防止できて安全である。
また、過電流が流れた時にはバイメタル39が湾曲し、
バイメタル39の先端に取着したネジ40が第2図及び第3
図の(d)に示すように、駆動片89の背面を押接して回
転させ、この駆動片89の回転によりラッチ係合板53を軸
41bを支点として反時計方向に回動させて、係合片57の
ラッチ板48との係合を解除する。この解除により先の場
合と同様にリンク45が上動して連動板26への付勢力が解
除されて接点36,75が開極されることになる。
次に、トリップ動作した後に、ハンドル60がオン位置
で、表示片97の表示部97bの表示を見てハンドル60を第
2図及び第3図の(a)に示すようにオフ操作して、ハ
ンドル60の押接片68にてリンク45等を下方に位置させ
て、ラッチ板48を反時計方向に回転させてラッチ板48の
係合凹所58とラッチ係合板53の係合片57とを係合してリ
セットさせることができる。従って、上記押接片68をハ
ンドル60に設けることで、手動リセットを容易に行なう
ことができるものである。
表示片97はハンドル軸61を中心にハンドル60とは別個
に回転し、リンク45の傾きによって、その表示部97bの
位置を異ならしめている。すなわち、第2図及び第3図
に示すように、オン状態、オフ状態、トリップ状態等に
より、リンク45の傾きが異なるため、その傾きに応じて
連結ピン98により回転し、表示窓80aより表示するよう
になっている。
[発明の効果] 本発明は上述のように、コイルと、コイル内に配置さ
れた固定鉄心と、薄板の鉄心板を多数枚積層して形成さ
れ、コイルの励磁により上記固定鉄心に吸引される可動
鉄心とを備え、可動鉄心の固定鉄心への吸引、開放動作
により接点部を開閉動作させる開閉器の電磁石装置にお
いて、前記可動鉄心は積層方向の両側から2枚の固定板
で挟持固定されているので、2枚の固定板で積層した可
動鉄心を積層方向の両側から押圧して挟持固定すること
ができて、従来の一体物の固定板と比べて薄板の鉄心板
の成層厚のバラツキを吸収することができ、また、定格
違いの場合、接点圧の変更等により電磁石のバネ負荷が
変わるものの、鉄心板の成層枚数の変更だけ容易に可動
鉄心の変更ができる効果を奏する。
また、可動鉄心は所定のギャップをおいて2つに分離
され、両可動鉄心の積層された薄板の端面を弾接するス
プリングを有し、上記固定板の両端部に可動鉄心の端部
を保持する一対の対向する突片を夫々形成していること
により、この両突片で積層した可動鉄心を保持して、分
離された2つの可動鉄心は傾かずにスプリングにより弾
接されることになり、従って、可動鉄心のストロークの
変化もなく、性能が安定するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の可動鉄心ブロックの分解斜視図、第2
図は同上の実施例の第4図のA−A断面図を示し、同図
(a)はオフ状態の断面図、同図(b)は電磁石部をオ
フ状態とした場合の断面図、同図(c)はオン状態の断
面図、同図(d)はトリップ状態の断面図、第3図は同
上の第4図のB−B断面図であり、同図(a)はオフ状
態の断面図、同図(b)は電磁石部をオフ状態とした場
合の断面図、同図(c)はオン状態の断面図、同図
(d)はトリップ状態の断面図、第4図は同上の平面
図、第5図(a)は同上の分解斜視図、第5図(b)は
同上の分解斜視図、第6図(a)は同上の分解斜視図、
第6図(b)は同上の分解斜視図、第7図は同上の電気
回路図、第8図は同上の電磁石ブロックの平面図、第9
図は従来例の要部分解斜視図、第10図は従来例の固定板
の斜視図である。 5……コイル、6……固定鉄心、7……可動鉄心、9…
…固定板、10……スプリング、136……突片。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コイルと、コイル内に配置された固定鉄心
    と、薄板の鉄心板を多数枚積層して形成され、コイルの
    励磁により上記固定鉄心に吸引される可動鉄心とを備
    え、可動鉄心の固定鉄心への吸引、開放動作により接点
    部を開閉動作させる開閉器の電磁石装置において、前記
    可動鉄心は積層方向の両側から2枚の固定板で挟持固定
    されると共に所定のギャップをおいて2つに分離され、
    両可動鉄心の積層された薄板の鉄心板の端面に弾接する
    スプリングを有し、前記固定板の両端部には可動鉄心の
    端部を保持し夫々対向して形成された一対の突片が設け
    られて成る開閉器の電磁石装置。
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