JP2618357B2 - 被記録材 - Google Patents

被記録材

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JP2618357B2
JP2618357B2 JP63027654A JP2765488A JP2618357B2 JP 2618357 B2 JP2618357 B2 JP 2618357B2 JP 63027654 A JP63027654 A JP 63027654A JP 2765488 A JP2765488 A JP 2765488A JP 2618357 B2 JP2618357 B2 JP 2618357B2
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5227Macromolecular coatings characterised by organic non-macromolecular additives, e.g. UV-absorbers, plasticisers, surfactants

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、インクジェット記録方法に好適に用いられ
る被記録材に関し、特にインク吸収性に優れ、耐光性及
び高湿度下での滲み防止性を有する記録画像を与える被
記録材に関する。
(従来の技術) インクジェット記録方法は、種々のインク(記録液)
吐出方式、例えば、静電吸引方式、圧電素子を用いてイ
ンクに機械的振動又は変位を与える方式、インクを加熱
して発泡させ、その圧力を利用する方式等により、イン
クの小滴を発生及び飛翔させ、それらの一部若しくは全
部を紙等の被記録材に付着させて記録を行うものである
が、騒音の発生が少なく、高速印字、多色印字の行える
記録方法として注目されている。
インクジェット記録用のインクとしては、安全性及び
記録特性の面から主に水を主成分とする水性インクが使
用され、ノズルの目詰り防止及び吐出特性の向上のため
に多価アルコール等が添加されている場合が多い。
このインクジェット記録方法に使用される被記録材と
しては、従来、通常の紙やインクジェット記録用紙と称
される基材上に多孔質のインク吸収層を設けてなる被記
録材が表面画像観察用に使用されてきた。この様なイン
クジェット記録用の被記録材としては、 (1)インクの被記録材への定着が可及的速やかであ
り、異色のインクドットが重複した場合でも、後で付着
したインクが前に付着したインクと混合したり、インク
ドットを乱したり、流れ出したりしないこと、 (2)インク小滴が被記録材上である程度拡散するが、
インクドットの径が必要以上に大きくならないこと、 (3)インクドットの形状が真円に近く、又、その円周
が滑らかであること、 (4)インクドットのOD(光学濃度)が高く、インク成
分の発色性に優れていること、 等の諸要求を満足させる必要がある。
又、インクジェット記録方法による記録画像は、従来
は専ら表面画像観察用に使用されてきたが、インクジェ
ット記録装置の性能の向上や普及に伴ない、表面画像観
察用以外の用途に適した被記録材が要求されつつある。
表面画像観察用以外の被記録材の用途としては、スラ
イドやOHP(オーバーヘッドプロジェクター)等の光学
機器により、記録画像をスクリーン等へ投影して、それ
らの画像を観察するのに用いるもの、カラー印刷のポジ
版を作成する際の色分解版、液晶等のカラーディスプレ
イに用いるCMF(カラーモザイクフィルター)等が挙げ
られる。
被記録材が表面画像観察用に使用される場合には、主
に記録画像の拡散光が観察されるのに対し、これらの用
途における被記録材においては主に記録画像の透過光が
問題となる。従って、透光性、特に直線透光率に優れた
ものであることが前述の一般的なインクジェット記録用
の被記録材の要求性能に加重されて要求される。
(発明が解決しようとしている問題点) しかしながら、これらの要求性能を全て満足する被記
録材は未だ知られていない。
例えば、インク受容層を多孔性に形成してインク吸収
性を向上されたものが知られているが、この場合に得ら
れる画像は透明性及び光沢がなく、透過光を観察する用
途には不向きである。
又、透明性基材上に透明性のインク受容層を形成する
ために、インク受容層の形成に水溶性乃至親水性の樹脂
が使用されているが、これらのインク受容層は耐水性に
劣り、又、記録された画像は耐光性に劣るという問題が
ある。又、高湿度下では吸水によって表面粘着性が生じ
ると共に、画像の滲みを生じ易いという問題がある。
この様な問題を解決するために、記録後に記録面に防
湿性の透明被覆を施す方法もあるが、操作上煩雑であ
り、又、透明被覆を施しても例えば屋外でディスプレイ
等に使用する場合には充分な耐光性及び耐水性を有する
とは云えない。
これに対してインクジェット記録画像が屋外のポスタ
ーやバックライトを照射するディスプレイ等に使用され
るようになってくると、従来のインクジェット画像では
屋外使用での厳しい条件、すなわち、優れた耐光性を有
し、且つ高温度雰囲気下でも表面がベタついたり画像の
滲み等を生じないインクジェット画像が要求される様に
なった。
従って、本発明の目的は、インクジェット記録方法に
好適に用いられる被記録材であって、特にインク吸収性
に優れ、屋外使用下でも耐光性及び高湿度下での滲み防
止性等の優れた耐水性を有する記録画像を与える被記録
材を提供することである。
(発明の開示) 上記目的は以下の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、少なくとも基材とインク受容層
とからなる被記録材において、該インク受容層に含有さ
れる塩基性化合物の量が0.5重量%以下であることを特
徴とする被記録材である。
(作用) インク受容層中に存在する塩基性化合物の量をインク
受容層の0.5重量%以下とすることにより、被記録材に
記録した画像の耐光性が向上する。
又、塩基性化合物の量が少ないため、記録された染料
はインク受容層を構成する樹脂と直接イオン的又はファ
ンデル・ワールス力等により結合するため、高湿度下で
も画像の滲みが防止され画像の耐水性が向上する。
更にインク受容層中の遊離のイオン数が少ない、すな
わち、イオン強度が低下するため、一般にイオン強度の
相対的に高い水性インクの浸透力が高まり、インク吸収
速度及び吸収性が向上する。
又、好ましい実施態様では、インク受容層にカチオン
変性樹脂を存在させることによって画像の耐水性が一層
向上し、更にインク受容層を架橋させることによってイ
ンク受容層自体の耐水性が向上する。
(好ましい実施態様) 次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
本発明で支持体として用いることのできる基材として
は、透明性、不透明性等従来公知の基材はいずれも使用
でき、透明性基材として好適な例としては、例えば、ポ
リエステル系樹脂、ジアセテート系樹脂、トリアセテー
ト系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、
ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂、セロハン、
セルロイド等のフイルム若しくは板及びガラス板等が挙
げられる。又、不透明性基材として好ましいものとして
は、例えば、一般の紙、布、木材、金属板、合成紙等の
外、上記の透明性基材を公知の手段により布透明性化処
理したものが挙げられる。このような基材はその厚さが
約10乃至200μmの範囲のものであるから好ましい。
本発明において、上記基材上に設けるインク受容層
は、主として水性のインクを受容できる水溶性乃至親水
性の樹脂から形成されるものであって、このような樹脂
として好ましいものは、アルブミン、ゼラチン、カゼイ
ン、でんぷん、カチオンでんぷん、アラビアゴム、アル
ギン酸ソーダ等の親水性天然樹脂、ポリビニルアルコー
ル、カチオン化ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、四級化ポリ
ビニルピロリドン、ポリ(N−ビニル−3−メチルピロ
リドン)、ポリビニルイミダゾール、ポリアリルアミ
ン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリエチレンイミン、ポ
リビニルピリジリウムハライド、メラミン樹脂、ポリウ
レタン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエステル、ポ
リアクリル酸ソーダ等の水溶性乃至親水性合成樹脂が挙
げられ、これらの材料の1種以上が所望により使用され
る。又、形成させるインク受容層の接着性や耐水性等の
改善に、上記水溶性乃至親水性樹脂に対して、SBRラテ
ックス、NBRラテックス、ポリビニルホルマール、ポリ
メチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリア
クリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、フ
ェノール樹脂、アルキド樹脂等の疎水性樹脂も本発明の
目的を防げない範囲において併用できる。
本発明では上記の様な材料からインク受容層を形成す
るに当り、形成されるインク受容層中の塩基性化合物の
量が0.5重量%以下となるようにすることが重要であ
る。
すなわち、通常は上記の如き各種樹脂中には、酢酸ナ
トリウム、酢酸リチウム、炭酸水素カリウム、アルカリ
金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アンモニウム化合
物、脂肪族低級アミン等の如き塩化性化合物が混入して
いる場合が多く、これらの化合物がインク受容層中に存
在することになると、記録時のインクに使用されている
直接染料や酸性染料が樹脂に吸着される前にこれらの塩
と結合し、画像の耐光性低下及び高湿度雰囲気下におい
て、吸湿水分によって画像の滲みを生じることを見い出
した。
樹脂中の塩基性化合物の除去方法は樹脂の充分な精製
によって可能であり、又、樹脂製造時に充分な注意を払
うことによっても塩基性化合物の除去が可能である。
例えば、上記の塩基性化合物の除去の方法としては、 (1)水、低級アルコール或いは極性溶剤に対する樹脂
と塩基性化合物との溶解度の差を利用する方法であり、
例えば、ヒドロキシエチルセルロース中に混入している
酢酸ナトリウムを除去するには、エチルアルコールが好
適であり、例えば、大量のエチルアルコール中にヒドロ
キシエチルセルロースの粉末を3時間以上分散及び撹拌
を行い、エチルアルコール中に酢酸ナトリウムを溶解
し、この抽出エチルアルコール液を濾紙等で濾過して、
エチルアルコールに溶解した酢酸ナトリウムをヒドロキ
シエチルセルロースから分離する。
又、別の方法としては、ソックスレイ抽出器を用いて
も簡便に樹脂の精製を行うことができる。すなわち、抽
出器内のエチルアルコールの還流を利用して常に新しい
エチルアルコールをヒドロキシエチルセルロースに接触
させることにより、効率よく酢酸ナトリウムが抽出でき
る。
(2)更に逆浸透膜法に代表される膜分離による精製も
有効である。例えば、ポリビニルアルコール水溶液と純
水とを逆浸透膜により隔てて塩基性化合物の浸透力によ
り塩基性化合物のみを除去して、ポリビニルアルコール
の精製を行うことができる。
一般にこのような膜分離にはアセチルセルロース膜、
セロファン、ポリアミド等の逆浸透膜が用いられる。こ
れらの分離膜の形状としては平板状のものの他に海苔巻
き状、スパイライル膜、管状膜並びにこれを極度に細か
くした中空繊維(ホローファイバー)膜を利用すること
ができる。
以上の如き方法によってインク受容層を形成する樹脂
中の塩基性化合物の濃度を0.5重量%以下とした後に、
インク受容層を形成することによって本発明の被記録材
を得ることができる。
更に本発明の好ましい実施態様では、インク受容層の
形成に当り、前記樹脂のうち非カチオン性樹脂を使用す
る場合には、前記樹脂の一部又は全部をカチオン変性物
とすることもでき、直接性の少ない酸性染料に対して画
像の耐水性及び滲みを更に有効に防止することができ
る。
カチオン変性樹脂は、前記の塩基性化合物とは異な
り、染料と反応或いは造塩しても、これらの反応物又は
造塩物が吸湿によって流れ出したり滲みの原因になるこ
とがない。尚、本発明においてカチオン変性とは樹脂中
に第1級乃至第3級アミノ基又は第4級アンモニウム基
を導入することを云う。
前記樹脂のカチオン変性は、樹脂の製造時或いは製造
後に反応性カチオン化合物を用いることにより行うこと
ができ、例えば、反応性カチオン化合物としては、 2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、 3,4−エポキシブチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロライドが挙げられる。
又、樹脂の重合時に使用し得るビニル化合物として
は、 ビニロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、 2,3−ジメチル−1−ビニルイミダゾリニウムクロライ
ド、 トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプ
ロピル)アンモニウムクロライド、 トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロライド、 N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)
アクリルアミド、 N−(3−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、 N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、 N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、 N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、 N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、 等の如く4級アンモニウム塩(或いはそれらの前駆体、
すなわち、1乃至3級アミノ基)を含有するビニルモノ
マー、 o−、m−又はp−アミノスチレン又はこれらのモノア
ルキル、ジアルキル誘導体或いはそれらの第4級アンモ
ニウム塩、 o−、m−又はp−ビニルベンジルアミン又はこれらの
モノアルキル、ジアルキル誘導体或いはそれらの第4級
アンモニウム塩、 N−(ビニルベンジル)ピロリドン、 N−(ビニルベンジル)ピぺリジン、 N−ビニルピロリドン、 α−又はβ−ビニルピリジン或いはそれらの第4級アン
モニウム塩、 α−又はβ−ピペリジン或いはそれらの第4級アンモニ
ウム塩、 2−又は4−ビニルキノリン或いはそれらの第4級アン
モニウム塩等その他の含窒素複素環ビニル化合物等が挙
げられる。
以上の如きカチオン変性樹脂を用いる場合には、これ
らのカチオン基がインク受容層の1重量%以上存在する
ことが好ましく、1重量%未満では酸性染料の染着性が
不充分である。
又、本発明の別の好ましい実施態様では、形成される
インク受容層を架橋剤(耐水化剤)によって架橋してイ
ンク受容層自体の耐水性を向上させるのが好ましい。架
橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化
合物、ジアルデヒド化合物、N−メチロール化合物等が
有用である。
例えば、ポリイソシアネート化合物としては、イソシ
アネート基を2個有するものとして、1,2−ジイソシア
ネートエタン、1,2−ジイソシアネートプロパン、テト
ラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン
−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイ
ソシアネート、ノナメチレン−1,9−ジイソシアネー
ト、デカメチレン−1,10−ジイソシアネート、ω,ω′
−ジプロピルエーテルジイソシアネート、シクロヘキサ
ン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
−4,4′−ジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニル
−4,4′−ジイソシアネート、ヘキサヒドロジフェニル
エーテル−4,4′−ジイソシアネート、フェニレン−1,4
−ジイソシアネート、トルイレン−2,6−ジイソシアネ
ート、トルイレン−2,4−ジイソシアネート、1−メト
キシベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−クロロフ
ェニレンジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジ
イソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パ
ラキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、ジフェニルスルフイド−4,4′
−ジイソシアネート、ジフェニルスルホン−4,4′−ジ
イソシアネート、ジフェニルエーテル−3,4′−ジイソ
シアネート、ジフェニルケトン−4,4′−ジイソシアネ
ート、ジフェニルケトン−4,4′−ジイソシアネート、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5
−ジイソシアネート、2,4′−ビスフェニルジイソシア
ネート、4,4′−ビスフェニルジイソシアネート、3,3′
−ジメトキシ−4,4′−ビスフェニルジイソシアネー
ト、アントラキノン−2,6−ジイソシアネート、トリフ
ェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート及びアゾベン
ゼン−4,4′−ジイソシアネート等が挙げられる。
又、イソシアネート基を3個含むものとしては、例え
ば、下記の(I)乃至(III)の構造式によって示され
る化合物並びにこれらの化合物の誘導体等を挙げること
ができる。
又、多官能アルデヒド化合物としては、グリオキザー
ル、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ア
ジポジアルデヒド、ピペリンジアルデヒド、スベリンジ
アルデヒド及びセバシンジアルデヒド等が挙げられる。
又、N−メチロール化合物としては、メチロールメラミ
ン、ブチル化メチロールメラミン等が挙げられる。
以上の如き架橋剤でインク受容層を架橋することによ
ってインク受容層の耐水性は向上するが、充分な耐水性
を付与するためには、水溶性乃至親水性樹脂の種類や分
子量によってある程度変化するが、一般的には水溶性乃
至親水性樹脂の1重量%以上が好ましく、一方、架橋の
程度が高すぎると、インク受容層のインク吸収性が低下
するので、架橋剤の量は50重量%以下が好ましい。
上記の如き材料からインク受容層を形成する方法とし
ては、上記の如き樹脂の単独或いは混合物を、適当な溶
剤に溶解又は分解させて塗工液を調製し、該塗工液を、
例えば、ロールコーティング法、ロッドバーコーティン
グ法、エアナイフコーティング法、スプレーコーティン
グ法等の公知の方法により前記基材上に塗工し、その後
速やかに乾燥させる方法が好ましく、又、上記の如き材
料から、熱展伸法、Tダイ法等の公知の方法により、単
独のインク受容層を形成して、インク受容層に、支持体
としての機能を併せ持つようにして用いるか、或いは該
シートを上記基剤にラミネートする方法、上記樹脂材料
をホットメルトコーティングする方法等により、基剤上
にインク受容層を形成してもよい。
このようにして形成されるインク受容層の厚さは、イ
ンクを保持できる範囲であればよく、記録するインクの
量にもよるが、1乃至50μmの範囲であり、より好まし
くは3乃至20μmである。厚みが1μm未満ではインク
を完全に吸収しきれずに定着不良を生じ、一方、50μm
を越えるとインク受容層の形成し際し塗工液の乾燥時間
が長くなる欠点が生じる。
更に本発明の好ましい実施態様では、上記のインク受
容上の表面に、インク輸送層を形成する。このインク輸
送層は特開昭62−242577号公報等に記載される様に、イ
ンク及び染料を実質的に吸着しない層であり、好ましく
は樹脂粒子のバインダーより形成される多孔層であっ
て、インクの吸収を一層向上させることができ、更に高
画質、高光学濃度、耐光性、耐水性等に優れた画像を形
成することができる。
以上、本発明の被記録材の代表的な態様を例示して本
発明を説明したが、勿論本発明の被記録材はこれらの態
様に限定されるものではない。尚、いずれの耐用の場合
においても、インク受容層には、分散剤、蛍光染料、pH
調節剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、界面活性剤等の公知
の各種添加剤を包含させることができる。
尚、本発明の被記録材は必ずしも無色である必要はな
く、着色された被記録材であってもよい。
(実施例) 以下、実施例、比較例及び使用例を挙げて本発明を更
に詳細に説明する。尚、文中部又は%とあるのは特に断
りのない限り重量基準である。
実施例1 カチオン化ヒドロキシエチルセルロース(ライオン
製、商品名レオガードKGP)をソックスレイ抽出器によ
りエチルアルコールの還流を計3時間繰返し、次いで35
0メッシュの金網によりカチオン化ヒドロキシエチルセ
ルロースを濾別した。得られた精製カチオン化ヒドロキ
シエチルセルロースは31%のエタノールを含んでいた。
これを60℃のオーブンで30分間乾燥し、精製済みカチオ
ン化ヒドロキシエチルセルロースを得た。
透光製基材として厚さ100μmのポリエチレンテレフ
タレートフイルム(I.C.I.製)を使用し、このフイルム
上に上記の精製済カチオン化ヒドロキシエチルセルロー
ス5部を95部の純水中に溶解した溶液を、乾燥後の膜厚
が6μmとなるようにバーコーター法により塗工し、80
℃で20分間の条件で乾燥して本発明の透光性被記録材を
得た。
実施例2 カチオン化ポリビニルアルコール(クラレ製、商品名
CポリマーC−318−2A)の2%水溶液を調製した。ダ
イセル化学製のアセチルセルロース膜を用いて逆浸透膜
システムを用いて、上記水溶液の精製を行った。最後に
真空エバポレーターにより水分を留去した。
透光性基材として厚さ75μmのポリエチレンテレフタ
レートフイルム(東レ製)を使用し、このフイルム上に
下記の組成の塗工液をリバースロールコーター法により
塗工し、乾燥後の膜厚が6μmとなるように140℃で5
分間の熱処理により乾燥架橋させた。
塗工液組成 精製済みカチオン化ポリビニルアルコール 10 部 イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アンモニウム塩
0.2部 水溶性メチロール化メラミン樹脂(住友化学製、商品名
スミマールM−30W、固形分77%) 0.4部 純水 100 部 更に上記インク受容層の上に下記の組成の塗工液を乾
燥後の膜厚が35μmとなるようにリバースロールコータ
ー法により塗工し、140℃で5分間熱処理により乾燥さ
せ、本発明の被記録材を得た。
塗工液組成 尿素粉体(日本化成製、商品名有機フィラー)10 部 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学製、商品名エスレ
ックBH−3) 4 部 界面活性剤(花王製、商品名ペレックスOT−P)0.3 部 蛍光増白剤(チバガイギー製、商品名ユビテックスNFW
liq.) 0.03部 エチルセロソルブ 150 部 実施例3 ポリアクリル酸ナトリウム(日本純薬製、商品名ジュ
リマーAC−10NP)の5%水溶液を調製し、これをダイセ
ル化学製の逆浸透膜システム(アセチルセルロース膜)
を用いて精製を行った。最後に真空エバポレーターによ
り水分を留去した。
基材としてキヤノンペーパーNP DRYを使用し、この基
材上に上記ポリアクリル酸ソーダの10%純水溶液を乾燥
後の膜厚が12μmとなるようにバーコーター法により塗
工し、140℃で6分間熱処理により乾燥させ本発明の被
記録材を得た。
比較例1 カチオン化ヒドロキシエチルセルロースを精製しなか
った他はすべて実施例1と同様の操作を行って比較例の
被記録材を得た。
比較例2 カチオン化ポリビニルアルコールを精製しなかった他
はすべて実施例2と同様の操作を行って比較例の被記録
材を得た。
比較例3 ポリアクリル酸ナトリウムを精製しなかった他はすべ
て実施例3と同様の操作を行って比較例の被記録材を得
た。
使用例 上記の被記録材に対して、下記の4種のインクを用い
て、ピエゾ振動子によってインクを吐出させるオンデマ
ンド型インクジェット記録ヘッド(吐出オリフィス径60
μm、ピエゾ振動子駆動電圧65V、周波数2KHz)を有す
る記録装置を使用してインクジェット記録を実施した。
黄インク C.I.アシッドイエロー23 2部 ジエチレングリコール 15部 ポリエチレングリコール#200 10部 水 75部 赤インク C.I.アシッドレッド37 2部 ジエチレングリコール 15部 ポリエチレングリコール#200 10部 水 75部 青インク C.I.ダイレクトブルー86 2部 ジエチレングリコール 15部 ポリエチレングリコール#200 10部 水 75部 黒インク C.I.ダイレクトブラック19 2部 ジエチレングリコール 15部 ポリエチレングリコール#200 10部 水 75部 上記本発明の被記録材の記録特性及び記録された印画
物の画像特性を評価を行い、それらの評価結果を後記第
1表に示した。第1表における各評価項目の測定は下記
の方法に従った。
(1)インク定着時間は、記録実施後被記録材を室温下
に放置し、記録画像に指触したときに、インクが乾燥し
て指に付着しなくなる時間を測定した。
(2)耐光性はアトラス製フェードメーターCi−35にて
200時間照射した後のOD200と初期OD0との百分率により
測定し、4色のインクの平均値を用いた。
(3)高湿度下での滲みは、前記記録装置により赤色イ
ンクでベタ印字を行った記録画像を、35℃/85%RHの高
温高湿度下にて200時間保存し、保存前のベタ印字幅をl
0とし、200時間保存後のベタ印字幅の増分(l200−l0
との百分率により測定した。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも基材とインク受容層とからなる
    被記録材において、該インク受容層に含有される塩基性
    化合物の量が0.5重量%以下であることを特徴とする被
    記録材。
  2. 【請求項2】インク受容層が水溶性乃至親水性樹脂から
    なる特許請求の範囲第(1)項に記載の被記録材。
  3. 【請求項3】インク受容層がカチオン変性樹脂を含有す
    る特許請求の範囲第(1)項に記載の被記録材。
  4. 【請求項4】インク受容層がインク受容層に対してカチ
    オン性官能基を1.0重量%以上含有する特許請求の範囲
    第(3)項に記載の被記録材。
  5. 【請求項5】インク受容層が耐水性を有する特許請求の
    範囲第(1)項に記載の被記録材。
  6. 【請求項6】インク受容層上に通液性を有するインク輸
    送層を有する特許請求の範囲第(1)項に記載の被記録
    材。
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