JP2617725B2 - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents

空気入りラジアルタイヤ

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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、従来のポリエステル繊維コードのカーカス
層を有する空気入りラジアルタイヤに比較し、耐久性を
損なうことなく操縦安定性、タイヤユニフォーミティ性
を向上させた空気入りラジアルタイヤに関する。
〔従来技術〕
タイヤの周方向に極めて剛性の高いベルト層で補強さ
れたクラウン部を有し、かつタイヤ赤道面に対しコード
が略直角に配置されたカーカス層で補強されたサイドウ
ォール部を有するラジアルタイヤにおいて、サイドウォ
ール部の剛性が低いとクラウン部剛性とのアンバランス
により車軸の操縦安定性を著しく低下させることにな
る。したがって、サイドウォール部にも乗心地を損なわ
ない程度の剛性を保障する必要がある。
このような理由から、従来、ラジアルタイヤのカーカ
ス層には比較的モジュラスの高い有機繊維コードが使用
されているが、なかでも、よりモジュラスの高いレーヨ
ン繊維コードあるいはポリエステル繊維コードが好んで
用いられている。
しかしながら、レーヨン繊維コードは吸湿が大きく、
吸湿による強度及びモジュラスの低下が著しく、その使
用に際して充分に水分管理の必要があり、極めて生産性
の悪い材料である。一方、ポリエステル繊維コードは、
吸湿による強度、モジュラスの低下はほとんどなく、ま
た、レーヨン繊維コードに比較して強度も大幅に高いと
いう利点があるが、レーヨン繊維コードに比較しモジュ
ラスが低く、熱寸法安定性も悪い。このため、ポリエス
テル繊維コードをカーカス層に用いたラジアルタイヤ
は、レーヨン繊維コードのカーカス層のラジアルタイヤ
に比較し、タイヤ操縦安定性やタイヤユニフォーミティ
性に劣るという欠点がある。
最近、このような従来のポリエステル繊維コードの欠
点であった熱寸法安定性を改良する方法として、高速で
紡糸する技術、即ち、従来のポリエステル繊維が500〜1
500m/分の紡糸スピードであるのに対し2000〜6000m/分
という極めて高速で紡糸する技術を応用する試みがされ
ている。この高速紡糸技術を利用すれば、分子配向の高
い未延伸糸が得られるので、その後の熱延伸倍率を低く
抑えても引張機械特性の良好な繊維が得られ、また、同
時に熱延伸倍率が低いために繊維非晶部の残留歪が増大
せず、熱寸法安定性に優れた繊維となる。
しかし、このようにして得られた繊維は、繊維非晶配
向が低いために、即ち、非晶部の分子鎖がルーズな状態
にあるために、ポリエステルを化学劣化させる要因であ
るアミンや水分の拡散が容易となり、結果として、耐化
学劣化性の低い繊維となる。この化学劣化性は、熱寸法
安定性を改良すればする程、上述の理由から悪化する。
このような化学劣化性を改善する試みとして、ポリエ
ステル分子鎖末端に存在するカルボキシル基を低減する
ことが実施されているが(例えば、特開昭57−144106号
公報、特開昭57−191103号公報、特開昭57−201703号公
報等)、その効果は小さい。したがって、このような高
速紡糸ポリエステル繊維のコードをタイヤのカーカス材
として用いる場合、該繊維の化学劣化性に起因するタイ
ヤ耐久性の低下を抑えられるレベルでの高速紡糸ポリエ
ステル繊維しか用いられないのが現状である。しかしな
がら、このような繊維では、繊維非晶部配向が充分に小
さくないので、その繊維のコードをゴムに埋設して使用
する前に施されるディッピング処理において比較的高い
テンション下で熱処理して得られる繊維コードは、モジ
ュラスは高くできても熱寸法安定性は従来のポリエステ
ル繊維となんら変わることがなく、したがってラジアル
タイヤのカーカス材として用いた場合にはタイヤ操縦安
定性能は改善されるものの、タイヤユニフォーミティは
何ら改善されない。一方、比較的低いテンション下でデ
ィッピング処理をすれば熱寸法安定性は明かに改善され
るが、モジュラスは何ら改善されず、この繊維コードを
ラジアルタイヤのカーカス材に用いた場合にはタイヤユ
ニフォーミティが改善されるものの、操縦安定性は改善
されない。
本発明は、以上のような現行の高速紡糸ポリエステル
繊維のコードをカーカス材として用いているラジアルタ
イヤの限界を克服し、如何にタイヤ耐久性を損なうこと
なく操縦安定性とユニフォーミティ性を高次元で両立さ
せるか検討した結果、なされたものである。
〔発明の目的〕
本発明は、従来の高速紡糸で得られるポリエステル繊
維に比較してさらに熱寸法安定性の良い高速紡糸ポリエ
ステル繊維に特定の処理を施してなるコードをカーカス
層に適用することにより、極めて良好な耐久性、操縦安
定性、ユニフォーミティ性を具備し得たラジアルタイヤ
を提供することを目的とする。
〔発明の構成〕
このため、本発明は、極限粘度0.6以上で下記の寸法
安定性指数Dが13%以下の高速紡糸ポリエステル繊維コ
ードに、エチレン系不飽和カルボン酸又はそのエステル
とスチレンおよび/又はブタジエンとビニルピリジンと
からなる共重合体ゴムラテックスを含む接着剤を付着さ
せ、これをE2.3≦5.0%、S1≦3.0%となるように熱処理
してなるコードでカーカス層を構成したことを特徴とす
る空気入りラジアルタイヤを要旨とする。
D=E4.5+S0(%) E4.5:ポリエステル原糸の4.5g/d時の伸び率(%) S0:ポリエステル原糸の150℃での乾熱収縮率(%) E2.3:処理コードの2.3g/d時の伸び率(%) S1:処理コードの150℃での乾熱収縮率(%) 以下、本発明の構成につき詳しく説明する。
(1)高速紡糸ポリエステル繊維コード。
高速紡糸ポリエステル繊維コードとは、実質的にポリ
エチレンテレフタレートから成るポリマーを2000〜6000
m/分の紡糸スピードで紡糸した後、熱延伸して得られた
多数のフィラメントからなる500〜3000デニールの繊維
を1〜3本、下記式で表わされる撚係数Kが1400〜3000
となるように撚りを加えてコードとなしたものである。
K:撚係数、T:撚数(回/10cm)、 D:コードの総デニール数 ここで、紡糸スピードは特に上記に限定されるもので
はないが、熱寸法安定性を満足させるためには上記が好
ましい条件である。また、撚係数K値は1400未満である
とコードの機械的疲労性が著しく低下し、タイヤの耐久
性を低下せしめるので好ましくない。一方、3000を越え
ると強度、モジュラスが著しく低下するとともに熱寸法
安定性も悪化するので好ましくない。撚係数Kは、1900
〜2500の範囲で用いるのが機械的疲労性と強度、モジュ
ラスのバランスからより好ましい。
この高速紡糸ポリエステル繊維コードは、極限粘度0.
6以上のポリマーからなる。ここで、極限粘度とは、オ
ルソクロルフェノールを溶剤として25℃で測定したもの
である。極限粘度が0.6未満の場合、得られる処理コー
ドの強度が低く、また、機械的疲労性が悪いので、ラジ
アルタイヤのカーカス材に適用しない。該ポリマーの末
端カルボキシル基濃度は、本発明では特に限定されるも
のではないが、末端カルボキシル基濃度が大きいと基本
的には繊維の耐化学劣化性において不利であり、その観
点から末端カルボキシル基濃度は15当量/106g以下が好
ましい。
また、高速紡糸ポリエステル繊維コードは、寸法安定
性指数Dが13%以下である。ここで、寸法安定性指数D
は、下記式で表わされる。
D=E4.5+S0(%) E4.5:4.5g/D時の伸び率(%) S0:150℃での乾熱収縮率(%) Dが13%超であると、その後に施す後記のディップ処
理の後の寸法特性を満足しない。
(2)エチレン系不飽和カルボン酸又はそのエステルと
スチレンおよび/又はブタジエンとビニルピリジンとか
らなる共重合体ゴムラテックスを含む接着剤を上記コー
ドに付着させる(以下、ディップ処理という)。
エチレン系不飽和カルボン酸又はそのエステルとスチ
レンおよび/又はブタジエンとビニルピリジンとからな
る共重合ゴムラテックスを含む接着剤とは、アクリル
酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸又はメチルメタ
クリレート、ブチルアクリレート等の不飽和カルボン酸
のエステルをスチレン及び/又はブタジエンとをビニル
ピリジンと共重合させることで得られる。ゴムラテック
ス中の不飽和カルボン酸又はそのエステルの量は1%以
上必要であるが、特に耐化学劣化性を改善する目的にお
いては20%以上添加することがさらに効果的である。こ
こで示される組成を有するものと類似のゴムラテックス
は、例えば、特開昭61−26629号公報、特開昭61−26630
号公報に開示されているが、これらに示される処法では
充分な耐化学劣化性を確保できない。これら公報に示さ
れるように、不飽和カルボン酸やそのエステル量が多く
なると、接着が悪化する傾向にあり、したがって本発明
においては、該ラテックスを繊維に塗布する場合には、
1浴目で該ラテックスを含む接着剤で処理した後に、さ
らに2浴目で通常のゴムラテックスを含むRFL(レゾル
シン・ホルマリン初期縮合物とゴムラテックスとの混合
液)で処理する。これにより、接着剤を悪化させること
なく耐化学劣化性を改善することができる。
(3)ディップ処理後のコードをE2.3≦5%、S1≦3.0
%となるように熱処理する。
繊維コードのディップ処理後の寸法特性はディップ処
理時の温度及びテンション条件に依存する。一般に、テ
ンションを高くするとE2.3は小さくなり、逆に、S1は大
となる。また、温度を高くするとS1は小さくなり、E2.3
も若干低下するが温度が高すぎると繊維が溶融破断する
か熱劣化し、強度が低下する。
したがって、熱処理温度は250℃以下に設定すること
が必要である。これ以上の温度では、コードの溶融破断
や強度の大きな低下を招くという問題があり、実質的で
ない。
ここで、E2.3が5%超の場合、繊維コードモジュラス
が低下するのでタイヤ操縦安定性が低下する。一方、S1
が3%超の場合、タイヤユニフォーミティ性が悪化す
る。
本発明では、このように熱処理してなるコード(以
下、処理コードという)をゴム組成物に埋設し、カーカ
ス層とする。
以下に実施例および比較例を示す。
実施例、比較例 (a)処理コード。
下記表1に示す極限粘度、末端カルボキシル基濃度及
び寸法安定指数Dの異なる1500Dの高速紡糸ポリエステ
ル繊維及び1500Dの従来ポリエステル繊維を用い、各
々、下撚り40回/10cm、上撚り40回/10cm(撚係数K=21
90)を加え、1500d/2のコードを作製した。
次いで、これらのコードを1浴目として下記表2に示
す接着剤A〜Dに浸漬し、130℃で1分乾燥した後、0.1
〜0.7g/dの張力下で240℃50秒処理し、さらに、2浴目
として表2に示すRFLに浸漬し、同様に130℃で1分乾燥
後、再度0.1〜0.7g/dの張力下240℃50秒熱処理した。な
お、2浴目の接着剤を用いない処理も実施した。
得られた処理コード21種(実施例1〜5、比較例1〜
15)につき、強力、2.3g/d時伸び率E2.3、150℃での乾
熱収縮率S1、接着力及びゴム中加硫後強力保持率を測定
した。得られた結果を表1に示す。
また、第1図に、これらの処理コードにつき、同一原
糸を用い熱処理時の張力を変量した実験を行なったもの
につき、E2.3とS1との関係を示した。
各特性の測定は下記の方法で実施した。
(1)極限粘度[η]。
ポリエステル原糸は、ソックスレー抽出器を用いて、
メチルアルコール(試薬1級)を溶媒とし油剤を抽出し
た後、真空乾燥して用いた。
次に、該ポリエステル原糸を所定量測定し、規定量の
オルソクロルフェノール(純度99%以上、水分0.18以
下)に溶解させ、オストワルド中野式改良B型粘度計を
用いて25±0.1℃に調節された恒温槽内で通常の方法に
より溶液の流下時間を測定した。濃度を5水準取り、各
々の溶液の流下時間とオルソクロルフェノールのみでの
流下時間を測定し、各濃度の相対粘度を求め、極限粘度
[η]を算出した。
(2)末端カルボキシル基量。
ポリエステル原糸は、ソックスレー抽出器によりメチ
ルアルコールを溶媒として油剤を抽出した後、真空乾燥
して用いた。
ポリエステル原糸0.100〜0.200gをパイレックスグラ
ス製試験管にはかりとり、ベンジルアルコール(試薬特
級)5mlを加え、215℃で約2分、加熱溶解させた後、20
〜30℃の水冷にて数秒冷却し、ただちにクロロホルム
(試薬特級)10mlを含む50mlのビーカーに注ぐ。さら
に、同じ試験管にベンジルアルコール5mlを加え、215℃
で約1分加熱し、内容物をビーカーに加える。フェノー
ルレッド指示薬を2滴加え、ウルトラミクロビュレット
を用い、0.1M NaOHのベンジルアルコール溶液で滴定す
る。
また、ベンジルアルコール・クロロホルム混合物に対
して空試験値を測定する。以上により、下記式を用いて
末端カルボキシル基量を求めた。
ここで、Aは試料の滴定に要した0.1M NaOH溶液量
[μl]、Bは空試験の滴定に要した0.1M NaOH溶液量
[μl]、fは0.1M NaOH溶液のファクター、Wは試料
量(g)。
(3)強力。
島津製作所(株)製オートグラフ(IS500)を用い、
試料長250mm、引張速度300mm/分で測定したときの破断
時強さである。
(4)伸び率。
強力と同様にして、オートグラフを用いて引張ったと
きの所定の荷重が加えられた時の伸度を読み取った。
所定の荷重は、原糸は4.5g/d、処理コードは2.3g/dで
ある。
(5)乾熱収縮率。
一定長さのコードをオーブン中に150℃、30分無荷重
の状態で放置し、コードの収縮率を次式により求めた。
ここで、L0:熱処理前の長さ、L:熱処理後の長さ。
(6)ゴム中加硫後強力保持率。
処理コードをゴム組成物中に埋込み、170℃で1時間
加硫した後、ゴム組成物中よりコードを採取し、強力を
測定し、加硫する前の処理コードの強力に対する保持率
を求めた。
(7)接着力。
処理コードをゴム組成物中に8mm長さで埋込み、170℃
で10分加硫した後、室温まで冷却し、ゴムからコードを
引抜く力を測定し、接着力を求めた。
注) *1 ゴムラテックス組成比は以下の通りの物を用い
た。
ゴムラテックスa:スチレン/ブタジエン/ ビニルピリジン/メチルメタクリレート =5/60/15/20。
ゴムラテックスb:スチレン/ブタジエン/ ビニルピリジン/メタクリル酸=5/60/ 15/20。
ゴムラテックスc:スチレン/ブタジエン/ ビニルピリジン/メチルメタクリレート =0/40/15/45。
ゴムラテックスd:スチレン/ブタジエン/ ビニルピリジン=15/70/15。
*2 ICI Vulnax社製、VulcabondE固型分20%。
表1および第1図から明らかなように、原糸の寸法安
定性指数Dが13%以下の高速紡糸ポリエステル繊維を用
いなければ、ディップ処理時の張力条件を変えても処理
コードのE2.3とS1を本発明の範囲内に抑えることが出来
ないことがわかる。
また、同一のコードを用い、同一条件で処理した実施
例1,3,4と比較例2、実施例5と比較例3、さらに実施
例6と比較例4を各々比較した場合、本発明で示される
接着剤を付与することで明らかにゴム中での加硫後強力
保持率が改善されており、従来の高速紡糸ポリエステル
(比較例6)並の耐化学劣化性となっていることがわか
る。
また、従来の接着剤を用いた2浴処理品(比較例2)
と1浴処理品(比較例15)の接着レベルは、ほとんど差
がないのに対し、本発明で示される接着剤を用いた2浴
処理品と1浴処理品(実施例1と比較例13及び実施例4
と比較例14)を比較すると、明らかに1浴処理品の接着
レベルが低下しており、本発明で示される接着剤を用い
る場合には接着の観点から2浴処理で用いることがよい
のがわかる。
次に、これら処理コードを空気入りラジアルタイヤの
カーカス層に用いたタイヤでテストした結果を示す。
(b)タイヤ。
処理コードの実施例のうち、比較例1,2,5,6,7,9,14及
び実施例1,2,4,6の処理コードを用い、これをタイヤサ
イズ185/70HR13のカーカス層に適用し、タイヤテストを
実施した。
カーカス層としては上記コードを50本/5cmでゴム中に
埋設し、1プライ構造のラジアルタイヤを製造した。な
お、タイヤベルト層としては1×5(0.25)のスチール
コードを2層用いた。タイヤテストとして、操縦安定性
の指標であるコーナリングパワーの測定と耐久性の評
価、また、ユニフォーミティ特性の1つであるタイヤサ
イド部の凹凸性の測定を行なった。
各々の試験方法は下記の通りである。タイヤは5 1/2J
×13のリムにリム組みし、空気圧1.9kgf/cm2にて測定に
供した。
(1)コーナリングパワー。
負荷荷重450kg、周速10km/hでタイヤをドラム上で回
転させ、スリップ角2°でのコーナリングフォース測定
し、それをスリップ角2°で除した値を求めた。
(2)耐久性。
タイヤを70℃、98%湿度下で20日間調湿した後、リム
組みし、JIS D4230の耐久テストに準拠し、ドラム上で
荷重450kg、周速80km/hで4時間回転させ、その後、荷
重を10%アップし、6時間さらに15%アップし、24時間
回転させ、その後は2時間毎に5.75%づつアップし、破
壊(故障)にいたるまでの走行距離を求めた。
(3)ユニフォーミティ性。
タイヤサイド部に10mmφの金属製ローラーを回転させ
てタイヤを1周し、フレ方式で差動トランスを使用し、
凹凸の度合を測定する。サイドウォール部25mm間隔毎に
凹凸差を検出し、タイヤ全周で最も凹凸差が大きい値を
そのサイドウォール部の凹凸値とする。得られた結果
は、現行の高速紡糸ポリエステルを用いた比較例6のコ
ードをカーカスに用いたタイヤの結果を100として指数
で下記表3に示した。
表3に示すように、従来ポリエステルコードの比較例
10をカーカス層に用いたタイヤに比較し、本発明外であ
る高速紡糸ポリエステルをカーカスに用いたタイヤは、
総合的に同等以上の性能を示すが、操縦安定性を高めた
タイヤ(比較例7)はユニフォーミティ性が何ら改善さ
れず、一方、ユニフォーミティ性が改善されたタイヤ
(比較例5)は操縦安定性が何ら改善されていないこと
がわかる。
一方、寸法安定性指数が本発明内の高速紡糸ポリエス
テルをカーカスに用いた場合、処理コードの伸び率E2.3
と乾熱収縮率S1が本発明の条件を満たす場合(実施例1,
2,4,6、比較例2,14)、操縦安定性、ユニフォーミティ
性共に明らかに改善されていることが、また、耐久性に
関してみれば、本発明の接着剤を施さない比較例2は操
縦安定性、ユニフォーミティ性が良好なものの明らかに
耐化学劣化性に起因する耐久性低下を生じている。
本発明の接着剤を施した比較例14は、同一の接着剤を
施した実施例4に比較し、大きく耐久性が劣る。これ
は、前述した如く、接着処理方法、即ち、1浴処理だけ
のために接着レベルが極めて低く、走行により接着界面
での破壊が先行した結果、耐久性が低下したものであ
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、耐久性、操縦安
定性、タイヤユニフォーミティ性に優れた空気入りラジ
アルタイヤを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、処理コードの2.3g/d時の伸び率E2.3と150℃
乾熱収縮率S1との関係図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】極限粘度0.6以上で下記の寸法安定性指数
    Dが13%以下の高速紡糸ポリエステル繊維コードに、エ
    チレン系不飽和カルボン酸又はそのエステルとスチレン
    および/又はブタジエンとビニルピリジンとからなる共
    重合体ゴムラテックスを含む接着剤を付着させ、これを
    E2.3≦5.0%、S1≦3.0%となるように熱処理してなるコ
    ードでカーカス層を構成したことを特徴とする空気入り
    ラジアルタイヤ。 D=E4.5+S0(%) E4.5:ポリエステル原糸の4.5g/d時の伸び率(%) S0:ポリエステル原糸の150℃での乾熱収縮率(%) E2.3:処理コードの2.3g/d時の伸び率(%) S1:処理コードの150℃での乾熱収縮率(%)
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