JP2617460B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JP2617460B2
JP2617460B2 JP62006484A JP648487A JP2617460B2 JP 2617460 B2 JP2617460 B2 JP 2617460B2 JP 62006484 A JP62006484 A JP 62006484A JP 648487 A JP648487 A JP 648487A JP 2617460 B2 JP2617460 B2 JP 2617460B2
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雅人 大西
啓泰 竹内
晃司 山田
一行 松川
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、蛍光灯などの放電灯を高周波で点灯させる
放電灯点灯装置に関するものである。
(従来技術) 直流電圧を高周波に変換して負荷を駆動するインバー
タ装置においては、回路異常時等の過電流によるスイッ
チング素子のストレス低減、あるいは、回路構成部品か
らの発煙・発火などに対する安全対策として過電流防止
手段を設けられる場合が多い。第6図はこのような従来
例を示したものである。
第6図(a)の回路において、トランジスタQ1はイン
バータ回路の主スイッチング素子であり、このトランジ
スタQ1のエミッタには、電流検出用の抵抗R1が直列接続
されている。トランジスタQ1に過電流が流れると、エミ
ッタ抵抗R1の電圧降下が大きくなる。コンパレータCP
は、このエミッタ抵抗R1に生じる電圧VR1を基準電圧Vr
と比較する。電圧VR1が基準電圧Vr以上になると、コン
パレータCPの出力はHレベルとなり、抵抗R11を介して
トランジスタQ3にベース電流を供給して、トランジスタ
Q3をオンさせる。これによって、トランジスタQ1の駆動
信号を短絡して、トランジスタQ1を急激にオフさせ、過
電流を防止する。図中、抵抗R12はトランジスタQ1のベ
ース抵抗、コンデンサC4はスピードアップコンデンサで
ある。
第6図(b)の回路は、同図(a)の回路と同様にし
てコンパレータCPにより検出した信号を、ラッチ回路7
でラッチして、持続的な発振停止信号を得るものであ
り、過電流が発生した後は、インバータ回路の発振を停
止させるように構成したものである。
上述のような保護回路は、蛍光灯などの放電灯を負荷
とするインバータ回路においても有効である。ただし、
放電灯が負荷である場合においては、一般的な負荷の場
合に比べると次のような特徴がある。
第1に、蛍光灯には、放電を開始するまでの始動過程
があり、この間に、負荷インピーダンスが大幅に変動す
ることになり、過電流が流れやすい。したがって、始動
時に過電流を検出してインバータ回路の発振を低減又は
停止させると蛍光灯は点灯に至らない。
第2に、蛍光灯の寿命末期においては、フィラメント
に塗布された電子放出物質(エミッタ)が消耗し、最後
には放電停止に至るが、その過程において、蛍光灯の2
つのフィラメントのうちいずれか一方の電子放出物質が
先になくなり、一方向にしか放電しない“半波放電”状
態が生じる。この状態においては、蛍光灯が整流作用を
持つため、蛍光灯の限流素子として用いられるインダク
タンス素子の限流作用が減少し、過大な電流が流れる。
このような寿命末期の過電流に対しては、一般の負荷の
場合と異なり、蛍光灯は消耗品であり、取り替えて使用
されることから、単に過電流を防止するだけでなく、蛍
光灯が寿命末期であることを表示する機能が要求され
る。従って、回路異常時に安全を確保する為の過電流防
止とは異なった対応が必要となる。
(発明の目的) 本発明は上述のような点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、蛍光灯のような放電灯を
インバータ回路で高周波点灯する場合に、放電灯の寿命
末期の過電流と回路異常に起因する過電流とを簡単な構
成で確実に検出し、それぞれの場合に応じた保護動作を
行い得るようにした放電灯点灯装置を提供するにある。
(発明の開示) 本発明に係る放電灯点灯装置にあっては、インバータ
回路の発振出力により放電灯を高周波点灯させる点灯装
置において、インバータ回路のスイッチング素子に流れ
る電流を電圧に変換する電流検出手段と、前記電流検出
手段により発生する検出電圧を第1の基準電圧と比較し
て、第1の基準電圧以上となった場合に検出信号を発生
する第1の検出回路と、前記電流検出手段により発生す
る検出電圧を第1の基準電圧よりも高い第2の基準電圧
と比較して、第2の基準電圧以上となった場合に検出信
号を発生する第2の検出回路とを備え、放電灯寿命末期
の場合に、前記電流検出手段により発生する検出電圧が
第1の基準電圧以上で第2の基準電圧未満となるよう
に、回路異常の場合、前記電流検出手段により発生する
検出電圧が第2の基準電圧以上となるように、第1及び
第2の基準電圧を設定して成ることを特徴とするもので
ある。
本発明にあっては、このように放電灯寿命末期の場合
に、スイッチング素子に流れる電流に応じて電流検出手
段により発生する検出電圧が第1の基準電圧以上で第2
の基準電圧未満となるように、第1及び第2の基準電圧
を設定したから、放電灯寿命末期には、電流検出手段に
より発生する検出電圧が第1の基準電圧を越えることに
より、第1の検出回路が検出信号を発生し、回路異常等
による過電流が生じたときには、電流検出手段により発
生する検出電圧が第2の基準電圧を越えることにより、
第2の検出回路が検出信号を発生するものであり、各検
出回路の検出信号により、それぞれの場合に応じた保護
動作を行うことができるものである。
以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 第1図は本発明の一実施例の要部回路図である。イン
バータ回路の主スイッチング素子となるトランジスタQ1
のエミッタ側には、電流検出用の抵抗R1を直列接続して
ある。この抵抗R1に生ずる電圧降下を、検出回路1及び
検出回路2で検出し、検出信号I,IIを得ている。検出回
路1はコンパレータCP1、基準電圧Vr1、アンドゲートG
1、スイッチSW等から成る。また、検出回路2は、コン
パレータCP2、基準電圧Vr2から成る。これらの検出回路
1,2は、検出抵抗R1による検出電圧VR1が、各々基準電圧
Vr1,Vr2以上になると、それぞれコンパレータCP1,CP2
出力が“High"レベルとなり、検出信号が得られるもの
である。
ただし、検出回路1においては、コンパレータCP1
出力を、抵抗R4およびスイッチSWの接続点の電圧信号と
共にアンドゲートG1に入力し、このアンドゲートG1の出
力を検出信号としている。スイッチSWは、放電灯が完全
に点灯するまでの間、オンされる。抵抗R4及びスイッチ
SWの接続点の電圧信号は、スイッチSWがオンのときは
“Low"レベル、スイッチSWがオフのときには“High"レ
ベルである。したがって、放電灯の始動時に検出抵抗R1
による検出電圧VR1が一時的に基準電圧Vr1以上となり、
コンパレータCP1の出力が“High"レベルとなっても、ス
イッチSWがオンされている間は、検出信号Iを“Low"レ
ベルとさせることができ、始動時の過電流によるインバ
ータ回路の停止を防止することができる。
第2図は、本実施例の動作説明図であり、第1図回路
における基準電圧Vr1,Vr2のレベルの相対関係を示して
いる。縦軸は検出抵抗R1による検出電圧VR1であり、横
軸は時間tである。基準電圧Vr1,Vr2の関係は図示した
通り、基準電圧Vr2を高く設定し、基準電圧Vr1を低く設
定する。放電灯の始動過程における検出抵抗R1による検
出電圧VR1のピーク値を基準電圧Vr1,Vr2の間になるよう
に、また通常時(正常点灯時)の検出電圧VR1は基準電
圧Vr1よりも小さくなるようにする。さらに、寿命末期
時(エミッタ消耗時)の検出抵抗R1による検出電圧VR1
は、基準電圧Vr1,Vr2の間になるようにする。このよう
に基準電圧Vr1,Vr2を設定することにより、放電灯の寿
命末期は基準電圧Vr1により検出し、その検出信号によ
り、放電灯が寿命末期であることの表示を行ったり、あ
るいは、発振モードを変えてインバータ出力を低減させ
ることにより、スイッチング素子のストレスを低減させ
る。
また、回路の異常等による過電流は基準電圧Vr2によ
り検出し、この検出信号が得られた場合には、インバー
タ回路の発振を即時停止させたり、発振モードを変えて
インバータ出力を低減させることにより、発煙・発火あ
るいは爆発等を防止し、点灯装置の安全性を確保するも
のである。
実施例2 第3図は、本発明の他の実施例の要部回路図である。
本実施例にあっては、第1図実施例における検出抵抗R1
の代わりに、カレントトランスCTの1次巻線をトランジ
スタQ1のコレクタ側に直列接続し、このカレントトラン
スCTの2次巻線に流れる電流を抵抗R3にて電圧に変換し
ている。抵抗R3に生じた電圧は、検出回路1,2に入力さ
れて、第1及び第2の基準電圧と比較される。検出回路
1,2の構成及び動作については、第1図実施例について
既に説明したものと同一であるので、その説明は省略す
る。
実施例3 第4図は、本発明のさらに他の実施例の回路図であ
り、本発明をハーフブリッジ式インバータ回路に用いた
例である。直流電源Eに対して、第1の主トランジスタ
Q1と第2の主トランジスタQ2とが直列に接続され、主ト
ランジスタQ1,Q2のエミッタ側にはそれぞれ検出抵抗R1,
R2が接続され、また各々に逆並列にダイオードD1,D2
接続されている。これら2つの主トランジスタQ1,Q2
交互にオンオフされる。主トランジスタQ2の両端には、
コンデンサC2を並列接続された放電灯DLが、チョークコ
イルL1とコンデンサC1を介して接続されている。このよ
うなハーフブリッジ式インバータ回路においては、主ト
ランジスタが2つ存在するため、検出回路も2組必要と
なる。第4図の回路においては、放電灯寿命末期の検出
回路1はトランジスタQ1のエミッタ側の検出抵抗R1に接
続し、回路異常時の安全性確保のための検出回路2は各
検出抵抗R1,R2に接続している。
第5図は、第4図回路をより具体化した回路を示す。
駆動信号入力端子A,Bからの駆動信号は、ドライブ回路
3,4を介して主トランジスタQ2,Q1のベースに入力され
る。今、回路異常によって、主トランジスタQ2に過大電
流が流れ、検出抵抗R2による検出電圧がツェナーダイオ
ードZD2のツェナー電圧を越えると、トランジスタQ4
導通し、駆動信号入力端子AをLレベルにプルダウンす
るため、主トランジスタQ2はオフする。従って、ツェナ
ーダイオードZD2、抵抗R4、トランジスタQ4は、主トラ
ンジスタQ2についての第2の検出回路2を構成してい
る。主トランジスタQ1についても同様であり、ツェナダ
イオードZD1、抵抗R5、トランジスタQ3は、主トランジ
スタQ1についての第2の検出回路2を構成している。
また、検出抵抗R1による検出電圧は、ダイオードD3
介して平滑用のコンデンサC3に充電される。コンデンサ
C3には放電用の抵抗R6が並列接続されている。コンデン
サC3の充電電圧は、コンパレータCP1により基準電圧Vr1
と比較される。これらのダイオードD3、コンデンサC3
抵抗R6、基準電圧Vr1、コンパレータCP1は第1の検出回
路1を構成している。放電灯寿命末期において、コンデ
ンサC3の充電電圧が基準電圧Vr1以上となれば、コンパ
レータCP1の出力が“High"レベルとなり、抵抗R7を介し
て、カウンター回路5の入力Cに“High"レベルの過電
流検出信号が入力される。カウンター回路5は、過電流
検出信号が所定回数入力された場合には、出力Qを“Hi
gh"レベルとし、抵抗R9を介してトランジスタQ6をオン
にして、抵抗R10を介して発光ダイオードLDに通電す
る。この発光ダイオードLDに点灯により、放電灯寿命末
期であることを表示する。なお、カウンター回路5の出
力Qにより、インバータ回路の発振停止信号も得てい
る。
タイマー回路6は電源投入時から放電灯DLが点灯する
までの一定時間、その出力を“High"レベルにして、抵
抗R8を介して、トランジスタQ5をオンさせて、カウンタ
ー回路5の入力電圧をLレベルとすることにより、寿命
末期検出機能を一時的に停止させ、放電灯DLの始動時に
インバータ回路の発振停止信号が生じることを防止して
いる。
(発明の効果) 本発明は、インバータ回路の過電流を基準電圧の異な
る第1及び第2の検出回路によって検出し、放電灯寿命
末期に検出される検出電圧を、高い基準電圧と低い基準
電圧の間に設定することにより、放電灯寿命末期の過電
流と、回路異常等による過電流とを区別して検出するこ
とができ、各検出回路の検出信号により、それぞれの場
合に応じた保護動作を行うことができるという効果があ
る。また、本発明にあっては、各検出回路について、検
出抵抗やカレントトランス等の電流検出手段を共用化で
きるため、構成が簡単で安価に製作できるという利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の要部回路図、第2図は同上
の動作説明図、第3図は本発明の他の実施例の要部回路
図、第4図は本発明のさらに他の実施例の概略構成を示
す回路図、第5図は同上の具体的構成を示す回路図、第
6図(a)(b)は従来例の回路図である。 1は第1の検出回路、2は第2の検出回路、Q1,Q2はト
ランジスタ、R1,R2は抵抗、CTはカレントトランス、V
r1,Vr2は基準電圧、DLは放電灯である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 晃司 門真市大字門真1048番地 松下電工株式 会社内 (72)発明者 松川 一行 門真市大字門真1048番地 松下電工株式 会社内 (72)発明者 安宅 薫 門真市大字門真1048番地 松下電工株式 会社内 (56)参考文献 特開 昭59−130086(JP,A) 特開 昭56−42995(JP,A) 特開 昭59−130092(JP,A) 特開 昭61−39492(JP,A) 特開 昭60−250600(JP,A) 特開 昭61−78097(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インバータ回路の発振出力により放電灯を
    高周波点灯させる点灯装置において、インバータ回路の
    スイッチング素子に流れる電流を電圧に変換する電流検
    出手段と、前記電流検出手段により発生する検出電圧を
    第1の基準電圧と比較して、第1の基準電圧以上となっ
    た場合に検出信号を発生する第1の検出回路と、前記電
    流検出手段により発生する検出電圧を第1の基準電圧よ
    りも高い第2の基準電圧と比較して、第2の基準電圧以
    上となった場合に検出信号を発生する第2の検出回路と
    を備え、放電灯寿命末期の場合に、前記電流検出手段に
    より発生する検出電圧が第1の基準電圧以上で第2の基
    準電圧未満となるように、回路異常の場合に、前記電流
    検出手段により発生する検出電圧が第2の基準電圧以上
    となるように、第1及び第2の基準電圧を設定して成る
    ことを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】第1の検出回路は、電源投入後一定時間だ
    け検出機能を停止させるためのタイマー回路を備えて成
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の放電灯
    点灯装置。
  3. 【請求項3】前記電流検出手段は、スイッチング素子に
    直列接続された抵抗より成ることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項又は第2項に記載の放電灯点灯装置。
  4. 【請求項4】第1の検出回路の検出信号は、表示手段を
    作動信号とされていることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の放電灯点灯装
    置。
  5. 【請求項5】第1の検出回路の検出信号は、インバータ
    回路の発振出力を低減する制御信号とされていることを
    特徴とする特許請求の範囲第4項記載の放電灯点灯装
    置。
  6. 【請求項6】第2の検出回路の検出信号は、インバータ
    回路の発振を停止する制御信号とされていることを特徴
    とする特許請求の範囲第4項又は第5項に記載の放電灯
    点灯装置。
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