JP2615747B2 - 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の駆動力配分制御装置

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JP2615747B2
JP2615747B2 JP1888688A JP1888688A JP2615747B2 JP 2615747 B2 JP2615747 B2 JP 2615747B2 JP 1888688 A JP1888688 A JP 1888688A JP 1888688 A JP1888688 A JP 1888688A JP 2615747 B2 JP2615747 B2 JP 2615747B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、四輪駆動車の駆動力配分制御装置に係
り、とくに、前後輪に駆動力を配分する四輪駆動車のト
ランスファー内に、前,後輪間の締結力を連続的に変更
可能なクラッチを装備した駆動力配分制御装置に関す
る。
〔従来の技術〕
四輪駆動車の駆動力配分制御装置としては、例えば、
本出願人が既に提案した特開昭61−157437号公報記載の
ものが知られている。
この従来装置では、前後輪への駆動力伝達系に個別に
設けた回転センサから回転信号を各々入力し、前後輪の
駆動力伝達系の回転数差を演算し、その回転数差が大き
くなるにしたがってクラッチの締結力を増大させ、被締
結側へと駆動力配分を多くするように制御していた。こ
れにより、前後輪の良好な駆動力配分が得られるように
なっていた。
一方、上述した従来装置の回転センサ及びその信号処
理装置の具体例としては、例えば本出願人による実願昭
61−132912号(考案の名称は「求心加速度検出装置」)
出願に記載したものがある。
つまり、この提案における回転速度差検出手段は、左
右の従動輪である前輪と同期して回転するセンサロータ
と、このセンサロータに形成されたセレーション歯に近
接配置されたサンサピックアップとを有している。この
内、センサピックアップには永久磁石とコイルとが内蔵
されている。そして、センサロータが回転すると、セン
サピックアップ内の永久磁石による磁束が、セレーショ
ン歯及びセンサピックアップ先端間の空隙距離の変化に
応じて変化し、コイルにセンサロータの回転数に対応し
た周波数の正弦波電圧信号が電磁誘導によって発生する
ようになっている。そして、この正弦波電圧信号を波形
整形回路でパルス信号に変換し、このパルス信号の立ち
上がり又は立ち下がり周期を計測し、この計測値に基づ
き車輪速度を求めていた 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、上記駆動力配分制御装置にあっては、
前,後輪の回転数検出手段の検出信号が、車輪側の回転
に応じて電磁誘導により発生する正弦波電圧信号に基づ
き形成した信号であったため、例えば、極低速時にあっ
ては、回転センサの起電力が著しく低下し、パルス信号
として検出できず、これがため、実際は車輪速が零にな
っているにもかかわらず、これに対応して車輪速が正し
く更新されないという事態を招来すること等から、正確
な車輪速が得られないばかりか、虚偽の前後輪回転速度
差が発生し、これに応じてクラッチに油圧が供給される
ことにより、エネルギ損失とクラッチ板の負荷増大によ
る耐久性低下を招く恐れがあった。
この発明は、このような技術をさらに改良するための
もので、極低速時における前後輪の回転速度に適先な補
正を施し、この補正された回転速度に基づきクラッチを
制御することによって、エネルギ損失及びクラッチの耐
久性低下を排除することのできる四輪駆動車の駆動力配
分制御装置を提供することを、その目的としている。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明では、第1図に示
すように、エンジンの駆動力を前,後輪に配分するトラ
ンスファー内に装着され該トランスファーの前輪側と後
輪側との間の締結力を連続的に変更可能なクラッチと、
前後輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、この
回転速度検出手段の検出値に基づき前後輪の回転速度差
を演算する回転速度差演算手段と、この回転速度差演算
手段の演算値に基づき前記クラッチの締結力を制御する
クラッチ制御手段とを備えた四輪駆動車の駆動力配分制
御装置において、前記回転速度検出手段の検出した回転
速度が設定値未満にあって且つその時間変化率が設定値
未満である極低速度状態か否かを判定する判定手段と、
この判定手段の判定結果が極低速度状態である場合に
は、前記回転速度差演算手段に供給する回転速度を強制
的に零とする回転速度補正手段とを具備している。
〔作用〕
この発明においては、前後輪の回転速度が回転速度検
出手段により検出され、この回転速度検出値に基づき前
後輪の回転速度差が回転速度差演算手段により演算され
る。そして、この演算値に応じてクラッチ制御手段によ
りクラッチの締結力が制御される。
このとき、回転速度検出手段の検出した回転速度が設
定値未満であって且つその時間変化率が設定値未満であ
る極低速度状態が否かが判定手段によって常時判定され
る。この判定結果が極低速度状態である場合には、回転
速度補正手段によって、回転速度差演算手段に供給する
回転速度が強制的に零とされる。このため、極低速度状
態であっても的確な前後輪回転速度差が演算され、より
適正なクラッチ締結力制御がなされる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図乃至第10図は、この発明の一実施例を示す図で
ある。この実施例は、FR(フロントエンジン,リヤドラ
イブ)方式をベースにしたパートタイム四輪駆動車に適
用した場合を示す。
第2図において、1はエンジン、2FL〜2RRは前左〜後
右側の車輪、3は車輪2FL〜2RRへの駆動力配分比を変更
可能な駆動力伝達系、4は駆動力伝達系3により駆動力
配分を制御する駆動力配分制御装置を示す。
この内、駆動力伝達系3は、エンジン1からの駆動力
を断続するクラッチ10と、このクラッチ10の出力を選択
された歯車比で変速する変速機12と、この変速機12から
の駆動力を前輪2FL,2FR側及び後輪(常駆動輪)2RL,2RR
側に分割するトランスファー14とを有している。そし
て、駆動力伝達系3では、トランスファー14で分割され
た前輪側駆動力が前輪側出力軸16、フロントディファレ
ンシャルギヤ18及び前輪側ドライブシャフト20を介し
て、前輪2FL,2FRに伝達され、一方、後輪側駆動力がプ
ロペラシャフト22、リヤディファレンシャルギヤ24及び
後輪側ドライブシャフト26を介して後輪2RL,2RRに伝達
される。
トランスファー14は、第3,4図に示すように構成され
ている。即ち、第3図において、28はトランスファーケ
ースを示し、このトランスファーケース28内に変速機12
の出力側に連結された入力軸30が挿通され、その入力軸
30はベアリング31等によって回動自在に軸支されてい
る。また、入力軸30の第3図における右端側は、プロプ
ラシャフト(後輪側出力側)22に連結され且つベアリン
グ32によって回動自在に軸支された出力軸33に結合され
ている。ここで、30Aは油路、34は出力軸33にスプライ
ン結合された継手フランジ、35はオイルシール、36はス
ピードメータ用ピニオンである。
一方、前記入力軸30の中央部には、図示の如く、前後
輪に対するトルク配分比を変更できる湿式多板クラッチ
37が設けられている。このクラッチ37は、入力軸30にス
プライン結合されたクラッチドラム37aと、このクラッ
チドラム37aに回転方向を係合させたフリクションプレ
ート37bと、前記入力軸30の外周部にニードルベアリン
グ38によって回動自在に支持されたクラッチハブ37c
と、このクラッチハブ37cに回転方向を係合させたフリ
クションディスク37dと、クラッチ37の第3図における
右側に配置されたクラッチピストン37eと、このクラッ
チピストン37eとクラッチドラム37aとの間に形成された
シリンダ室37fとを備えている。また、このクラッチ37
において、37gはディシュプレートであり、37hはリター
ンスプリングである。
また、クラッチ37は、図示のようにギヤトレーンを介
して前輪側にも連結されている。即ち、前記クラッチハ
ブ37cは、ベアリング40A,40Bによって回動自在な第1の
ギヤ41Aにスプライン結合されており、この第1のギヤ4
1Aはベアリング42,43によって回動自在な第2のギヤ41B
に噛合され、この第2のギヤ41Bが第3のギヤ41Cを介し
て前述した出力軸16に連結されている。
さらに、前記トランスファーケース28の右端寄りの側
面所定位置には、後述する油圧供給機構から油圧(指令
力)が供給される入力ポート46が設けられている。そし
て、この入力ポート46は、トランスファーケース28及び
クラッチドラム37aの内部に図示のように形成された油
路47を介して前記シリンダ室37fに連通している。
このため、入力ポート46にオイルの供給がない状態で
は、クラッチ37のシリンダ室37fの圧力が零であるか
ら、リターンスプリング37hのばね力によって、フリク
ションプレート37bとフリクションディスク37dが離間し
ている。従って、この状態では、入力軸30に伝達された
入力トルクはその全部が出力軸33,プロペラシャフト22
を介して後輪側に伝達され、2輪駆動状態となる。一
方、入力ポート46にオイルが供給されている状態では、
そのシリンダ室37fの加圧程度に応じてクラッチピスト
ン37eによる押圧力が発生し、これに対応してフリクシ
ョンプレート37bとフリクションディスク37dとの間に摩
擦力による締結力が発生し、これにより、全駆動トルク
の内の一部が出力軸16を介して前輪側にも伝達される。
この前輪側への伝達トルクΔTと油圧PTとの関係は、 ΔT=P・S・2n・μ・rm である。ここで、Sはピストン37eの圧力作用面積、n
はフリクションディスク枚数、μはクラッチ板の摩擦係
数、rmはフリクションディスクのトルク伝達有効半径で
ある。
つまり、伝達トルクΔTは油圧Pに比例し(第9図参
照)、結局、締結力に応じて駆動トルクが後輪側及び前
輪側に配分・伝達される。この前後輪に対するトルク配
分比は、入力ポート46に供給する作用油の圧力Pに応じ
て「0:100」から「50:50」までほぼ連続的に変更でき
る。
一方、第2図に戻って、駆動力配分制御装置4は、前
記トランスファー14の摩擦クラッチ37の入力ポート46に
作動油を供給する油圧供給機構50と、前輪側,後輪側の
回転速度を検出するための前輪側,後輪側回転センサ5
2,53と、イグニッションスイッチ55と、回転速度左ΔN
に対する伝達トルクΔTを決定する際に、その比例定数
kを調整するための比例定数設定回路56と、全体を制御
するコントローラ58とを備えている。
前記油圧供給機構50は、第4図に示すように、エンジ
ンを回転駆動源とし、タンク62内のオイルを吸入,加圧
してこれを前記入力ポート46に供給するオイルポンプ64
と、このオイルポンプ64の吐出側とタンク62との間に併
設された電磁比例制御形の減圧弁でなるリリーフ弁66と
を有している。このため、リリーフ弁66の比例ソレノイ
ド66Aに供給する指令電流iの値に応じてリリーフ弁66
の設定圧が定まり、この設定圧に応じてタンク62に戻さ
れる油量が調整され、結局、油圧供給機構50が供給する
油圧Pは第5図に示すように指令電流iに比例して変化
するようになっている。
前輪側回転センサ52及び後輪側回転センサ53は、前輪
側出力軸16及び後輪側のプロペラシャフト22の所定位置
に個別に装備されている。これを詳述すると、回転セン
サ53,54の各々は、第6図に示すように、軸16,22に同期
して回転するセンサロータ60と、このセンサロータ60の
セレーション歯60aに近接して装備された車体側のセン
サピックアップ61とを有して構成される。この内、セン
サピックアップ61には、磁力線発生用の永久磁石62と検
出用のコイル63とが図示のように内蔵されている。そし
て、永久磁石62による磁束mがセンサロータ60を介する
閉磁路を形成するが、このときセンサロータ60が回転す
ると、周期的に到来するセレーション歯60a,…,60aのた
めに、センサロータ60とセンサピックアップ61との間の
空隙距離,即ち磁気抵抗が周期的に変化する。そこで、
コイル63には、磁束mが周期的に変化することによって
センサロータ60の回転数に応じた周波数を有し正弦波で
なる電磁誘導起電力が発生する(第7図(a)参照)。
また、イグニッションスイッチ55は、キーシリンダに
キーを差し込み、エンジン始動位置まで回転させること
で閉じ、論理「1」のスイッチ信号IGをコントローラ58
に出力する。さらに、比例定数設定回路56は、前後輪の
回転速度差ΔNが運転者の操作状態や路面摩擦係数等に
影響されることから、これに対処できるように設けられ
たもので、本実施例では、手動ダイヤルスイッチによっ
て構成され、選択されたダイヤル位置に対応した比例定
数信号kがコントローラ58に出力される。このため、運
転者がその手動ダイヤルスイッチを操作することは、ク
ラッチ37の伝達トルクΔT,前後輪の回転差をΔNとする
と、 ΔT=k・f(ΔN) の式における比例定数kを変更し、第8図の破線に示す
ように傾きを調整することに相当する。
前記コントローラ58は、第4図に示すように、マイク
ロコンピュータ70と、前輪側回転センサ52,後輪側回転
センサ53から供給された回転信号nf,nrを零レベルと比
較することにより、回転信号nf,nrをこれに対応した矩
形波のパルス信号に整形する波形整形回路72,73と、こ
の波形整形回路72,73から出力されるパスル信号を計測
し、デジタル信号であるカウント値Df,Drをコントロー
ラ58に出力するカウンタ74,75と、マイクロコンピュー
タ70からの制御信号をD/A変換するD/A変換器76と、この
D/A変換器76の出力に応じてリリーフ弁66に指令電流i
を供給する駆動回路78とを有している。
前記マイクロコンピュータ70はインターフェイス回路
80,演算処理装置82,記憶装置84を少なくとも含んで構成
される。演算処理装置82は、各検出信号等をインターフ
ェイス回路80を介して読み込み、予め格納されている所
定プログラムにしたがって駆動力配分制御のための演算
・制御処理(第10図参照)等を行う。また、記憶装置84
は、演算処理装置82の処理の実行に必要なプログラム及
び固定データ等を予め記憶しているとともに、その処理
結果を一時記憶可能になっている。この内、固定データ
としては、第5図に示す如くの指令電流iと供給油圧P
との関係を示す制御特性に対応した記憶テーブル、第8
図に示す如くの比例定数kをパラメータとする回転速度
差ΔNと伝達トルクΔTとの関係を示す制御特性に対応
した記憶テーブル、第9図に示す如くの油圧Pと伝達ト
ルクΔTとの比例関係を示す制御特性に対応した記憶テ
ーブルを含む。
次に、上記実施例の動作を説明する。
イグニッションスイッチがオン状態となると、そのス
イッチ信号IGの論理「1」へ立ち上がり、それに付勢さ
れてコントローラ58での制御が開始される。
つまり、前輪側回転センサ52及び後輪回転センサ53
は、各々、軸16及び22の回転に応じた回転信号nf及びnr
をコントローラ58の波形整形回路72及び73に出力する。
波形整形回路72及び73は、回転信号nf及びnrをこれに応
じたパルス信号に変換し、カウンタ74及び75に出力す
る。カウンタ74及び75は、入力するパルス信号をカウン
トし、その結果をデジタル信号Df,Drとしてマイクロコ
ンピュータ70に出力する。
マイクロコンピュータ70は、所定のメインプログラム
を実行するとともに、一定時間(例えば20msec)毎のタ
イマ割込により第10図に示す処理を実行する。
一方、エンジンが回転すると、オイルポンプ64が作動
開始し、油圧供給機構50は指令電流iに応じた油圧Pを
クラッチ37に供給可能になる。
まず、第10図に示すタイマ割込処理を説明する。
同図のステップでは、演算処理装置82は、前輪側回
転センサ52,後輪側回転センサ53に対応するカウンタ72,
75のカウント値Df,Dr及び比例定数信号k読み込み、ス
テップに移行する。ステップでは、カウント値Df,D
rの変化率に基づき回転速度Nf,Nrを求める。
次いで、前輪側の処理に係るステップ〜のに移行
する。まず、ステップでは、前輪側の回転速度Nfが設
定値Aより大か否かを判断する。ここで、設定値Aは極
めて低い回転速度を弁別可能な値に予め設定されてい
る。この判断において、Nf≦Aの場合は、極低速度状態
であるとしてステップに移行する。ステップでは、
前輪側の回転速度Nfの変化率を前回の割込処理にお
ける前輪側回転速度Nf0と現在の前輪側回転速度
の差から演算する。次いで、ステップに移行し、回転
速度変化率の絶対値が設定値Bより大か否かを判断
する。ここで、設定値Bは回転速度変化率f,の大
小を弁別可能な値に予め決定されている。この判断にお
いて、|f|≦Bの場合は、前輪側回転速度Nf及びその
変化率も非常に小さい状態であり、ほぼ停車に近い
状態であるとして、ステップに移行し、演算用前輪側
回転速度Nf′に零を強制的にセットする。
一方、タイマ割込を繰り返す中で、前記ステップに
おいてNf>Aであると判断された場合、回転速度Nfが大
きく正確に検出さえているとして、ステップに移行す
る。このステップでは、演算用前輪側回転速度Nf′に
算出した回転速度Nfをそのままセットする。また、前記
ステップにおいて|f|>Bであると判断された場合
は、回転速度Nfは極めて小さいが、その変化率が大
きく、今後、Nf>Aになることが期待できるとして、上
記ステップに移行し、同様の処理を行う。
このようにして、ステップ又はで演算用前輪側回
転速度Nf′が決定されると、その後、ステップ〜に
移行し、後輪側回転速度Nrに対して上述と同様の処理を
行う。これにより、ステップ又はにおいて、演算用
後輪側回転速度Nr′が決定される。
その後、ステップに移行して、今回の前輪側,後輪
側回転速度Nf,Nrを1時間周期前の値Nf0,Nr0として更新
し、ステップに移行する。
ステップでは、ステップ又は及びステップ又
はにおいて決定された演算用前輪側回転速度Nf′及び
演算用後輪側回転速度Nr′を用いて、 ΔN=Nr′−Nf′ を演算し、回転速度差ΔNを求め、この値を一時記憶す
る。
次いで、ステップに移行し、第8図に対応した記憶
テーブルを参照し、ステップで読み込んだ比例定数信
号kの値をパラメータとして曲線を選択し、回転速度差
ΔNに対応した伝達トルクΔTを決定する。これによっ
て、回転速度差ΔNが同一値であっても、選択された比
例定数kの値により、異なった値の指令電流iが決定さ
れる。
次いで、ステップに移行し、第9図及び第5図に対
応した記憶テーブルを順次参照して得、リリーフ弁66の
比例ソレノイド66Aに供給しなければならない指令電流
iの値を逆算し、これを一時記憶した後、ステップに
移行する。
そして、ステップでは、演算処理装置82は、その時
点でセットされている指令電流iの値に対応した制御信
号をD/A変換器76に出力し、メインプログラムに復帰す
る。
D/A変換器76によってアナログ化された制御信号を受
けた駆動回路78は、ステップで設定された値の指令電
流iをリリーフ弁66に出力する。これによって、トラン
スファー14の入力ポート46には、前述したように、指令
電流iに応じた油圧Pが供給される(第5図参照)。そ
して、この油圧Pに対応してクラッチ締結力が増減さ
れ、これに応じて前後輪へのトルク配分比が例えば「0:
100」〜「50:50」の範囲で制御され、適宣に2輪又は4
輪駆動となる。
本実施例では、以上の処理が一定時間毎に繰り返され
ることから、車両が通常走行にしているときには、その
前後輪の回転速度差に基づきクラッチの締結力が制御さ
れ、これにより路面状況等に対応した的確な走行性が確
保される。一方、車両が極低速状態でその状態が継続す
るときには、前後輪の回転速度を各々零に設定し、曖昧
な回転速度の検出を無くし、誤検出を防止する。このた
め、回転速度が性格に検出されないときに生じるクラッ
チ37への無用な油圧印加を排除し、省エネルギ化を図り
且つクラッチ37の耐久性低下を防止できる。
ここで、本実施例では、前輪側回転センサ52,後輪側
回転センサ53,波形整形回路72,73,カウンタ74,75及び第
10図のステップ,の処理により回転速度検出手段が
構成され、同図のステップ〜,〜,の処理に
よって判定手段が構成され、同図のステップ,の処
理によって回転速度補正手段が構成され、同図のステッ
プの処理によって回転速度差演算手段が構成され、同
図のステップ〜,D/A変換器76,駆動回路78,油圧供給
機構50によってクラッチ制御手段が構成されている。
なお、この発明における回転速度検出手段は、前輪2F
L,2FR及び後輪2RL,2RRの回転速度を直接に検出するよう
にしてもよい。
また、前記実施例におけるクラッチ制御手段は、指令
電流iの値を記憶テーブルを参照して算出するとした
が、これは演算によって求めるとしてもよい。
さらに、前記実施例ではクラッチとして湿式多板クラ
ッチを採用した場合を説明したが、このクラッチは被締
結側への伝達トルクを連続的に可変できる構成のもので
あれば、例えば電磁クラッチであってもよい。
さらにまた、この発明は、後輪駆動車をベースにした
4輪駆動車に限定されるものではなく、前輪駆動車をベ
ースにした4輪駆動車に搭載されるトランスファーのク
ラッチに対する装置であってよく、その場合、回転速度
差ΔNはNf′−Nr′によって演算すればよい。
さらにまた、この発明におけるコントローラ60は、マ
イクロコンピュータに代わりにカウンタ,比較器等の電
子回路によって構成するとしてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明によれば、検出し
た前後輪の回転速度が設定値未満の極低速状態であって
且つ回転速度の時間変化率が設定値未満の小さい状態で
あると判定されたときには、回転速度を強制的に零とす
る補正を行い、この補正された回転速度に基づきクラッ
チ制御を行うとしたため、前後輪の回転速度に応じたア
ナログ電圧等の検知情報に基づいて該回転速度を検出す
る場合であっても、車両が通常走行から停車又は極低速
度状態に移行した場合等における回転速度の誤検出が無
くなり、その誤検出に基づくクラッチへの油圧印加によ
って無駄に消費される油圧エネルギの損失及びクラッチ
耐久性低下を排除することができるという効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の構成を示す特許請求の範囲との対応
図、第2図はこの発明の一実施例の概略を示す構成図、
第3図は第2図の実施例におけるトランスファーを示す
概略断面図、第4図は第2図の実施例におけるコントロ
ーラを中心とするブロック図、第5図は指令電流iと供
給油圧Pとの関係を示すグラフ、第6図は前輪側,後輪
側回転センサを示す概略構造図、第7図は前輪側,後輪
側回転センサによる検出波形及びこれに対応したパルス
波形の一例を示す波形図、第8図は回転速度差ΔNと伝
達トルクΔTとの関係を示すグラフ、第9図は供給油圧
Pと伝達トルクΔTとの関係を示すグラフ、第10図はコ
ントローラにおいて実行される処理手段を示す概略フロ
ーチャートである。 図中、1はエンジン、4は駆動力配分制御装置、14はト
ランスファー、37はクラッチ、50は油圧供給機構、52は
前輪側回転センサ、53は後輪側回転センサ、58はコント
ローラ、70はマイクロコンピュータ、72,73は波形整形
回路、74,75はカウンタ、76はD/A変換器、78は駆動回路
である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの駆動力を前,後輪に配分するト
    ランスファー内に装着され該トランスファーの前輪側と
    後輪側との間の締結力を連続的に変更可能なクラッチ
    と、前後輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
    この回転速度検出手段の検出値に基づき前後輪の回転速
    度差を演算する回転速度差演算手段と、この回転速度差
    演算手段の演算値に基づき前記クラッチの締結力を制御
    するクラッチ制御手段とを備えた四輪駆動車の駆動力配
    分制御装置において、 前記回転速度検出手段の検出した回転速度が設定値未満
    であって且つその時間変化率が設定値未満である極低速
    度状態か否かを判定する判定手段と、この判定手段の判
    定結果が極低速度状態である場合には、前記回転速度差
    演算手段に供給する回転速度を強制的に零とする回転速
    度補正手段とを具備したことを特徴とする四輪駆動車の
    駆動力配分制御装置。
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