JP3225797B2 - 車輪速検出装置 - Google Patents

車輪速検出装置

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JP3225797B2
JP3225797B2 JP18389295A JP18389295A JP3225797B2 JP 3225797 B2 JP3225797 B2 JP 3225797B2 JP 18389295 A JP18389295 A JP 18389295A JP 18389295 A JP18389295 A JP 18389295A JP 3225797 B2 JP3225797 B2 JP 3225797B2
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    • B60T8/1769Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS specially adapted for vehicles having more than one driven axle, e.g. four-wheel drive vehicles
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    • B60K23/00Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for
    • B60K23/08Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles
    • B60K23/0808Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles for varying torque distribution between driven axles, e.g. by transfer clutch

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車輪の駆動力伝
達系に設けた車輪速センサの検出値をもとに車輪速度を
検出するようにした車輪速検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の車輪速検出装置としては、例え
ば、「新型車解説書(N15−0)NISSAN パル
サー・ルキノ N15型系車の紹介」(平成7年1月
日産自動車株式会社 サービス技術部 技術課 発行)
のC−60頁に記載の車輪回転センサー(以下、車輪速
センサという。)を用いて設定する方法が知られてい
る。
【0003】この車輪速センサは、図8に示すように、
車輪と同期して回転するように配置された歯車状の磁性
体であるロータの外周面にセンサ本体が近接して配設さ
れて構成されている。このセンサ本体は、磁石と同軸に
且つ一体的になっている軟鉄棒の周りにコイルが同軸に
配置され、磁石と、軟鉄棒と、コイルとがハウジングに
固定されて構成され、軟鉄棒の先端部が上記ロータの外
周面に所定間隙をもって対向配置されている。
【0004】そして、ロータが回転すると、軟鉄棒を通
して磁石が形成する磁界に変化が生じ、これに応じてコ
イルに誘導起電力が発生する。この誘導起電力の周波数
はロータの回転速度、すなわち、車輪の回転速度に比例
した値となる。そして、この誘導起電力が車輪速センサ
の検出信号として、例えば四輪駆動車の駆動力配分制御
装置等に供給され、駆動力配分制御装置ではこの正弦波
の電圧信号からなる車輪速センサの車輪速検出信号を、
例えば波形成形回路でパルス信号に変換し、このパルス
信号の時間単位当たりのパルス数を計数することによ
り、単位時間当たりの車輪の回転数を検出し、これを検
出車輪速度としている。そして、例えば前輪側の車軸及
び後輪側の車軸等に配設した車輪速センサの検出値につ
いて同様に処理を行って、前輪及び後輪の車輪の回転数
を求め、前後輪間の車輪の回転数差が大きくなるにした
がって、回転数の小さい方の車輪への駆動力配分量を増
加させるようにしている。
【0005】このとき、車輪速センサが発生する誘導起
電力は、その大きさが磁界の変化速度に比例することか
らロータの回転速度が遅いほど小さい傾向がある。ま
た、車輪速センサが発生する誘導起電力はセンサ本体と
ロータとの間の組付け誤差によりこれらの間隔が大きく
なるほど小さくなる。このように誘導起電力が小さくな
ると、駆動力制御装置側でパルス信号に変換する際に、
車輪速センサの検出信号であるのか、信号系に入り込ん
だノイズ等のノイズ信号であるのかを区別することがで
きないために、ノイズ信号をも車輪速センサの検出信号
であるものと誤認識してしまうことになり、誤った検出
車輪速度を検出する可能性がある。
【0006】これを回避するために、例えば、ノイズ信
号に応じた車輪速検出信号のしきい値Sαを設定し、し
きい値Sαよりレベルの大きい車輪速検出信号に対して
のみこの車輪速検出信号に基づいて車輪の回転速度を検
出し、しきい値Sα以下の車輪速検出信号については車
輪の回転速度を零として検出するようにしている。この
ようにしきい値Sαを設定した場合、組付け誤差が大き
くなるにつれて、車輪速センサが発生する車輪速検出信
号の正弦波信号の振幅が小さくなるから、各車輪速セン
サ毎に、正弦波信号が車輪速検出信号のしきい値Sαを
越えるときの車輪の回転速度が異なる。これは、すなわ
ち、車輪速センサの車輪速検出信号に基づいて回転数が
検出されて検出車輪速度として設定された有効検出車輪
速度の最小値が各車輪速センサ毎に異なることになる。
【0007】よって、前後の車輪が同一速度で回転して
いる状態であっても、例えば、前輪側については実際の
回転状態に応じた有効車輪回転速度を得ることができる
が、後輪側については車輪回転速度を零とみなしてしま
う等といった、前輪と後輪の車輪回転数間でばらつきが
生じてしまう問題がある。そのため、車輪速センサの組
付け誤差が最大状態であるときの有効検出車輪速度の最
小値を、検出車輪速度のしきい値VTHとして設定し、検
出した各検出車輪速度がしきい値VTH(例えば、4km
/h程度)以上であるときにのみ、検出車輪速度を車輪
速として設定し、このようにして設定した車輪速をもと
に制御を行うことによって、組付け誤差に伴う誤動作の
発生を回避するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の車輪速検出装置により検出した車輪速に基づいて四
輪駆動車の駆動力配分制御を行った場合、この駆動力配
分制御では、前後輪回転数差に応じて電子制御多板クラ
ッチの締結力を制御し、非駆動輪へのトルク伝達を行う
ようになっているから、例えば、発進時に駆動輪がスリ
ップした場合、駆動輪の回転数、すなわち、車輪の回転
速度が、検出車輪速度のしきい値VTH以上となるまでの
間は、駆動力配分制御装置では車輪速は零であるものと
みなしてしまう。そのため、この時点では非駆動輪側は
停止状態にあるため、実際には駆動輪がスリップしてい
るから前後輪に車輪の回転数差があるのにも係わらず、
駆動力配分制御装置では、前後輪共に回転数は零であ
り、回転数差がないものと判断してしまう。よって、非
駆動輪側へのトルク伝達を行わないから、車両の発進性
能が低下してしまい、駆動力配分制御の制御性能が低下
してしまうという問題がある。
【0009】この問題を回避するために、検出車輪速度
のしきい値VTHをより低く設定すると、上述の前輪と後
輪の車輪回転数間にばらつきが生じる問題が発生するこ
とになり、実際には前後輪の回転数差がないのにも係わ
らず、回転数差があるものと誤判定してしまい、駆動力
配分制御処理によって非駆動輪への不必要なトルク伝達
を行う等の問題がある。
【0010】そこで、この発明は、上記従来の未解決の
課題に着目してなされたものであり、車輪回転センサ毎
後の組付け誤差の影響を受けることがなく、低速時の制
御性能の低下を防止する車輪速を設定することのできる
車輪速検出装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る車輪速検出装置は、車輪の回転速度
に応じた車輪速信号を出力する複数の回転速度検出手段
と、当該複数の回転速度検出手段毎に、当該車輪速信号
のレベルが予め設定した第1のしきい値より大きいとき
のみ当該車輪速信号をもとに回転速度を検出しこれを検
出回転速度とする検出回転速度設定手段と、車両発進時
に、前記検出回転速度設定手段の複数の前記検出回転速
度毎の下限値を検出し、検出した前記複数の下限値のう
ちの最大値を第2のしきい値として設定するしきい値設
定手段と、前記複数の検出回転速度設定手段の前記検出
回転速度が前記しきい値設定手段で設定した前記第2の
しきい値より大きいとき当該検出回転速度を車輪速度と
して設定し、前記検出回転速度が前記第2のしきい値以
下のとき前記車輪速度を零として設定する車輪速設定手
段とを備えることを特徴としている。
【0012】よって、請求項1に係る車輪速検出装置で
は、回転速度検出手段は車輪の回転速度に応じた車輪速
信号を出力する。そして、この回転速度検出手段からの
車輪速信号に対し、検出回転速度設定手段では、車輪速
信号のレベルが予め設定した第1のしきい値よりも大き
いときのみこの車輪速信号をもとに回転速度を検出して
これを検出回転速度として出力している。
【0013】そして、このようにして検出回転速度設定
手段で設定された信号をもとに、車両発進時に、各検出
回転速度設定手段からの検出回転速度毎に検出回転速度
の下限値を検出し、検出した下限値のうちの最大値を第
2のしきい値として設定する。そして、検出回転速度が
第2のしきい値よりも大きいときこの検出回転速度を車
輪速度として設定し、検出回転速度が第2のしきい値よ
りも小さいとき車輪速度は零として設定する。
【0014】つまり、この第2のしきい値は、全ての検
出回転速度に誤差が含まれないとみなすことのできる値
であり、同時に、この第2のしきい値は、例えば回転速
度検出手段を車両に組付ける際の組付け誤差等の個体差
を許容しながら当該車両で達成し得る検出回転速度のし
きい値の最小値である。よって、この第2のしきい値に
基づき車輪速度を設定すれば、前述の個体差を許容でき
る最小の車輪速度が設定されるから、例えば、この車輪
速度をもとに駆動力配分制御処理等を実行すれば、低速
走行時の制御精度が向上する。
【0015】また、請求項2に係る車輪速検出装置は、
前記検出回転速度設定手段は、前記車輪速信号が前記第
1のしきい値以下のとき所定値を検出回転速度として出
力し、前記しきい値設定手段は、車両発進時に前記検出
回転速度設定手段の複数の前記検出回転速度が前記所定
値から変化したときの変化後の検出回転速度を前記下限
値としてそれぞれ検出する下限値検出手段を備えること
を特徴としている。
【0016】よって、請求項2に係る車輪速検出装置で
は、検出回転速度設定手段は、回転速度検出手段からの
車輪速信号のレベルが第1のしきい値以下であるときに
は予め設定した所定値を出力する。よって、車両発進時
には回転速度検出手段からは、初めは所定値が出力さ
れ、車輪の回転速度が増加することによって、回転速度
検出手段からの車輪速信号が第1のしきい値より大きく
なった時点で、この車輪速信号に応じた検出回転速度が
出力されることになる。したがって、検出回転速度設定
手段の出力信号が所定値から変化したしたときの変化後
の検出回転速度を検出すれば、検出回転速度の下限値を
検出できたことになる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。この実施の形態では、本発明にお
ける車輪速検出装置を、FR(フロントエンジン・リア
ドライブ)方式をベースにした四輪駆動車両用駆動力配
分制御装置に適用した場合について説明する。
【0018】図1において、1は回転駆動源、すなわ
ち、機関としてのエンジン、2FL〜2RRは前左輪〜
後右輪、3は各車輪2FL〜2RRへの駆動力配分比を
変更制御可能な駆動力伝達系、4は駆動力伝達系3によ
る駆動力配分を制御する駆動力配分制御装置を示す。前
記駆動力伝達系3はエンジン1からの駆動力を断続する
図示されないクラッチと、このクラッチの出力を選択さ
れた歯車比で変速する変速機12と、この変速機12か
らの駆動力を前輪2FL,2FR側及び後輪(常駆動
輪)2RL,2RRに分割するトランスファ14とを備
えている。そして、駆動力伝達系3では、前記トランス
ファ14で分割された前輪側駆動力が前輪側出力軸1
6,フロントディファレンシャルギア18及び前輪側ド
ライブシャフト20を介して、前輪2FL,2FRに伝
達される。一方、後輪側駆動力がプロペラシャフト(後
輪側出力軸)22,リヤディファレンシャルギヤ24及
び後輪側ドライブシャフト26を介して,後輪2RL,
2RRに伝達される。
【0019】前記トランスファ14は、図2に示すよう
に、トランスファケース28内に挿通された入力軸30
の同図の左方端部が前記変速機12の出力側に連結さ
れ、この入力軸30はベアリング31等によって回転自
在に軸支されている。また、入力軸30の図2における
右方端部は、ベアリング32によって、回転自在に軸支
された出力軸33に結合され、この出力軸33がプロペ
ラシャフト22に連結されている。なお、このトランス
ファ及び後述するトランスファクラッチの詳細な構造に
ついては、例えば、本出願人が先に提案した特開平1−
204826号公報を参照されたい。
【0020】一方、前記入力軸30の中央部には、前後
輪に対するトルク配分比を変更できる可変トルククラッ
チとしての流体式多板クラッチ機構37が設けられてい
る。このクラッチ機構37は、入力軸30にスプライン
結合されたクラッチドラム37aと、このクラッチドラ
ム37aに回転方向に係合させたフリクションプレート
37bと、前記入力軸30の外周部にニードルベアリン
グ等を介して回転自在に軸支されたクラッチハブ37c
と、このクラッチハブ37cに回転方向に係合させたフ
リクションディスク37dと、クラッチ機構37の図2
における右方に配置されたクラッチピストン37eと、
このクラッチピストン37eとクラッチドラム37aと
の間に形成されたシリンダ室37fとを備えている。ま
た、このクラッチ機構37において、37hはクラッチ
ピストンプレート37eに対するリターンスプリングで
ある。また、このクラッチ機構37は、図2の左方端部
側に図示のように装着されたギヤトレインを介して前輪
側にも連結されている。すなわち、前記クラッチハブ3
7cは、第1のギヤ41aにスプライン結合され、この
第1のギヤ41aは、ベアリング40a、40bによっ
て回転自在な第2のギヤ41bに噛合され、この第2の
ギヤ41bは、ベアリング42、43によって回転自在
な第3のギヤ41cを介して前述した前輪側出力軸16
に連結されている。
【0021】前記トランスファケース28の側面所定位
置には、後述するクラッチ制御装置の一部を構成する圧
力制御弁50からの作動油圧が、指令力として供給され
る入力ポートが形成されており、この入力ポートから前
記シリンダ室37fに当該作動油圧が供給される。この
ため前記入力ポートに作動油圧の供給がない状態、すな
わち、クラッチ機構37のシリンダ室37fの圧力が大
気圧若しくは、ほぼ大気圧に等しい状態では、リターン
スプリング37hの弾性力により、前記フリクションプ
レート37bとフリクションディスク37dとが離間し
ている。したがって、この状態では、入力軸30に伝達
された入力トルクの全部が出力軸33、プロペラシャフ
ト22を介して後輪側に伝達され、当該後輪側のみの二
輪駆動状態となる。一方、入力ポートに作動油圧が供給
されている状態では、そのシリンダ室37fの加圧程度
に応じてクラッチピストン37eによる押圧力が発生
し、これに対してフリクションプレート37bとフリク
ションディスク37dとの間に摩擦力による締結力が発
生し、これにより前駆動トルクのうちの一部が出力軸1
6を介して前輪側にも伝達される。この前輪側への伝達
トルクΔTは、供給作動油圧Pに対して下記(1)式で
与えられ、図3に示すように供給作動油圧Pに対してリ
ニアに増加する。
【0022】 ΔT=P・S・2n・μ・rm ……(1) ここで、Sはピストン37eの圧力作用面積、nはフリ
クションディスク枚数、μはクラッチ板の摩擦計数、r
m はフリクションディスクのトルク伝達有効半径であ
る。つまり、前輪側への伝達トルクΔTは供給油圧Pに
比例し、結局、締結力に応じて駆動トルクが後輪側及び
前輪側に配分伝達される。この前後輪に対するトルクの
配分比は、前記入力ポートに供給する作動油の圧力Pに
応じて(0:100〜50:50まで)連続的に変更で
きる。
【0023】一方、前記図1にもどって、前記駆動力配
分制御装置4は、前記トランスファ14と、リザーバ3
5b内の作動油を加圧供給する流体圧力源35と、この
流体圧力源35からの供給油圧を可変制御して前記流体
式多板クラッチ機構37の入力ポートに作動油を供給す
る圧力制御弁50と、回転速度検出手段としての前輪回
転センサ54及び後輪回転センサ56と、これらセンサ
からの検出信号に基づいて前記圧力制御弁50の出力油
圧を制御するコントローラ58とを備えてなる。
【0024】前記流体圧力源35は、図2に示すよう
に、電動モータ35aによって回転駆動され、リザーバ
35b内の作動油を昇圧して前記クラッチ機構37の入
力ポートに供給するオイルポンプ35cと、このオイル
ポンプ35cの吐出側に介挿された逆止弁35dと、こ
の逆止弁35d及び前記入力ポート間の管路に接続され
たアキュームレータ35eと、このアキュームレータ3
5eの接続点に接続されたリリーフ弁35kとを備え、
このアキュームレータ35eの接続点及びクラッチ機構
37の入力ポート間に前記圧力制御弁50が接続されて
いる。
【0025】ここで、電動モータ35aは、その励磁巻
線の一端がモータリレー35hを介して正のバッテリ電
源Bに接続され、他端が接地されており、モータリレー
35hがアキュームレータ35e及び圧力制御弁50間
の管路のライン圧力を検出して作動する圧力スイッチ3
5iの検出値に基づいて駆動制御される。すなわち、ス
イッチングレギュレータをなすトランジスタ35jのベ
ースが圧力スイッチ35iを介して正のバッテリ電源B
に接続され、コレクタがモータリレー35hのリレーコ
イルを介して正のバッテリ電源Bに接続されエミッタが
接地されているために、アキュームレータ35e及び圧
力制御弁50間の管路のライン圧力が所定設定圧力以上
のときには、圧力スイッチ35iがオフ状態となり、ス
イッチングトランジスタ35jもオフ状態となって、モ
ータリレー35hの常開接点tが開いて電動モータ35
aが非通電状態となり、これに応じて電動モータ35a
が回転停止状態となると共に、当該ライン圧力としての
所定設定圧力以上の作動油圧力はリリーフ弁35kを介
してリリーフされる。
【0026】一方、アキュームレータ35e及び圧力制
御弁50間の管路のライン圧力が所定設定圧力未満のと
きには、圧力スイッチ35iがオン状態となり、これに
応じてスイッチングトランジスタ35jもオン状態とな
ってモータリレー35hが付勢されて、その常開接点t
が閉じて電動モータ35aが回転駆動されることによ
り、オイルポンプ35cによって当該管路のライン圧力
が昇圧される。以上によって本流体圧力源35からは圧
力制御弁50の一次側に向けてほぼ安定した作動油圧が
供給される。
【0027】前記圧力制御弁50は、いわゆる電磁比例
制御型の二次圧一定形減圧弁で構成されており、この減
圧弁で構成される圧力制御弁50のドレーンポートとタ
ンク62との間にドレン配管63が設けられている。こ
の圧力制御弁50は、その比例ソレノイド50aに供給
される指令電流ISOL の値に応じて当該減圧弁内に配設
されたスプールの開度が定まりこれにより、減圧弁の二
次側、すなわち、クラッチ機構37側の制御圧PC が一
次側、すなわち、当該減圧弁の入力ポートへの圧力変動
に関わらず前記指令電流ISOL に応じた設定圧に保持さ
れる。結局、クラッチ機構37の入力ポートに供給され
る作動油の圧力Pは図4に示すように指令電流ISOL
比例して二次曲線的に増減変化するようになっている。
【0028】なお、この圧力制御弁50に用いられる電
磁比例制御型の二次圧一定形減圧弁の具体的な構造とし
ては、例えば、本出願人が先に提案した特開平2−68
225号公報に記載されるものを参照されたい。また、
本実施の形態では、通常定速直進走行時の前輪側への伝
達トルクΔTが中立トルクΔTN として、この状態での
前後輪の駆動力配分比が中庸状態で約25:75程度と
なるようにするため、この中立トルクΔTN を達成する
ための前記圧力制御弁50の入力ポートへの供給圧Pを
中立圧PN とし、この中立圧PN を達成するための指令
電流ISOL を中立指令電流IN とする。
【0029】一方、前記前輪回転センサ54及び後輪回
転センサ56は、前記前輪側出力軸16及び後輪側のプ
ロペラシャフト22の所定位置に個別に装備され、例え
ば、図8に示す従来と同様に構成され、各軸の回転数を
電磁方式で検知して、これに応じた正弦波電圧信号から
なる車輪速信号としての前後輪の車輪速検出信号vF,
vRを個別にコントローラ58に出力するように構成さ
れている。
【0030】前記コントローラ58はマイクロコンピュ
ータ70と、前記指令電流ISOL を供給して圧力制御弁
50を駆動する駆動回路59とを備えている。また、マ
イクロコンピュータ70は、各センサからの検出信号を
各検出値として読み込むためのA/D変換機能を有する
入力インタフェース回路70aと、演算処理装置70b
と、ROM,RAM等の記憶装置70cと、前記演算処
理装置70bで得られたクラッチ締結力制御信号ST
出力するためのD/A変換機能を有する出力インタフェ
ース回路70dとを備えている。また、前記入力インタ
フェース回路70aは、前記前後輪の回転センサ54及
び56からの正弦波電圧信号に対し、予め設定した車輪
速検出信号のしきい値Sα(第1のしきい値)以上の信
号についてのみ波形成形してパルス信号に変換し、この
パルス信号の時間単位当たりのパルス数を計数して、単
位時間当たりの回転数に変換する変換機能をも有してい
る(検出回転速度設定手段)。
【0031】そして、このコントローラ58のマイクロ
コンピュータ70では、前記前輪回転センサ54及び後
輪回転センサ56からの前後輪の車輪速検出信号vF,
vR及びブレーキスイッチ52からのブレーキのON/
OFF状態を表すブレーキ信号SB を入力し、これら入
力信号をもとに、これを波形成形処理を行うことによっ
て前後輪の回転状態に応じたパルス信号に変換し、所定
時間当たりのパルス数をカウントすることにより、検出
回転速度としての前後輪検出車輪速度nF,nRを検出
し、これら前後輪検出車輪速度nF,nRが、予め設定
したしきい値V TH(第2のしきい値)よりも大きいと
き、この前後輪検出車輪速度nF,nRを前後輪車輪速
度VF ,VR として設定し、前後輪検出車輪速度nF,
nRが、しきい値VTH以下のとき、前後輪車輪速度
F ,VR は零として設定する。また、発進時には、前
後輪検出車輪速度nF,nRがそれぞれしきい値VTH
初期値V THMIN より大きくなったときの、前後輪検出回
転速度nF,nRの何れか大きい方を、新たなしきい値
THとして更新設定する。
【0032】ここで、しきい値VTHの初期値V
THMIN は、任意に設定した値であり、設定入力可能な最
小値である。そして、このようにして設定した前後輪車
輪速度VF ,VR に基づき、所定の駆動力配分制御処理
を実行し、前後輪間の回転速度差を求め、これに応じて
クラッチ締結力Tを算出し、このクラッチ締結力Tを達
成する制御信号ST を前記駆動回路59に向けて出力す
る。
【0033】また、記憶装置70cは、演算処理装置7
0bでの処理に必要なプログラム及び固定データ等を予
め記憶していると共に、その処理結果を一時記憶可能に
なっている。この内、固定データとしては、図3,図4
及び図5に示す各制御特性に対応した記憶テーブルを含
んでおり、図5は、前後輪回転速度差ΔNに対する前輪
側への伝達トルクΔTの制御特性を示したものである。
【0034】前記駆動回路59は、前記マイクロコンピ
ュータ70から出力される制御信号ST を前記圧力制御
弁50の比例ソレノイド50aへの駆動信号である指令
電流ISOL に変換するために、例えばフローティング形
定電圧回路等で構成されている。なお、この駆動回路5
9では、制御信号ST が零であるときに前記指令電流I
SOL を中立指令電流IN となるように変換して出力す
る。
【0035】次に、上記実施の形態の動作をマイクロコ
ンピュータ70での、図6に示す車輪速設定処理及び図
7に示す駆動力配分制御処理の処理手順を示すフローチ
ャートに基づいて説明する。これら車輪速設定処理及び
駆動力配分制御処理は、例えば所定時間(例えば20m
sec)毎のタイマ割り込み処理により実行される。な
お、各制御処理中の各制御フラグは初期状態では零が設
定されているものとする。
【0036】今、車両が停車し、ブレーキペダルが踏み
込み状態であるものとすると、ブレーキスイッチ52か
らのブレーキ信号SB はオン状態である(ステップS
1)。そして、このとき、各車輪は回転していないか
ら、各回転センサ54及び56からは車輪速検出信号v
F,vRが出力されないので、マイクロコンピュータ7
0では、前後輪検出回転速度nF,nRは零であるもの
と判定する(ステップS2)。そして、車両は停車状態
であるものとして、車両が停車状態となったことを表す
フラグF1をF1=1に設定し、さらに、しきい値VTH
を初期値VTHMIN に設定する(ステップS3)。そし
て、前後輪車輪速度VF ,VR をそれぞれ零に設定して
所定の記憶領域に更新記憶し(ステップS4)、処理を
終了する。この操作をブレーキスイッチ52からのブレ
ーキ信号SB がオフ状態となるまで、又は、前輪回転セ
ンサ54及び後輪回転センサ56の前後輪検出回転速度
nF,nRが零でなくなるまで、すなわち停車状態でな
くなるまで繰り返し行う。
【0037】この状態から、ドライバが車両を発進させ
るために、ブレーキペダルの踏み込みを解除すると、ブ
レーキスイッチ52からのブレーキ信号SB がオフ状態
となることから、ステップS1からステップS5に移行
する。そして、このとき、フラグF1はF1=1に設定
されているので、ステップS5からステップS6に移行
する。
【0038】この時点では、フラグFfはFf=0であ
るから、ステップS6からステップS7に移行し、ま
ず、前輪回転センサ54の前輪検出回転速度nFがしき
い値V THより大きいか否かを判定する。ここで、しきい
値VTHは初期値として設定入力可能な最小値が設定され
ているものとする。そして、前輪回転センサ54からの
車輪速検出信号vFのレベルが、しきい値Sαを越えた
ものについてのみ車輪速検出信号vFをパルス信号に変
換しこれを計数して前輪検出回転速度nFを求め、この
前輪検出回転速度nFがしきい値V THよりも大きいとき
にはステップS8に移行し、この時点での前輪検出回転
速度nFを保持し、前輪検出回転速度nFを保持してい
ることを表すフラグFfをFf=1に設定し、ステップ
S9に移行する。しかしながらこの状態では、車両は停
止しているので前輪検出回転速度nFは零であるから、
ステップS7からそのままステップS9に移行する。
【0039】そして、この時点ではフラグFrはFr=
0であるからステップS10に移行し、後輪回転センサ
56の車輪速検出信号vRに基づく後輪検出回転速度n
Rがしきい値VTHよりも大きいかを判定する。そして、
後輪検出回転速度nRがしきい値VTHよりも大きいとき
にはステップS11に移行してこの時点での後輪検出回
転速度nRを保持し、後輪検出回転速度nRを保持して
いることを表すフラグFrをFr=1に設定し、ステッ
プS12に移行する。しかしながらこの状態では、車両
は停止しているので後輪検出回転速度nRは零であるか
ら、ステップS10からそのままステップS12に移行
する。
【0040】そして、この時点では、フラグFf,Fr
は共にFf=Fr=0であるから、ステップS13に移
行し、前輪検出回転速度nFがしきい値VTHよりも大き
いかを判定し、大きいときにはステップS14でこれを
前輪車輪速度VF として設定する。逆に、前輪検出回転
速度nFがしきい値VTH以下であるときには、ステップ
S15で前輪車輪速度VF =0として設定する。同様
に、ステップS16では、後輪検出回転速度nRがしき
い値VTHよりも大きいかを判定し、大きいときにはステ
ップS17で後輪検出回転速度nRを後輪車輪速度VR
として設定し、後輪検出回転速度nRがしきい値VTH
下のときにはステップS18で後輪車輪速度VR を零と
して設定する。そして、これら設定した前後車輪速度V
F ,VR を所定の記憶領域に更新記憶し、処理を終了す
る。
【0041】そして、この状態から次のタイマ割り込み
で車輪速設定処理を実行すると、ブレーキ信号SB がオ
フ状態であるからステップS1からステップS5に移行
し、このときフラグF1=1であるから、ステップS5
からステップS6に移行する。そして、この時点で、車
速が増加し、前輪及び後輪の回転速度が増加している
が、前後輪回転センサ54及び56の組付け誤差等によ
って、前輪回転センサ54からの車輪速検出信号vFは
しきい値Sαを越えるため、車輪の回転速度に応じた前
輪検出回転速度nFを検出できるが、後輪回転センサ5
6は組付け誤差が大きく、その車輪速検出信号vRの振
幅が小さくしきい値Sαよりも小さいため、後輪回転速
度nRは零として検出したものとすると、前輪検出回転
速度nFのみがしきい値VTHより大きいことから、ステ
ップS8でこの前輪検出回転速度nFを保持してフラグ
FfをFf=1に設定する。
【0042】そして、車速がさらに増加し、後輪回転セ
ンサ56からの車輪速検出信号についても後輪回転速度
nRを検出することができるようになり、後輪回転速度
nRがしきい値VTHよりも大きくなると、ステップS1
0からステップS11に移行し、この時点での後輪回転
速度nRを保持し、フラグFrをFr=1に設定する。
よって、ステップS12でFf=Fr=1となることか
ら、ステップS21に移行し、保持している前輪検出回
転速度及び後輪検出回転速度のうち、何れか大きい方を
しきい値VTHとして更新設定する(ステップS22,S
23)。そして、ステップS24でフラグF1をF1=
0にリセットし、ステップS13に移行する。そして、
前記と同様に、前後輪検出回転速度nF,nRが更新し
たしきい値VTHよりも大きいか否かによって前後輪車輪
速度VF ,VR をそれぞれ設定し(ステップS13〜S
18)、処理を終了する。
【0043】そして、以後、このしきい値VTHの更新は
行わず、走行中は、ステップS1,S5,S13〜S1
8の処理を繰り返し行って、前後輪の車輪速度VF ,V
R を設定する。そして、車両が停止したとき、すなわ
ち、ブレーキペダルが踏み込み状態となり、且つ、前後
輪の検出回転速度nF,nRが零となったとき、車両が
停車したものとして、しきい値VTHを初期値VTHMIN
更新記憶する。そして、車両が再発進したときには、上
記と同様に処理を行い、前後輪の検出回転速度nF,n
Rがしきい値VTHをこえたときの回転速度の何れか大き
い方をしきい値V THとして更新記憶する。
【0044】ここで、ステップS6〜S12が下限値検
出手段に対応し、ステップS13〜S18が車輪速設定
手段に対応し、ステップS21〜S23がしきい値設定
手段に対応している。そして、このようにして車輪速設
定処理で設定した車輪速度に基づいて、図7に示す駆動
力配分制御処理では演算を行っている。
【0045】まず、ステップS31で、上述のようにし
て車輪速設定処理で設定し、所定の記憶領域に記憶して
いる前後輪車輪速度VF ,VR を読み込み、これら前後
輪車輪速度VF ,VR の前後輪回転速度差ΔN(=VR
−VF )を算出する。次いで、ステップS32で、図5
に示す記憶テーブルを参照して前後輪回転速度差ΔNに
応じた伝達トルクΔTを決定する。
【0046】そして、ステップS34で、図3及び図4
に示す記憶テーブルを参照して圧力制御弁50の比例ソ
レノイド50aに供給すべき指令電流ISOL を逆算す
る。そして、ステップS35に移行して、ステップS3
4で算出した指令電流ISO L の値に応じた制御信号ST
を出力インタフェース回路70dを介して駆動回路59
に出力し、処理を終了する。
【0047】これによって、駆動回路59で、制御信号
T を指令電流ISOL に変換して、これを比例ソレノイ
ド50aに出力する。よって、指令電流ISOL の値に応
じて圧力制御弁50内に配設されたスプールの開度が定
まりこれにより、クラッチ37側の制御圧PC が指令電
流ISOL に応じた設定圧に調整され、クラッチ37の締
結力が調整される。
【0048】したがって、例えば、発進時に駆動輪、す
なわち、後輪側にスリップが発生した場合には、前輪が
回転せず前輪検出回転速度nFが零のままであることか
ら、ステップS1,S5,S6,S7,S12〜S18
の処理を繰り返し行うことになる。このとき、しきい値
THは初期値VTHMIN に設定されているから、前輪車輪
速度VF は零として設定されるが、後輪車輪速度V
R は、後輪回転センサ56の車輪速検出信号vRが車輪
速検出信号のしきい値Sαを越えて、車輪速検出信号v
Rに応じた後輪検出回転速度nRが検出され、この後輪
検出回転速度nRがしきい値VTHを越えた時点で、この
後輪検出回転速度nRが後輪車輪速度VR として設定さ
れる。
【0049】よって、駆動力配分制御処理では、この時
点で前後輪に回転速度差が生じていることを検出し、前
輪側への駆動力の伝達を開始する。そして、前輪側へ駆
動力が伝達され、前輪回転センサ54の車輪速検出信号
vFが車輪速検出信号のしきい値Sαを越え、且つ、検
出回転速度nFがしきい値VTHを越えた時点、すなわ
ち、検出回転速度nFが零から変化したときの変化後の
値が、検出回転速度nFの下限値として保持される。こ
の時点で、前輪及び後輪の、車輪速検出信号vF,vR
に基づいて設定された有効な検出回転速度の下限値が共
に検出できたことになるから、これら下限値の大きい方
が新たなしきい値VTHとして設定される。そして、これ
以後、この新たに設定したしきい値VTHをもとに車輪速
度の設定を行う。
【0050】ここで、このしきい値VTHは、前輪及び後
輪の有効な検出回転速度の下限値であるから、これは、
全ての車輪速度に対して、車輪速センサの組付け誤差等
の影響による誤差が含まれないとみなすことのできるし
きい値の最小の値が設定されることになる。よって、実
際の各車輪速センサの組付け誤差の影響による、各検出
回転速度毎の、有効な検出回転速度の下限値のばらつき
を抑えることのできる最小の値がしきい値VTHとして設
定されることになる。
【0051】したがって、更新後のしきい値VTHをもと
に設定した車輪速度VF ,VR に基づいて駆動力配分制
御処理を行えば、車輪速センサの組付け誤差等の個体差
による誤差の含まれる可能性のない最小の検出回転速度
のみを車輪速度VF ,VR として設定しているから、よ
り高精度な制御を行うことができ、さらに、しきい値V
THは誤差の含まれる可能性のない最小の値を設定するこ
とができるから、誤差の影響をうけない最小の回転速度
で車輪が回転している時点から実際の車輪の回転速度に
応じた駆動力配分を行うことができ、例えば、発進時に
スリップした場合でも、スリップ状態の初期の段階で駆
動力配分を行うから、発進性を向上させることができ
る。
【0052】また、例えば、前後の車輪間で回転速度差
が生じていないような走行条件で、低速度で走行してい
るものとすると、このとき、前後輪の車輪速センサに組
付け誤差等があった場合には、前後輪の車輪速センサが
出力する車輪速検出信号の振幅に誤差があるから、一方
の車輪速センサからの車輪速検出信号については検出回
転速度は零として検出し、他方の車輪速センサからの車
輪速検出信号についてはこの信号に応じた検出回転速度
を検出することになる。しかしながら、上記実施の形態
では、前後輪の検出回転速度nF,nRのうち、大きい
方をしきい値V THとして設定しているから、前後輪の検
出回転速度nF,nRが共にしきい値V THよりも大きい
場合には、これら前後輪の検出回転速度nF,nRは共
に車輪速検出信号に応じた値となり、これが前後輪の車
輪速度として設定されることになる。逆に、前後輪の検
出回転速度nF,nRがしきい値VTH以下であるときに
は、何れかの検出回転速度、すなわち、しきい値VTH
して設定した検出回転速度を出力した車輪速センサでは
ない方の車輪速センサの検出回転速度は、車輪速信号に
応じた値ではない可能性があるから、この場合には、前
後輪の車輪速度は零として設定される。よって、車輪速
センサの組付け誤差等によって、前後輪間に回転速度差
が生じていないような低速走行中に、何れか一方の車輪
の検出回転速度のみが車輪速度として設定され、他方の
車輪は零として設定されるといった車輪速度にばらつき
が発生することはない。
【0053】よって、この車輪速度をもとに駆動力配分
制御を行った場合でも、車輪速センサの組付け誤差等の
影響による車輪速度のばらつきによって、誤動作するこ
とを防止することができ、例えば、低速回転時のタイト
コーナブレーキング現象の発生を回避することができ
る。また、上記実施の形態では、実際に各車輪速センサ
で検出した真の車輪の回転速度の最小値に基づいてしき
い値VTHを設定するようにし、また、発進時毎に実行す
るようにしているから、走行状態に伴う組付け誤差の変
化等の経時変化に応じた最適なしきい値を設定すること
ができる。
【0054】なお、上記実施の形態では、後輪駆動車を
ベースにした四輪駆動車に適用した場合について説明し
たが、前輪駆動車をベースにした四輪駆動車であって
も、同様の作用効果を得ることができ、また、四輪駆動
車に限らず、二輪駆動車に適用することも可能である。
また、上記実施の形態では、電磁方式の車輪回転センサ
を用いた場合について説明したが、これに限らず、光学
方式の車輪回転センサを用いる場合でも同様の効果を得
ることができる。
【0055】また、上記実施の形態では、制御装置をマ
イクロコンピュータで構成した場合について説明した
が、これに限らず、シフトレジスタ、演算回路等の電子
回路を組み合わせて構成するようにしてもよい。また、
上記実施の形態では、クラッチ機構として油圧駆動によ
る流体式摩擦クラッチを用いた場合について説明した
が、これに限らず、駆動力を連続的に配分できるクラッ
チであれば、例えば電磁クラッチ機構等にも適用するこ
とができる。 また、前記実施の形態では、可変トル
ククラッチを付勢する作動流体として作動油を適用した
場合について説明したが、これに限らず水等の流体、空
気などの気体を適用することもできる。また、圧力制御
弁としては、前記減圧弁に限定されるものではなく、他
の指令値に応答して二次側の圧力を制御可能な圧力制御
弁を適用することも可能である。
【0056】また、前記オイルポンプの回転駆動源とし
ては前記電動モータに限らず、エンジンの回転出力を用
いることも可能である。さらに、上記実施の形態では、
車輪速度を駆動力配分制御処理に適用する場合について
説明したが、これに限らず、アンチロックブレーキ制御
等の制御処理にも適用することができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る車
輪速検出装置によれば、例えば組付け誤差等の個体差の
影響による低速時の検出車輪速度のばらつきを許容でき
る最小値が第2のしきい値として設定されるから、この
第2のしきい値に基づいて設定した車輪速度をもとに例
えば駆動力配分制御処理等を実行すれば、低速走行時の
制御精度を向上させることができる。
【0058】また、請求項2に係る車輪速検出装置によ
れば、検出回転速度設定手段の出力信号が所定値から変
化したしたときの変化後の検出回転速度を検出すること
により、容易に、検出回転速度の下限値を検出すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車輪速設定方法を前後輪間の駆動力配
分制御装置に適用した一例を示す概略構成図である。
【図2】図1の前後輪間の駆動力配分制御装置の一例を
示す概略構成図である。
【図3】図2の前後輪間の駆動力配分制御装置で行われ
る供給作動油圧と前輪側への伝達トルクの相関関係図で
ある。
【図4】図2の前後輪間の駆動力配分制御装置で行われ
る供給作動油圧と前輪側への伝達トルクの相関関係図で
ある。
【図5】図2の前後輪間の駆動力配分制御装置で行われ
る指令電流と供給作動油圧の相関関係図である。
【図6】図2の前後輪間の駆動力配分制御装置で行われ
る車輪速設定処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図7】図2の前後輪間の駆動力配分制御装置で行われ
る車輪速設定処理の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図8】本発明に適用した車輪速センサの概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1 エンジン 2FL〜2RR 前左輪〜後右輪 3 駆動力系 4 駆動力配分制御装置 12 変速機 14 トランスファ 16 前輪側出力軸 18 前輪側ディファレンシャルギヤ 20 前輪側ドライブシャフト 22 プロペラシャフト 24 後輪側ディファレンシャルギヤ 26 後輪側ドライブシャフト 35 流体圧力源 37 クラッチ機構 50 圧力制御弁 52 ブレーキスイッチ 54 前輪回転センサ 56 前輪回転センサ 58 コントローラ 59 駆動回路 70 マイクロコンピュータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/42 - 3/489 B60K 17/348

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転速度に応じた車輪速信号を出
    力する複数の回転速度検出手段と、当該複数の回転速度
    検出手段毎に、当該車輪速信号のレベルが予め設定した
    第1のしきい値より大きいときのみ当該車輪速信号をも
    とに回転速度を検出しこれを検出回転速度とする検出回
    転速度設定手段と、車両発進時に、前記検出回転速度設
    定手段の複数の前記検出回転速度毎の下限値を検出し、
    検出した前記複数の下限値のうちの最大値を第2のしき
    い値として設定するしきい値設定手段と、前記複数の検
    出回転速度設定手段の前記検出回転速度が前記しきい値
    設定手段で設定した前記第2のしきい値より大きいとき
    当該検出回転速度を車輪速度として設定し、前記検出回
    転速度が前記第2のしきい値以下のとき前記車輪速度を
    零として設定する車輪速設定手段とを備えることを特徴
    とする車輪速検出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出回転速度設定手段は、前記車輪
    速信号が前記第1のしきい値以下のとき所定値を検出回
    転速度として出力し、前記しきい値設定手段は、車両発
    進時に前記検出回転速度設定手段の複数の前記検出回転
    速度が前記所定値から変化したときの変化後の検出回転
    速度を前記下限値としてそれぞれ検出する下限値検出手
    段を備えることを特徴とする請求項1記載の車輪速検出
    装置。
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