JP3622627B2 - 駆動力配分制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源の駆動力を所定の割合で複数の車輪に配分する駆動力配分装置を制御する駆動力配分制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、四輪駆動車は、ガソリンエンジン等の駆動源の駆動力が左右一対の前輪及び左右一対の後輪に伝達され、それら4つの車輪が駆動される(四輪駆動)ことによる走行が可能とされている。
【0003】
このような四輪駆動車において、それがマニュアルトランスミッション車(MT車)である場合、ギヤ比(例えば、1速〜5速)の変更は運転者のシフトレバー操作によって行われる。一般に、発進直後等の低速走行時には低速ギヤ比(1速や2速)となる操作が行われ、高速走行時には高速ギヤ比(4速や5速)となる操作が行われる。
【0004】
そして、シフトレバーのポジションに応じて、エンジンの駆動力が所定の減速比(ギヤ比)で減速され、それが各車輪に伝達される。ここで、MT車の場合、一般にエンジンの駆動力は、マニュアルトランスミッション、前部差動歯車装置、左右一対の車軸を介して左右一対の前輪に伝達される一方、トランスファ、プロペラシャフト、カップリング、後部差動歯車装置、左右一対の車軸を介して左右一対の後輪に伝達される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したように、四輪駆動車において、それがMT車である場合、ギヤ比の変更は運転者のシフトレバー操作によって行われるが、高速ギヤ比に設定された状態で車速が落ちて低速となった後、その高速ギヤ比のまま加速や登坂走行が行われた場合、エンジンの異常燃焼(ノッキング)によって振動が発生することがある。このような場合、ノッキングに伴う振動が、エンジンの駆動力を各車輪に伝達する駆動力伝達系に伝達されることになり、その振動が激しい場合には、トランスファや後部差動歯車装置から異音(歯打ち音)が発生するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、運転状態が異常振動発生領域である際、駆動力伝達系における異常振動を防止できる駆動力配分制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動源から駆動力伝達系を介して複数の車輪へそれぞれ伝達される駆動力の割合を調節する駆動力配分装置を制御する駆動力配分制御装置において、車両の運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを、車両の運転状態に基づいて判定する判定手段と、前記運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域であることを前記判定手段が判定した際、異常振動が発生しない所定の割合で駆動力が複数の車輪に配分されるように、前記駆動力配分装置を制御する制御手段とを備え、前記異常振動発生領域は駆動源であるエンジンのノッキング発生領域であり、前記判定手段は、運転状態である車両の走行速度と、エンジントルク変動値とに基づいて、前記駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを判定することを要旨としている。従って、請求項1の発明では、運転状態が異常振動発生領域であることを判定手段が判定した際、制御手段による駆動力配分装置の制御によって、異常振動が発生しない所定の割合で駆動力が複数の車輪に配分される。また、運転状態である車両の走行速度と、エンジントルク変動値とに基づいて、エンジンのノッキング発生領域か否かが判定手段にて判定される。
【0008】
請求項2の発明は、駆動源から駆動力伝達系を介して複数の車輪へそれぞれ伝達される駆動力の割合を調節する駆動力配分装置を制御する駆動力配分制御装置において、車両の運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを、車両の運転状態に基づいて判定する判定手段と、前記運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域であることを前記判定手段が判定した際、異常振動が発生しない所定の割合で駆動力が複数の車輪に配分されるように、前記駆動力配分装置を制御する制御手段とを備え、前記異常振動発生領域は駆動源であるエンジンのノッキング発生領域であり、前記判定手段は、運転状態である車両の走行速度と、駆動源であるエンジンのノッキング状態を検出するノッキングセンサの検出結果とに基づいて、前記駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを判定することを要旨としている。従って、請求項2の発明では、運転状態である車両の走行速度と、駆動源であるエンジンのノッキング状態を検出するノッキングセンサの検出結果とに基づいて、エンジンのノッキング発生領域か否かが判定手段にて判定される。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記複数の車輪は、前記駆動力配分装置を介して駆動力が配分される第1の車輪と、前記駆動力配分装置を介在しないで駆動力が配分される第2の車輪とを含み、運転状態が異常振動発生領域であることを判定手段が判定した際には、異常振動発生領域でない場合に比較して、第1の車輪に配分される駆動力の割合が大きくなるように、制御手段は駆動力配分装置を制御することを要旨としている。従って、請求項3の発明では、前記請求項1又は請求項2の発明の作用に加えて、運転状態が異常振動発生領域であることを判定手段が判定した際、異常振動発生領域でない場合に比較して、第1の車輪に配分される駆動力の割合が大きくされることで、駆動力伝達系における異常振動が防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を四輪駆動車(本実施形態ではマニュアルトランスミッション(MT)車)に搭載された駆動力配分装置(カップリング)を電子制御する駆動力配分制御装置(電子制御ユニット)に具体化した一実施形態を図面に従って説明する。図1は駆動力配分制御装置を備えた四輪駆動車における駆動力伝達機構を示す概略ブロック図である。
【0012】
図1において車両としての四輪駆動車1は、車体前部に左右一対の前輪(左前車輪2、右前車輪3)が、車体後部に左右一対の後輪(左後車輪4、右後車輪5)がそれぞれ設けられ、それら4つの車輪2〜5は、駆動源としてのエンジン6の駆動力が駆動力伝達機構10を介して伝達されることにより駆動される。本実施形態のエンジン6には、ガソリンエンジンが用いられている。
【0013】
この駆動力伝達機構10について説明する。駆動力伝達系としての駆動力伝達機構10は、トランスミッション11、フロントデフ(前部差動歯車装置)12、トランスファ13、プロペラシャフト14、カップリング15、リヤデフ(後部差動歯車装置)16等から構成されている。エンジン6の駆動力は、トランスミッション11、フロントデフ12、左右一対の車軸21、22を介して左右一対の前輪2、3に伝達される一方、トランスファ13、プロペラシャフト14、カップリング15、リヤデフ16、左右一対の車軸23、24を介して左右一対の後輪4、5に伝達される。本実施形態では、各車輪2〜5はそれぞれ車輪を構成し、特に、車輪2、3(前輪)はそれぞれ第2の車輪を構成し、車輪4、5(後輪)はそれぞれ第1の車輪を構成している。
【0014】
駆動力配分装置としてのカップリング15は、プロペラシャフト14とともに回転する入力側摩擦板(図示略)、入力側摩擦板との摩擦係合によりリヤデフ16に摩擦トルクを伝達する出力側摩擦板(図示略)、電磁力により両摩擦板を互いに摩擦係合させる電磁ソレノイド(駆動回路を含み、図示略)等を有する公知の電磁クラッチからなる。このカップリング15は、後述する電子制御ユニット31から電磁ソレノイドに所定のトルク指令信号が入力されることで、その信号に応じた摩擦トルクが発生し、それをリヤデフ16に伝達する構成とされている。
【0015】
詳述すると、電子制御ユニット31からカップリング15の電磁ソレノイドの駆動回路に、電磁ソレノイドが消磁されるトルク指令信号が入力された場合には、エンジン6の駆動力の100%(詳しくは伝達による損失を差し引いた値)が前輪2、3に伝達され、前輪駆動状態となる。即ち、この場合、カップリング15の電磁ソレノイドには駆動電流が供給されず、それは消磁された状態となる。従って、カップリング15の両摩擦板は互いに摩擦係合されない(解放状態)ため、リヤデフ16に伝達される摩擦トルクはゼロとなる。従って、この場合、前輪2、3と後輪4、5とに配分される駆動力の割合(トルク伝達比)は、100:0となる。
【0016】
一方、電子制御ユニット31からカップリング15の電磁ソレノイドの駆動回路に、電磁ソレノイドが励磁されるトルク指令信号(詳細は後述する)が入力された場合には、エンジン6の駆動力が、トルク指令信号毎に決まる所定の割合で前輪2、3と後輪4、5とに配分される。例えば、前輪と後輪との重量配分比が50:50(なお、以下の説明ではトルク伝達比は前輪と後輪との重量配分が50:50のときを前提とする。)であれば、トルク伝達比が100:0から50:50側に近づくことになる。
【0017】
前記電磁ソレノイドが励磁されるトルク指令信号(電磁ソレノイドに印加する電圧)は、複数存在しており、それらは、リヤデフ16側に伝達したい摩擦トルクの値に応じた、互いに異なる電圧に設定されている。例えば、カップリング15の両摩擦板を完全係合(直結)させて、最大となる摩擦トルクをリヤデフ16側に伝達したい場合には、最も高い電圧であるトルク指令信号が電磁ソレノイドの駆動回路に入力(印加)され、この場合、トルク伝達比は50:50となる。
【0018】
次に電子制御ユニット31について説明する。駆動力配分制御装置としての電子制御ユニット31には、車速センサ32、クランク角センサ33、カムポジションセンサ34が電気的に接続されている。車速センサ32は、四輪駆動車1の走行速度(車速)に応じた検出信号を電子制御ユニット31に出力する。クランク角センサ33は、エンジン6のクランク角に応じた検出信号を電子制御ユニット31に出力する。カムポジションセンサ34は、エンジン6の図示しない吸気カムのカムポジションに応じた検出信号を電子制御ユニット31に出力する。
【0019】
前記クランク角センサ33は、気筒数をnとすると、クランク角720°/n毎に、予め定めたクランク角位置(例えば圧縮上死点前110°)で基準パルス信号を出力すると共に、1〜2°毎に単位パルス信号を出力するもので、前記基準パルス信号の周期などから機関回転数を算出可能である。また、カムポジションセンサ34はクランク角720°毎に予め定めたクランク角位置で特定気筒に対応する気筒判別信号を出力し、これにより気筒判別が可能となる。
【0020】
電子制御ユニット31は、CPU、ROM、EEPROM、RAM、タイマからなる。電子制御ユニット31のROMには、「摩擦トルク伝達制御プログラム」等の各種制御プログラムが格納されている。判定手段及び制御手段としてのCPUは、ROMに格納された各種制御プログラムに従って、摩擦トルク伝達制御処理等の種々の演算処理を実行する。EEPROMには、振動発生下限速度、振動発生上限速度、振動発生トルク変動値の各データが記憶されている。
【0021】
この振動発生下限速度、振動発生上限速度、振動発生トルク変動値について説明する。電子制御ユニット31のCPUは、車速センサ32から入力した検出信号に基づいて四輪駆動車1の車速を算出する。一方、同CPUは、クランク角センサ33から入力した検出信号と、カムポジションセンサ34から入力した検出信号とに基づいて、エンジントルクを算出する。
【0022】
エンジントルクの算出は、クランク角センサ33からの信号に基づいてクランク角を監視しつつ、先ず、例えば上死点の前後30°の第1区間での機関の回転角速度ω1を計測する。次に、上死点から所定クランク角後の前後30°の第2区間での機関の回転角速度ω2を計測する。尚、回転角速度は、各区間の開始点から終了点までの時間を計測して求める。
【0023】
そして、これらの回転角速度ω1、ω2に基づいて、燃焼行程での回転角加速度Δω=(ω2−ω1)/dtを算出する。dtは所定クランク角の開始点から終了点までの時間(計測値)である。そして、次式のごとく、燃焼行程での回転角加速度Δωに基づいて、エンジントルクTeを算出する。
【0024】
Te=Δω×K+OFFSET 但し、Kは変換係数、OFFSETはオフセット値(いずれも定数)である。
そして、CPUは、前記その時々に算出したエンジントルクの平均値を移動平均法等により算出し、その平均値と、その制御サイクル時に算出されたエンジントルクとの差をエンジントルク変動値として算出する。
【0025】
ここで、車速とエンジントルク(出力トルク)との間には、ギヤ比(1速〜5速の変速域)毎に図4に示す関係がある。一般に、発進直後等の低速走行時には低速ギヤ比(1速や2速)に設定され、高速走行時には高速ギヤ比(4速や5速)に設定される。又、高速ギヤ比に設定された状態で車速が落ちて低速となった後、その高速ギヤ比のまま加速や登坂走行が行われた場合、エンジン6の異常燃焼(ノッキング)によって低周波の振動(4〜7Hz程度)が発生する。
【0026】
図4に斜線で示す領域が、ノッキングによる振動の発生領域(車両の運転状態が異常振動発生領域であるノッキング発生領域)である。この発生領域において、そのようなノッキングによる振動が発生する車速の下限値が振動発生下限速度であり、上限値が振動発生上限速度である。又、ノッキングによる振動がトランスファ13やリヤデフ16に伝達される(即ち、駆動力伝達系に異常振動が発生する)ことで発生する異音(歯打ち音)が所定レベルであるときのエンジントルク変動値が振動発生トルク変動値(判定値)である。
【0027】
電子制御ユニット31のCPUは、算出した車速、エンジントルク変動値を、EEPROMに予め記憶された振動発生下限速度、振動発生上限速度、振動発生トルク変動値の各データと比較し、その比較結果に応じた所定のトルク指令信号をカップリング15の電磁ソレノイドの駆動回路に出力する。RAMは、CPUの演算処理結果を一時記憶するための作業用メモリである。
【0028】
次に、上記のように構成した、駆動力配分制御装置(電子制御ユニット31)を備えた四輪駆動車1の作用について説明する。図2は電子制御ユニット31のCPUが「摩擦トルク伝達制御プログラム」に従って定時毎に割り込み処理する摩擦トルク伝達制御の処理動作を示すフローチャート図である。
【0029】
まず、この処理に入ると、図2に示すように、電子制御ユニット31のCPUはステップ(以下、ステップをSという)1で、車両速度(車速)が振動発生下限速度を超えているか否かを判断する。車両速度が振動発生下限速度を超えている場合、即ち、車速が、図4に斜線で示す領域の左端に対応する車速(振動発生下限速度)よりも右側(高速側)の車速となっている場合、S1で「YES」と判断し、S2に移行する。一方、車両速度が振動発生下限速度以下である場合、即ち、車速が、図4に斜線で示す領域の左端に対応する車速(振動発生下限速度)を含めてそれよりも左側(低速側)の車速となっている場合、S1で「NO」と判断し、S5に移行する。
【0030】
次にS2では、車両速度が振動発生上限速度未満であるか否かを判断する。車両速度が振動発生上限速度未満である場合、即ち、車速が、図4に斜線で示す領域の右端に対応する車速(振動発生上限速度)よりも左側(低速側)の車速となっている場合、S2で「YES」と判断し、S3に移行する。一方、車両速度が振動発生上限速度以上である場合、即ち、車速が、図4に斜線で示す領域の右端に対応する車速(振動発生上限速度)を含めてそれよりも右側(高速側)の車速となっている場合、S2で「NO」と判断し、S5に移行する。
【0031】
次にS3では、エンジントルク変動値が振動発生トルク変動値を超えているか否かを判断する。エンジントルク変動値が振動発生トルク変動値を超えている場合、ノッキングによる振動に起因して発生する駆動力伝達系振動による異音が所定レベルを超えているとして、S3で「YES」と判断し、S4に移行する。一方、エンジントルク変動値が振動発生トルク変動値以下である場合、前記異音のレベルは所定レベル以下の小さなものであるとして、S3で「NO」と判断し、S5に移行する。本実施形態では、S1〜S3はそれぞれ判定手段に相当する。
【0032】
次にS4では、前記異音を緩和するのに適した摩擦トルクをカップリング15にて発生させるべく、同カップリング15(電子制御駆動力配分装置)の電磁ソレノイドに所定の駆動電流が供給されるようにトルク指令信号(振動防止するトルク指令信号)を図示しない駆動回路に出力し、一連の処理を終了する。カップリング15の電磁ソレノイドには、「振動防止するトルク指令信号」に基づいた駆動電流が供給される。すると、電磁ソレノイドが励磁されて、同カップリング15の両摩擦板(入力側摩擦板と出力側摩擦板)が、前記異音を緩和するのに適した摩擦トルクを発生するように、互いに摩擦係合される。
【0033】
前記振動防止するトルク指令信号は、特に振動を防止しなくてもよい通常時(車両の運転状態が異常振動発生領域でない場合)のトルク指令信号(後述する通常制御トルク指令信号)よりも高い電圧とされている。従って、異音が所定レベルを超えている場合には、電磁ソレノイドに「振動防止するトルク指令信号」に基づいた駆動電流が供給されることで、両摩擦板が通常時よりも強い電磁力により摩擦係合され、リヤデフ16に通常時よりも大きな摩擦トルクが伝達される。即ち、前輪2、3と後輪4、5とに配分される駆動力の割合(トルク伝達比)が通常時のそれよりも50:50側に近づき(異常振動が発生しない所定の割合に相当し、後輪4、5に配分される駆動力の割合が大きくなることになる)、この結果、ノッキングによる振動に起因して発生する駆動力伝達系振動による異音が緩和される。
【0034】
尚、S5では、車速(車両速度)と出力トルク(エンジントルク)との関係が、図4に斜線で示す領域(ノッキングによる振動の発生領域)外にあるとして、所定のトルク指令信号(通常制御トルク指令信号)を、カップリング15(電子制御駆動力配分装置)の図示しない駆動回路に出力し、一連の処理を終了する。同駆動回路は電磁ソレノイドに対してそのトルク指令信号に基づいた駆動電流を供給する。カップリング15の電磁ソレノイドには、「通常制御トルク指令信号」に基づいた駆動電流が供給され、同電磁ソレノイドは励磁される。この結果、同カップリング15の両摩擦板が、所定の摩擦トルクを発生するように、互いに摩擦係合される。
【0035】
従って、異音が所定レベル以下である場合には、電磁ソレノイドの駆動回路に「通常制御トルク指令信号」が入力されることで、両摩擦板が所定の電磁力により摩擦係合され、リヤデフ16に所定の摩擦トルクが伝達される。この結果、ノッキングによる振動に起因して発生する異音が小さなものであれば、それを特に緩和する必要がないため、エンジン6の駆動力が所定のトルク伝達比で前輪2、3と後輪4、5とに配分され、それらが駆動される。
【0036】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、四輪駆動車1の運転状態が図4に斜線で示す異常振動発生領域であることを電子制御ユニット31のCPUが判定した際、同CPUからカップリング15の電磁ソレノイドの駆動回路に「振動防止するトルク指令信号」が出力される。すると、電磁ソレノイドはその信号に基づいて励磁されて、カップリング15の両摩擦板が連結される。即ち、駆動力伝達機構10に異常振動が発生しない所定の割合で、エンジン6の駆動力が各車輪2〜5に配分される。従って、四輪駆動車1の運転状態が異常振動発生領域である際、駆動力伝達機構10における異常振動(詳しくはトランスファ13やリヤデフ16から所定レベルを超える歯打ち音が発生すること)を防止できる。
【0037】
(2)本実施形態では、四輪駆動車1の運転状態が異常振動発生領域であることを電子制御ユニット31のCPUが判定した際、異常振動発生領域でない場合(通常時)に比較して、車輪4、5に配分される駆動力の割合が大きくされる。即ち、カップリング15の両摩擦板(入力側摩擦板と出力側摩擦板)が、電磁ソレノイドのより強い電磁力により互いに摩擦係合されるため、通常時よりも大きな摩擦トルクがリヤデフ16に伝達される。従って、両摩擦板間の遊びが通常時よりも小さくなることで、トランスファ13やリヤデフ16の歯車が通常時よりも拘束されるため、駆動力伝達機構10における異常振動を防止できる。
【0038】
(3)本実施形態では、四輪駆動車1の運転状態である車速(車両の走行速度)と、エンジントルク変動値とに基づいて、エンジン6のノッキング発生領域か否かが電子制御ユニット31のCPUにて判定される。従って、エンジン6のノッキング発生領域である際、駆動力伝達機構10における異常振動を防止できる。
【0039】
なお、前記実施形態は以下のように変更してもよい。
・エンジントルク変動値の異常を判断するために、前記実施形態では、クランク角センサ33とカムポジションセンサ34の検出信号をパラメータとして使用したが、この代わりに図5に示すように、ノッキングセンサ36が電子制御ユニット31に接続された構成としてもよい。この場合、ノッキングセンサ36は、ノッキングによって発生する低周波の振動(4〜7Hz程度)に応じたノッキング検出信号を含む検出信号を電子制御ユニット31に出力する。そして、電子制御ユニット31のCPUは、図2のS3に代えて、図3に示すS25、S30、S35の処理を行う。
【0040】
即ち、電子制御ユニット31のCPUはS25で、ノッキングセンサ36からの検出信号を取り込み、S30で、その検出信号がトルク変動発生領域内に含まれるか否かを判定するためのエンジントルク変動マップを参照する。このエンジントルク変動マップには、ノッキングの大小に応じて所定レベルを超える異音が発生する領域(異常振動発生領域及びノッキング発生領域としてのトルク変動発生領域)と、それ以外の領域とが、予め含まれており、EEPROM内に格納されている。
【0041】
次にS35では、エンジントルク変動マップを参照した結果、トルク変動発生領域内にあるか否かを判断し、トルク変動発生領域内にある場合にはS4に移行し、同領域外である場合にはS5に移行し、S4、S5で前記実施形態と同様の処理を行う。この場合、S1、S2、S35はそれぞれ判定手段に相当する。
【0042】
このようにした場合には、四輪駆動車1の運転状態である車速と、エンジン6のノッキング状態を検出するノッキングセンサ36の検出結果とに基づいて、エンジン6のノッキング発生領域か否かが電子制御ユニット31のCPUにて判定される。従って、エンジン6のノッキング発生領域である際、駆動力伝達機構10における異常振動を防止できる。
【0043】
・図6に示すように、上記別の実施の形態におけるノッキングセンサ36の代わりに、エンジン6のスロットル開度センサ37及びトランスミッション11の変速域を検出するためのシフトポジションスイッチ38が電子制御ユニット31に接続された構成としてもよい。この場合、スロットル開度センサ37は、エンジン6の吸気系に設けられたスロットルバルブ(図示略)の開度量(開き具合)に応じた検出信号を電子制御ユニット31に出力する。シフトポジションスイッチ38は、ギヤ比(本実施形態では1速〜5速の変速域)を変更するために操作されるシフトレバー(図示略)のポジション(シフトポジション)に応じた検出信号を電子制御ユニット31に出力する。そして、電子制御ユニット31のCPUは、図2のS3に代えて、図3に示すS25、S30、S35の処理を行う。
【0044】
即ち、電子制御ユニット31のCPUはS25で、スロットル開度センサ37及びシフトポジションスイッチ38からの検出信号を取り込み、S30で、それらの検出信号に基づいて、スロットルバルブ(図示略)の開度量、変速域をパラメータとしたマップからなるエンジントルク変動マップを参照する。このエンジントルク変動マップは予めEEPROMの所定記憶領域に格納されている。このエンジントルク変動マップには、上記別の実施の形態と同様に、ノッキングに伴って所定レベルを超える異音が発生する領域(トルク変動発生領域)と、それ以外の領域とが、前記スロットルバルブの開度量、変速域に応じて予め設定されている。
【0045】
次にS35では、エンジントルク変動マップを参照した結果、スロットルバルブの開度量と、変速域とがトルク変動発生領域内にあるか否かを判断し、トルク変動発生領域内にある場合にはS4に移行し、同領域外である場合にはS5に移行し、S4、S5で前記実施形態と同様の処理を行う。この場合、S1、S2、S35はそれぞれ判定手段に相当する。
【0046】
・前記実施形態では、駆動源としてのエンジン6にガソリンエンジンを用いたが、ガソリンエンジンの代わりにディーゼルエンジンを用いてもよい。
・前記実施形態では、第1の車輪としての車輪4、5(後輪)にはカップリング15を介してエンジン6の駆動力が配分され、第2の車輪としての車輪2、3(前輪)にはカップリング15を介在しないでエンジン6の駆動力が配分される構成としたが、次のようにしてもよい。即ち、第1の車輪としての車輪2、3(前輪)にはカップリング15を介してエンジン6の駆動力が配分され、第2の車輪としての車輪4、5(後輪)にはカップリング15を介在しないでエンジン6の駆動力が配分される構成としてもよい。
【0047】
・前記実施形態では、カップリング15を電磁クラッチにて構成したが、電子制御可能なカップリングであれば他の形式(例えば、油圧クラッチ)でもよい。次に、前記実施形態及び別例から把握できる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、それらの効果と共に以下に記載する。
【0048】
(イ)異常振動発生領域は、駆動源であるエンジンのノッキング発生領域であり、判定手段は、運転状態である車両の走行速度と、駆動源であるエンジンのスロットル開度と、車両のギヤ比変更のためのシフトレバーのポジションとに基づいて、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを判定することを特徴とする駆動力配分制御装置。従って、この(イ)に記載の発明によれば、運転状態である車両の走行速度と、駆動源であるエンジンのスロットル開度と、車両のギヤ比変更のためのシフトレバーのポジションとに基づいて、エンジンのノッキング発生領域か否かが判定手段にて判定される。従って、エンジンのノッキング発生領域である際、駆動力伝達系における異常振動を防止できる。
【0049】
【発明の効果】
請求項1〜3に記載の発明によれば、運転状態が異常振動発生領域である際、駆動力伝達系における異常振動を防止できる。
【0050】
さらに、エンジンのノッキング発生領域である際、駆動力伝達系における異常振動を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の駆動力配分制御装置を備えた四輪駆動車における駆動力伝達機構を示す概略ブロック図。
【図2】電子制御ユニットのCPUが実行する摩擦トルク伝達制御の処理動作を示すフローチャート図。
【図3】摩擦トルク伝達制御の処理動作の別例を示すフローチャート図。
【図4】ギヤ比毎の車速と出力トルクとの関係を示す特性図。
【図5】四輪駆動車の別例における駆動力伝達機構を示す概略ブロック図。
【図6】四輪駆動車の別例における駆動力伝達機構を示す概略ブロック図。
【符号の説明】
1…車両としての四輪駆動車、2…車輪及び第2の車輪としての左前車輪、
3…車輪及び第2の車輪としての右前車輪、
4…車輪及び第1の車輪としての左後車輪、
5…車輪及び第1の車輪としての右後車輪、6…駆動源としてのエンジン、
10…駆動力伝達系としての駆動力伝達機構、
15…駆動力配分装置としてのカップリング、
31…駆動力配分制御装置としての電子制御ユニット(CPUは判定手段及び制御手段を構成する)、36…ノッキングセンサ、
S1〜S3…それぞれ判定手段に相当するステップ1〜ステップ3。
Claims (3)
- 駆動源から駆動力伝達系を介して複数の車輪へそれぞれ伝達される駆動力の割合を調節する駆動力配分装置を制御する駆動力配分制御装置において、
車両の運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを、車両の運転状態に基づいて判定する判定手段と、
前記運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域であることを前記判定手段が判定した際、異常振動が発生しない所定の割合で駆動力が複数の車輪に配分されるように、前記駆動力配分装置を制御する制御手段と
を備え、前記異常振動発生領域は駆動源であるエンジンのノッキング発生領域であり、前記判定手段は、運転状態である車両の走行速度と、エンジントルク変動値とに基づいて、前記駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを判定することを特徴とする駆動力配分制御装置。 - 駆動源から駆動力伝達系を介して複数の車輪へそれぞれ伝達される駆動力の割合を調節する駆動力配分装置を制御する駆動力配分制御装置において、
車両の運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを、車両の運転状態に基づいて判定する判定手段と、
前記運転状態が、駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域であることを前記判定手段が判定した際、異常振動が発生しない所定の割合で駆動力が複数の車輪に配分されるように、前記駆動力配分装置を制御する制御手段と
を備え、前記異常振動発生領域は駆動源であるエンジンのノッキング発生領域であり、前記判定手段は、運転状態である車両の走行速度と、駆動源であるエンジンのノッキング状態を検出するノッキングセンサの検出結果とに基づいて、前記駆動力伝達系に異常振動が発生する異常振動発生領域か否かを判定することを特徴とする駆動力配分制御装置。 - 前記複数の車輪は、前記駆動力配分装置を介して駆動力が配分される第1の車輪と、前記駆動力配分装置を介在しないで駆動力が配分される第2の車輪とを含み、
運転状態が異常振動発生領域であることを判定手段が判定した際には、異常振動発生領域でない場合に比較して、第1の車輪に配分される駆動力の割合が大きくなるように、制御手段は駆動力配分装置を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駆動力配分制御装置。
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