JP2701283B2 - 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents

四輪駆動車の駆動力配分制御装置

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JP2701283B2
JP2701283B2 JP63014131A JP1413188A JP2701283B2 JP 2701283 B2 JP2701283 B2 JP 2701283B2 JP 63014131 A JP63014131 A JP 63014131A JP 1413188 A JP1413188 A JP 1413188A JP 2701283 B2 JP2701283 B2 JP 2701283B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、前後輪側への駆動力配分比を制御可能な
トランスファーを備え、このトランスファー内に、駆動
力配分比可変用のアクチュエータとしてのクラッチを装
備した四輪駆動車の駆動力配分制御装置に関する。
〔従来の技術〕
四輪駆動車の駆動力配分制御装置としては、本出願人
が先に提案した特願昭61−282954号記載のもの(発明の
名称は、「車両用駆動系クラッチ制御装置」)がある。
この先願装置では、エンジン駆動系の所定位置に、外
部からの指令により締結力を増減制御可能なクラッチを
備えたトランスファーが設けられており、車両走行状況
に応じてクラッチの締結力を適宜に変更指令するという
制御手法を採っている。つまり、前後輪の回転差から常
駆動輪のスリップ発生頻度を検出し、そのスリップ発生
頻度が大きくなるにつれて、クラッチの締結力を増大さ
せるよという手法を採っている。そして、これによっ
て、路面や装置の経時変化にかかわらずに安定した走行
性を確保できるようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような先願記載の制御装置にあっ
ては、前後輪回転差が一定時間内に一定値を越えた場合
に、クラッチ締結力を単に高めるという制御手法を採っ
ていたため、路面状態に応じて安定した走行性は確保で
きるものの、クラッチ伝達トルクと前後輪回転差との積
に応じて決定されるクラッチの発熱を特に意識した制御
ではないことから、例えば砂地走行などにおいてクラッ
チ伝達トルク,前後輪回転差が共に大きい場合、クラッ
チの熱的破壊による焼損を招くという未解決の課題があ
った。一方、そのような走行状態において、クラッチの
熱的破壊を回避したいがために、クラッチ締結力を弱め
て伝達トルクを低下させると、単なる2輪駆動となり、
砂地路等の走破性が低下するという相反する課題があっ
た。
この発明は、このような未解決の課題に鑑みてなされ
たもので、クラッチの発熱量が、クラッチ伝達トルクと
前後輪側との積に比例することに着目し、その積値を考
慮してクラッチ締結力を制御することにより、クラッチ
の発熱を的確に抑制してその熱的破壊を回避するととも
に、安定した走行性を確保することを、その目的として
いる。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、この発明では、第1図に示
すように、エンジンから伝達された駆動力を前後輪に配
分するトランスファーを備え、このトランスファーは、
指令された値の締結力によって該トランスファーの前輪
側と後輪側とを締結するクラッチを有し、前記締結力を
車両の走行状況に応じて変更するようにした四輪駆動車
の駆動力配分制御装置において、車両の前後輪の回転速
度差を検出する前後輪回転速度差検出手段と、車両の横
加速度を検出する横加速度検出手段と、該横加速度検出
手段の横加速度検出値に基づいて回転速度差に対する前
記指令値の変換特性を選択し、選択された変換特性に基
づいて前記前後輪回転速度差検出手段の回転速度差から
前記指令値を算出して前記クラッチを制御するクラッチ
制御手段と、前記クラッチにより前後輪側間を伝達され
るトルクを検出するクラッチ伝達トルク検出手段と、前
記前後輪回転速度差検出手段の回転速度差と前記クラッ
チ伝達トルク検出手段のクラッチ伝達トルクとの積によ
るクラッチ発熱量を演算する演算手段と、この演算手段
による演算結果が一定値以上になり且つその状態が一定
時間以上継続する所定のクラッチ発熱状態か否かを判定
する判定手段と、この判定手段による判定結果が所定の
クラッチ発熱状態であるときに、前記クラッチ制御手段
のクラツチ制御を所定の冷却時間だけ中断し、この間に
前記クラッチの締結力を最大値又はその近傍値まで増加
させるクラッチ発熱抑制手段とを備えている。
〔作用〕
この発明においては、前後輪回転速度差検出手段およ
びクラッチ伝達トルク検出手段による各検出値に基づ
き、クラッチの発熱量が演算手段において演算される。
そこで、判定手段において、演算手段による演算結果が
一定値以上になり且つその状態が一定時間以上継続する
所定のクラッチ発熱状態であると判定されるまではクラ
ッチ制御手段で、前後輪の回転速度差と横加速度検出値
とに基づいて指令値を算出し、これに基づいてクラッチ
の締結力を制御することにより走行安定性を確保し、ク
ラッチ発熱状態であると判定されたときには、クラッチ
発熱抑制手段によって、所定の冷却時間だけ前記クラッ
チ制御手段によるクラッチ制御を中断し、この間にクラ
ッチの締結力が最大値又はその近傍値まで増加され、こ
れにより、前後輪の回転差がほぼ零となり、リジットな
四輪駆動状態となる。したがって、発熱量も抑制され、
焼損の発生が的確に排除されるとともに、同時に斯かる
発熱状態に至る原因となった路面に対する走行性も確保
される。
その後、所定の冷却時間が経過すると、前記クラッチ
制御手段によるクラッチの制御が再開される。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図乃至第8図は、この発明の一実施例を示す図で
ある。この実施例は、FR(フロントエンジン,リヤドラ
イブ)方式をベースにしたパートタイム四輪駆動車に適
用した場合を示す。
第2図において、1はエンジン、2FL〜2RRは前左〜後
右側の車輪、3は車輪2FL〜2RRへの駆動力配分比を変更
可能な駆動力伝達系、4は駆動力伝達系3の後述するト
ランスファー内の摩擦クラッチによる締結力を制御する
駆動力配分制御装置を示す。
この内、駆動力伝達系3は、エンジン1からの駆動力
を断続するクラッチ10と、このクラッチ10の出力を選択
された歯車比で変速する変速機12と、この変速機12から
の駆動力を前輪2FL,2FR側及び後輪(主駆動輪)2RL,2RR
側に分割するトランスファー14とを有している。そし
て、駆動力伝達系3では、トランスファー14で分割され
た前輪側駆動力が前輪側出力軸16、フロントディフャレ
ンシャルギヤ18及び前輪側ドライブシャフト20を介して
前輪2FL,2FRに伝達され、一方、後輪側駆動力がプロペ
ラシャフト22、リヤディフャレンシャルギヤ24及び後輪
側ドライブシャフト26を介して後輪2RL,2RRに伝達され
る。
トランスファー14は、第3,4図に示すように構成され
ている。即ち、第3図において、28はトランスファーケ
ースを示し、このトランスファーケース28内に変速機12
の出力側に連結された入力軸30が挿通され、この入力軸
30はベアリング31等によって回動自在に軸支されてい
る。また、入力軸30の第3図における右端側は、プロペ
ラシャフト(後輪側出力軸)22に連結され且つベアリン
グ32によって回動自在に軸支された出力軸33に結合され
ている。ここで、30Aは油路、34は出力軸33にスプライ
ン結合された継手フランジ、35はオイルシール、36はス
ピードメータ用ピニオンである。
一方、前記入力軸30の中央部には、図示の如く、前後
輪に対するトルク配分比を変更できる湿式多板クラッチ
37が設けられている。このクラッチ37は、入力軸30にス
プライン結合されたクラッチドラム37aと、このクラッ
チドラム37aに回転方向を係合させたフリクションプレ
ート37bと、前記入力軸30の外周部にニードルベアリン
グ38によって回動自在に支持されたクラッチハブ37c
と、このクラッチハブ37cに回転方向を係合させたフリ
クションディスク37dと、クラッチ37の第3図における
右側に配置されたクラッチピストン37eと、このクラッ
チピストン37eとクラッチドラム37aとの間に形成された
シリンダ室37fとを備えている。また、このクラッチ37
において、37gはディシュプレートであり、37hはリター
ンスプリングである。
また、クラッチ37は、図示のようにギヤトレーンを介
して前輪側にも連結されている。即ち、前記クラッチハ
ブ37cは、ベアリング40A,40Bによって回動自在な第1の
ギヤ41Aにスプライン結合されており、この第1のギヤ4
1Aはベアリング42,43によって回動自在な第2のギヤ41B
に噛合され、この第2のギヤ41Bが第3のギヤ41Cを介し
て前述した出力軸16に連結されている。
さらに、前記トランスファーケース28の右端寄りの側
面所定位置には、後述する油圧供給機構から油圧(指令
力)が供給される入力ポート46が設けられている。そし
て、この入力ポート46は、トランスファーケース28及び
クラッチドラム37aの内部に図示のように形成された油
路47を介して前記シリンダ室37fに連通している。
このため、入力ポート46にオイルの供給がない状態で
は、クラッチ37のシリンダ室37fの圧力が零であるか
ら、リターンスプリング37hのばね力によって、フリク
ションプレート37bとフリクションディスク37dが離間し
ている。従って、この状態では、入力軸30に伝達された
入力トルクはその全部が後輪側に伝達され、2輪駆動状
態となる。一方、入力ポート46にオイルが供給されてい
る状態では、そのシリンダ室37fの加圧程度に応じてク
ラッチピストン37eによる押圧力が発生し、これに対応
してフリクションプレート37bとフリクションディスク3
7dとの間に摩擦力による締結力が発生し、これにより、
後輪側のみならず前輪側にもその締結力に応じて駆動ト
ルクが伝達される。そこで、この前後輪に対するトルク
の配分比は、入力ポート46に供給する作動油の圧力Pに
応じて「0:100」から「50:50」までほぼ連続的に変更で
きる。
一方、第2図に戻って、駆動力配分制御装置4は、前
記トランスファー14と、このトランスファー14の摩擦ク
ラッチ37の入力ポート46に作動油を供給する油圧供給機
構50とを有するとともに、圧力センサ52、前輪側回転セ
ンサ54、後輪側回転センサ56、横加速度センサ57、コン
トローラ58を備えている。
前記油圧供給機構50は、第4図に示すように、エンジ
ンを回転駆動源とし、タンク62内のオイルを吸入,加圧
してこれを前記入力ポート46に供給するオイルポンプ64
と、このオイルポンプ64の吐出側に併設された電磁比例
制御形の減圧弁でなる圧力制御弁66とを有している。こ
のため、圧力制御弁66の比例ソレノイド66Aに供給する
指令電流iの値に比例して供給圧Pが第5図に示すよう
に設定される。
前記圧力センサ52は、油圧供給機構50の供給側の所定
位置に装備され、その供給圧Pを検知してこれに応じた
アナログ電圧でなる油圧信号pをコントローラ58に出力
する。また、前輪側回転センサ54及び後輪側回転センサ
56は、前輪側出力軸16及び後輪側のプロペラシャフト22
の所定位置に個別に装備され、各軸の回転数に応じたパ
ルス信号による回転信号nf,nrを個別にコントローラ58
に出力する。横加速度センサ57は、車両の所定位置に装
備され、車両の横方向の加速度(求心加速度に相当)を
検知してこれに応じたアナログ電圧でなる横加速度信号
gYをコントローラ58に出力する。
前記コントローラ58は、第4図に示すように、マイク
ロコンピュータ70と、圧力センサ52,横加速度センサ57
の検出値を各々A/D変換してマイクロコンピュータ70に
出力するA/D変換器72,73と、マイクロコンピュータ70か
らの制御信号をD/A変換するD/A変換器76と、このD/A変
換器76の出力に応じて圧力制御弁66に指令電流Iを供給
する駆動回路78とを有している。
前記マイクロコンピュータ70はインターフェイス回路
80,演算処理装置82,記憶装置84を少なくとも含んで構成
される。演算処理装置82は、各検出信号をインターフェ
イス回路80を介して読み込み、予め格納されている所定
プログラムにしたがって駆動力配分制御のための演算・
制御処理等を行う。また、記憶装置84は、演算処理装置
82の処理の実行に必要なプログラム及び固定データ等を
予め記憶しているとともに、その処理結果を一時記憶可
能になっている。この内、固定データとしては、第6図
に示す如くの求心加速度をパラメータとする回転速度差
ΔNと指令電流iとの関係を示した制御特性に対応した
記憶テーブル、油圧信号pから油圧Pをルックアップす
るための記憶テーブル及び横加速度信号gYから横加速度
GYをルックアップするための記憶テーブルを含む。
次に、上記実施例の動作を説明する。
キースイッチがオンとなると、電源が投入され、コン
トローラ58での制御が開始される。そして、コントロー
ラ58では、所定のメインプログラムを実行するととも
に、タイマ割込により第7図に示す処理を実行する。
一方、エンジンが回転されると、油圧供給機構50のオ
イルポンプ64が作動開始し、指令電流iの値に対応した
油圧Pを供給可能になる。
第7図のタイマ割込処理を説明する。
同図のステップでは、指令電流値iがiMAXにセット
されているか否かを判定し、i=iMAXであるときには後
述するステップにジャンプし、i<iMAXであるときに
はステップに移行する。このステップでは、演算処
理装置82は、前輪側回転センサ54及び後輪側回転センサ
56による回転信号nf及びnrを各々所定時間づつ読み込
む。次いで、ステップでは、単位時間当たりのパルス
数又はパルス間隔を演算することによる前輪側回転速度
Nf及び後輪側回転速度Nrを演算し、ステップに移行す
る。このステップにおいては、ΔN=Nr−Nfの式によ
り、回転速度差ΔNを演算する。
次いで、ステップにおいて、演算処理装置82は圧力
センサ52に係る圧力信号pを読み込む。そして、ステッ
プにおいて、記憶テーブルを参照することにより油圧
供給機構50が実際にクラッチ37に供給している油圧Pを
算出する。
次いで、ステップに移行し、クラッチ伝達トルクΔ
Tを、 ΔT=P・S・2n・μ・rm ……(1) の式に基づき演算する。ここで、Sはピストン37eの圧
力作用面積,nはフリクションディスク枚数,μはクラッ
チ板の摩擦係数,rmはフリクションディスクのトルク伝
達有効半径である。
続いて、ステップにおいて、クラッチ板の発熱量Q
を、 Q=K・ΔN・ΔT ……(2) の式に基づき演算する。ここで、Kはクラッチ板枚数,
面積等により定まる定数、ΔNはステップにおいて演
算した回転速度差、ΔTはステップにおいて演算した
クラッチ伝達トルクである。したがって、この式によれ
ば、回転速度差ΔNとクラッチ伝達トルクΔTとが大き
いほど、発熱量Qが大きくなる。この発熱による等発熱
曲線を示すと、例えば第8図中の曲線(A)〜(C)の
ようになる。同図において曲線(B)は熱的限界を示
し、これ以上の発熱が継続する場合は焼損等の恐れがあ
る。そこで、そのようなときには前輪側,後輪側の回転
速度を同じくして回転速度差ΔNを零とすれば、発熱が
生じないことになる。
そこで、次いでステップに移行し、現在の発熱具合
を調べる。まず、ステップで求めた発熱量Qに対し
て、ステップでQ>Q0か否かの判断を行う。Q0は予め
定めた基準発熱量であり、クラッチ37の焼損発生を弁別
できる値に設定されている。この判断でQ≦Q0の場合
は、車両は例えば比較的摩擦係数の大きい良路を走行し
ており、クラッチ伝達トルクΔT,回転速度差ΔNが共に
比較的小さく、焼損等の恐れがないとして、次いでステ
ップ〜に移行し、クラッチ締結力の通常制御を行っ
た後、メインプログラムに復帰する。
この通常制御を詳述すると、ステップでは横加速度
信号gYを読み込み、ステップでは横加速度信号gYの値
に対応した横加速度GY(求心加速度に相当)を記憶テー
ブルをルックアップすることにより求める。次いで、ス
テップに移行し、第6図に対応した記憶テーブルを参
照し、ステップで求めた横加速度GYをパラメータとし
て曲線を選択し且つ回転速度差ΔNに対応した電流値を
決定し、これを記憶装置84の指令電流iに相当する所定
領域にセットする。これによって、回転速度差ΔNが同
一値であっても、例えば比較的緩やかな旋回走行であっ
て低い求心加速度が発生しているとき(第6図中の低ゲ
インの制御特性(A)参照)と、例えば急旋回走行であ
って高い求心加速度が発生しているとき(同図中の高ゲ
インの制御特性(B)参照)とでは、異なった値の指令
電流iが決定される。この場合、通常、回転速度差ΔN
が小さく、指令電流iは0〜i1の間の値が決定される。
次いで、ステップに移行し、演算処理装置82は、そ
の時点でセットされている指令電流iの値に対応した制
御信号をD/A変換器76に出力する。このD/A変換器76によ
ってアナログ化された制御信号を受けた駆動回路78は、
設定値の指令電流iを圧力制御弁66に出力する。これに
よって、トランスファー14の入力ポート46には、前述し
たように、指令電流i=0〜i1に応じた油圧P=0〜P1
が供給される(第5図参照)。そして、この油圧Pに対
応した範囲でクラッチ締結力が増減され、これに応じて
前後輪へのトルク配分比が例えば「0:100」〜「30:70」
の範囲で制御され、適宜に2輪又は4輪駆動となり、こ
れにより路面状況等に対応した的確な走行性が確保され
る。
一方、所定時間毎にタイマ割込を繰り返す中で、前記
ステップにおいてQ>Q0であると判断されたとする。
この場合は、例えば砂地走行等によってクラッチ伝達ト
ルクΔT及び回転速度差ΔNが共に比較的大きく、現在
のクラッチ37の発熱量が大きいと認識して、ステップ
に移行する。ステップでは、一度Q>Q0の状態になっ
てから一定時間T1以上が既に経過したか否かを、図示し
ないカウンタを各回毎にインクリメントし且つそのカウ
ンタ値を所定値と比較することによって行う。
つまり、ステップの判断で未だ一定時間T1が経過し
ていない場合は、クラッチ37に焼損発生の可能性が無い
として、前記ステップ〜の通常制御を行う。
しかし、ステップの判断で一定時間T1又はそれ以上
が経過した場合は、焼損の可能性があるとして、ステッ
プで、記憶装置84の指令電流iに対応した所定領域に
その最大指令電流値iMAX(第5図参照)をセットした
後、ステップに移行する。
このステップでは、一度i=iMAXに強制セットして
から、一定時間T2が経過したか否かを前述したステップ
と同様にして判断する。この一定時間T2はクラッチ37
の冷却時間を稼ぐためのものである。そして、一定時間
T2が経過していない場合は、ステップに移行して、最
大指令電流値iMAXに応じた制御信号をA/D変換器76に出
力する。これによって、クラッチ37に印加される油圧P
がその最大値PMAXとなる。この結果、クラッチ37の摩擦
力,即ちクラッチ締結力が最大になり、前後輪の駆動力
配分比はほぼ等しい値となり、前後輪の回転差ΔNが略
零となる。つまり、前記第(2)式におけるΔN≒0と
なることで、直接的にはクラッチ板の発熱に起因したク
ラッチ発熱量Q≒0となる。
さらにその後、ステップにおける判断が一定時間T2
経過となるまで、ステップ,,が繰り返されるた
め、その後の発熱が殆ど無く、従ってクラッチ37は安全
領域(第8図中の曲線(B)以下の状態)まで冷却さ
れ、焼損が確実に回避される。このとき、車両はリジッ
トな4輪駆動状態であるから、例えば砂地走行によって
かかる状態に陥った場合でも、その走破性が失われると
いうこともない。
一方、タイマ割込処理を繰り返す中で、前記ステップ
の判断が「YES」となった場合は、一定時間T2の冷却
期間を経たことで温度が充分低下したとして、前記ステ
ップ〜の通常制御に復帰して、前述の制御が繰り返
される。
ここで、本実施例では、前輪側回転センサ54、後輪側
回転センサ56及び第7図のステップ〜の処理により
前後輪回転速度差検出手段が構成され、圧力センサ52及
び第7図のステップ〜の処理によってクラッチ伝達
トルク検出手段が構成され、第7図のステップ,の
処理により発熱量を演算する演算手段が構成され、第7
図のステップ,の処理により発熱具合を判定する判
定手段が構成され、ステップ〜の処理によってクラ
ッチ制御手段が構成され、第7図のステップ,,
及びD/A変換器76,駆動回路78,油圧供給機構50によって
クラッチ発熱抑制手段が構成される。
なお、上記実施例におけるクラッチ伝達トルク検出手
段は、圧力センサ52を用いて摩擦クラッチ37に印加する
油圧Pを検出し、この検出値に基づき演算によってクラ
ッチ伝達トルクΔTを推定するとしたが、この発明は必
ずしもこれに限定されることなく、例えば、トルクセン
サを前輪側出力軸16(第2図,第4図参照)に装備し、
その検出値に基づき前輪側に伝達される駆動トルクを算
出し、この算出値からクラッチ伝達トルクΔTを算出す
るようにしてもよい。また、クラッチ伝達トルクΔT
は、クラッチ印加油圧P,指令電流値iに略比例するか
ら、記憶装置84で逐次更新されている指令電流値iの値
を読み出し、この値からΔTを推定演算してもよい。そ
の際、駆動回路78から圧力制御弁66の比例ソレノイド66
Aに実際に供給されている指令電流iを検出する電流セ
ンサを装備し、この検出値を用いて演算の正確性を期す
こともできる。
また、この発明における前輪側及び後輪側回転速度検
出手段は、前輪2FL,2FR及び後輪2RL,2RRの回転速度を検
出するようにしてもよい。
さらに、前記実施例ではクラッチとして湿式多板クラ
ッチを採用した場合を説明したが、このクラッチはその
締結力を連続的に変化できるものであれば、例えば電磁
クラッチであってもよい。
さらにまた、この発明は、後輪駆動車をベースにした
4輪駆動車に限定されるものではなく、前輪駆動車をベ
ースにした4輪駆動車に搭載されるトランスファーのク
ラッチに対するものであってよく、その場合、回転速度
差ΔN=Nf−Nrとして演算すればよい。
さらにまた、この発明では、コントローラ58のマイク
ロコンピュータ70の代わりに、カウンタ,比較器等の電
子回路を用いて構成するとしてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明してきたように、この発明は、通常状態で
は、クラッチ制御手段によって、横加速度検出値に基づ
いて回転速度差に対する前記指令値の変換特性を選択
し、選択された変換特性に基づいて前記前後輪回転速度
差検出手段の回転速度差から前記指令値を算出してトラ
ンスファーのクラッチを制御することにより、車両の旋
回走行状態に応じて最適な状態にクラッチを制御して走
行安定性を確保し、クラッチの発熱量がこのクラッチの
焼損等を引き起こす恐れのある状態になったことを判定
し、このような状態が判定されたときには、クラッチ発
熱抑制手段によって、所定の冷却時間だけ前記クラッチ
制御手段によるクラッチ制御を中断し、この間にクラッ
チの締結力を通常より大巾に高めるようにしたため、先
願記載の場合とは異なり、斯かる発熱状態の場合には必
ずリジッドな四輪駆動状態に強制設定され、前,後輪側
の回転差がほぼ零となることから、例えば砂地走行等で
あってもクラッチの発熱が的確に抑制され、これによっ
て、熱的破壊,焼き付き等の焼損状態を回避できる一
方、走破性などの駆動性能も四輪駆動状態であるために
良好な状態を確保でき、所定冷却時間が経過したときに
はクラッチ制御手段によるクラッチ制御を再開して走行
安定性を確保することができるという優れた効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の構成を示す特許請求の範囲との対応
図、第2図はこの発明の一実施例の概略を示す構成図、
第3図は第2図の実施例におけるトランスファーを示す
概略断面図、第4図は第2図の実施例におけるコントロ
ーラを中心とするブロック図、第5図は指令電流iと供
給圧Pとの関係を示すグラフ、第6図は回転速度差ΔN
と指令電流iとの関係を示すグラフ、第7図はコントロ
ーラにおいて実行される処理手順を示す概略フローチャ
ート、第8図はクラッチの等発熱量曲線を示すグラフで
ある。 図中、1はエンジン、4は駆動力配分制御装置、14はト
ランスファー、16は前輪側出力軸、22はプロペラシャフ
ト、37はクラッチ、50は油圧供給機構、52は圧力セン
サ、54は前輪側回転センサ、56は後輪側回転センサ、58
はコントローラである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンから伝達された駆動力を前後輪に
    配分するトランスファーを備え、このトランスファー
    は、指令された値の締結力によって該トランスファーの
    前輪側と後輪側とを締結するクラッチを有し、前記締結
    力を車両の走行状況に応じて変更するようにした四輪駆
    動車の駆動力配分制御装置において、 車両の前後輪の回転速度差を検出する前後輪回転速度差
    検出手段と、車両の横加速度を検出する横加速度検出手
    段と、該横加速度検出手段の横加速度検出値に基づいて
    回転速度差に対する前記指令値の変換特性を選択し、選
    択された変換特性に基づいて前記前後輪回転速度差検出
    手段の回転速度差から前記指令値を算出して前記クラッ
    チを制御するクラッチ制御手段と、前記クラッチにより
    前後輪側間を伝達されるトルクを検出するクラッチ伝達
    トルク検出手段と、前記前後輪回転速度差検出手段の回
    転速度差と前記クラッチ伝達トルク検出手段のクラッチ
    伝達トルクとの積によるクラッチ発熱量を演算する演算
    手段と、この演算手段による演算結果が一定値以上にな
    り且つその状態が一定時間以上継続する所定のクラッチ
    発熱状態か否かを判定する判定手段と、この判定手段に
    よる判定結果が所定のクラッチ発熱状態であるときに、
    前記クラッチ制御手段のクラツチ制御を所定の冷却時間
    だけ中断し、この間に前記クラッチの締結力を最大値又
    はその近傍値まで増加させるクラッチ発熱抑制手段とを
    備えたことを特徴とする四輪駆動車の駆動力配分制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記クラッチ伝達トルク検出手段は、前輪
    側へ伝達されるトルクを検知するトルクセンサを有した
    構成である請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御
    装置。
  3. 【請求項3】前記クラッチは油圧駆動の多板クラッチで
    成り、前記クラッチ伝達トルク検出手段は前記多板クラ
    ッチに印加する作動油の圧力を検知する圧力センサを有
    している請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装
    置。
  4. 【請求項4】前記クラッチは油圧駆動の多板クラッチで
    成り、この多板クラッチに、油圧源からの油圧を指令電
    流の値に応じて制御し供給する圧力制御弁を備え、前記
    クラッチ伝達トルク検出手段は前記指令電流値を検知す
    る構成である請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分制
    御装置。
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