JP2615661B2 - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JP2615661B2
JP2615661B2 JP62225844A JP22584487A JP2615661B2 JP 2615661 B2 JP2615661 B2 JP 2615661B2 JP 62225844 A JP62225844 A JP 62225844A JP 22584487 A JP22584487 A JP 22584487A JP 2615661 B2 JP2615661 B2 JP 2615661B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) 本発明は、被測定軸に加えられるトルクを検出するの
に利用される磁歪式のトルクセンサに関するものであ
る。 (従来の技術) 従来より、この種の磁歪式のトルクセンサとしては、
例えば、第4図に示す構造のものがある。 第4図に示す磁歪式のトルクセンサ21は、磁気ひずみ
効果を持つ磁性体からなる被測定軸22の外周部に、当該
被測定軸22との間に間隙23をおいて、例えばパーマロイ
等の高透磁率材料より形成されたヨーク24を配設し、こ
のヨーク24には、前記被測定軸22を磁路の一部とする磁
気回路を形成する励磁手段としての励磁コイル25と、前
記被測定軸22を通る磁歪成分を検出する検出手段として
の検出コイル26とを設けた構造をなすものである。 このような構造をもつ磁歪式のトルクセンサ21は、励
磁コイル25に通電することにより、当該励磁コイル25か
ら発せられた磁束が、被測定軸22→間隙23→ヨーク24→
間隙23→被測定軸22を通る磁気回路が形成され、このと
き、検出コイル26には、誘導起電力が生じる。 前記誘導起電力が生じる状態において、被測定軸22に
ねじりトルクが加わると、この被測定軸22の磁気ひずみ
効果によって、当該被測定軸22自体の透磁率が変化する
ため、前記磁気回路を通る磁束密度に変化が生じ、自己
誘導により検出コイル26に発生する誘導起電力が変化し
て、この誘導起電力の変化を検出することによって、例
えば第5図に示すようなトルク−出力特性が得られ、前
記被測定軸22に加えられたねじりトルクを検出すること
ができる。 (発明が解決しようとする問題点) しかしながら、第4図に示すような構造の磁歪式のト
ルクセンサ21において、被測定軸22として通常の機械構
造用鋼(JIS SC,SCr,SCM,SNCMなど)から製作されてい
るものを用いた場合には、磁気ひずみ効果の検出量が小
さく、第5図に示す出力特性図において感度を示す角度
θが小さいことから、十分な検出感度を得ることができ
ないとともに、同じく第5図に示す出力特性図において
ヒステリシスを示す幅hが大きくなり、正確なトルクの
検出が行い難いという問題点を有していた。 また、軸の表面に磁歪を有する磁性金属薄帯を固定し
た被測定軸を用いることも考えられているが(例えば、
特開昭59−61730号,特開昭59−181575号)、磁歪金属
薄帯の固定手段に種々の問題を伴いやすく、軸の表面か
ら剥離を生ずることもありうるという問題点を有してい
た。 (発明の目的) 本発明は、上述した従来の問題点に着目してなされた
もので、磁性金属薄帯の剥離などといった欠点がなく、
十分な検出感度を得ることができるとともに、ヒステリ
シスが小さく、静止軸や回転軸などの被測定軸に加えら
れているトルクの検出を正確に行うことができるトルク
センサを提供することにより、上記問題点を解決するこ
とを目的とするものである。
【発明の構成】
(問題点を解決するための手段) 本発明は、被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部と
する磁気回路を形成する励磁手段と、前記被測定軸を通
る磁歪成分を検出する検出手段を備えたトルクセンサに
おいて、前記被測定軸の全体が、重量%で、Niを32〜85
%含み、必要に応じてさらにCを0.50%以下と、Si,Mn
のうちの1種または2種を合計で2.0%以下との少なく
ともいずれかを含み、同じく必要に応じてさらにCr,Mo,
W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hfのうちの1種または2種以上を合計
で7.0%以下を含み、または必要に応じてさらにCを0.0
5%以下と、Si,Mnのうちの1種または2種を合計で2.0
%以下との少なくともいずれかを含み、これに加えてT
i,Al,Nbのうちの1種または2種以上を合計で7.0%以下
を含み、残部が実質的にFeからなるFe−Ni系合金を素材
としていることを特徴としている。 さらに、被測定軸は、Niの一部がCu,Coのうちの1種
または2種の合計で10%以下の範囲で置換されたFe−Ni
系合金を素材としていることを特徴としている。 本発明に係るトルクセンサは、上記のように、被測定
軸と、前記被測定軸を磁路の一部とする磁気回路を構成
する励磁手段と、前記被測定軸に発生する磁歪成分を検
出する検出手段を備えた構造をなすものであるが、この
場合、例えば、前記励磁手段と検出手段は、それぞれ別
個のコイルすなわち励磁コイルと検出コイルとから構成
されることができ、あるいは共通のコイルから形成して
当該コイルの透磁率変化によるインダクタンス変化を検
出するようにした構成とすることもできる。さらに、被
測定軸には、その軸心方向に対して所定の角度をなす凹
凸状部を形成して、形状的な磁気異方性を付与するよう
になすこともできるが、このような構造に限定されるこ
とはなくその他種々の構成を採用することが可能であ
る。 本発明に係る磁歪式のトルクセンサでは、被測定軸と
して、その全体が上述した特性成分を有するFe−Ni系合
金を素材としたものを用いることを特徴とするものであ
り、以下にその成分組成(重量%)の限定理由について
説明する。 Ni:32〜85% Fe−Ni系の二元系合金において、Fe中のNi量が32〜85
%の範囲では、磁歪成分の検出感度が高くなり、かつヒ
ステリシスを小さくする特徴を有している。この場合、
Fe−Ni二元系の合金のみからなる被測定軸に対して、塑
性変形を生じるような大きなトルクが加えられるときに
は、塑性変形の発生によってヒステリシスが大きくなる
ので、塑性変形を生じるような大きなトルクが加えられ
る用途では、次に示すような合金元素を添加して強度の
向上をはかるようにすることが必要に応じて望ましい。 C:0.50%以下 Cは、被測定軸、例えばドライブシャフトやコラムシ
ャフトなどの動力伝達系、その他の静止あるいは回転軸
構造体として要求される強度を確保するために有効な元
素で、固溶強化によって強度の向上をはかることを目的
として素材中に添加することも必要に応じて望ましい。 しかし、多すぎると加工性に悪影響を及ぼしたりする
ので0.50%以下とすることが望ましく、とくに後記する
ようにTi,Al,Nbを添加する場合にはγ′相である(Ni3
(Ti,Al,Nb))の微細析出を妨げたりするのでC量は0.
05%以下とするのがよい。 Si,Mn:合計で2.0%以下 Si,Mnは溶製時の脱酸,脱硫剤として作用するととも
に、固溶強化によって強度を高める効果を有しているの
で適量添加することも必要に応じて望ましいが、多すぎ
ると加工性を低下させることがあるため、Si,Mnのうち
の1種または2種の合計で2.0%以下とするのがよい。 Cr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hf:合計で7.0%以下 Cr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hfは、固溶強化によって強度
を向上させたり、微細炭化物の析出によって強度を向上
させたりするのに有効な元素であるので、必要に応じて
適量添加することも望ましいが、多過ぎると加工性を低
下させたり、ヒステリシスを増加させたり、感度を低下
させたりするなどの不具合をもたらすので、添加すると
してもこれらの元素のうちの1種または2種以上の合計
で7.0%以下とするのがよい。 Ti,Al,Nb:合計で7.0%以下 Ti,Al,Nbはγ′相であるNi3(Ti,Al,Nb)を微細析出
させて強度の向上をはかるために有効な元素であるが、
多すぎると、ヒステリシスを増加させたり感度を低下さ
せたりする悪影響があるので、Ti,Al,Nbのうちの1種ま
たは2種以上の合計で7.0%以下とした。この場合のC
量は、これが多すぎると上記γ′相の微細析出を妨げる
悪影響を引き起こすので0.05%以下とするのがよい。 Cu,Co:合計で10%以下 Cu,CoはFe−Ni系合金の強度を向上させる作用を有し
ているので、Niの一部をCu,Coで置換することもでき
る。しかし置換量が多すぎると出力特性に悪影響を及ぼ
すので、Cu,Coの1種または2種の合計で10%以下の置
換量とするのがよい。 また、上記組成をもつFe−Ni系合金よりなる被測定軸
に対しては、必要に応じて熱処理を施すことも望まし
い。 (実施例) 第1図はこの発明の実施例におけるトルクセンサを示
している。 図に示すトルクセンサ1は、その全体が後出の第1表
に示す組成のFe−Ni系合金からなる被測定軸2を用いて
おり、この被測定軸2の表面には、当該被測定軸2の軸
心方向に対し所定の角度をなす凹状部3a,3bおよび凸状
部4a,4bが適宜なる間隔をもって当該被測定軸1と一体
に形成してあり、これら凹状部3a,3bおよび凸状部4a,4b
によって形状磁気異方性を持つようにしてある。 この場合、前記一方の凹状部3aおよび凸状部4aと、他
方の凹状部3bおよび凸状部4bとは、軸心方向に対し同じ
傾斜角度(例えばこの実施例では45°)でかつ互いに反
対方向に傾斜した状態で一対をなすものとして設けてあ
る。 また、このトルクセンサ1は、前記被測定軸2のほか
に、当該被測定軸2に形成した一方の凹状部3aおよび凸
状部4aと、他方の凹状部3bおよび凸状部4bに対向して配
置させた一対のコイル5a,5bを有しており、前記コイル5
a,5bの外側に、かつ被測定軸2との間で間隙6をおい
て、高透磁率材料よりなる円筒状のヨーク7を設けた構
造をなすものである。この場合、コイル5a,5びは、被測
定軸2を磁路の一部とする磁気回路を形成する励磁手段
と、前記被測定軸2を通る磁歪成分を検出する検出手段
とに共通して使用されるものとなっている。 このような構造のトルクセンサ1において、コイル5
a,5bは、第2図に例示するように、抵抗器11,12と組合
わされてブリッジ回路を構成し、このブリッジ回路にバ
ランス用の可変抵抗器13を設けると共に、ブリッジ回路
の接続点A,C間には励磁用発進器14を接続して励磁方向
を同一方向に合わせ、接続点B,B′間には差動増幅器15
を接続して、出力端子16,17より検出出力を取り出すこ
とができるようにしてある。 次に、前記第1図に示したトルクセンサ1を第2図に
示した電気回路に接続した場合の動作について説明す
る。 まず、作動に際しては、励磁用発振器14より、コイル
5a,5bに一定振幅(V)および周波数(f)の交流を通
電する。この通電によって、被測定軸2→間隙6→ヨー
ク7→間隙6→被測定軸2を磁路とする磁力線が、コイ
ル5a,5bを取り囲むように発生する。 ところで、通電する交流の周波数(f)を高くする
と、被測定軸2にはうず電流が増加する。そして、うず
電流の分布は被測定軸2の中心に近いほど強く、表面で
は零となる。そのため、表面での磁化は外部磁場の変化
に追従できても、内側になると磁化の変化は妨げられる
ようになる。 したがって、前記の磁力線は被測定軸2の表面部分を
流れ、被測定軸2には凹状部3a,3bが、当該被測定軸2
の軸心方向と所定の角度をなすように形成してあるた
め、これが磁気抵抗となり、凸状部4a,4bを主体に流れ
ることになる。それゆえ、前記凹状部3a,3bおよび凸状
部4a,4bによる形状磁気異方性の効果が現われる。 上記凹状部3a,3bおよび凸状部4a,4bの軸心方向に対す
る角度は、一方の凹状部3aおよび凸状部4aと他方の凹状
部3bおよび凸状部4bとが互いに逆方向でかつ等しい角度
を有するものとしているが、前記角度が最も望ましいの
は、被測定軸2にトルクが印加された場合の主応力方
向、すなわち、右45°方向および左45°方向をなすよう
にすることである。この理由は、前記磁力線は主応力方
向を主体に流れ、かつ凸状部4a,4bは被測定軸2の最表
面部であるから最もひずみが大きいところであり、この
ひずみによる磁性体の透磁率変化を最も効果的にひき出
すことができるためである。 そして、被測定軸2に対して第1図に示すT方向にト
ルクが印加されると、一方の凸状部4aは右45°方向に形
成されているため、最大引張応力+σが作用し、反対
に、他方の凸状部4bは左45°方向に形成されているた
め、最大圧縮応力−σが作用する。 ここで、被測定軸2が正の磁気ひずみ効果を有してい
れば、一方の凸状部4aの透磁率はトルク零のときに比べ
て増大し、逆に、他方の凸状部4bの透磁率はトルク零の
ときに比べて減少する。 したがって、一方のコイル5aのインダクタンスは増大
し、他方のコイル5bのインダクタンスは減少するので、
第2図に示したブリッジ回路のバランスがくずれ、出力
端子16,17間にトルクに対応した出力が生じる。 また、トルクが逆方向に印加された場合には、前述し
たのと逆の作用により、一方のコイル5aのインダクタン
スは減少し、他方のコイル5bのインダクタンスは増大す
るので、第2図に示したブリッジ回路のバランスがくず
れ、出力端子16,17間にトルクに対応した出力が生じ
る。 これをさらに具体的に説明すれば、コイル5a,5bのイ
ンダクタンスをそれぞれL1,L2とし、抵抗11,12の抵抗
値をRとし、励磁用発振器14の電圧をV,周波数をfとし
たときに、ブリッジ回路A−B−Cを流れる電流をi1
回路A−B′−Cを流れる電流をi2とすると、 となり、 B点の電位V1は、V1=i1・R B′点の電位V2は、V2=i2・R となる。 そこで、B−B′の電位差は|V1−V2|すなわち、 で表わされ、これを差動増幅器15で求めることによりト
ルクの検出を行う。 本発明の実施例におけるトルクセンサ1では、凹状部
3a,3bおよび凸状部4a,4bをその傾きが反対である一対の
ものとし、それぞれにコイル5a,5bを対向させて、前述
凹状部3a,3bおよび凸状部4a,4bにおける磁性変化の差を
ブリッジ回路により検出するようにしているので、被測
定軸2の透磁率が温度によって変化したとしても、出力
の零点は動かないものとすることができ、トルクの検出
精度の高いものとすることが可能である。 この実施例において、被測定軸2は第1表に示す化学
成分を有するFe−Ni系合金を素材としている。そして、
50KgのFe−Ni系合金をそれぞれ真空誘導炉中で溶製した
のち、鍜造し、炭化物やγ′相を固溶させるための溶体
化処理(1000℃の温度に加熱後水冷を行う熱処理,ただ
し、Fe−Ni系の二元系で除く)を行ったあと被測定軸2
となる形状に機械加工を施し、次いで同じく第1表に示
す条件で熱処理を行って被測定軸2を作製した。 前記被測定軸2は、直径が20mmの軸の表面部分に、軸
心方向に対し所定の角度(この実施例では45°)を有す
る幅2mm,段差1mmの凹状部3a,3bおよび凸状部4a,4bが一
体に形成してある構造をなすものである。 次に、上記各被測定軸2を用いた第1図に示した構造
のトルクセンサ1において、第2図に示した電気回路図
の励磁発振器14より、コイル5a,5bに対して周波数30kH
z,電流100mAの交流を供給することによって、被測定軸
2→間隙6→ヨーク7→間隙6→被測定軸2を磁路とす
る磁気回路を形成させておき、この状態で左右回転方向
にそれぞれ5kgf・mのトルクを印加した際の前記被測定
軸2の透磁率変化をコイル5a,5bにおいてインダクタン
スの変化として交流ブリッジにより検出し、このときの
各トルクセンサ1の出力感度(第3図の角度θ)および
ヒステリシス(第3図の幅h)を調べた。これらの結果
を同じく第1表に示す。 第1表に示す結果から明らかなように、Ni量が32〜85
%の範囲にあり、NiとFeのみから構成されたFe−Ni系合
金を素材とする本発明例No.1,2の場合には、感度が3.5N
o.4.4V/Kgf・m,ヒステリシスが3〜4%となっていて、
感度およびヒステリシスの両方がともに良好である。 一方、Ni量が32%に満たない30.1%であって、FeとNi
のみから構成されたFe−Ni系合金を素材とする比較例N
o.21の場合には、感度が1.9V/Kgf・m,ヒステリシスが18
%となっていて、感度は良好であるがヒステリシスが大
きい。 また、Ni量が32〜85%の範囲にあり、CとSi,Mnとを
適量含有するFe−Ni系合金を素材とする本発明例No.3,4
の場合にも感度およびヒステリシスがともに良好であ
り、Niの一部をCu,Coで置換した本発明例No.5,6の場合
も良好な結果となっている。 さらに、Ni量が32〜85%の範囲にあり、CとSi,Mnと
を適量含有するとともに、Cr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hfの
うちの1種または2種以上を適量含有し且つ適宜Niの一
部を適量のCoで置換したFe−Ni系合金を素材とする本発
明例No.7〜13の場合にも感度およびヒステリシスがとも
に良好である。 他方、Ni量およびC,Si,Mn量は適量であるものの、Cr,
Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hfのうちの1種または2種以上が
合計で7.0%を越えた7.71%であるFe−Ni系合金を素材
とする比較例No.22の場合には、感度が0.7V/Kgf・m,ヒ
ステリシスが10%となっていて、感度が低くヒステリシ
スは大きいという好ましくない結果となっていた。 さらにまた、Ni量が32〜85%の範囲にあり、Cを0.05
%以下におさえるとともにSi,Mn量を適量含有し、さら
にTi,Al,Nbのうちの1種または2種以上を適量含有し且
つ適宜Niの一部を適量のCoで置換したFe−Ni系合金を素
材とする本発明例No.14〜19の場合にも感度およびヒス
テリシスがともに良好である。 これに対して、Ni量およびC,Si,Mn量は適量であるも
のの、Ti,Al,Nbの合計が7.0%を超えた9.46%であるFe
−Ni系合金を素材とする比較例No.23の場合には、感度
が0.5V/Kgf・m,ヒステリシスが9%となっていて、感度
が低くヒステリシスは大きいという好ましくない結果で
あった。 なお、上記実施例では、コイル5a,5bが励磁手段用の
コイルと検出手段用のコイルとに共通使用されているト
ルクセンサ1を例にとって説明したが、そのほか、第4
図に例示したトルクセンサ21のように、被測定軸22の外
周部に、当該被測定軸22との間に間隙23をおいて、高透
磁率材料からなるヨーク24を配設し、このヨーク24に
は、励磁手段としての励磁コイル25と検出手段としての
検出コイル26とを設けた構造をなすものとすることもで
き、特に限定されない。
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明は、被測定軸と、前
記被測定軸を磁路の一部とする磁気回路を形成する励磁
手段と、前記被測定軸を通る磁歪成分を検出する検出手
段を備えたトルクセンサにおいて、前記被測定軸の全体
が、重量%で、Niを32〜85%含み、必要に応じてさらに
Cを0.50%以下と、Si,Mnのうちの1種または2種を合
計で2.0%以下との少なくともいずれかを含み、おなじ
く必要に応じてさらにCr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zr,Hfのうち
の1種または2種以上が合計で7.0%以下を含み、また
は必要に応じてさらにCを0.05%以下と、Si,Mnのうち
の1種または2種を合計で2.0%以下との少なくともい
ずれかを含み、これに加えてTi,Al,Nbのうちの1種また
は2種以上を合計で7.0%以下を含み、同じく必要に応
じてNiの一部をCu,Coのうちの1種または2種の合計で1
0%以内の範囲で置換し、残部が実質的にFeからなるFe
−Ni系合金を素材としているものであるから、従来の軸
の表面に磁歪を有する磁性金属薄帯を接着剤等により固
定した被測定軸のように、より大きな負荷の伝達や接着
剤の強度不足や接着剤の経時劣化等により軸の表面から
磁性金属薄帯の剥離を生じることがあるという不具合は
全くなく、かつまた、被測定軸の強度を十分に確保した
うえで、当該トルクセンサの出力感度を良好なものにす
ることが可能であるとともに、ヒステリシスを小さなも
のにすることができるようになる。 そして、特に動力伝達軸のような負荷の大きい回転軸
それ自体を被測定軸として使用し、当該回転軸に加えら
れるトルクを検出する場合において、回転軸の強度を十
分に確保したうえで、トルクセンサの検出感度を大きな
ものにすることができると同時に、ヒステリシスを小さ
なものにすることができ、トルクの検出をきわめて簡便
な構成にしてしかも正確に行うことができるという非常
に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用されるトルクセンサの構造例を示
す軸方向断面説明図、第2図は第1図のトルクセンサに
接続する電気回路の構成を例示する説明図、第3図は第
1図のトルクセンサの出力特性を示すグラフ、第4図
(a)(b)はトルクセンサの他の構造例を示す各々軸
方向説明図および軸直角方向説明図、第5図は第4図の
トルクセンサの出力特性を示すグラフである。 1,21…トルクセンサ、2,22…被測定軸、5a,5b…コイル
(励磁手段および検出手段)、25…励磁コイル(励磁手
段)、26…検出コイル(検出手段)。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部と
    する磁気回路を形成する励磁手段と、前記被測定軸を通
    る磁歪成分を検出する検出手段を備えたトルクセンサに
    おいて、前記被測定軸の全体が、重量%で、Niを32〜85
    %含み、残部が実質的にFeからなるFe−Ni系合金を素材
    としていることを特徴とするトルクセンサ。
  2. 【請求項2】Niの一部がCu,Coのうちの1種または2種
    の合計で10%以下の範囲で置換されたFe−Ni系合金を素
    材としていることを特徴とする特許請求の範囲第(1)
    項に記載のトルクセンサ。
  3. 【請求項3】被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部と
    する磁気回路を形成する励磁手段と、前記被測定軸を通
    る磁歪成分を検出する検出手段を備えたトルクセンサに
    おいて、前記被測定軸の全体が、重量%で、Niを32〜85
    %含み、さらにCを0.50%以下と、Si,Mnのうちの1種
    または2種を合計で2.0%以下との少なくともいずれか
    を含み、残部が実質的にFeからなるFe−Ni系合金を素材
    としていることを特徴とするトルクセンサ。
  4. 【請求項4】Niの一部がCu,Coのうちの1種または2種
    の合計で10%以下の範囲で置換されたFe−Ni系合金を素
    材としていることを特徴とする特許請求の範囲第(3)
    項に記載のトルクセンサ。
  5. 【請求項5】被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部と
    する磁気回路を形成する励磁手段と、前記被測定軸を通
    る磁歪成分を検出する検出手段を備えたトルクセンサに
    おいて、前記被測定軸の全体が、重量%で、Niを32〜85
    %含み、さらにCを0.50%以下と、Si,Mnのうちの1種
    または2種を合計で2.0%以下との少なくともいずれか
    を含み、さらにCr,Mo,W,V,Nb,Ta,Ti,Zn,Hfのうちの1種
    または2種以上を合計で7.0%以下を含み、残部が実質
    的にFeからなるFe−Ni系合金を素材としていることを特
    徴とするトルクセンサ。
  6. 【請求項6】Niの一部がCu,Coのうちの1種または2種
    の合計で10%以下の範囲で置換されたFe−Ni系合金を素
    材としていることを特徴とする特許請求の範囲第(5)
    項に記載のトルクセンサ。
  7. 【請求項7】被測定軸と、前記被測定軸を磁路の一部と
    する磁気回路を形成する励磁手段と、前記被測定軸を通
    る磁歪成分を検出する検出手段を備えたトルクセンサに
    おいて、前記被測定軸の全体が、重量%で、Niを32〜85
    %含み、さらにCを0.50%以下と、Si,Mnのうちの1種
    または2種を合計で2.0%以下との少なくともいずれか
    を含み、さらにTi,Al,Nbのうちの1種または2種以上を
    合計で7.0%以下を含み、残部が実質的にFeからなるFe
    −Ni系合金を素材としていることを特徴とするトルクセ
    ンサ。
  8. 【請求項8】Niの一部がCu,Coのうちの1種または2種
    の合計で10%以下の範囲で置換されたFe−Ni系合金を素
    材としていることを特徴とする特許請求の範囲第(7)
    項に記載のトルクセンサ。
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