JP2612628B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2612628B2
JP2612628B2 JP2014235A JP1423590A JP2612628B2 JP 2612628 B2 JP2612628 B2 JP 2612628B2 JP 2014235 A JP2014235 A JP 2014235A JP 1423590 A JP1423590 A JP 1423590A JP 2612628 B2 JP2612628 B2 JP 2612628B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は非磁性支持体上に強磁性粉体を結合剤に分散
してなる磁性層を設けた磁気記録媒体に関し、特に範囲
の速度条件において走行性、耐久性に優れる磁気記録媒
体に関するものである。
〔従来の技術〕
磁気記録媒体においては、より高密度記録の要求が高
まり、その一つの対応手段として磁性層に用いる磁性粉
末材料を微粒子化し表面を平滑にすることが知られてい
る。
しかしながら磁性層の表面を平滑にすると磁気記録媒
体の走行中に於いて磁性層と装置系との接触の摩擦係数
が増大する結果、短期間の使用で磁気記録媒体の磁性層
が損傷を受け、あるいは磁性層が剥離する傾向がある。
このような問題に対処するため、脂肪酸、脂肪酸エス
テル、炭化水素、シリコーン化合物等の潤滑剤が用いら
れてきた。
最近VTRやパーソナルコンピュータまたはワードプロ
セッサ用といった民生用のフレキシブルディスクドライ
ブ装置が普及・一般化するにいたり、磁気記録媒体の使
用条件も低温下での使用、あるいは高温高湿下での使用
等広きにわたるようになってきた。従って、磁気記録媒
体は予測される種々の条件下においてもその走行耐久性
が変動することがないような安定したものでなければな
らないが従来知られているような潤滑剤では十分ではな
かった。
シリコーン化合物はその特異な表面改質能力と優れた
流動性から上記の問題解決に用いられてきた。
有機シリコーン化合物として下記の一般式〔II〕(特
公昭49−14249号)、および一般式〔III〕(特開昭50−
32904号)の化合物が知られている。
〔R、R′は炭素数7〜26の炭化水素基、nは1〜20の
整数〕 〔R、R′は炭素数8〜18の炭化水素基、R″は水素原
子またはメチル基、15≧m≧1、16≧(n1+n2)≧2〕 しかしながら、上記の一般式〔II〕の化合物は、耐久
性が改善されないばかりかバインダーとの相溶性が低く
ブルーミング現象を生ずるので好ましくない。これは炭
化水素基とシリコンとの結合が極性の乏しいエーテル結
合であるためと思われるが確かではない。
又、上記一般式〔III〕の化合物はビデオテープレコ
ーダのヘッドドラムとの動摩擦係数が高荷重時に高くな
り、ドラムとのきしみを生ずる場合もあり好ましくない
ことが判明した。また耐久性の改善もあまり見られなか
った。これは、分子中の親水性のアルキレンオキサイド
鎖によるものと思われるが確ではない。
そこで上記欠点を解決するため研究がなされ、非磁性
支持体に強磁性微粉末を結合剤中に分散せしめた磁性層
を設けてなる磁気記録体において、前記磁性層中に下記
の一般式〔IV〕で示される有機シリコーン化合物を含む
ことを特徴とする磁気記録体が提案された(特公昭56−
26890号)。
〔但し、上記の一般式〔IV〕において、R、R′および
R″は炭素数7〜21の飽和または不飽和の炭化水素基、
mは1〜100の整数、nは0〜250の整数を示し、m+n
≦300、 である。〕 この提案によって安定な走行性、耐摩耗性にすぐれ、
耐久性があり、かつブルーミング現象も大巾に改良され
ることがわかった。
近年、磁気記録の発展にともない、より高画質、高音
質の要請が高い。この要請に答えるために磁気記録媒体
はこれまで強磁性粉末の微粒子化、磁気記録媒体の高密
度化が進められてきた。また、磁気記録媒体が大量に消
費されてきて、メディアとして大量に消費されるように
なってくるとより安価でできることが要求される。その
技術として重層化が上げられる。それは上層で高画質用
の特性を持たせ、下層で高音質用の特性をもたせるため
適切な強磁性粉末が使用でき高密度化に有利であるから
である。また重層化は、その層によって適性な材質を使
えるために安価なコストで作製できる特徴も同時にも
つ、現在、電磁変換特性を上げるために磁性層表面の面
性を上げる方法が有効とされている。磁気テープの場
合、上層の表面性を上げるためには、下層の表面性を上
げなければならないが、それは下層に低分子のバインダ
ーを入れることにより、下層を柔らかくすることで表面
性を上げることができた。これにより重層テープは、優
れた電磁変換特性を持つ。
一方、こうした磁気記録媒体の電磁変換特性は、磁気
記録媒体が一定レベル以上の良好な走行性能を有してい
るとの前提の上で評価されるべき性質のものであり、従
って、磁気記録媒体においては、良好な走行性能を確保
するために磁性層表面の摩擦係数が小さいことが必要と
なる。
従って、非磁性支持体上に設けられた、上層及び下層
に所定量の潤滑剤を添加せしめ磁気記録媒体の優れた電
磁変換特性を発揮させるための走行性能を確保してい
る。
このような潤滑剤として前述の一般式(IV)の有機シ
リコーン化合物を重層構成の磁性層に用いると、ビデオ
出力が充分得られず、低速走行、高速走行においても10
0回摩擦後の摩擦係数(μ値)が上昇するという問題が
あった。そこで本発明者らは上記問題について鋭意検討
した結果、重層タイプの磁性層では潤滑剤の可塑化作
用、流動性が大きく影響していることがわかり少なくと
も最上層の磁性層に分枝かつ飽和の脂肪酸変性シリコー
ン化合物を用いることにより、上記欠点が解消できるこ
とを見出し本発明に至った。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、広範囲のテープ走行条件で走行性、
耐久性に優れる磁気記録媒体を提供することにある。特
に本発明の目的は良好なビデオ出力が得られ、低速走
行、高速走行においても又100回走行後においても良好
な摩擦係数を示す磁気記録媒体を提供することにある。
〔発明の構成〕
すなわち本発明の上記目的は非磁性支持体上に強磁性
粉末と結合剤からなる磁性層を複数層設けた磁気記録媒
体において、少なくとも最上層の磁性層に下記一般式
(I)で示される有機シリコーン化合物を含み、かつ最
上層の磁性粉末のBETによる比表面積が30m2/g以上、下
層の磁性粉末のBETによる比表面積が最上層のそれより
小さく、その差が5m2/g以上であることを特徴とする磁
気記録媒体によって達成することができる。
ここでRは炭素数7〜24の分岐・飽和の炭化水素基を
示す。
mは1〜100の整数、nは0〜250の整数であり、m≧
n/5を示す。
又更に好ましくは本発明の上記目的は前記磁性層中に
前記一般式(I)において、Rが一種又は多種の炭化水
素の混合であって、炭素数7〜24で各炭化水素基1個当
り、分枝構造を2個以上有する分岐・飽和の炭化水素基
である有機シリコーン化合物を含むことを特徴とする磁
気記録媒体によって達成することができる。
すなわち本発明は磁性層を設けた複数の磁性層を有す
る磁気記録媒体において前記一般式(I)のRに分枝か
つ飽和の炭化水素基を用いた有機シリコーン化合物を用
いた場合は、Rに直鎖の炭化水素基を用いた従来のもの
に比べ結合剤との相溶性が低くなり、磁性層を可塑化す
ることがなく、かつ流動性が高いために磁性層中で移動
しやすく、磁性層表面の有機シリコーン化合物が消費さ
れても常に必要量を磁性層表面に供給できる。そのた
め、電磁変換特性が劣化することなく、低速から高速ま
での広範囲のテープ走行条件で走行性、耐久性に優れる
磁気記録媒体が得られる。
このように広帯域の記録適性を持つ複数の磁性層を有
する磁気記録媒体は電磁変換特性はきわめて優れるもの
の、高記録密度に適した最上層は微粒子強磁性粉末を用
いることおよび表面がきわめて平滑であるため走行性を
高めるのがきわめて困難だった。これに対し少なくとも
最上層に一般式(I)で示される変性シリコーンを保持
させることにより余裕を持った電磁変換特性と走行性の
両立が可能となった。
また分枝脂肪酸変性タイプの有機シリコーンの中でも
特に変性に用いる脂肪酸が2個以上の分岐構造を持つも
のの場合、分子間の滑りが良好でこれまで公知のシリコ
ーンオイルでは到底実現できない優れた走行性すなわち
低速から高速まで良好に潤滑する事を見い出したもので
ある。
本発明に用いる有機シリコーン化合物としては具体的
には以下のような例があげられる。
Rとして好ましいものは炭素数9以上21以下の分岐・
飽和炭化水素基であるものが好ましい。
本発明の有機シリコーン化合物の使用量は、磁性層中
に内添する場合、添加する磁性層の強磁性粉末に対して
0.5〜10重量%が適当である。塗布型磁気記録媒体の表
面にトップコートする場合は2〜50mg/m2が適当であ
る。
使用量がこの範囲をこえると磁性層表面の、有機シリ
コーン化合物が過剰になり、貼りつき等の故障の原因に
なることがあるだけでなく、内添型の場合磁性層の結合
剤(バインダー)を可塑化する作用により却って耐久性
が低下する等の問題がある。
使用量がこの範囲を下まわると当然のことながら表面
量が不十分となり効果が得られない。
本発明の磁気記録媒体で磁性層が複数存在する場合は
最上層の厚みは3.5μm以下であるのが好ましい。
強磁性粉末は最上層と、それ以外の層(ただし「それ
以外の層」が複数ある時はテープ中での存在比率で荷重
平均した平均値)のBET比表面積が異なることが好まし
く5m2/g以上の差があることが好ましい。又、本発明の
効果を阻害しない範囲において単に磁性層のみならず、
非磁性中間層を磁性層の間や、下側(支持体側)に設け
てもよい。
最上層の厚みを3.5μm以下で均一な積層磁性層を形
成するには最上層を塗布する際それ以下の層が乾燥した
状態である逐次重層方式では実質的に困難であり、本発
明では特開昭62−212933に示されるような逐次湿潤(ウ
ェットオンウェット)重層塗布方式を用いることにより
本発明の特徴を発揮できる磁気記録媒体が得られる。
本発明においては、その他の潤滑剤を混在させてもよ
い。
併用できる潤滑剤としては、飽和、不飽和の脂肪酸
(ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)金属石
鹸、他の脂肪酸アミド、脂肪酸エステル(各種モノエス
テルをはじめソルビタン、グリセリン等多価エステルの
脂肪酸エステル、多塩基酸のエステル化物等)、高級脂
肪族アルコール、モノアルキルフォスフェート、ジアル
キルフォスフェート、トリアルキルフォスフェート、パ
ラフィン類、シリコーンオイル、動植物油、鉱油、高級
脂肪族アミン;グラファイト、シリカ、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン等の無機微粉末;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、エチレン−塩化
ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂
微粉末;αオレフィン重合物;常温で液体の不飽和脂肪
酸炭化水素、フルオロカーボン類等があげられる。
これらの混在潤滑剤の好ましい使用量は使用態様によ
って様々だが、おおむね、本発明の有機・シリコーン化
合物の1/10〜2倍の使用量である。
本発明において使用されるこれらの潤滑剤、界面活性
剤は磁性層が複数存在する磁気記録媒体の場合各層によ
ってその種類、量を必要に応じて使い分けることが出来
る。
また本発明で用いられる添加剤のすべて、またはその
一部は、磁性塗料製造過程のどの時点で添加しても構わ
ない。例えば混練前に強磁性粉と混合する場合、強磁性
粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する、塗布直
前に添加する等である。
本発明において、一般式(I)によって示されるシリ
コーン化合物を磁性層に保持させる方法としては、磁性
層に含有させる方法と表面にトップコート(材料を有機
溶剤に溶解して基盤に塗布あるいは噴霧したのち乾燥す
る方法、材料を熔融して基板に塗着させる方法、有機溶
剤に材料を溶解した溶液に基板を浸漬して材料を基板表
面に吸着させる方法、ラングミュア−ブロジェット法な
どによる)する方法がある。
強磁性粉末の形成に特に制限はないが通常は、針状、
粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが使用
される。この強磁性粉末の結晶子サイズ(測定はX線回
折による)は、450Å以下が電磁変換特性上好ましい。
磁性層を形成する結合剤は通常の結合剤から選ぶこと
ができる。結合剤の例としては、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニルとビニルアルコー
ル、マレイン酸および/またはアクリル酸との共重合
体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル
・アクリロニトリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ニトロセルロース樹脂などのセルロース誘導
体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂
等を挙げることができる。分散性・耐久性を更に高める
ために以上列挙の結合剤分子中に、極性基(エポキシ
基、CO2H,OH,NH2,SO3M,OSO3M,PO3M2,OPO3M2,ただしMは
水素、アルカリ金属またはアンモニウムであり、一つの
基の中に複数のMがあるときは互いに異なっていてもよ
い)を導入したものが好ましい。極性基の含有量として
はポリ1グラム当り10-7〜10-3当量が、好ましくさらに
は10-6〜10-4当量が好ましい範囲である。
以上列挙の高分子結合剤は単独または数種混合で使用
され、しばしばイソシアネート系の公知の架橋剤を添加
して硬化処理される。
また、アクリル酸エステル系のオリゴマーと、モノマ
ーを結合剤として用い、放射線照射によって硬化する結
合剤系にも、本発明の有機シリコーン化合物は適用され
る。
非磁性支持体の材質としては、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン2,6ナフタレートなどのポリエス
テル類;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレ
フィン類、セルローストリアセレートなどのセルロース
誘導体、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイ
ミド等の樹脂を用いることができ、必要に応じアルミニ
ウム等の金属でメタライズしてあってもよい。
非磁性支持体の厚みは3〜100μ、磁気テープとして
は好ましくは3〜20μ、磁気ディスクとしては20〜100
μが通常使用される範囲である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中の全結合剤の含有量
は、通常は強磁性粉末100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは20〜40部である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層には、さらにモース硬
度5以上の無機質粒子を含有することが好ましい。
使用される無機質粒子は、モース硬度が5以上であれ
ば特に制限はない。モース硬度が5以上の無機質粒子の
例としては、α化率90%以上のα−Al2O3、β−Al2O
3(モース硬度9),TiO(同6),TiO2(同6.5),SiO
2(同7),SnO2(同6.5),Cr2O3(同9),およびα−F
e2O3(同5.5)を挙げることができ、これらを単独ある
いは混合して用いることができる。
とくに好ましいのはモース硬度が8以上の無機質粒子
である。モース硬度が5よりも低い無機質粒子を用いた
場合には、磁性層から無機質粒子が脱落しやすく、また
ヘッドの研磨作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発
生しやすく、また走行耐久性も乏しくなる。
無機質粒子の含有量は、通常、強磁性粉末100重量部
に対して0.1〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜1
0重量部の範囲である。
また磁性層には上記の無機質粒子以外にも、カーボン
ブラック(特に、平均粒径が10〜300nm(ナノメートル;
10-9m)のもの)などを含有させることが望ましい。
つぎに本発明の磁気記録媒体を製造する方法の例を述
べる。
まず、強磁性粉末と結合剤、一般式(I)で表される
有機シリコーン化合物そして必要に応じて、他の充填
材、添加材などを溶剤と混練し、磁性塗料を調整する。
混練の際に使用する溶剤としては、磁性塗料の調製に通
常使用されている溶剤を使用することができる。
混練の方法にも特に制限はなく、また各成分の添加順
序などは適宜設定することができる。
混練工程ではニーダーのような強力な混練を行うのが
好ましく、加圧ニーダー、連続ニーダーなどのきわめて
強い混練力を持つものを使用するとより好ましい。
連続ニーダーまたは加圧ニーダを用いる場合は強磁性
粉末と結合剤のすべてまたはその一部(但し全結合剤の
30%以上が好ましい)および強磁性粉末の15〜500wt%
の有機溶剤で混練処理される。
これらの混練処理の詳細については特開平1−10633
8、特開昭64−79279に記載されている。
磁性塗料を調整する際には、分散剤、帯電防止剤、潤
滑剤等の公知の添加剤を併せて使用することもできる。
分散剤の例としては、炭素数12〜22の脂肪酸、その塩
またはエステル化物およびその化合物の水素の一部ある
いは全部をフッ素原子で置換した化合物、上記の脂肪酸
のアミド、脂肪族アミン、高級アルコール、ポリアルキ
レンオキサイドアルキル燐酸エステル、アルキル燐酸エ
ステル、アルキルホウ酸エステル、サルコシネート類、
アルキルエーテルエステル類、トリアルキルポリオレフ
ィン、オキシ第4級アンモニウム塩およびレシチンなど
の公知の分散剤を挙げることができる。
分散剤を使用する場合は、通常は使用する強磁性粉末
100重量部に対し、0.1〜10重量部の範囲で使用される。
帯電防止剤の例としては、カーボンブラック、カーボ
ンブラックグラフトポリマーなどの導電性微粉末;サポ
ニンなどの天然界面活性剤;アルキレンオキサイド系、
グリセリン系およびグリシドール系などのノニオン系界
面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム
塩類、ピリジンその他の複素環化合物の塩類、ホスホニ
ウムまたはスルホニウム類などのカチオン性界面活性
剤;カルボン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル
基等の酸性基を含むアニオン性界面活性剤;アミノ酸
類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸また
は燐酸エステル類等の両性界面活性剤等を挙げることが
できる。帯電防止剤として上記の導電性微粉末を使用す
る場合には、例えば強磁性粉末100重量部に対し0.1〜10
重量部の範囲で使用され、界面活性剤を使用する場合に
も同様に0.12〜10重量部の範囲で使用される。
なお、上述した分散剤、帯電防止剤、潤滑剤などの添
加剤は、厳密に上述した作用効果のみを有するものであ
るとの限定の下に記載したものではなく、例えば、分散
剤が潤滑剤あるいは帯電防止剤として作用することも有
りうる。従って、上記分類により例示した化合物などの
効果作用が、上記分類に記載された事項に限定されない
ことは勿論であり、また複数の作用効果を奏する物質を
使用する場合には、添加量は、その作用効果を考慮して
決定することが好ましい。
このようにして調製された磁性塗料は前述の非磁性支
持体上に塗布される。塗布は、前記非磁性支持体上に直
接行なうことも可能であるが、また、接着剤層などの中
間層を介して非磁性支持体上に塗布することもできる。
ここでいう中間層とは接着剤単独の層または結合剤中に
カーボン等の非磁性微粒子を分散してなる複合膜層等で
ある。
カーボンを含有する中間層は結合剤として磁性層に用
いられる種々の結合剤のなかから任意に選ぶことができ
る。カーボンの粒径は10〜50nm(ナノメートル;10-9m)
のものが好ましく、バインダー:カーボンは重量比にし
て100:10から100:150が好ましい。中間層の厚みは単な
る接着剤層の場合0.1〜2μm,非磁性粉体を含む複合層
の場合0.5〜4μmが好ましい。
中間層にはこのほか磁性層に用いている潤滑剤と同じ
または異なる潤滑剤を添加してもよい。
上記の強磁性粉末と結合剤の分散方法および支持体へ
の塗布方法などの詳細は特開昭54−46011号および同54
−21805号等の各公報に記載されている。
このようにして塗布される磁性層の厚さは、乾燥後の
厚さで一般には約0.5〜10μmの範囲、通常は0.7〜6.0
μmの範囲になるよう塗布される。
非磁性支持体上に塗布された磁性層は磁気記録媒体が
テープ状で使用される場合通常、磁性層中の強磁性粉末
を配向させる処理、即ち磁場配向処理を施したあと、乾
燥される。また逆にディスク状媒体の場合は磁気特性の
異方性をとりのぞくために、磁場による無配向処理が施
される。こののち必要により表面平滑化処理が施され
る。
本発明の好ましい態様は以下の通りである。
複数の磁性層を有する磁気記録媒体においてそれらの
層を同時または逐次重層塗布方式により、潤滑状態です
なわち(完全に乾燥しないうちに上層)を積層した事を
特徴とする磁気記録媒体。
複数の磁性層を有する磁気記録媒体において、最上層
(支持体より最も遠い磁性層)を除く層(以下下層とよ
ぶ)の強磁性粉末のBET法による比表面積(平均)が45m
2/g以下、結晶子サイズ(平均)290Å以上であることを
特徴とする磁気記録媒体。最上層の磁性粉末のBETによ
る比表面積が30m2/g以上、結晶子サイズ400Å以下であ
り、下層の磁性粉末のBETによる比表面積が最上層のそ
れより小さく、その差が5m2/g以上であることを特徴と
する磁気記録媒体。
複数の磁性層を有する磁気記録媒体において最上層に
前記一般式(I)で示される脂肪酸変性シリコーン化合
物で分子量が1000以上のものを保持させたことを特徴と
する磁気記録媒体。
前記一般式(II)で表される分枝脂肪酸変性シリコー
ンで分子量が1000以上のものを含有する磁気記録媒体。
前記一般式(II)で表される分枝脂肪酸変性シリコー
ンを含有する磁気記録媒体において該シリコーンオイル
を合成する際に用いる脂肪酸が、オキソ法で合成された
イソステアリン酸であることを特徴とする磁気記録媒
体。
〔発明の効果〕
本発明は分枝・飽和脂肪酸変性シリコーン化合物を複
数の磁性層の少なくとも最上層に含むことにより、電磁
変換特性を劣化させることなく、低速から高速までの広
範囲のテープ走行条件で優れた摩擦係数を示す。この理
由としては明らかではないが、分枝飽和脂肪酸で変性し
た有機シリコーン化合物は結合剤との相溶性が低く、磁
性層を可塑化する働きがないこと、又分岐であるが故に
分子自体が働きやすい化合物であり、磁性層中を移動し
やすいためと考えられる。すなわち、磁性層表面におい
て摺動により有機シリコーン化合物が消費されてもすぐ
に内部磁性層より供給できるため、低速走行や高速走行
で有機シリコーン化合物の消費の仕方が変わっても迅速
に対応、供給できるためと考えられる。又本発明では複
数の磁性層を有する磁気記録媒体であるが、本発明の化
合物を用いると磁性層が可塑化しないため硬くなり、耐
久性が向上し、最上層に用いると直接的に効果が得られ
る。一方下層の磁性層はカレンダー成型性を確保し、表
面性を上げるために、比較的軟らかい磁性層が好まし
い。本発明の有機シリコーン化合物は前述の動きやすさ
故に上層側に移行しやすく、下層の磁性層に適度な軟ら
かさを与え、カレンダー成型性を与えると共に磁性層を
可塑化せず、かつ供給能力もすぐれていることから本発
明の効果が得られるものと思われる。
〔実施例〕
次に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例
中の「部」との表示は「重量部」を示すものとする。
〔実施例〕
以下の処方で磁性層塗布液を調整した。
(第1磁性層(下層)塗布液) Co−γ−Fe2O3 100部 (Hc:650Oe(エルステッド)、BET法による比表面積;30
m2/g、タップ密度0.82) 塩化ビニル系共重合体 11部 (電気化学工業(株) 400X 110A) ポリエステルポリウレタン樹脂 6部 (大日本インキ化学工業(株)製クリスボン7209) カーボンブラック 10部 (平均粒径18nm(nm:ナノメートル=10-9m)) α−Fe2O3 10部 (平均粒径0.5μm) ミリスチン酸 1部 潤滑剤(第1表参照) メチルエチルケトン 220部 (第2磁性層(上層)塗布液) Co−γ−Fe2O3 100部 (Hc:700Oe(エルステッド)、BET法による比表面積;40
m2/g、タップ密度0.82) 塩化ビニル系共重合体 11部 (電気化学工業(株)製 400X 110A) ポリエステルポリウレタン樹脂 6部 (大日本インキ化学工業(株)製クリスボン7209) カーボンブラック 5部 (平均粒径50nm(nm:ナノメートル=10-9m)) α−Fe2O3 7部 (平均粒径0.3μm) ミリスチン酸 1部 潤滑剤(第1表参照) 上記2つの塗料をそれぞれについて、各成分を森山製
作所オープンニーダを用いて混練し、その後サンドグラ
インダを用いて分散させた。
得られた分散液にポリイソシアネート(日本ポリウレ
タン製コロネートL)を6部とメチルエチルケトン35部
を加えて1μmの平均孔径を有するフィルターで濾過し
第1磁性層、第2磁性層用の塗布液をそれぞれ調製し
た。
得られた第1磁性層塗料を、塗布後の厚さがaμmに
なるように、厚さ15μmのポリエチレンテレフタレート
支持体を60m/分の速度で走行させながら支持体の表面に
リバースロールを用いて塗布した。その後第2磁性層を
乾燥後厚さがbμmになるようにリバースロールを用い
て塗布し、磁性層が乾燥する前に配向磁石により配向
し、乾燥後スーパーカレンダー処理を行い、1/2インチ
にスリットし、ビデオテープを製造した。(a、bの値
は表に記載) ビデオ出力 VTR AG6800(松下電器産業)を用いて基準テープSUP
ERAGT120(富士写真フイルム製)に対するRF出力を求め
た。
摩擦係数 パーマロイヘッドに対して摩擦し、荷重50gのときの
負荷を測定した。
(1測定:30cm) 速度を0.1mm/sec、10mm/sec、の2種につき、初期お
よび100回摩擦したときの負荷を測定した。
第1表において用いた比較の潤滑剤の構造は以下の通
りである。
第1表の結果より明らかな如く、 本発明の分岐、飽和脂肪酸で変性された有機シリコー
ン化合物を複数の磁性層の最上層に含むサンプルNo.1〜
7はビデオ出力、低速(0.1mm/S)から、高速(10mm/
S)における摩擦係数が単に初期のみならず、100回摩擦
後も低く維持でき、すぐれた効果を発揮する。一方従来
の直鎖の脂肪酸で変性された有機シリコーン化合物を用
いたサンプルNo.8、9は100回摩擦後で顕著に摩擦係数
が上昇し、またこのような化合物を単層で用いた場合
(サンプルNo.10、11)も同様に摩擦係数が上昇した。
又サンプルNo.8〜11の場合はビデオ出力も低下した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/708 G11B 5/708

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤から
    なる磁性層を複数層設けた磁気記録媒体において、少な
    くとも最上層の磁性層に下記一般式(I)で示される有
    機シリコーン化合物を含み、かつ最上層の磁性粉末のBE
    Tによる比表面積が30m2/g以上、下層の磁性粉末のBETに
    よる比表面積が最上層のそれより小さく、その差が5m2/
    g以上であることを特徴とする磁気記録媒体。 ここでRは炭素数7〜24の分枝・飽和の炭化水素基を示
    す。 mは1〜100の整数、nは0〜250の整数であり、m≧n/
    5を示す。
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