JP2612009B2 - 酸化物系超電導線の製造方法 - Google Patents

酸化物系超電導線の製造方法

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JP2612009B2 JP62272304A JP27230487A JP2612009B2 JP 2612009 B2 JP2612009 B2 JP 2612009B2 JP 62272304 A JP62272304 A JP 62272304A JP 27230487 A JP27230487 A JP 27230487A JP 2612009 B2 JP2612009 B2 JP 2612009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、例えば超電導マグネットコイルや電力輸送
用等に使用可能な酸化物系超電導線の製造方法に関す
る。
「従来の技術」 最近に至り、常電導状態から超電導状態へ遷移する臨
界温度(Tc)が液体窒素温度以上の値を示す酸化物系の
超電導材料が種々発見されている。この種の酸化物超電
導材料には、例えば一般式A−B−Cu−O(ただし、A
はLa,Ce,Yb,Sc,Er等の周期律表III a族元素の1種以上
を示し、BはBa,Sr等の周期律表II a族元素の1種以上
を示す)で示されるものがある。そして、この種の酸化
物超電導体を製造するには、前記III a族元素を含む粉
末とII a族元素を含む粉末と酸化銅粉末を混合して混合
粉末を作成し、この混合粉末を所定の形状に成形した後
に、得られた成形体に熱処理を施し、各元素を固相反応
させて超電導物質を生成させることにより製造するよう
にしている。
また、前記A−B−Cu−O系の超電導体を具備する超
電導線を製造する方法として従来、前記混合粉末を金属
管に充填するか、あるいは、混合粉末に熱処理を施して
得た超電導粉末を金属管に充填し、充填後にダイス孔を
有するダイスなどを用いて金属管を引抜加工して所望の
直径の線材を得、この線材に熱処理を施して内部の粉末
成形体の元素を固相反応させ、金属管の内部に超電導物
質を生成させることにより超電導線を得る方法が知られ
ている。
「発明が解決しようとする問題点」 前記従来方法においては、ダイス孔を有するダイスを
用いた引抜加工によって金属管を縮径して混合粉末を圧
粉する関係から、引抜加工時に断線しない程度に加工す
る必要があって、加工率に限界を生じるために、粉末の
圧密度を十分に高めることができない問題がある。ちな
みに、本発明者らが前記従来方法を用いて引抜加工後に
おける粉末の圧密度を測定した結果、圧密度は理論密度
(気孔率が0%の状態)の70〜75%程度であった。従っ
て、圧密度が十分ではない粉末成形体に熱処理を施して
焼結することになるために、得られた超導電線にあって
は、各元素の固相反応が十分にはなされていない傾向が
あり、優れた超導電特性が得られない問題がある。ま
た、前述のように圧密度が十分ではない粉末成形体を焼
結して超電導線を製造した場合、超電導体内部の気孔率
が比較的大きいために、超電導線の曲げ強度が不足する
など強度面での不満が大きい問題もある。このため、超
電導マグネットの巻線用などとして超電導線を巻胴に巻
回しようとする場合に、超電導体にクラックが入り易い
おそれがあり、超電導特性が著しく低下するおそれがあ
る。
本発明は前記問題に鑑みてなられたもので、粉末成形
体の圧密度を十分に高くすることができ、優れた超電導
特性を発揮するとともに、機械強度も高い酸化物系超電
導線の製造技術を提供することを目的とする。
「問題点を解決するための手段」 本発明では、酸化物超電導粉末と酸化物超電導体末の
前駆体粉末のうち少なくとも一方を含む出発物に圧粉成
形処理を施して圧粉成形体とし、次いで該圧粉成形体を
金属シース内に充填して複合体を形成し、次いで該複合
体に、圧粉成形体の圧密度が理論密度の75%以上となる
縮径加工を施す際に、複数のダイスをダイスの加工面ど
うしを対向させてそれらのダイス間の間隙を拡げるか縮
小する方向に相互に接近または離間自在に設け、かつ、
各ダイスを前記ダイス間の間隙まわりに回転自在に設け
たロータリースウェージング装置を用い、このロータリ
ースウェージング装置の間隙に沿って前記複合体を通過
させて前記ダイスを複合体に打ち付けて複合体を鍛造す
るとともに縮径加工し、この後熱処理を施すことをその
解決手段とした。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明では、まず出発物を調製する。この出発物とし
ては、酸化物超電導体、酸化物超電導体を構成する元素
を含む材料あるいはこれらの混合物が用いられる。
前記の酸化物超電導体としては、A−B−C−D系
(ただしAは、Y,Sc,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb,Luなどの周期律表III a族元素のうち1種あ
るいは2種以上を示し、BはSr,Ba,Ca,Be,Mg,Raなどの
周期律表II a族元素のうち1種あるいは2種以上を示
し、CはCu,Ag,Auの周期律表I b族元素とNbのうちCuあ
るいはCuを含む2種以上を示し、DはO,S,Se,Te,Poなど
の周期律表VI b族元素およびF,Cl,Br等の周期律表VII b
族元素のうちOあるいはOを含む2種以上を示す)のも
のが用いられる。
また、酸化物超電導体を構成する元素を含む材料とし
ては、周期律表II a族元素を含む粉末と周期律表III a
族元素を含む粉末と酸化銅粉末などからなる混合粉末あ
るいはこの混合粉末を仮焼した粉末、または前記混合粉
末と仮焼粉末の混合粉末などが用いられる。ここで用い
られる周期律表II a族元素粉末としては、Be,Se,Mg,Ba,
Raの各元素の炭酸塩粉末、酸化物粉末、塩化物粉末、硫
化物粉末、フッ化物粉末などの化合物粉末あるいは合金
粉末などである。また、周期律表III a族元素粉末とし
ては、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,
Yb,Luの各元素の酸化物粉末、炭酸塩粉末、塩化物粉
末、硫化物粉末、フッ化合物粉末などの化合物粉末ある
いは合金粉末などが用いられる。更に、酸化銅粉末とし
ては、CuO,Cu2O,Cu3O2,Cu4O3などが用いられる。
ところで、前記混合粉末を調製するには、通常、粉末
法が用いられるが、この方法に限定されるものではな
く、各元素をシュウ酸塩として共沈させ、その沈澱物を
乾燥させて粉末状の混合粉末として得る共沈法を適用さ
せることも自由である。また、前記必要な元素のアルコ
キシド化合物、オキシケトン化合物、シクロペンタジエ
ニル化合物、アセチルアセトン化合物などを所定の比率
で混合して混合液とし、この混合液に水を加えて加水分
解などしてゾル状にするとともに、このゾル状の物質を
加熱してゲル化し、このゲルを更に加熱して固相とした
うえで粉砕して混合粉末を得るゾルゲル法を適用しても
よい。
次に、このように調製された出発物に圧粉成形処理を
施して圧粉成形体を作製する。ここでの圧粉成形処理に
は、例えば冷間静水圧プレス、熱間静圧プレス(HIP)
などの方法が好適に用いられるが、これらの方法に限定
されることなく、上記出発物を所望の圧密度の圧粉成形
体に加圧成形できる方法であれば、いかなる方法も使用
可能である。例えば、上記出発物を充填した金属管に、
ダイスによる引抜加工、ロータリースウェージング加
工、圧延加工などを1種あるいは2種以上組合わせて施
して金属管を縮径し、上記出発物を所望の圧密度の圧粉
成形体とする方法などを用いてもよい。そして、この圧
粉成形処理での成形圧力は、出発物の種類、圧粉成形体
の圧密度などに応じて決められ、通常は1.5〜10ton/cm2
程度の範囲で定められる。
なお、このような圧粉成形処理の前処理として、出発
物に対して仮焼処理、粉砕処理、圧粉処理などからなる
一連の処理を1回以上繰り返し施すことができる。ここ
で、上記の仮焼処理は、酸素ガスを含む雰囲気中で、例
えば500〜1000℃、1〜数十時間の条件で行なわれるの
が望ましい。この仮焼処理は、上記出発物中に炭酸塩が
含まれる場合に、後工程の熱処理で発生しかつ超電導体
の超電導特性を低下させる炭酸ガスを予め除去しておく
目的で行なわれる。また、粉砕処理は、粉砕物の細粒化
や粒径の均一化などを目的として行なわれるが、圧粉成
形処理で得られる圧粉成形体の圧密度を考慮すれば、上
記粉砕処理で可能な限り粉砕物の粒径を小さくしておく
のが望ましい。さらに、圧粉成形処理後に、酸素雰囲気
中で800〜1100℃に1〜100時間程度加熱した後に徐冷す
る熱処理を行なってもよい。この熱処理を行なえば、圧
粉成形体中の各構成元素どうしが互いに十分に固相反応
を起こし、これにより圧粉成形体に超電導体を生成させ
ることができる。
次に、第1図に示すように、前工程までに得られた例
えば棒状の圧粉成形体1を金属製の管体2内に収容して
複合体3を作製する。ここで用いられる管体2には、C
u、Ag、Alあるいはこれらの合金、またはステンレスな
どの金属材料から形成されたものが用いられる。なお、
管体2の形成材料としては、塑性加工可能なものであれ
ば金属材料に限らないが、熱処理時に圧粉成形体1から
酸素を奪わないような非酸化性の材料を選択する必要が
ある。したがって、貴金属あるいは貴金属を含有する合
金などを用いることが好ましいが、管体2の内周面に非
酸化性の材料からなる被覆層を形成したものでも差し支
えない。また、管体2の内径寸法は圧粉成形体1の外径
寸法より若干大きい程度に設定され、両者の寸法公差は
より小さく、両者間に間隙が少ない方が好ましい。これ
は、後工程の縮径加工の際に、圧粉成形体1と管体2と
の間に大きな間隙が存在すると、成形圧力が圧粉成形体
1に伝わりにくく、十分に縮径できないという不都合が
生じ易いからである。
次に、この例では、第1図に示すロータリースウェー
ジング装置Aにより前記複合体3に縮径加工を施す。こ
のロータリースウェージング装置Aは、図示略の駆動装
置によって移動自在に設けられた複数のダイス6…を備
えてなるものである。これらダイス6…は、棒状の複合
体3をその長さ方向に移動させる際の移動空間の周囲
に、この移動空間を囲むように設けられたもので、前記
移動空間と直角な方向(第1図に示す方向a方向)に移
動自在に、かつ、移動空間の周回り(第1図に示す矢印
b方向)に回転自在に保持されている。また、各ダイス
6…の内面には、それぞれ前記複合体3に縮径加工を施
すためのテーパ面(加工面)6aが形成されていて、各ダ
イス6…のテーパ面6aで囲む間隙が先窄まり状となるよ
うになっている。
前記複合体3を縮径するには、前記ロータリースウェ
ージング装置Aを作動させるとともに、第1図に示すよ
うに複合体3の一端をダイス6…の間の間隙に押し込
む。ここで、前記ダイス6…が第1図の上下方向に所定
間隔往復移動しつつ回転しているために、複合体3は一
端側から順次鍛造されて第1図の2点鎖線で示す線径ま
で縮径され、小径の複合体13となる。この縮径加工にお
いては、回転しつつ往復運動する複数のダイス6によっ
て複合体3を鍛造しつつ縮径するために、縮径加工中の
複合体3に断線を起こすことなく大きな加工率で縮径加
工することができる。
このような縮径加工は、複合体13の線径が所望の線径
に達し、かつ複合体13内の圧粉成形体1の圧密度が理論
密度の75%以上、好ましくは77%以上となるまで繰り返
し行なわれる。圧粉成形体の圧密度が理論密度の75%未
満では、圧密度が小さ過ぎて、この圧粉成形体に対して
後工程の熱処理を行なっても焼結密度に限界があり、こ
の場合得られた超電導線の超電導特性が極めて低いもの
となってしまう不都合が生じる。なお、先のロータリー
スウェージング装置Aによる加工で線径と圧密度の目的
が達せられない場合には、この装置Aのダイス6の成形
空隙より小さく形成された成形空隙を有するダイスを備
えたロータリースウェージング装置が用いられる。
このようにして得られた複合体13に対し以下に説明す
る処理を施して酸化物系超電導線を製造する。
即ち、前記複合体から外側の金属シースとなっている
管体部分を除去し、これにより圧粉成形体部分を露出さ
せる。ここでの金属シースの除去には、例えば酸あるい
はアルカリの水溶液などの処理液中に複合体を浸漬さ
せ、金属シースのみを上記処理液中に溶解させる化学的
な方法などが用いられる。この方法には、金属シースに
銅、銀あるいはこれらの合金を用いた場合、処理液とし
て希硝酸などが用いられ、金属シースにアルミニウムを
用いた場合、処理液として苛性ソーダなどが用いられ、
金属シースにステンレスを用いた場合、処理液として王
水などが用いられるが、シース材料と処理液との組み合
わせはこれらに限定されるものではない。そして、この
ような除去操作の後には、速やかに圧粉成形体の表面に
水洗処理あるいは中和処理を行なって処理液の圧粉成形
体などへの影響を排除することが望ましい。なお、上記
金属シースの除去には、他に切削加工を用いる方法も考
えられるが、この切削加工を用いると、成形体が細径の
場合、除去操作時に折れ曲がってしまうなどの不都合が
生じることがある。このため、この例では、成形体に上
記の不都合が生じにくい上記の化学的な方法を採用した
が、折曲のおそれが少ない場合は切削加工を行なって金
属シースを除去する方法と金属シースを化学的に除去す
る方法とを併用してもよい。
次いで、このようにして露出せしめられた圧粉成形体
に対して熱処理を施す。この熱処理は好ましくは酸素雰
囲気中で800〜1100℃に1〜100時間程度加熱した後に徐
冷することによって行なう。なお、ここで、徐冷処理の
途中に400〜600℃の温度範囲で所定時間保持する処理を
行なって酸化物超電導体の結晶構造が正方晶から斜方晶
に変態することを促進するようにしてもよい。上記の熱
処理により、上記圧粉成形体中の各構成原子どうしが互
いに十分に固相反応を起こすとともに、圧粉成形体の表
面が露出せしめられていることから、圧粉成形体の表面
全体からその内部に酸素元素が効率よく拡散される。し
たがって、上記圧粉成形体には、その全線に亙って均一
な超電導特性を示す例えばA−B−Cu−O系の酸化物超
電導体が生成され、これにより良好な超電導特性を示す
酸化物系超電導線が得られる。
そして、このような酸化物系超電導線には、必要に応
じてコーティング処理を施して保護コート層を形成する
ことができる。この保護コート層の形成材料としては、
例えば錫、鉛等の低融点金属、あるいは半田等の合金な
どが好適に用いられる。そして、この保護コート層の形
成方法としては、例えば電気メッキ、溶融メッキ、半田
メッキなどの方法が好適に用いられる。また、他の方法
として、上記低融点金属の粉末あるいは上記合金粉末を
酸化物系超電導線の表面に所定の厚さで付着させたのち
上記粉末を焼結させる方法も用いることができる。この
ようにして保護コート層を形成すれば、酸化物系超電導
線の良好な超電導特性を長期間に亙って安定化させるこ
とが可能となる。
この製造方法によって得られた酸化物系超電導線にあ
っては、内部の圧粉成形体がロータリースウェージング
装置によって少なくとも1回の鍛造をしつつ縮径され、
これにより十分に圧密されてその圧密度が理論密度の75
%以上とされた圧粉成形体が成形されているために、熱
処理により各元素が固相反応する際に元素の拡散が円滑
になされる。このため、生成された超電導体は気孔率が
低く、曲げ強度などの機械強度も高いものとなる。した
がって、このような酸化物系超電導線は、曲げに強く易
屈曲性を有するので、クラックを生じることなく巻回で
き、超電導マグネット用の巻線などに好適なものとな
る。
なお、この例では、複合体3を縮径するのにロータリ
ースウェージング加工を用いたが、これに限定されるこ
となく、圧延加工などの加工法も好適に用いることがで
きる。
以下、実施例を示して本発明の作用効果を明確にす
る。
「実施例」 Y2O3粉末とBaCO3粉末とCuO粉末をY:Ba:Cu=1:2:3とな
るように混合して混合粉末を得た。次いで、この混合粉
末を大気雰囲気中で、900℃、24時間加熱する仮焼処理
を行ない、粉砕後、ラバープレスにより圧粉成形処理を
行なって棒状の圧粉成形体を得た。次に、この圧粉成形
体に酸素気流中で、900℃、24時間加熱する熱処理を行
なって、外径6.9mmの圧粉成形体を得た。ちなみち、こ
の圧粉成形体の圧密度を測定したところ、理論密度の78
%であった。また、この圧粉成形体の臨界電流密度は約
40A/cm2であった。
次に、この圧粉成形体を外径10mm、内径7mmの銀製の
管体に充填して複合体を得た。次に、第1図に示すダイ
スと同様の構成のダイスを備えたロータリースウェージ
ング装置を用い、前記複合体を直径1.5mmまで冷間で鍛
造しつつ段階的に縮径加工した。なお、複合体を段階的
に縮径するには、ダイス間の空隙が異なるダイスを複数
用意し、1パスの断面減少率を約20%に設定し、複数回
鍛造操作を行なって縮径するものとし、加工速度は1m/
分とした。
以上の加工においては最終線径まで断線などのトラブ
ルを生じることなく加工することができた。そして、こ
のように製造された線材の内部の圧粉成形体の圧密度を
測定したところ、理論密度の82%であり、ダイスを用い
た線引加工により縮径された線材に比べて格段に向上し
ていた。
次いで、この線材を硝酸中に浸漬させて銀製のシース
を溶解除去して芯線を露出させた。
次に、この芯線に対して酸素雰囲気中で900℃に24時
間加熱し、この後、−100℃/時間で室温まで徐冷する
熱処理を行なって、芯線の金線に亙って酸化物系超電導
体を生成させ、超電導芯線を得た。この超電導芯線の焼
結密度を測定したところ、理論密度の91.5%という結果
が得られた。次いで、この超電導芯線の表面に半田メッ
キして厚さ1mmの保護コート層を形成して酸化物系超電
導線を製造した。
前記のように製造された酸化物系超電導線は、 臨界温度 91K 臨界電流密度 10000A/cm2(77Kにおいて) を示した。
また、この酸化物系超電導線を巻胴に巻回してみたと
ころ、クラックを生じることなく巻回することができ、
機械強度も十分高いことが明らかとなった。
これに対し、圧密度を理論密度の65%、74%に設定し
た(比較例1、2)圧粉成形体を作製した。これら比較
例1および2の圧粉成形体を上記実施例と同様にそれぞ
れ複合体としたのち、これら複合体をロータリースウェ
ージングにより鍛造しつつ直径1.5mmまで縮径した。次
いで、縮径して得られた線材の金属シースを溶解除去し
て芯線を露出させたのち、この芯線に実施例と同条件で
熱処理を施して超電導芯線を得た。これら2種類の超電
導芯線の結晶密度(理論密度に対する百分率)と臨界電
流密度(測定温度77K)とを測定し、その結果を第1表
に示した。
以上のことから、本発明を実施して製造された酸化物
系超電導線は、従来の方法で製造された酸化物系超電導
線に比べて機械強度が高く超電導特性も優れていること
が明らかとなった。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明によれば、酸化物超電導
体とその前駆体のうち少なくとも一方を含む出発物に圧
粉成形処理を施した圧粉成形体を金属シース内に充填し
て得た複合体に、圧粉成形体の圧密度が理論密度の75%
以上となる縮径加工を施す際に、複数のダイスをダイス
の加工面どうしを対向させてそれらのダイス間の間隙を
拡げるか縮小する方向に相互に接近または離間自在に設
け、かつ、各ダイスを前記ダイス間の間隙まわりに回転
自在に設けたロータリースウェージング装置を用い、こ
のロータリースウェージング装置の間隙に沿って前記複
合体を通過させて前記ダイスを複合体に打ち付けて複合
体を鍛造するとともに縮径加工したのち、熱処理するよ
うにしたので、縮径された複合体中の圧粉成形体の圧密
度を、例えば従来の引抜加工による場合よりも高く圧密
することができる。従って、熱処理により圧粉成形体内
部で構成元素の拡散が円滑にかつ容易になされるため
に、機械強度と超電導特性の優れた超電導線を製造でき
る効果がある。特に、酸化物超電導線の特性として重要
視される臨界電流密度において、従来の方法では達成し
得なかった10000A/cm2を得ることができる。また、本発
明により製造された超電導線は超電導マグネット用の巻
線にするために巻胴に巻回した場合、クラックを生じる
ことなく巻回することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を説明するためのもので、
縮径加工を説明するための断面図である。 1……圧粉成形体、2……管体(金属管)、3……複合
体、6……ダイス、6a……テーパ面(加工面)、A……
ロータリースウェージング装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久米 篤 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 青木 伸哉 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 定方 伸行 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 杉本 優 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 臼井 俊雄 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (72)発明者 中川 三紀夫 東京都江東区木場1丁目5番1号 藤倉 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−285812(JP,A) 特開 昭64−617(JP,A) 特開 昭64−57535(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化物超電導粉末と酸化物超電導体の前駆
    体粉末のうち少なくとも一方を含む出発物に圧粉成形処
    理を施して圧粉成形体とし、次いで該圧粉成形体を金属
    シース内に充填して複合体を形成したのち、該複合体
    に、圧粉成形体の圧密度が理論密度の75%以上となる縮
    径加工を施す際に、複数のダイスをダイスの加工面どう
    しを対向させてそれらのダイス間の間隙を拡げるか縮小
    する方向に相互に接近または離間自在に設け、かつ、各
    ダイスを前記ダイス間の間隙まわりに回転自在に設けた
    ロータリースウェージング装置を用い、このロータリー
    スウェージング装置の間隙に沿って前記複合体を通過さ
    せて前記ダイスを複合体に打ち付けて複合体を鍛造する
    とともに縮径加工し、この後熱処理を施すことを特徴と
    する酸化物系超電導線の製造方法。
  2. 【請求項2】前記前駆体粉末が、酸化物超電導体の構成
    元素を含む材料の仮焼粉末であることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項記載の酸化物系超電導線の製造方法。
  3. 【請求項3】前記圧粉成形体が、少なくとも1回熱処理
    されたものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の酸化物系超電導線の製造方法。
JP62272304A 1987-10-02 1987-10-28 酸化物系超電導線の製造方法 Expired - Fee Related JP2612009B2 (ja)

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