JP2611832B2 - 熱現像カラー感光材料およびそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

熱現像カラー感光材料およびそれを用いた画像形成方法

Info

Publication number
JP2611832B2
JP2611832B2 JP6052789A JP6052789A JP2611832B2 JP 2611832 B2 JP2611832 B2 JP 2611832B2 JP 6052789 A JP6052789 A JP 6052789A JP 6052789 A JP6052789 A JP 6052789A JP 2611832 B2 JP2611832 B2 JP 2611832B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
dye
compound
layer
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP6052789A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02239247A (ja
Inventor
博幸 平井
伸高 大木
三千夫 小野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP6052789A priority Critical patent/JP2611832B2/ja
Publication of JPH02239247A publication Critical patent/JPH02239247A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2611832B2 publication Critical patent/JP2611832B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は熱現像カラー感光材料とそれを用いた画像形
成方法に関するものである。
(背景技術とその問題点) 熱現像感光材料はこの技術分野では公知であり熱現像
感光材料とそのプロセスについては、たとえば「写真工
学の基礎」非銀塩写真編(1982年コロナ社発行)の242
頁〜255頁、米国特許第4500626号等に記載されている。
熱現像でポジのカラー画像を得る方法についても多く
の方法が提案されている。
例えば、米国特許第4559290号にはいわゆるDRR化合物
を色素放出能力のない酸化型にした化合物を還元剤もし
くはその前駆体を共存させ、熱現像によりハロゲン化銀
の露光量に応じて還元剤を酸化させ、酸化されずに残つ
た還元剤により還元して拡散性色素を放出させる方法が
提案されている。また、欧州特許公開220746号、公開技
報87−6199(第12巻22号)には、同様の機構で拡散性色
素を放出する化合物として、N−X結合(Xは酸素原
子、窒素原子または硫黄原子を表す)の還元的な開裂に
より拡散性色素を放出する非拡散性の化合物を用いる熱
現像カラー感光材料が記載されている。
しかしながら、上記のような被還元性色素供与性化合
物を還元剤またはその前駆体と共にハロゲン化銀剤と組
合わせて用いた場合、色像のステインが高いという問題
があることが分かつた。
このような被還元性色素供与性化合物を用いたポジ画
像形成用熱現像感光材料のステインを抑制するために還
元剤として耐拡散性の還元剤である電子供与体に加え
て、拡散性の還元剤である電子伝達剤を用いることが有
効であるが、生じた電子伝達剤ラジカルが感色性の異な
る他層に拡散し、そこの電子供与体をクロス酸化するこ
とにより、画像濃度の低下をひきおこし、色再現が悪化
する。このため感色性の互いに異なる感光層の間に中間
層を設けたり、この中間層中に還元性物質を含有させる
ことが試みられている(特願昭62−279842号等)が、本
発明のような熱現像拡散転写型感光材料においては、画
像形成速度、解像度、膜質等の点から中間層のバインダ
ー量、還元性物質の添加量に制約があるため、さらに改
良が要望される。
(発明の目的) 本発明の目的は被還元性の色素供与性化合物を用いた
熱現像カラー感光材料のステインを低下させることにあ
る。
本発明の別の目的は画像濃度が高く、色再現性の良い
熱現像カラー感光材料を提供することにある。
(発明の構成) 本発明の目的は支持体上に少なくともa)感光性ハロ
ゲン化銀、b)バインダー、c)還元されると拡散性の
色素を放出する被還元性色素供与性化合物、d)下記
e)の化合物に対し2〜100モル%の量の下記一般式
(I)又は一般式(II)で表わされる化合物のうちの少
なくとも一種およびe)下記一般式(III)又は一般式
(IV)で表わされる化合物のうちの少なくとも一種を含
有する熱現像カラー感光材料、 および上記の熱現像カラー感光材料を画像露光後、ま
たは画像露光と同時に加熱現像することを特徴とするカ
ラー画像形成法によつて達成された。
一般式(I)〜一般式(IV)について詳しく説明す
る。
一般式(I)または(II)においてX1および/または
X2が=N−R17を表わす場合、また、一般式(III)また
は(IV)においてX3および/またはX4が−NHR17を表わ
す場合のR17は、アシル基(炭素数30までのものが好ま
しく、置換基を有するものを含む。例えば、アセチル、
プロピオニル、ブチロイル、iso−ブチロイル、2,2−ジ
メチルプロピオニル、ベンゾイル、3,4−ジクロロベン
ゾイル、3−アセチルアミノ−4−メトキシベンゾイ
ル、4−メチルベンゾイル、4−メトキシ−3−スルホ
ベンゾイル)、またはスルホニル基(炭素数30までのも
のが好ましく、更に置換基を有するものを含む。例え
ば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、クロルメタ
ンスルホニル、プロパンスルホニル、ブタンスルホニ
ル、n−オクタンスルホニル、n−ドデカンスルホニ
ル、n−ヘキサデカンスルホニル、ベンゼンスルホニ
ル、4−トルエンスルホニル、4−n−ドデシルオキシ
ベンゼンスルホニル)を表わす。
R1〜R16は次の各基のいずれかを表わす。
水素原子、ヒドロキシ基、スルホ基、カルボキシル
基、ハロゲン原子(例えば、フツ素、塩素、臭素、ヨウ
素)、 アルキル基、アルケニル基(置換基を有するものを含
む。好ましくは炭素数30までのアルキル基、アルケニル
基。例えば、メチル、トリフルオロメチル、ベンジル、
クロロメチル、ジメチルアミノメチル、エトキシカルボ
ニルメチル、アミノメチル、アセチルアミノメチル、エ
チル、2−(4−ドデカノイルアミノフエニル)エチ
ル、カルボキシエチル、アリル、3,3,3−トリクロロプ
ロピル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、
t−ブチル、sec−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘ
キシル、t−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチ
ル、sec−オクチル、t−オクチル、n−デシル、n−
テトラデシル、n−ペンタデシル、sec−ヘキサデシ
ル、t−ヘキサデシル、n−オクタデシル)、 アリール基(置換基を有するものを含む。好ましくは
炭素数30までのアリール基。例えば、フエチル、ナフチ
ル、3−ヒドロキシフエニル、3−クロロフエニル、4
−アセチルアミノフエニル、4−ヘキサデカンスルホニ
ルアミノフエニル、2−メタンスルホニル−4−ニトロ
フエニル、3−ニトロフエニル、4−メトキシフエニ
ル、4−アセチルアミノフエニル、4−メタンスルホニ
ルフエニル、2,4−ジメチルフエニル、4−テトラデシ
ルオキシフエニル)、 カルバモイル基(置換基を有するものを含む。好まし
くは炭素数30までのカルバモイル基。例えば、カルバモ
イル、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、ビ
ス−(2−メトキシエチル)カルバモイル、ジエチルカ
ルバモイル、シクロヘキシルカルバモイル、ジ−n−オ
クチルカルバモイル、3−ドデシルオキシプロピルカル
バモイル、ヘキサデシルカルバモイル、3−(2,4−ジ
−t−ペンチルフエノキシ)プロピルカルバモイル、3
−オクタンスルホニルアミノフエニルカルバモイル、ジ
−n−オクタデシルカルバモイル)、 スルフアモイル基(置換基を有するものを含む。好ま
しくは炭素数30までのスルフアモイル基。例えば、スル
フアモイル、メチルスルフアモイル、ジメチルスルフア
モイル、ジエチルスルフアモイル、ビス−(2−メトキ
シエチル)スルフアモイル、ジ−n−ブチルスルフアモ
イル、メチル−n−オクチルスルフアモイル、n−ヘキ
サデシルメチルスルフアモイル、3−エトキシプロピル
メチルスルフアモイル、N−フエニル−N−メチルスル
フアモイル、4−デシルオキシフエニルスルフアモイ
ル、メチルオクタデシルスルフアモイル)、 スルホニル基(置換基を有するものを含む。好ましく
は炭素数30までのスルホニル基。例えば、メタンスルホ
ニル、エタンスルホニル、クロルメタンスルホニル、プ
ロパンスルホニル、ブタンスルホニル、n−オクタンス
ルホニル、n−ドデカンスルホニル、n−ヘキサデカン
スルホニル、ベンゼンスルホニル、4−トルエンスルホ
ニル、4−n−ドデシルオキシベンゼンスルホニル)、 アシル基(置換基を有するものを含む。好ましくは炭
素数30までのアシル基。例えば、アセチル、プロピオニ
ル、ブチロイル、iso−ブチロイル、2,2−ジメチルプロ
ピオニル、ベンゾイル、3,4−ジクロロベンゾイル、3
−アセチルアミノ−4−メトキシベンゾイル、4−メチ
ルベンゾイル、4−メトキシ3−スルホベンゾイル)、 アルコキシカルボニル基(置換基を有するものを含
む。好ましくは炭素数30までのアルコキシカルボニル
基。例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニ
ル、2−メトキシエトキシカルボニル、iso−ブトキシ
カルボニル、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシ
カルボニル、2−シアノエトキシカルボニル)、 アリールオキシカルボニル基(置換基を有するものを
含む。好ましくは炭素数30までのアリールオキシカルボ
ニル基。例えば、フエノキシカルボニル、2,4−ジメチ
ルフエノキシカルボニル、4−ニトロフエノキシカルボ
ニル、4−t−ブトキシフエノキシカルボニル)、 アルコキシ基(置換基を有するものを含む。好ましく
は炭素数30までのアルコキシ基。例えば、メトキシ、エ
トキシ、n−プロピルオキシ、iso−プロピルオキシ、
シクロヘキシルメトキシ)、 アミノ基(置換基を有するものを含む。好ましくは炭
素数30までのアミノ基。例えば、アミノ、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、エチル−3−カル
ボキシプロピルアミノ、エチル−2−スルホエチルアミ
ノ、フエニルアミノ、メチルフエニルアミノ、メチルオ
クチルアミノ、メチルヘキサデシルアミノ)、 アシルアミノ基(置換基を有するものを含む。好まし
くは炭素数30までのアシルアミノ基。例えば、アセチル
アミノ、2−カルボキシベンゾイルアミノ、3−ニトロ
ベンゾイルアミノ、3−ジエチルアミノプロパノイルア
ミノ、アクリロイルアミノ)、 アリールオキシ基(置換基を有するものを含む。好ま
しくは炭素数30までのアリールオキシ基。例えば、フエ
ノキシ、ナフチルオキシ、4−アセチルアミノフエノキ
シ)、 スルホニルアミノ基(置換基を有するものを含む。好
ましくは炭素数30までのスルホニルアミノ基。例えば、
メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ、
2−メトキシ−5−n−メチルベンゼンスルホニルアミ
ノ、2−クロロ−5−ドデカノイルアミノベンゼンスル
ホニルアミノ)、 アルキルチオ基(置換基を有するものを含む。好まし
くは炭素数30までのアルキルチオ基。例えば、メチルチ
オ、エチルチオ、n−ブチルチオ、n−オクチルチオ、
t−オクチルチオ、n−ドデシルチオ、n−ヘキサデシ
ルチオ、エトキシカルボニルメチルチオ、ベンジルチ
オ、2−ヒドロキシエチルチオ)、 アリールチオ基(置換基を有するものを含む。好まし
くは炭素数30までのアリールチオ基、ヘテロアリールチ
オ基。例えば、フエニルチオ、4−クロロフエニルチ
オ、2−n−ブトキシ−5−t−オクチルフエニルチ
オ、4−ニトロフエニルチオ、2−ニトロフエニルチ
オ、4−アセチルアミノフエニルチオ)。
R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、R9
R10、R11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16は互い
に結合して環を形成してもよい。その例としては一般式
(I)〜一般式(IV)のベンゼン核とともに示すと、1,
4−ナフトキノン核、1,4−ナフトヒドロキノン核、5,6
7,8−テトラヒドロ−1,4−ナフトキノン核、1,2−ナフ
トキノン核、 などが挙げられる。
本発明においてはR1〜R16のいずれかがこの化合物の
層間移動を阻害するに足る基すなわちバラスト基である
ことが望ましい。バラスト基としては炭素数6以上を有
する有機基が好ましい。さらにR1〜R16のいずれかで連
結されたビス体、トリス体を形成してもよいし、またR1
〜R16のいずれかによつて重合体へ連結されたオリゴマ
ー、ポリマーであつてもよい。
一般式(I)又は一般式(II)で表わされる化合物
d)の中でも好ましいのは下記一般式(I a)又は一般
式(II a)で表わされる化合物である。また、一般式
(III)又は一般式(IV)で表わされる化合物e)の中
でも、好ましいのは下記一般式(III a)又は一般式(I
V a)で表わされる化合物である。
一般式(I a)(II a)(III a)(IV a)においてR
18〜R33はR1〜R16で述べた各基のいずれかを表わす。
R18とR19、R20とR21、R22とR23、R24とR25、R26
R27、R28とR29、R30とR31、R32とR33は共同して炭素環
を形成してもよい。またR18〜R33のいずれかによつて重
合体へ連結されてもよい。
上記一般式において、α、αは2価の連結基であ
り、好ましくはYpZY′を表わし、m、nは
1または0を表わす。
Y、Y′は同じでも異なつてもよく、各々 −O−、−SO2−またはこれらを2つ以上組み合せてで
きる2価の基を表わし、Wはアルキル基又はアリール基
(これらはそれぞれ置換されていてもよい)を表わし、
Zはアルキレン基又はアリーレン基(これらはそれぞれ
置換されていてもよい)を表わし、pは1又は0を表わ
す。
ZおよびW上の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン
原子(R1〜R16で説明したものと同じ)、それぞれ置換
または無置換の、アルキル基、アリール基、アシルアミ
ノ基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アシル基、スルホニル基、カルバ
モイル基またはスルフアモイル基(これらはR1〜R16
説明したものと同じ)、それぞれ置換または無置換の、
アミノ基(炭素数0〜60。例えば、−NH2、N,N−ジエチ
ルアミノ、N,N−ジオクタデシルアミノ)、スルホンア
ミド基(炭素数2〜60。例えば、ヘキサデカンスルホン
アミド、ドデシロキシベンゼンスルホンアミド)、アシ
ロキシ基(炭素数2〜60。例えば(アセチロキシ、ベン
ゾイロキシ、ラウロイロキシ)、アルコキシカルボニル
基(炭素数2〜60。例えば、メトキシカルボニル、ブト
キシカルボニル)、アリーロキシカルボニル基(炭素数
6〜60。例えば、フエノキシカルボニル)、アルコキシ
カルボニルオキシ基(炭素数1〜60。例えば、メトキシ
カルボニルオキシ)、アリーロキシカルボニルオキシ基
(炭素数7〜60。例えば、フエノキシカルボニルオキ
シ)、アルコキシスルフオニル基(炭素数1〜60。例え
ば、メトキシスルフオニル、エチキシスルフオニル)、
アリーロキシスルフオニル基(炭素数6〜60。例えば、
フエノキシスルフオニル)、複素環(5員ないし6員の
複素環で、他の環と縮合していてもよい。炭素数1〜6
0。例えば、フリル、ピリジル、オクタデシルスクシン
イミド)、カルバモイルアミノ基(炭素数1〜60。例え
ば、N′−ドデシルカルバモイルアミノ)、スルフアモ
イルアミノ基(炭素数0〜60。例えば、N,N′−ジプロ
ピルスルフアモイルアミノ)などがある。
一般式(I a)、(II a)、(III a)、(IV a)にお
いてR18〜R33およびα、αの炭素数の合計は10以
上、特に14以上であるのが好ましい。
化合物d)の中でも特に好ましいのは一般式(I a)
で表わされる化合物であり、化合物e)の中でも特に好
ましいのは、一般式(III a)で表わされる化合物であ
る。
化合物d)と化合物e)の組合せで最も好ましいのは
一般式(I a)の化合物が一般式(III a)の化合物の酸
化体である場合(すなわちα=α、m=n、R18=R
26、R19=R27、R20=R28、R21=R29)である。
本発明の一般式(I)〜(IV)に含まれる化合物の具
体例を以下に挙げるが本発明がこれらに限定されるもの
ではない。
一般式(I)の具体例 一般式(II)の具体例 一般式(III)の具体例 一般式(IV)の具体例 一般式(III)および(IV)の合成法については以下
の特許に記載されている方法を使用できる。
米国特許2,360,290号、同2,403,721号、同2,418,618
号、同2,701,197号、同2,728,659号、同2,735,765号、
同2,732,300号、同3,700,453号、特公昭59−37497号、
同56−21145号、特開昭59−202465号、同55−72158号、
同55−43521号、同57−22237号、同58−156932号、同59
−5247号、同62−103638号、OLS2732971号など。
また一般式(I)および(II)の化合物は以下の方法
で容易に合成することができる。即ち一般式(III)ま
たは(IV)で表わされるハイドロキノン類、ナフトハイ
ドロキノン類、アミノフエノール類、アミノナフトール
類、フエニレンジアミン類、スルホンアミドフエノール
類、スルホンアミドナフトール類等を、二酸化マンガ
ン、塩化第二鉄、クロラニール、ジクロロジシアノベン
ゾキノン、酸化銀あるいは三酸化クロムなどの酸化剤に
より酸化する方法が一般的に知られている方法である。
溶媒としてはアセトン、酢酸エチル、クロロホルム等
を用いることが好ましく、温度は−10℃から80℃程度が
一般的である。
ハイドロキノン類とp−ベンゾキノン類をハロゲン化
銀カラー感光材料中に含有させる技術は特公昭61−5762
1号に記載されているが、この場合は、色素形成カプラ
ーを含有する感光材料を芳香族第一級アミンの存在下で
処理液を用いて現像し、生成した芳香族第一級アミンの
酸化体がカプラーと反応して色素画像を得るネガ画像形
成法においてカブリが少なくかつ画像濃度が高い効果が
得られることを期待しており、本発明の如く、ハロゲン
化銀が銀に還元される反応に逆対応して拡散性の色素を
放出する被還元性色素供与性化合物と共存させたカラー
感光材料を熱現像したときにステインを抑制し、色再現
性を改良できることは全く予想もできないことである。
本発明において一般式(I)又は一般式(II)で表わ
される化合物d)は、一般式(III)又は一般式(IV)
で表わされる化合物e)に対し、モル百分率で2%〜10
0%、特に好ましくは2%〜50%である。通常、一般式
(III)又は一般式(IV)で表わされる化合物にはその
酸化体である一般式(I)又は一般式(II)で表わされ
る化合物が1.0%程度混在しているにもかかわらず、一
般式(I)又は一般式(II)で表わされる化合物をさら
に数%追加することにより、よりステインを抑制し、色
再現性を改良できることは全く予想されないことであつ
た。
本発明において、化合物d)は、化合物e)、色素供
与性化合物c)、感光性ハロゲン化銀a)などと同一層
に添加することも、また別の層に添加することもできる
が、色素供与性化合物c)と同一層に添加するのが好ま
しい。
本発明において、化合物e)の添加量は銀1モルに対
して0.001〜20モル、特に好ましくは0.01〜10モルであ
る。また被還元性の色素供与性物質1モルに対して0.05
〜10モル、特に好ましくは0.1〜5モルである。
化合物e)と公知の還元剤を組合せて使用することも
できる。
公知の還元剤の例としては、米国特許第4,500,626号
の第49〜50欄、同第4,483,914号の第30〜31欄、同第4,3
30,617号、同4,590,152号、特開昭60−140335号の第(1
7)〜(18)頁、同57−40245号、同56−138736号、同59
−178458号、同59−53831号、同59−182449号、同59−1
82450号、同60−119555号、同60−128436号から同60−1
28439号まで、同60−198540号、同60−181742号、同61
−259253号、同62−244044号、同62−131253号から同62
−131256号まで、欧州特許第220,746A2号の第78より96
ページ等に記載の還元剤や還元剤プレカーサーがある。
化合物e)は拡散性が低いので、化合物e)(電子供
与体)と現像可能なハロゲン化銀との間の電子移動を促
進するために、電子伝達剤および/または電子伝達剤プ
レカーサーを組合わせていることが好ましい。
電子伝達剤またはそのプレカーサーは、前記した公知
の還元剤またはそのプレカーサーの中から選ぶことがで
きる。電子伝達剤またはそのプレカーサーはその移動性
が耐拡散性の化合物e)(電子供与体)より大きいこと
が望ましい。特に有用な電子伝達剤は1−フエニル−3
−ピラゾリドン類またはアミノフエノール類である。
本発明において、電子供与体と電子伝達剤の組合せ
は、好ましくはカラー感光材料中に内蔵させられる。電
子供与体、電子伝達剤またはそれらの前駆体はそれぞれ
2種以上組合せて用いることができ、感光材料中の乳剤
層(青感層、緑感層、赤感層、赤外感層、紫外感層等)
各々に添加することも、一部の乳剤層にのみ添加するこ
とも、また、乳剤隣接層(ハレーシヨン防止層、下塗
層、中間層、保護層等)に添加することも、さらにはす
べての層に添加することもできる。電子供与体と電子伝
達剤は同一層に添加することも別層に添加することもで
きる。また、これらの還元剤は色素供与性化合物と同一
層に添加することも、別の層に添加することもできる
が、耐拡散性の電子供与体は色素供与性化合物と同一層
に存在するのが好ましい。
電子伝達剤は受像材料(色素固定層)に内蔵すること
もできるし、現像時、溶媒を存在させる場合には、この
溶媒に溶解させてもよい。
次に本発明で用いる被還元性の色素供与性化合物につ
いて説明する。
本発明で用いる被還元性色素供与性化合物は、好まし
くは下記一般式〔C−I〕で表される化合物である。
PWR−(Time)−Dye 一般式〔C−I〕 式中、PWRは還元させることによって−(Time)−D
yeを放出する基を表す。
TimeはPWRから−(Time)−Dyeとして放出されたの
ち後続する反応を介してDyeを放出する基を表す。
tは0または1の整数を表す。
Dyeは色素またはその前駆体を表す。
最初にPWRについて詳しく説明する。
PWRは米国特許4,139,389号、あるいは米国特許4,139,
379号、同4,564,577号、特開昭59−185333号、同57−84
453号に開示されたように還元された後に分子内の求核
置換反応によって写真用試薬を放出する化合物における
電子受容性中心と分子内求核置換反応中心を含む部分に
相当するものであっても良いし、米国特許4,232,107
号、特開昭59−101649号、リサーチディスクロージャー
(1984)IV、24025号あるいは特開昭61−88257号に開示
されたごとく、還元された後に分子内に電子移動反応に
よる写真用試薬を脱離させる化合物における電子受容性
のキノノイド中心及びそれと写真用試薬を結びつけてい
る炭素原子を含む部分に相当するものであっても良い。
また特開昭56−142530号、米国特許4,343,893号、同4,6
19,884号、に開示されたような還元後に一重結合が開裂
し写真用試薬を放出する化合物中の電子吸引基で置換さ
れたアリール基及びそれと写真用試薬を連結する原子
(硫黄原子または炭素原子または窒素原子)を含む部分
に相当するものであっても良い。また米国特許4,450,22
3号に開示されているような、電子受容後に写真用試薬
を放出するニトロ化合物中のニトロ基及びそれと写真用
試薬を連結する炭素原子を含む部分に相当するものであ
ってもよいし、米国特許4,609,610号に記載された電子
受容後に写真用試薬をベータ脱離するジニトロ化合物中
のジエミナルジニトロ部分およびそれを写真用試薬と連
結する炭素原子を含む部分に相当するものであっても良
い。
また、特願昭62−106885号に記された一分子内にSO2
−X(Xは酸素、硫黄、窒素のいずれかを表わす)と電
子吸引性基を有する化合物、特願昭62−106895号に記さ
れた一分子内にPO−X結合(Xは上記と同義)と電子吸
引性基を有する化合物、特願昭62−106887号に記された
一分子内にC−X′結合(X′はXと同義かまたは−SO
2−を表す)と電子吸引性基を有する化合物が挙げられ
る。
本発明の目的をより十分に達成するためには一般式
〔C−I〕の化合物の化合物の中でも一般式〔C II〕で
表されるものが好ましい。
一般式〔C II〕 (TimetDyeはR101、R102あるいはEAGの少なくとも
一つと結合する。
一般式〔C II〕のPWRに相当する部分について説明す
る。
Xは酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、窒素
原子を含む基(−N(R103)−)を表す。
R101、R102およびR103は水素原子以外の基、または単
なる結合を表す。
R101、R102、及びR103で表わされる水素原子以外の基
としてはアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基などがあり、これらは
置換基を有していてもよい。
R101及びR103は置換あるいは無置換のアルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、
アシル基、スルホニル基などが好ましい。R101、および
R103の炭素数は1〜40が好ましい。
R102は置換あるいは無置換のアシル基、スルホニル基
が好ましい。例としてはR101、R103の時に述べたアシル
基、スルホニル基と同様である。炭素数は1〜40が好ま
しい。
R101、R102及びR103は互いに結合して五ないし八員の
環を形成しても良い。
Xとしては酵素が特に好ましい。
EAGについては後述する。
さらに本発明の目的を達成するためには一般式〔C I
I〕で表される化合物の中でも一般式〔C III〕で表され
るものが好ましい。
一般式〔C III〕 (TimetDyeはR104、EAGの少なくとも一方に結合す
る。
Xは前記と同じ意味を表わす。
R104はX、窒素原子と結合し、窒素原子を含めて五な
いし八員の単環あるいは縮環の複素環を形成する原子群
を表す。
EAGは、還元性物質から電子を受け取る基を表し、窒
素原子に結合する。EAGとしては次の一般式〔A〕で表
される基が好ましい。
一般式〔A〕 一般式〔A〕において、 Z1あるいは を表す。
VnはZ1、Z2とともに三ないし八員の芳香族を形成する
原子団を表しnは三から八の整数を表す。
V3;−Z3−、V4;−Z3−Z4−、V5;−Z3−Z4−Z5−、V6;
−Z3−Z4−Z5−Z6−、V7;−Z3−Z4−Z5−Z6−Z7−、V8;
−Z3−Z4−Z5−Z6−−Z7−Z8−である。
Z2−Z8はそれぞれが −O−、−S−、あるいは−SO2−を表し、Subはそれぞ
れが単なる結合(パイ結合)、水素原子あるいは以下に
記した置換基を表す。Subはそれぞれが同じであって
も、またそれぞれが異なっていても良く、またそれぞれ
互いに結合して三ないし八員の飽和あるいは不飽和の炭
素環あるいは複素環を形成してもよい。
一般式〔A〕では、置換基のハトツメ置換基定数シグ
マパラの総和が+0.50以上、さらに好ましくは+0.70以
上、最も好ましくは+0.85以上になるようにSubを選択
する。
EAGは、好ましくは、少なくとも一つの電子吸引性基
によって置換されたアリール基、あるいは複素環基であ
る。EAGのアリール基あるいは複素環基に結合する置換
基は化学物全体の物性を調節するために利用することが
出来る。化合物全体の物性の例としては、電子の受け取
り易さを調節できる他、例えば水溶性、油溶性、拡散
性、昇華性、融点、ゼラチンなどのバインダーに対する
分散性、求核性基に対する反応性、親電子性基に対する
反応性基を調節するのに利用することが出来る。
EAGの具体的な例は欧州特許公開220746A2号第6〜7
頁に記述されている。
Timeは窒素−酸素、窒素−窒素あるいは窒素−硫黄結
合の開裂をひきがねとして、後続する反応を介してDye
を放出する基を表す。
Timeで表される基は種々公知であり、例えば特開昭61
−147244号(5)頁−(6)頁、同61−236549号(8)
頁−(14)頁、特願昭61−88625号(36)頁−(44)頁
に記載の基が挙げられる。
Dyeが表わす色素にはアゾ色素、アゾメチン色素、ア
ントラキノン色素、ナフトキノン色素、スチリル基、ニ
トロ色素、キノリン色素、カルボニル色素、フタロシア
ニン色素などがある。なおこれらの色素は現像時に複色
可能な一時的に短波化した形で用いることもできる。
具体的にはEP76,492A号、特開昭59−165054号に開示
されたDyeが利用できる。
上記一般式〔C II〕又は〔C III〕で表わされる化合
物はそれ自体写真層中で非移動性であることが必要で、
そのためにEAG、R101、R102、R104又はXの位置(特にE
AGの位置)に炭素数8以上のバラスト基を有しているこ
とが望ましい。
以下に本発明に用いる被還元性色素供与性化合物の代
表的な具体例を列記するが、本発明はこれらに限られる
ものではなく、欧州特許公開220746A2号、公開技法87−
6199等に記述さてれいる色素供与性化合物も使用でき
る。
これらの化合物は、各々前記に引用した特許明細書に
記載の方法によつて合成することができる。
色素供与性化合物の使用量は、色素の吸光係数にもよ
るが、0.05〜5ミリモル/m2、好ましくは0.1〜3ミリモ
ル/m2の範囲である。色素供与性物質は単独でも2種以
上組合わせても使用できる。
色素供与性化合物c)、化合物d)、化合物e)など
の疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号記載の方法な
どの公知の方法により感光要素の層中に導入することが
できる。この場合には、特開昭59−83154号、同59−178
451号、同59−178452号、同59−178453号、同59−17845
4号、同59−178455号、同59−178457号などに記載のよ
うな高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃〜160℃
の低沸点有機溶媒と併用して、用いることができる。
高沸点有機溶媒の量は用いられる色素供与性化合物1g
に対して10g以下、好ましくは5g以下である。また、バ
インダー1gに対して1cc以下、更には0.5cc以下、特に0.
3cc以下が適当である。
特公昭51−39853号、特開昭51−59943号に記載されて
いる重合物による分散法も使用できる。
水に実質的に不溶な化合物の場合には、前記方法以外
にバインダー中に微粒子にして分散含有させることがで
きる。
疎水性化合物を親水性コロイドに分散する際には、種
々の界面活性剤を用いることができる。例えば特開昭59
−157636号の第(37)〜(38)頁に界面活性剤として挙
げたものを使うことができる。
本発明の感光材料は、基本的には支持体上に感光性ハ
ロゲン化銀a)、バインダーb)、被還元性色素供与性
化合物c)、化合物d)および化合物e)を含有するも
のである。これらの成分は同一の層に添加することが多
いが、反応可能な状態であれば別層に分割して添加する
こともできる。例えば着色している色素供与性化合物は
ハロゲン化銀乳剤の下層に存在させると感度の低下を防
げる。本発明の化合物e)は乳剤層だけでなく、中間層
に添加すると色再現性が向上する。
イエロー、マゼンタ、シアンの3原色を用いて色度図
内の広範囲の色を得るためには、少なくとも3層のそれ
ぞれ異なるスペクトル領域に感光性を持つハロゲン化銀
乳剤層を組み合わせて用いる。例えば青感層、緑感層、
赤感層の3層の組み合わせ、緑感層、赤感層、赤外感光
層の組み合わせなどがある。各感光層は通常型のカラー
感光材料で知られている種々の配列順序を採ることがで
きる。また、これらの各感光層は必要に応じて2層以上
に分割してもよい。
熱現像感光材料には、保護層、下塗り層、中間層、黄
色フィルター層、アンチハレーション層、バック層など
の種々の補助層を設けることができる。
本発明に使用し得るハロゲン化銀は、塩化銀、臭化
銀、沃臭化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀のいず
れでもよい。
本発明で使用するハロゲン化銀乳剤は、表面潜像型乳
剤であっても、内部潜像型乳剤であってもよい。内部潜
像型乳剤は造核剤や光カブラセとを組合わせて直接反転
乳剤として使用される。また、粒子内部と粒子表層が異
なる相を持つたいわゆるコアシェル乳剤であってもよ
い。ハロゲン化銀乳剤は単分散でも多分散でもよく、単
分散乳剤を混合して用いてもよい。粒子サイズは0.1〜
2μ、特に0.2〜1.5μが好ましい。ハロゲン化銀粒子の
晶癖は立方体、8面体、14面体、高アスペクト比の平板
状その他のいずれでもよい。
具体的には、米国特許第4,500,626号第50欄、同第4,6
28,021号、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下RDと
略記する)17029(1978年)、特開昭62−253159号等に
記載されているハロゲン化銀乳剤のいずれもが使用でき
る。
ハロゲン化銀乳剤は未後熟のまま使用してもよいが通
常は化学増感して使用する。通常型感光材料用乳剤で公
知の硫黄増感法、還元増感法、貴金属増感法などを単独
または組合わせて用いることができる。これらの化学増
感を含窒素複素環化合物の存在下で行うこともできる
(特開昭62−253159号)。
本発明において使用される感光性ハロゲン化銀の塗設
量は、銀換算1mgないし10g/m2の範囲である。
本発明においては、感光性ハロゲン化銀と共に、有機
金属塩を酸化剤として併用することもできる。このよう
な有機金属塩の中、有機銀塩は、特に好ましく用いられ
る。
以上の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用し得る有機
化合物としては、米国特許第4,500,626号第52〜53欄等
に記載のベンゾトリアゾール類、脂肪酸その他の化合物
がある。また特開昭60−113235号記載のフェニルプロピ
オール酸銀などのアルキニル基を有するカルボン酸の銀
塩や、特開昭61−249044号記載のアセチレン銀も有用で
ある。有機銀塩は2種以上を併用してもよい。
以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあた
り、0.01ないし10モル、好ましくは0.01ないし1モルを
併用することができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩
の塗布量合計は銀換算で50mgないし10g/m2が適当であ
る。
本発明においては種々のカブリ防止剤または写真安定
剤を使用することができる。その例としては、RD17643
(1978年)24〜25頁に記載のアゾール類やアザインデン
類、特開昭59−168442号記載の窒素を含むカルボン酸類
およびリン酸類、あるいは特開昭59−111636号記載のメ
ルカプト化合物およびその金属塩、特開昭62−87957に
記載されているアセチレン化合物類などが用いられる。
本発明に用いられるハロゲン化銀は、メチン色素類そ
の他によって分光増感されてもよい。用いられる色素に
は、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色
素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミオキソ
ノール色素が包含される。
具体的には、米国特許第4,617,257号、特開昭59−180
550号、同60−140335、RD17029(1978年)12〜13頁等に
記載の増感色素が挙げられる。
これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの
組合わせを用いてもよく、増感色素の組合わせは特に、
強色増感の目的でしばしば用いられる。
増感色素とともに、それ自身分光増感作用をもたない
色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化合物であっ
て、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んでもよい(例
えば米国特許第3,615,641号、特開昭63−23145号等に記
載のもの)。
これらの増感色素を乳剤中に添加する時期は化学熟成
時もしくはその前後でもよいし、米国特許第4,183,756
号、同4,225,666号に従つてハロゲン化銀粒子の核形成
前後でもよい。添加量は一般にハロゲン化銀1モル当た
り10-8ないし10-2モル程度である。
感光材料や色素固定材料の構成層のバインダーには親
水性のものが好ましく用いられる。その例としては特開
昭62−253159号の(26)頁〜(28)頁に記載されたもの
が挙げられる。具体的には、透明か半透明の親水性バイ
ンダーが好ましく、例えばゼラチン、ゼラチン誘導体等
のタンパク質またはセルロース誘導体、デンプン、アラ
ビアゴム、デキストラン、プルラン等の多糖類のような
天然化合物と、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン、アクリルアミド重合体、その他の合成高分子化
合物が挙げられる。また、特開昭62−245260号等に記載
の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SO3M(M
は水素原子またはアルカリ金属)を有するビニルモノマ
ーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは
他のビニルモノマーとの共重合体(例えばメタクリル酸
ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学
(株)製のスミカゲルL−5H)も使用される。これらの
バインダーは2種以上組み合わせて用いることもでき
る。
微量の水を供給して熱現像を行うシステムを採用する
場合、上記の高吸水性ポリマーを用いることにより、水
の吸収を迅速に行うことが可能となる。また、高吸水性
ポリマーを色素固定層やその保護層に使用すると、転写
後に色素が色素固定材料から他のものに再転写するのを
防止することができる。
本発明において、バインダーの塗布量は1m2当たり20g
以下が好ましく、特に10g以下、更には7g以下にするの
が適当である。
感光材料または色素固定材料の構成層(バック層を含
む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のヒ
ビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目的で種
々のポリマーラテックスを含有させることができる。具
体的には、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62
−110066号等に記載のポリマーラテックスのいずれも使
用できる。特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリ
マーラテックスを媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを
防止することができ、またガラス転移点が高いポリマー
ラテックスをバック層に用いるとカール防止効果が得ら
れる。
本発明においては感光材料に現像の活性化と同時に画
像の安定化を図る化合物を用いることができる。好まし
く用いられる具体的化合物については米国特許第4,500,
626号の第51〜52欄に記載されている。
色素の拡散転写により画像を形成するシステムにおい
ては感光材料と共に色素固定材料が用いられる。色素固
定材料は感光材料とは別々の支持体上に別個に塗設され
る形態であっても、感光材料と同一の支持体上に塗設さ
れる形態であってもよい。感光材料と色素固定材料相互
の関係、支持体との関係、白色反射層との関係は米国特
許第4,500,626号の第57欄に記載の関係が本願にも適用
できる。
本発明に好ましく用いられる色素固定材料は媒染剤と
バインダーを含む層を少なくとも1層有する。媒染剤は
写真分野で公知のものを用いることができ、その具体例
としては米国特許第4,500,626号第58〜59欄や特開昭61
−88256号第(32)〜(41)頁に記載の媒染剤、特開昭6
2−244043号、同62−244036号等に記載のものを挙げる
ことができる。また、米国特許第4,463,079号に記載さ
れているような色素受容性の高分子化合物を用いてもよ
い。
色素固定材料には必要に応じて保護層、剥離層、カー
ル防止層などの補助層を設けることができる。特に保護
層を設けるのは有用である。
感光材料および色素固定材料の構成層には、可塑剤、
スベリ剤、あるいは感光材料と色素固定材料の剥離性改
良剤として高沸点有機溶媒を用いることができる。具体
的には特開昭62−253159号の(25)頁、同62−245253号
などに記載されたものがある。
更に、上記の目的のために、各種のシリコーンオイル
(ジメチルシリコーンオイルからジメチルシロキサンに
各種の有機基を導入した変性シリコーンオイルまでの総
てのシリコーンオイル)を使用できる。その例として
は、信越シリコーン(株)発行の「変性シリコーンオイ
ル」技術資料P6−18Bに記載の各種変性シリコーンオイ
ル、特にカルボキシ変性シリコーン(商品名X−22−37
10)などが有効である。
また特開昭62−215953号、同63−46449号に記載のシ
リコーンオイルも有効である。
感光材料や色素固定材料には退色防止剤を用いてもよ
い。退色防止剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸
収剤、あるいはあるい種の金属錯体がある。
酸化防止剤としては、例えばクロマン系化合物、クマ
ラン系化合物、フェノール系化合物(例えばヒンダード
フェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードア
ミン誘導体、スピロインダン系化合物がある。また、特
開昭61−159644号記載の化合物も有効である。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系化合物
(米国特許第3,533,794号など)、4−チアゾリドン系
化合物(米国特許第3,352681号など)、ベンゾフェノン
系化合物(特開昭46−2784号など)、その他特開昭54−
48535号、同62−136641号、同61−88256号等に記載の化
合物がある。また、特開昭62−260152号記載の紫外線吸
収性ポリマーも有効である。
金属錯体としては、米国特許第4,241,155号、同第4,2
45,018号第3〜36欄、同第4,254,195号第3〜8欄、特
開昭62−174741号、同61−88256号(27)〜(29)頁、
同63−199248号、特願昭62−234103号、同62−230595号
等に記載されている化合物がある。
有用な退色防止剤の例は特開昭62−215272号(125)
〜(137)頁に記載されている。
色素固定材料に転写された色素の退色を防止するため
の退色防止剤は予め色素固定材料に含有させておいても
よいし、感光材料などの外部から色素固定材料に供給す
るようにしてもよい。
上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体はこれら
同士を組み合わせて使用してもよい。
感光材料や色素固定材料には蛍光増白剤を用いてもよ
い。特に色素固定材料に蛍光増白剤を内蔵させるか、感
光材料などの外部から供給させるのが好ましい。その例
としては、K.Veenkataraman編「The Chemistyr of Synt
hetic Dyes」第V巻第8章、特開昭61−143752号などに
記載されている化合物を挙げることができる。より具体
的には、スチルベン系化合物、クマリン系化合物、ビフ
ェニル系化合物、ベンゾオキサゾリル系化合物、ナフタ
ルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリ
ル系化合物などが挙げられる。
蛍光増白剤は退色防止剤と組み合わせて用いることが
できる。
感光材料や色素固定材料の構成層に用いる硬膜剤とし
ては、米国特許第4,678,739号第41欄、特開昭59−11665
5号、同62−245261号、同61−18942号等に記載の硬膜剤
が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤
(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポ
キシ系硬膜剤 ビニルスルホン系硬膜剤(N,N′−エチレン−ビス
(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メ
チロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、あるいは
高分子硬膜剤(特開昭62−234157号などに記載の化合
物)が挙げられる。
感光材料や色素固定材料の構成層には、塗布助剤、剥
離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的
で種々の界面活性剤を使用することができる。界面活性
剤の具体例は特開昭62−173463号、同62−183457号等に
記載されている。
感光材料や色素固定材料の構成層には、スベリ性改
良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フルオロ化合
物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代表例とし
ては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944
号、同62−135826号等に記載されているフッ素系界面活
性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物も
しくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物
樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
感光材料や色素固定材料にはマット剤を用いることが
できる。マット剤としては二酸化ケイ素、ポリオレフィ
ンまたはポリメタクリレートなどの特開昭61−88256号
(29)頁記載の化合物の他に、ベンゾグアナミン樹脂ビ
ーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなど
の特願昭62−110064号、同62−110065号記載の化合物が
ある。
その他、感光材料および色素固定材料の構成層には、
熱溶剤、消泡剤、防菌防バイ剤、コロイダルシリカ等を
含ませてもよい。これらの添加剤の具体例は特開昭61−
88256号第(26)〜(32)頁に記載されている。
本発明において感光材料及び/又は色素固定材料には
画像形成促進剤を用いることができる。画像形成促進剤
には銀塩酸化剤と還元剤との酸化還元反応の促進、色素
供与性物質からの色素の生成または色素の分解あるいは
拡散性色素の放出等の反応の促進および、感光材料層か
ら色素固定層への色素の移動の促進等の機能があり、物
理化学的な機能からは塩基または塩基プレカーサー、求
核性化合物、高沸点有機溶媒(オイル)、熱溶剤、界面
活性剤、銀または銀イオンと相互作用を持つ化合物等に
分類される。ただし、これらの物質群は一般に複合機能
を有しており、上記の促進効果のいくつかを合せ持つの
が常である。これらの詳細については米国特許4,678,73
9号第38〜40欄に記載されている。
塩基プレカーサーとしては、熱により脱炭酸する有機
酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセン転位また
はベックマン転位によりアミン類を放出する化合物など
がある。その具体例は米国特許4,511,493号、特開昭62
−65038号等に記載されている。
少量の水の存在下に熱現像と色素の転写を同時に行う
システムにおいては、塩基及び/又は塩基プレカーサー
は色素固定材料に含有させるのが感光材料の保存性を高
める意味で好ましい。
上記の他に、欧州特許公開210,660号、米国特許第4,7
40,445号に記載されている難溶性金属化合物およびこの
難溶性金属化合物を構成する金属イオンと錯形成反応し
うる化合物(錯形成化合物という)の組合せや、特開昭
61−232451号に記載されている電解により塩基を発生す
る化合物なども塩基プレカーサーとして使用できる。特
に前者の方法は効果的である。この難溶性金属化合物と
錯形成化合物は、感光材料と色素固定材料に別々に添加
するのが有利である。
本発明の感光材料及び/又は色素固定材料には、現像
時の処理温度および処理時間の変動に対し、常に一定の
画像を得る目的で種々の現像停止剤を用いることができ
る。
ここでいう現像停止剤とは、適正現像後、速やかに塩
基を中和または塩基と反応して膜中の塩基濃度を下げ現
像を停止する化合物または銀および銀塩と相互作用して
現像を抑制する化合物である。具体的には、加熱により
酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共存する塩基
と置換反応を起す親電子化合物、または含窒素ヘテロ環
化合物、メルカプト化合物およびその前駆体等が挙げら
れる。更に詳しくは特開昭62−253159号(31)〜(32)
頁に記載されている。
本発明の感光材料や色素固定材料の支持体としては、
処理温度に耐えることのできるものが用いられる。一般
的には、紙、合成高分子(フィルム)が挙げられる。具
体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイミド、セルロース類(例えばトリアセチルセ
ルロース)またはこれらのフィルム中へ酸化チタンなど
の顔料を含有させたもの、更にポリプロピレンなどから
作られるフィルム法合成紙、ポリエチレン等の合成樹脂
パルプと天然パルプとから作られる混抄紙、ヤンキー
紙、バライタ紙、コーティッドペーパー(特にキャスト
コート紙)、金属、布類、ガラス類等が用いられる。
これらは、単独で用いることもできるし、ポリエチレ
ン等の合成高分子で片面または両面をラミネートされた
支持体として用いることもできる。
この他に、特開昭62−253159号(29)〜(31)頁に記
載の支持体を用いることができる。
これらの支持体の表面に親水性バインダーとアルミナ
ゾルや酸化スズのような半導性金属酸化物、カーボンブ
ラックその他の帯電防止剤を塗布してもよい。
感光材料に画像を露光し記録する方法としては、例え
ばカメラなどを用いて風景や人物などを直接撮影する方
法、プリンターや引伸機などを用いてリバーサルフィル
ムやネガフィルムを通して露光する方法、複写機の露光
装置などを用いて、原画をスリットなどを通して走査露
光する方法、画像情報を電気信号を経由して発光ダイオ
ード、各種レーザーなどを発光させ露光する方法、画像
情報をCRT、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセ
ンスディスプレイ、プラズマディスプレイなどの画像表
示装置に出力し、直接または光学系を介して露光する方
法などがある。
感光材料へ画像を記録する光源としては、上記のよう
に、自然光、タングステンランプ、発光ダイオード、レ
ーザー光源、CRT光源などの米国特許第4,500,626号第56
欄記載の光源を用いることができる。
また、非線形光学材料とレーザー光等のコヒーレント
な光源を組み合わせた波長変換素子を用いて画像露光す
ることもできる。ここで非線形光学材料とは、レーザー
光のような強い光電界をあたえたときに現れる分極と電
界との間の非線形性を発現可能な材料であり、ニオブ酸
リチウム、リン酸二水素カリウム(KDP)、沃素酸リチ
ウム、BaB2O4などに代表される無機化合物や、尿素誘導
体、ニトロアニリン誘導体、例えば3−メチル−4−ニ
トロピリジン−N−オキシド(POM)のようなニトロピ
リジン−N−オキシド誘導体、特開昭61−53462号、同6
2−210432号に記載の化合物が好ましく用いられる。波
長変換素子の形態としては、単結晶光導波路型、ファイ
バー型等が知られておりそのいずれもが有用である。
また、前記の画像情報は、ビデオカメラ、電子スチル
カメラ等から得られる画像信号、日本テレビジョン信号
規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、原画をスキャナ
ーなど多数の画素に分割して得た画像信号、CG、CADで
代表されるコンピューターを用いて作成された画像信号
を利用できる。
感光材料及び/又は色素固定材料は、加熱現像もしく
は色素の拡散転写のための加熱手段としての導電性の発
熱体層を有する形態であってもよい。この場合の透明ま
たは不透明の発熱要素には、特開昭61−145544号明細書
等に記載のものを利用できる。なおこれらの導電層は帯
電防止層としても機能する。
熱現像工程での加熱温度は、約50℃〜約250℃で現像
可能であるが、特に約80℃〜約180℃が有用である。色
素の拡散転写工程は熱現像と同時に行ってもよいし、熱
現像工程終了後に行つてもよい。後者の場合、転写工程
での加熱温度は、熱現像工程における温度から室温の範
囲で転写可能であるが、特に50℃以上で熱現像工程にお
ける温度よりも約10℃低い温度までがより好ましい。
色素の移動は熱のみによっても生じるが、色素移動を
促進するために溶媒を用いてもよい。
また、特開昭59−218443号、同61−238056号等に詳述
されるように、少量の溶媒(特に水)の存在下で加熱し
て現像と転写を同時または連続して行う方法も有用であ
る。この方式においては、加熱温度は50℃以上で溶媒の
沸点以下が好ましい、例えば溶媒が水の場合は50℃以上
100℃以下が望ましい。
現像の促進および/または拡散性色素の色素固定層へ
の移動のために用いる溶媒の例としては、水または無機
のアルカリ金属塩や有機の塩基を含む塩基性の水溶液
(これらの塩基としては画像形成促進剤の項で記載した
ものが用いられる)を挙げることができる。また、低沸
点溶媒、または低沸点溶媒と水もしくは塩基性の水溶液
との混合溶液なども使用することができる。また界面活
性剤、カブリ防止剤、難溶性金属塩と錯形成化合物等を
溶媒中に含ませてもよい。
これらの溶媒は、色素固定材料、感光材料またはその
両者に付与する方法で用いることができる。その使用量
は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒の重量以下
(特に全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒の重量か
ら全塗布膜の重量を差引いた量以下)という少量でよ
い。
感光層または色素固定層に溶媒を付与する方法として
は、例えば、特開昭61−147244号(26)頁に記載の方法
がある。また、溶剤をマイクロカプセルに閉じ込めるな
どの形で予め感光材料もしくは色素固定材料またはその
両者に内蔵させて用いることもできる。
また色素移動を促進するために、常温では固体であり
高温では溶解する親水性熱溶剤を感光材料または色素固
定材料に内蔵させる方式も採用できる。親水性熱溶剤は
感光材料、色素固定材料のいずれに内蔵させてもよく、
両方に内蔵させてもよい。また内蔵させる層も乳剤層、
中間層、保護層、色素固定層いずれでもよいが、色素固
定層および/またはその隣接層に内蔵させるのが好まし
い。
親水性熱溶剤の例としては、尿素類、ピリジン類、ア
ミド類、スルホンアミド類、イミド類、アルニール類、
オキシム類その他の複素環類がある。
また、色素移動を促進するために、高沸点有機溶剤を
感光材料及び/又は色素固定材料に含有させておいても
よい。
現像および/または転写工程における加熱方法として
は、加熱されたブロックやプレートに接触させたり、熱
板、ホットプレッサー、熱ローラー、ハロゲンランプヒ
ーター、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触さ
せたり、高温の雰囲気中を透過させるなどがある。
感光材料と色素固定材料とを重ね合わせ、密着させる
時の圧力条件や圧力を加える方法は特開昭61−147244号
(27)頁に記載の方法が適用できる。
本発明の写真要素の処理には種々の熱現像装置のいず
れもが使用できる。例えば、特開昭59−75247号、同59
−177547号、同59−181353号、同60−18951号、実開昭6
2−25944号等に記載されている装置などが好ましく使用
される。
実施例1 第1層用の乳剤(I)の作り方について述べる。
良く撹拌しているゼラチン水溶液(水800ml中にゼラ
チン20g、臭化カリウム1g、およびOH(CH22S(CH22
OHの0.5gを加えて50℃に保温したもの)に下記(I)液
と(II)液と(III)液を同時に30分間にわたつて等流
量で添加した。このようにして平均粒子サイズ0.42μm
の色素を吸着させた単分散臭化銀乳剤を調製した。
水洗、脱塩後、石灰処理オセインゼラチン20gを加
え、pHを6.4、pAgを8.2に調整した後、60℃に保温し、
チオ硫酸ナトリウム9mg、塩化金酸0.01%水溶液6ml、4
−ヒドロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラザインデン
190mgを加え、45分間化学増感を行つた。乳剤の収量は6
35gであつた。
次に第3層用の乳剤(II)について述べる。
良く撹拌されている水溶液(水730ml中にゼラチン20
g、臭化カリウム0.30g、塩化ナトリウム6gおよび下記薬
品A0.015gを加えて60.0℃に保温したもの)に下記
(I)液と(II)液を同時に60分間にわたつて等流量で
添加した。(I)液添加終了後、下記増感色素Bのメタ
ノール溶液(III)液を添加した。このようにして平均
粒子サイズ0.45μmの色素を吸着させた単分散立方体乳
剤を調製した。
水洗、脱塩後、ゼラチン20gを加え、pHを6.4、pAgを
7.8に調整したのち、60.0℃で化学増感を行つた。この
時用いた薬品は、トリエチルチオ尿素1.6mgと4−ヒド
ロキシ−6−メチル1,3,3a,7−テトラザインデン100mg
で熟成時間は55分間であつた。また、この乳剤の収量は
635gであつた。
次に第5層用の乳剤(III)の作り方について述べ
る。
良く撹拌しているゼラチン水溶液(水800ml)中にゼ
ラチン20g、臭化カリウム3g、およびHO(CH22S(C
H22S(CH22OHの0.3gを加えて60℃に保温したもの)
に下記(I)液と(II)液を同時に30分間かけて添加し
た。その後さらに下記(III)液と(IV)液を同時に20
分間かけて添加した。
また、下記色素C(0.14g)をメタノール(70cc)に
溶かした溶液をIII液添加開始後5分から18分かけて添
加した。
水洗、脱塩後、石灰処理オセインゼラチン20gを加
え、pHを6.2、pAgを8.5に調整した後、チオ硫酸ナトリ
ウムと4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデン、塩化金酸を加え最適に化学増感した。この
ようにして平均粒子サイズ0.45μmの単分散八面体沃臭
化銀乳剤600gを得た。
次に色素供与性物質のゼラチン分散物の作り方につい
て述べる。
イエローの色素供与性物質(1)を18g、電子供与
体として本発明の化合物(III−5)を14.2g、高沸点有
機溶剤(1)を9g秤量し、酢酸エチル51mlを加え、約
60℃に加熱溶解させ、均一な溶液とした。この溶液と石
灰処理ゼラチンの10%溶液100g、水60ccおよびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム1.5gとを撹はん混合した
後、ホモジナイザーで10分間、10000rpmで分散した。こ
の分散液をイエローの色素供与性物質の分散物という。
マゼンタおよびシアンの色素供与性物質の分散物はイ
エローの色素供与性物質と同様に、マゼンタの色素供与
性物質(2)、またはシアンの色素供与性物質(3)
を使つて作つた。
これらにより下記表1の構成を有する感光材料101を
作成した。
なお還元剤(1)は以下の方法で分散して添加し
た。
還元剤(1)23.6g、高沸点有機溶媒(1)8.5
g、電子伝達剤プレカーサー(1)8.5gを酢酸エチル4
0mlに約60℃で溶解させ均一な溶液とした。この溶液と
石灰処理ゼラチンの10%水溶液100gおよび界面活性剤
(3)の5%水溶液15mlとを撹拌混合したのち、ホモ
ジナイザーで10分間10,000rpmで分散した。
また、表2に示す本発明の酸化体化合物を電子供与体
(III−5)、高沸点有機溶媒(1)および各色素供
与性物質とともに乳化分散して感光材料101の第1層、
第3層および第5層に添加してカラー感光材料102〜108
を作成した。
次に色素固定材料の作り方について述べる。
ポリエチレンでラミネートした紙支持体上に次表の構
成で塗布し色素固定材料R−1を作つた。
蛍光増白剤(1) 2,5ビス(5−ターシヤリブチルベンゾオキサゾル
(2))チオフエン 水溶性ポリマー(1) スミカゲルL5−H(住友化学(株)製) 水溶性ポリマー(2) デキストラン(分子量7万) マツト剤(1) シリカ マツト剤(2) ベンゾグアナミン樹脂 (平均粒径15μ) 上記多層構成のカラー感光材料101〜108にタングステ
ン電球を用い、連続的に濃度が変化しているB、G、R
及びグレーの色分解フイルターを通して500ルクスで1
秒間露光した。
この露光済みの感光材料を水に5秒間浸した後一対の
ゴムローラーの間を通し、過剰の水を除去した後、色素
固定材料R−1と膜面が接するように重ね合わせた。
吸水した膜の温度が75℃となるように温度調節したヒ
ートローラーを用い、20秒間加熱した。次に色素固定材
料からひきはがすと、固定材料上にB、G、Rおよびグ
レーの色分解フイルターに対応してブルー、グリーン、
レツド、グレーの鮮明な像が得られた。
グレー部のシアン、マゼンタ、イエローの各色の最高
濃度(Dmax)と最低濃度(Dmin)を測定した結果を表2
に示す。
表2より電子供与体に加えて本発明の酸化体を使用す
ることにより高いDmaxと低いDminのカラー画像を得るこ
とができた。さらに電子供与体とその酸化体である化合
物(I−1)を併用した感光材料102でデイスクリミネ
ーシヨンが最も良好であることがわかつた。
実施例2 感光材料101において電子供与体(III−5)に代えて
表3に示す電子供与体を用いて感光材料201〜204を作成
した。また、感光材料201〜204の第1層、第3層および
第5層にそれぞれ本発明の酸化体化合物(I−1)を感
光材料102と同量添加して感光材料301〜304を作成し
た。さらに感光材料201〜204において使用した各電子供
与体の酸化体を電子供与体に対し10モル%添加して感光
材料401〜404を作成した。
実施例1と同じ色素固定材料R−1を用いて同様に処
理したところ、感光材料301〜304および401〜404は対応
する感光材料201〜204に比べていずれも低いDminを与え
たがDmaxはほぼ同等であつた。
実施例3 実施例1の感光材料101と同じ乳剤(I)、電子供与
体、電子伝達剤等を用いて表3に示す構成のカラー感光
材料501を作成した。なお色素供与性物質は以下の化合
物を用いた。感光材料501において酸化体化合物(I−
1)を電子供与体(III−5)に対して2モル%、10モ
ル%、20モル%、50モル%、100モル%、200モル%添加
して感光材料502〜507を作成した。実施例1と同じ色素
固定材料R−1を用い、同様に処理したところ表4の結
果を得た。
表5より、酸化体化合物は電子供与体に対し100モル
%以上添加するとDmaxの低下が著しく好ましくないこと
がわかつた。
実施例4 実施例1の感光材料101と同じ乳剤、色素供与性物
質、電子供与体、電子伝達剤等を用いて表6に示す多層
構成のカラー感光材料601を作つた。
なお特記しない限り添加剤は実施例1と同じものを使
用した。
なお有機銀塩乳剤は以下のようにして調整した。
ゼラチン20gと4−アセチルアミノフエニルプロピオ
ール酸5.9gを0.1%水酸化ナトリウム水溶液1000mlとエ
タノール200mlに溶解した。この溶液を40℃に保ち撹は
んした。この溶液に硝酸銀4.5gを水200mlに溶解した液
を5分間で加えた。次いで沈降法により過剰の塩を除去
した。その後pHを6.3に合わせ収量300gの有機銀塩分散
物を得た。
また感光材料601において、第1層、第3層および第
5層に酸化体化合物(I−1)を電子供与体(III−
5)に対してモル比で10%それぞれ添加して感光材料60
2を作成した。
次に色素固定材料R−2の作り方について述べる。
ポリ(アクリル酸メチル−コ−N,N,N−トリメチル−
N−ビニルベンジルアンモニウムクロライド)(アクリ
ル酸メチルとビニルベンジルアンモニウムクロライドの
モル比率は1:1)10gを200mlの水に溶解し、10%石灰処
理ゼラチン100gと均一に混合した。この混合液に硬膜剤
を加え、二酸化チタンを分散したポリエチレンでラミネ
ートした紙支持体上に、90μmのウエツト膜厚に均一に
塗布した。この試料を乾燥後、媒染層を有する色素固定
材料R−2として用いる。
前記感光材料601〜602に実施例1と同様に露光した
後、140℃に加熱したヒートブロツク上で30秒間均一に
加熱した。
色素固定材料R−2に膜面側に1m2当り15mlの水を供
給した後、加熱処理の終つた上記感光材料をそれぞれ膜
面が接するように固定材料と重ね合せた。
その後80℃に加熱したラミネーターに線速12mm/secで
通したのち両材料をひきはがすと色素固定材料上に鮮明
な像が得られた。感光材料602は601と比較してDmaxはほ
とんど同じであつたが、Dminは各色とも低下した。
以上の結果より、電子供与体に対し酸化体化合物を2
〜100モル%の範囲で添加することにより画像のデイス
クリミネーシヨンが向上することがわかつた。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に少なくともa)感光性ハロゲン
    化銀、b)バインダー、c)還元されると拡散性の色素
    を放出する被還元性色素供与性化合物、d)下記e)の
    化合物に対し2〜100モル%の量の下記一般式(I)又
    は一般式(II)で表わされる化合物のうちの少なくとも
    一種およびe)下記一般式(III)又は一般式(IV)で
    表わされる化合物のうちの少なくとも一種を含有する熱
    現像カラー感光材料。 X1、X2は酸素原子、又は=N−R17を表わし、X3、X4
    ヒドロキシ基、又は−NHR17を表わす。R17はアシル基、
    又はスルホニル基を表わす。 R1〜R16はそれぞれ同一でも異なつていてもよく、水素
    原子、アルキル基、アリール基、カルバモイル基、スル
    フアモイル基、スルホニル基、アシル基、アルコキシカ
    ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ
    基、ヒドロキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アリー
    ルオキシ基、スルホニルアミノ基、ハロゲン原子、アル
    キルチオ基、アリールチオ基、スルホ基、カルボキシル
    基を表わす。 R1とR2、R3とR4、R5とR6、R6とR7、R7とR8、R9とR10、R
    11とR12、R13とR14、R14とR15、R15とR16は互いに結合
    して環を形成しても良い。 さらにR1〜R16のいずれかで連結されたビス体、トリス
    体である場合を含み、またR1〜R16のいずれかによつて
    重合体へ連結されたオリゴマー、ポリマーである場合を
    含む。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱現像カラー感光材料を画
    像露光後、または画像露光と同時に加熱現像することを
    特徴とするカラー画像形成法。
JP6052789A 1989-03-13 1989-03-13 熱現像カラー感光材料およびそれを用いた画像形成方法 Expired - Fee Related JP2611832B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6052789A JP2611832B2 (ja) 1989-03-13 1989-03-13 熱現像カラー感光材料およびそれを用いた画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6052789A JP2611832B2 (ja) 1989-03-13 1989-03-13 熱現像カラー感光材料およびそれを用いた画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02239247A JPH02239247A (ja) 1990-09-21
JP2611832B2 true JP2611832B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=13144872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6052789A Expired - Fee Related JP2611832B2 (ja) 1989-03-13 1989-03-13 熱現像カラー感光材料およびそれを用いた画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2611832B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02239247A (ja) 1990-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6229786B2 (ja)
JP2649855B2 (ja) 拡散転写型ハロゲン化銀カラー感光材料
JPH07119951B2 (ja) 熱現像感光材料
JPH0769596B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2757099B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2611832B2 (ja) 熱現像カラー感光材料およびそれを用いた画像形成方法
JPH0827526B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2879623B2 (ja) カラー感光材料
JP2655192B2 (ja) 熱現像感光材料
JP2699008B2 (ja) 熱現像感光材料
JP2887695B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2655186B2 (ja) 熱現像感光材料
JP2632009B2 (ja) カラー感光材料
JP2655187B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP2612207B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
US5882837A (en) Heat-developable color light-sensitive material
JP2612206B2 (ja) カラー感光材料
JP2670889B2 (ja) 熱現像感光材料
JP2767348B2 (ja) 色素固定要素
JP3138896B2 (ja) 色素固定要素
JP2699005B2 (ja) 熱現像感光材料
JP2649854B2 (ja) 熱現像カラー感光材料
JP3242777B2 (ja) 色素固定要素
JP2649853B2 (ja) 拡散転写写真材料
JP2896449B2 (ja) 色素固定要素

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees