JP2611389B2 - 2価フェノールの製造方法 - Google Patents

2価フェノールの製造方法

Info

Publication number
JP2611389B2
JP2611389B2 JP63275384A JP27538488A JP2611389B2 JP 2611389 B2 JP2611389 B2 JP 2611389B2 JP 63275384 A JP63275384 A JP 63275384A JP 27538488 A JP27538488 A JP 27538488A JP 2611389 B2 JP2611389 B2 JP 2611389B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen peroxide
dihydric phenol
reaction
dhp
hhp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63275384A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01250333A (ja
Inventor
隆男 荻野
俊次 有田
正雪 武田
勝 嘉屋
Original Assignee
三井石油化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 三井石油化学工業株式会社 filed Critical 三井石油化学工業株式会社
Priority to JP63275384A priority Critical patent/JP2611389B2/ja
Publication of JPH01250333A publication Critical patent/JPH01250333A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2611389B2 publication Critical patent/JP2611389B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、アルキル置換基を有していてもよい2価フ
ェノールの製造方法に関し、さらに詳しくは、アルキル
置換基を有していてもよいジイソプロピルベンゼンの酸
化により得られるジヒドロペルオキシドを酸分解する
し、レゾルシンなどのアルキル置換基を有していてもよ
い2価フェノールの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
アルキル置換基を有していてもよいジイソプロピルベ
ンゼンを塩基の存在下に分子状酸素で酸化すると、ジイ
ソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド(DHP)、ジ
イソプロピルベンゼンモノカルビノールモノヒドロペル
オキシド(HHP)、ジイソプロピルベンゼンモノヒドロ
ペルオキシド(MHP)などの種々のヒドロペルオキシド
類、およびジイソプロピルベンゼンジカルビノール(D
C)などのカルビノール類が生成することは知られてい
る。
これらの酸化生成物のうちDHPを硫酸等の酸触媒を用
いて、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒や、アセト
ン、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン溶媒
の存在下に酸分解すると、工業的に有用なレゾルシンあ
るいはハイドロキノンが得られることは、従来からよく
知られている。
この方法は、ジイソプロピルベンゼンからレゾルシン
あるいはハイドロキノンを得るための有用なプロセスで
はあるが、ジイソプロピルベンゼンからより多くのレゾ
ルシンあるいはハイドロキノンを得るためには、ジイソ
プロピルベンゼンを効率良く酸化してヒドロペルオキシ
ド、中でもDHPを高収率で製造することが強く望まれて
いる。
このためジイソプロピルベンゼンの酸化により得られ
る酸化反応生成物中に過酸化水素水(H202)を添加して
HHP、DCなどのカルビノール類をDHPにさらに酸化する方
法が、たとえば、英国特許第910735号明細書、特開昭53
−23939号公報、特開昭55−532650号公報などに開示さ
れている。そして上記の特開昭53−23939号および特開
昭55−53265号公報に開示された2価フェノール類の製
造方法では、HHPやDCなどのカルビノール類を過酸化水
素を用いて酸化しDHPにする酸化工程と、DHPを酸分解し
て2価フェノール類を得る酸分解工程とを別々に行うこ
とにより、HHPやDCなどのカルビノール類を酸化および
酸分解して2価フェノール類を効率よく得ることができ
るとされている。
上記のような従来提案されているジイソプロピルベン
ゼンの酸化および酸分解によるレゾルシンなどの2価フ
ェノール類の製造方法を要約すると、以下のようにな
る。
すなわち、ジイソプロピルベンゼンを塩基の存在下
に、必要に応じてラジカル開始剤を用いて分子状態酸素
で酸化すると、上記のようなDHP、HHP、MHP、DCなどを
含む酸化反応混合物が得られる。
このようにして得られた酸化反応混合物をトルエンな
どの芳香族炭化水素溶媒に溶解した油相と、過酸化水素
および硫酸などの酸触媒を含む水相とを接触させ、上記
の酸化反応混合物中に含まれるHHP、DCなどをDHPに酸化
する酸化工程を行い、次いで別工程でDHPを硫酸などの
酸触媒により酸分解する酸分解工程を行って、レゾルシ
ンなどの2価フェノール類を製造することができる。
ところで上記のようなHHP、DCなどを過酸化水素で酸
化してDHPを得る酸化工程は、蒸留塔と水分離装置とを
上部に有する槽型反応器に、ジイソプロピルベンゼンの
酸化反応混合物をトルエンなどの芳香族炭化水素を溶媒
として供給し、また槽型反応器に過酸化水素および硫酸
などの酸触媒を供給して、20〜70℃でHHP、DCなどを過
酸化水素で酸化することによって行うことができる。こ
の際得られた反応混合物は油水分離され、水相は、この
水相に過酸化水素および硫酸などの酸触媒を添加して槽
型反応器に再循環し、油相は中和後濃縮して、次の酸分
解工程に供給される。そして反応槽に供給される過酸化
水素は、HHPに対して約16培モルの量で用いることが提
案されており、またこの場合には反応槽における油/水
比は重量比で約1.6になるように保たれる。そしてこの
場合反応混合物からHHPの酸化によって生成する水を芳
香族炭化水素とともに減圧下共沸蒸留によって系外へ除
去し、芳香族炭化水素は槽型反応器に還流される。さら
にこの方法を採用した場合には、局部加熱の影響を避け
る必要上、不活性溶媒の蒸気を供給することにより反応
温度を維持することが必要である。またこのときの反応
槽における油/水比を約1.6.に保つ理由は、水相が濃縮
されて生じた高濃度酸触媒が反応液と接触しても、水相
が多い場合はペルオキシド類の酸分解反応はほとんど起
らないためである。ところが多量の水を用いることは、
水相に水溶性の副反応生成物が多く移行するため、水相
を再循環使用する場合は副生成物が水相に蓄積し、あま
り好ましいことではない。またこの方法では多量の水を
用いるため、HHPに対して過酸化水素を反応系内で約16
倍モル量用いる必要がある。
このように従来提案されているHHP、DCなどを過酸化
水素で酸化してDHPを得る酸化工程は、過酸化水素の供
給量がHHPに対して約16倍モル量と多量に用いなければ
ならず、しかも減圧濃縮による脱水や芳香族炭化水素の
還流を要し、水相を再循環するために過酸化水素や酸触
媒濃度を調節しなければならず、また運転を円滑に行う
ために油/水比を小さく保つ必要、すなわち多量の水を
用いる必要があるという問題点を含んでいる。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明の目的は、上記のような問題点を解決するた
め、水分の系外除去や芳香族炭化水素の還流、水相の再
潤滑を行う必要がなく、しかも油/水比を大きくでき、
したがって過酸化水素および酸触媒の使用量ならびに反
応時間を低減させることが可能なアルキル置換基を有し
ていてもよい2価フェノールの製造方法を提案すること
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係る2価フェノールの製造方法は、アルキル
置換基を有していてもよいジイソプロピルベンゼンを分
子状態素で酸化して少なくともジイソプロピルベンゼン
ジヒドロペルオキシド(DHP)およびジイソプロピルベ
ンゼンモノカルビノールモノヒドロペルオキシド(HH
P)が含まれた酸化反応混合物(A)を生成させ、 撹拌型反応装置に上記の酸化反応混合物(A)を、芳
香族酸化水素を溶媒とする油相として供給するととも
に、 水相として上記酸化反応混合物(A)中のHHP1モルに
対して過酸化水素を1〜5モルの量で、また酸触媒を水
相中濃度が10〜40重量%となる量で供給し、 この際反応装置内に供給する水相の過酸化水素濃度が
20重量%以上となり、また反応装置内の油相/水相の重
量比が10以上となるようにし、 反応温度を30〜60℃に保って、HHPを過酸化水素によ
り酸化してDHPを生成させ、 得られた酸化反応混合物(B)を油相と水相とに分離
し、分離された油相中に含まれるDHPを酸分解してアル
キル置換基を有していてもよい2価フェノールを得るこ
とを特徴とする2価フェノールの製造方法である。
本発明に係る2価フェノールの製造方法では、上記の
ようにして酸化反応混合物(A)の中のHHP1モルに対し
て過酸化水素を1〜5モルの量で、また酸触媒を水相中
濃度が10〜40重量%となる量で撹拌型反応装置に供給
し、この際反応装置内に供給する水相の過酸化水素濃度
が20重量%以上となり、また反応装置内の油相/水相の
重量比が10以上となるような条件下で、特に減圧するこ
となく酸化反応混合物(A)中のHHPと過酸化水素とを
触媒させて、HHPをDHPに酸化しているので、水相中の酸
化触媒が濃縮されることがなく、このための芳香族炭化
水素の還流の必要はなく、しかも水相を再使用しない場
合、過酸化水素や酸触媒濃度を調節する必要がなく、か
つ過酸化水素および酸触媒の使用量を低減させることが
できる。
以下本発明に係る2価フェノールの製造方法につい
て、具体的に説明する。
本発明において、アルキル置換基を有していてもよい
2価フェノールとは、レゾルシン、ハイドロキノンなど
の2価フェノールのほか、アルキル置換基を有するもの
を含む。アルキル置換基を有していてもよいジイソプロ
ピルベンゼン、DHP、HHP、DC等についても同様である。
本発明では、まずアルキル置換基を有していてもよい
ジイソプロピルベンゼンを分子状酸素で酸化して、少な
くともジイソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド
(DHP)およびジイソプロピルベンゼンモノカルビノー
ルモノヒドロペルオキシド(HHP)が含まれた酸化反応
混合物(A)を生成させる。
ジイソプロピルベンゼン(DIPB)を分子状酸素で酸化
して、DHPおよびHHPを製造する方法としては、従来から
知られている方法を広く採用することができる。通常は
ジイソプロピルベンゼン(DIPB)を塩基の存在下で、必
要に応じてラジカル開始剤を用いて、分子状酸素たとえ
ば空気などにより酸化すればよい。
このようにしてDIPBを酸化すると、DHPおよびHHPのほ
かに、酸化反応の副生成物として、ジイソプロピルベン
ゼンジカルビノール(DC)、ジイソプロピルベンゼンモ
ノヒドロペルオキシド(MHP)などが生成する。
次に、このようにして得られた酸化反応混合物(A)
を、芳香族炭化水素に溶解し、アルカリ水相を除去後、
撹拌型反応装置例えば第1図に示すような多段式の撹拌
型反応装置1、または第2図に示すような管式反応装置
11に供給する。第1図の多段式撹拌型反応装置1は、撹
拌型反応装置2a,2b,2c…を多段にシリーズに接続したも
ので、それぞれ撹拌装置3a,3b,3c…がモーター4a,4b,4c
…により駆動されるようになっている機械撹拌型の反応
装置である。撹拌装置3a,3b,3c…は周速1m/秒以上で回
転するものが好ましい。第2図は管式反応装置11は、横
型の管12の内部にコイル13を設け、モーター14により駆
動するようにした管式反応装置である。
酸化反応混合物(A)を溶解するために用いられる芳
香続炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、クメン、シメン、ジイソプロピル
ベンゼンなどがあげられるが、このうち特にトルエンが
好ましい。
また上記多段式撹拌型反応装置1または管式反応装置
11に、酸化反応混合物(A)中に含まれるHHP1モルに対
して過酸化水素を1〜5モル倍量、好ましくは1.0〜3
モル倍量で、または酸触媒を水相中濃度が10〜40重量%
となるような量で供給する。
この際反応装置1または11内に供給する過酸化水素お
よび酸触媒を含む水相の過酸化水素濃度は20重量%以
上、好ましくは40〜55重量%であることが望ましく、ま
た反応装置1内の油相/水相の重量比は10倍以上、好ま
しくは20〜35であることが望ましい。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸など
の無機酸が用いられる。このうち特に硫酸が好ましい。
本発明では、反応装置1または11内の油相/水相の重
量比は10以上、好ましくは20〜35程度と、従来法と比較
して極めて大きく、このことは反応装置1内では、水相
の量が著しく少ないことを意味している。したがって酸
化反応混合物(A)中に存在するHHPを酸化する過酸化
水素の量を、HHP1モルに対して1〜5モルと少なくする
ことが可能となる。また反応装置1または11内に供給す
る水相の過酸化水素濃度を20重量%以上、好ましくは40
〜55重量%とすることができる。
このような各成分を含む反応系で30〜60℃、好ましく
は40〜55℃に保って、酸化反応混合部物(A)中に含ま
れるHHPを過酸化水素により酸化してDHPを生成させる。
この際反応液を反応装置内において強力な撹拌状態に保
つことが好ましい。
本発明では、上記のように反応液は撹拌型反応装置を
用いて撹拌状態のもとに反応が行われる。この場合の撹
拌型反応装置の例としては以下のものを例示できる。
:通常知られている攪拌機、例えば種々の形状からな
る撹拌羽根(タービン型、湾曲パドル型、傾斜パドル型
など)を有する撹拌装置、またはホモミクサー(特殊機
化工業(株)製、商品名)のような高速回転剪断型の機
械撹拌装置を備えた槽型の撹拌型反応装置。
:反応管内を反応液が乱流状態で流れるようにした管
式反応装置。
本発明に係わるの機械撹拌型反応装置についてさら
に説明すると、その機械的撹拌条件としては、撹拌機の
有する撹拌エネルギーを反応液に直接伝える部分である
撹拌翼の撹拌速度を周速で表示した場合、周速が通常1m
/秒以上、好ましくは5m/秒以上の範囲にある撹拌条件の
もとに反応液を混合しながら反応が行われる。ここで本
発明で採用される周速は、撹拌翼の回転中心から撹拌翼
の最も遠い外縁部までの距離をrとして、撹拌の回転の
角速度をωラジアン/秒とすればr×ωによって算出さ
れる値である。
また本発明では、上記反応を連続式で行う場合、1段
で行うより2段以上の多段式で行う方がさらに有利であ
る。
また反応時間は、反応温度、酸触媒濃度、過酸化水素
濃度などによって異なるが、特に撹拌条件によって大き
く異なる。すなわち周速1.1m/秒では、反応時間が10〜3
0分必要であるが、周速3.8m/秒では3〜15分、周速11m/
秒では0.5〜5分と、周速を高めることにより反応時間
を大幅に短縮することができる。
また本発明では、撹拌型反応装置内に反応液を充満さ
せることにより、気液界面での水分の蒸発に起因すると
考えられる芳香族ヒドロペルオキシドの酸分解の問題を
回避することが可能となり、内部温度は外部ジャケット
に温水を通すことにより調節できる。
本発明に、係わる前記の管式反応装置についてさら
に説明すると、本発明は反応管内の反応溶液の撹拌状態
を良くするために、反応液は反応管内では乱流状態で流
れるように反応管に供給される。流れの状態を層流では
なく乱流とするためには、反応液の供給速度を適宜選ぶ
ことによって行うことができるが、さらに必要であれば
内部にコイルを挿入し、撹拌することにより乱流するこ
ともできる。液の流れの状態はよく知られているように
レイノズル数(Re数)を算出することによって知り得
る。本発明ではRe数は通常2000以上である。
d:円管の内径 U:流体の平均速度 ρ:流体の密度 μ:流体の粘度 管式反応装置を用いる場合には、反応管の内径は通常
10〜100mm、流体の平均速度は通常0.1〜5.0m/secであ
る。反応管の長さは通常10〜500mであり、滞留時間を考
慮して、適宜決められる。
上記のような撹拌型反応装置を用いると、撹拌装置を
有しない他の反応装置を用いる場合に比べて、酸化反応
に使用する過酸化水素の量は少なくなり、反応時間も短
くなる。
次に、前記のようにして得られた酸化反応混合物
(B)を、必要により反応停止用の水を添加したのち、
分離装置5において油相と水相とに分離し、分離された
油相をさらに必要により中和濃縮後、酸分解工程におい
て、油相中に含まれるDHPを酸分解すると、レゾルシン
などのアルキル置換基を有していてもよい2価フェノー
ルが得られる。
油相中に含まれるDHPを酸分解するには、従来公知の
方法を広く採用することができる。具体的には、DHPの
酸分解反応は、上記のような油相にアセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類を添加し、
酸触媒の濃度を0.001〜15重量%とし、40〜100℃、好ま
しくは60〜90℃の温度で行なえばよい。
この際用いられる酸触媒としては、硫酸、無水硫酸、
フッ化水素酸、過塩素酸、塩酸、リン酸などの無機酸、
強酸性イオン交換樹脂、シリカアルミナなどの固体酸、
クロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、
パラトルエンスルホン酸などの有機酸、リンタングステ
ン酸、リンモリブデン酸などのヘテロポリ酸などが用い
られる。
〔発明の効果〕
本発明に係る2価フェノールの製造方法では、上記の
ようにして酸化反応混合物(A)中のHHP1モルに対して
過酸化水素を1〜5モルの量で、また酸触媒を水相中濃
度が10〜40重量%となる量で撹拌型反応装置に供給し、
この際反応装置内に供給する水相の過酸化水素濃度が20
重量%以上となり、また反応装置内の油相/水相の重量
比が10以上となるような条件下で、酸化反応混合物
(A)中のHHPと過酸化水素とを接触させて、HHPをDHP
に酸化しているので、水相中の酸触媒が濃縮されること
ろがないため、芳香族炭化水素を還流する必要はなく、
しかも水相を再使用しない場合、過酸化水素や酸触媒濃
度を調節する必要がなく、かつ過酸化水素および酸触媒
の使用量を低減させることができ、さらに強力な撹拌効
果を有する反応装置を用いることにより、過酸化水素に
よる酸化反応の反応時間を大幅に短縮してDHPの収率を
上げることができる。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
参考例1 メタジイソプロピルベンゼンを水酸化ナトリウム水溶
液の存在下、100℃の温度で空気酸化した。酸化終了後
トルエンを加え、分離したアルカリ水相を除去すること
によって、表1に示した組成をもつ酸化反応混合物のト
ルエン溶液を得た。
実施例1〜3、比較例1 第1図に示したような多段式の機械撹拌型反応装置
に、参考例1で調製した酸化反応混合物のトルエン溶液
(油相)を549重量部/hrの速度で、また過酸化水素およ
び硫酸を含む水相を表2の条件から計算された速度でフ
ィードした。撹拌装置の周速、反応温度、反応時間を表
2の値に保ちながら連続的に反応を行い、反応器出口か
らの反応液を油水分離し、油相のヒドロペルオキシド濃
度を分析した。その値からDHP収率*を求めた。
結果を表2に示す。なお水相は一過式とし、循環使用
しなかった。
実施例4〜5 第2図に示したようなコイルを内挿した管式反応装置
(管の内径10mm、管の長さ1m、コイルの回転数2000rp
m)に、参考例1で調製した、酸化反応生成物のトルエ
ン溶液(油相)を549重量部/hrの速度で、また過酸化水
素および硫酸を含む水相を表2の条件から計算された速
度でフィードした。反応速度、反応時間を表2の値に保
ちながら連続的に反応を行い、反応器出口からの反応液
を油水分離し、油相のヒドロペルオキシドを分析した。
その値からDHP収率を求めた。
結果を表2に示す。
比較例2 蒸留塔と水分離装置とを上部に、またガス吹込み管を
下部に装備した槽型反応装置に、参考例1で調製した酸
化反応混合物のトルエン溶液を549重量部/hrの速度で、
また過酸化水素、硫酸を表2に示した濃度で含む水相を
449重量部/hrの速度でフィードし、また同時にガス吹込
み管から加熱したトルエンの蒸気を161重量部/hrの速度
で導入し、反応圧力150Torr、反応温度と平均滞留時間
(反応時間)を表2に示した条件に保つように反応を行
った。このときの反応装置上部からの留出液のうちトル
エンは全量を反応系内へ還流し、一方留出物から分離し
た水相の一部を系外に抜き出した。オーバーフローライ
ンから反応混合物を連続的に抜き出し、油水分離したの
ち、水相はその中に含まれる過酸化水素および硫酸の濃
度を表2に示した値に調製して循環使用した。この時水
相は循環使用されているため反応系内にはH202は対HHP
モル比で16倍存在するが、正味HHPをDHPとする反応に必
要なH202の使用量は3.0倍であった。反応後の油相を分
析し、その値からDHP収率を求めた。
結果を表2に示す。
表2から明らかなとおり、実施例1〜3と比較例2は
どちらの方法を用いてもDHP収率は同等であり、したが
って実施例1〜3の方が装置、作業性、過酸化水素や酸
触媒の使用量などの点で優れており、さらに実施例1〜
3と比較例1を比べると、周速が1m/秒以上の方が反応
時間が短くてすむことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の製造方法の実施態様を示すフ
ローチャートである。 図中、1は多段式撹拌型反応装置、5は分離装置、11は
管式反応装置である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルキル置換基を有していてもよいジイソ
    プロピルベンゼンを分子状酸素で酸化して少なくともジ
    イソプロピルベンゼンジヒドロペルオキシド(DHP)お
    よびジイソプロピルベンゼンモノカルビノールモノヒド
    ロペルオキシド(HHP)が含まれた酸化反応混合物
    (A)を生成させ、 撹拌型反応装置に上記の酸化反応混合物(A)を、芳香
    族炭化水素を溶媒とする油相として供給するとともに、 水相として上記酸化反応混合物(A)中のHHP1モルに対
    して過酸化水素を1〜5モルの量で、また酸触媒を水相
    中濃度が10〜40重量%となる量で供給し、 この際反応装置内に供給する水相の過酸化水素濃度が20
    重量%以上となり、また反応装置内の油相/水相の重量
    比が10以上になるようにし、 反応温度を30〜60℃に保って、HHPを過酸化水素により
    酸化してDHPを生成させ、 得られた酸化反応混合物(B)を油相と水相とに分離
    し、分離された油相中に含まれるDHPを酸分解して、ア
    ルキル置換基を有していてもよい2価フェノールを得る
    こと特徴とする2価フェノールの製造方法。
  2. 【請求項2】撹拌型反応装置が周速1m/秒以上の機械撹
    拌装置を持つことを特徴とする請求項(1)記載の2価
    フェノールの製造方法。
  3. 【請求項3】撹拌型反応装置が高速度回転剪断型撹拌装
    置を持つ反応装置であることを特徴とする請求項(1)
    または(2)記載の2価フェノールの製造方法。
  4. 【請求項4】撹拌型反応装置が反応管内を反応液が乱流
    状態で流れるようにした管式反応装置であることを特徴
    とする請求項(1)記載の2価フェノールの製造方法。
  5. 【請求項5】撹拌型反応装置を2段以上接続して用いる
    ことを特徴とする請求項(1)ないし(4)のいずれか
    に記載の2価フェノールの製造方法。
JP63275384A 1987-12-07 1988-10-31 2価フェノールの製造方法 Expired - Lifetime JP2611389B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63275384A JP2611389B2 (ja) 1987-12-07 1988-10-31 2価フェノールの製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62-309247 1987-12-07
JP30924787 1987-12-07
JP63275384A JP2611389B2 (ja) 1987-12-07 1988-10-31 2価フェノールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01250333A JPH01250333A (ja) 1989-10-05
JP2611389B2 true JP2611389B2 (ja) 1997-05-21

Family

ID=26551448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63275384A Expired - Lifetime JP2611389B2 (ja) 1987-12-07 1988-10-31 2価フェノールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2611389B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01250333A (ja) 1989-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7282613B2 (en) Process for producing phenol and methyl ethyl ketone
US4283570A (en) Process for preparing resorcinol
US7312365B2 (en) Process for low temperature cleavage of an oxidation mixture comprising hydroperoxides
KR960008646B1 (ko) 2가 페놀류의 제조방법
JP2611389B2 (ja) 2価フェノールの製造方法
JP4672139B2 (ja) ジイソプロピルベンゼンからジヒドロキシベンゼンとジカルビノールを製造するための改良された方法
JPH0253416B2 (ja)
JPS6353979B2 (ja)
JPS6234755B2 (ja)
JPH1059886A (ja) ヒドロキシ芳香族化合物の製造方法
JP2795471B2 (ja) 多価フェノール類の製造方法
JPH0112737B2 (ja)
JP3029147B2 (ja) エポキシ化された(メタ)アクリレ―ト化合物の製造方法
JP2682134B2 (ja) ヒドロペルオキシド混合物の処理方法
EP0271623B1 (en) Process for producing hydroquinone
JPH0147465B2 (ja)
JPS6339831A (ja) ジヒドロキシナフタレンの精製方法
JP2672144B2 (ja) フロログルシンおよびレゾルシンの製造方法
JP2746421B2 (ja) フロログルシンおよびレゾルシンの製造方法
JPS6270333A (ja) 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法
JPH07108871B2 (ja) 4,4’‐ジヒドロキシビフェニルの製造方法
JP2000290248A (ja) ヒドロペルオキシド類の製造方法
JPS5915891B2 (ja) α.α.α′、α′↓−テトラメチル−フエニレン↓−ビスカルビノ−ルの製造方法
JPH0662471B2 (ja) 2,6−ジヒドロキシナフタレンの製造方法
JPH0418067A (ja) アルキルヒドロ過酸化物の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090227

Year of fee payment: 12