JP2000290248A - ヒドロペルオキシド類の製造方法 - Google Patents

ヒドロペルオキシド類の製造方法

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JP2000290248A
JP2000290248A JP11095546A JP9554699A JP2000290248A JP 2000290248 A JP2000290248 A JP 2000290248A JP 11095546 A JP11095546 A JP 11095546A JP 9554699 A JP9554699 A JP 9554699A JP 2000290248 A JP2000290248 A JP 2000290248A
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oxidation reaction
hydroperoxides
reaction system
oxygen
hydrocarbons
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JP11095546A
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Hiroshi Kuroda
浩史 黒田
Koichi Yamazaki
幸一 山崎
Hideki Matsuo
英喜 松尾
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】炭化水素を酸素含有気体にて酸化してヒドロペ
ルオキシド類を製造する方法において、対応するヒドロ
ペルオキシド類を高い選択率で製造する方法を提供す
る。 【解決手段】副生する有機酸を積極的に酸化反応系から
除去しながら酸化反応を行い、炭化水素を対応するヒド
ロペルオキシド類に選択的に転化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化水素を酸素含
有気体にて酸化して、対応するヒドロペルオキシド類に
選択的に且つ高濃度に転化することによるヒドロペルオ
キシド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、
対応するヒドロペルオキシド類を製造する方法は、自動
酸化技術として公知の技術である。
【0003】しかしこの反応では、ヒドロペルオキシド
類の蓄積速度を上げるために高い反応温度を必要とす
る。一方、反応温度が高くなると生成物であるヒドロペ
ルオキシドが熱分解を起こし、その選択率が低下する。
すなわち、速度と選択率の間にはトレードオフ、つまり
負の相関関係がある。
【0004】また、副生する有機酸によってヒドロペル
オキシドが酸分解され、分解生成物は酸化反応停止物質
として働くために、酸化速度、選択率は低下する。
【0005】これを防止する方法として、炭酸ナトリウ
ム水溶液を添加することによって副生有機酸によるヒド
ロペルオキシドの酸分解を抑制する方法があるが、有機
酸を充分中和するため多量の炭酸ナトリウム水溶液を添
加した場合は、ヒドロペルオキシドはアルカリ分解を引
き起こし、酸化速度,選択率はかえって低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ヒドロペル
オキシド類の製造における上記問題を解決するためにな
されたものであって、酸化反応において副生する有機酸
を積極的に酸化反応系から連続的に除去することが、炭
化水素を酸素含有気体にて酸化して対応するヒドロペル
オキシド類に転化させるのに有用であることを見出し
て、本発明に至ったものである。
【0007】即ち、本発明は、酸化反応において副生す
る有機酸を積極的に酸化反応系から連続的に除去するこ
とによって、炭化水素を酸素含有気体にて酸化して、対
応するヒドロペルオキシド類を高い選択率で製造する方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるヒドロペル
オキシド類の製造方法は、副生する有機酸を積極的に酸
化反応系から除去しながら酸化反応を行い、炭化水素を
対応するヒドロペルオキシド類に選択的に転化すること
を特徴とする。
【0009】出発原料である炭化水素は、2級炭素を有
するパラフィン、オレフィン、シクロパラフィン、アリ
ールアルキル炭化水素等が挙げられ、具体的な好ましい
例として、2級炭素を有するパラフィンとしてイソブタ
ン等、オレフィンとしてペンテン、イソブテン等、シク
ロパラフィンとしてシクロペンタン、シクロヘキサン
等、アリールアルキル炭化水素としてクメン、サイメン
等を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。
【0010】アリールアルキル炭化水素として、下記一
般式(I)で示される化合物を挙げることができる。
【0011】一般式(I)の化合物
【0012】
【化2】
【0013】(式中、P及びQは、水素又はアルキル基
を示し、相互に同じであってもよく、異なっていてもよ
く、xは1〜3の整数を示し、Arはx価の芳香族炭化
水素基を示す。)で表される化合物。
【0014】一般式(I)において、P及びQの少なく
ともいずれかがアルキル基であることが好ましく、特
に、いずれもがアルキル基であることが好ましい。上記
アルキル基としては、特にメチル基が好ましい。また、
芳香族炭化水素基はベンゼン、ナフタレン、ビフェニ
ル、ジフェニルエーテル等から導かれるx価の炭化水素
基を挙げることができるが、好ましくはベンゼン又はナ
フタレンから導かれるx価の炭化水素基である。
【0015】従って、本発明において、アリールアルキ
ル炭化水素の好ましい具体例としては、例えば、クメ
ン、サイメン、m−ジイソプロピルベンゼン、p−ジイ
ソプロピルベンゼン等のジイソプロピルベンゼン類、
1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等のトリイソプロ
ピルベンゼン類、エチルベンゼン、sec-ブチルベンゼ
ン、sec-ブチルエチルベンゼン、イソプロピルナフタレ
ン類、2,6−ジイソプロピルナフタレン等のジイソプ
ロピルナフタレン類、イソプロピルビフェニル類、4,
4’−ジイソプロピルビフェニル等のジイソプロピルビ
フェニル類や、これらの2種以上の混合物を挙げること
ができる。しかし、これらに限定されるものではない。
【0016】本発明における、酸化反応系外に副生有機
酸を除去する方法として、有機酸を水相へ抽出する方法
が挙げられる。有機酸を抽出した水相は連続的に酸化反
応系外に除去し、系内への蓄積を防止する。酸化反応に
おいて副生する有機酸は、具体的にはギ酸、酢酸等を挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
【0017】また水相は純水をもちいてもよいし、塩基
水を用いてもよい。クメンヒドロペルオキシド-クメン
混合物には若干の水が溶解するが、蒸留等の手段でクメ
ンヒドロペルオキシド-クメン混合物から除去すること
が望ましい。
【0018】次に本発明の反応条件について説明する。
【0019】酸化剤としての酸素含有気体としては、通
常、空気が用いられるが、酸素や酸素と窒素の任意の混
合ガスを用いてもよい。
【0020】上記酸素含有気体とは別に不活性ガスを酸
化反応容器の上の気相部に吹き入れる。好ましくは酸化
剤として用いる酸素含有気体の5〜20容積倍だが、特
に限定するものではない。
【0021】反応系内に水はあってもなくてもよい。
【0022】反応は、通常、常圧下で行なえばよいが、
必要に応じて、加圧下に行なってもよい。
【0023】反応温度は、通常、40〜120℃の範囲
であるが、好ましくは、50〜100℃の範囲である。
【0024】また、本反応は固体または水溶液とした塩
基性化合物の共存下に行ってもよい。塩基性化合物の例
としては炭酸ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,水酸化
ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素カリウム,水酸化
カリウム等を挙げることができるが、これらに限定され
るものではない。反応に用いる塩基性化合物の量は、前
記一般式(I)アリールアルキル炭化水素100重量部
に対して、通常0.0001〜10.0重量部、好まし
くは0.001〜5.0重量部である。
【0025】本発明による反応は、回分式、連続式のい
ずれでも行なうことができる。
【0026】必要であれば、反応に不活性な有機溶剤を
反応溶剤として用いてもよい。他方、出発物質である炭
化水素が反応温度で固体であれば、不活性な有機溶剤に
溶解させて溶液とし、加熱攪拌下に空気を吹き込んで、
酸化反応を行なってもよい。
【0027】更に、本発明においては、必要に応じて、
反応の開始に際して、炭化水素に、これに対応する少量
のヒドロペルオキシドを開始剤として存在させてもよ
い。また、必要に応じて遷移金属錯体等の触媒を併用す
ることも可能である。
【0028】
【実施例】以下に、アリールアルキル炭化水素からの有
機ヒドロペルオキシド類の製造を、実施例として説明す
る。しかし、本発明はこれら実施例により何ら限定され
るものではない。
【0029】実施例1 3LのSUS316L製水抽出槽に、蟻酸,及び酢酸を
主成分とする有機酸濃度213ppmを含有したクメン
ヒドロペルオキシド濃度31wt%のクメンヒドロペル
オキシド-クメン混合物1Lと純水1Lを入れ、400
rpmで10分間攪拌した後30分間静置して有機酸を
除去した。有機酸が抽出された水相1Lを除去し、新し
く純水1Lを添加して、上記操作を3回繰り返した後有
機酸の油水分配を分析したところ、クメンヒドロペルオ
キシド-クメン混合物の有機酸は49ppmとなった。
【0030】このクメンヒドロペルオキシド-クメン混
合物を原料として、温度99.5℃で酸化反応を行った
ところ、クメンヒドロペルオキシド濃度36wt%到達
時におけるクメンヒドロペルオキシド選択率は90.5
mol%であった。
【0031】実施例2 有機酸の水抽出後、蒸留にて水を0.05wt%まで除去
した以外は、実施例1と同様に酸化反応を行なった。ク
メンヒドロペルオキシド濃度34.8wt%到達時にお
けるクメンヒドロペルオキシド選択率は90.8mol
%であった。
【0032】比較例1 実施例1において有機酸の水抽出除去を行わない以外
は、実施例1と同様に酸化反応を行った。
【0033】クメンヒドロペルオキシド濃度34.4w
t%到達時におけるクメンヒドロペルオキシド選択率は
88.4mol%であった。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、酸化反
応において副生する有機酸を積極的に酸化反応系から連
続的に除去しながらアリールアルキル炭化水素を酸素含
有気体によって酸化することによって、対応するヒドロ
ペルオキシド類の選択率を向上させることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭化水素を酸素含有気体で酸化してヒドロ
    ペルオキシド類を製造する方法において、副生する有機
    酸を積極的に酸化反応系から除去しながら酸化反応を行
    い、炭化水素を対応するヒドロペルオキシド類に選択的
    に転化することを特徴とするヒドロペルオキシド類の製
    造方法。
  2. 【請求項2】炭化水素が、一般式(I) 【化1】 (式中、P及びQは、水素又はアルキル基を示し、相互
    に同じであってもよく、異なっていてもよく、xは1〜
    3の整数を示し、Arはx価の芳香族炭化水素基を示
    す。)で表されるアリールアルキル炭化水素であること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】一般式(I)で表されるアリールアルキル
    炭化水素がクメン、サイメン、m−ジイソプロピルベン
    ゼン、p−ジイソプロピルベンゼン、1,3,5−トリイ
    ソプロピルベンゼン、イソプロピルナフタレン、ジイソ
    プロピルナフタレン、イソプロピルビフェニル、ジイソ
    プロピルビフェニル又はこれらの2種以上の混合物であ
    ることを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】アリールアルキル炭化水素がクメンである
    請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】副生する有機酸を、水抽出によって酸化反
    応系から除去することを特徴とする請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】酸化反応系の酸化反応器に外部循環ライン
    を設け、その循環ライン上に有機酸の水抽出槽を設ける
    ことを特徴とする、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】酸化反応系の酸化反応器の出側に有機酸の
    水抽出槽を設け、油相を酸化反応器に戻すことを特徴と
    する請求項5記載の方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003535670A (ja) * 1999-11-24 2003-12-02 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 産業廃ガスの浄化方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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