JP2610938B2 - 積層緩衝材及びその製造方法 - Google Patents

積層緩衝材及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、2枚の積層フィルム間に多数の独立した中
空度を有する透明性、層間接着性及びガスバリヤー性に
優れた積層緩衝材及びその製造方法に関するものであ
る。
〔従来の技術及びその問題点〕
表面に多数の突起状中空室を有する積層緩衝材を製造
するために、従来より、熱可塑性樹脂フィルムの表面に
エンボスを施し、このエンボス化にフィルムを少なくと
も一方に用いた2枚の熱可塑性樹脂フィルムを積層接着
される方法は知られている。このような積層緩衝材は、
包装用材料、緩衝用材料、断熱用材料として広く利用さ
れている。
しかしながら、ポリオレフィン系樹脂は一般にガスバ
リヤー性に劣るため、これを素材として形成された積層
緩衝材は圧力が加わると、中空室内の空気が核力津によ
り大気に抜け去り、中空室内の封入空気の量が減少し、
その緩衝特性が失われるという欠点を有していた。
かかる欠点を改良するため、両表面層がポリオレフィ
ン系樹脂、中間層がガスバリヤー性樹脂、両表面層と中
間層との間が接着性樹脂層よりなる5層フィルムを用い
て積層緩衝材を作る試みもなされている。しかし、この
ような5層積層フィルムの場合、その製造装置が複雑に
なる上、均一な多層成形が困難で、かつ適当な接着材料
の選択が難しい等の問題がある。
一般に、ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂
とは相互に全く接着性がないため、両者の積層フィルム
を得るには、中間に接着層を介在させる必要があり、ポ
リオレフィン系樹脂、ガスバリヤー性樹脂の他に接着材
樹脂が必要となる。従って、このような3種の溶融樹脂
を押出すためには、押出機が3台必要となる。又、3種
の溶融樹脂を、前記した如き5層からなるガスバリヤー
性積層フィルムとするには、5層に分配積層する積層装
置が必要であるが、この5層の積層装置は非常に複雑で
高価であるばかりでなく、この高価な積層装置を使用し
ても、3種類の樹脂の溶融粘度の差、樹脂圧力の差等に
より、均一な5層構成のフィルムを安定している得るこ
とはむつかしく、高度の運転技術が要求される。すなわ
ち、3種類の樹脂が合流する時、各々の粘度、圧力、流
速がほぼ均一でないと、フローマークの発生、肉厚の不
均一、ガスバリヤー性樹脂層の分布不均一等の問題が発
生する。
さらに、ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂
の組合せによっては、適当な接着材がまだ見つかってい
ないものもある。現にポリエチレンとメタキシレン基含
有ポリアミド樹脂(以下MXナイロンと略す)の場合、適
当な接着材はまだ見つかっていない。一方、ポリオレフ
ィン系樹脂にガスバリヤー性樹脂を少量単純に押出機の
スクリューにてブレンドした場合は、ガスバリヤー性樹
脂が微細粒子状でポリオレフィン系樹脂に分散するた
め、ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂の混合
比によって、直線的にガスバリヤー性が変化するだけで
ある。さらに、このブレンドフィルムの場合、分散して
いる微細粒径が大きいものから小さいものまで巾広く分
布し、粒径が可視光線の波長と近いものが多数存在する
ため、その粒子により可視光線が散乱し、白濁したフィ
ルムとなる。
多層フィルムにおいては、そのガス透過係数は次式に
よって決まる。
1/P=n1/P1+n2/P2 (1) P:多層フィルムのガス透過係数 P1:ポリオレフィン樹脂のガス透過係数 P2:ガスバリヤー材のガス透過係数 n1:ポリオレフィン樹脂の全厚に対する割合 n2:ガスバリヤー材の全厚に対する割合 n1+n2=1 従って、多層フィルムの場合は、全厚中にごく薄いガ
スバリヤー層が存在するだけで、急激なガスバリヤー効
果のあるフィルムが得られる。ポリオレフィン系樹脂と
ガスバリヤー性樹脂とのガス透過係数の比が大きければ
大きい程その効果は顕著である。ガスバリヤー材の厚み
を変えて、多層フィルムのガス透過性を測定すると、第
1図の曲線1のようになる。一方、単純混合樹脂フィル
ムでは、第1図の曲線2のようになる。これらの図よ
り、ガスバリヤー性樹脂を同量使用した場合、多層フィ
ルムの方が単純混合樹脂フィルムよりもガスバリヤー効
果のあることが解かる。
ガスバリヤー材はポリオレフィン系樹脂に比べ高価な
ためにその使用量は少ない方が良く、そして、多層構成
によれば少ない量で十分なガスバリヤー性が得られる。
〔目的〕
本発明の第1の目的は、多層構成にするための複雑、
高価な積層装置及び接着用樹脂を必要とせずに、単層構
造で多層構成と同等のガスバリヤー効果を有するフィル
ムを形成するとともに、このフィルムを素材とした積層
緩衝材を提供することにある。
本発明の他の目的は、ポリオレフィン系樹脂と少量の
ガスバリヤー性樹脂とを特殊な混合状態とすることによ
り透明性、層間接着性及びガスバリヤー性に優れるフィ
ルムを形成するとともに、このフィルムを素材とした積
層緩衝材を提供することにある。さらに、本発明の他の
目的は、それら積層緩衝材を安価に製造する方法を提供
することにある。
〔問題を解決するための手段〕
本発明によれば、2枚の熱可塑性樹脂フィルム間に多
数の独立した中空室を形成した積層緩衝材において、該
2枚のフィルムの少なくとも一方に、ポリオレフィン系
樹脂とガスバリヤー性樹脂とからなり、該ガスバリヤー
性樹脂は、上記ポリオレフィン系樹脂中に複数の分散さ
れた層状で存在する樹脂フィルムを用いたことを特徴と
する積層緩衝材が提供される。また、本発明によれば、
ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂をそれぞれ
別個に溶融状態で押出し、スタティックミキサーに通
し、フィルム化するフィルム形成工程と、該フィルムの
表面にエンボスを施すエンボス化工程と、該エンボス化
フィルムを少なくとも一方に用いて2枚の熱可塑性樹脂
フィルムを積層接着する積層工程からなる積層緩衝材の
製造方法が提供される。
本発明による積層緩衝材は、補助成分として配合した
ガスバリヤー性樹脂が、その素材フィルム内に層状に分
散されて多数存在するため、単一層のフィルムを積層し
て形成したにもかかわらず、実質上多層構成のフィルム
を素材として用いて形成した積層緩衝材と同等の作用効
果を示すものである。
一般に、2種類の熱可塑性樹脂A,Bを押出機のスクリ
ューにて加熱溶融混合した場合の相分布を顕微鏡で見る
と、第2図に示すように、基材樹脂Aをマトリックスと
し、その中に添加樹脂Bが粒子状で混合分散した状態に
なる。また、樹脂Bの粒子直径dの分布状態は第3図に
示すように分布巾が広い状態となる。よってスクリュー
で混合した場合は、ヘイズの原因となる直径10分の1ミ
クロンから10ミクロン位までの樹脂B粒子が必ず多数存
在することとなる。即ち、このような混合状態の樹脂か
ら形成されたフィルムは添加樹脂Bのために白濁を生じ
る。
これに対して、本発明で用いる積層用素材フィルムの
場合、樹脂Aとガスバリヤー性樹脂Bの混合状態は第4
図に示したように、ポリオレフィン系樹脂Aをマトリッ
クスとし、その中にガスバリヤー性樹脂Bが層状物とし
て複数で分散した状態になる。この場合、ガスバリヤー
性樹脂Bからなる層状物は、フィルム面に沿ってほぼ平
行に存在し、フィルム内に多層を構成する。フィルム上
方から見たガスバリヤー性樹脂Bからなる層状物の巾h
は、第5図に示すような分布状態になり、hの分布巾は
非常に狭くなる。
前記した如きフィルム内に多層構成を有する本発明で
用いる積層用素材フィルムは、ポリオレフィン系樹脂と
ガスバリヤー性樹脂をそれぞれ溶融状態で押出し合流さ
せた後、スタティックミキサーで両者を特殊混合し、環
状ダイ又はTダイを通してフィルム化することによって
得ることができる。
スタティックミキサーは、駆動部のない静的混合器で
あり、パイプ内に四角状の板を右方向に180゜ねじり曲
げた右エレメントと左方向に180゜ねじり曲げた左エレ
メントを交互に多数配設した構造を有する。このスタテ
ィックミキサーの説明図を第6図に示す。第6図におい
て、1はパイプを示し、2は右エレメント、3は左エレ
メントを示す。流体は矢印方向に流通していくうちに特
殊混合される。このスタティックミキサーを用いる場
合、流体は次の3つの作用を受けて混合される。
(1)流体の分割 流体は1つのエレメントを通過するごとに2分割さ
れ、分割数をS、エレメント数をnとすると、S=2n
関係が成立する。
(2)流れの反転 右エレメントと左エレメントが交互に配置されている
ことから、各エレメントを通過するごとに流れが反転す
る。
(3)流れの転換 エレメントのねじれ面に沿って、中心部より壁部へ、
壁部より中心部へと流れが移動する。
本発明において、ポリオレフィン系樹脂Aとガスバリ
ヤー性樹脂Bを溶融状態で合流させ、これをスタティッ
クミキサーを通過させる時には、第4図に示したよう
に、樹脂A中に樹脂Bが層状に多数分散される。この場
合、その層状物の長軸方向は樹脂の流れ方向と一致す
る。また、層状物の巾hは、エレメント数とパイプの内
径によりコントロールされ、この巾hをコントロールす
ることにより、ヘイズがなく透明性にすぐれたフィルム
を得ることができる。本発明の場合、スタティックミキ
サーのエレメント数nは、5〜15、好ましくは8〜12で
あり、パイプの内径Dは、10〜50mm、好ましくは20〜40
mmである。また、層状物の巾hは10〜10000μm、好ま
しくは100〜1000μmである。
本発明で用いる積層用素材フィルムは、前記のよう
に、そのフィルム内にガスバリヤー性樹脂からなる多層
構成を有するため、ガスバリヤー性の特性において著し
く改善されたものである。次に、フィルムのガスバリヤ
ー性について述べる。
一般に、ポリオレフィン系樹脂に比較すると、ナイロ
ン、エチレン/ビニルアルコール共重合体等のガスバリ
ヤー性樹脂は、数十倍から数千倍のガスバリヤー性があ
る。ポリエチレンとMXナイロンの酸素透過係数の比は約
600倍である。ポリエチレンとMXナイロンのスクリュー
による混合の場合は、第2図に示したように、MXナイロ
ンは粒子状で分散されているため、ガスはポリエチレン
内をスムースに拡散できるので、ガスバリヤー性はMXナ
イロンの混合比に従って、直線的に変化するだけであ
る。しかし、スタティックミキサーによる特殊な混合の
場合は第4図に示すように、MXナイロンは層状で分散し
ているため、ガスはスムースには透過できず、多層フィ
ルムと同等のカスバリヤー性能が得られる。すなわち、
ポリエチレンとMXナイロンのスタティックミキサーによ
る特殊混合の場合は、MXナイロンを10vol%の配合にし
ただけで、前記(1)式より、 1/P=0.9/Po+0.1/Po/600 の関係式が独立し、P=Po/60.9となり、約61倍のガス
バリヤー性が得られる。
本発明で用いる特殊混合樹脂層よりなる単層フィルム
の場合は、その表面に添加したガスバリヤー性樹脂Bが
存在するようになるが、この場合、ガスバリヤー性樹脂
が表面に露出すると、フィルムの表面状態が良くない、
ガスバリヤー性樹脂が吸湿性のものであるとその樹脂の
吸水や結晶化が起る等の不都合が発生する可能性があ
る。従って、このような不都合を回避するためには、そ
のフィルムの片面又は両面にそのポリオレフィン系樹脂
と同一又は同種のポリオレフィン樹脂からなるフィルム
を外層して積層接着させるのが好ましい。この場合、そ
のフィルム間の相互の接着は、それらフィルムが同一又
は同種の樹脂からなるため容易かつ強固に行うことがで
きる。一般に、特殊混合樹脂層よりなる単層フィルム中
のポリオレフィン系樹脂の割合が60vol%以上あれば十
分な接着が達成される。特殊混合樹脂層よりなるフィル
ムの片面に外層ポリオレフィン系樹脂層が積層したもの
を用いて積層緩衝材を得る場合、その外層ポリオレフィ
ン系樹脂層が外表面を形成するように、すなわち、外層
を有しない特殊混合樹脂層面を接着面として積層接着さ
せるのが好ましい。
本発明で使用するポリオレフィン系樹脂としては、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のオレフィンの単独又は共重合体の
他、アクリル酸、無水マレイン酸等をポリオレフィンに
グラフト重合した変性ポリオレフィン系樹脂等があげら
れる。
また本発明で使用されるガスバリヤー性樹脂として
は、例えば、MXナイロンの他、エチレン−酢酸ビニル共
重合体のケン化物、エチレン−ビニルアルコール共重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル共重合体、ナイロ
ン6、ナイロン6,6等があげられる。
前記MXナイロンとしては、例えば、メタキシリレンジ
アミン単独又はメタキシリレンジアミン及び全量の30%
以下のパラキシリレンジアミンを含む混合キシリレンジ
アミンと、炭素数6−10のα・ω−脂肪族ジカルボン酸
とから得られる構成単位を少なくとも70モル%以上含有
する重合体が挙げられる。
これらの重合体の例としては、ポリメタキシリレンア
ジパミド、ポリメタキシリレンセパカミド、ポリメタキ
シリレンスペラミド等のような単独重合体、メタキシレ
ン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレ
ン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレ
ン/パラキシレンナゼラミド共重合体のような共重合体
及びこれらの単独若しくは共重合体の成分と、ヘキサメ
チレンジアミンのような脂肪族ジアミン、ピペラジンの
ような脂環式ジアミン、パラ−ビス−(2−アミノエチ
ル)ベンゼンのような芳香族ジアミン、テレフタル酸の
ような芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムのよう
なラクタム、ω−アミノヘプタン酸のようなω−アミノ
カルボン酸、パラ−アミノ安息香酸のような芳香族アミ
ノカルボン酸等との共重合体を例示することができる。
カスバリヤー性樹脂の配合量は、ポリオレフィン系樹
脂とガスバリヤー性樹脂との総和(Vol)に対し、一般
的には1〜40vol%であり、1〜25vol%の添加により十
分なガスバリヤー性を有する素材フィルムを得ることが
できる。
次に、第7図に、特殊混合樹脂層の単層フィルムを素
材として形成される本発明の積層緩衝材を製造するため
の装置を模式的に示す。第7図において、10はポリオレ
フィン系樹脂の押出機、11はガスバリヤー性樹脂の押出
機、12はスタイックミキサー、13、14はTダイ、24は冷
却ロール、25は加圧ロール、26はエンボス形成用吸引ド
ラム、29は積層緩衝材を示す。
この装置においては、押出機10及び押出機11よりそれ
ぞれポリオレフィン系樹脂及びガスバリヤー性樹脂が溶
融状態で押出され、これらの樹脂はそれぞれライン18,1
9を通った後、通路Pで合流し、スタティックミキサー1
2で混合され、前記したような特殊混合樹脂流となる。
この特殊混合樹脂流は2つの流れに分配され、その一つ
はライン22を通ってTダイ13に導かれ、一方、他の1つ
はライン23を通ってTダイ14に導かれ、それぞれTダイ
13、14からフィルム状で押出される。Tダイ13から押出
されたもの27は、冷却ロール24を通った後、エンボス形
成用吸引ドラケ26に送られ、ここで多表面に多数の突起
状部分が形成されたエンボス化フィルムに吸収成形され
る。このエンボス化フィルムは、Tダイ14から押出され
たフィルム28と吸引ドラム26上で積層されるとともに、
加圧ロール25で熱圧着され、表面に多数の独立した突起
状中空室を有する積層緩衝材29が形成される。
また、第8図に、特殊混合樹脂層の片面又は両面に外
層としてポリオレフィン系樹脂層を一体に積層接着した
多層フィルムを素材として形成される積層緩衝材を製造
するための装置を模式的に示す。
なお、第8図に示した符号において、第7図において
示したのと同一のものは同一の意味を示す。
この装置においては、押出機10及び押出機11よりそれ
ぞれポリオレフィン系樹脂及びエンボス性樹脂が溶融状
態で押出され、押出機10からのポリオレフィン系樹脂は
2つの流れに分配され、その1つはライン18を通る流れ
となる。一方押出機11から押出されガスバリヤー性樹脂
はライン19を通る流れとなる。そして、これらの樹脂は
通路Pで合流し、スタティックミキサー12により、前記
したような特殊混合樹脂流となる。この特殊混合樹脂流
は2つの流れに分配され、その1つはライン22を通って
積層装置15に導かれ、一方、他の1つはライン23を通っ
て積層装置16に導かれる。また、これらの積層装置15,1
6には、ライン17からのポリオレフィン系樹脂流が、そ
れぞれライン20及び21を通って導入される。そして、積
層装置15及び16において、特殊混合樹脂流とポリオレフ
ィン系樹脂とは層状で積層された後、それぞれTダイ1
3,14で巾方向に伸ばされ、ここから多層フィルム状で押
出される。Tダイ13から押出されたもの27は、冷却ロー
ル24を通った後、エンボス形式用吸引ドラム26に送ら
れ、ここで多表面に多数の突起状部分が形成されたエン
ボス化フィルムに吸引成形される。このエンボス化フィ
ルムは、Tダイ14から押出されたフィルム28と吸引ドラ
ム26上で積層されるとともに、加圧ロール25で熱圧着さ
れ、表面に多数の独立した突起状中空室を有する積層緩
衝材29に形成される。
第9図〜第11図に本発明の積層緩衝材の説明断面図を
示す。
第9図は、特殊混合樹脂層からなる2枚の単層フィル
ム30,30を、その間に中空室32を形成して積層接着した
構造のものを示す。
第1図は、特殊混合樹脂層30の両面に外層としてポリ
オレフィン系樹脂層31を一体に積層した2枚のフィルム
35,36を、その間に中空室32を形成して、その特殊混合
樹脂層30が接着面及びポリオレフィン系樹脂31が外面表
面となるように積層接着した構造のものを示す。
なお、第9図〜第11図に示した積層緩衝材を構成する
各フィルムの厚さは、通常、10〜1000μmである。
また、本発明の積層緩衝材の構造は、第9図〜第11図
に示したものに限定されるものではなく、例えば、積層
材の両方の外面に突起状の中空室を形成とした構造のも
のや、積層する2枚のフィルムのうち、一方のフィル
ム、例えば第10図及び第11図において、フィルム34、36
を表面にポリオレフィン系樹脂層を形成したガスバリヤ
ー性樹脂フィルムとした構造や、第10図及び第11図にお
いて、フィルム33及び34のうちの一方あるいはフィルム
35及び36のうちの一方をそれぞれ特殊混合樹脂層30から
なるフィルムから形成した構造のものとすることができ
る。
本発明の積層緩衝材の製造におけるフィルム面へのエ
ンボス加工及び2つのフィルムの積層加工は、従来公知
の方法に従って行うことができ、種々の形状及び構造の
積層緩衝材を得ることができる。
〔作用及び発明の効果〕
本発明の特殊混合樹脂層を含む積層緩衝材は、前記の
ように、その特殊混合樹脂層が内部多層構造を有するた
め、従来の多層フィルムから形成されたものと同等のガ
スバリヤー性機能を有するものである。
本発明の積層緩衝材は、透明性、ガスバリヤー性、層
間接着性にすぐれる上、加重が加えられた場合でもガス
バリヤー性が高いため、独立した中空室内の空気が抜け
にくく、長期間優れた緩衝特性を保持し、包装分野を始
めとした種々の分野において利用される。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
尚、以下において示した素材フィルムの曇度及び酸素
透過率の測定方法及び積層緩衝材のクリーム試験法は、
次の通りである。
(1)曇度: 〔(拡散透過光量)/(全透過光量)〕×100(%) *JIS−K6714又はASTM D883−62Tによる日本電色工業株
式会社製デジタル曇度計NDH−2Dを使用して測定した。
尚、この測定に用いたサンプルは、実施例1〜4及び
比較例1〜4においては、同一組成で厚み50μmに調整
したフィルムであり、また実施例5〜6においては、同
一組成及び同一層比の全厚み50μmのフィルムである。
(2)酸素透過率: モダンコントロール社製OXTRAN100使用、測定温度20
℃、内側相対湿度100%、外側相対湿度65% (3)クリープ試験 積層緩衝材を100mm角に切り、数枚重ね合わせ、上方
より2kgfの加重を加え、高さを100mmに設定し、15日経
過後の高さ減少率を求める。測定条件は、温度:23℃、
湿度65%RHである。
実施例1〜4及び比較例1 第7図に示すような装置を用いて第9図に示した構造
の積層緩衝材の製造を行った。この場合、ポリオレフィ
ン系樹脂としてポリエチレン(メルトインデックス2.0g
/10min)、ガスバリヤー性樹脂としてポリメタキシレン
アジパミド(以下N−MXD6と略す)をそれぞれ用いた。
スタティックミキサーは内径φ30mmで、そのエレメント
数7とした。製造条件は次の通りである。
(ポリオレフィン系樹脂押出機) シリンダー内径:50mm シリンダー温度:260℃ シリンダー吐出量:10kg/hr (ガスバリヤー樹脂押出機) シリンダー内径:30mm シリンダー温度:260℃ (積層緩衝材の構造) 第9図における方法 a…10mm b…4mm d′…30μm e′…20μm 突起状部間の距離:10mm 比較例2 ポリエチレン中にN−MXD6UT15vol%になるように原
料でブレンドし、これをポリオレフィン系樹脂押出機よ
り押し出した。尚、スタティックミキサーは取りはず
し、また、ガスバリヤー性樹脂の押出機は停止した。そ
れ以外は実施例1と同様にして積層緩衝材を得た。
以上のようにして得られた各積層緩衝材の物性を第1
表に示す。
実施例5〜6及び比較例3 第8図に示すような装置を用いて第11図に示した構造
の積層緩衝材の製造を行った。この場合、ポリオレフィ
ン系樹脂としてポリエチレン(メルトインデックス2.0g
/10min)、ガスバリヤー性樹脂としてポリメタキシレン
アジパミド(以下N−MXD6と略す)をそれぞれを用い
た。スタティックミキサーは内径φ30mmで、そのエレメ
ント数7とした。製造条件は次の通りである。
(ポリオレフィン系樹脂押出機) シリンダー内径:50mm シリンダー温度:260℃ シリンダー吐出量:10kg/hr (ガスバリヤー樹脂押出機) シリンダー内径:30mm シリンダー温度:260℃ (積層緩衝材の構造) 第11図における方法 a…10mm b…4mm c…15μm d…15μm e…10mm f…10μm 突起状部間の距離:10mm 比較例4 ポリエチレン中にN−MXD6が15vol%になるように原
料でブレンドし、これをガスバリヤー性樹脂押出機より
押し出した。尚、スタティックミキサーは取りはずし
た。それ以外は実施例5と同様にして積層緩衝材を得
た。
以上のようにして得られた各積層緩衝材の物性を第2
表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図はポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂よ
りなるフィルムに於いて、スクリューによる単純混合単
層フィルムと多層フィルムのガスバリヤー性の違いを説
明する図である。第2図はスクリューによるポリオレフ
ィン系樹脂とガスバリヤー性樹脂の単純混合状態を表し
た説明図であり、第3図は単純混合樹脂フィルム中に分
散しているガスバリアー性樹脂Bの粒子直径の分布状態
を表した図である。第4図は本発明による特殊混合樹脂
フィルム内のガスバリヤー性樹脂Bの分散状態を表した
説明図であり、第5図はそのフィルム中に分布するガス
バリヤー性樹脂Bからなる層状物の巾hの分布状態を表
した図である。第6図はスタティックミキサーの説明図
を示す。第7図は本発明の積層緩衝材を製造するための
装置の模式図であり、第8図はその変更例である。第9
図は本発明の積層緩衝材の1つの例についての断面構造
図、第10図及び第11図はその変更例を示す。 1……パイプ、2……右エレメント、3……左エレメン
ト、10……ポリオレフィン系樹脂押出機、11……ガスバ
リヤー性樹脂押出機、12……スタティックミキサー、1
3,14……Tダイ、14,15……積層装置、24……冷却ロー
ル、25……加圧ロール、26……エンボス形成用吸引ドラ
ム、29……積層緩衝材、A……ポリオレフィン系樹脂、
B……ガスバリヤー性樹脂。

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の熱可塑性樹脂フィルム間に多数の独
    立した中空室を形成した積層緩衝材において、該2枚の
    フィルムの少なくとも一方に、ポリオレフィン系樹脂と
    ガスバリヤー性樹脂とからなり、該ガスバリヤー性樹脂
    は、上記ポリオレフィン系樹脂中に複数の分散された層
    状で存在する樹脂フィルムを用いたことを特徴とする積
    層緩衝材。
  2. 【請求項2】2枚の熱可塑性樹脂フィルム間に多数の独
    立した中空室を形成した積層緩衝材において、該2枚の
    フイルムの少なくとも一方に、ポリオレフィン系樹脂と
    ガスバリヤー性樹脂からなる樹脂層と、該樹脂層の少な
    くとも一方の面に外層として一体に積層された該ポリオ
    レフィン系樹脂と同一ないし同種のポリオレフィン系樹
    脂からなる外層樹脂層との積層体からなり、該ガスバリ
    ヤー性樹脂は、該樹脂成分であるポリオレフィン系樹脂
    中に複数の分散された層状で存在する樹脂フィルムを用
    いることを特徴とする積層緩衝材。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹
    脂をそれぞれ別個に溶融状態で押出し、スタテックミキ
    サーに通し、フィルム化するフィルム形成工程と、該フ
    ィルムの表面にエンボスをを施すエンボス化工程と、該
    エンボス化フィルムに熱可塑性樹脂フィルムを積層接着
    する積層工程からなる積層緩衝材の製造方法。
  4. 【請求項4】該積層工程において、該エンボス化フィル
    ムに積層される熱可塑性樹脂フィルムが、ガスバリヤー
    性樹脂フィルムである請求項3の方法。
  5. 【請求項5】該ガスバリヤー性樹脂フィルムが、ポリオ
    レフィン系樹脂中にガスバリヤー性樹脂を複数の分散さ
    れた層状で存在させた樹脂フィルムである請求項4の方
    法。
  6. 【請求項6】ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹
    脂をそれぞれ別個に溶融状態で押出し、スタテックミキ
    サーに通し、得られた層状樹脂流の少なくとも一方の面
    に該ポリオレフィン系樹脂と同一ないし同種の溶融状態
    のポリオレフィン系樹脂を外層として層状に接融させ、
    全体を一体にフィルム化するフィルム形成工程と、該フ
    ィルムの表面にエンボスを施すエンボス化工程と、エン
    ボス化フィルムを少なくとも一方に用いて2枚の熱可塑
    性樹脂フィルムを積層接着する積層工程からなる積層緩
    衝材の製造方法。
  7. 【請求項7】ポリオレフィン系樹脂とガスバリヤー性樹
    脂をそれぞれ別個に溶融状態で押出し、スタティックミ
    キサーに通してフィルム化するとともに、該フィルムの
    少なくとも一方の面に該ポリオレフィン系樹脂と同一な
    いし同種のポリオレフィン系樹脂からなるフィルムを外
    層として熱圧着するフィルム形成工程と、該フィルムの
    表面にエンボスを施すエンボス化工程と、該エンボス化
    フィルムを少なくとも一方に用いた2枚の熱可塑性樹脂
    の積層工程からなる積層緩衝材の製造方法。
  8. 【請求項8】該積層工程において、該エンボス化フィル
    ムに積層される他方の熱可塑性樹脂フィルムが、ガスバ
    リヤー性樹脂フィルムである請求項6又は7の方法。
  9. 【請求項9】該ガスバリヤー性樹脂フィルムが、ポリオ
    レフィン系樹脂中にガスバリヤー性樹脂を複数の分散さ
    れた層状で存在させた樹脂フィルムである請求項8の方
    法。
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